JP4559604B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空洞共鳴音を低減することができる空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
空気入りタイヤはその構造上、タイヤ内部の円管長さに起因する空洞共鳴現象を有することが知られている。そしていずれの乗用車タイヤもその周長さから空洞共鳴周波数は200Hz〜270Hz辺りに存在し、空洞共鳴であるがために車軸に伝達される際にはそれ以外の帯域と異なり鋭いピークとなり不快な車室内騒音の一因となる。
【0003】
ここで、上記騒音は発生要因が空気の共鳴であることから空気入りタイヤでは不可避な現象であり、この騒音を改良する従来の改良手法としては例えばタイヤ内部にスポンジを挿入するようなタイヤ内部の音場に対策を施す方法しか無かった。
【0004】
しかしながら、上記タイヤ内部の音場に対策する手法は、タイヤが製品となった後にスポンジを装着する手法であり、タイヤ構造を変更して改良するものではないため、上記スポンジを装着するのに手間がかかりコストも増加する問題がある。
【0005】
そこで、種々の研究の結果、タイヤモードが空洞共鳴に影響を与えることを発見し、300〜500Hzにあるタイヤ振動モード周波数を低下させれば、問題となっている空洞共鳴(250Hz付近)の音も低減できることが判明した。これにより、タイヤ構造を変更することによって空洞共鳴を改良することができることとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、上記事実を考慮し、タイヤ構造を変更することにより、タイヤモード周波数を低下させ空洞共鳴の音を低減することができる空気入りタイヤを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の空気入りタイヤでは、1対のビードコアと、タイヤ赤道線に対して傾斜したコードを有し前記ビードコアにトロイド状に跨る少なくとも1層のカーカス層と、前記カーカス層のタイヤ径方向外側に配置されたベルト層と、前記ベルト層のタイヤ径方向外側に配置された少なくとも1層のベルト補強層を備え、前記ベルト補強層の少なくともタイヤ赤道線を含めたセンター領域の強度を低下させる強度調整手段を設けた空気入りタイヤであって、前記ベルト補強層は、前記ベルト層のタイヤ径方向外側に配置された内側ベルト補強層と、前記内側ベルト補強層のタイヤ径方向外側に配置された外側ベルト補強層を含んで構成され、前記内側ベルト補強層及び前記外側ベルト補強層は、タイヤ断面幅方向において複数のベルト補強層ユニットがタイヤ幅方向に沿って並んで構成されたものであり、前記強度調整手段は、前記内側ベルト補強層では前記ベルト補強層ユニットがタイヤ幅方向に沿ってS1の間隔を空けて配列され、前記外側ベルト補強層では前記ベルト補強層ユニットがタイヤ幅方向に沿ってS2の間隔を空けて配列され、かつ前記S1及びS2は、それぞれ一定であり、S1≠S2(A)を満足して構成されたものであることを特徴とする。
【0008】
次に、請求項1に記載の空気入りタイヤの作用効果について説明する。
【0009】
空洞共鳴に起因する騒音を改良すべく検討を重ねた結果、300〜500Hzに存在するタイヤモード(タイヤ断面幅方向4節のモード)を低減すれば、タイヤ内部の音場に効果的に作用して問題の騒音も低減できることが判明した。
【0010】
この理由として、タイヤトレッド部を加振して車軸力を測定してみると、空洞共鳴の成分はトレッド加振方向と同相で車軸力が発生するが、該当タイヤモード(タイヤ断面幅方向4節のモード)に起因する車軸力はトレッド加振方向と逆相で発生することから、この両者は路面入力に対しては逆相で車軸力を発生していることが判った。そのため両者の周波数が一致する方向になるほど上記車軸力が打ち消されると考えることができる。
【0011】
さらに、一般的な空気入りラジアルタイヤでの空洞共鳴周波数とタイヤモード周波数の関係は、空洞共鳴周波数が低くタイヤモード周波数が高い関係にある。
ここで、空洞共鳴周波数はタイヤ内部の円管長さによって決定されるためタイヤサイズが一定の場合にはタイヤ構造によらず略一定となるため、空洞共鳴周波数を高くするよりも、タイヤモード周波数の方を低下させることが改良課題となる。そして、タイヤモード周波数を低減するためにさらに解析を進めた結果、そのモード形態からトレッド部の剛性を低下させるのが効果的であることが判明した。
【0012】
一方、タイヤトレッド部は主にトレッドゴム、ベルト層、ベルト補強層、プライ層から構成されている。このため、ベルト補強層の分布をトレッド部のタイヤ赤道線を含めたセンター領域で少なくすることによりトレッド部の剛性を低下させることができる。
【0013】
ここで、最も簡便な形態はトレッド部のセンター領域のベルト補強層を完全に除去しショルダー部のみに配することであるが、タイヤが高速で転動している場合には遠心力によりベルト補強層がないトレッド部の変形が局所的に大きくなり、操縦性能、摩耗性能に悪影響を与えることがある。
【0014】
そこで、本発明の空気入りタイヤように、ベルト補強層の少なくともタイヤ赤道線を含めたセンター領域の強度を低下させる強度調整手段を設けたことにより、トレッド部のセンター領域のベルト補強層の強度を低下させることができる。
【0015】
このため、ベルト補強層を設けているのでトレッド部のセンター領域の遠心力による変形を抑制することができるとともに、強度調整手段によりトレッド部の剛性を大きく低下させることができる。この結果、タイヤモード周波数を低下することができ空洞共鳴周波数とほぼ一致させることができるため、上記車軸力を打ち消すことができ、空洞共鳴音を低減できる。
【0016】
このように、本発明ではタイヤ構造を変更することにより、容易に空洞共鳴音、すなわち騒音を低くすることができる。
【0026】
また、内側ベルト補強層ではベルト補強層ユニットがタイヤ幅方向に沿ってS1の間隔を空けて配列され、外側ベルト補強層ではベルト補強層ユニットがタイヤ幅方向に沿ってS2の間隔を空けて配列され、かつS1≠S2………(A)を満足することによっても、トレッド部のセンター領域の遠心力による変形を抑制すると共に、トレッド部の剛性を低下させることができる。
【0027】
特に、(A)式を満足することにより、トレッド部のセンター領域でのベルト補強層の剛性とショルダー部でのベルト補強層の剛性の比を任意に設定できる。
【0030】
さらに、S1及びS2をそれぞれ一定とすることにより、タイヤ製造時においてベルト補強層ユニットの配置を制御する複雑な装置が不要となるため、コスト高を防止するとともに作業性を向上することができる。
【0031】
請求項2に記載の空気入りタイヤでは、ショルダー部近傍の単位タイヤ幅における前記ベルト補強層ユニットの総数をN1、タイヤ赤道線近傍の単位タイヤ幅における前記ベルト補強層ユニットの総数をN2とした場合、
(N1/N2)>2………(B)
を満たすことを特徴とする。
【0032】
次に、請求項2に記載の空気入りタイヤの作用効果について説明する。
【0033】
ショルダー部近傍の単位タイヤ幅におけるベルト補強層ユニットの総数をN1、タイヤ赤道線近傍の単位タイヤ幅におけるベルト補強層ユニットの総数をN2とした場合、(B)式を満たすようにしたことにより、ショルダー部の剛性をトレッド部のセンター領域の剛性に対して高くできる。
【0034】
このためトレッド部のセンター領域の剛性を局所的に低下させることができるとともに、ショルダー部の剛性を局所的に高めることができる。
【0035】
この結果、例えばタイヤの内圧充填時においてショルダー部のタイヤ径方向外側への変形を抑制でき、操縦安定性及び摩耗性の低下を防止できる。
【0036】
請求項3に記載の空気入りタイヤでは、ベルト補強層は、前記ベルト補強層ユニットが前記ベルト層のタイヤ半径方向外側にタイヤ幅方向に沿って巻き付けられたスパイラル状であることを特徴とする。
【0037】
次に、請求項3に記載の空気入りタイヤの作用効果について説明する。
【0038】
ベルト補強層をスパイラル状とすることにより、隣り合うベルト補強層ユニットの間隔を容易に空けることができ、作業性を向上できる。
【0039】
請求項4に記載の空気入りタイヤでは、前記ベルト補強層ユニットの単位タイヤ幅における総数は、前記ベルト補強層のスパイラル間隔により調整することを特徴とする。
【0040】
次に、請求項4に記載の空気入りタイヤの作用効果について説明する。
【0041】
ベルト補強層ユニットの単位タイヤ幅における総数をベルト補強層のスパイラル間隔により調整することにより、ベルト補強層ユニットの単位タイヤ幅における総数を容易に調整することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤについて説明する。図1は本発明の空気入りタイヤの断面図である。
【0043】
先ず、本発明である空気入りタイヤの全体構造について説明する。
【0044】
図1に示すように、空気入りタイヤ10(以下、適宜「タイヤ10」と略称する。)は、1対のビードコア12と、1対のビードコア12にトロイド状に跨るカーカス14を有している。このカーカス14は、1枚のカーカスプライ(カーカス層)16から構成されている。このカーカスプライ16は、タイヤ赤道線に対して70〜90度傾斜したコードがゴムコーティングされて構成されている。
なお、カーカスプライ16は1枚に限られず複数枚あってもよい。
【0045】
カーカスプライ16は、ビードコア12の回りをタイヤ軸方向内側から外側へ向けて折返されている。このカーカスプライ16の本体部16Aと折返部16Bとの間には、ビード部20の剛性を確保するために、比較的硬度の高いゴムからなるスティフナ22が配設されている。また、カーカス14のタイヤ軸方向外側にはサイドゴム層24が形成されている。一方、カーカス14のタイヤ軸方向内側にはインナーライナー34が形成されている。
【0046】
カーカス14のタイヤ径方向外側には、内側ベルト層26がカーカス14と接触して設けられている。また、内側ベルト層26のタイヤ径方向外側には、外側ベルト層28が設けられている。内側ベルト層26及び外側ベルト層28は、比較的小さな角度で互いに交差したコードをゴムコーティングして構成されている。本実施形態では、内側ベルト層26及び外側ベルト層28の2層からなる交錯層を示したが、これに限られず3層以上のベルト層を設けてもよい。
【0047】
外側ベルト層28のタイヤ径方向外側には、内側ベルト補強層30が配置されている。
【0048】
図2及び図3に示すように、内側ベルト補強層30は、タイヤ周方向に延びたコード32をゴムコーティングして形成されたベルト補強層ユニット36をタイヤ幅方向に沿って巻き付けてスパイラル状に構成されている。これにより、タイヤ断面幅方向において複数のベルト補強層ユニット36がタイヤ幅方向に沿って配置されることになる。
【0049】
ここで、内側ベルト補強層30を構成するベルト補強層ユニット36の幅はW0であり、タイヤ幅方向の両端に位置するベルト補強層ユニット36間の寸法はW1に設定されている。各ベルト補強層ユニット36の間隔(スパイラル間隔)はS1(一定)に設定されている。この各ベルト補強層ユニット36の間隔S1を調整することにより、ベルト補強層ユニット36の総数を調整することができる。
【0050】
図1に示すように、内側ベルト補強層30のタイヤ径方向外側であり、かつ、ショルダー部40近傍には、外側ベルト補強層38が配置されている。外側ベルト補強層38も内側ベルト補強層30と同様に、ベルト補強層ユニット36(図2参照)をタイヤ幅方向に沿って巻き付けてスパイラル状に構成されている。
【0051】
ここで、図3に示すように、外側ベルト補強層38を構成するベルト補強層ユニット36の幅もW0であり、一方のショルダー部40近傍に位置する外側ベルト補強層38の両端部に位置するベルト補強層ユニット36間の寸法はW2/2に設定されている。なお、各ベルト補強層ユニット36の間隔(スパイラル間隔)はS2(<S1)(一定)に設定されている。この各ベルト補強層ユニット36の間隔S2を調整することにより、ベルト補強層ユニット36の総数を調整することができる。なお、他方のショルダー部近傍に位置する外側ベルト補強層も同様に構成されている。
【0052】
ここで、ショルダー部40近傍の単位タイヤ幅Lにおけるベルト補強層ユニット36の総数(使用量)とタイヤ赤道線CL近傍の単位タイヤ幅Lにおけるベルト補強層ユニット36の総数(使用量)との関係について説明する。
【0053】
なお、ショルダー部40近傍の単位タイヤ幅Lには内側ベルト補強層30及び外側ベルト補強層38が存在し、タイヤ赤道線CL近傍の単位タイヤ幅Lには内側ベルト補強層30のみが存在している。
【0054】
ショルダー部40近傍の単位タイヤ幅Lにおけるベルト補強層ユニット36の総数N1は、内側ベルト補強層30の単位タイヤ幅Lにおいて使用されるベルト補強層ユニット36の総数L/(W0+S1)と外側ベルト補強層38の単位タイヤ幅Lにおいて使用されるベルト補強層ユニット36の総数L/(W0+S2)の和となる。
【0055】
すなわち、N1=L/(W0+S1)+L/(W0+S2)………(1)
となる。
【0056】
タイヤ赤道線CL近傍の単位タイヤ幅Lにおけるベルト補強層ユニット36の層数N2は、内側ベルト補強層30の単位タイヤ幅Lにおいて使用されるベルト補強層ユニット36の総数L/(W0+S1)となる。
【0057】
すなわち、N2=L/(W0+S1)………(2)
となる。
【0058】
したがって、ショルダー部40近傍の単位タイヤ幅Lにおけるベルト補強層ユニット36の総数N1(使用量)のタイヤ赤道線CL近傍の単位タイヤ幅Lにおけるベルト補強層ユニット36の総数N2に対する比は以下の式で求まる。
【0059】
(L/(W0+S1)+L/(W0+S2))/(L/(W0+S1))………(3)
ここで、上式(3)は、S1>S2を考慮すると、
1+(W0+S1)/(W0+S2)>2………(4)
(N1/N2)>2………(5)
となる。
【0060】
すなわち、ショルダー部40近傍の単位タイヤ幅Lにおけるベルト補強層ユニット36の使用量は、タイヤ赤道線CL近傍の単位タイヤ幅Lにおけるベルト補強層ユニット36の使用量の2倍よりも大きくなる。
【0061】
なお、外側ベルト補強層38のタイヤ径方向外側のトレッドゴム42の表面には、タイヤ周方向に沿って延びた周方向溝44が形成されている。
【0062】
次に、本発明の空気入りタイヤ10の作用及び効果について説明する。
【0063】
従来において空洞共鳴音を低減する手段として、タイヤ構造を改良することにより行うことは不可能と考えられていた。
【0064】
しかしながら、本発明に至る種々の研究の結果、タイヤモードが空洞共鳴に影響を与えることを発見し、300〜500Hzにあるタイヤ振動モード周波数を低下させれば、問題となっている空洞共鳴(250Hz付近)の音も低減できることが判明した。
【0065】
この理由として、トレッド部を加振して車軸力を測定してみると、空洞共鳴の成分はトレッド加振方向と同相で車軸力が発生するが、該当タイヤモード(タイヤ断面幅方向4節のモード)に起因する車軸力はトレッド加振方向と逆相で発生することから、この両者は路面入力に対しては逆相で車軸力を発生していることが判った。そのため両者の周波数が一致する方向になるほど上記車軸力が打ち消されると考えることができる。
【0066】
一般的な空気入りラジアルタイヤでの空洞共鳴周波数とタイヤモード周波数の関係は、空洞共鳴周波数が低くタイヤモード周波数が高い関係にある。
【0067】
ここで、空洞共鳴周波数はタイヤ内部の円管長さによって決定されるためタイヤサイズが一定の場合にはタイヤ構造によらず略一定となるため、空洞共鳴周波数を高くするよりも、タイヤモード周波数の方を低下させることが改良課題となる。そして、タイヤモード周波数を低減するためにさらに解析を進めた結果、そのモード形態からトレッド部の剛性を低下させるのが効果的であることが判明した。
【0068】
そこで、図1及び図3に示す本発明の空気入りタイヤ10のように、各ベルト補強層ユニット36をタイヤ幅方向に巻き付けて内側ベルト補強層30及び外側ベルト補強層38をスパイル状とし、各ベルト補強層ユニット36のスパイラル間隔S1、S2を設けてベルト補強層ユニット36の使用量を少なくすることにより、遠心力によるトレッド部46のセンター領域46Cの変形を防止すると同時に、内側ベルト補強層30及び外側ベルト補強層38の剛性を低下させることによりトレッド部46の剛性を低下させることができる。
【0069】
この結果、タイヤモード周波数を低下させ空洞共鳴周波数と一致させることができるため、上記車軸力をほぼ打ち消すことができ、空洞共鳴音を低減できる。
【0070】
なお、内側ベルト補強層30及び外側ベルト補強層38をスパイラル状としているため、ベルト補強層ユニット36の間隔S1、S2を容易に調整することができる。ベルト補強層ユニット36の間隔S1、S2を調整することにより、ベルト補強層ユニット36の使用量を調整でき、トレッド部46の剛性を容易に調整することができる。
【0071】
また、各ベルト補強層ユニット36の間隔S1、S2をそれぞれ一定にすることにより、タイヤ製造時にベルト補強層ユニット36の間隔を制御する複雑な装置が不要となるため、コストの低減及び作業性の向上を実現できる。
【0072】
次に、ベルト補強層ユニット36の使用量について説明する。
【0073】
図4に示すように、従来のタイヤの内側ベルト層56及び外側ベルト層58のタイヤ径方向外側に配置された内側ベルト補強層50及び外側ベルト補強層52では、複数のベルト補強層ユニット54をタイヤ幅方向に間隔を設けず突き合わせて構成していた。
【0074】
ここで、ベルト補強層ユニット54の幅をW0、内側ベルト補強層50の幅をW1、一方の外側ベルト補強層52の幅をW2/2とした場合、ショルダー部近傍の単位タイヤ幅Lにおけるベルト補強層ユニット54の総数T1(使用量)は、内側ベルト補強層50の単位タイヤ幅Lにおいて使用されるベルト補強層ユニット54の総数L/W0と外側ベルト補強層52の単位タイヤ幅Lにおいて使用されるベルト補強層ユニット54の総数L/W0の和となる。
【0075】
すなわち、T1=2L/W0………(6)
となる。
【0076】
一方、タイヤ赤道線CL近傍の単位タイヤ幅Lにおけるベルト補強層ユニット54の層数T2は、内側ベルト補強層50の単位タイヤ幅Lにおいて使用されるベルト補強層ユニット54の総数L/W0となる。
【0077】
すなわち、T2=L/W0………(7)
となる。
【0078】
したがって、ショルダー部近傍の単位タイヤ幅Lにおけるベルト補強層ユニット54の総数T1(使用量)のタイヤ赤道線CL近傍の単位タイヤ幅Lにおけるベルト補強層ユニット54の総数T2に対する比は以下の式で求まる。
【0079】
2(L/W0)/(L/W0)=2………(8)
(T1/T2)=2………(9)
すなわち、ショルダー部近傍の単位タイヤ幅Lにおけるベルト補強層ユニット54の使用量は、タイヤ赤道線CL近傍の単位タイヤ幅Lにおけるベルト補強層ユニット54の使用量の2倍となる。
【0080】
これに対して、本発明のタイヤ10では、(5)式で示したように、ショルダー部40近傍の単位タイヤ幅Lにおけるベルト補強層ユニット36の使用量は、タイヤ赤道線CL近傍の単位タイヤ幅Lにおけるベルト補強層ユニット36の使用量の2倍よりも大きくなる。
【0081】
また、従来タイヤのベルト補強層ユニット54の総数(使用量)は(W1+W2)/W0となるが、両者の内側ベルト補強層及び外側ベルト補強層の幅を同一とした場合に、本発明のタイヤ10に用いるタイヤ断面幅方向におけるベルト補強層ユニット36の総数(使用量)は、各ベルト補強層ユニット36間に間隔を空けた分だけ少なくなる。
【0082】
このため、本発明のタイヤ10では、従来タイヤと比較して、トレッド部46のセンター領域46Cの剛性を低下させるとともに、ショルダー部40の剛性を局所的に高めることができる。
【0083】
この結果、上記した空洞共鳴音の低減の効果に加え、例えば内厚充填時においてショルダー部40のタイヤ径方向外側への変形を抑制でき、操縦安定性及び摩耗性の低下をも防止できる。
【0085】
本発明の構成を備えたタイヤサイズ195/65R14の発明タイヤ、比較タイヤ及び従来タイヤを用いて、ハンマーによるインパクト試験及び実車実走による車内音測定試験を行った。この実車実走による車内音測定試験では、2000CCクラスの乗用車に2名乗車して、荒れたアスファルト路を速度50km/hで走行し、ドライバーの耳元で騒音を測定した。
【0086】
ここで、本試験で用いた各タイヤでは、内側ベルト層の幅150mm、外側ベルト層の幅140mm、キャップ幅160mm、レイヤー幅30mm(セット幅160mm)に設定した。
【0087】
また、発明タイヤに用いたベルト補強層ユニットのコード材質を66ナイロンとし、コード径を1400dtex/2(0.61mm)、コードの打ち込み数を1本/1mm、ベルト補強層ユニット幅を6mmに設定した。
【0088】
これらの各タイヤを14−6JJのアルミリムに組み付け空気圧200kpaを充填した。
【0089】
この試験の結果は以下の表1及び表2に示すようになった。
【0090】
【表1】
Figure 0004559604
【0091】
【表2】
Figure 0004559604
【0092】
上記表1及び表2に示すように、本発明のタイヤ(上記表1中の発明タイヤ4に該当)では、タイヤ断面幅方向4節のタイヤモード周波数が約20Hz低下し、車内音をナローバンドの周波数解析することにより空洞共鳴に起因するピークレベルが約3dB低下したことが確認できた。
【0093】
【発明の効果】
本発明の空気入りタイヤによればトレッド部のセンター領域の遠心力による変形を抑制するとともに、トレッド部の剛性を低下させることができる。また、S1及びS2をそれぞれ一定とすることにより、タイヤ製造時においてベルト補強層ユニットの配置を制御する複雑な装置が不要となるため、コスト高を防止するとともに作業性を向上することができる。
【0094】
この結果、タイヤモード周波数を低下することができ、空洞共鳴音(騒音)を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の空気入りタイヤの断面図である。
【図2】本発明の一実施形態の空気入りタイヤのベルト補強層を構成するベルト補強層ユニットの断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤのベルト層及びベルト補強層の配置図である。
【図4】従来タイヤのベルト層及びベルト補強層の配置図である。
【符号の説明】
10 空気入りタイヤ
12 ビードコア
16 カーカス層
26 内側ベルト層(ベルト層)
28 外側ベルト層(ベルト層)
30 内側ベルト補強層(ベルト補強層)
36 ベルト補強層ユニット
38 外側ベルト補強層(ベルト補強層)

Claims (4)

  1. 1対のビードコアと、タイヤ赤道線に対して傾斜したコードを有し前記ビードコアにトロイド状に跨る少なくとも1層のカーカス層と、前記カーカス層のタイヤ径方向外側に配置されたベルト層と、前記ベルト層のタイヤ径方向外側に配置された少なくとも1層のベルト補強層を備え、前記ベルト補強層の少なくともタイヤ赤道線を含めたセンター領域の強度を低下させる強度調整手段を設けた空気入りタイヤであって、
    前記ベルト補強層は、前記ベルト層のタイヤ径方向外側に配置された内側ベルト補強層と、前記内側ベルト補強層のタイヤ径方向外側に配置された外側ベルト補強層を含んで構成され、
    前記内側ベルト補強層及び前記外側ベルト補強層は、タイヤ断面幅方向において複数のベルト補強層ユニットがタイヤ幅方向に沿って並んで構成されたものであり、
    前記強度調整手段は、前記内側ベルト補強層では前記ベルト補強層ユニットがタイヤ幅方向に沿ってS1の間隔を空けて配列され、前記外側ベルト補強層では前記ベルト補強層ユニットがタイヤ幅方向に沿ってS2の間隔を空けて配列され、かつ前記S1及びS2は、それぞれ一定であり、
    S1≠S2………(A)
    を満足して構成されたものであることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. ショルダー部近傍の単位タイヤ幅における前記ベルト補強層ユニットの総数をN1、タイヤ赤道線近傍の単位タイヤ幅における前記ベルト補強層ユニットの総数をN2とした場合、
    (N1/N2)>2………(B)
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ベルト補強層は、前記ベルト補強層ユニットが前記ベルト層のタイヤ半径方向外側にタイヤ幅方向に沿って巻き付けられたスパイラル状であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ベルト補強層ユニットの単位タイヤ幅における総数は、前記ベルト補強層のスパイラル間隔により調整することを特徴とする請求項3に記載の空気入りタイヤ。
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