JPWO2004052663A1 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
操縦安定性を損なうことなく高速耐久性能を向上させた空気入りタイヤを提供することが目的である。空気入りタイヤ10は、クラウン部12Cの外側に、ベルト14と、トレッド部16とを順次有し、トレッド部16のネガティブ率がタイヤ赤道面10Cの両側で互いに異なっている。ネガティブ率が大きい側のベルト端部14Iからタイヤ赤道面10Cまでのベルト幅Baと、ネガティブ率が小さい側のベルト端部14Eからタイヤ赤道面10Cまでのベルト幅Bbとは、Ba>Bbの関係にある。これにより、高速転動時に遠心力によって生じるショルダ部18のせり出しを効率良く抑えることができるので、ショルダ部18のゴム部材に生じる歪や発熱を効率良く低減することができ、高速耐久性を効率良く向上させることができる。また、OUT側の接地幅を従来と同等のレベルに確保することにより、操縦安定性を損なわないようにできる。
Description
本発明は、トレッド部のネガティブ率がタイヤ赤道面の両側で互いに異なる空気入りタイヤに関する。
自動車は、直進性やコーナリングの操縦性を高めるために、一般に、ネガティブキャンバを付けている。そして、多くの自動車メーカは、ネガティブキャンバ角を付けた状態で高速耐久性を確認するキャンバ付き高速耐久ドラム試験を実施している。
ところで、従来の空気入りタイヤにおいては、様々な使用条件に対する自由度を持たせるために、カーカスの外側に設けるベルトは、タイヤ赤道面の両側(すなわち左右)で対称となる構造にしている(例えば、特開2002−178713を参照)。
また、空気入りタイヤ80が自動車等に取付けられると、図8に示すように、タイヤの赤道面よりもIN側では、赤道面からベルト端部86Iまでのベルト幅Baは、赤道面から接地領域端部までの接地幅Tinよりも短くされている(すなわち、IN側のベルト端部86Iは、接地幅Tinの端部TIよりも内側に位置する)。
このような空気入りタイヤの高速耐久性能を向上させるために、(1)トレッド部近傍のショルダ部に補強層を追加する、(2)ベルト角度(タイヤの幅方向に対してなす角度)を小さくする、(3)ベルト幅を大きくする、(4)サイドウォールゴム層の厚さを薄くする、などの対策が行われていた。
しかし、従来、タイヤに大きなネガティブキャンバ角を付与した上で高速耐久性能を向上させると、弾力増加、センター付近での反応低下、剛性感の低下等、操縦安定性の悪化を引き起こし、高速耐久性と操縦安定性とを両立させることが困難であるという問題があった。
実際に自動車に装着された状態を想定してネガティブキャンバ角を付与した条件の下で行われる高速耐久性試験では、主要な故障原因の1つとして、接地時の歪に起因するゴムの発熱が挙げられる。
この発熱はIN側接地端付近のトレッド部近傍のショルダ部において顕著であり、当該箇所でゴム部材と補強繊維層とが剥離することが、高速耐久性試験における主要な故障形態の一つになっている。
この歪、発熱を抑制する手段の1つとして、ベルト幅を拡大することにより、(1)高速運転時のショルダ部せり出し量を低減させ、接地圧力を低下させる、(2)スチールベルト〜ゴム間で剛性変化が大きいことにより、構造上故障し易いベルト端部を、負荷の大きい接地領域端部から遠ざける、の両者を実現させることが可能である。
しかし、ベルト幅の拡大は、トレッド面外曲げ剛性を大きくする作用があり、接地幅の減少を招く。接地幅の減少は操縦安定性に対し、(1)接地感、グリップが低下する、(2)特にOUT側接地幅の減少に起因すると考えられる弾力感増加及び横力変動量増加を招く、等の悪影響を及ぼす。このため、ベルト幅を拡大することが困難である事例が多い。
本発明は、上記事実を考慮して、操縦安定性を損なうことなく高速耐久性能を向上させた空気入りタイヤを提供することを課題とする。
ところで、従来の空気入りタイヤにおいては、様々な使用条件に対する自由度を持たせるために、カーカスの外側に設けるベルトは、タイヤ赤道面の両側(すなわち左右)で対称となる構造にしている(例えば、特開2002−178713を参照)。
また、空気入りタイヤ80が自動車等に取付けられると、図8に示すように、タイヤの赤道面よりもIN側では、赤道面からベルト端部86Iまでのベルト幅Baは、赤道面から接地領域端部までの接地幅Tinよりも短くされている(すなわち、IN側のベルト端部86Iは、接地幅Tinの端部TIよりも内側に位置する)。
このような空気入りタイヤの高速耐久性能を向上させるために、(1)トレッド部近傍のショルダ部に補強層を追加する、(2)ベルト角度(タイヤの幅方向に対してなす角度)を小さくする、(3)ベルト幅を大きくする、(4)サイドウォールゴム層の厚さを薄くする、などの対策が行われていた。
しかし、従来、タイヤに大きなネガティブキャンバ角を付与した上で高速耐久性能を向上させると、弾力増加、センター付近での反応低下、剛性感の低下等、操縦安定性の悪化を引き起こし、高速耐久性と操縦安定性とを両立させることが困難であるという問題があった。
実際に自動車に装着された状態を想定してネガティブキャンバ角を付与した条件の下で行われる高速耐久性試験では、主要な故障原因の1つとして、接地時の歪に起因するゴムの発熱が挙げられる。
この発熱はIN側接地端付近のトレッド部近傍のショルダ部において顕著であり、当該箇所でゴム部材と補強繊維層とが剥離することが、高速耐久性試験における主要な故障形態の一つになっている。
この歪、発熱を抑制する手段の1つとして、ベルト幅を拡大することにより、(1)高速運転時のショルダ部せり出し量を低減させ、接地圧力を低下させる、(2)スチールベルト〜ゴム間で剛性変化が大きいことにより、構造上故障し易いベルト端部を、負荷の大きい接地領域端部から遠ざける、の両者を実現させることが可能である。
しかし、ベルト幅の拡大は、トレッド面外曲げ剛性を大きくする作用があり、接地幅の減少を招く。接地幅の減少は操縦安定性に対し、(1)接地感、グリップが低下する、(2)特にOUT側接地幅の減少に起因すると考えられる弾力感増加及び横力変動量増加を招く、等の悪影響を及ぼす。このため、ベルト幅を拡大することが困難である事例が多い。
本発明は、上記事実を考慮して、操縦安定性を損なうことなく高速耐久性能を向上させた空気入りタイヤを提供することを課題とする。
本発明者は、左右非対称のパターンを有するタイヤについて、使用時にIN側、OUT側の区別があることに着目し、この区別を利用して空気入りタイヤの高速耐久性と操縦安定性との両者を満たすタイヤ構造にすることを鋭意検討し、本発明を完成するに至った。
請求の範囲第1項に記載の発明は、トロイド状に延びるカーカスのクラウン部の外側に、ベルトと、溝を配設したトレッド部とを順次有し、前記トレッド部のネガティブ率がタイヤ赤道面の両側で互いに異なる空気入りタイヤにおいて、ネガティブ率が大きい側のベルト端部から前記タイヤ赤道面までのベルト幅Baと、ネガティブ率が小さい側のベルト端部から前記タイヤ赤道面までのベルト幅Bbとが、Ba>Bbの関係にあることを特徴とする。
この空気入りタイヤを自動車等に装着する際、ネガティブ率が大きい側がIN側に、ネガティブ率が小さい側がOUT側になるように装着する。従って、ネガティブ率が大きいIN側のベルト幅Baが、ネガティブ率が小さいOUT側のベルト幅Bbよりも幅広であり、IN側に広いベルト幅を与えることが可能になる。
これにより、高速転動時に遠心力によって生じるショルダ部のせり出しを効率良く抑えることができるので、ネガティブキャンバ角の付与に伴ってIN側が支える負荷が特に大きくなっても、ショルダ部のゴム部材に生じる歪や発熱を効率良く低減することができ、高速耐久性を効率良く向上させることができる。また、OUT側の接地幅を従来と同等のレベルに確保することにより、操縦安定性を損なわないようにできる。
また、空気入りタイヤを自動車等に上記のように装着した際、(1)ベルト幅Ba(IN側のベルト幅)と、タイヤ赤道面からキャンバ内側の接地端までの接地幅Tin(IN側の接地幅)との比が、1.0≦Ba/Tin≦1.1の関係を満たし、かつ、(2)ベルト幅Bb(OUT側のベルト幅)と、タイヤ赤道面からキャンバ外側の接地端までの接地幅Toutとの比Bb/Toutが、Bb/Tout>Ba/Tinの関係を満たし、かつ、1.0<Bb/Tout<2.0の関係を満たすようにすると、OUT側においても直進時、コーナリング時の車両の重心移動に伴う姿勢変化に関わらずネガティブキャンバ角付与下での実際の接地端より外側にベルト端を位置させることができ、高速耐久性の確保に効果を発揮する。同時に、OUT側に関してはベルト幅をこの範囲に設定することが操縦性の向上にも貢献する。
なお、ベルトとして2層以上の交差ベルトを用いると、高速耐久性、操縦安定性の両者を更に向上させ易い。
請求の範囲第2項に記載の発明は、前記ベルト幅Baと、前記ベルト幅Bbとが、1.04 ≦ Ba/Bb ≦ 1.20 の関係にある。これにより、請求の範囲第1項に記載の効果を奏し易い。
請求の範囲第3項に記載の発明は、前記タイヤ赤道面の両側でのネガティブ率の差が、3%〜20%の範囲内であることを特徴とする。これにより、請求の範囲第1項に記載の効果を更に奏することができる。
請求の範囲第4項に記載の発明は、前記トレッドに隣接するショルダ部の外輪郭の曲率半径を、ネガティブ率が大きい側でRa、ネガティブ率が小さい側でRbとした場合、前記Raと前記Rbとが、Ra>Rbの関係にあることを特徴とする。
ここで、ショルダ部とは、IN、OUT側の何れであっても、タイヤ表面におけるタイヤ赤道面からの距離が所定範囲内であるタイヤ部分のことをいう。この所定範囲とは、タイヤ赤道面からトレッド端までの距離の1/2から、タイヤ赤道面からトレッド端までの距離の1.4倍までの範囲である。トレッド端とは、空気入りタイヤをJATMA YEAR BOOK(2002年度版、日本自動車タイヤ協会規格)に規定されている標準リムに装着し、JATMA YEAR BOOKでの適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力(内圧−負荷能力対応表の太字荷重)に対応する空気圧(最大空気圧)の100%の内圧を充填し、平押し状態(キャンバ角を付けない状態)で最大負荷能力を負荷したときのタイヤ幅方向最外の接地部分を指す。なお、使用地又は製造地においてTRA規格、ETRTO規格が適用される場合は各々の規格に従う。
請求の範囲第4項に記載の発明により、ネガティブ率が大きい側がIN側になるように空気入りタイヤが自動車に装着された際、IN側ではショルダ部の外輪郭の曲率半径が大きいので、ネガティブキャンバ角の付与によって高速転動時の負荷がOUT側より大きくなるIN側においてサイドウォール部分での応力集中を緩和し、局所的に大きな歪みを生じて破壊に至ることを防止するという効果を奏することができる。
請求の範囲第5項に記載の発明は、前記Ra、及び、前記Rbが、1.2 < Ra/Rb < 2.5 の関係にあることを特徴とする。
これにより、高速耐久性、操縦安定性、及び、ベルトエンドセパレーションの全てを向上させることができる。
請求の範囲第6項に記載の発明は、前記トレッド部が、タイヤ幅方向に延びる複数本の幅方向溝を有し、前記幅方向溝の周方向平均ピッチを、ネガティブ率の大きい側でPa、ネガティブ率の小さい側でPbとした場合、前記Paと前記Pbとが、Pa>Pbの関係にあることを特徴とする。
これにより、OUT側ブロックの横方向剛性を大きく、IN側ブロックの周方向剛性を大きくすることができる。その結果、OUT側ブロックにはコーナリング時の大きな横力を発揮させる役割を、IN側ブロックには直進時の大きな駆動力、制動力を発揮させる役割を分担させることが可能となり、操縦安定性を一層向上させるという効果を奏することができる。
請求の範囲第7項に記載の発明は、前記Pa、及び、前記Pbが、1/2 ≦Pb/Pa ≦ 2/3 の関係にあることを特徴とする。これにより、請求の範囲第6項に記載の効果を奏し易い。
請求の範囲第8項に記載の発明は、ネガティブ率の大きい側のショルダ部に補強層を設けたことを特徴とする。これにより、ネガティブ率が大きい側のショルダ部では、ベルトエンドセパレーションが生じ難い。従って、空気入りタイヤの耐久性を更に向上させることができる。
請求の範囲第9項に記載の発明は、ネガティブ率の小さい側のショルダ部に補強層を設けたことを特徴とする。
本発明に係る空気入りタイヤでは、請求の範囲第1項に記載のようにベルト幅がオフセットしているため、ネガティブ率の小さい側ではネガティブ率の大きい側に比べて重量増となる。従って、ネガティブ率の小さい側にショルダ部の補強層を設けることにより、転動による径成長を抑制することができ、これにより、高速耐久性及び操縦安定性を向上させることができる。
請求の範囲第10項に記載の発明は、ネガティブ率の大きい側及び小さい側の何れのショルダ部にも補強層を設けると共に、ネガティブ率の小さい側に設けた補強層のコードの引っ張り剛性が、ネガティブ率の大きい側に設けた補強層のコードの引っ張り剛性よりも大きいことを特徴とする。
これにより、ネガティブ率の大きい側及び小さい側の何れのショルダ部にも補強層を設ける場合に、それぞれの補強層の引っ張り剛性を好ましい状態にし易い。
請求の範囲第11項に記載の発明は、前記トレッド部を構成するトレッドゴムが、ネガティブ率の大きい側と小さい側とで互いに異なるゴム種で構成され、ネガティブ率の大きい側では、ネガティブ率の小さい側よりも横弾性係数が大きいゴム種とし、ネガティブ率の小さい側では、ネガティブ率の大きい側よりもtanδが大きいゴム種としたことを特徴とする。
自動車に装着された空気入りタイヤでは、車両の内側(IN側)では外側(OUT側)よりもせん断変形が大きいので、横弾性係数Gが大きいほうが好ましい。また、OUT側ではIN側よりも接地圧が低く、路面と空気入りタイヤとのすべりが生じ易いので、tanδが大きいほうが好ましい。
従って、請求の範囲第1項1に記載の発明の空気入りタイヤを、ネガティブ率の大きい側がIN側に、ネガティブ率の小さい側がOUT側になるように、自動車に装着することにより、空気入りタイヤの高速耐久性、操縦安定性を向上させることができる。
請求の範囲第12項に記載の発明は、前記タイヤ赤道面からトレッド端までの幅を、ネガティブ率の大きい側でWa、ネガティブ率の小さい側でWbとした場合、前記Waと前記Wbとが、Wa < Wbの関係にあることを特徴とする。
このように、ネガティブ率の小さい側のトレッド幅を狭くすることにより、タイヤ赤道面を挟む左右の重量バランスが均一化されるので、ネガティブ率の小さい側の転動による径成長を抑制することができる。
請求の範囲第13項に記載の発明は、前記溝の底から前記ベルトの最外層までの距離であるスキッドベースゲージを、ネガティブ率の大きい側でHa、ネガティブ率の小さい側でHbとした場合、前記Haと前記Hbとが、Ha > Hb の関係にあることを特徴とする。
このように、ネガティブ率の大きい側スキッドベースゲージを厚くすることにより、ベルト張力が増大し、タガ効果が増すので、ショルダ部のせり出しを抑制することができる。
請求の範囲第1項に記載の発明は、トロイド状に延びるカーカスのクラウン部の外側に、ベルトと、溝を配設したトレッド部とを順次有し、前記トレッド部のネガティブ率がタイヤ赤道面の両側で互いに異なる空気入りタイヤにおいて、ネガティブ率が大きい側のベルト端部から前記タイヤ赤道面までのベルト幅Baと、ネガティブ率が小さい側のベルト端部から前記タイヤ赤道面までのベルト幅Bbとが、Ba>Bbの関係にあることを特徴とする。
この空気入りタイヤを自動車等に装着する際、ネガティブ率が大きい側がIN側に、ネガティブ率が小さい側がOUT側になるように装着する。従って、ネガティブ率が大きいIN側のベルト幅Baが、ネガティブ率が小さいOUT側のベルト幅Bbよりも幅広であり、IN側に広いベルト幅を与えることが可能になる。
これにより、高速転動時に遠心力によって生じるショルダ部のせり出しを効率良く抑えることができるので、ネガティブキャンバ角の付与に伴ってIN側が支える負荷が特に大きくなっても、ショルダ部のゴム部材に生じる歪や発熱を効率良く低減することができ、高速耐久性を効率良く向上させることができる。また、OUT側の接地幅を従来と同等のレベルに確保することにより、操縦安定性を損なわないようにできる。
また、空気入りタイヤを自動車等に上記のように装着した際、(1)ベルト幅Ba(IN側のベルト幅)と、タイヤ赤道面からキャンバ内側の接地端までの接地幅Tin(IN側の接地幅)との比が、1.0≦Ba/Tin≦1.1の関係を満たし、かつ、(2)ベルト幅Bb(OUT側のベルト幅)と、タイヤ赤道面からキャンバ外側の接地端までの接地幅Toutとの比Bb/Toutが、Bb/Tout>Ba/Tinの関係を満たし、かつ、1.0<Bb/Tout<2.0の関係を満たすようにすると、OUT側においても直進時、コーナリング時の車両の重心移動に伴う姿勢変化に関わらずネガティブキャンバ角付与下での実際の接地端より外側にベルト端を位置させることができ、高速耐久性の確保に効果を発揮する。同時に、OUT側に関してはベルト幅をこの範囲に設定することが操縦性の向上にも貢献する。
なお、ベルトとして2層以上の交差ベルトを用いると、高速耐久性、操縦安定性の両者を更に向上させ易い。
請求の範囲第2項に記載の発明は、前記ベルト幅Baと、前記ベルト幅Bbとが、1.04 ≦ Ba/Bb ≦ 1.20 の関係にある。これにより、請求の範囲第1項に記載の効果を奏し易い。
請求の範囲第3項に記載の発明は、前記タイヤ赤道面の両側でのネガティブ率の差が、3%〜20%の範囲内であることを特徴とする。これにより、請求の範囲第1項に記載の効果を更に奏することができる。
請求の範囲第4項に記載の発明は、前記トレッドに隣接するショルダ部の外輪郭の曲率半径を、ネガティブ率が大きい側でRa、ネガティブ率が小さい側でRbとした場合、前記Raと前記Rbとが、Ra>Rbの関係にあることを特徴とする。
ここで、ショルダ部とは、IN、OUT側の何れであっても、タイヤ表面におけるタイヤ赤道面からの距離が所定範囲内であるタイヤ部分のことをいう。この所定範囲とは、タイヤ赤道面からトレッド端までの距離の1/2から、タイヤ赤道面からトレッド端までの距離の1.4倍までの範囲である。トレッド端とは、空気入りタイヤをJATMA YEAR BOOK(2002年度版、日本自動車タイヤ協会規格)に規定されている標準リムに装着し、JATMA YEAR BOOKでの適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力(内圧−負荷能力対応表の太字荷重)に対応する空気圧(最大空気圧)の100%の内圧を充填し、平押し状態(キャンバ角を付けない状態)で最大負荷能力を負荷したときのタイヤ幅方向最外の接地部分を指す。なお、使用地又は製造地においてTRA規格、ETRTO規格が適用される場合は各々の規格に従う。
請求の範囲第4項に記載の発明により、ネガティブ率が大きい側がIN側になるように空気入りタイヤが自動車に装着された際、IN側ではショルダ部の外輪郭の曲率半径が大きいので、ネガティブキャンバ角の付与によって高速転動時の負荷がOUT側より大きくなるIN側においてサイドウォール部分での応力集中を緩和し、局所的に大きな歪みを生じて破壊に至ることを防止するという効果を奏することができる。
請求の範囲第5項に記載の発明は、前記Ra、及び、前記Rbが、1.2 < Ra/Rb < 2.5 の関係にあることを特徴とする。
これにより、高速耐久性、操縦安定性、及び、ベルトエンドセパレーションの全てを向上させることができる。
請求の範囲第6項に記載の発明は、前記トレッド部が、タイヤ幅方向に延びる複数本の幅方向溝を有し、前記幅方向溝の周方向平均ピッチを、ネガティブ率の大きい側でPa、ネガティブ率の小さい側でPbとした場合、前記Paと前記Pbとが、Pa>Pbの関係にあることを特徴とする。
これにより、OUT側ブロックの横方向剛性を大きく、IN側ブロックの周方向剛性を大きくすることができる。その結果、OUT側ブロックにはコーナリング時の大きな横力を発揮させる役割を、IN側ブロックには直進時の大きな駆動力、制動力を発揮させる役割を分担させることが可能となり、操縦安定性を一層向上させるという効果を奏することができる。
請求の範囲第7項に記載の発明は、前記Pa、及び、前記Pbが、1/2 ≦Pb/Pa ≦ 2/3 の関係にあることを特徴とする。これにより、請求の範囲第6項に記載の効果を奏し易い。
請求の範囲第8項に記載の発明は、ネガティブ率の大きい側のショルダ部に補強層を設けたことを特徴とする。これにより、ネガティブ率が大きい側のショルダ部では、ベルトエンドセパレーションが生じ難い。従って、空気入りタイヤの耐久性を更に向上させることができる。
請求の範囲第9項に記載の発明は、ネガティブ率の小さい側のショルダ部に補強層を設けたことを特徴とする。
本発明に係る空気入りタイヤでは、請求の範囲第1項に記載のようにベルト幅がオフセットしているため、ネガティブ率の小さい側ではネガティブ率の大きい側に比べて重量増となる。従って、ネガティブ率の小さい側にショルダ部の補強層を設けることにより、転動による径成長を抑制することができ、これにより、高速耐久性及び操縦安定性を向上させることができる。
請求の範囲第10項に記載の発明は、ネガティブ率の大きい側及び小さい側の何れのショルダ部にも補強層を設けると共に、ネガティブ率の小さい側に設けた補強層のコードの引っ張り剛性が、ネガティブ率の大きい側に設けた補強層のコードの引っ張り剛性よりも大きいことを特徴とする。
これにより、ネガティブ率の大きい側及び小さい側の何れのショルダ部にも補強層を設ける場合に、それぞれの補強層の引っ張り剛性を好ましい状態にし易い。
請求の範囲第11項に記載の発明は、前記トレッド部を構成するトレッドゴムが、ネガティブ率の大きい側と小さい側とで互いに異なるゴム種で構成され、ネガティブ率の大きい側では、ネガティブ率の小さい側よりも横弾性係数が大きいゴム種とし、ネガティブ率の小さい側では、ネガティブ率の大きい側よりもtanδが大きいゴム種としたことを特徴とする。
自動車に装着された空気入りタイヤでは、車両の内側(IN側)では外側(OUT側)よりもせん断変形が大きいので、横弾性係数Gが大きいほうが好ましい。また、OUT側ではIN側よりも接地圧が低く、路面と空気入りタイヤとのすべりが生じ易いので、tanδが大きいほうが好ましい。
従って、請求の範囲第1項1に記載の発明の空気入りタイヤを、ネガティブ率の大きい側がIN側に、ネガティブ率の小さい側がOUT側になるように、自動車に装着することにより、空気入りタイヤの高速耐久性、操縦安定性を向上させることができる。
請求の範囲第12項に記載の発明は、前記タイヤ赤道面からトレッド端までの幅を、ネガティブ率の大きい側でWa、ネガティブ率の小さい側でWbとした場合、前記Waと前記Wbとが、Wa < Wbの関係にあることを特徴とする。
このように、ネガティブ率の小さい側のトレッド幅を狭くすることにより、タイヤ赤道面を挟む左右の重量バランスが均一化されるので、ネガティブ率の小さい側の転動による径成長を抑制することができる。
請求の範囲第13項に記載の発明は、前記溝の底から前記ベルトの最外層までの距離であるスキッドベースゲージを、ネガティブ率の大きい側でHa、ネガティブ率の小さい側でHbとした場合、前記Haと前記Hbとが、Ha > Hb の関係にあることを特徴とする。
このように、ネガティブ率の大きい側スキッドベースゲージを厚くすることにより、ベルト張力が増大し、タガ効果が増すので、ショルダ部のせり出しを抑制することができる。
図1は、本発明の一実施形態の空気入りタイヤの部分断面図である。
図2は、本発明の一実施形態の空気入りタイヤの部分平面図である。
図3は、本発明の一実施形態の空気入りタイヤの部分断面図である。
図4は、本発明の一実施形態の空気入りタイヤの接地面を示す平面図である。
図5は、本発明の一実施形態の空気入りタイヤの変形例を示す部分断面図である。
図6は、本発明の一実施形態の空気入りタイヤの別の変形例を示す断面図である。
図7は、第1実施形態の空気入りタイヤで実験例1(高速耐久性試験)を行った結果を示すグラフ図である。
図8は、従来の空気入りタイヤの部分断面図である。
図2は、本発明の一実施形態の空気入りタイヤの部分平面図である。
図3は、本発明の一実施形態の空気入りタイヤの部分断面図である。
図4は、本発明の一実施形態の空気入りタイヤの接地面を示す平面図である。
図5は、本発明の一実施形態の空気入りタイヤの変形例を示す部分断面図である。
図6は、本発明の一実施形態の空気入りタイヤの別の変形例を示す断面図である。
図7は、第1実施形態の空気入りタイヤで実験例1(高速耐久性試験)を行った結果を示すグラフ図である。
図8は、従来の空気入りタイヤの部分断面図である。
以下、実施形態を挙げ、本発明の実施の形態について説明する。図1〜図3に示すように、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤ10は、トロイド状に延びるカーカス12のクラウン部12Cの外側に、ベルト14と、溝を配設したトレッド部16と、を有する。
カーカス12は、コードを実質的に周方向と直交する方向、すなわちラジアルに配列されている。ベルト14は、複数枚(例えば2枚)のベルトプライで構成されることが多い。
空気入りタイヤ10の赤道面10Cの両側では、トレッド部16のネガティブ率が互いに異なっており、図1、図2で、赤道面10Cから紙面右側では、赤道面10Cから紙面左側に比べ、ネガティブ率が大きい。
空気入りタイヤ10を自動車に装着する際、ネガティブ率が大きい側(図2で、赤道面10Cから紙面右側)がIN側(車両内側)に、ネガティブ率が小さい側がOUT側(車両外側)になるように装着する。従って、本実施形態では、以下、図1〜図3で、赤道面10Cから紙面右側をIN側と言い、赤道面10Cから紙面左側をOUT側と言う。
IN側のベルト端部14Iから赤道面10Cまでのベルト幅Baと、OUT側のベルト端部14Eから赤道面10Cまでのベルト幅Bbとは、Ba>Bbの関係にある。このように、ネガティブ率が大きいIN側のベルト幅Baが、ネガティブ率が小さいOUT側のベルト幅Bbよりも幅広であり、IN側に広いベルト幅を与えている。なお、1.04≦Ba/Bb≦1.20を満たしていることが好ましい。
また、IN側のベルト幅Baは、空気入りタイヤ10がネガティブキャンバ角を付けて自動車に取付けられた際、接地幅Tinの外側端よりもIN側のベルト端部14Iが外側に位置するように、ベルト幅Baが決められている。
更に、IN側のショルダ部18aの外輪郭の曲率半径Raと、OUT側のショルダ部18bの外輪郭の曲率半径Rbとは、Ra>Rbの関係にあり、また、Rbは、従来と同等の大きさの曲率半径にされている。これにより、ネガティブキャンバ角の付与によって高速転動時の負荷がOUT側より大きくなるIN側においてサイドウォール部分での応力集中を緩和し、局所的に大きな歪みを生じて破壊に至ることを防止するという効果を奏することができる。なお、ショルダ部18aとは、タイヤ表面における赤道面10Cからの距離がWa/2〜1.4Waの範囲内であるタイヤ部分のことであり、ショルダ部18bとは、タイヤ表面における赤道面10Cからの距離がWb/2〜1.4Wbの範囲内であるタイヤ部分のことである。
また、トレッド部16のIN側には、タイヤ周方向に沿った2本の主溝22、24と、主溝22と主溝24との間に配設された傾斜溝26と、主溝24の外側に形成されたラグ溝28と、が設けられている。トレッド部16のOUT側にも、2本の主溝32、34と、主溝32と主溝34との間に配設された傾斜溝36と、主溝34の外側に形成されたラグ溝38と、が設けられている。
ラグ溝28の周方向平均ピッチPaと、ラグ溝の周方向平均ピッチPbとが、Pa>Pbの関係にあることが好ましく、1/2≦Pb/Pa≦2/3を満たしていることが更に好ましい。これにより、OUT側ブロックの横方向剛性を大きく、IN側ブロックの周方向剛性を大きくすることができる。その結果、OUT側ブロックにはコーナリング時の大きな横力を発揮させる役割を、IN側ブロックには直進時の大きな駆動力、制動力を発揮させる役割を分担させることが可能となり、操縦安定性を一層向上させることができる。
本実施形態の空気入りタイヤ10を自動車に装着することにより、高速転動時に遠心力によって生じるせり出しを効率良く抑えることができる。従って、ネガティブキャンバ角付与に伴ってIN側で負荷入力が特に大きくなっても、IN側のショルダ部18aのゴム部材に生じる歪や発熱を効率良く低減することができ、高速耐久性を効率良く向上させることができる。また、OUT側の接地幅Tout(図1、図4参照)を従来と同等のレベルに確保することにより、操縦安定性を損なわないようにできる。
なお、図5に示すように、ネガティブ率が大きい側であるIN側のショルダ部18aに補強層40を設けてもよい。これにより、IN側のショルダ部18aでベルトエンドセパレーションが生じ難くなるので、ショルダ部18の高速耐久性が更に向上する。また、図6に示すように、ネガティブ率の小さい側であるOUT側のショルダ部18bに更に補強層41を設けてもよい。これにより、OUT側のショルダ部18bで転動による径成長を抑制することができるので、高速耐久性及び操縦安定性が更に向上する。また、赤道面10Cからトレッド端16Ea,16Eb(図6参照)までの幅を、ネガティブ率の大きい側でWa、ネガティブ率の小さい側でWbとした場合、WaがWbよりも大きくてもよい。これにより、赤道面10Cを挟む左右のタイヤ部の重量バランスを均一化することが可能になり、ネガティブ率の小さい側の転動による径成長を抑制することができる。更にまた、溝22、24(或いは溝32、34)の底からベルト14の最外層14Uまでの距離であるスキッドベースゲージを、ネガティブ率の大きい側でHa、ネガティブ率の小さい側でHbとした場合、HaがHbよりも大きくてもよい。これにより、ネガティブ率の大きい側でベルト張力が増大し、タガ効果が増すので、ショルダ部18aのせり出しを抑制することができる。
<実験例1(高速耐久性についての実験例)>
上記の空気入りタイヤ10について、ネガティブキャンバ角付きの高速耐久ドラム試験を以下の条件のもとで行った。
タイヤサイズ:225/45ZR17 91Y
リム :8Jx17(ETRTO規格に定められた標準リム)
荷重 :530kg(ETRTO規格で最大許容荷重×86%)
内圧 :320kPa
キャンバ角 :−4°(ネガティブキャンバ)
ドラム径 :3m
速度 :210km/hにて60分間走行させた後、10分間ごとに
10km/hずつ増速
試験結果を図7に示す。なお、図7では、220km/h以上の速度で故障が発生することを前提として、故障発生時の速度に、当該速度における経過時間(分単位)を加算した値を便宜上の耐久性能として用いた(例えば、走行速度290km/hで4分経過時に故障が発生した場合、耐久性能を294として示している)。
図7から判るように、タイヤへの負荷がより大きなIN側でベルト幅Ba(図2参照)が接地幅Tin(図1、図4参照)の約1.0倍以上のときに、耐久性が充分に向上するという結果が得られた。また、接地幅Tinの約1.1倍程度までその効果が更に上がると推測された。
なお、図7にプロットされた空気入りタイヤについて、ベルト幅Ba、Bb、接地幅Tin、Toutなどの値の例を表1に示す。
また、従来の空気入りタイヤについても同じ実験条件で高速耐久性の試験を行った。従来の空気入りタイヤについて、ベルト幅Ba、Bb、接地幅Tin、Toutなどの値を表1に併せて示す。
従って、IN側のベルト幅Baを所定範囲内に設定することにより、(1)ベルト端部におけるゴムの歪、及び、遠心力によるせり出しを効果的に低減させることができ、発熱による故障を抑制することができる、(2)接地幅の減少をIN側に限定し、しかも過大なベルト幅拡大を避けることによって、IN側の接地幅減少分も最小限に抑え、従来の空気入りタイヤと同等レベルの操縦安定性を確保することが可能となる、ということが判った。
また、本発明の空気入りタイヤについて、ネガティブ率の比を一定(1.5)にし、Ba/Bbをパラメータとして変化させ、上記と同じ実験条件で高速耐久性の試験を行った。
そして、従来の空気入りタイヤでの耐久性能を100として、本発明の空気入りタイヤの耐久性能を評価した。評価結果を表2に示す。なお、表2では、数値が高いほど評価が高いことを示す。
表2から、本発明の空気入りタイヤの実施例1〜5の何れの場合であっても、高速耐久性が従来に比べて向上していることが判った。
<実験例2(操縦安定性についての実験例)>
表2に示した本発明の空気入りタイヤの実施例1〜5と同じネガティブ率のタイヤを用い、空気入りタイヤの操縦安定性についての試験を以下のようにして行った。
長い直線部分を含む高速周回路、コース規制されたカーブが多いハンドリング評価路、などからなるドライ路面上のテストコース内を、低速から180km/h程度の高速までの幅広い速度域で実車走行し、直進安定性、操舵時のハンドル応答性、路面グリップ性等を操縦安定性としてドライバーがフィーリングで評価した。本実験例でも、従来の空気入りタイヤについての操縦安定性の評価を100とし、本発明の空気入りタイヤの実施例1〜5の操縦安定性を比較して評価した。評価結果を表2に併せて示す。
表2から判るように、IN側とOUT側のベルト幅の比Ba/Bbが1.0〜1.10の範囲内では、操縦安定性は全く損なわれることはなく、1.10の場合には操縦安定性が良くなることが判った。また、Ba/Bbが1.20(実施例4の空気入りタイヤ)及び1.22(実施例5の空気入りタイヤ)の場合、操縦安定性の低下は許容範囲内であった。
<実験例3(ベルトエンドセパレーションの耐久性についての実験例)>
表2に示した本発明の空気入りタイヤの実施例1〜5を用い、ベルトエンドセパレーションの耐久性について評価する試験を行った。本実験でも、従来の空気入りタイヤでの試験結果を100として、本発明の空気入りタイヤ実施例1〜5と比較して評価した。評価結果を表2に併せて示す。ネガティブ率の比が1.0〜1.1の範囲内では、ベルトエンドセパレーションの耐久性能が損なわれないことが判った。また、Ba/Bbが1.20(実施例4の空気入りタイヤ)の場合では、ベルトエンドセパレーションの耐久性能の低下は許容範囲内であり、1.22(実施例5の空気入りタイヤ)の場合でも実用範囲内であることが判った。
<実験例4(ショルダ部の曲率半径に関する実験)>
本実験例では、実施例1〜5の空気入りタイヤに比べて更にRa/Rbの値をパラメータとして変化させた実施例6〜10の空気入りタイヤを用い、高速耐久性、操縦安定性、及び、ベルトエンドセパレーションの耐久性について同様にして評価する試験を行った。試験条件及び評価結果を表3に示す。
表3から判るように、Ra/Rbの値を1.0よりも上昇させたほど、高速耐久性及びベルトエンドセパレーションの耐久性が向上し、また、1.0よりも大きい場合、何れも操縦安定性が向上するという評価結果になった。但し、Ra/Rbが2.7の場合、2.5の場合に比べ、ベルトエンドセパレーションの耐久性は良好になるものの、操縦安定性が若干劣るという評価結果になった。
<実験例5(周方向ピッチに関する実験)>
本実験例では、実施例6〜10の空気入りタイヤに比べて更にPb/Paの値をパラメータとして変化させた実施例11〜15の空気入りタイヤを用い、高速耐久性、操縦安定性、及び、ベルトエンドセパレーションの耐久性について同様にして評価する試験を行った。試験条件及び評価結果を表4に示す。
表4から判るように、Pb/Paの値を1.0よりも下げた場合、実施例12〜15では、高速耐久性、操縦安定性、及びベルトエンドセパレーションの耐久性が全て向上し、実施例11では、高速耐久性は従来と同じで、操縦安定性、及びベルトエンドセパレーションの耐久性が向上するという評価結果となった。
なお、Pb/Paの値が0.7である実施例15では、実施例14に比べ、操縦安定性が僅かに劣るという評価となった。
<実験例6(ショルダ部に補強層を設けたことに関する実験)>
本実験例では、実施例11〜15の空気入りタイヤに比べて更にショルダ部に補強層を設けた実施例16〜20の空気入りタイヤを用い、高速耐久性、操縦安定性、及び、ベルトエンドセパレーションの耐久性について同様にして評価する試験を行った。試験条件及び評価結果を表5に示す。
表5から判るように、ネガティブ率の大きい側に補強層を設けた実施例16では、ベルトエンドセパレーションの耐久性が大きく向上し、ネガティブ率の小さい側に補強層を設けた実施例17では、高速耐久性及び操縦安定性が大きく向上した。また、何れの側にも補強層を設けた実施例18では、高速耐久性、操縦安定性、及びベルトエンドセパレーションの耐久性が全て向上した。
更に、トレッド部16を構成するトレッドゴムについて、実施例18に比べ、ネガティブ率の大きい側では従来よりも横弾性係数Gが大きいゴム種を、ネガティブ率の小さい側では従来よりもtanδが大きいゴム種を、それぞれ用いた実施例19では、操縦安定性が実施例18よりも更に向上した。
そして、赤道面10Cからトレッド端16Ea、16Eb(図6参照)までの幅について、実施例18に比べ、ネガティブ率の大きい側の幅Waが、ネガティブ率の小さい側の幅Wbよりも大きい実施例20では、高速耐久性が実施例18よりも更に向上した。
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、上記実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。
カーカス12は、コードを実質的に周方向と直交する方向、すなわちラジアルに配列されている。ベルト14は、複数枚(例えば2枚)のベルトプライで構成されることが多い。
空気入りタイヤ10の赤道面10Cの両側では、トレッド部16のネガティブ率が互いに異なっており、図1、図2で、赤道面10Cから紙面右側では、赤道面10Cから紙面左側に比べ、ネガティブ率が大きい。
空気入りタイヤ10を自動車に装着する際、ネガティブ率が大きい側(図2で、赤道面10Cから紙面右側)がIN側(車両内側)に、ネガティブ率が小さい側がOUT側(車両外側)になるように装着する。従って、本実施形態では、以下、図1〜図3で、赤道面10Cから紙面右側をIN側と言い、赤道面10Cから紙面左側をOUT側と言う。
IN側のベルト端部14Iから赤道面10Cまでのベルト幅Baと、OUT側のベルト端部14Eから赤道面10Cまでのベルト幅Bbとは、Ba>Bbの関係にある。このように、ネガティブ率が大きいIN側のベルト幅Baが、ネガティブ率が小さいOUT側のベルト幅Bbよりも幅広であり、IN側に広いベルト幅を与えている。なお、1.04≦Ba/Bb≦1.20を満たしていることが好ましい。
また、IN側のベルト幅Baは、空気入りタイヤ10がネガティブキャンバ角を付けて自動車に取付けられた際、接地幅Tinの外側端よりもIN側のベルト端部14Iが外側に位置するように、ベルト幅Baが決められている。
更に、IN側のショルダ部18aの外輪郭の曲率半径Raと、OUT側のショルダ部18bの外輪郭の曲率半径Rbとは、Ra>Rbの関係にあり、また、Rbは、従来と同等の大きさの曲率半径にされている。これにより、ネガティブキャンバ角の付与によって高速転動時の負荷がOUT側より大きくなるIN側においてサイドウォール部分での応力集中を緩和し、局所的に大きな歪みを生じて破壊に至ることを防止するという効果を奏することができる。なお、ショルダ部18aとは、タイヤ表面における赤道面10Cからの距離がWa/2〜1.4Waの範囲内であるタイヤ部分のことであり、ショルダ部18bとは、タイヤ表面における赤道面10Cからの距離がWb/2〜1.4Wbの範囲内であるタイヤ部分のことである。
また、トレッド部16のIN側には、タイヤ周方向に沿った2本の主溝22、24と、主溝22と主溝24との間に配設された傾斜溝26と、主溝24の外側に形成されたラグ溝28と、が設けられている。トレッド部16のOUT側にも、2本の主溝32、34と、主溝32と主溝34との間に配設された傾斜溝36と、主溝34の外側に形成されたラグ溝38と、が設けられている。
ラグ溝28の周方向平均ピッチPaと、ラグ溝の周方向平均ピッチPbとが、Pa>Pbの関係にあることが好ましく、1/2≦Pb/Pa≦2/3を満たしていることが更に好ましい。これにより、OUT側ブロックの横方向剛性を大きく、IN側ブロックの周方向剛性を大きくすることができる。その結果、OUT側ブロックにはコーナリング時の大きな横力を発揮させる役割を、IN側ブロックには直進時の大きな駆動力、制動力を発揮させる役割を分担させることが可能となり、操縦安定性を一層向上させることができる。
本実施形態の空気入りタイヤ10を自動車に装着することにより、高速転動時に遠心力によって生じるせり出しを効率良く抑えることができる。従って、ネガティブキャンバ角付与に伴ってIN側で負荷入力が特に大きくなっても、IN側のショルダ部18aのゴム部材に生じる歪や発熱を効率良く低減することができ、高速耐久性を効率良く向上させることができる。また、OUT側の接地幅Tout(図1、図4参照)を従来と同等のレベルに確保することにより、操縦安定性を損なわないようにできる。
なお、図5に示すように、ネガティブ率が大きい側であるIN側のショルダ部18aに補強層40を設けてもよい。これにより、IN側のショルダ部18aでベルトエンドセパレーションが生じ難くなるので、ショルダ部18の高速耐久性が更に向上する。また、図6に示すように、ネガティブ率の小さい側であるOUT側のショルダ部18bに更に補強層41を設けてもよい。これにより、OUT側のショルダ部18bで転動による径成長を抑制することができるので、高速耐久性及び操縦安定性が更に向上する。また、赤道面10Cからトレッド端16Ea,16Eb(図6参照)までの幅を、ネガティブ率の大きい側でWa、ネガティブ率の小さい側でWbとした場合、WaがWbよりも大きくてもよい。これにより、赤道面10Cを挟む左右のタイヤ部の重量バランスを均一化することが可能になり、ネガティブ率の小さい側の転動による径成長を抑制することができる。更にまた、溝22、24(或いは溝32、34)の底からベルト14の最外層14Uまでの距離であるスキッドベースゲージを、ネガティブ率の大きい側でHa、ネガティブ率の小さい側でHbとした場合、HaがHbよりも大きくてもよい。これにより、ネガティブ率の大きい側でベルト張力が増大し、タガ効果が増すので、ショルダ部18aのせり出しを抑制することができる。
<実験例1(高速耐久性についての実験例)>
上記の空気入りタイヤ10について、ネガティブキャンバ角付きの高速耐久ドラム試験を以下の条件のもとで行った。
タイヤサイズ:225/45ZR17 91Y
リム :8Jx17(ETRTO規格に定められた標準リム)
荷重 :530kg(ETRTO規格で最大許容荷重×86%)
内圧 :320kPa
キャンバ角 :−4°(ネガティブキャンバ)
ドラム径 :3m
速度 :210km/hにて60分間走行させた後、10分間ごとに
10km/hずつ増速
試験結果を図7に示す。なお、図7では、220km/h以上の速度で故障が発生することを前提として、故障発生時の速度に、当該速度における経過時間(分単位)を加算した値を便宜上の耐久性能として用いた(例えば、走行速度290km/hで4分経過時に故障が発生した場合、耐久性能を294として示している)。
図7から判るように、タイヤへの負荷がより大きなIN側でベルト幅Ba(図2参照)が接地幅Tin(図1、図4参照)の約1.0倍以上のときに、耐久性が充分に向上するという結果が得られた。また、接地幅Tinの約1.1倍程度までその効果が更に上がると推測された。
なお、図7にプロットされた空気入りタイヤについて、ベルト幅Ba、Bb、接地幅Tin、Toutなどの値の例を表1に示す。
従って、IN側のベルト幅Baを所定範囲内に設定することにより、(1)ベルト端部におけるゴムの歪、及び、遠心力によるせり出しを効果的に低減させることができ、発熱による故障を抑制することができる、(2)接地幅の減少をIN側に限定し、しかも過大なベルト幅拡大を避けることによって、IN側の接地幅減少分も最小限に抑え、従来の空気入りタイヤと同等レベルの操縦安定性を確保することが可能となる、ということが判った。
また、本発明の空気入りタイヤについて、ネガティブ率の比を一定(1.5)にし、Ba/Bbをパラメータとして変化させ、上記と同じ実験条件で高速耐久性の試験を行った。
そして、従来の空気入りタイヤでの耐久性能を100として、本発明の空気入りタイヤの耐久性能を評価した。評価結果を表2に示す。なお、表2では、数値が高いほど評価が高いことを示す。
<実験例2(操縦安定性についての実験例)>
表2に示した本発明の空気入りタイヤの実施例1〜5と同じネガティブ率のタイヤを用い、空気入りタイヤの操縦安定性についての試験を以下のようにして行った。
長い直線部分を含む高速周回路、コース規制されたカーブが多いハンドリング評価路、などからなるドライ路面上のテストコース内を、低速から180km/h程度の高速までの幅広い速度域で実車走行し、直進安定性、操舵時のハンドル応答性、路面グリップ性等を操縦安定性としてドライバーがフィーリングで評価した。本実験例でも、従来の空気入りタイヤについての操縦安定性の評価を100とし、本発明の空気入りタイヤの実施例1〜5の操縦安定性を比較して評価した。評価結果を表2に併せて示す。
表2から判るように、IN側とOUT側のベルト幅の比Ba/Bbが1.0〜1.10の範囲内では、操縦安定性は全く損なわれることはなく、1.10の場合には操縦安定性が良くなることが判った。また、Ba/Bbが1.20(実施例4の空気入りタイヤ)及び1.22(実施例5の空気入りタイヤ)の場合、操縦安定性の低下は許容範囲内であった。
<実験例3(ベルトエンドセパレーションの耐久性についての実験例)>
表2に示した本発明の空気入りタイヤの実施例1〜5を用い、ベルトエンドセパレーションの耐久性について評価する試験を行った。本実験でも、従来の空気入りタイヤでの試験結果を100として、本発明の空気入りタイヤ実施例1〜5と比較して評価した。評価結果を表2に併せて示す。ネガティブ率の比が1.0〜1.1の範囲内では、ベルトエンドセパレーションの耐久性能が損なわれないことが判った。また、Ba/Bbが1.20(実施例4の空気入りタイヤ)の場合では、ベルトエンドセパレーションの耐久性能の低下は許容範囲内であり、1.22(実施例5の空気入りタイヤ)の場合でも実用範囲内であることが判った。
<実験例4(ショルダ部の曲率半径に関する実験)>
本実験例では、実施例1〜5の空気入りタイヤに比べて更にRa/Rbの値をパラメータとして変化させた実施例6〜10の空気入りタイヤを用い、高速耐久性、操縦安定性、及び、ベルトエンドセパレーションの耐久性について同様にして評価する試験を行った。試験条件及び評価結果を表3に示す。
<実験例5(周方向ピッチに関する実験)>
本実験例では、実施例6〜10の空気入りタイヤに比べて更にPb/Paの値をパラメータとして変化させた実施例11〜15の空気入りタイヤを用い、高速耐久性、操縦安定性、及び、ベルトエンドセパレーションの耐久性について同様にして評価する試験を行った。試験条件及び評価結果を表4に示す。
なお、Pb/Paの値が0.7である実施例15では、実施例14に比べ、操縦安定性が僅かに劣るという評価となった。
<実験例6(ショルダ部に補強層を設けたことに関する実験)>
本実験例では、実施例11〜15の空気入りタイヤに比べて更にショルダ部に補強層を設けた実施例16〜20の空気入りタイヤを用い、高速耐久性、操縦安定性、及び、ベルトエンドセパレーションの耐久性について同様にして評価する試験を行った。試験条件及び評価結果を表5に示す。
更に、トレッド部16を構成するトレッドゴムについて、実施例18に比べ、ネガティブ率の大きい側では従来よりも横弾性係数Gが大きいゴム種を、ネガティブ率の小さい側では従来よりもtanδが大きいゴム種を、それぞれ用いた実施例19では、操縦安定性が実施例18よりも更に向上した。
そして、赤道面10Cからトレッド端16Ea、16Eb(図6参照)までの幅について、実施例18に比べ、ネガティブ率の大きい側の幅Waが、ネガティブ率の小さい側の幅Wbよりも大きい実施例20では、高速耐久性が実施例18よりも更に向上した。
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、上記実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。
以上のように、本発明にかかる空気入りタイヤは、操縦安定性を損なうことなく高速耐久性能を向上させた空気入りタイヤとして用いるのに好適であり、例えば、自動車等に装着する際、ネガティブ率が大きい側がIN側に、ネガティブ率が小さい側がOUT側になるように装着することに適している。
Claims (13)
- トロイド状に延びるカーカスのクラウン部の外側に、ベルトと、溝を配設したトレッド部とを順次有し、前記トレッド部のネガティブ率がタイヤ赤道面の両側で互いに異なる空気入りタイヤにおいて、
ネガティブ率が大きい側のベルト端部から前記タイヤ赤道面までのベルト幅Baと、ネガティブ率が小さい側のベルト端部から前記タイヤ赤道面までのベルト幅Bbとが、
Ba > Bb
の関係にあることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記ベルト幅Baと、前記ベルト幅Bbとが、
1.04 ≦ Ba/Bb ≦ 1.20
の関係にあることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の空気入りタイヤ。 - 前記タイヤ赤道面の両側でのネガティブ率の差が、3%〜20%の範囲内であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記トレッド部に隣接するショルダ部の外輪郭の曲率半径を、ネガティブ率の大きい側でRa、ネガティブ率の小さい側でRbとした場合、前記Raと前記Rbとが、
Ra > Rb
の関係にあることを特徴とする請求の範囲第1項〜第3項のうち何れか1項に記載の空気入りタイヤ。 - 前記Ra、及び、前記Rbが、
1.2 < Ra/Rb< 2.5
の関係にあることを特徴とする請求の範囲第4項に記載の空気入りタイヤ。 - 前記トレッド部が、タイヤ幅方向に延びる複数本の幅方向溝を有し、
前記幅方向溝の周方向平均ピッチを、ネガティブ率の大きい側でPa、ネガティブ率の小さい側でPbとした場合、前記Paと前記Pbとが、
Pa > Pb
の関係にあることを特徴とする請求の範囲第1項〜第5項のうち何れか1項に記載の空気入りタイヤ。 - 前記Pa、及び、前記Pbが、
1/2 ≦ Pb/Pa ≦ 2/3
の関係にあることを特徴とする請求の範囲第6項に記載の空気入りタイヤ。 - ネガティブ率の大きい側のショルダ部に補強層を設けたことを特徴とする請求の範囲第1項〜第7項のうち何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
- ネガティブ率の小さい側のショルダ部に補強層を設けたことを特徴とする請求の範囲第1項〜第8項のうち何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
- ネガティブ率の大きい側及び小さい側の何れのショルダ部にも補強層を設けると共に、
ネガティブ率の小さい側に設けた補強層のコードの引っ張り剛性が、ネガティブ率の大きい側に設けた補強層のコードの引っ張り剛性よりも大きいことを特徴とする請求の範囲第1項〜第7項のうち何れか1項に記載の空気入りタイヤ。 - 前記トレッド部を構成するトレッドゴムが、ネガティブ率の大きい側と小さい側とで互いに異なるゴム種で構成され、
ネガティブ率の大きい側では、ネガティブ率の小さい側よりも横弾性係数が大きいゴム種とし、
ネガティブ率の小さい側では、ネガティブ率の大きい側よりもtanδが大きいゴム種としたことを特徴とする請求の範囲第1項〜第10項のうち何れか1項に記載の空気入りタイヤ。 - 前記タイヤ赤道面からトレッド端までの幅を、ネガティブ率の大きい側でWa、ネガティブ率の小さい側でWbとした場合、前記Waと前記Wbとが、
Wa < Wb
の関係にあることを特徴とする請求の範囲第1項〜第11項のうち何れか1項に記載の空気入りタイヤ。 - 前記溝の底から前記ベルトの最外層までの距離であるスキッドベースゲージを、ネガティブ率の大きい側でHa、ネガティブ率の小さい側でHbとした場合、前記Haと前記Hbとが、
Ha > Hb
の関係にあることを特徴とする請求の範囲第1項〜第12項のうち何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
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