JP6950367B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、乗用車用の空気入りラジアルタイヤに関し、詳しくは、四輪自動車の旋回性能を向上させるのに役立つ空気入りラジアルタイヤに関する。
図13には、前輪に操舵機構を有する一般的な四輪自動車の旋回動作の時系列的な変化を示す。先ず、状態Aのように、直進走行中にドライバーによってハンドルが操作されると、前輪のタイヤbにスリップ角が与えられ、前輪のタイヤbがコーナリングフォースを発生する(状態B)。ここで、「スリップ角」は、車体cの進行方向とタイヤbとのなす角度である。また、「コーナリングフォース」は、四輪自動車aが旋回する時にタイヤbの接地面に発生する摩擦力のうち、進行方向に対して横向きに作用する力の成分であり、特にスリップ角が1度のときのコーナリングフォースをコーナリングパワーと呼ぶ場合がある。
前輪のタイヤbで生じたコーナリングフォースは、ヨーを伴った車体cの旋回運動をもたらす。この旋回運動は、後輪のタイヤbにスリップ角を与えるので、後輪のタイヤbもコーナリングフォースを発生する(状態C)。そして、車両の重心点CG回りに関し、前輪タイヤbのコーナリングフォースに基づくモーメントと、後輪タイヤbのコーナリングフォースに基づくモーメントとが実質的に釣り合った場合(状態D)、車体cは、ヨー加速度がほぼゼロで斜めに移動する定常状態(以下、このような走行状態を「公転走行状態」と呼ぶ場合がある)となる。
発明者らは、四輪自動車の旋回性能の向上のためには、旋回操舵後に、車体をできるだけ早く公転走行状態へと移行させることが重要であるとの認識の下で、タイヤに関して、種々の研究を重ねた。
一般に、タイヤが車両に装着された状態において、タイヤが発生するコーナリングパワーは、等価コーナリングパワー(以下、「等価CP」)と呼ばれる。この等価CPは、台上試験等で計測されたタイヤ単体のコーナリングパワー(以下、「台上CP」という。)と、下記の式(1)の関係がある。
等価CP = 台上CP × CP増幅率 …(1)
等価CPは、いわゆるロールステア、コンプライアンスステア等の影響を含めたコーナリングパワーであり、車両のロール特性及びサスペンション特性等をタイヤに取り込んだと仮定した場合のコーナリングパワーである。これらの特性は、CP増幅率で代表される。
図13は、一般的な空気入りラジアルタイヤの台上CPとそれに作用する荷重との関係を示すグラフである。通常、台上CPは、荷重の増加とともに増加してピークを迎えた後、徐々に減少することがわかる。また、このグラフには、旋回中のFFの四輪自動車に装着されたタイヤの大凡の荷重域も示されている。先ず、FFの四輪自動車では、前輪タイヤは、後輪タイヤよりも大きな荷重が作用する傾向がある(Fr荷重>Rr荷重)。また、前輪及び後輪それぞれにおいて、旋回外側のタイヤには、旋回内側のタイヤよりも大きな荷重が作用する傾向がある。そのため、前輪側のタイヤと後輪側のタイヤとの間には、旋回時に生じる平均的な台上CPの値Ff及びFrに関し、比較的大きな差が生じる。
各タイヤへの上述の荷重分布を前提とした場合、車両の旋回動作中に、できるだけ早く公転走行状態に移行させて旋回性能を向上させるためには、前輪のタイヤの等価CPを相対的に下げる一方、後輪のタイヤの等価CPを相対的に高めること、即ち、両者の等価CPを近づけるか、又は、これらが早期に近づくように改善することが有効と考えられる。
発明者らは、前輪のタイヤの等価CPを相対的に下げるために、これまであまり着目されていなかったセルフアライニングトルク(以下、単に「SAT」ということがある。)に着目した。
ここで、SATについて、簡単に述べる。図15には、進行方向Yに対してスリップ角αで旋回中のタイヤbの接地面を、路面側から見た図が示されている。図15に示されるように、接地面Pのトレッドゴムは弾性変形し、横方向のCFが発生する。CFの作用点G(ハッチングされた接地面の図心に相当)が、タイヤの接地中心点Pcよりも後方にある場合、タイヤには、その接地中心点Pcの回りに、スリップ角αを小さくする方向のモーメントであるSATが働く。つまり、SATは、タイヤの接地中心点Pcの回りにスリップ角を小さくする方向に働く。なお、接地中心点PcとCFの作用点Gとの進行方向Yに沿った距離NTは、ニューマチックトレールと定義される。
また、発明者らの種々の実験の結果、上記式(1)のCP増幅率は、SATの逆数にほぼ比例することが判明している。このため、SATの大きいタイヤは、結果的に、等価CPを相対的に下げることになる。
一方、後輪は、操舵機構がなく、SATの影響がないので、タイヤとして、台上CPそのものを高めることで、その等価CPを高めることができる。
以上から明らかなように、四輪自動車、とりわけ前輪により多くの荷重が作用するFFの四輪自動車おいて、旋回走行中に、速やかに公転走行状態に移行させるために、タイヤには、大きなSATを発生させる特性が求められる。
発明者らは、SATとタイヤのトレッドパターンとの関係に関して、さらに研究したところ、タイヤのトレッド部の中でSATへの寄与が最も大きいのはショルダー部であることが判明した。そして、発明者らは、旋回時に車両の外側に位置する外側ショルダー陸部及び旋回時に車両の内側に位置する内側ショルダー陸部にそれぞれ形成されたラグ溝の構成を改善すると、大きなSATを発生させ得るとの知見を得た。
特開2012−017001号公報 特開2009−162482号公報
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、四輪自動車の旋回性能を向上させるのに役立つ空気入りラジアルタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明は、ラジアル構造のカーカスと、前記カーカスの外側に配された少なくとも2枚のベルトプライからなるベルト層と、車両への装着の向きが指定されたトレッドパターンが形成されたトレッド部とを含む乗用車用の空気入りラジアルタイヤであって、
前記トレッド部は、車両装着時にそれぞれ車両の外側及び車両の内側に位置する外側トレッド端及び内側トレッド端を有し、
前記トレッドパターンは、タイヤ赤道に関して、非対称形状で形成されており、
前記トレッド部は、タイヤ周方向に連続してのびる3本の主溝によって、4つの周方向陸部に区分されており、
前記周方向陸部は、前記外側トレッド端を含む外側ショルダー陸部と、前記内側トレッド端を含む内側ショルダー陸部と、それらの間に配された少なくとも一つのミドル陸部とを含み、
前記外側ショルダー陸部には、前記外側トレッド端からタイヤ軸方向内側にのび、かつ、前記外側ショルダー陸部内で途切れる複数の外側ショルダーラグ溝が設けられており、
前記内側ショルダー陸部には、前記内側トレッド端からタイヤ軸方向内側にのび、かつ、前記内側ショルダー陸部内で途切れる複数の内側ショルダーラグ溝が設けられており、
前記内側ショルダーラグ溝の本数が、前記外側ショルダーラグ溝の前記本数の1.1倍以上であり、
前記外側ショルダーラグ溝のタイヤ軸方向に対する角度は、前記内側ショルダーラグ溝のタイヤ軸方向に対する角度よりも小さい、
空気入りラジアルタイヤである。
本発明の他の態様では、前記内側ショルダーラグ溝の本数は、前記外側ショルダーラグ溝の本数の2.0倍以下とされても良い。
本発明の他の態様では、前記内側ショルダーラグ溝のタイヤ軸方向に対する角度が30〜60度であっても良い。
本発明の他の態様では、前記外側ショルダーラグ溝のタイヤ軸方向に対する角度が15度以下とされても良い。
本発明の他の態様では、前記外側ショルダーラグ溝のタイヤ軸方向に対する角度と、前記内側ショルダーラグ溝のタイヤ軸方向に対する角度との和が30〜60度であっても良い。
本発明の他の態様では、前記外側ショルダーラグ溝のタイヤ軸方向の長さは、前記外側ショルダー陸部のタイヤ軸方向の最大接地幅の0.5〜0.9倍であっても良い。
本発明の他の態様では、前記内側ショルダーラグ溝のタイヤ軸方向の長さは、前記内側ショルダー陸部のタイヤ軸方向の最大接地幅の0.5〜0.9倍であっても良い。
本発明の他の態様では、前記外側ショルダーラグ溝の本数が55〜75の範囲であっても良い。
本発明の他の態様では、前記外側ショルダー陸部は、タイヤ周方向剛性及びタイヤ軸方向剛性に関し、前記内側ショルダー陸部よりも大きくても良い。
本発明の他の態様では、下記の走行条件において、下記式(1)を満足することができる。
装着リム:正規リム
タイヤ内圧:正規内圧
タイヤに負荷する荷重:正規荷重の70%
速度:10km/h
スリップ角:0.7度
キャンバー角:−(マイナス)1.0度
SAT ≧ 0.18×L×CF …(1)
ここで、"SAT"はセルフアライニングトルク(N・m)、"L"はトレッド部のタイヤ周方向の接地最大長(m)、"CF"は、コーナリングフォース(N)である。
本発明の空気入りラジアルタイヤは、上記のように、外側ショルダーラグ溝及び内側ショルダーラグ溝の構成を改善したことにより、外側ショルダー陸部は、タイヤ周方向剛性及びタイヤ軸方向剛性に関し、内側ショルダー陸部よりも大きく構成され、ひいては、SATを高めることができる。従って、本発明の空気入りラジアルタイヤを四輪に装着した四輪自動車は、旋回走行中、速やかに公転走行状態に移行させて優れた旋回性能を提供することができる。
本発明の空気入りラジアルタイヤの一実施形態の横断面図である。 図1のタイヤのトレッド部の展開図である。 車両が左旋回しているときの前輪タイヤに作用するSATを示す説明図である。 (a)及び(b)は、陸部の剛性の測定方法の説明図である。 図2の内側ショルダー陸部の拡大図である。 図5のB−B線断面図である。 図2の外側ショルダー陸部の拡大図である。 図7のC−C線断面図である。 図2のミドル陸部の拡大図である。 (a)は、図9のD−D線断面図であり、(b)は、図9のE−E線断面図である。 本発明の他の実施形態の空気入りラジアルタイヤのトレッド部の展開図である。 本発明の他の実施形態の空気入りラジアルタイヤのトレッド部の展開図である。 四輪乗用車の旋回動作を示す説明図である。 一般的な空気入りラジアルタイヤの台上CPとそれに作用する荷重との関係を示すグラフである。 車両の旋回時の前輪のタイヤの接地面を示す説明図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態の空気入りラジアルタイヤ1(以下、単に「タイヤ」ということがある。)のタイヤ回転軸を含む横断面図である。図2は、図1のタイヤ1のトレッド部2の展開図である。図1は、図2のA−A線断面図に相当する。本実施形態のタイヤ1は、乗用車用の空気入りラジアルタイヤとして構成されている。本実施形態のタイヤ1は、静止状態において、前輪に作用する垂直荷重が後輪に作用する垂直荷重よりも大きい乗用車用として好適であり、とりわけFFの乗用車用として好適に用いられる。
図1に示されるように、本実施形態のタイヤ1は、ラジアル構造のカーカス6及びベルト層7を具えている。
カーカス6は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至る。カーカス6は、例えば、1枚のカーカスプライ6Aで形成されている。カーカスプライ6Aは、例えば、タイヤ周方向に対して75〜90度の角度で傾けて配列された有機繊維からなるカーカスコードで構成されている。
ベルト層7は、少なくとも2枚のベルトプライ7A、7Bで構成されている。ベルトプライ7A、7Bは、例えば、タイヤ周方向に対して10〜45度の角度で配列されたスチールコードで構成されている。ベルトプライ7Aは、例えば、隣り合うベルトプライ7Bのスチールコードと逆向きに傾斜するスチールコードで構成されている。ベルト層7の外側に、バンド層等のさらなる補強層が配されても良い。
図2に示されるように、トレッド部2には、車両への装着の向きが指定されたトレッドパターンが形成されている。トレッド部2のトレッドパターンは、タイヤ赤道Cに関して、非対称形状で形成されている。タイヤ1の車両への装着の向きは、例えば、サイドウォール部3等に、文字又は記号で表示される。
トレッド部2は、外側トレッド端To及び内側トレッド端Tiを有している。外側トレッド端Toは、車両装着時に車両の外側(図2では右側)に位置する。内側トレッド端Tiは、車両装着時に車両の内側(図2では左側)に位置する。
各トレッド端To、Tiは、正規状態のタイヤ1に正規荷重が負荷されキャンバー角0°で平面に接地したときの最もタイヤ軸方向外側の接地位置である。正規状態とは、タイヤが正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填され、しかも、無負荷の状態である。本明細書において、特に断りがない場合、タイヤ各部の寸法等は、前記正規状態で測定された値である。正規状態において、外側トレッド端Toと内側トレッド端Tiとの間のタイヤ軸方向の距離は、トレッド幅TWと定義される。
「正規リム」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、JATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim" である。
「正規内圧」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。
「正規荷重」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば "最大負荷能力" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" である。
本実施形態のトレッド部2には、タイヤ周方向に連続してのびる3本の主溝10によって、4つの周方向陸部に区分されている。主溝10として、内側ショルダー主溝11、外側ショルダー主溝12、及び、クラウン主溝13が含まれる。
内側ショルダー主溝11は、例えば、複数本の主溝10の内、最も内側トレッド端Ti側に設けられている。内側ショルダー主溝11は、タイヤ赤道Cよりも内側トレッド端Ti側に設けられている。
外側ショルダー主溝12は、例えば、複数本の主溝10の内、最も外側トレッド端To側に設けられている。外側ショルダー主溝12は、タイヤ赤道Cよりも外側トレッド端To側に設けられている。
クラウン主溝13は、内側ショルダー主溝11と外側ショルダー主溝12との間に設けられている。クラウン主溝13は、例えば、タイヤ赤道C上に1本設けられている。他の態様では、クラウン主溝13は、例えば、タイヤ赤道Cからタイヤ軸方向にずれた位置に設けられても良い。
本実施形態において、主溝10は、例えば、タイヤ周方向に沿って直線状にのびている。他の態様では、主溝10は、例えば、波状やジグザグ状にのびても良い。主溝の溝幅(内側ショルダー主溝11の溝幅W1、外側ショルダー主溝12の溝幅W2、及び、クラウン主溝13の溝幅W3)は、慣例に従って任意に定めることができる。トレッド部2のパターン剛性を維持しながら十分な排水性能を提供するために、前記各溝幅W1、W2及びW3は、例えば、トレッド幅TWの2.5%〜5.0%程度が望ましい。各主溝11乃至13の溝深さは、乗用車用ラジアルタイヤの場合、例えば、5〜10mm程度であるのが望ましい。
本実施形態のトレッド部2には、周方向陸部として、外側ショルダー陸部16と、内側ショルダー陸部17と、それらの間に配されたミドル陸部19,20とが含まれている。
本実施形態では、外側ショルダー陸部16及び内側ショルダー陸部17に、外側ショルダーラグ溝28及び内側ショルダーラグ溝21がそれぞれ設けられる。そして、これらのラグ溝28及び21について、本数及びタイヤ軸方向に対する角度をそれぞれ異ならせている。具体的には、内側ショルダーラグ溝21の本数が、外側ショルダーラグ溝28の前記本数の1.1倍以上とされている。また、外側ショルダーラグ溝28のタイヤ軸方向に対する角度は、内側ショルダーラグ溝21のタイヤ軸方向に対する角度よりも小さく構成されている。
外側ショルダーラグ溝28及び内側ショルダーラグ溝21を上記のように構成することにより、本実施形態のタイヤ1は、外側ショルダー陸部16が、タイヤ周方向(前後)剛性及びタイヤ軸方向(横)剛性に関し、内側ショルダー陸部17よりも大きくなる。
上述の通り、四輪自動車の旋回走行中、できるだけ早く車両を公転走行状態に移行させることで旋回性能を向上させるためには、大きなSATを発生させるのが有効である。発明者らは、タイヤの旋回中の接地面の圧力分布を詳細に分析したところ、トレッド部の外側ショルダー陸部16及び内側ショルダー陸部17のタイヤ周方向剛性及びタイヤ軸方向剛性は、SATへの寄与が最も大きいことを突き止めた。以下、この点について、図3に示されるように、車両が左旋回している場合を例に挙げて説明する。
進行方向に対してスリップ角がついた前輪タイヤは、路面とトレッド面との摩擦によって、反時計回りに周方向陸部が変形する。スリップ角がほぼ一定となったとき、変形した各周方向陸部は、元に戻ろうとし、図中の矢印にように、時計回りに反力、即ちSATを発生する。このSAT、即ち、トレッド部の接地中心点Pcの周りの時計方向のトルクを高めるためには、SATへの寄与が高い旋回外側のタイヤ(右側のタイヤ)の外側ショルダー陸部16の接地域の後方領域X1で大きな駆動方向の力を発生させることが有効である。このような力を発生させるためには、外側ショルダー陸部16のタイヤ周方向剛性を高めることが重要となる。
他方、内側ショルダー陸部17については、SATを高めるためには、SATへの寄与が高い旋回外側のタイヤ(右側のタイヤ)の内側ショルダー陸部17の接地域の前方領域X2で大きな制動方向の力を発生させることが有効である。このような制動方向の力を発生させるためには、内側ショルダー陸部16は、外側ショルダー陸部17とは逆に、タイヤ周方向剛性を低下させ、路面に対して柔軟に追従する接地性を向上させることが有効である。
従って、本発明のように、外側ショルダー陸部16が、タイヤ周方向剛性に関し、内側ショルダー陸部17よりも大きく構成されているタイヤ1は、SATを効果的に高めることができる。従って、本発明のタイヤ1を四輪に装着した四輪自動車は、旋回走行中、速やかに公転走行状態に移行し、優れた旋回性能を提供することができる。
また、空気入りラジアルタイヤは、ショルダー陸部において、タイヤ軸方向外側に向かって外径が徐々に小さくなる。このため、前輪の旋回外側のタイヤにおいて、外側ショルダー陸部16は、タイヤのコーナリングフォースとは逆向きの力であるキャンバースラストを発生させる。内側ショルダー陸部17は、タイヤのコーナリングフォースと同じ向きのキャンバースラストを発生させる。外側ショルダー陸部16は、タイヤ軸方向剛性に関して、内側ショルダー陸部17よりも大きく構成されているため、内側ショルダー陸部17よりも大きなキャンバースラストを発生させる。従って、外側ショルダー陸部16が発生するキャンバースラストは、前輪のタイヤのコーナリングフォースを減じるのに役立ち、ひいては旋回中の車両をさらに速やかに公転走行状態に移行させることができる。
なお、内側ショルダーラグ溝21の本数が、外側ショルダーラグ溝28の前記本数の1.1倍未満の場合、又は、外側ショルダーラグ溝28のタイヤ軸方向に対する角度が、内側ショルダーラグ溝21のタイヤ軸方向に対する角度以上の場合、いすれも、内側ショルダー陸部17に対して、外側ショルダー陸部16のタイヤ周方向(前後)剛性及びタイヤ軸方向(横)剛性を充分に向上させることができない傾向がある。
以下、より好ましいトレッドパターンが詳細に説明されるが、本発明は、このようなトレッドパターンに限定して解釈されるものではない点が指摘される。
[内側ショルダー陸部の構成]
図5には、内側ショルダー陸部17の拡大図が示されている。図5に示されるように、内側ショルダー陸部17は、内側トレッド端Tiと内側ショルダー主溝11と間に形成されている。内側ショルダー陸部17は、例えば、トレッド幅TWの0.25〜0.35倍のタイヤ軸方向の幅(接地面での幅であり、陸部の幅については、以下も同様とする。)W4を有している。
内側ショルダー陸部17には、上述の内側ショルダーラグ溝21が複数本設けられている。各内側ショルダーラグ溝21は、内側トレッド端Tiからタイヤ軸方向内側にのび、かつ、内側ショルダー陸部17の内部で途切れている。
上述の通り、内側ショルダーラグ溝21の本数(合計本数)は、外側ショルダーラグ溝28の本数(合計本数)の1.1倍以上、より好ましくは1.2倍、さらに好ましくは1.3倍になるように設定される。一方、内側ショルダーラグ溝21の本数が、外側ショルダーラグ溝28の本数に比して著しく多くなると、操縦安定性や耐偏摩耗性能といったタイヤに要求される基本性能が悪化するおそれがある。このような観点から、内側ショルダーラグ溝21の本数は、外側ショルダーラグ溝28の本数の2.0倍以下であるのが望ましい。
内側ショルダーラグ溝21は、内側ショルダー陸部17の剛性を相対的に低下させるために、タイヤ軸方向に対して傾斜している必要がある。好ましい態様では、内側ショルダーラグ溝21は、例えば、タイヤ軸方向に対して30〜60度の角度θ1で傾斜している。本実施形態の内側ショルダーラグ溝21は、例えば、タイヤ軸方向に対して一定の角度で傾斜するように直線状にのびている。
内側ショルダーラグ溝21のタイヤ軸方向の長さL1は、例えば、内側ショルダー陸部17のタイヤ軸方向の幅W4の0.5〜0.9倍であるのが望ましい。内側ショルダーラグ溝21の溝幅W5は、例えば、内側ショルダー主溝11の溝幅W1の0.30〜0.45倍であるのが望ましい。本実施形態では、溝幅W5が一定とされているが、変化しても良い。内側ショルダーラグ溝21の長さL1及び溝幅W5を規定した場合、内側ショルダー陸部17のタイヤ周方向剛性及びタイヤ軸方向剛性を、さらに好ましい範囲で低下させながら、良好なウェット性能を提供することができる。
図6には、図5のB−B線断面図が示されている。図6に示されるように、内側ショルダーラグ溝21は、例えば、内側トレッド端Tiと内側ショルダー主溝11との間の領域において、内側ショルダー主溝11側に向かって溝深さが漸減している。上述のように、内側ショルダー陸部17の剛性を下げるべく多くの内側ショルダーラグ溝21を配置した場合、走行中のポンピングノイズが大きくなる傾向がある。しかし、本実施形態のように、内側ショルダーラグ溝21のタイヤ軸方向の内端側の溝容積を大幅に減少させることにより、そのようなポンピングノイズの音圧を低下させることができる。特に好ましい態様では、内側ショルダーラグ溝21の内端側での深さd1は、内側ショルダーラグ溝21の内側トレッド端Tiでの深さd2の40%〜60%であるのが望ましい。なお、内端側の深さd2は、内側ショルダーラグ溝21の内端から、そのタイヤ軸方向の長さL1の25%の長さL5をタイヤ軸方向の外側に隔てた位置で測定されるものとする。
図5に示されるように、内側ショルダー陸部17のタイヤ周方向剛性及びタイヤ軸方向剛性を、好ましい範囲に低下させるために、内側ショルダーラグ溝21の本数N1は、例えば、65〜85の範囲であるのが望ましい。
内側ショルダー陸部17は、内側ショルダー主溝11と各内側ショルダーラグ溝21との間の内側ショルダーリブ状部25と、タイヤ周方向で隣り合う内側ショルダーラグ溝間に区分された内側ショルダーブロック片26とを含んでいる。
内側ショルダーリブ状部25は、例えば、溝が設けられておらず、タイヤ周方向に陸部が連続してのびている。このような内側ショルダーリブ状部25は、内側ショルダー陸部17のタイヤ軸方向内側領域でのタイヤ周方向剛性を高め、ひいては大きな等価CPを得るのに役立つ。内側ショルダーリブ状部25のタイヤ軸方向の幅W6は、例えば、内側ショルダー陸部17の幅W4の0.15〜0.30倍であるのが望ましい。
内側ショルダーブロック片26は、タイヤ周方向長さSbiを有している。本実施形態の内側ショルダーブロック片26のタイヤ周方向長さSbiは、例えば、内側ショルダー陸部17のタイヤ1周長さの0.9%〜1.2%であるのが望ましい。より望ましい態様では、内側ショルダーブロック片26は、一定のタイヤ周方向長さSbiでタイヤ軸方向に斜めにのびている。
内側ショルダー陸部17は、例えば、75〜85%のランド比を有しているのが望ましい。本明細書において、「ランド比」とは、対象となる陸部に設けられた溝を全て埋めた仮想接地面の全面積Saに対する、実際の陸部の合計接地面積Sbの比Sb/Saとして定義される。
[外側ショルダー陸部の構成]
図7には、外側ショルダー陸部16の拡大図が示されている。図7に示されるように、外側ショルダー陸部16は、外側トレッド端Toと外側ショルダー主溝12と間に形成されている。外側ショルダー陸部16は、例えば、トレッド幅TWの0.25〜0.35倍のタイヤ軸方向の幅W7を有している。望ましい態様として、本実施形態の外側ショルダー陸部16は、内側ショルダー陸部17(図5に示す)と同一の幅で構成されている。
外側ショルダー陸部16には、上述の外側ショルダーラグ溝28が複数本設けられている。各外側ショルダーラグ溝28は、外側トレッド端Toからタイヤ軸方向内側にのび、かつ、外側ショルダー陸部16内で途切れている。本実施形態では、各外側ショルダーラグ溝28が同一の形状を有しているが、このような態様に限定されるものではない。
上述のように、外側ショルダーラグ溝28の本数(合計本数)は、内側ショルダーラグ溝21の本数(合計本数)と関連付けられており、それよりも少なく設定されている。このように、内側ショルダーラグ溝21及び外側ショルダーラグ溝28の本数に差を設けることにより、外側ショルダー陸部16のタイヤ周方向剛性及びタイヤ軸方向剛性を、内側ショルダー陸部17に比して相対的に高めることができる。好ましい態様では、外側ショルダーラグ溝28の本数N2は、55〜75の範囲で設定される。
また、外側ショルダーラグ溝28のタイヤ軸方向に対する角度θ2(図示省略)は、内側ショルダーラグ溝21(図5に示され、以下、同様である。)のタイヤ軸方向に対する角度θ1よりも小さく構成されている。前記角度θ2は、例えば、15度以下が望ましく、さらには0〜10度が望ましい。本実施形態では、外側ショルダーラグ溝28がタイヤ軸方向に沿って直線状にのびており、角度θ2=0度である。特に好ましい態様では、外側ショルダーラグ溝28のタイヤ軸方向に対する角度θ2と、内側ショルダーラグ溝21のタイヤ軸方向に対する角度θ2との和(これは、絶対値の和である)が30〜60度であるのが望ましい。外側ショルダーラグ溝28をこのように構成することで、外側ショルダー陸部16のタイヤ軸方向剛性は、内側ショルダー陸部17よりも効果的に大きくなり、これは、SATを大きくするのに役立つ。
外側ショルダーラグ溝28のタイヤ軸方向の長さL2は、外側ショルダー陸部16のタイヤ軸方向の幅W7の0.5〜0.9倍とされるのが望ましい。他の態様では、外側ショルダーラグ溝28のタイヤ軸方向の長さL2は、内側ショルダーラグ溝21のタイヤ軸方向の長さL1よりも小さくても良い。例えば、外側ショルダーラグ溝28の前記長さL2は、内側ショルダーラグ溝21の前記長さL1の0.90〜0.98倍であるのが望ましい。このような外側ショルダーラグ溝28は、外側ショルダー陸部16のタイヤ周方向の剛性も相対的に高め、ひいてはSATを高めることができる。
外側ショルダーラグ溝28は、例えば、内側ショルダーラグ溝21の溝幅W5と同一か、それよりも小さい溝幅W8を有しているのが望ましい。具体的には、外側ショルダーラグ溝28の溝幅W8は、内側ショルダーラグ溝21の溝幅W5の0.80〜1.0倍程度であるのが望ましい。本実施形態では、溝幅W8は、一定とされているが、変化しても良い。
図8には、図7のC−C線断面図が示されている。図8に示されるように、外側ショルダーラグ溝28は、例えば、外側トレッド端Toからタイヤ軸方向内側に向かって溝深さが漸減している。このような外側ショルダーラグ溝28は、先に説明したように、走行中のポンピングノイズを低減させるのに役立つ。上述の効果をさらに高めるために、外側ショルダーラグ溝28の内端側での深さd3は、外側ショルダーラグ溝28の外側トレッド端Toでの深さd4の40%〜60%とされ、溝容積を大きく変化(減少)させることが望ましい。なお、内端側の深さd3は、外側ショルダーラグ溝28の内端から、そのタイヤ軸方向の長さL2の25%の長さをタイヤ軸方向の外側に隔てた位置で測定されるものとする。
図7に示されるように、外側ショルダー陸部16は、例えば、外側ショルダー主溝12と各外側ショルダーラグ溝28との間の外側ショルダーリブ状部33と、タイヤ周方向で隣り合う外側ショルダーラグ溝28、28間に区分された外側ショルダーブロック片34とを含んでいる。
外側ショルダーリブ状部33は、例えば、溝が設けられておらず、陸部がタイヤ周方向に連続してのびている。このような外側ショルダーリブ状部33は、外側ショルダー陸部16のタイヤ周方向剛性を効果的に高めることができる。
外側ショルダーリブ状部33は、例えば、内側ショルダーリブ状部25よりも大きいタイヤ軸方向の幅W9を有しているのが望ましい。外側ショルダーリブ状部33の前記幅W9は、例えば、内側ショルダーリブ状部25の幅W6の1.10〜1.20倍であるのが望ましい。これにより、外側ショルダー陸部16が内側ショルダー陸部17よりも相対的に高い剛性を有し、ひいては高いSATを発生させることができる。
外側ショルダーブロック片34は、タイヤ周方向長さSboを有している。本実施形態では、外側ショルダーブロック片34のタイヤ周方向長さSboは、内側ショルダーブロック片26のタイヤ周方向長さSbiよりも大きく形成されている。好ましい態様では、内側ショルダーブロック片26と外側ショルダーブロック片34とのタイヤ周方向長さの比Sbi/Sboは、例えば、0.6〜0.9の範囲とされる。これにより、高いSATが得られ、ひいては優れた旋回性能が得られる。
同様の観点から、外側ショルダー陸部16は、例えば、内側ショルダー陸部17よりも大きいランド比を有するのが望ましい。外側ショルダー陸部16のランド比は、例えば、内側ショルダー陸部17のランド比の1.05〜1.10倍の範囲にあるのが望ましい。
好ましい態様では、SATをより大きく発生させながら偏摩耗の発生を防止するために、タイヤ周方向剛性に関し、外側ショルダー陸部16は、内側ショルダー陸部17の1.05〜1.40倍の剛性比σ1を有するのが望ましい。同様に、タイヤ軸方向剛性に関し、外側ショルダー陸部16は、内側ショルダー陸部17の1.05〜1.40倍の剛性比σ2を有するのが望ましい。
各陸部16、17のタイヤ周方向剛性及びタイヤ軸方向剛性は、それぞれの方向に単位変形量を生じさせるのに必要な力で示される。具体的な測定方法としては、以下のものが挙げられる。図4(a)には、陸部の例として、内側ショルダー陸部17を示す。図4(a)に示されるように、タイヤ1から測定対象の内側ショルダー陸部17が2ピッチ以上のタイヤ周方向長さで切り出される。この際、主溝10の溝底10bを通ってトレッド部の接地面と平行な面PS1、及び、内側トレッド端Tiを通ってタイヤ半径方向に沿ってのびる面PS2で陸部試験片TPが切り出される(図4(b)に示す)。次に、この陸部試験片TPの接地面を平坦な試験面に例えば正規荷重で押し付けて接地状態を維持する。次に、試験面を、タイヤ周方向Y又はタイヤ軸方向Xに力Fで移動させ、各方向X又はYの陸部の変位が測定される。そして、前記力Fを陸部試験片TPの各方向の変位量でそれぞれ除して、各方向Y及びXの陸部剛性を求める。
[ミドル陸部の構成]
図9には、ミドル陸部の一実施形態の拡大図が示されている。図9に示されるように、本実施形態のミドル陸部は、外側ミドル陸部19と内側ミドル陸部20とを含んでいる。外側ミドル陸部19は、例えば、クラウン主溝13と外側ショルダー主溝12との間に区分されている。この実施形態では、外側ミドル陸部19及び内側ミドル陸部20は、それぞれトレッド幅TWの0.10〜0.20倍のタイヤ軸方向の幅W13及びW10を有する。本実施形態では、W13=W10とされているが、W13>W10とされても良い。
本発明において、ミドル陸部18の具体的なパターンは特に限定されるものではない。しかし、図3に示した発明者らの種々の実験の結果、外側ミドル陸部19のタイヤ周方向剛性及びタイヤ軸方向剛性も、SATへの寄与がないわけではない。したがって、外側ミドル陸部19のタイヤ周方向剛性及びタイヤ軸方向剛性を、内側ミドル陸部20のそれよりも高めることで、上記とほぼ同様のメカニズムでSATを増加させることができる。
好ましい態様では、外側ミドル陸部19も、タイヤ周方向剛性及びタイヤ軸方向剛性に関し、内側ミドル陸部20と同じかそれよりも大きく形成されている。本実施形態では、外側ミドル陸部19は、タイヤ周方向剛性及びタイヤ軸方向剛性に関し、内側ミドル陸部20よりも大きく形成されている。この場合、典型的な態様では、外側ミドル陸部19は、例えば、内側ミドル陸部20よりも大きいランド比を有する。
図9に示されるように、好ましい態様では、SATをより大きく発生させながら偏摩耗の発生を防止するために、タイヤ周方向剛性に関し、外側ミドル陸部19は、内側ミドル陸部20の1.05〜1.40倍の剛性比σ3を有するのが望ましい。同様に、タイヤ軸方向剛性に関し、外側ミドル陸部19は、内側ミドル陸部20の1.05〜1.40倍の剛性比σ4を有するのが望ましい。以下に、上記のような剛性差を実現しうる具体的なパターンの構成が説明される。
[内側ミドル陸部の構成]
内側ミドル陸部20には、例えば、複数の内側ミドルラグ溝36が設けられている。各内側ミドルラグ溝36は、内側ミドル陸部20の内側トレッド端Ti側のエッジ20Aから外側トレッド端Toに向かってのび、かつ、内側ミドル陸部20内で途切れている。これにより、内側ミドル陸部20の外側半部20oは、タイヤ周方向剛性及びタイヤ軸方向剛性に関し、内側ミドル陸部20の内側半部20iと同じかそれよりも大きく形成されている(本実施形態では、大きく形成されている。)。このように、内側ミドル陸部20単体において、剛性差を与えることにより、さらにSATを高め、ひいては旋回性能を高めることができる。
好ましい態様では、SATをより大きく発生させながら偏摩耗の発生を防止するために、タイヤ周方向剛性に関し、内側ミドル陸部20の外側半部20oは、その内側半部20iの1.05〜1.50倍の剛性比σ5を有するのが望ましい。同様に、タイヤ軸方向剛性に関し、内側ミドル陸部20の外側半部20oは、その内側半部20iの1.05〜1.20倍の剛性比σ6を有するのが望ましい。
ここで、前記外側半部20oは、内側ミドル陸部20のタイヤ軸方向の中心位置20Cよりも外側トレッド端To側の部分である。また、前記内側半部20iは、内側ミドル陸部20のタイヤ軸方向の中心位置20Cよりも内側トレッド端Ti側の部分である。また、内側ミドル陸部20の外側半部20o及び内側半部20iの各タイヤ周方向剛性及びタイヤ軸方向剛性は、先に説明した通り、トレッド部2から各陸部を切り出して測定される。
内側ミドルラグ溝36は、例えば、タイヤ軸方向に対して、内側ショルダーラグ溝21よりも小さい角度θ7(図示省略)でのびている。内側ミドルラグ溝36の前記角度θ7は、例えば、0〜10度が望ましく、本実施形態では、タイヤ軸方向に沿って直線状にのびている(角度θ7=0度)。このような内側ミドルラグ溝36は、内側ミドル陸部20のタイヤ軸方向の剛性を十分に維持し、とりわけタイヤ1が車両の後輪に装着されたとき、大きな等価CPを提供することができる。
内側ミドルラグ溝36のタイヤ軸方向の長さL3は、例えば、内側ミドル陸部20の前記幅W10の0.45〜0.55倍であるのが望ましい。内側ミドルラグ溝36の溝幅W11は、例えば、内側ショルダーラグ溝21の溝幅W5(図5に示す)と同じで構成されているが、異なるものでも良い。図10(a)には、図9のD−D線断面図が示されている。図10(a)に示されるように、内側ミドルラグ溝36の深さd6は、例えば、クラウン主溝13の溝深さd5の0.20〜0.90倍程度が望ましい。
図9に示されるように、内側ミドル陸部20に設けられた内側ミドルラグ溝36の本数(合計本数)N3は、例えば、80〜100本の範囲であるのが望ましい。
内側ミドル陸部20は、例えば、クラウン主溝13と各内側ミドルラグ溝36との間の内側ミドルリブ状部37と、タイヤ周方向で隣り合う内側ミドルラグ溝36間に区分された内側ミドルブロック片38とを含んでいる。
内側ミドルリブ状部37は、例えば、溝が設けられておらず、陸部がタイヤ周方向に連続してのびている。このような内側ミドルリブ状部37は、内側ミドル陸部20のタイヤ赤道側の剛性を高め、ひいてはSATを高めることができる。
内側ミドルブロック片38は、タイヤ周方向長さMbiを有している。内側ミドルブロック片38のタイヤ周方向長さMbiは、上述のように溝本数N3が設定されることで、例えば、内側ミドル陸部20のタイヤ1周長さの0.7%〜0.9%程度とされる。
内側ミドル陸部20は、例えば、75〜85%のランド比を有しているのが望ましい。このような内側ミドル陸部20は、ウェット性能と操縦安定性とをバランス良く高めることができる。
[外側ミドル陸部の構成]
外側ミドル陸部19には、例えば、複数の外側ミドルラグ溝40が設けられている。各外側ミドルラグ溝40は、例えば、外側ミドル陸部19の内側トレッド端Ti側のエッジから外側トレッド端Toに向かってのび、かつ、外側ミドル陸部19内で途切れている。これにより、外側ミドル陸部19の外側半部19oは、タイヤ周方向剛性及びタイヤ軸方向剛性に関し、外側ミドル陸部19の内側半部19iと同じかそれよりも大きく形成されている(本実施形態では、大きく形成されている。)。このような外側ミドル陸部19は、さらに、SATを高めるのに寄与し、ひいては旋回性能を高めることができる。
好ましい態様では、SATをより大きく発生させながら偏摩耗の発生を防止するために、タイヤ周方向剛性に関し、外側ミドル陸部の外側半部19oは、その内側半部19iの1.05〜1.50倍の剛性比σ7を有するのが望ましい。同様に、タイヤ軸方向剛性に関し、外側ミドル陸部の外側半部19oは、その内側半部19iの1.05〜1.20倍の剛性比σ8を有するのが望ましい。
ここで、前記外側半部19oは、外側ミドル陸部19のタイヤ軸方向の中心位置19Cよりも外側トレッド端To側の部分である。また、前記内側半部19iは、外側ミドル陸部19のタイヤ軸方向の中心位置19Cよりも内側トレッド端Ti側の部分である。また、外側ミドル陸部19の外側半部19o及び内側半部19iの各タイヤ周方向剛性及びタイヤ軸方向剛性は、先に説明した通り、トレッド部2から各陸部を切り出して測定される。
外側ミドルラグ溝40は、例えば、タイヤ軸方向に対して内側ショルダーラグ溝21よりも小さい角度θ8(図示省略)でのびている。外側ミドルラグ溝40の前記角度θ8は、例えば、0〜10度が望ましく、本実施形態では、外側ミドルラグ溝40がタイヤ軸方向に沿って直線状にのびている(角度θ8=0度)。
各外側ミドルラグ溝40は、例えば、内側ミドルラグ溝36よりも小さいタイヤ軸方向の長さL4を有しているのが望ましい。外側ミドルラグ溝40の前記長さL4は、例えば、内側ミドルラグ溝36の長さL3の0.70〜0.80倍であるのが望ましい。外側ミドルラグ溝40の溝幅W14は、例えば、内側ミドルラグ溝36の溝幅W11と同じに構成されているが、異なるものでも良い。図10(b)には、図9のE−E線断面図が示されている。図10(b)に示されるように、外側ミドルラグ溝40の溝深さd7は、例えば、内側ミドルラグ溝36の溝深さd6よりも小さいのが望ましい。
外側ミドル陸部19に設けられた外側ミドルラグ溝40の本数(合計本数)N4は、例えば、内側ミドルラグ溝36の前記本数N3よりも小であるのが望ましく、とりわけ、前記本数N3の0.5〜0.7倍の範囲であるのが望ましい。このような外側ミドルラグ溝40は、外側ミドル陸部19の剛性を相対的に高め、高いSATを提供することができる。
より望ましい態様では、外側ミドルラグ溝40の本数N4と内側ミドルラグ溝の本数N3との比N4/N3が、外側ショルダーラグ溝28の本数N2と内側ショルダーラグ溝21の本数N1との比N2/N1よりも小さい。このような態様は、外側ミドル陸部19と内側ミドル陸部20との剛性差を相対的に小さくでき、ひいてはこれらの偏摩耗を抑制することができる。
外側ミドル陸部19は、例えば、外側ショルダー主溝12と各外側ミドルラグ溝40との間の外側ミドルリブ状部41と、タイヤ周方向で隣り合う外側ミドルラグ溝40間に区分された外側ミドルブロック片42とを含んでいる。
外側ミドルリブ状部41は、例えば、溝が設けられておらず、タイヤ周方向に連続してのびているのが望ましい。このような外側ミドルリブ状部41は、高い剛性を有し、ひいては高いSATを提供することができる。同様の観点から、外側ミドルリブ状部41は、例えば、内側ミドルリブ状部37の幅W12よりも大きいタイヤ軸方向の幅W15を有しているのが望ましい。
外側ミドルブロック片42は、タイヤ周方向長さMboを有している。望ましい態様では、上述のように溝本数N4が設定されることで、外側ミドルブロック片42のタイヤ周方向長さMboは、内側ミドルブロック片38のタイヤ周方向長さMbiよりも大きく形成されるのが望ましい。特に好ましい態様では、内側ミドルブロック片38と外側ミドルブロック片42とのタイヤ周方向長さの比Mbi/Mboは、好ましくは0.7〜0.9の範囲とされる。これにより、内側ミドル陸部20と外側ミドル陸部19との剛性バランスがさらに高められる。
[具体的なSATについて]
好ましい態様では、タイヤ1は、例えば、台上試験(例えば、フラットベルト式のタイヤ試験機を用いた試験である。)において、下記の走行条件において、下記式(1)を満足するのが望ましい。
装着リム:正規リム
タイヤ内圧:正規内圧
タイヤに負荷する荷重:正規荷重の70%
速度:10km/h
スリップ角:0.7度
キャンバー角:−(マイナス)1.0度
SAT ≧ 0.18×L×CF …(1)
ここで、"SAT"はセルフアライニングトルク(N・m)、"L"はトレッド部のタイヤ周方向の接地最大長(m)、"CF"は、コーナリングフォース(N)である。また、キャンバー角の"マイナス"は、タイヤの上部が車両の中心側に向くような傾きを意味する。
上記測定条件は、四輪自動車で頻繁に発生する傾向がある旋回状態(横加速度0.2G程度)における前輪の状況に基づいている。発明者らは、四輪自動車に各種のセンサーを搭載して、上記旋回状態でのタイヤの状況(荷重、キャンバー角、スリップ角、及び、角度)を測定し、これを台上試験で近似させるものとして、上記走行条件を得た。従って、上記式(1)を満たすタイヤ1は、通常の旋回状態においてSATを確実かつ十分に大きく発生させることができる。即ち、旋回走行中の車両を、より速やかに公転走行状態に移行させることができる。
[他の実施形態]
図11には、本発明の他の実施形態のタイヤ1のトレッド部2の展開図が示されている。図11において、上述の実施形態と共通する要素には、同一の符号が付されており、ここでの説明は省略されている。
この実施形態のタイヤ1には、サイプが追加されている。サイプは、例えば、内側ミドル陸部20に設けられた内側ミドルサイプ45を含む。本実施形態の内側ミドルサイプ45は、タイヤ周方向で隣接する内側ミドルラグ溝36間に形成されており、タイヤ軸方向にのびている。
内側ミドルサイプ45の少なくとも一端は、主溝10に連通するのが望ましい。本実施形態の内側ミドルサイプ45は、内側ミドル陸部20をタイヤ軸方向に完全に横切っている。内側ミドルサイプ45は、内側ミドル陸部20のタイヤ周方向の剛性を過度に低下させることなく、エッジによってウェット走行時の摩擦力を高めることができる。なお、本明細書において、「サイプ」とは、幅が0.8mm以下の切れ込みとして定義され、これよりも大きい幅を有する「溝」とは区別される。
図11の実施形態では、内側ミドルラグ溝36は、第1内側ミドルラグ溝36Aと、第1内側ミドルラグ溝36Aよりも大きいタイヤ軸方向の長さを有する第2内側ミドルラグ溝36Bとを含んでいる。タイヤ周方向で隣り合う内側ミドルサイプ45間には、第1内側ミドルラグ溝36Aと第2内側ミドルラグ溝36Bとが1本ずつ設けられている。これは、内側ミドル陸部20の偏摩耗の抑制に役立つ。
サイプは、さらに、外側ミドル陸部19に設けられた外側ミドルサイプ46を含む。外側ミドルサイプ46は、タイヤ周方向で隣接する外側ミドルラグ溝40間に、外側ミドル陸部19をタイヤ軸方向に貫通する外側ミドルサイプ46が設けられている。このような外側ミドルサイプ46は、エッジによってウェット走行時の摩擦力を高めることができる。
外側ミドルラグ溝40は、例えば、第1外側ミドルラグ溝40Aと、第1外側ミドルラグ溝40Aよりも大きいタイヤ軸方向の長さを有する第2外側ミドルラグ溝40Bとを含んでいるのが望ましい。
さらに望ましい態様として、タイヤ周方向で隣り合う外側ミドルサイプ46間に、第1外側ミドルラグ溝40Aと第2外側ミドルラグ溝40Bとが1本ずつ設けられている。これにより、外側ミドル陸部19の偏摩耗が抑制される。
この実施形態の外側ショルダーラグ溝28は、例えば、内側ショルダーラグ溝21、内側ミドルラグ溝36、及び、外側ミドルラグ溝40よりも小さい溝幅W8を有している。このような外側ショルダーラグ溝28は、外側ショルダー陸部16の剛性をさらに高め、ひいては高いSATを提供することができる。
図12には、本発明のさらに他の実施形態のタイヤ1のトレッド部2の展開図が示されている。図12においても、上述の実施形態と共通する要素には、同一の符号が付されており、ここでの説明は省略されている。
この実施形態では、外側ミドル陸部19及び内側ミドル陸部20には、両端が主溝に連通する外側ミドルラグ溝40及び内側ミドルラグ溝36がそれぞれ形成されている。
以上、本発明の一実施形態のタイヤが詳細に説明されたが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されることなく、種々の態様に変更して実施され得る。
サイズ235/45R18の空気入りタイヤが、表1の仕様に基づき試作された。各テストタイヤについて、次の試験が行われた。
[タイヤの仕様]
比較例、実施例1〜7については、ミドル陸部は、本質的に溝のないプレーンなリブとして構成され、他は、本質的に図2に示した通りである。実施例8については、ミドル陸部に、図2に従ったラグ溝がさらに形成された。
[台上試験]
フラットベルト式のタイヤ試験機を使用して、下記の条件で、SAT、トレッド部のタイヤ周方向の接地最大長L及びCFが測定され、各テストタイヤが下記式(1)を満たすかどうかについて調査された。
装着リム:18×6.5JJ
タイヤ内圧:220kPa
速度:10km/h
スリップ角:0.7度
キャンバー角:−1.0度
タイヤの荷重:正規荷重の70%
SAT ≧ 0.18×L×CF …(1)
[旋回性能]
排気量2000ccのFF乗用車の四輪に、テストタイヤが装着され、ドライバー1名乗車で、ドライ路面上を旋回走行させ、そのときの旋回性能が、運転者の官能により評価された。結果は、比較例を100とする評点である。数値が大きい程、旋回操舵中に車体が速やかに公転走行状態に移行したことを示す。
テストの結果が表1に示される。
Figure 0006950367
テストの結果、実施例のタイヤは、比較例のタイヤに比べて、優れた旋回性能を発揮していることが確認できた。
2 トレッド部
6 カーカス
7 ベルト層
10 主溝
16 外側ショルダー陸部
17 内側ショルダー陸部
18 ミドル陸部
21 内側ショルダーラグ溝
28 外側ショルダーラグ溝
C タイヤ赤道
To 外側トレッド端
Ti 内側トレッド端

Claims (11)

  1. ラジアル構造のカーカスと、前記カーカスの外側に配された少なくとも2枚のベルトプライからなるベルト層と、車両への装着の向きが指定されたトレッドパターンが形成されたトレッド部とを含む乗用車用の空気入りラジアルタイヤであって、
    前記トレッド部は、車両装着時にそれぞれ車両の外側及び車両の内側に位置する外側トレッド端及び内側トレッド端を有し、
    前記トレッドパターンは、タイヤ赤道に関して、非対称形状で形成されており、
    前記トレッド部は、タイヤ周方向に連続してのびる3本の主溝によって、4つの周方向陸部に区分されており、
    前記周方向陸部は、前記外側トレッド端を含む外側ショルダー陸部と、前記内側トレッド端を含む内側ショルダー陸部と、前記外側ショルダー陸部に隣接する外側ミドル陸部と、前記内側ショルダー陸部に隣接する内側ミドル陸部とを含み、
    前記外側ショルダー陸部には、前記外側トレッド端からタイヤ軸方向内側にのび、かつ、前記外側ショルダー陸部内で途切れる複数の外側ショルダーラグ溝が設けられており、
    前記内側ショルダー陸部には、前記内側トレッド端からタイヤ軸方向内側にのび、かつ、前記内側ショルダー陸部内で途切れる複数の内側ショルダーラグ溝が設けられており、
    前記内側ショルダーラグ溝の本数が、前記外側ショルダーラグ溝の本数の1.1倍以上であり、
    前記外側ショルダーラグ溝のタイヤ軸方向に対する角度は、前記内側ショルダーラグ溝のタイヤ軸方向に対する角度よりも小さく、
    前記外側ミドル陸部には、前記内側トレッド端側のエッジから前記外側トレッド端側にのび、かつ、前記外側ミドル陸部内で途切れる複数の外側ミドルラグ溝が設けられており、
    前記内側ミドル陸部には、前記内側トレッド端側のエッジから前記外側トレッド端側にのび、かつ、前記内側ミドル陸部内で途切れる複数の内側ミドルラグ溝が設けられており、
    前記外側ミドルラグ溝のタイヤ軸方向の長さは、前記内側ミドルラグ溝のタイヤ軸方向の長さよりも小さい、
    空気入りラジアルタイヤ。
  2. ラジアル構造のカーカスと、前記カーカスの外側に配された少なくとも2枚のベルトプライからなるベルト層と、車両への装着の向きが指定されたトレッドパターンが形成されたトレッド部とを含む乗用車用の空気入りラジアルタイヤであって、
    前記トレッド部は、車両装着時にそれぞれ車両の外側及び車両の内側に位置する外側トレッド端及び内側トレッド端を有し、
    前記トレッドパターンは、タイヤ赤道に関して、非対称形状で形成されており、
    前記トレッド部は、タイヤ周方向に連続してのびる3本の主溝によって、4つの周方向陸部に区分されており、
    前記周方向陸部は、前記外側トレッド端を含む外側ショルダー陸部と、前記内側トレッド端を含む内側ショルダー陸部と、前記外側ショルダー陸部に隣接する外側ミドル陸部と、前記内側ショルダー陸部に隣接する内側ミドル陸部とを含み、
    前記外側ショルダー陸部には、前記外側トレッド端からタイヤ軸方向内側にのび、かつ、前記外側ショルダー陸部内で途切れる複数の外側ショルダーラグ溝が設けられており、
    前記内側ショルダー陸部には、前記内側トレッド端からタイヤ軸方向内側にのび、かつ、前記内側ショルダー陸部内で途切れる複数の内側ショルダーラグ溝が設けられており、
    前記内側ショルダーラグ溝の本数が、前記外側ショルダーラグ溝の本数の1.1倍以上であり、
    前記外側ショルダーラグ溝のタイヤ軸方向に対する角度は、前記内側ショルダーラグ溝のタイヤ軸方向に対する角度よりも小さく、
    前記外側ミドル陸部には、前記内側トレッド端側のエッジから前記外側トレッド端側にのび、かつ、前記外側ミドル陸部内で途切れる複数の外側ミドルラグ溝が設けられており、
    前記内側ミドル陸部には、前記内側トレッド端側のエッジから前記外側トレッド端側にのび、かつ、前記内側ミドル陸部内で途切れる複数の内側ミドルラグ溝が設けられており、
    前記外側ミドルラグ溝の溝深さは、前記内側ミドルラグ溝の溝深さよりも小さい、
    空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記内側ショルダーラグ溝の本数が、前記外側ショルダーラグ溝の本数の2.0倍以下である請求項1又は2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  4. 前記内側ショルダーラグ溝のタイヤ軸方向に対する角度が30〜60度である請求項1ないし3のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
  5. 前記外側ショルダーラグ溝のタイヤ軸方向に対する角度が15度以下である請求項1ないし4のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
  6. 前記外側ショルダーラグ溝のタイヤ軸方向に対する角度と、前記内側ショルダーラグ溝のタイヤ軸方向に対する角度との和が30〜60度である請求項1ないし5のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
  7. 前記外側ショルダーラグ溝のタイヤ軸方向の長さは、前記外側ショルダー陸部のタイヤ軸方向の幅の0.5〜0.9倍である請求項1ないし6のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
  8. 前記内側ショルダーラグ溝のタイヤ軸方向の長さは、前記内側ショルダー陸部のタイヤ軸方向の幅の0.5〜0.9倍である請求項1ないし7のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
  9. 前記外側ショルダーラグ溝の本数が55〜75の範囲である請求項1ないし8のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
  10. 前記外側ショルダー陸部は、タイヤ周方向剛性及びタイヤ軸方向剛性に関し、前記内側ショルダー陸部よりも大きい請求項1ないし9のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
  11. 下記の走行条件において、下記式(1)を満足する請求項1ないし10のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
    装着リム:正規リム
    タイヤ内圧:正規内圧
    タイヤに負荷する荷重:正規荷重の70%
    速度:10km/h
    スリップ角:0.7度
    キャンバー角:−(マイナス)1.0度
    SAT ≧ 0.18×L×CF …(1)
    ここで、"SAT"はセルフアライニングトルク(N・m)、"L"はトレッド部のタイヤ周方向の接地最大長(m)、"CF"は、コーナリングフォース(N)である。
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