JP6375851B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、車両に対する装着方向が指定された空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、ウエット性能とドライ性能と耐偏摩耗性と騒音性能をバランス良く改善することを可能にした空気入りタイヤに関する。
近年、車両の高性能化に伴い、空気入りタイヤにおいて、ドライ路面での操縦安定性に代表されるドライ性能と、ウエット路面での操縦安定性に代表されるウエット性能とをバランス良く改善することが強く求められている。
従来、空気入りタイヤにおいては、トレッド部にタイヤ周方向に延びる複数本の主溝が形成され、これら主溝によりタイヤ周方向に延在する複数列の陸部が区画され、各陸部に対してタイヤ幅方向に延びる複数本のラグ溝が形成されている。このようなトレッドパターンを有する空気入りタイヤにおいて、例えば、トレッド部に4本の主溝を配置し、車両外側から見て2番目となる主溝の溝幅W2を16mm〜20mmの範囲で大きくする一方で、車両外側から見て1番目となる主溝の溝幅W1と車両外側から見て2番目となる主溝の溝幅W2との比W2/W1を4.0〜5.0とし、車両内側領域における溝面積比率Sinを35.2%〜38.4%とし、車両内側領域における溝面積比率Sinと車両外側領域における溝面積比率Soutとの比Sin/Soutを1.1〜1.2とすることにより、ドライ性能とウエット性能を改善すると共に、耐偏摩耗性を改善することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、優れたウエット性能を獲得するにはラグ溝成分を十分に確保する必要があり、その結果として、ドライ性能が低下するばかりでなく、耐偏摩耗性や騒音性能が低下する傾向がある。そのため、これら性能をバランス良く改善することは難しい。特に、サーキット走行のような過酷な走行環境では、ウエット性能及びドライ性能を改善することに加えて、良好な耐偏摩耗性を維持することが求められるので、従来のトレッドパターンでは必ずしも十分ではない。
特開2013−224132号公報
本発明の目的は、ウエット性能とドライ性能と耐偏摩耗性と騒音性能をバランス良く改善することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、車両に対する装着方向が指定された空気入りタイヤにおいて、
前記トレッド部のタイヤ赤道位置よりも車両内側の領域にタイヤ周方向に延びる第1主溝を設け、前記トレッド部のタイヤ赤道位置と前記第1主溝との間の領域にタイヤ周方向に延びる第2主溝を設け、前記トレッド部のタイヤ赤道位置よりも車両外側の領域にタイヤ周方向に延びる第3主溝を設け、前記トレッド部の前記第3主溝よりも車両外側の領域にタイヤ周方向に延びて前記第1主溝乃至前記第3主溝よりも溝幅が狭い周方向細溝を設け、
前記第1主溝よりも車両内側に第1ショルダー陸部を区画し、前記周方向細溝よりも車両外側に第2ショルダー陸部を区画し、前記第1主溝と前記第2主溝との間に第1センター陸部を区画し、前記第2主溝と前記第3主溝との間に第2センター陸部を区画し、前記第3主溝と前記周方向細溝との間に第3センター陸部を区画し、
前記トレッド部に、一端が車両内側の接地端に到達し他端が前記第1ショルダー陸部内で閉止した複数本の第1ショルダーラグ溝と、一端が車両外側の接地端に到達し他端が前記第2ショルダー陸部内で閉止した複数本の第2ショルダーラグ溝と、一端が前記第1主溝に連通し他端が第1センター陸部内で閉止した複数本の第1センターラグ溝と、一端が前記第2主溝に連通し他端が第2センター陸部内で閉止した複数本の第2センターラグ溝とを設け、
前記第1主溝の溝幅GW1、前記第2主溝の溝幅GW2、前記第3主溝の溝幅GW3が8mm〜18mmであり、その溝幅GW1,GW2,GW3のうちの最小値に対する最大値の比が1.0〜1.2の範囲にあり、前記溝幅GW1,GW2,GW3のうちの最小値に対する前記周方向細溝の溝幅GW4の比が0.2〜0.5であり、
前記第1ショルダーラグ溝、前記第1センターラグ溝及び前記第2センターラグ溝がタイヤ幅方向に対して傾斜し、前記第1センターラグ溝及び前記第2センターラグ溝の傾斜方向をいずれも前記第1ショルダーラグ溝と同一方向としたことを特徴とするものである。
本発明では、車両に対する装着方向が指定された空気入りタイヤにおいて、トレッド部のタイヤ赤道位置よりも車両内側の領域に第1主溝を設け、トレッド部のタイヤ赤道位置と第1主溝との間の領域に第2主溝を設け、トレッド部のタイヤ赤道位置よりも車両外側の領域に第3主溝を設け、トレッド部の第3主溝よりも車両外側の領域に周方向細溝を設け、第1主溝の溝幅GW1、第2主溝の溝幅GW2、第3主溝の溝幅GW3を8mm〜18mmとし、その溝幅GW1,GW2,GW3のうちの最小値に対する最大値の比を1.0〜1.2の範囲とし、溝幅GW1,GW2,GW3のうちの最小値に対する周方向細溝の溝幅GW4の比を0.2〜0.5とすると共に、トレッド部に、一端が車両内側の接地端に到達し他端が第1ショルダー陸部内で閉止した複数本の第1ショルダーラグ溝と、一端が車両外側の接地端に到達し他端が第2ショルダー陸部内で閉止した複数本の第2ショルダーラグ溝と、一端が第1主溝に連通し他端が第1センター陸部内で閉止した複数本の第1センターラグ溝と、一端が第2主溝に連通し他端が第2センター陸部内で閉止した複数本の第2センターラグ溝とを設けたことにより、良好なウエット性能を維持しながら、トレッド部の剛性バランスを最適化してドライ性能を改善することができる。
しかも、第1ショルダーラグ溝、第2ショルダーラグ溝、第1センターラグ溝及び第2センターラグ溝の端部を閉止し、それに対応する各陸部を細分化しない構造とするので、耐偏摩耗性と騒音性能を改善することができる。また、第1センターラグ溝及び第2センターラグ溝の傾斜方向をいずれも第1ショルダーラグ溝と同一方向とした配置は、ウエット性能の向上に寄与する。そのため、上記構成によれば、ウエット路面での操縦安定性に代表されるウエット性能とドライ路面での操縦安定性に代表されるドライ性能と耐偏摩耗性と騒音性能をバランス良く改善することが可能になる。
本発明において、トレッド部に第3主溝に対して交差して一端が第2センター陸部内で閉止し他端が第3センター陸部内で閉止した複数本の第3センターラグ溝を設けることが好ましい。これにより、ドライ性能と耐偏摩耗性と騒音性能を良好に維持しながら、ウエット性能を更に改善することができる。
同様に、トレッド部に周方向細溝に対して交差して一端が第3センター陸部内で閉止し他端が第2ショルダー陸部内で閉止した複数本の第4センターラグ溝を設けることが好ましい。これにより、ドライ性能と耐偏摩耗性と騒音性能を良好に維持しながら、ウエット性能を更に改善することができる。
第1ショルダーラグ溝、第1センターラグ溝及び第2センターラグ溝の溝幅のうち最大溝幅Riは第2ショルダーラグ溝、第3センターラグ溝及び第4センターラグ溝の溝幅のうち最大溝幅Roよりも大きいことが好ましい。これにより、サーキット走行時のウエット性能を改善すると共に、ドライ路面での高速旋回時においても良好な操縦安定性を維持することができる。特に、最大溝幅Riと最大溝幅Roとの比Ro/Riは0.2〜0.6の範囲にあることが好ましい。
第1ショルダーラグ溝のタイヤ幅方向に対する傾斜角度は15°以下であり、第1センターラグ溝のタイヤ幅方向に対する傾斜角度は15°〜50°であることが好ましい。これにより、サーキット走行時のウエット性能を改善すると共に、ドライ路面での高速旋回時においても良好な操縦安定性を維持することができる。
第2センターラグ溝のタイヤ幅方向に対する傾斜角度は30°〜60°であることが好ましい。これにより、サーキット走行時のウエット性能を改善すると共に、ドライ路面での高速旋回時においても良好な操縦安定性を維持することができる。
トレッド部のタイヤ赤道位置よりも車両内側となる車両内側領域での溝面積比率は30%〜45%であり、トレッド部のタイヤ赤道位置よりも車両外側となる車両外側領域での溝面積比率は10%〜25%であることが好ましい。これにより、サーキット走行時のウエット性能を改善すると共に、ドライ路面での高速旋回時においても良好な操縦安定性を維持することができる。
タイヤ子午線断面において第1センター陸部、第2センター陸部及び第3センター陸部の踏面での各エッジ点を通るセンター基準円弧からなるセンタープロファイルラインに対して第1センター陸部、第2センター陸部及び第3センター陸部を膨出させ、第1センター陸部、第2センター陸部及び第3センター陸部の踏面形状をそれぞれ規定する第1円弧、第2円弧及び第3円弧の曲率半径をセンター基準円弧の曲率半径よりも小さくすることが好ましい。このように第1センター陸部、第2センター陸部及び第3センター陸部を膨出させることにより、これら第1センター陸部、第2センター陸部及び第3センター陸部の接地圧分布を適正化し、操縦安定性と耐偏摩耗性を更に改善することが可能になる。特に、第1センター陸部、第2センター陸部及び第3センター陸部のセンタープロファイルラインからの膨出量は0.1mm〜0.5mmの範囲にあることが好ましい。
また、タイヤ子午線断面において第1ショルダー陸部の踏面でのエッジ点を通ってセンター基準円弧と接する第1ショルダー基準円弧からなる第1ショルダープロファイルラインに対して第1ショルダー陸部を膨出させ、第1ショルダー陸部の踏面形状を規定する第1ショルダー円弧の曲率半径を第1ショルダー基準円弧の曲率半径よりも小さくし、タイヤ子午線断面において第2ショルダー陸部の踏面でのエッジ点を通ってセンター基準円弧と接する第2ショルダー基準円弧からなる第2ショルダープロファイルラインに対して第2ショルダー陸部を膨出させ、第2ショルダー陸部の踏面形状を規定する第2ショルダー円弧の曲率半径を第2ショルダー基準円弧の曲率半径よりも小さくことが好ましい。このように第1ショルダー陸部及び第2ショルダー陸部を膨出させることにより、これら第1ショルダー陸部及び第2ショルダー陸部の接地圧分布を適正化し、操縦安定性と耐偏摩耗性を更に改善することが可能になる。特に、第1ショルダー陸部の第1ショルダープロファイルラインからの膨出量及び第2ショルダー陸部の第2ショルダープロファイルラインからの膨出量がそれぞれ0.1mm〜0.5mmの範囲にあることが好ましい。
トレッド部のタイヤ赤道位置よりも車両内側となる車両内側領域及びトレッド部のタイヤ赤道位置よりも車両外側となる車両外側領域にはそれぞれ面取り部を設け、車両内側領域に配置される面取り部を車両外側領域に配置される面取り部よりも大きくすることが好ましい。これにより、初期のウエット性能を改善しながらドライ路面での操縦安定性を良好に維持することができる。
本発明において、各寸法はタイヤを正規リムにリム組みして正規内圧を充填した状態で測定されるものである。「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えば、JATMAであれば標準リム、TRAであれば“Design Rim”、或いはETRTOであれば“Measuring Rim”とする。「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表“TIRE ROAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”であるが、タイヤが乗用車である場合には180kPaとする。
また、本発明において、車両内側領域及び車両外側領域における溝面積比率は、トレッド部の接地領域内にて特定される溝面積比率である。この溝面積比率は各領域の陸部及び溝部を含む総面積に対する各領域内の溝部の総面積の比率(%)である。トレッド部の接地領域は、タイヤを正規リムにリム組みして正規内圧を充填した状態で平面上に垂直に置いて正規荷重を加えたときに測定されるタイヤ軸方向の接地幅に基づいて特定される。接地端は、接地領域のタイヤ軸方向の最外側位置である。「正規荷重」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表“TIRE ROAD LIMITS AT VARIOUSIOLD INFLATION PRESOURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“LOAD CAPACITY”であるが、タイヤが乗用車である場合には前記荷重の88%に相当する荷重とする。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示す子午線断面図である。 図1の空気入りタイヤのトレッドパターンを示す展開図である。 図1の空気入りタイヤにおけるトレッド部の輪郭形状を示す子午線断面図である。 従来の空気入りタイヤのトレッドパターンを示す展開図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1〜図3は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示すものである。この空気入りタイヤは、車両装着時におけるタイヤ表裏の装着方向が指定されたタイヤである。図1〜図3において、INは車両装着時の車両内側であり、OUTは車両装着時の車両外側である。このような装着方向はタイヤ外表面の任意の部位に表示される。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、該トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2,2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3,3とを備えている。
一対のビード部3,3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側へ折り返されている。ビードコア5の外周上には断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラー6が配置されている。
一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層のベルト層7が埋設されている。これらベルト層7はタイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜40°の範囲に設定されている。ベルト層7の補強コードとしては、スチールコードが好ましく使用される。ベルト層7の外周側には、高速耐久性の向上を目的として、補強コードをタイヤ周方向に対して例えば5°以下の角度で配列してなる少なくとも1層のベルトカバー層8が配置されている。ベルトカバー層8の補強コードとしては、ナイロンやアラミド等の有機繊維コードが好ましく使用される。
なお、上述したタイヤ内部構造は空気入りタイヤにおける代表的な例を示すものであるが、これに限定されるものではない。
図2に示すように、トレッド部1のタイヤ赤道位置CLよりも車両内側の領域にはタイヤ周方向に延びる第1主溝11が形成され、トレッド部1のタイヤ赤道位置CLと第1主溝11との間の領域にはタイヤ周方向に延びる第2主溝12が形成され、トレッド部1のタイヤ赤道位置CLよりも車両外側の領域にはタイヤ周方向に延びる第3主溝13が形成され、トレッド部1の第3主溝13よりも車両外側の領域にはタイヤ周方向に延びて第1主溝11、第2主溝12及び第3主溝13よりも溝幅が狭い周方向細溝14が形成されている。
これにより、第1主溝11よりも車両内側に第1ショルダー陸部21が区画され、周方向細溝14よりも車両外側に第2ショルダー陸部22が区画され、第1主溝11と第2主溝12との間に第1センター陸部31が区画され、第2主溝12と第3主溝13との間に第2センター陸部32が区画され、第3主溝13と周方向細溝14との間に第3センター陸部33が区画されている。図2において、Ein及びEoutはそれぞれ車両内側及び車両外側の接地端を示し、トレッド部1は接地幅TCWを有する接地領域を形成する。
図2に示すように、第1主溝11の溝幅GW1、第2主溝12の溝幅GW2、第3主溝13の溝幅GW3は8mm〜18mmの範囲に設定され、その溝幅GW1,GW2,GW3のうちの最小値に対する最大値の比が1.0〜1.2の範囲に設定されている。また、溝幅GW1,GW2,GW3のうちの最小値に対する周方向細溝14の溝幅GW4の比は0.2〜0.5の範囲に設定されている。第1主溝11、第2主溝12、第3主溝13及び周方向主溝14の溝深さは特に限定されるものではないが、例えば、3.0mm〜8.0mmの範囲に設定すれば良い。
更に、トレッド部1には、複数本の第1ショルダーラグ溝41、複数本の第2ショルダーラグ溝42、複数本の第1センターラグ溝51、複数本の第2センターラグ溝52、複数本の第3センターラグ溝53、複数本の第4センターラグ溝54がそれぞれタイヤ周方向に沿って間隔をおいて形成されている。第1ショルダーラグ溝41の各々は、一端が車両内側の接地端Einに到達し他端が第1主溝11に対して非連通となるように第1ショルダー陸部21内で閉止した構造を有している。第2ショルダーラグ溝42の各々は、一端が車両外側の接地端Eoutに到達し他端が周方向細溝14に対して非連通となるように第2ショルダー陸部22内で閉止した構造を有している。第1センターラグ溝51の各々は、一端が第1主溝11に連通し他端が第1センター陸部31内で閉止した構造を有している。第2センターラグ溝52の各々は、一端が第2主溝12に連通し他端が第2センター陸部32内で閉止した構造を有している。第3センターラグ溝53の各々は、第3主溝13に対して交差して一端が第2センター陸部32内で閉止し他端が第3センター陸部33内で閉止した構造を有している。第4センターラグ溝54の各々は、周方向細溝14に対して交差して一端が第3センター陸部33内で閉止し他端が第2ショルダー陸部22内で閉止した構造を有している。特に、第1ショルダーラグ溝41、第1センターラグ溝51及び第2センターラグ溝52はタイヤ幅方向に対して傾斜し、第1センターラグ溝51の傾斜方向は第1ショルダーラグ溝41に対して同一方向となっており、第2センターラグ溝52の傾斜方向も第1ショルダーラグ溝41に対して同一方向となっている。
第1ショルダーラグ溝41、第2ショルダーラグ溝42、第1センターラグ溝51、第2センターラグ溝52、第3センターラグ溝53及び第4センターラグ溝54の溝幅及び溝深さは特に限定されるものではなく、例えば、溝幅を2.0mm〜9.0mmの範囲に設定し、溝深さを3.0mm〜8.0mmの範囲に設定すれば良い。
上述した空気入りタイヤでは、トレッド部1のタイヤ赤道位置CLよりも車両内側の領域に第1主溝11を設け、トレッド部1のタイヤ赤道位置CLと第1主溝11との間の領域に第2主溝12を設け、トレッド部1のタイヤ赤道位置CLよりも車両外側の領域に第3主溝13を設け、トレッド部1の第3主溝13よりも車両外側の領域に周方向細溝14を設けると共に、トレッド部1に、一端が車両内側の接地端Einに到達し他端が第1ショルダー陸部21内で閉止した複数本の第1ショルダーラグ溝41と、一端が車両外側の接地端Eoutに到達し他端が第2ショルダー陸部22内で閉止した複数本の第2ショルダーラグ溝42と、一端が第1主溝11に連通し他端が第1センター陸部31内で閉止した複数本の第1センターラグ溝51と、一端が第2主溝12に連通し他端が第2センター陸部32内で閉止した複数本の第2センターラグ溝52とを設けたことにより、良好なウエット性能を維持しながら、トレッド部1の剛性バランスを最適化してドライ性能を改善することができる。
ここで、第1主溝11の溝幅GW1、第2主溝12の溝幅GW2、第3主溝13の溝幅GW3を8mm〜18mmとし、その溝幅GW1,GW2,GW3のうちの最小値に対する最大値の比は1.0〜1.2とすることが必要である。このように同等の溝幅GW1,GW2,GW3を有する第1主溝11、第2主溝12及び第3主溝13がトレッド部1における排水を均等に分担することにより、ウエット性能を良好に維持すると共に、トレッド部1の局部的な剛性低下を抑制してドライ性能を確保することができる。溝幅GW1,GW2,GW3が8mmよりも小さいと排水性が低下し、逆に18mmよりも大きいとコーナリング時に発生する横力により第1主溝11乃至第3主溝13の位置でトレッド部1にバックリングが発生し易くなる。溝幅GW1,GW2,GW3のうちの最小値に対する最大値の比が1.2よりも大きいとウエット性能とドライ性能を両立することが困難になる。また、溝幅GW1,GW2,GW3のうちの最小値に対する周方向細溝14の溝幅GW4の比は0.2〜0.5とすることが必要である。この比が0.2よりも小さいとウエット性能が低下し、逆に0.5よりも大きいとドライ性能が低下する。
しかも、上記空気入りタイヤでは、第1ショルダーラグ溝41、第2ショルダーラグ溝42、第1センターラグ溝51、第2センターラグ溝52、第3センターラグ溝53及び第4センターラグ溝54の端部を閉止し、それに対応する各陸部21,22,31,32,33を細分化しない構造とするので、耐偏摩耗性と騒音性能を改善することができる。また、第1センターラグ溝51及び第2センターラグ溝52の傾斜方向をいずれも第1ショルダーラグ溝41と同一方向とした配置は、ウエット性能の向上に寄与する。つまり、第1センターラグ溝51及び第2センターラグ溝52の傾斜方向を一致させることにより、車両内側領域における排水性が良好になるため、ウエット性能を効果的に改善することができる。ウエット性能の改善効果を高めるために、第1ショルダーラグ溝41、第1センターラグ溝51及び第2センターラグ溝52のタイヤ幅方向に対する傾斜角度は車両内側に向かって順次小さくすることが望ましい。上記構成によれば、ウエット路面での操縦安定性に代表されるウエット性能とドライ路面での操縦安定性に代表されるドライ性能と耐偏摩耗性と騒音性能をバランス良く改善することが可能になる。
上記空気入りタイヤにおいて、トレッド部1に第3主溝13に対して交差して一端が第2センター陸部32内で閉止し他端が第3センター陸部33内で閉止した複数本の第3センターラグ溝53を設けることにより、ドライ性能と耐偏摩耗性と騒音性能を良好に維持しながら、ウエット性能を更に改善することができる。このような第3センターラグ溝53はトレッド部1の剛性を過度に低下させることなく路面上の水を第3主溝13内に効果的に案内する役割を果たす。これら第3センターラグ溝53の各々はタイヤ周方向の一方側に向かって屈曲又は湾曲した構造を有することが好ましい。
同様に、トレッド部1に周方向細溝14に対して交差して一端が第3センター陸部33内で閉止し他端が第2ショルダー陸部22内で閉止した複数本の第4センターラグ溝54を設けることにより、ドライ性能と耐偏摩耗性と騒音性能を良好に維持しながら、ウエット性能を更に改善することができる。このような第4センターラグ溝54はトレッド部1の剛性を過度に低下させることなく路面上の水を周方向細溝14内に効果的に案内する役割を果たす。これら第4センターラグ溝54の各々はタイヤ周方向の他方側に向かって屈曲又は湾曲した構造を有することが好ましい。
上記空気入りタイヤにおいて、図2に示すように、車両内側の接地端Einから第1ショルダーラグ溝41のタイヤ赤道側の閉止端までの距離D41は第1ショルダー陸部21の接地領域内での幅W21の50%〜80%の範囲に設定され、車両外側の接地端Eoutから第2ショルダーラグ溝42のタイヤ赤道側の閉止端までの距離D421及びタイヤ幅方向外側の閉止端までの距離D422はそれぞれ第2ショルダー陸部22の接地領域内での幅W22の1%〜50%の範囲に設定され、第1主溝11から第1センターラグ溝51の閉止端までの距離D51は第1センター陸部31の幅W31の50%〜80%の範囲に設定され、第2主溝12から第2センターラグ溝52の閉止端までの距離D52は第2センター陸部32の幅W32の20%〜40%の範囲に設定され、第3主溝13から第3センターラグ溝53のタイヤ赤道側の閉止端までの距離D531は第2センター陸部32の幅W32の1%〜20%の範囲に設定され、第3主溝13から第3センターラグ溝53のタイヤ幅方向外側の閉止端までの距離D532は第3センター陸部33の幅W33の20%〜40%の範囲に設定され、周方向細溝14から第4センターラグ溝54のタイヤ赤道側の閉止端までの距離D541は第3センター陸部33の幅W33の20%〜40%の範囲に設定され、周方向細溝14から第4センターラグ溝54のタイヤ幅方向外側の閉止端までの距離D542は第2ショルダー陸部22の接地領域内での幅W22の20%〜40%の範囲に設定されている。これにより、ウエット性能とドライ性能と耐偏摩耗性と騒音性能をバランス良く改善することができる。つまり、第1ショルダーラグ溝41、第2ショルダーラグ溝42、第1センターラグ溝51、第2センターラグ溝52、第3センターラグ溝53及び第4センターラグ溝54が長過ぎるとドライ性能や耐偏摩耗性や騒音性能が悪化し、逆に短過ぎるとウエット性能が悪化することになる。
第1ショルダーラグ溝41の溝幅R41、第1センターラグ溝51の溝幅R51及び第2センターラグ溝52の溝幅R52のうち最大値となるものと最大溝幅Riとし、第2ショルダーラグ溝42の溝幅R42、第3センターラグ溝53の溝幅R53及び第4センターラグ溝54の溝幅R54のうち最大値となるものを最大溝幅Roとしたとき、最大溝幅Riは最大溝幅Roよりも大きく設定することが好ましい。これにより、サーキット走行時のウエット性能を改善すると共に、ドライ路面での高速旋回時においても良好な操縦安定性を維持することができる。また、車外通過音を低減する上でも有利である。特に、最大溝幅Riと最大溝幅Roとの比Ro/Riは0.2〜0.6の範囲、より好ましくは0.3〜0.4の範囲にあると良い。比Ro/Riが上記範囲から外れるとドライ性能とウエット性能とを同時に改善する効果が低下する。
上記空気入りタイヤにおいて、第1ショルダーラグ溝41のタイヤ幅方向に対する傾斜角度θ41は15°以下であり、第1センターラグ溝51のタイヤ幅方向に対する傾斜角度θ51は15°〜50°であり、第2センターラグ溝52のタイヤ幅方向に対する傾斜角度θ52は30°〜60°であることが好ましい。これにより、サーキット走行時のウエット性能を改善すると共に、ドライ路面での高速旋回時においても良好な操縦安定性を維持することができる。ここで、第1ショルダーラグ溝41の傾斜角度θ41が大き過ぎるとウエット性能が低下する。また、第1センターラグ溝51の傾斜角度θ51又は第2センターラグ溝52の傾斜角度θ52が小さ過ぎると騒音性能の改善効果が低下し、逆に大き過ぎるとドライ性能や耐偏摩耗性の改善効果が低下することになる。特に、第1ショルダーラグ溝41の傾斜角度θ41は3°〜8°であり、第1センターラグ溝51の傾斜角度θ51は20°〜40°であり、第2センターラグ溝52の傾斜角度θ52は40°〜50°であると良い。なお、傾斜角度θ41,θ51,θ52は第1ショルダーラグ溝41、第1センターラグ溝51及び第2センターラグ溝52の各々において両端の溝幅中心位置同士を結ぶ直線のタイヤ幅方向に対する傾斜角度である。
トレッド部1のタイヤ赤道位置CLよりも車両内側となる車両内側領域での溝面積比率は30%〜45%であり、トレッド部1のタイヤ赤道位置CLよりも車両外側となる車両外側領域での溝面積比率は10%〜25%であると良い。このように車両外側の領域での溝面積比率を相対的に小さくすることにより、コーナリング時の負荷をしっかりと受け止めることができるためドライ路面での高速旋回時においても良好な操縦安定性を維持することができる。特に、車両外側領域での溝面積比率は18%〜22%の範囲にあることが好ましい。また、車両内側の領域での溝面積比率を相対的に大きくすることにより、サーキット走行時のウエット性能を改善することができる。特に、車両内側領域での溝面積比率は36%〜42%の範囲にあることが好ましい。各領域での溝面積比率が小さ過ぎるとウエット性能の改善効果が低下し、逆に大き過ぎるとドライ性能の改善効果が低下することになる。
上記空気入りタイヤにおいて、例えば、第1ショルダー陸部21、第2ショルダー陸部22、第1センター陸部31、第2センター陸部32及び第3センター陸部33の各エッジには第1主溝11、第2主溝12、第3主溝13又は周方向細溝14に沿って面取り部を形成することが可能である。面取り部としては、平面又は曲面からなる面取り部を採用することができる。このようにトレッド部1に面取り部を設けるにあたって、トレッド部1の車両内側領域に配置される面取り部を車両外側領域に配置される面取り部よりも大きくすると良い。例えば、曲面からなる面取り部の場合、トレッド部1の車両内側領域に配置される面取り部の曲率半径を車両外側領域に配置される面取り部の曲率半径よりも大きくし、平面からなる面取り部の場合、トレッド部1の車両内側領域に配置される面取り部の溝幅方向の寸法を車両外側領域に配置される面取り部の溝幅方向の寸法よりも大きくすれば良い。これにより、初期のウエット性能を改善しながらドライ路面での操縦安定性を良好に維持することができる。
図3は本発明の空気入りタイヤにおけるトレッド部1の輪郭形状を示すものである。なお、図3はトレッド部1の特徴を理解し易くするために、その輪郭形状を誇張して描写したものであって、実際の輪郭形状とは必ずしも一致するものではない。図3において、トレッド部1は、第1センター陸部31、第2センター陸部32及び第3センター陸部33の踏面での各エッジ点P2〜P7を通るセンター基準円弧(曲率半径:Rc)からなるセンタープロファイルラインLcと、第1ショルダー陸部21の踏面でのエッジ点P1を通ってセンター基準円弧に対して接する第1ショルダー基準円弧(曲率半径:Rin)からなる第1ショルダープロファイルラインLinと、第2ショルダー陸部22の踏面でのエッジ点P8を通ってセンター基準円弧に対して接する第2ショルダー基準円弧(曲率半径:Rout)からなる第2ショルダープロファイルラインLoutを有している。第1ショルダー基準円弧とセンター基準円弧とは第1主溝11の溝幅中心位置で互いに交差することなく接続され、第2ショルダー基準円弧とセンター基準円弧とは周方向細溝14の溝幅中心位置で互いに交差することなく接続される。これらセンター基準円弧、第1ショルダー基準円弧及び第2ショルダー基準円弧はいずれもタイヤ径方向内側に中心を有する円弧である。また、トレッド部1の陸部が面取り部を有する場合、そのエッジ点はタイヤ子午線断面における溝壁面の延長線と陸部の踏面の延長線との交点により特定される。
上記空気入りタイヤにおいて、第1センター陸部31、第2センター陸部32及び第3センター陸部33はセンタープロファイルラインLcよりもタイヤ径方向外側へ膨出しており、第1センター陸部31、第2センター陸部32及び第3センター陸部33の踏面形状をそれぞれ規定する第1円弧、第2円弧及び第3円弧の曲率半径R31,R32,R33がセンター基準円弧の曲率半径Rcよりも小さくなるように設定されている。このように第1センター陸部31、第2センター陸部32及び第3センター陸部33を膨出させることにより、これら第1センター陸部31、第2センター陸部32及び第3センター陸部33の幅方向中央付近の接地圧を高めて、その接地圧分布を適正化し、操縦安定性と耐偏摩耗性を更に改善することが可能になる。特に、第1センター陸部31、第2センター陸部32及び第3センター陸部33のセンタープロファイルラインLcからの膨出量は0.1mm〜0.5mmの範囲、より好ましくは、0.2mm〜0.3mmの範囲にあると良い。この膨出量が上記範囲から外れると接地圧分布が適正化されないため、操縦安定性と耐偏摩耗性の改善効果が低下する。
また、上記空気入りタイヤにおいて、第1ショルダー陸部21は第1ショルダープロファイルラインLinよりもタイヤ径方向外側へ膨出しており、第1ショルダー陸部21の踏面形状を規定する第1ショルダー円弧の曲率半径R21が第1ショルダー基準円弧の曲率半径Linよりも小さくなるように設定され、第2ショルダー陸部22は第2ショルダープロファイルラインLoutよりもタイヤ径方向外側へ膨出しており、第2ショルダー陸部22の踏面形状を規定する第2ショルダー円弧の曲率半径R22が第2ショルダー基準円弧の曲率半径Routよりも小さくなるように設定されている。このように第1ショルダー陸部21及び第2ショルダー陸部22を膨出させることにより、これら第1ショルダー陸部21及び第2ショルダー陸部22の幅方向中央付近の接地圧を高めて、その接地圧分布を適正化し、操縦安定性と耐偏摩耗性を更に改善することが可能になる。特に、第1ショルダー陸部21の第1ショルダープロファイルラインLinからの膨出量及び第2ショルダー陸部22の第2ショルダープロファイルラインLoutからの膨出量はそれぞれ0.1mm〜0.5mmの範囲、より好ましくは、0.2mm〜0.3mmの範囲にあると良い。この膨出量が上記範囲から外れると接地圧分布が適正化されないため、操縦安定性と耐偏摩耗性の改善効果が低下する。
タイヤサイズ235/40R18 95Yで、車両に対する装着方向が指定された空気入りタイヤにおいて、図1〜図3に示すように、トレッド部のタイヤ赤道位置よりも車両内側の領域にタイヤ周方向に延びる第1主溝を設け、トレッド部のタイヤ赤道位置と第1主溝との間の領域にタイヤ周方向に延びる第2主溝を設け、トレッド部のタイヤ赤道位置よりも車両外側の領域にタイヤ周方向に延びる第3主溝を設け、トレッド部の第3主溝よりも車両外側の領域にタイヤ周方向に延びて第1主溝乃至第3主溝よりも溝幅が狭い周方向細溝を設け、トレッド部に第1ショルダー陸部、第2ショルダー陸部及び第1センター陸部乃至第3センター陸部を区画すると共に、トレッド部に第1ショルダーラグ溝、第2ショルダーラグ溝及び第1センターラグ溝乃至第4センターラグ溝を設け、第1主溝の溝幅GW1、第2主溝の溝幅GW2、第3主溝の溝幅GW3、周方向細溝の溝幅GW4、第1ショルダーラグ溝の溝幅R41と傾斜角度θ41、第2ショルダーラグ溝の溝幅R42、第1センターラグ溝の溝幅R51と傾斜角度θ51と傾斜方向(第1ショルダーラグ溝の傾斜方向に対する関係)、第2センターラグ溝の溝幅R52と傾斜角度θ52と傾斜方向(第1ショルダーラグ溝の傾斜方向に対する関係)、第3センターラグ溝の溝幅R53、第4センターラグ溝の溝幅R54、第1ショルダー陸部の膨出量、第2ショルダー陸部の膨出量、第1センター陸部の膨出量、第2センター陸部の膨出量、第3センター陸部の膨出量、車両内側領域に形成される面取り部の曲率半径、車両外側領域に形成される面取り部の曲率半径を表1のように設定した実施例1〜8のタイヤをそれぞれ製作した。
比較のため、図4に示すように、トレッド部1に3本の主溝(11,12,13)及び周方向細溝(14)を設け、トレッド部に5列の陸部(21,22,31,32,33)を区画し、トレッド部に種々のラグ溝(41,42,51,52,53)を設けた従来例1のタイヤを用意した。更に、表1に記載された構造を有する比較例1のタイヤを用意した。
これら試験タイヤについて、下記試験方法により、ドライ性能(操縦安定性、走行タイム)、ウエット性能(操縦安定性)、耐偏摩耗性、騒音性能を評価し、その結果を表1に併せて示した。各評価は、試験タイヤをリムサイズ18×8.5Jのホイールに組み付けて排気量3000ccの後輪駆動車に装着し、ウォームアップ後の空気圧を230kPaとした条件にて行った。
ドライ性能:
ドライ路面のサーキットにおいてテストドライバーによる走行試験を実施し、サーキットを7周走行したときの走行タイムを計測すると同時に、その際の操縦安定性を官能評価した。ドライ路面での操縦安定性は従来例1を5点とする10点満点で評価した。この評価点が大きいほどドライ路面での操縦安定性が優れていることを意味する。走行タイムについては、ベストタイムを求めた。走行タイムの評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど走行タイムが短いことを意味する。
ウエット性能:
ウエット路面のサーキットにおいてテストドライバーによる走行試験を実施し、その際の操縦安定性を官能評価した。ウエット路面での操縦安定性は従来例1を5点とする10点満点で評価した。この評価点が大きいほどウエット路面での操縦安定性が優れていることを意味する。
耐偏摩耗性:
ドライ路面のサーキットにおいてテストドライバーによる走行試験を実施し、50kmの連続走行後、トレッド部に生じた偏摩耗の度合いを調べた。耐偏摩耗性については、偏摩耗の度合いを10点満点(10:優、9又は8:良、7又は6:可、5以下:不良)で評価した。この評価点が大きいほど耐偏摩耗性が優れていることを意味する。
騒音性能:
ドライ路面のテストコースにおいてテストドライバーによる走行試験を実施し、80km/hで走行する際の通過音を計測した。騒音性能については、通過音の大きさを10点満点(10:優、9又は8:良、7又は6:可、5以下:不良)で評価した。この評価点が大きいほど騒音性能が優れていることを意味する。
Figure 0006375851
この表1から判るように、実施例1〜8のタイヤは、従来例1や比較例1との対比において、ウエット性能とドライ性能と耐偏摩耗性と騒音性能をバランス良く改善することができた。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
11 第1主溝
12 第2主溝
13 第3主溝
14 周方向細溝
21 第1ショルダー陸部
22 第2ショルダー陸部
31 第1センター陸部
32 第2センター陸部
33 第3センター陸部
41 第1ショルダーラグ溝
42 第2ショルダーラグ溝
51 第1センターラグ溝
52 第2センターラグ溝
53 第3センターラグ溝
54 第4センターラグ溝

Claims (13)

  1. タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、車両に対する装着方向が指定された空気入りタイヤにおいて、
    前記トレッド部のタイヤ赤道位置よりも車両内側の領域にタイヤ周方向に延びる第1主溝を設け、前記トレッド部のタイヤ赤道位置と前記第1主溝との間の領域にタイヤ周方向に延びる第2主溝を設け、前記トレッド部のタイヤ赤道位置よりも車両外側の領域にタイヤ周方向に延びる第3主溝を設け、前記トレッド部の前記第3主溝よりも車両外側の領域にタイヤ周方向に延びて前記第1主溝乃至前記第3主溝よりも溝幅が狭い周方向細溝を設け、
    前記第1主溝よりも車両内側に第1ショルダー陸部を区画し、前記周方向細溝よりも車両外側に第2ショルダー陸部を区画し、前記第1主溝と前記第2主溝との間に第1センター陸部を区画し、前記第2主溝と前記第3主溝との間に第2センター陸部を区画し、前記第3主溝と前記周方向細溝との間に第3センター陸部を区画し、
    前記トレッド部に、一端が車両内側の接地端に到達し他端が前記第1ショルダー陸部内で閉止した複数本の第1ショルダーラグ溝と、一端が車両外側の接地端に到達し他端が前記第2ショルダー陸部内で閉止した複数本の第2ショルダーラグ溝と、一端が前記第1主溝に連通し他端が第1センター陸部内で閉止した複数本の第1センターラグ溝と、一端が前記第2主溝に連通し他端が第2センター陸部内で閉止した複数本の第2センターラグ溝とを設け、
    前記第1主溝の溝幅GW1、前記第2主溝の溝幅GW2、前記第3主溝の溝幅GW3が8mm〜18mmであり、その溝幅GW1,GW2,GW3のうちの最小値に対する最大値の比が1.0〜1.2の範囲にあり、前記溝幅GW1,GW2,GW3のうちの最小値に対する前記周方向細溝の溝幅GW4の比が0.2〜0.5であり、
    前記第1ショルダーラグ溝、前記第1センターラグ溝及び前記第2センターラグ溝がタイヤ幅方向に対して傾斜し、前記第1センターラグ溝及び前記第2センターラグ溝の傾斜方向をいずれも前記第1ショルダーラグ溝と同一方向としたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記トレッド部に前記第3主溝に対して交差して一端が前記第2センター陸部内で閉止し他端が前記第3センター陸部内で閉止した複数本の第3センターラグ溝を設けたことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記トレッド部に前記周方向細溝に対して交差して一端が前記第3センター陸部内で閉止し他端が前記第2ショルダー陸部内で閉止した複数本の第4センターラグ溝を設けたことを特徴とする請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記第1ショルダーラグ溝、前記第1センターラグ溝及び前記第2センターラグ溝の溝幅のうち最大溝幅Riが前記第2ショルダーラグ溝、前記第3センターラグ溝及び前記第4センターラグ溝の溝幅のうち最大溝幅Roよりも大きいことを特徴とする請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記最大溝幅Riと前記最大溝幅Roとの比Ro/Riが0.2〜0.6の範囲にあることを特徴とする請求項4に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記第1ショルダーラグ溝のタイヤ幅方向に対する傾斜角度が15°以下であり、前記第1センターラグ溝のタイヤ幅方向に対する傾斜角度が15°〜50°であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記第2センターラグ溝のタイヤ幅方向に対する傾斜角度が30°〜60°であることを特徴とする請求項6に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記トレッド部の前記タイヤ赤道位置よりも車両内側となる車両内側領域での溝面積比率が30%〜45%であり、前記トレッド部の前記タイヤ赤道位置よりも車両外側となる車両外側領域での溝面積比率が10%〜25%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  9. タイヤ子午線断面において前記第1センター陸部、前記第2センター陸部及び前記第3センター陸部の踏面での各エッジ点を通るセンター基準円弧からなるセンタープロファイルラインに対して前記第1センター陸部、前記第2センター陸部及び前記第3センター陸部を膨出させ、前記第1センター陸部、前記第2センター陸部及び前記第3センター陸部の踏面形状をそれぞれ規定する第1円弧、第2円弧及び第3円弧の曲率半径を前記センター基準円弧の曲率半径よりも小さくしたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記第1センター陸部、前記第2センター陸部及び前記第3センター陸部の前記センタープロファイルラインからの膨出量が0.1mm〜0.5mmの範囲にあることを特徴とする請求項9に記載の空気入りタイヤ。
  11. タイヤ子午線断面において前記第1ショルダー陸部の踏面でのエッジ点を通って前記センター基準円弧と接する第1ショルダー基準円弧からなる第1ショルダープロファイルラインに対して前記第1ショルダー陸部を膨出させ、前記第1ショルダー陸部の踏面形状を規定する第1ショルダー円弧の曲率半径を前記第1ショルダー基準円弧の曲率半径よりも小さくし、タイヤ子午線断面において前記第2ショルダー陸部の踏面でのエッジ点を通って前記センター基準円弧と接する第2ショルダー基準円弧からなる第2ショルダープロファイルラインに対して前記第2ショルダー陸部を膨出させ、前記第2ショルダー陸部の踏面形状を規定する第2ショルダー円弧の曲率半径を前記第2ショルダー基準円弧の曲率半径よりも小さくしたことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記第1ショルダー陸部の前記第1ショルダープロファイルラインからの膨出量及び前記第2ショルダー陸部の前記第2ショルダープロファイルラインからの膨出量がそれぞれ0.1mm〜0.5mmの範囲にあることを特徴とする請求項11に記載の空気入りタイヤ。
  13. 前記トレッド部の前記タイヤ赤道位置よりも車両内側となる車両内側領域及び前記トレッド部の前記タイヤ赤道位置よりも車両外側となる車両外側領域にそれぞれ面取り部を設け、前記車両内側領域に配置される面取り部を前記車両外側領域に配置される面取り部よりも大きくしたことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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