JP2019137277A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】転がり抵抗が悪化することを抑制しつつロードノイズを低減することのできる空気入りタイヤを提供すること。【解決手段】キャップトレッド21と、キャップトレッド21を構成するゴムよりも硬さが硬いゴムからなり、キャップトレッド21のタイヤ径方向内側に配設されるアンダートレッド22とが積層されるトレッド部2を備えた空気入りタイヤ1であって、アンダートレッド22は、タイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向にトレッド幅TWの22%以上38%以下の範囲内の領域である増厚領域31の少なくとも一部に、アンダートレッド22における増厚領域31よりもタイヤ幅方向内側に位置する部分の厚さと、アンダートレッド22における増厚領域31よりもタイヤ幅方向外側に位置する部分の厚さとよりも、厚さが厚い増厚部23を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤは、様々な性能を確保するために、路面に接地するトレッド部に、物性の異なる複数のゴム材料が用いられることが多くなっている。空気入りタイヤのトレッド部は、例えば、実際に路面に接地する接地面を構成するゴム材料であるキャップトレッドと、トレッド部におけるキャップトレッドのタイヤ径方向内側に配設されてキャップトレッドとは物性が異なるゴム材料であるアンダートレッドとにより構成されるものが多くなっている。トレッド部は、このように物性が異なるキャップトレッドとアンダートレッドとが用いられることが多いため、従来の空気入りタイヤの中には、キャップトレッドとアンダートレッドとの厚さを調節することにより、所望の性能を確保しているものがある。
例えば、特許文献1に記載の空気入りタイヤでは、アンダートレッドに相当するベースゴム層の厚みを、タイヤ肩部側領域よりタイヤ赤道面を含むタイヤ赤道面側領域の方が薄くなるように形成することにより、耐摩耗性能を高めると共に、トレッド中心部とトレッド肩部の摩耗バランスの悪化を防いでいる。また、特許文献2に記載の空気入りタイヤでは、キャップトレッド層の厚さに対するアンダートレッド層の比率を、低荷重時接地幅端のタイヤ幅方向における位置から中荷重時接地幅端のタイヤ幅方向における位置に向かうに従って増加させることにより、操縦安定性を維持しつつ転覆特性の向上を図っている。また、特許文献3に記載の空気入りタイヤでは、トレッドゴム部の厚みに対するベースゴム層の厚みを、トレッドセンター部よりもトレッドショルダー部で大きく設定することにより、摩耗性能や転がり抵抗性能などの背反性能の低下を伴うことなく、アイス制動性能を向上させている。
特開2011−57183号公報 特開2008−273485号公報 特開2007−1430号公報
ここで、静粛性が求められる車両に装着される空気入りタイヤでは、路面の凹凸に起因して発生する騒音であるロードノイズを低減させることが、重要な性能の1つになっており、特に、250Hz〜315Hzの中周波帯域のロードノイズの低減が求められている。中周波ロードノイズは、空気入りタイヤの転動時におけるトレッド部等の振動が影響することが知られているため、中周波ロードノイズを低減させる手法としては、例えば、ベルト剛性を調整することによって、トレッド部の振動の状態を調節することが挙げられる。しかし、ベルト剛性は、転がり抵抗等の他の性能に大きく影響するため、ロードノイズを低減させるためにベルト剛性を調整した場合、剛性の変化に起因して転がり抵抗が大きくなる虞がある。このように、転がり抵抗を悪化させることなくロードノイズを低減するのは、大変困難なものとなっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、転がり抵抗が悪化することを抑制しつつロードノイズを低減することのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る空気入りタイヤは、キャップトレッドと、前記キャップトレッドを構成するゴムよりも硬さが硬いゴムからなり、前記キャップトレッドのタイヤ径方向内側に配設されるアンダートレッドとが積層されるトレッド部を備えた空気入りタイヤであって、前記アンダートレッドは、タイヤ幅方向中心からタイヤ幅方向にトレッド幅の22%以上38%以下の範囲内の領域である増厚領域の少なくとも一部に、前記アンダートレッドにおける前記増厚領域よりもタイヤ幅方向内側に位置する部分の厚さと、前記アンダートレッドにおける前記増厚領域よりもタイヤ幅方向外側に位置する部分の厚さとよりも、厚さが厚い増厚部を有することを特徴とする。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記増厚部は、前記アンダートレッドにおける、前記タイヤ幅方向中心からタイヤ幅方向に前記トレッド幅の15%以下の範囲内の領域であるセンター領域に位置する部分の厚さと、前記タイヤ幅方向中心からタイヤ幅方向に前記トレッド幅の45%以上50%以下の範囲内の領域である接地端側領域に位置する部分の厚さとよりも、厚さが厚いことが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記アンダートレッドは、前記増厚部の最大厚さh1と、前記センター領域における最大厚さh2と、前記接地端側領域における最大厚さh3とが、1.5≦(h1/h2)≦3.0、且つ、1.5≦(h1/h3)≦3.0の関係を満たすことが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記増厚部は、タイヤ幅方向における前記タイヤ幅方向中心の両側に設けられ、且つ、複数の前記増厚部のタイヤ幅方向における総幅が、前記トレッド幅の15%以上30%以下の範囲内であることが好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤは、転がり抵抗が悪化することを抑制しつつロードノイズを低減することができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態に係る空気入りタイヤの要部を示す子午断面図である。 図2は、図1に示すトレッド部の詳細図である。 図3は、図2のA部詳細図である。 図4は、図2に示すアンダートレッドと断面2次固有振動モードでの振幅の大きさとの関係を示す説明図である。 図5は、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、トレッド部に形成される周方向溝とアンダートレッドの増厚部との関係についての説明図である。 図6は、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、増厚部が増厚領域の範囲外にも形成される場合の説明図である。 図7は、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、増厚部が増厚領域の範囲外にも形成される場合の説明図である。 図8は、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、増厚部が増厚領域の範囲外にも形成される場合の説明図である。 図9Aは、空気入りタイヤの性能評価試験の結果を示す図表である。 図9Bは、空気入りタイヤの性能評価試験の結果を示す図表である。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易に想到できるもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤ1の回転軸(図示省略)と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、回転軸を中心軸とする周り方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)CLに向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。タイヤ赤道面CLとは、空気入りタイヤ1の回転軸に直交すると共に、空気入りタイヤ1のタイヤ幅の中心を通る平面であり、タイヤ赤道面CLは、空気入りタイヤ1のタイヤ幅方向における中心位置であるタイヤ幅方向中心線と、タイヤ幅方向における位置が一致する。タイヤ幅は、タイヤ幅方向において最も外側に位置する部分同士のタイヤ幅方向における幅、つまり、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから最も離れている部分間の距離である。タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面CL上にあって空気入りタイヤ1のタイヤ周方向に沿う線をいう。
図1は、実施形態に係る空気入りタイヤ1の要部を示す子午断面図である。図1に示す空気入りタイヤ1は、主に乗用車に用いられる空気入りタイヤ1になっており、トレッド部2と、その両側のショルダー部3と、各ショルダー部3から順次連続するサイドウォール部4及びビード部5とを有している。また、この空気入りタイヤ1は、カーカス層6と、ベルト層7と、ベルト補強層8と、インナーライナ9とを備えている。
トレッド部2は、キャップトレッド21と、アンダートレッド22と、ウイングチップ28とを有しており、キャップトレッド21と、アンダートレッド22と、ウイングチップ28とは、それぞれ物性が異なるゴム組成物により構成されている。これらのゴム部材からなるトレッド部2は、空気入りタイヤ1のタイヤ径方向の最も外側で露出し、その外周表面が空気入りタイヤ1の輪郭となる。トレッド部2の外周表面は、主に走行時に路面と接触し得る面である接地面10として構成されている。接地面10には、タイヤ周方向に延びる周方向溝(図示省略)や、タイヤ幅方向に延びるラグ溝(図示省略)等の溝が複数形成されている。
トレッド部2を構成するゴム部材のうち、キャップトレッド21とアンダートレッド22とは、タイヤ径方向に積層されており、キャップトレッド21のタイヤ径方向内側に、アンダートレッド22が配設されている。また、ウイングチップ28は、積層されるキャップトレッド21とアンダートレッド22とのタイヤ幅方向における両側に配設されている。また、アンダートレッド22は、キャップトレッド21を構成するゴムよりも硬さが硬いゴムからなり、具体的には、JIS−K6253に準拠したJIS−A硬度により示されるゴム硬さが、キャップトレッド21のゴム硬さよりもアンダートレッド22のゴム硬さの方が高くなっている。なお、キャップトレッド21のゴム硬さは、20℃の条件下で測定されるゴム硬さが55以上70以下の範囲内であるのが望ましく、アンダートレッド22のゴム硬さは、20℃の条件下で測定されるゴム硬さが65以上75以下の範囲内であるのが望ましい。
ショルダー部3は、トレッド部2のタイヤ幅方向両外側の部位である。また、サイドウォール部4は、空気入りタイヤ1におけるタイヤ幅方向の最も外側に露出した部分を形成するものである。また、ビード部5は、ビードコア15とビードフィラー16とを有する。ビードコア15は、スチールワイヤであるビードワイヤをリング状に巻くことにより形成されている。ビードフィラー16は、カーカス層6のタイヤ幅方向端部がビードコア15の位置で折り返されることにより形成された空間に配置されるゴム材である。
カーカス層6は、各タイヤ幅方向端部が、一対のビードコア15でタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返され、且つ、タイヤ周方向にトロイド状に掛け回されてタイヤの骨格を構成するものである。このカーカス層6は、タイヤ周方向に対する角度がタイヤ子午線方向に沿いつつタイヤ周方向にある角度を持って複数並設されたカーカスコード(図示省略)が、コートゴムで被覆されたものである。カーカスコードは、例えば、ポリエステルやレーヨンやナイロン等の有機繊維からなる。このカーカス層6は、少なくとも1層で設けられている。
ベルト層7は、少なくとも2層のベルト7a,7bを積層した多層構造をなし、トレッド部2においてカーカス層6の外周であるタイヤ径方向外側に配置され、カーカス層6をタイヤ周方向に覆うものである。ベルト7a,7bは、タイヤ周方向に対して所定の角度(例えば、20°〜30°)で複数並設されたコード(図示省略)が、コートゴムで被覆されたものである。コードは、例えば、スチール、またはポリエステルやレーヨンやナイロン等の有機繊維からなる。また、重なり合うベルト7a,7bは、互いのコードが交差するように配置されている。
ベルト補強層8は、ベルト層7の外周であるタイヤ径方向外側に配置されてベルト層7をタイヤ周方向に覆うものである。ベルト補強層8は、タイヤ周方向に略平行でタイヤ幅方向に複数並設されたコード(図示省略)がコートゴムで被覆されたものである。コードは、例えば、スチール、またはポリエステルやレーヨンやナイロン等の有機繊維からなり、コードの角度はタイヤ周方向に対して±5°の範囲内になっている。本実施形態では、ベルト補強層8は、ベルト層7のタイヤ幅方向における全体を覆うように配設されるベルトカバー8aと、ベルトカバー8aのタイヤ径方向外側におけるベルト層7のタイヤ幅方向端部付近のみに配設されるエッジカバー8bとの2層が積層されている。ベルト補強層8は、これ以外の構成でもよく、ベルト層7全体を覆うように配設されるベルトカバー8aのみや、ベルト層7のタイヤ幅方向端部を覆うように配設されるエッジカバー8bのみで構成されていてもよい。ベルト補強層8は、ベルト層7の少なくともタイヤ幅方向端部に重なって配設されていればよい。これらのように構成されるベルト補強層8は、例えば幅が10mm程度の帯状のストリップ材をタイヤ周方向に巻き付けることにより配設されている。
インナーライナ9は、カーカス層6の内方側、或いは、カーカス層6の、空気入りタイヤ1における内部側に、カーカス層6に沿って配設されている。
図2は、図1に示すトレッド部2の詳細図である。トレッド部2が有するアンダートレッド22は、タイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向にトレッド幅TWの22%以上38%以下の範囲内の領域である増厚領域31の少なくとも一部に、増厚部23を有している。増厚部23は、アンダートレッド22における増厚領域31よりもタイヤ幅方向内側に位置する部分の厚さと、アンダートレッド22における増厚領域31よりもタイヤ幅方向外側に位置する部分の厚さとよりも、タイヤ径方向における厚さが厚くなって形成されている。詳しくは、増厚部23は、アンダートレッド22における、タイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向にトレッド幅TWの15%以下の範囲内の領域でありセンター領域32に位置する部分の厚さと、タイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向にトレッド幅TWの45%以上50%以下の範囲内の領域である接地端側領域33に位置する部分の厚さとよりも、厚さが厚くなって形成されている。
なお、この場合におけるトレッド幅TWは、接地面10の接地端T同士のタイヤ幅方向における間隔である。また、接地端Tは、空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みして230kPaの内圧で空気を充填し、静止状態にて平板に対して垂直に置かれて正規荷重の70%に相当する荷重を加えられたときの、接地面10における平板に接触する領域のタイヤ幅方向の両最外端をいい、タイヤ周方向に連続する。ここでいう正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、或いは、ETRTOで規定する「Measuring Rim」である。また、正規荷重とは、JATMAで規定する「最大負荷能力」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、或いはETRTOで規定する「LOAD CAPACITY」である。また、図2では、トレッド幅TWの範囲内でのキャップトレッド21とアンダートレッド22との形態を明確にするために、トレッド幅TWの範囲内に位置するキャップトレッド21とアンダートレッド22とに、ハッチングを施している。
また、増厚領域31、センター領域32、接地端側領域33の各領域は、トレッド幅TWに対する接地面10上におけるそれぞれの範囲の境界から、タイヤ内面11に対して垂直に延ばした線によって囲まれる領域になっている。具体的には、増厚領域31は、接地面10上におけるタイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向にトレッド幅TWの22%の位置からタイヤ内面11に対して垂直に延ばした線と、接地面10上におけるタイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向にトレッド幅TWの38%の位置からタイヤ内面11に対して垂直に延ばした線との間に位置する領域になっている。また、センター領域32は、接地面10上におけるタイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向両側に向かってそれぞれトレッド幅TWの15%の位置からタイヤ内面11に対して垂直に延ばした2本の線の間に位置する領域になっている。また、接地端側領域33は、接地面10上におけるタイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向にトレッド幅TWの45%の位置からタイヤ内面11に対して垂直に延ばした線と、接地面10上におけるタイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向にトレッド幅TWの50%の位置からタイヤ内面11に対して垂直に延ばした線との間に位置する領域になっている。
アンダートレッド22が有する増厚部23は、アンダートレッド22における、増厚領域31よりもタイヤ幅方向内側に位置するセンター領域32での最大厚さの1.3倍以上の厚さで、且つ、増厚領域31よりもタイヤ幅方向外側に位置する接地端側領域33での最大厚さの1.3倍以上の厚さとなる部分になっている。
一方、キャップトレッド21は、タイヤ幅方向においてアンダートレッド22の増厚部23が形成されている位置では、アンダートレッド22の増厚部23が形成されている位置以外の位置と比較して、厚さが薄くなっている。換言すると、タイヤ幅方向における増厚部23が形成されている位置では、増厚部23が形成されている位置以外の位置と比較して、キャップトレッド21とアンダートレッド22とを合わせた厚さにおける、アンダートレッド22の厚さの割合が大きくなっている。これにより、トレッド部2は、アンダートレッド22に増厚部23が形成されつつ、キャップトレッド21とアンダートレッド22とを合わせた厚さが、増厚部23が形成される位置のタイヤ幅方向における両側にかけて一定の厚さ、或いは連続的に変化する厚さになっている。
なお、この場合におけるアンダートレッド22の厚さは、アンダートレッド22のタイヤ径方向内側の面とタイヤ径方向外側の面との距離になっている。つまり、ベルト補強層8が配設されている範囲では、アンダートレッド22の厚さは、ベルト補強層8とアンダートレッド22との境界面と、アンダートレッド22のタイヤ径方向外側の面との距離になっている。また、増厚部23は、アンダートレッド22におけるセンター領域32に位置する部分の最大厚さと、接地端側領域33に位置する部分の最大厚さとに対して1.3倍以上であればよく、アンダートレッド22における増厚領域31とセンター領域32との間の部分、及び増厚領域31と接地端側領域33との間の部分の厚さと、増厚部23の厚さとの関係は問わない。
これらのように規定されるアンダートレッド22の増厚部23は、タイヤ幅方向におけるタイヤ赤道面CLの両側に設けられており、即ち、増厚部23は、タイヤ赤道面CLのタイヤ幅方向両側2箇所の増厚領域31に、それぞれ形成されている。2箇所の増厚領域31にそれぞれ形成される増厚部23は、タイヤ幅方向における幅が、それぞれの増厚部23が位置する増厚領域31の、接地面10上でのタイヤ幅方向における幅WAよりも小さくなっており、増厚部23の全てが、増厚領域31内に位置している。
なお、アンダートレッド22の増厚部23は、増厚領域31内に、タイヤ幅方向における幅が接地面10上での増厚領域31のタイヤ幅方向における幅WAに対して80%以上となる範囲に形成されているのが望ましい。これらのように形成される増厚部23は、タイヤ子午断面における形状が実質的に同じ形状で、タイヤ周方向の全周に亘って形成されている。
また、アンダートレッド22の増厚部23は、複数の増厚部23のタイヤ幅方向における総幅が、トレッド幅TWの15%以上30%以下の範囲内になっている。つまり、増厚部23は、2箇所の増厚部23のうちの一方の増厚部23のタイヤ幅方向における幅をP1とし、他方の増厚部23のタイヤ幅方向における幅をP2とする場合に、2箇所の増厚部23の総幅P1+P2が、トレッド幅TWの15%以上30%以下の範囲内になっている。
図3は、図2のA部詳細図である。増厚部23を有するアンダートレッド22は、増厚部23の最大厚さh1と、センター領域32における最大厚さh2とが、1.5≦(h1/h2)≦3.0の関係を満たしている。また、アンダートレッド22は、増厚部23の最大厚さh1と、接地端側領域33における最大厚さh3とが、1.5≦(h1/h3)≦3.0の関係を満たしている。即ち、アンダートレッド22の増厚部23は、アンダートレッド22におけるセンター領域32に位置する部分の最大厚さh2と、接地端側領域33に位置する部分の最大厚さh3とのいずれに対しても、厚さが1.5倍以上3.0倍以下の範囲内になっている。
なお、アンダートレッド22におけるセンター領域32に位置する部分の最大厚さh2と接地端側領域33に位置する部分の最大厚さh3とは、いずれも1.0mm以上3.0mm以下の範囲内であるのが望ましい。また、増厚部23の最大厚さh1は、1.5mm以上9.0mm以下の範囲内であるのが望ましい。
また、アンダートレッド22の増厚部23は、タイヤ赤道面CLから、増厚部23のタイヤ幅方向における中心である増厚部中心CPまでの距離DPが、トレッド幅TWの25%以上35%以下の範囲内となる位置に配置されるのが望ましい。
また、アンダートレッド22における、増厚部23と、増厚部23以外の部分との境界に位置する境界部24は、タイヤ幅方向において増厚部23から離れた位置から増厚部中心CP側に向かうに従って、厚さが徐々に厚くなって形成されている。つまり、増厚部23と、増厚部23以外の部分との境界部24は、タイヤ幅方向における増厚部23から離れた位置から増厚部中心CP側に向かうに従って、タイヤ径方向における厚さが漸増する方向に、タイヤ径方向とタイヤ幅方向との双方に対して傾斜している。
本実施形態に係る空気入りタイヤ1を車両に装着する際には、ビード部5にリムホイールを嵌合することによってリムホイールに空気入りタイヤ1をリム組みし、内部に空気を充填してインフレートした状態で車両に装着する。空気入りタイヤ1を装着した車両が走行すると、接地面10のうち下方に位置して路面に対向する部分が路面に接触しながら当該空気入りタイヤ1は回転する。車両は、接地面10と路面との間の摩擦力により、駆動力や制動力を路面に伝達したり、旋回力を発生させたりすることにより走行する。
例えば、空気入りタイヤ1を装着した車両で乾燥した路面を走行する場合には、主に接地面10と路面との間の摩擦力により、駆動力や制動力を路面に伝達したり、旋回力を発生させたりすることにより走行する。また、濡れた路面を走行する際には、接地面10と路面との間の水が、接地面10に形成される周方向溝やラグ溝等の溝に入り込み、これらの溝で接地面10と路面との間の水を排水しながら走行する。これにより、接地面10は路面に接地し易くなり、接地面10と路面との間の摩擦力により、車両は所望の走行をすることが可能になる。
また、トレッド部2を構成するアンダートレッド22は、増厚部23を有しており、増厚部23は、タイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向にトレッド幅TWの22%以上38%以下の範囲内の領域である増厚領域31に、少なくとも一部が位置している。これにより、空気入りタイヤ1の転動時における撓みの変形による振動を安定させることができ、振動が不安定になることに起因してロードノイズが大きくなることを抑制することができる。
図4は、図2に示すアンダートレッド22と断面2次固有振動モードでの振幅の大きさとの関係を示す説明図である。空気入りタイヤ1の転動時には、路面への接地面10の接地と離間とを繰り返しながら回転するため、空気入りタイヤ1は、トレッド部2が繰り返し撓みながら回転する。これにより、トレッド部2は、空気入りタイヤ1の転動時における撓みによって、いわゆる定常波の形態で振幅が繰り返されて振動する。空気入りタイヤ1の転動時には、このようにトレッド部2は定常波の形態で振動するため、トレッド部2の振動状態を表す断面2次固有振動モードでの、トレッド部2の振動波Vの振幅の大きさは、タイヤ幅方向における位置によって異なる。
断面2次固有振動モードでの振動波Vの振幅の大きさは、図4に示すように、タイヤ赤道面CL付近が最も大きく、タイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向外側に向かうに従って小さくなり、タイヤ赤道面CLと接地端Tとの間の範囲におけるタイヤ幅方向の中央付近からタイヤ幅方向外側に向かうに従って大きくなる。つまり、断面2次固有振動モードでは、タイヤ赤道面CL付近に、振動波Vの振幅が最も大きくなる、定常波のいわゆる腹Vaが位置し、タイヤ赤道面CLと接地端Tとの間の範囲におけるタイヤ幅方向の中央付近に、振動波Vの振幅が最も小さくなる節Vnが位置している。また、振動波Vの節Vnは、タイヤ幅方向におけるタイヤ赤道面CLの両側に位置しており、2箇所の節Vnは、それぞれタイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向にトレッド幅TWの22%以上38%以下の範囲内に位置している。
アンダートレッド22の増厚部23は、タイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向にトレッド幅TWの22%以上38%以下の範囲内の領域である増厚領域31の少なくとも一部に設けられているため、増厚部23は、断面2次固有振動モードにおける振動波Vの節Vnに位置していることになる。これにより、トレッド部2は、断面2次固有振動モードにおける振動波Vの節Vnに相当する位置付近の剛性が高くなっており、節Vnの位置では変形し難くなっている。つまり、トレッド部2は、キャップトレッド21よりもアンダートレッド22の方がゴム硬さが硬くなっており、増厚部23は、相対的にゴム硬さが硬いアンダートレッド22に形成されている。このため、トレッド部2における、タイヤ幅方向において増厚部23が形成される位置は、増厚部23が形成される位置以外の位置と比較して剛性が高くなっている。空気入りタイヤ1は、トレッド部2において相対的に剛性が高くなる増厚部23のタイヤ幅方向における位置を、節Vnのタイヤ幅方向における位置に近付けることにより、節Vnの位置でのトレッド部2の変形を低減することができる。このため、空気入りタイヤ1の転動時に、断面2次固有振動モードにおける振動波Vの節Vnの部分でトレッド部2が振動し易くなることを抑制でき、断面2次固有振動モードの周波数を高くすることができるため、ロードノイズを低減することができる。特に、中周波帯域のロードノイズである中周波ロードノイズを低減することができる。
また、ロードノイズを低減するにあたって、ベルト層7によって剛性を調整するではなくて、トレッド部2が有するアンダートレッド22に増厚部23を設けることにより、断面2次固有振動モードにおける振動波Vの節Vnの位置の剛性を高めているため、空気入りタイヤ1の他の性能への影響を軽減することができる。つまり、ベルト層7は、トレッド部2の剛性を確保するための部材として設けられているため、トレッド部2の剛性を高める際には、ベルト層7の剛性を高めるのが効果的であるが、ベルト層7はゴム単体と比較して剛性が大幅に高いため、ベルト層7の剛性を高めることによってトレッド部2の剛性を高める場合、所望の位置以外の剛性も高くなってしまう虞がある。このため、トレッド部2の、断面2次固有振動モードにおける振動波Vの節Vnの位置の剛性を高める際に、節Vnの位置に相当するベルト層7の剛性を高めた場合、節Vnの位置に相当する剛性のみでなく、その周囲の位置の剛性も高くなってしまう虞がある。また、トレッド部2における節Vnの位置に相当する位置の剛性も、高くなり過ぎてしまう虞がある。この場合、トレッド部2の剛性のバランスが悪化し、これに起因して空気入りタイヤ1の転動時における転がり抵抗が悪化する虞がある。
これに対し、アンダートレッド22は、ベルト層7と比較して剛性が低いため、アンダートレッド22に増厚部23を設けることによって、断面2次固有振動モードにおける振動波Vの節Vnの位置の剛性を高めた場合、トレッド部2における節Vnの位置に相当する部分の剛性のみを適度に高めることができる。これにより、トレッド部2の剛性のバランスが悪化して転がり抵抗が悪化することを抑制することができる。これらの結果、転がり抵抗が悪化することを抑制しつつロードノイズを低減することができる。
また、アンダートレッド22において、厚さを厚くする部分のタイヤ幅方向における幅が大き過ぎる場合、トレッド部2の剛性が高くなり過ぎる虞があるが、トレッド部2の剛性が高くなり過ぎると、接地面10が路面に接地した際に、トレッド部2が路面から受ける衝撃が、顕著になり易くなる。即ち、トレッド部2の剛性が高くなり過ぎると、路面からの衝撃をトレッド部2の弾力性よって吸収し難くなり、トレッド部2の路面緩衝効果が低減する。このため、トレッド部2の剛性が高くなり過ぎると、接地面10が接地した際の衝撃音が大きくなり易くなるため、ロードノイズを低減し難くなる。
これに対し、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、アンダートレッド22の増厚部23は増厚領域31内に位置するため、アンダートレッド22に増厚部23を設けることに起因してトレッド部2の剛性が高くなり過ぎることを抑制することができる。これにより、アンダートレッド22に増厚部23を設けることによって中周波ロードノイズを低減する際に、トレッド部2の路面緩衝効果が低減することを抑制することができる。この結果、より確実にロードノイズを低減することができる。
また、増厚部23は、アンダートレッド22における、センター領域32に位置する部分の厚さと、接地端側領域33に位置する部分の厚さとよりも厚さが厚いため、トレッド部2における増厚領域31の剛性を、増厚領域31以外の部分の剛性と比較して、より確実に高くすることができる。これにより、トレッド部2における、断面2次固有振動モードの振動波Vの節Vnに相当する位置の剛性を、これ以外の位置の剛性と比較して、より確実に高くすることができ、振動波Vの節Vnの部分でのトレッド部2の振動を、より確実に抑制することができる。この結果、より確実にロードノイズを低減することができる。
また、アンダートレッド22は、増厚部23の最大厚さh1と、センター領域32における最大厚さh2と、接地端側領域33における最大厚さh3とが、1.5≦(h1/h2)≦3.0、且つ、1.5≦(h1/h3)≦3.0の関係を満たすため、トレッド部2の剛性が高くなり過ぎること抑制しつつ、断面2次固有振動モードにおける振動波Vの節Vnの位置でのトレッド部2の振動を抑えることができる。つまり、増厚部23の最大厚さh1と、センター領域32における最大厚さh2との関係が(h1/h2)<1.5であったり、増厚部23の最大厚さh1と、接地端側領域33における最大厚さh3との関係が(h1/h3)<1.5であったりする場合は、増厚部23の最大厚さh1が薄過ぎるため、アンダートレッド22に増厚部23を設けても、増厚部23の位置の剛性を向上させるのが困難になる虞がある。この場合、断面2次固有振動モードにおける振動波Vの節Vnの位置でのトレッド部2の剛性を確保するのが困難になり、この位置でのトレッド部2の振動を効果的に抑えるのが困難になる虞がある。また、増厚部23の最大厚さh1と、センター領域32における最大厚さh2との関係が(h1/h2)>3.0であったり、増厚部23の最大厚さh1と、接地端側領域33における最大厚さh3との関係が(h1/h3)>3.0であったりする場合は、増厚部23の最大厚さh1が厚過ぎるため、トレッド部2における増厚部23が形成されている位置の剛性が高くなり過ぎる虞がある。この場合、トレッド部2の剛性が高くなり過ぎることに起因してトレッド部2の路面緩衝効果が低減する虞があり、接地面10が接地した際の衝撃音が大きくなり易くなるため、アンダートレッド22に増厚部23を設けても、ロードノイズを低減するのが困難になる虞がある。
これに対し、アンダートレッド22は、増厚部23の最大厚さh1と、センター領域32における最大厚さh2と、接地端側領域33における最大厚さh3との関係が、1.5≦(h1/h2)≦3.0、且つ、1.5≦(h1/h3)≦3.0を満たす場合は、アンダートレッド22に適度な厚さで増厚部23を設けることができるため、トレッド部2の剛性が高くなり過ぎること抑制しつつ、断面2次固有振動モードにおける振動波Vの節Vnの位置でのトレッド部2の振動を、効果的に抑えることができる。この結果、より確実にロードノイズを低減することができる。
また、アンダートレッド22の増厚部23は、タイヤ幅方向におけるタイヤ赤道面CLの両側に設けられ、且つ、複数の増厚部23のタイヤ幅方向における総幅が、トレッド幅TWの15%以上30%以下の範囲内であるため、トレッド部2が節Vnの位置で振動し易くなることを、より確実に抑制することができる。つまり、増厚部23の総幅がトレッド幅TWの15%未満である場合は、増厚部23の総幅が狭過ぎるため、アンダートレッド22に増厚部23を設けてもトレッド部2の剛性を確保し難くなる虞がある。この場合、増厚部23を設けても、断面2次固有振動モードの節Vnの位置でトレッド部2が振動し易くなることを抑制し難くなる虞がある。また、増厚部23の総幅がトレッド幅TWの30%を超える場合は、増厚部23の総幅が広過ぎるため、断面2次固有振動モードの節Vn以外の位置のトレッド部2の剛性を、増厚部23によって高めてしまう虞がある。この場合、トレッド部2における断面2次固有振動モードの節Vnの位置の剛性と、節Vn以外の位置の剛性との差が低減するため、空気入りタイヤ1の転動時に、トレッド部2は、節Vn以外の位置のみでなく、節Vnの位置でも振動し易くなる虞がある。
これに対し、複数の増厚部23の総幅が、トレッド幅TWの15%以上30%以下の範囲内である場合は、トレッド部2における節Vnの位置での剛性を、節Vn以外の位置の剛性に対してより確実に高めることができ、節Vnの位置で振動し易くなることを、より確実に抑制することができる。これにより、断面2次固有振動モードの周波数をより確実に高くすることができ、より確実にロードノイズを低減することができる。
また、アンダートレッド22の増厚部23は、増厚領域31内に、増厚領域31のタイヤ幅方向における幅WAの80%以上の範囲に形成されているため、断面2次固有振動モードにおける振動波Vの節Vnの位置でのトレッド部2の剛性を、より確実に高めることができる。これにより、トレッド部2が節Vnの位置で振動し易くなることを、より確実に抑制することができ、断面2次固有振動モードの周波数を、より確実に高くすることができる。この結果、より確実にロードノイズを低減することができる。
[変形例]
なお、上述した実施形態の説明では、トレッド部2に形成される溝について省略して説明しているが、トレッド部2に溝が形成される場合でも、アンダートレッド22には、増厚領域31の少なくとも一部に増厚部23が設けられる。図5は、実施形態に係る空気入りタイヤ1の変形例であり、トレッド部2に形成される周方向溝40とアンダートレッド22の増厚部23との関係についての説明図である。トレッド部2の接地面10に、例えば、図5に示すように、タイヤ周方向に延びる周方向溝40が複数形成される場合において、一部の周方向溝40が増厚領域31に位置する場合でも、アンダートレッド22には、増厚領域31に位置する周方向溝40のタイヤ径方向内側に増厚部23が形成される。この場合における増厚部23は、図5に示すように、周方向溝40のタイヤ径方向内側の位置も含めて、アンダートレッド22におけるセンター領域32に位置する部分や接地端側領域33に位置する部分の厚さよりも厚さが厚くなって形成されるのが好ましい。
なお、増厚領域31に周方向溝40が位置する場合は、アンダートレッド22はこれ以外の形態であってもよく、アンダートレッド22における、増厚領域31に位置する周方向溝40のタイヤ径方向内側の位置では、厚さがアンダートレッド22のセンター領域32での最大厚さや接地端側領域33での最大厚さに対して、1.3倍未満であってもよい。即ち、増厚部23は、1つの増厚領域31の範囲内に複数が離間して配設されていてもよい。
また、上述した実施形態では、アンダートレッド22の増厚部23は、全て増厚領域31の範囲内に位置しているが、増厚部23は、増厚領域31の範囲外に形成されていてもよい。図6〜図8は、実施形態に係る空気入りタイヤ1の変形例であり、増厚部23が増厚領域31の範囲外にも形成される場合の説明図である。アンダートレッド22の増厚部23は、例えば、図6に示すように、増厚部23のタイヤ幅方向内側に位置する境界部24が、増厚領域31とセンター領域32との間に位置していてもよく、図7に示すように、増厚部23のタイヤ幅方向外側に位置する境界部24が、増厚領域31と接地端側領域33との間に位置していてもよい。または、アンダートレッド22の増厚部23は、図8に示すように、増厚部23のタイヤ幅方向内側に位置する境界部24が増厚領域31とセンター領域32との間に位置し、増厚部23のタイヤ幅方向外側に位置する境界部24が増厚領域31と接地端側領域33との間に位置していてもよい。アンダートレッド22の増厚部23は、少なくとも一部が増厚領域31の範囲内に設けられていれば、増厚領域31の範囲外に形成されていてもよい。
また、上述した実施形態では、アンダートレッド22の増厚部23は、タイヤ幅方向におけるタイヤ赤道面CLの両側2箇所に設けられているが、増厚部23は、2箇所以外であってもよい。増厚部23は、少なくともタイヤ幅方向におけるタイヤ赤道面CLの一方側に位置する増厚領域31の範囲内に、少なくとも一部が位置していれば、その数は問わない。また、アンダートレッド22の増厚部23が、タイヤ赤道面CLの両側に位置する増厚領域31のうち、一方の増厚領域31の範囲内に位置し、他方の増厚領域31の範囲内に位置しない場合は、トレッド部2における当該他方の増厚領域31側は、アンダートレッド22の増厚部23以外によって剛性を高めてもよい。トレッド部2における、増厚部23が位置しない側の増厚領域31は、例えば、ベルト層7によって剛性を高めてもよい。また、タイヤ赤道面CLの両側に増厚部23が設けられる場合は、タイヤ赤道面CLからのタイヤ幅方向における距離や、タイヤ幅方向における幅は、複数の増厚部23で互いに異なっていてもよい。
[実施例]
図9A、図9Bは、空気入りタイヤの性能評価試験の結果を示す図表である。以下、上記の空気入りタイヤ1について、従来例の空気入りタイヤと、本発明に係る空気入りタイヤ1と、本発明に係る空気入りタイヤ1と比較する比較例の空気入りタイヤとについて行なった性能の評価試験について説明する。性能評価試験は、空気入りタイヤ1の転動時におけるロードノイズと、転がり抵抗とについての試験を行った。
性能評価試験は、JATMAで規定されるタイヤの呼びが195/65R15サイズの空気入りタイヤ1を、リムサイズ15×6JのJATMA標準のリムホイールにリム組みし、空気圧を250kPaに調整して行った。
各試験項目の評価方法は、ロードノイズについては、排気量が1.8Lの前輪駆動の試験車両に試験タイヤを装着し、1名乗車の試験車両でテストコースのロードノイズ路を60km/hの速度で走行した際のロードノイズレベルを、テストドライバーの官能評価により比較した。ロードノイズは、テストドライバーの官能評価を、後述する従来例を100として指数で表すことによって評価し、指数が大きいほどロードノイズが小さく、ロードノイズ性能に優れていることを示している。
また、転がり抵抗については、室内のドラム試験機(ドラム径:1707mm)を使用し、ISO28580に準拠し荷重4.8kN、速度80km/時の条件における転がり抵抗係数を算出した。その結果を、後述する従来例の転がり抵抗係数の逆数を100とする指数で示した。この指数が大きいほど転がり抵抗が低いことを示している。
性能評価試験は、従来の空気入りタイヤの一例である従来例の空気入りタイヤと、本発明に係る空気入りタイヤ1である実施例1〜9と、本発明に係る空気入りタイヤ1と比較する空気入りタイヤである比較例1、2との12種類の空気入りタイヤについて行った。このうち、従来例の空気入りタイヤは、アンダートレッド22のゴム硬さがキャップトレッド21のゴム硬さよりも硬くなっておらず、アンダートレッド22に増厚部23が設けられていない。また、比較例1の空気入りタイヤは、アンダートレッド22のゴム硬さがキャップトレッド21のゴム硬さよりも硬くなっているものの、アンダートレッド22に増厚部23が設けられていない。また、比較例2の空気入りタイヤは、アンダートレッド22のゴム硬さがキャップトレッド21のゴム硬さよりも硬くなっており、アンダートレッド22に増厚部23が設けられているものの、増厚部23が増厚領域31の範囲内に位置していない。
これに対し、本発明に係る空気入りタイヤ1の一例である実施例1〜9は、全てアンダートレッド22のゴム硬さがキャップトレッド21のゴム硬さよりも硬くなっており、アンダートレッド22に増厚部23が設けられており、増厚部23は少なくとも一部が増厚領域31の範囲内に位置している。さらに、実施例1〜9に係る空気入りタイヤ1は、トレッド幅TWに対する増厚部23の総幅の比[%]、増厚部23の最大厚さh1/アンダートレッド22のセンター領域32における最大厚さh2、増厚部23の最大厚さh1/アンダートレッド22の接地端側領域33における最大厚さh3が、それぞれ異なっている。
これらの空気入りタイヤ1を用いて性能評価試験を行った結果、図9A、図9Bに示すように、実施例1〜9に係る空気入りタイヤ1は、比較例1、2とは異なり、従来例に対して転がり抵抗が大きくなることを抑制しつつ、ロードノイズを低減させることができることが分かった。つまり、実施例1〜9に係る空気入りタイヤ1は、転がり抵抗が悪化することを抑制しつつロードノイズを低減することができる。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 ショルダー部
4 サイドウォール部
5 ビード部
6 カーカス層
7 ベルト層
7a、7b ベルト
8 ベルト補強層
8a ベルトカバー
8b エッジカバー
9 インナーライナ
10 接地面
11 タイヤ内面
15 ビードコア
16 ビードフィラー
21 キャップトレッド
22 アンダートレッド
23 増厚部
24 境界部
28 ウイングチップ
31 増厚領域
32 センター領域
33 接地端側領域
40 周方向溝

Claims (4)

  1. キャップトレッドと、前記キャップトレッドを構成するゴムよりも硬さが硬いゴムからなり、前記キャップトレッドのタイヤ径方向内側に配設されるアンダートレッドとが積層されるトレッド部を備えた空気入りタイヤであって、
    前記アンダートレッドは、タイヤ幅方向中心からタイヤ幅方向にトレッド幅の22%以上38%以下の範囲内の領域である増厚領域の少なくとも一部に、前記アンダートレッドにおける前記増厚領域よりもタイヤ幅方向内側に位置する部分の厚さと、前記アンダートレッドにおける前記増厚領域よりもタイヤ幅方向外側に位置する部分の厚さとよりも、厚さが厚い増厚部を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記増厚部は、前記アンダートレッドにおける、前記タイヤ幅方向中心からタイヤ幅方向に前記トレッド幅の15%以下の範囲内の領域であるセンター領域に位置する部分の厚さと、前記タイヤ幅方向中心からタイヤ幅方向に前記トレッド幅の45%以上50%以下の範囲内の領域である接地端側領域に位置する部分の厚さとよりも、厚さが厚い請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記アンダートレッドは、
    前記増厚部の最大厚さh1と、
    前記センター領域における最大厚さh2と、
    前記接地端側領域における最大厚さh3とが、
    1.5≦(h1/h2)≦3.0、且つ、1.5≦(h1/h3)≦3.0の関係を満たす請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記増厚部は、タイヤ幅方向における前記タイヤ幅方向中心の両側に設けられ、且つ、複数の前記増厚部のタイヤ幅方向における総幅が、前記トレッド幅の15%以上30%以下の範囲内である請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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