JP2002192905A - タイヤ・リムホイール組立体及び空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤ・リムホイール組立体及び空気入りタイヤ

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JP2002192905A
JP2002192905A JP2000396035A JP2000396035A JP2002192905A JP 2002192905 A JP2002192905 A JP 2002192905A JP 2000396035 A JP2000396035 A JP 2000396035A JP 2000396035 A JP2000396035 A JP 2000396035A JP 2002192905 A JP2002192905 A JP 2002192905A
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rim
carcass
bead
carcass ply
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操縦安定性などの他性能へ与えずにロードノ
イズを低減すること。 【解決手段】 空気入りタイヤ14は、車両内側のタイ
ヤ半幅SWINが短く、車両外側のタイヤ半幅SWOUT
長いので、車両内側のサイド部の剛性は高く、車両外側
のサイド部の剛性は低くなる。リムホイール12の加振
時の振幅が大きい側に、サイド部の剛性の低い側を対応
させることにより、ハブ連結部に作用する加振力を低減
することができ、ロードノイズの低減が図れる。なお、
リムホイール12の加振時の振幅が大きい側とは反対側
は振幅が小さいので、振幅の小さい側に空気入りタイヤ
14のサイド部の剛性の高い側を対応させてもハブ連結
部への振動伝達は大きくならない。このため、片側のサ
イド部剛性を小さくしても、もう片側のサイド部剛性を
大きくして、空気入りタイヤ全体でのバネ定数を確保で
き、操縦安定性を確保できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤ・リムホイ
ール組立体及び空気入りタイヤに係り、特に車両に装着
した際のロードノイズを効果的に低減することのできる
タイヤ・リムホイール組立体及び空気入りタイヤを提供
することが目的である。
【0002】
【従来の技術】昨今のタイヤに対して要求されるタイヤ
性能としてロードノイズを低減させることが強く求めら
れている。
【0003】ロードノイズはタイヤが路面の凹凸により
強制入力を受けて振動し、それが車軸を介して車体へ伝
播し、最終的に車室内に伝達されて音となる。
【0004】その振動の伝達経路を詳しく観察すると、
タイヤのトレッド部,左右のサイドウォール部、左右の
ビード部、ホイール(リム・ディスク)部、車軸へと伝
達される。
【0005】従来ロードノイズを低減するためにはタイ
ヤの振動特性の改良が必要であり、タイヤ断面の重量や
剛性の配分の適正化によるモード周波数のコントロール
などにより改良が行われてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、タイヤのモー
ド周波数コントロールによる手法では、ロードノイズは
低減されるものの、操縦安定性などの他性能へ与える影
響が多い。
【0007】本発明は上記事実を考慮し、操縦安定性な
どの他性能へ与えずにロードノイズを低減することので
きるタイヤ・リムホイール組立体及び空気入りタイヤを
提供することが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者はロー
ドノイズを低減するために研究を行った結果、以下のよ
うな事実が判明した。
【0009】ロードノイズについてはゴムなどの弾性体
で構成されたタイヤの弾性振動のみが主要因であると考
えられていたが、ホイールの振動も重要な要因であると
いう事実が判明した。
【0010】そこで、種々のホイールについて、リム部
を径方向に加振した時の曲げ変形モードを調べた結果、
車両内側のリム端の振幅と車両外側のリム端の振幅とが
異なる場合があり、ホイールディスクのオフセットによ
らず、ホイールのデザインによって内外のリム端に振幅
の差が生じることが分った。
【0011】また、タイヤのタイヤ半幅がタイヤ赤道面
の左右で異なると、トレッド〜ビード部間の振動の伝達
特性がタイヤ赤道面の左右で異なることも判明した。
【0012】本発明者は、このような新たな知見を巧み
に利用すれば、ロードノイズの低減が図れることを見出
すに至ったのである。
【0013】請求項1に記載の発明は、上記事実に鑑み
てなされたものであって、左右一対のビード部に設けら
れたビードコアと、一方のビード部から他方のビード部
に延びる本体部と前記ビードコアをタイヤ径方向内側か
ら外側へ巻き上げられた巻上部を有するカーカスプライ
と、前記カーカスプライのクラウン部ラジアル方向外側
に配置された1層以上のコード層よりなるベルトと、前
記ベルトのラジアル方向外側に配置されたトレッドゴム
と、前記カーカスプライのタイヤ軸外側に配置されたサ
イドゴムとを備えた空気入りタイヤをリムホイールに組
み付けたタイヤ・リムホイール組立体であって、リム径
方向加振時の振幅が、表側のリム端と裏側のリム端とで
異なるリムホイールと、タイヤ赤道面から一方のサイド
部のタイヤ軸方向最外端までのタイヤ回転軸に沿って計
測したタイヤ半幅と、タイヤ赤道面から他方のサイド部
のタイヤ軸方向最外端までのタイヤ回転軸に沿って計測
したタイヤ半幅とが異なる空気入りタイヤと、を備え、
リム径方向加振時の振幅が大きい方のリム端側に、前記
空気入りタイヤの前記タイヤ半幅の大きい側を対応させ
たことを特徴としている。
【0014】次に、請求項1に記載のタイヤ・リムホイ
ール組立体の作用を説明する。
【0015】先ず、空気入りタイヤのサイド部の剛性
は、内圧に起因するプライ張力の影響を受けることは良
く知られており、プライに作用する張力が大きいとサイ
ド部の剛性が大きくなる。
【0016】ここで、プライに作用する張力を膜理論に
より簡単に算出すれば、カーカス形状の曲率半径に比例
する(下式参照)。
【0017】単位幅あたりの張力T=r・P r:カーカス(プライ)の曲率半径 P:内圧 よって、サイド部の剛性を低下させるためには、カーカ
スの曲率半径を小さくすれば良く、そのためには最大幅
を大きくすれば、最大幅付近のカーカスの曲率半径が必
然的に小さくなる。
【0018】即ち、本発明のタイヤ・リムホイール組立
体の空気入りタイヤでは、タイヤ赤道面の一方のタイヤ
半幅と他方のタイヤ半幅とが異なるので、タイヤ半幅の
大きい側のサイド部の剛性は低く、タイヤ半幅の小さい
側のサイド部の剛性は高くなる。
【0019】したがって、空気入りタイヤとリムホイー
ルとを組み合わせる際に、リム径方向加振時の振幅が大
きい方のリム端側に、サイド部の剛性の低い側、即ち、
タイヤ半幅の大きい側を対応させることにより、ハブ連
結部に作用する加振力を低減することができ、ロードノ
イズの低減が図れる。
【0020】なお、加振時の振幅が大きい方のリム端と
は反対側は加振時の振幅が小さいので、加振時の振幅が
小さい側に、空気入りタイヤのサイド部の剛性の高い側
を対応させてもハブ連結部への振動伝達は大きくならな
い。
【0021】このため、片側のサイド部剛性を小さくし
ても、もう片側のサイド部剛性を大きくして、空気入り
タイヤ全体でのバネ定数は確保できる。
【0022】このように、路面からの入力はハブ連結部
へ伝達されにくくなり、かつ空気入りタイヤ全体でのバ
ネ定数は変化しないので、操縦安定性へ影響を与えずに
ロードノイズのみを低減することができる。
【0023】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のタイヤ・リムホイール組立体において、値が小さい方
のタイヤ半幅をSWS、値が大きい方のタイヤ半幅をS
Lとしたときに、1.04SWS≦SWLとしたことを
特徴としている。
【0024】次に、請求項2に記載のタイヤ・リムホイ
ール組立体の作用を説明する。
【0025】値が小さい方のタイヤ半幅をSWS、値が
大きい方のタイヤ半幅をSWLとしたときに、1.04
SWS≦SWLに設定することにより、ロードノイズを十
分に低減することが出来る。
【0026】請求項3に記載の発明は、左右一対のビー
ド部に設けられたビードコアと、一方のビード部から他
方のビード部に延びる本体部と前記ビードコアをタイヤ
径方向内側から外側へ巻き上げられた巻上部を有するカ
ーカスプライと、前記カーカスプライのクラウン部ラジ
アル方向外側に配置された1層以上のコード層よりなる
ベルトと、前記ベルトのラジアル方向外側に配置された
トレッドゴムと、前記カーカスプライのタイヤ軸外側に
配置されたサイドゴムとを備えた空気入りタイヤであっ
て、タイヤ赤道面から一方のサイド部のタイヤ軸方向最
外端までのタイヤ回転軸に沿って計測したタイヤ半幅
と、タイヤ赤道面から他方のサイド部のタイヤ軸方向最
外端までのタイヤ回転軸に沿って計測したタイヤ半幅と
が異なることを特徴としている。
【0027】次に、請求項3に記載の空気入りタイヤの
作用を説明する。
【0028】先ず、空気入りタイヤのサイド部の剛性
は、内圧に起因するプライ張力の影響を受けることは良
く知られており、プライに作用する張力が大きいとサイ
ド部の剛性が大きくなる。
【0029】ここで、プライに作用する張力を膜理論に
より簡単に算出すれば、カーカス形状の曲率半径に比例
する(下式参照)。
【0030】単位幅あたりの張力T=r・P r:カーカ(スプライ)の曲率半径 P:内圧 よって、サイド部の剛性を低下させるためには、カーカ
スの曲率半径を小さくすれば良く、そのためには最大幅
を大きくすれば、最大幅付近のカーカスの曲率半径が必
然的に小さくなる。
【0031】即ち、本発明の空気入りタイヤでは、タイ
ヤ赤道面の一方のタイヤ半幅と他方のタイヤ半幅とが異
なるので、タイヤ半幅の大きい側のサイド部の剛性は低
く、タイヤ半幅の小さい側のサイド部の剛性は高くな
る。
【0032】したがって、空気入りタイヤとリムホイー
ルとを組み合わせる際に、リム径方向加振時の振幅が大
きい方のリム端側に、サイド部の剛性の低い側、即ち、
タイヤ半幅の大きい側を対応させることにより、ハブ連
結部に作用する加振力を低減することができ、ロードノ
イズの低減が図れる。
【0033】なお、加振時の振幅が大きい方のリム端と
は反対側は加振時の振幅が小さいので、加振時の振幅が
小さい側に、空気入りタイヤのサイド部の剛性の高い側
を対応させてもハブ連結部への振動伝達は大きくならな
い。
【0034】このため、片側のサイド部剛性を小さくし
ても、もう片側のサイド部剛性を大きくして、空気入り
タイヤ全体でのバネ定数は確保できる。
【0035】このように、路面からの入力はハブ連結部
へ伝達されにくくなり、かつ空気入りタイヤ全体でのバ
ネ定数は変化しないので、操縦安定性へ影響を与えずに
ロードノイズのみを低減することができる。
【0036】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の空気入りタイヤにおいて、値が小さい方のタイヤ半幅
をSWS、値が大きい方のタイヤ半幅をSWLとしたとき
に、1.04SWS≦SWLとしたことを特徴としてい
る。
【0037】次に、請求項4に記載の空気入りタイヤの
作用を説明する。
【0038】値が小さい方のタイヤ半幅をSWS、値が
大きい方のタイヤ半幅をSWLとしたときに、1.04
SWS≦SWLに設定することにより、ロードノイズを十
分に低減することが出来る。
【0039】請求項5に記載の発明は、左右一対のビー
ド部に設けられたビードコアと、一方のビード部から他
方のビード部に延びる本体部と前記ビードコアをタイヤ
径方向内側から外側へ巻き上げられた巻上部を有するカ
ーカスプライと、前記カーカスプライのクラウン部ラジ
アル方向外側に配置された1層以上のコード層よりなる
ベルトと、前記ベルトのラジアル方向外側に配置された
トレッドゴムと、前記カーカスプライのタイヤ軸外側に
配置されたサイドゴムとを備えた空気入りタイヤをリム
ホイールに組み付けたタイヤ・リムホイール組立体であ
って、リム径方向加振時の振幅が、表側のリム端と裏側
のリム端とで異なるリムホイールと、前記カーカスプラ
イの一方のビードコアからタイヤ赤道面までのカーカス
長と、他方のビードコアからタイヤ赤道面までのカーカ
ス長とが異なる空気入りタイヤと、を備え、リム径方向
加振時の振幅が大きい方のリム端側に、前記空気入りタ
イヤの前記カーカス長の長い側を対応させたことを特徴
としている。
【0040】次に、請求項5に記載のタイヤ・リムホイ
ール組立体の作用を説明する。
【0041】本発明のタイヤ・リムホイール組立体の空
気入りタイヤでは、タイヤ赤道面の一方のカーカス長と
他方のカーカス長とが異なるので、カーカス長の長い側
のサイド部の剛性は低く、カーカス長の短い側のサイド
部の剛性は高くなる。
【0042】したがって、空気入りタイヤとリムホイー
ルとを組み合わせる際に、リム径方向加振時の振幅が大
きい方のリム端側に、サイド部の剛性の低い側、即ち、
カーカス長の長い側を対応させることにより、ハブ連結
部に作用する加振力を低減することができ、ロードノイ
ズの低減が図れる。
【0043】なお、加振時の振幅が大きい方のリム端と
は反対側は加振時の振幅が小さいので、加振時の振幅が
小さい側に、空気入りタイヤのサイド部の剛性の高い側
を対応させてもハブ連結部への振動伝達は大きくならな
い。
【0044】このため、片側のサイド部剛性を小さくし
ても、もう片側のサイド部剛性を大きくして、空気入り
タイヤ全体でのバネ定数は確保できる。
【0045】このように、路面からの入力はハブ連結部
へ伝達されにくくなり、かつ空気入りタイヤ全体でのバ
ネ定数は変化しないので、操縦安定性へ影響を与えずに
ロードノイズのみを低減することができる。
【0046】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
のタイヤ・リムホイール組立体において、短い方のカー
カス長をLS、長い方のカーカス長をLLとしたとき
に、1.04LS≦LLとしたことを特徴としている。
【0047】次に、請求項6に記載のタイヤ・リムホイ
ール組立体の作用を説明する。
【0048】短い方のカーカス長をLS、長い方のカー
カス長をLLとしたときに、1.04LS≦LLに設定
することにより、ロードノイズを十分に低減することが
出来る。
【0049】請求項7に記載の発明は、左右一対のビー
ド部に設けられたビードコアと、一方のビード部から他
方のビード部に延びる本体部と前記ビードコアをタイヤ
径方向内側から外側へ巻き上げられた巻上部を有するカ
ーカスプライと、前記カーカスプライのクラウン部ラジ
アル方向外側に配置された1層以上のコード層よりなる
ベルトと、前記ベルトのラジアル方向外側に配置された
トレッドゴムと、前記カーカスプライのタイヤ軸外側に
配置されたサイドゴムとを備えた空気入りタイヤであっ
て、 前記カーカスプライの一方のビードコアからタイ
ヤ赤道面までのカーカス長と、他方のビードコアからタ
イヤ赤道面までのカーカス長とが異なることを特徴とし
ている。
【0050】次に、請求項7に記載の空気入りタイヤの
作用を説明する。
【0051】本発明の空気入りタイヤでは、タイヤ赤道
面の一方のカーカス長と他方のカーカス長とが異なるの
で、カーカス長の長い側のサイド部の剛性は低く、カー
カス長の短い側のサイド部の剛性は高くなる。
【0052】したがって、空気入りタイヤとリムホイー
ルとを組み合わせる際に、リム径方向加振時の振幅が大
きい方のリム端側に、サイド部の剛性の低い側、即ち、
カーカス長の長い側を対応させることにより、ハブ連結
部に作用する加振力を低減することができ、ロードノイ
ズの低減が図れる。
【0053】なお、加振時の振幅が大きい方のリム端と
は反対側は加振時の振幅が小さいので、加振時の振幅が
小さい側に、空気入りタイヤのサイド部の剛性の高い側
を対応させてもハブ連結部への振動伝達は大きくならな
い。
【0054】このため、片側のサイド部剛性を小さくし
ても、もう片側のサイド部剛性を大きくして、空気入り
タイヤ全体でのバネ定数は確保できる。
【0055】このように、路面からの入力はハブ連結部
へ伝達されにくくなり、かつ空気入りタイヤ全体でのバ
ネ定数は変化しないので、操縦安定性へ影響を与えずに
ロードノイズのみを低減することができる。
【0056】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の空気入りタイヤにおいて、短い方のカーカス長をL
S、長い方のカーカス長をLLとしたときに、1.04
LS≦LLとしたことを特徴としている。
【0057】次に、請求項8に記載の空気入りタイヤの
作用を説明する。
【0058】短い方のカーカス長をLS、長い方のカー
カス長をLLとしたときに、1.04LS≦LLに設定
することにより、ロードノイズを十分に低減することが
出来る。
【0059】
【発明の実施の形態】[第1の実施形態]本発明のタイ
ヤ・リムホイール組立体の第1の実施形態を図1乃至図
3にしたがって説明する。
【0060】図1に示すように、本実施形態のタイヤ・
リムホイール組立体10は、リムホイール12に空気入
りタイヤ14を装着したものである。
【0061】なお、図1のタイヤ・リムホイール組立体
10において、矢印INは車両内側方向を、矢印OUT
は車両外側方向を示している。
【0062】本実施形態の空気入りタイヤ14は、一対
のビード部16をトロイド状に跨がるカーカス18を備
えている。
【0063】カーカス18のタイヤ径方向外側には、本
実施形態では、第1ベルトプライ20A及び第2ベルト
プライ20Bの2枚のベルトプライからなるベルト20
が配設されている。
【0064】ベルト20のタイヤ径方向外側にはトレッ
ドゴム層22が配設されている。また、カーカス18の
タイヤ軸方向外側には、サイドゴム層24が配設されて
いる。
【0065】本実施形態のカーカス18は、複数本のコ
ードを互いに平行に並べてゴムコーティングした1枚の
カーカスプライ26から構成されている。
【0066】ビード部16のビードコア28には、カー
カスプライ26の端部分がタイヤ径方向外側へ巻き上げ
られている。
【0067】ここで、カーカスプライ26の一方のビー
ドコア28から他方のビードコア28へ至る部分を本体
部26A、ビードコア28からタイヤ径方向外側へ延び
る巻上部分を巻上部26Bとする。
【0068】カーカスプライ26の本体部26Aと巻上
部26Bとの間には、ビードコア28からタイヤ径方向
外側へ延びる高硬度のゴムからなるビードフィラー30
が配設されている。
【0069】図2に示すように、タイヤ赤道面CLから
車両内側のサイド部のタイヤ軸方向最外端PINまでのタ
イヤ回転軸に沿って計測したタイヤ半幅SWINと、タイ
ヤ赤道面CLから車両外側のサイド部のタイヤ軸方向最
外端POUTまでのタイヤ回転軸に沿って計測したタイヤ
半幅SWOUTとが異なっている。
【0070】より具体的には、タイヤ半幅SWOUTはタ
イヤ半幅SWINよりも大きく設定されている。そして、
車両外側のタイヤ軸方向最外端POUTのタイヤ外表面付
近の曲率半径ROUTは、車両内側のタイヤ軸方向最外端
INのタイヤ外表面付近の曲率半径RINよりも小さい。
【0071】ここで、空気入りタイヤ14の車両内側の
タイヤ半幅SWINと車両外側のタイヤ半幅SWOUTとの
関係は、1.04SWIN≦SWOUT(本発明の1.04
SWS≦SWL)に設定することが好ましい。
【0072】図1に示すように、本実施形態のリムホイ
ール12は、リム部32の幅方向中心線RCLに対して
ディスク部33が車両外側方向(リムホイールの表側)
にオフセットしているが、リム部を加振した時の振幅
は、車両外側のリム端の方が車両内側のリム端よりも大
きなっているものである。
【0073】ここで、リムホイール12のリム端の振幅
測定方法を以下に説明する。
【0074】図3に示すように、加速度計40をホイー
ル断面方向18箇所に貼り付けたリムホイール12を試
験用車軸42に取り付け、小型加振器でリム部をリム径
方向に加振することによって曲げモードの変形を測定し
て得た。 (作用)本実施形態の空気入りタイヤ14では、車両内
側のタイヤ半幅SWINが小さく、車両外側のタイヤ半幅
SWOUTが大きいので、車両内側のサイド部の剛性は高
く、車両外側のサイド部の剛性は低くなる。
【0075】本実施形態のタイヤ・リムホイール組立体
10では、リム径方向加振時の振幅が大きい方のリム端
側にサイド部の剛性の低い側が対応しているので、ハブ
連結部に作用する加振力を低減することができ、ロード
ノイズの低減が図れる。
【0076】なお、加振時の振幅が大きい方のリム端と
は反対側は加振時の振幅が小さいので、加振時の振幅が
小さい側に空気入りタイヤ14のサイド部の剛性の高い
側を対応させてもハブ連結部への振動伝達は大きくなら
ない。
【0077】このため、片側のサイド部剛性を小さくし
ても、もう片側のサイド部剛性を大きくして、空気入り
タイヤ全体でのバネ定数は確保できる。
【0078】このように、路面からの入力はハブ連結部
34へ伝達されにくくなり、かつ空気入りタイヤ全体で
のバネ定数は変化しないので、操縦安定性へ影響を与え
ずにロードノイズのみを低減することができる。
【0079】なお、1.04SWIN>SWOUTに設定す
ると、ロードノイズを低減することが出来なくなる。 [第2の実施形態]本発明のタイヤ・リムホイール組立
体の第2の実施形態を図4にしたがって説明する。な
お、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、そ
の説明は省略する。
【0080】図4に示すように、本実施形態では、タイ
ヤ半幅SWINとタイヤ半幅SWOUTとが同一寸法である
が、サイド部の断面形状が車両内外で異なっており、カ
ーカスプライ26の車両内側のビードコア28からタイ
ヤ赤道面CLまでのカーカス長LSは短く、車両外側の
ビードコア28からタイヤ赤道面CLまでのカーカス長
LLが長く設定されている。
【0081】ここで、短い方のカーカス長LSと長い方
のカーカス長LLとの関係は、1.04LS≦LLに設
定することが好ましい。 (作用)本実施形態の空気入りタイヤ14では、車両内
側のカーカス長LSが短く、車両外側のカーカス長LL
が長いので、車両内側のサイド部の剛性は高く、車両外
側のサイド部の剛性は低くなる。
【0082】本実施形態のタイヤ・リムホイール組立体
10では、リム径方向加振時の振幅が大きい方のリム端
側にサイド部の剛性の低い側が対応しているので、ハブ
連結部に作用する加振力を低減することができ、ロード
ノイズの低減が図れる。
【0083】なお、加振時の振幅が大きい方のリム端と
は反対側は加振時の振幅が小さいので、加振時の振幅が
小さい側に空気入りタイヤ14のサイド部の剛性の高い
側を対応させてもハブ連結部への振動伝達は大きくなら
ない。
【0084】このため、片側のサイド部剛性を小さくし
ても、もう片側のサイド部剛性を大きくして、空気入り
タイヤ全体でのバネ定数は確保できる。
【0085】このように、路面からの入力はハブ連結部
34へ伝達されにくくなり、かつ空気入りタイヤ全体で
のバネ定数は変化しないので、操縦安定性へ影響を与え
ずにロードノイズのみを低減することができる。
【0086】なお、1.04LS>LLに設定すると、
ロードノイズを低減することが出来なくなる。 (試験例1)本発明の効果を確かめるために、従来例の
タイヤ・リムホイール組立体と本発明の適用された実施
例のタイヤ・リムホイール組立体を用意し、実車走行に
よるロードノイズ車内音(400〜800Hzの帯域
値)を測定した。
【0087】素材及びデザインの異なる3種類のリムホ
イール(A,B,C)と、内部構造の異なる3種類の空
気入りタイヤ(a,b,c)を用い、表3に示すように
組み合わせて9種類のタイヤ・リムホイール組立体を得
た。
【0088】リムホイールは、何れもサイズが6JJ−
14、オフセットが45mmであり、素材及びデザイン
が各々異なっている。なお、リムホイールの曲げモード
のモード形、リム端の振幅の大小関係は以下の表2に記
載した通りである。
【0089】空気入りタイヤは、何れもサイズが185
/70R14であり、下記の表1に示すようにタイヤ半
幅が異なっている。
【0090】実車走行試験では、国産の排気量2000
ccのFF車にタイヤ・リムホイール組立体を取り付
け、粗面路を60km/hで走行中の運転者左耳位置で
の騒音レベルを測定した。
【0091】評価は、以下の表3に記載した通りであ
り、ホイール+タイヤaに対する車内音の差で表してい
る。なお、数値の前の三角印は、車内音が低減されてい
ること(マイナス)を表している。
【0092】
【表1】
【0093】
【表2】
【0094】
【表3】
【0095】(試験例2)車両表側のタイヤ半幅を種々
変えた空気入りタイヤを夫々ホイールBに装着し、試験
例1と同様にロードノイズ車内音(400〜800Hz
の帯域値)を測定した。
【0096】評価は、以下の表4に記載した通りであ
り、比較例1に対する車内音の差で表している。
【0097】
【表4】
【0098】なお、ロードノイズが0.5[dB]以上
低下すると、ロードノイズが低下したことが一般ドライ
バーでも分る。
【0099】この試験例から、ロードノイズを十分に低
下させるには、SWOUT/SWIN≧1.04、即ち1.
04SWIN≦SWOUTとすれば良いことが分る。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように本発明のタイヤ・リ
ムホイール組立体は上記の構成としたので、他性能を悪
化させずにロードノイズを低減できる、という優れた効
果を有する。
【0101】また、本発明の空気入りタイヤは上記の構
成としたので、他性能を悪化させずにロードノイズを低
減できる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るタイヤ・リムホ
イール組立体の断面図である。
【図2】空気入りタイヤをタイヤ回転軸に沿って断面に
したときの外輪郭線図である。
【図3】リム端の振幅を測定する方法を示す説明図であ
る。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るタイヤ・リムホ
イール組立体の空気入りタイヤをタイヤ回転軸に沿って
断面にしたときの外輪郭線図である。
【符号の説明】
10 タイヤ・リムホイール組立体 12 リムホイール 14 空気入りタイヤ 16 ビード部 20 ベルト 22 トレッドゴム 24 サイドゴム 26 カーカスプライ 26A 本体部 26B 巻上部 28 ビードコア 20A 第1ベルトプライ(コード層) 20B 第2ベルトプライ(コード層) 32A ビードシート 34 ハブ連結部 CL タイヤ赤道面 SWIN タイヤ半幅 SWOUT タイヤ半幅 LS カーカス長 LL カーカス長

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右一対のビード部に設けられたビード
    コアと、一方のビード部から他方のビード部に延びる本
    体部と前記ビードコアをタイヤ径方向内側から外側へ巻
    き上げられた巻上部を有するカーカスプライと、前記カ
    ーカスプライのクラウン部ラジアル方向外側に配置され
    た1層以上のコード層よりなるベルトと、前記ベルトの
    ラジアル方向外側に配置されたトレッドゴムと、前記カ
    ーカスプライのタイヤ軸外側に配置されたサイドゴムと
    を備えた空気入りタイヤをリムホイールに組み付けたタ
    イヤ・リムホイール組立体であって、 リム径方向加振時の振幅が、表側のリム端と裏側のリム
    端とで異なるリムホイールと、 タイヤ赤道面から一方のサイド部のタイヤ軸方向最外端
    までのタイヤ回転軸に沿って計測したタイヤ半幅と、タ
    イヤ赤道面から他方のサイド部のタイヤ軸方向最外端ま
    でのタイヤ回転軸に沿って計測したタイヤ半幅とが異な
    る空気入りタイヤと、 を備え、 リム径方向加振時の振幅が大きい方のリム端側に、前記
    空気入りタイヤの前記タイヤ半幅の大きい側を対応させ
    たことを特徴とするタイヤ・リムホイール組立体。
  2. 【請求項2】 値が小さい方のタイヤ半幅をSWS、値
    が大きい方のタイヤ半幅をSWLとしたときに、1.0
    4SWS≦SWLとしたことを特徴とする請求項1に記載
    のタイヤ・リムホイール組立体。
  3. 【請求項3】 左右一対のビード部に設けられたビード
    コアと、一方のビード部から他方のビード部に延びる本
    体部と前記ビードコアをタイヤ径方向内側から外側へ巻
    き上げられた巻上部を有するカーカスプライと、前記カ
    ーカスプライのクラウン部ラジアル方向外側に配置され
    た1層以上のコード層よりなるベルトと、前記ベルトの
    ラジアル方向外側に配置されたトレッドゴムと、前記カ
    ーカスプライのタイヤ軸外側に配置されたサイドゴムと
    を備えた空気入りタイヤであって、 タイヤ赤道面から一方のサイド部のタイヤ軸方向最外端
    までのタイヤ回転軸に沿って計測したタイヤ半幅と、タ
    イヤ赤道面から他方のサイド部のタイヤ軸方向最外端ま
    でのタイヤ回転軸に沿って計測したタイヤ半幅とが異な
    ることを特徴とする空気入りタイヤ。
  4. 【請求項4】 値が小さい方のタイヤ半幅をSWS、値
    が大きい方のタイヤ半幅をSWLとしたときに、1.0
    4SWS≦SWLとしたことを特徴とする請求項3に記載
    の空気入りタイヤ。
  5. 【請求項5】 左右一対のビード部に設けられたビード
    コアと、一方のビード部から他方のビード部に延びる本
    体部と前記ビードコアをタイヤ径方向内側から外側へ巻
    き上げられた巻上部を有するカーカスプライと、前記カ
    ーカスプライのクラウン部ラジアル方向外側に配置され
    た1層以上のコード層よりなるベルトと、前記ベルトの
    ラジアル方向外側に配置されたトレッドゴムと、前記カ
    ーカスプライのタイヤ軸外側に配置されたサイドゴムと
    を備えた空気入りタイヤをリムホイールに組み付けたタ
    イヤ・リムホイール組立体であって、 リム径方向加振時の振幅が、表側のリム端と裏側のリム
    端とで異なるリムホイールと、 前記カーカスプライの一方のビードコアからタイヤ赤道
    面までのカーカス長と、他方のビードコアからタイヤ赤
    道面までのカーカス長とが異なる空気入りタイヤと、 を備え、リム径方向加振時の振幅が大きい方のリム端側
    に、前記空気入りタイヤの前記カーカス長の長い側を対
    応させたことを特徴とするタイヤ・リムホイール組立
    体。
  6. 【請求項6】 短い方のカーカス長をLS、長い方のカ
    ーカス長をLLとしたときに、1.04LS≦LLとし
    たことを特徴とする請求項5に記載のタイヤ・リムホイ
    ール組立体。
  7. 【請求項7】 左右一対のビード部に設けられたビード
    コアと、一方のビード部から他方のビード部に延びる本
    体部と前記ビードコアをタイヤ径方向内側から外側へ巻
    き上げられた巻上部を有するカーカスプライと、前記カ
    ーカスプライのクラウン部ラジアル方向外側に配置され
    た1層以上のコード層よりなるベルトと、前記ベルトの
    ラジアル方向外側に配置されたトレッドゴムと、前記カ
    ーカスプライのタイヤ軸外側に配置されたサイドゴムと
    を備えた空気入りタイヤであって、 前記カーカスプライの一方のビードコアからタイヤ赤道
    面までのカーカス長と、他方のビードコアからタイヤ赤
    道面までのカーカス長とが異なることを特徴とする空気
    入りタイヤ。
  8. 【請求項8】 短い方のカーカス長をLS、長い方のカ
    ーカス長をLLとしたときに、1.04LS≦LLとし
    たことを特徴とする請求項7に記載の空気入りタイヤ。
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