JP5410331B2 - ランフラットタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、少なくともサイドウォール部に対応する部分で、カーカスのタイヤ幅方向内側に断面略三日月形の補強ゴム層を埋設したランフラットタイヤに関する。本発明は特に、ランフラット走行時の耐久性能と、通常内圧走行時の乗り心地との両立を図りつつ、高速旋回時のメクレ磨耗を低減することができるランフラットタイヤに関する。
従来から、カーカスのタイヤ幅方向内側に埋設した断面略三日月形の補強ゴム層によってサイドウォール部を補強したランフラットラジアルタイヤが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このようなランフラットラジアルタイヤは、タイヤ内の空気圧が低下したり、さらにはゼロになったりした状態、いわゆるランフラット状態においても、サイドウォール部に埋設された補強ゴム層がタイヤの形状を保持することによって、十分な耐久性をもって走行することができるよう構成されている。
また、特許文献2には、ランフラット時にトレッド中央部分が浮き上がる、いわゆるバックリング現象を防止するために、バットレス部に所定の周溝を設けたランフラットタイヤが開示されている。このタイヤにおいては、周溝の周辺に繊維補強層を設けることで、周溝があることによるランフラット耐久性の低下を抑制している。
特表2002−518231号公報 特開2004−182036号公報
ランフラットタイヤの補強ゴム層には、ランフラット時にタイヤ形状を保持するため、剛性の高いゴム材料を用いたり、特許文献2のように繊維補強層を追加したりする。また、補強ゴム層の厚さを厚くすることもある。このため、通常内圧走行時のタイヤのバネ定数も大きくなり、乗り心地が悪くなってしまうという問題があった。
本発明者は、有限要素法により、タイヤを有限の要素に分割して、通常内圧走行時をシミュレートした通常内圧で所定荷重の75%を負荷した通常内圧状態と、ランフラット走行をシミュレートした内圧がゼロで所定荷重の75%を負荷したゼロ内圧状態とについて、各要素にかかる応力を計算した。(以下、単に「有限要素法」という。)
そして、通常内圧状態とゼロ内圧状態とを比較し、ゼロ内圧状態よりも通常内圧状態の方が高い応力を発生している部分を求めた。その結果、当該部分は後述するトレッド部の所定範囲であることを見出した。この領域は、ゼロ内圧状態での荷重支持に対する寄与が少ない割には、通常走行時の荷重支持に対する寄与が大きい領域である。そのため、この領域の剛性を低下させることによって、ゼロ内圧状態での耐久性の低下を最小限に抑えつつ、通常内圧状態のバネ定数を低減させることができると考えられる。
ここで、上記領域の剛性を低下させる方法として、上記領域に例えば周方向溝などの凹部を設けることが考えられる。しかし、上記領域は通常使用時には路面に接地しない領域であるものの、高速旋回時には一時的に接触する可能性のある領域である。そのため、高速旋回時のサイドフォースの入力によって、凹部にメクレ磨耗が生じることが懸念される。
そこで本発明は、上記課題に鑑み、ランフラット走行時の耐久性は維持しつつ、通常内圧走行時の乗り心地を良くし、かつ、高速旋回時のメクレ磨耗の発生を低減しうるランフラットタイヤを提供することを目的とするものである。
上記課題に鑑み、本発明の要旨構成は以下の通りである。
(1)トレッド部と、該トレッド部の両側部からタイヤ径方向内側に延びる一対のサイドウォール部と、各サイドウォール部のタイヤ径方向内側に延びるビード部とを備え、
前記ビード部に埋設した一対のビードコア間にトロイド状に延びる少なくとも一枚のカーカスプライからなるカーカスと、
該カーカスと前記トレッド部との間に配設した一層以上のコードゴム被覆層からなるベルトと、
少なくとも前記サイドウォール部に対応する部分で、前記カーカスのタイヤ幅方向内側に配設した断面略三日月形の補強ゴム層とを有するランフラットタイヤであって、
前記ベルトの端縁を通り、タイヤ表面に垂直な平面が横切るトレッド部踏面ラインと、所定空気圧及び所定負荷条件下におけるトレッド接地端ラインとで区画されるトレッド部の領域に、タイヤ周方向に沿って設けられた凹部の少なくとも一部を有し、
該凹部をタイヤ幅方向断面で見て、該凹部を形成する側壁のうち、タイヤ幅方向外側に位置する方の側壁が、タイヤ表面とのなす角が鈍角であることを特徴とするランフラットタイヤ。
(2)前記凹部が、周方向に沿って連続して延びる周方向溝である上記(1)に記載のランフラットタイヤ。
(3)前記凹部が、タイヤ周方向に沿って所定の間隔で配設した複数個の穴の集合群からなる上記(1)に記載のランフラットタイヤ。
(4)前記集合群が、タイヤ周方向に複数列配列される上記(3)に記載のランフラットタイヤ。
(5)前記穴と穴との間に、タイヤ周方向と異なる向きに延びる溝を有する上記(3)に記載のランフラットタイヤ。
)前記鈍角が、95°以上である上記(1)乃至()のいずれかに記載のランフラットタイヤ。
)前記側壁部分が、タイヤ内方へタイヤ赤道に近づくように屈曲して延びる上記(1)乃至()のいずれかに記載のランフラットタイヤ。
本発明によれば、トレッド部の上記所定領域に凹部を設けたため、ランフラット走行時の耐久性は維持しつつ、通常内圧走行時の乗り心地を良くし、凹部をタイヤ幅方向断面で見て、凹部を形成する側壁のうち、タイヤ幅方向外側に位置する方の側壁が、タイヤ表面とのなす角が鈍角であるため、高速旋回時のメクレ磨耗の発生を低減しうるランフラットタイヤを提供することができる。
本発明に従う代表的なランフラットタイヤのタイヤ幅方向半断面図である。 図1に示すランフラットタイヤの凹部1付近を詳細に示す拡大断面図である。 周方向溝の位置とバネ定数との関係を示すグラフである。 本発明に従うランフラットタイヤの凹部の種々の形態を示す図であり、(a)〜(c)のそれぞれにつき、上段は凹部付近のトレッド面展開図を、下段は上段で示した箇所における断面図を示す。 本発明に従う他のランフラットタイヤについて、図4と同様に示した図である。 本発明に従う他のランフラットタイヤについて、図4及び図5と同様に示した図である。 本発明に従う他のランフラットタイヤについて、図4〜6と同様に示した図である。
以下、図面を参照しつつ本発明をより詳細に説明する。なお、同一の構成要素には原則として同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1は、本発明に従う代表的なランフラットタイヤのタイヤ幅方向半断面図である。図2は、図1に示すランフラットタイヤの凹部1付近を詳細に示す拡大断面図である。本発明のランフラットタイヤ10は、トレッド部11(半部のみ図示)と、トレッド部11の両側部からタイヤ径方向内側に延びる一対のサイドウォール部12(片側のみ図示)と、各サイドウォール部のタイヤ径方向内側に延びるビード部13(片側のみ図示)とを備える。また、ビード部13に埋設した一対のビードコア2(片側のみ図示)間にトロイド状に延びる少なくとも一枚のカーカスプライからなるカーカス3を有する。図1では、カーカスプライを、一対のビードコア2の周りに、それぞれの側部部分を折り返した形状を示したが、本発明ではこれに限られることはない。カーカス3を構成するプライはコードゴム被覆層であり、コード材料としてはスチール、有機繊維などが例示できる。ラジアルカーカスの場合、コードはタイヤ周方向に対し70°〜90°の角度で配列される。
カーカス3とトレッド部11との間には、一層以上のコードゴム被覆層からなるベルト4が配設される。コードとしては、スチールコードや有機繊維コードが例示できる。また、ランフラットタイヤにおいては、ゼロ内圧でタイヤの形状を保持するため、少なくともサイドウォール部12に対応する部分で、カーカス3のタイヤ幅方向内側に断面略三日月形の補強ゴム層5を配設する。
ここで符号15aは、ランフラットタイヤ10を所定リムに装着し、所定空気圧及び所定負荷条件下におけるトレッド接地端ラインを示し、トレッド接地端ライン15aを通り、タイヤ表面に垂直な平面が符号15で示される。本明細書において「所定空気圧」とは、下記規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)に対応する空気圧のことを意味する。また「所定負荷条件」とは、同規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)の75%の荷重をかけることを意味する。「所定リム」とは、同規格に記載されている適用サイズにおける標準リム(または“Approved Rim”、“Recommended Rim”)のことである。かかる産業規格については、タイヤが生産又は使用される地域に有効な規格が定められている。例えば、アメリカ合衆国では、”The Tire and Rim Association Inc.のYear Book”であり、欧州では、”The European Tire and Rim Technical OrganizationのSTANDARDS MANUAL”であり、日本では日本自動車タイヤ協会の”JATMA Year Book”である。
また符号16aは、ベルト4の端縁4aを通り、タイヤ表面に垂直な平面16が横切るトレッド部踏面ラインを示す。ここで、ベルトの端縁4aの意義について以下に述べる。ベルト4は、典型的にはコードのタイヤ赤道面に対する傾斜角度が互いに逆向きの2枚のベルトプライ41、42を貼り合わせた交錯ベルト層40を含む。さらに、この実施形態に示したベルト4は、交錯ベルト層40のタイヤ径方向外側に配置され、コードがタイヤ赤道面と略平行に配列された第1のベルト補強層43(キャップ層とも言う。)を備える。第1のベルト補強層43の外端は、交錯ベルト層40のタイヤ幅方向外端より外側にある。この場合、ベルト端4aは、ベルト補強層43の外端となる。このように、ベルト4を構成する各層のうち、最もタイヤ幅方向外側に位置する外端が、ベルト端4aとなる。これは、第1のベルト補強層43の両端部をそれぞれ覆うように配置した狭幅の第2のベルト補強層(レイヤー層)を設けた、いわゆるキャップ&レイヤー層構造においても同様である。
なお、平面15,16が「タイヤ表面に垂直」とは、厳密にはタイヤ表面における接線に対して垂直であることを意味する。また以下、符号15aを「通常走行時のトレッド接地端ライン」と、符号16aを「ベルト端縁のトレッド部踏面ライン」いうこともある。ここで、ベルト端縁のトレッド部踏面ライン16aは、通常走行時のトレッド接地端ライン15aよりもタイヤ幅方向外側に配置されている。また、補強ゴム層5のタイヤ幅方向内端5aは、通常走行時のトレッド接地端ライン15aよりタイヤ幅方向内側に配置されている。
ここで、本発明の第1の特徴的構成として、ランフラットタイヤ10には、通常走行時のトレッド接地端ライン15aとベルト端縁のトレッド部踏面ライン16aとで区画されるトレッド部の領域17に、周方向に沿って凹部1を設けてある。凹部1により、上記領域17における剛性が低下する。
本発明者は、既述の通り有限要素法の結果、通常内圧走行時の接地領域の接地端近傍からベルト端までのタイヤ幅方向領域においてゼロ内圧状態よりも通常内圧状態の方が高い応力を発生していることを見出した。そのため、凹部を設けるのがこの領域17の範囲内であれば、ゼロ内圧状態での耐久性の低下を最小限に抑えつつ、通常内圧状態のバネ定数を低減させることができると考えられる。このような知見から、上記領域17に周方向に沿った凹部1を設けた。
図3は、上記領域17を含む領域に周方向に連続する幅2mm、深さ4mmの周方向溝を形成し、周方向溝のタイヤ幅方向位置に応じて、有限要素法で求めたバネ定数がどのように変化するかを示したグラフである。溝の位置を2mm間隔でプロットした。横軸は、通常走行時のトレッド接地端ライン15a(「接地端」)を基準にしたタイヤ幅方向位置を表す。縦軸は、各タイヤ幅方向位置にタイヤ幅方向内端が位置するように周方向溝を配置した場合のバネ定数を、周方向溝を設けなかった場合のタイヤ全体のバネ定数を100としたときの指数で表したものである。
上記計算においては、サイズ245/45R19のタイヤを用い、このタイヤを所定リムに装着して所定空気圧を充填し所定荷重を加えたときの撓みを計算することによってバネ定数を求めた。このタイヤに対応する所定内圧は230kPaであり、所定荷重は5.145kNである。
図3から明らかなように、通常走行時のトレッド接地端ライン15aのタイヤ幅方向内側の接地端近傍でバネ定数の低減率が高い。ライン15aからタイヤ幅方向外側に遠ざかるに従って、その低減率はゼロに近づくが、低減効果はベルト端縁のトレッド部踏面ライン16aまで持続している。ここで、周方向溝が接地領域内に入ってしまうと、引きずり磨耗や剛性段差に伴う段差磨耗等が発生する可能性がある。この点からも、上記領域17に周方向溝を設けることが好ましい。また、交錯ベルト層40を構成するベルトプライ41、42のうち狭幅側のプライ42の端42aが、通常走行時のトレッド接地端ライン15aよりタイヤ幅方向外側に配置されている場合には、交錯ベルト層40の狭幅側プライ端42aよりタイヤ幅方向内側に凹部を配置するのがさらに好ましいことは、図3より明らかである。
次に、本発明の第2の特徴的構成として、凹部1をタイヤ幅方向断面で見て、凹部を形成する側壁のうち、タイヤ幅方向外側に位置する方の側壁1aは、タイヤ表面とのなす角θが鈍角である。ここで、「側壁1aとタイヤ表面とのなす角θ」とは、凹部1の開口端におけるタイヤ表面の接線と、該開口端における側壁1aの接線とのなす角を意味する。すなわち、側壁1aが局面であっても角度θを概念できる。上記領域17は、通常走行時には路面に接地しない領域だが、高速旋回時には一時的に接触する可能性のある領域である。高速旋回時には、タイヤ幅方向外側から内側に向かってサイドフォースの入力がある。そのため、タイヤ幅方向外側に位置する方の側壁1aがタイヤ表面と鈍角をなすことによって、当該サイドフォースに対しての耐久性が増し、凹部1にメクレ磨耗が生じにくくなる。このように本発明は、タイヤ表面の法線に対してタイヤ赤道側に傾斜した凹部を、領域17に設ける点に技術的特徴を有するものであり、領域17に凹部を設けたランフラットタイヤで高速旋回を行う場合の上記課題を認識して初めて到達しうるものである。なお、1bはタイヤ幅方向内側に位置する方の側壁を表す。
ここで、凹部の位置に関して、「領域17にタイヤ周方向に沿って設けられた凹部を有する」の外延を説明する。図4は、本発明に従う各種ランフラットタイヤの凹部の形状を示す図であり、(a)〜(c)のそれぞれにつき、上段は凹部付近のトレッド面展開図を、下段は上段で示した箇所における断面図を示す。(a)は、図2のランフラットタイヤを示したものである。ここで、「凹部のタイヤ幅方向位置」とは、凹部1のタイヤ幅方向内端6aの位置又は凹部底壁の最も幅方向内側位置6bを通りタイヤ径方向を含む平面が横切るトレッド踏面位置6cのいずれかをいう。すなわち、図4(b)のように、内端6aが領域17に含まれる場合は、凹部側壁の最も幅方向内部位置6bが領域17を外れていたとしても本発明に含まれる。また、図4(c)のように、内端6aは領域17に含まれないものの、上記のトレッド踏面位置6cが領域17に含まれる場合も、本発明の範囲内である。つまり、領域17を含むトレッド部に凹部の少なくとも一部が存在すればよい。凹部を傾斜させることによって図4(b)や図4(c)のような状態を取りえるが、このような形態でも領域17を含むトレッド部の剛性を低下させることができるため、本発明の効果を奏することができるのである。
本発明の凹部1は、図4に示したように周方向に沿って連続して延びる周方向溝であることが好ましい。この形態が、乗り心地に最も影響する縦バネ定数を最も効率的に下げられるからである。
また、図5(a)に示すように、周方向とは異なる方向に設けられる溝20(ラグ溝など)がある場合は、これと交わることがないように、所定の間隔で配設した複数個の穴の集合群としてもよい。穴の開口形状としては、矩形に限定されることはなく、図5(b)のような周方向に長軸をとった楕円形であってもよいし、角形や円形でもよい。このように複数個の穴を設ける場合は、メクレ磨耗に対してさらに抑制効果が高まるため好ましい形態である。
複数個の穴の集合群は、図6(a)に示すように、タイヤ周方向に複数列配列されていることが好ましい。周方向溝を複数列設けても同様である。領域17の剛性を効果的に低減できるためである。なお、図6(a)では周方向に規則的に配列した例を示したが、複数個の穴は略周方向であれば良く、多少互いにオフセットしていてもよい。また、図6(b)のように周方向溝が周方向に対して多少傾斜していても、凹部が領域17の範囲内に収まる程度であれば構わない。図6(c)のように、複数個の穴が周方向に傾斜して設けられていても構わない。
ここで、凹部1をタイヤ幅方向断面で見て、凹部を形成する側壁のうち、タイヤ幅方向外側に位置する側壁部分1aとタイヤ表面とのなす角θは、95°以上であることが好ましい。95°以上であれば、より高いメクレ磨耗抑制効果が期待できるからである。
図7に、本発明に従うさらに別の実施形態を示す。(a)のように、凹部の開口部のほうが溝底部よりも広がっている形状も好ましい実施形態である。また、(b)のように、凹部1をタイヤ幅方向断面で見て、凹部を形成する側壁のうち、タイヤ幅方向外側に位置する側壁部分がタイヤ内方へタイヤ赤道に近づくように屈曲して延びるような形状も好ましい。製造上の懸念(釜抜け性)が小さく、通常使用時の運動性能への影響が小さくなるからである。なお、図7(c)のように凹部のタイヤ幅方向外側の開口縁が丸みを帯びた形状の場合、図示したようにタイヤ表面の延長線と側壁の延長線とのなす角が鈍角であれば、本発明に含まれるものである。
次に、本発明の効果をさらに明確にするために、以下の実施例及び比較例にかかるランフラットラジアルタイヤを用いて行った比較評価について説明する。表1に示すように、凹部の種類、凹部の位置、角度θを様々に変化させて、通常内圧状態バネ定数、ゼロ内圧状態バネ定数、メクレ磨耗指数を求めた。なお、ランフラットタイヤに関するデータは、以下に示す条件において測定された。
規格:2009年度ETRTO
タイヤサイズ:245/45R19
リム:ETRTO記載の標準リム
内圧条件:通常内圧状態ではETRTO記載の最大荷重に対応する空気圧、ゼロ内圧状態では内圧ゼロ
荷重条件:ETRTO記載の最大荷重(最大負荷能力)の75%
バネ定数の測定は、タイヤの軸方向と直交する面内の中心軸を通る荷重を加え荷重方向の撓みを測定することによって行った。表1に示す結果は、凹部を設けないタイヤを比較例1として、比較例1のタイヤにおけるバネ定数を100とする指数で表した。この指数が小さいほうがバネ定数が小さいことを意味する。ここで、通常内圧状態でのバネ定数は、通常内圧走行時の乗り心地を代表するパラメータと考えることができ、指数が小さいほうが乗り心地がよいことを示す。また、ゼロ内圧状態でのバネ定数は、ランフラット走行時の耐久性を代表するパラメータと考えることができ、小さくなると耐久性が落ちることを意味する。
メクレ磨耗指数は以下のようにして求めた。各タイヤを前輪駆動車の旋回時外側の前輪に取り付け、規定内圧を充填し、半径36.5mのスキットパッドを速度50km/hで周回し、3周した後のメクレ磨耗状態にて判断した。(キャンバ角CA=+5°,横すべり角SA=+5°)メクレ磨耗指数は、各タイヤの凹部のタイヤ幅方向外側近傍とタイヤ幅方向内側近傍における磨耗量の差を測定し、比較例2を100としたときの指数として求めた。この値が小さいほど、旋回によるメクレ磨耗が抑制されていることを示す。なお、前記「近傍」とは、凹部の開口端から凹部幅の200%の領域をさす。
表1において、「凹部の位置(mm)」は、凹部のタイヤ幅方向内側端6aの、通常走行時のトレッド接地端ライン15aからの離隔距離を表し、6aが15aよりもタイヤ幅方向外側にある場合をプラスとして表示する。なお、交錯ベルト層40の狭幅側のプライ端は、接地端ライン15aからタイヤ幅方向外側に6mm離れており、ベルト端は、接地端ライン15aからタイヤ幅方向外側に14mm離れていた。また、凹部のサイズとしては、いずれの実施例・比較例においても、溝幅2mm、溝深さ4mmとした。
Figure 0005410331
比較例2〜4は、本発明で規定するトレッド部の所定領域にθ=90°の溝を設けた場合で、実施例1〜3は、本発明で規定するトレッド部の所定領域にθが鈍角の溝を設けた場合である。両者を比べると、いずれも通常内圧状態バネ定数が比較例1より小さくなり、乗り心地がよくなる一方、ゼロ内圧状態バネ定数は比較例1の値を維持しており、ランフラット走行時の耐久性は落ちていないことがわかる。しかし、実施例1〜3のほうが、メクレ磨耗指数が著しく低くなっており、比較例2〜4に比べて、通常走行における高速旋回時のメクレ磨耗が抑制されている。
また、比較例5,7のようにトレッド部所定領域よりもタイヤ幅方向外側に溝を設けたとしても、比較例1に比べて乗り心地が良くなることはなく、むしろランフラット耐久性が悪化した。また、この場合は高速旋回時に接地しないため、メクレ磨耗指数は算出できない。
比較例6,8のようにトレッド部所定領域よりもタイヤ幅方向内側に溝を設けた場合、乗り心地は比較的よくなり、ランフラット耐久性も維持されるが、メクレ磨耗の抑制効果は実施例1〜3より劣る。また、通常走行の接地領域内に溝があるため、引きずり磨耗や剛性段差に伴う段差磨耗等が発生する可能性がある。
以上より、本実施例にかかるランフラットタイヤは、ランフラット走行時の耐久性は維持しつつ、通常内圧走行時の乗り心地を良くし、かつ、高速旋回時のメクレ磨耗の発生を低減することができた。
1 凹部
1a タイヤ幅方向外側に位置する側壁部分
2 ビードコア
3 カーカス
4 ベルト
4a ベルト端縁
5 補強ゴム層
10 ランフラットタイヤ
11 トレッド部
12 サイドウォール部
13 ビード部
15a 通常走行時のトレッド接地端ライン
16a ベルト端縁のトレッド部踏面ライン
17 通常走行時のトレッド接地端ライン15aとベルト端縁のトレッド部踏面ライン16aとで区画されるトレッド部の領域

Claims (7)

  1. トレッド部と、該トレッド部の両側部からタイヤ径方向内側に延びる一対のサイドウォール部と、各サイドウォール部のタイヤ径方向内側に延びるビード部とを備え、
    前記ビード部に埋設した一対のビードコア間にトロイド状に延びる少なくとも一枚のカーカスプライからなるカーカスと、
    該カーカスと前記トレッド部との間に配設した一層以上のコードゴム被覆層からなるベルトと、
    少なくとも前記サイドウォール部に対応する部分で、前記カーカスのタイヤ幅方向内側に配設した断面略三日月形の補強ゴム層とを有するランフラットタイヤであって、
    前記ベルトの端縁を通り、タイヤ表面に垂直な平面が横切るトレッド部踏面ラインと、所定空気圧及び所定負荷条件下におけるトレッド接地端ラインとで区画されるトレッド部の領域に、タイヤ周方向に沿って設けられた凹部の少なくとも一部を有し、
    該凹部をタイヤ幅方向断面で見て、該凹部を形成する側壁のうち、タイヤ幅方向外側に位置する方の側壁が、タイヤ表面とのなす角が鈍角であることを特徴とするランフラットタイヤ。
  2. 前記凹部が、周方向に沿って連続して延びる周方向溝である請求項1に記載のランフラットタイヤ。
  3. 前記凹部が、タイヤ周方向に沿って所定の間隔で配設した複数個の穴の集合群からなる請求項1に記載のランフラットタイヤ。
  4. 前記集合群が、タイヤ周方向に複数列配列される請求項3に記載のランフラットタイヤ。
  5. 前記穴と穴との間に、タイヤ周方向と異なる向きに延びる溝を有する請求項3に記載のランフラットタイヤ。
  6. 前記鈍角が、95°以上である請求項1乃至5のいずれかに記載のランフラットタイヤ。
  7. 前記側壁部分が、タイヤ内方へタイヤ赤道に近づくように屈曲して延びる請求項1乃至6のいずれかに記載のランフラットタイヤ。
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