JP6950369B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
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Description
等価CP = 台上CP × CP増幅率 …(1)
等価CPは、いわゆるロールステア、コンプライアンスステア等の影響を含めたコーナリングパワーであり、車両のロール特性及びサスペンション特性等をタイヤに取り込んだと仮定した場合のコーナリングパワーである。これらの特性は、CP増幅率で代表される。
装着リム:正規リム
タイヤ内圧:正規内圧
タイヤに負荷する荷重:正規荷重の70%
速度:10km/h
スリップ角:0.7度
キャンバー角:−(マイナス)1.0度
SAT ≧ 0.18×L×CF …(1)
ここで、"SAT"はセルフアライニングトルク(N・m)、"L"はトレッド部のタイヤ周方向の接地最大長(m)、"CF"は、コーナリングフォース(N)である。
図1は、本実施形態の空気入りラジアルタイヤ1(以下、単に「タイヤ」ということがある。)のタイヤ回転軸を含む横断面図である。図2は、図1のタイヤ1のトレッド部2の展開図である。図1は、図2のA−A線断面図に相当する。本実施形態のタイヤ1は、乗用車用の空気入りラジアルタイヤとして構成されている。本実施形態のタイヤ1は、静止状態において、前輪に作用する垂直荷重が後輪に作用する垂直荷重よりも大きい乗用車用として好適であり、とりわけFFの乗用車用として好適に用いられる。
装着リム:正規リム
タイヤ内圧:正規内圧
タイヤに負荷する荷重:正規荷重の70%
速度:10km/h
スリップ角:0.7度
キャンバー角:−(マイナス)1.0度
SAT ≧ 0.18×L×CF …(1)
ここで、"SAT"はセルフアライニングトルク(N・m)、"L"はトレッド部のタイヤ周方向の接地最大長(m)、"CF"は、コーナリングフォース(N)である。また、キャンバー角の"マイナス"は、タイヤの上部が車両の中心側に向くような傾きを意味する。
図5には、内側ショルダー陸部17の拡大図が示されている。図5に示されるように、内側ショルダー陸部17は、内側トレッド端Tiを含む。即ち、内側ショルダー陸部17は、内側トレッド端Tiと内側ショルダー主溝11と間に形成されている。内側ショルダー陸部17は、例えば、トレッド幅TWの0.25〜0.35倍のタイヤ軸方向の幅W4を有している。
図7には、外側ショルダー陸部16の拡大図が示されている。図7に示されるように、外側ショルダー陸部16は、外側トレッド端Toを含む。即ち、外側ショルダー陸部16は、外側トレッド端Toと外側ショルダー主溝12と間に形成されている。外側ショルダー陸部16は、例えば、トレッド幅TWの0.25〜0.35倍のタイヤ軸方向の幅W7を有している。望ましい態様として、本実施形態の外側ショルダー陸部16は、内側ショルダー陸部17(図5に示す)と同一の幅で構成されている。
図9には、ミドル陸部18の拡大図が示されている。図9に示されるように、本実施形態のミドル陸部18は、外側ミドル陸部19と内側ミドル陸部20とを含んでいる。外側ミドル陸部19は、例えば、クラウン主溝13と外側ショルダー主溝12との間に区分されている。この実施形態では、外側ミドル陸部19及び内側ミドル陸部20は、それぞれトレッド幅TWの0.10〜0.20倍のタイヤ軸方向の幅W13及びW10を有する。本実施形態では、W13=W10とされているが、W13>W10とされても良い。
内側ミドル陸部20には、例えば、複数の内側ミドルラグ溝36が設けられている。各内側ミドルラグ溝36は、内側ミドル陸部20の内側トレッド端Ti側のエッジ20Aから外側トレッド端Toに向かってのび、かつ、内側ミドル陸部20内で途切れている。これにより、内側ミドル陸部20の外側半部20oは、タイヤ周方向剛性及びタイヤ軸方向剛性に関し、内側ミドル陸部20の内側半部20iと同じかそれよりも大きく形成されている(本実施形態では、大きく形成されている。)。このように、内側ミドル陸部20単体において、剛性差を与えることにより、さらにSATを高め、ひいては旋回性能を高めることができる。
外側ミドル陸部19には、例えば、複数の外側ミドルラグ溝40が設けられている。各外側ミドルラグ溝40は、例えば、外側ミドル陸部19の内側トレッド端Ti側のエッジから外側トレッド端Toに向かってのび、かつ、外側ミドル陸部19内で途切れている。これにより、外側ミドル陸部19の外側半部19oは、タイヤ周方向剛性及びタイヤ軸方向剛性に関し、外側ミドル陸部19の内側半部19iと同じかそれよりも大きく形成されている(本実施形態では、大きく形成されている。)。このような外側ミドル陸部19は、さらに、SATを高めるのに寄与し、ひいては旋回性能を高めることができる。
図11には、本発明の他の実施形態のタイヤ1のトレッド部2の展開図が示されている。図11において、上述の実施形態と共通する要素には、同一の符号が付されており、ここでの説明は省略されている。
フラットベルト式のタイヤ試験機を使用して、下記の条件で、SAT、トレッド部のタイヤ周方向の接地最大長L及びCFが測定された。
装着リム:16×6.5JJ
タイヤ内圧:220kPa
速度:10km/h
スリップ角:0.7度
キャンバー角:−1.0度
タイヤの荷重:正規荷重の70%
排気量2000ccのFF乗用車の四輪に、テストタイヤが装着され、ドライバー1名乗車で、ドライ路面上を旋回走行させ、そのときの旋回性能が、運転者の官能により評価された。結果は、比較例1を100とする評点である。数値が大きい程、旋回操舵中に車体が速やかに公転走行状態に移行したことを示す。
テストの結果が表1に示される。
6 カーカス
7 ベルト層
10 主溝
15 周方向陸部
16 外側ショルダー陸部
17 内側ショルダー陸部
18 ミドル陸部
C タイヤ赤道
To 外側トレッド端
Ti 内側トレッド端
Claims (17)
- ラジアル構造のカーカスと、前記カーカスの外側に配された少なくとも2枚のベルトプライからなるベルト層と、車両への装着の向きが指定されたトレッドパターンが形成されたトレッド部とを含む乗用車用の空気入りラジアルタイヤであって、
前記トレッド部は、車両装着時にそれぞれ車両の外側及び車両の内側に位置する外側トレッド端及び内側トレッド端を有し、
前記トレッドパターンは、タイヤ赤道に関して、非対称形状で形成されており、
前記トレッド部は、タイヤ周方向に連続してのびる複数本の主溝によって、複数の周方向陸部に区分されており、
前記周方向陸部は、前記外側トレッド端を含む外側ショルダー陸部と、前記内側トレッド端を含む内側ショルダー陸部と、それらの間に配された2つのミドル陸部とを含み、
前記外側ショルダー陸部は、タイヤ周方向剛性及びタイヤ軸方向剛性に関し、前記内側ショルダー陸部よりも大きく、
前記外側ショルダー陸部には、前記外側トレッド端からタイヤ軸方向内側にのび、かつ、前記外側ショルダー陸部内で途切れる複数の外側ショルダーラグ溝が設けられており、
前記外側ショルダー陸部は、前記複数の外側ショルダーラグ溝のタイヤ軸方向内側の外側ショルダーリブ状部を含み、
前記内側ショルダー陸部には、前記内側トレッド端からタイヤ軸方向内側にのび、かつ、前記内側ショルダー陸部内で途切れる複数の内側ショルダーラグ溝が設けられており、
前記内側ショルダー陸部は、前記複数の内側ショルダーラグ溝のタイヤ軸方向内側の内側ショルダーリブ状部を含み、
前記外側ショルダーリブ状部のタイヤ軸方向の幅は、前記内側ショルダーリブ状部のタイヤ軸方向の幅よりも大きく、
前記2つのミドル陸部は、前記外側トレッド端側の外側ミドル陸部と、前記内側トレッド端側の内側ミドル陸部とを含み、
前記外側ミドル陸部は、前記外側トレッド端側の外側半部と、前記内側トレッド端側の内側半部とを含み、
前記外側ミドル陸部には、複数の外側ミドルラグ溝が設けられており、
前記外側ミドルラグ溝は、前記外側ミドル陸部の前記内側トレッド端側のエッジから前記外側トレッド端に向かってのび、かつ、前記外側ミドル陸部内で途切れており、
前記内側ミドル陸部は、前記外側トレッド端側の外側半部と、前記内側トレッド端側の内側半部とを含み、
前記内側ミドル陸部には、複数の内側ミドルラグ溝が設けられており、
前記内側ミドルラグ溝は、前記内側ミドルラグ溝の前記内側トレッド端側のエッジから前記外側トレッド端に向かってのび、かつ、前記内側ミドル陸部内で途切れており、
前記外側ミドル陸部は、タイヤ周方向剛性及びタイヤ軸方向剛性に関し、前記内側ミドル陸部と同じかそれよりも大きく、
前記外側ミドル陸部の前記外側半部は、タイヤ周方向剛性及びタイヤ軸方向剛性に関し、前記外側ミドル陸部の前記内側半部と同じかそれよりも大きく、
前記内側ミドル陸部の前記外側半部は、タイヤ周方向剛性及びタイヤ軸方向剛性に関し、前記内側ミドル陸部の前記内側半部と同じかそれよりも大きい、
空気入りラジアルタイヤ。 - 下記の走行条件において、下記式(1)を満足する請求項1記載の空気入りラジアルタイヤ。
装着リム:正規リム
タイヤ内圧:正規内圧
タイヤに負荷する荷重:正規荷重の70%
速度:10km/h
スリップ角:0.7度
キャンバー角:−(マイナス)1.0度
SAT ≧ 0.18×L×CF …(1)
ここで、"SAT"はセルフアライニングトルク(N・m)、"L"はトレッド部のタイヤ周方向の接地最大長(m)、"CF"は、コーナリングフォース(N)である。 - 前記外側ショルダー陸部は、タイヤ周方向剛性に関し、前記内側ショルダー陸部の1.05〜1.40倍の剛性比σ1を有する請求項1又は2記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記外側ショルダー陸部は、タイヤ軸方向剛性に関し、前記内側ショルダー陸部の1.05〜1.40倍の剛性比σ2を有する請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記外側ミドル陸部は、タイヤ周方向剛性に関し、前記内側ミドル陸部の1.05〜1.40倍の剛性比σ3を有する請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記外側ミドル陸部19は、タイヤ軸方向剛性に関し、前記内側ミドル陸部の1.05〜1.40倍の剛性比σ4を有する請求項1乃至5のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
- タイヤ周方向で隣接する前記内側ミドルラグ溝間には、タイヤ周方向長さMbiの内側ミドルブロック片が区分され、
タイヤ周方向で隣接する前記外側ミドルラグ溝間には、タイヤ周方向長さMboの外側ミドルブロック片が区分され、
前記タイヤ周方向長さの比Mbi/Mboが、0.7〜0.9である請求項1乃至6のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。 - 前記内側ミドルラグ溝及び前記外側ミドルラグ溝は、タイヤ軸方向に対して0〜10度の角度でのびている請求項1乃至7のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記外側ミドル陸部には、タイヤ周方向で隣接する外側ミドルラグ溝間に、前記外側ミドル陸部をタイヤ軸方向に貫通する外側ミドルサイプが設けられており、
前記内側ミドル陸部には、タイヤ周方向で隣接する内側ミドルラグ溝間に、前記内側ミドル陸部をタイヤ軸方向に貫通する内側ミドルサイプが設けられている請求項1乃至8のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。 - 前記各外側ミドルラグ溝のタイヤ軸方向の長さは、前記内側ミドルラグ溝のタイヤ軸方向の長さの0.70〜0.80倍である請求項1乃至9のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記外側ミドルラグ溝の本数は、前記内側ミドルラグ溝の本数の0.5〜0.7倍の範囲である請求項1乃至10いずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記外側ショルダーリブ状部の前記幅は、前記内側ショルダーリブ状部の前記幅の1.10〜1.20倍である請求項1乃至11のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記外側ショルダーラグ溝の本数が55〜75の範囲であり、
前記内側ショルダーラグ溝の本数が、前記外側ショルダーラグ溝の前記本数の1.1倍以上である請求項1乃至12のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。 - タイヤ周方向で隣り合う前記内側ショルダーラグ溝間には、タイヤ周方向長さSbiの内側ショルダーブロック片が区分され、
前記外側ショルダーラグ溝間には、タイヤ周方向長さSboの外側ショルダーブロック片が区分され、
前記タイヤ周方向長さの比Sbi/Sboが、0.6〜0.9である請求項1乃至13のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。 - 前記外側ショルダーラグ溝のタイヤ軸方向に対する角度は、前記内側ショルダーラグ溝のタイヤ軸方向に対する角度よりも小さい請求項1乃至14のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記内側ショルダーラグ溝の前記角度が10〜30度である請求項15記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記外側ショルダー陸部のランド比は、前記内側ショルダー陸部のランド比の1.05〜1.10倍である請求項1乃至16のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
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