JP2002167342A - アダマンタンジオール類の製造方法 - Google Patents

アダマンタンジオール類の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アダマンタン類からアダマンタンジオー
ル類を高選択率かつ高収率で得る方法を提供する。 【解決手段】 水/有機溶媒2相系中、ルテニウム化合
物及び次亜塩素酸塩の存在下で、アダマンタン類を水酸
化してアダマンタンジオール類を製造する方法におい
て、水酸化反応中、水相中の次亜塩素酸塩濃度を一定範
囲に維持することを特徴とするアダマンタンジオール類
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高機能性ポリマ
ー、合成潤滑油や可塑剤などの原料、あるいは医農薬等
の有機薬品の中間体として有用なアダマンタンジオール
類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは、特開2000−2196
46号公報(米国特許第6,187,967号)におい
て、水/有機溶媒2相系中、ルテニウム化合物触媒の存
在下で、次亜塩素酸又はその塩によりアダマンタン類を
水酸化してアダマンタノール類を製造する方法を提案し
た。この方法は、好ましくは反応液のpH0.1〜11
で次亜塩素酸又はその塩を滴下するもので、アダマンタ
ノール類を選択的かつ高収率で得ることができる。しか
し、本方法は、反応液の組成が異なると水酸化反応の最
適pHが変化するため、反応の制御が難しいという問題
があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、より的確か
つ容易に水酸化反応の条件を最適化することによってア
ダマンタンジオール類を高選択率かつ高収率で得ること
ができる製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、水/有機
溶媒2相系中、ルテニウム化合物を触媒として用い、次
亜塩素酸塩によりアダマンタン類を水酸化するアダマン
タンジオール類の製造方法について鋭意検討した結果、
水相中の次亜塩素酸塩濃度を0.001〜0.5mmo
l/gの範囲内に維持しながら反応することによりアダ
マンタンジオール類が選択的かつ高収率で得ることがで
きることを見出した。本発明者等は、さらに、次亜塩素
酸塩濃度の変化量を0.1mmol/g以下に制御しな
がら反応することによりアダマンタンジオール類をさら
に効率よく得ることができることを見出し、本発明に到
達した。
【0005】すなわち、本発明は、水/有機溶媒2相系
中、ルテニウム化合物及び次亜塩素酸塩の存在下で、ア
ダマンタン類を水酸化してアダマンタンジオール類を製
造する方法において、水酸化反応中、水相中の次亜塩素
酸塩濃度を一定範囲に維持することを特徴とするアダマ
ンタンジオール類の製造方法に関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において原料として用いら
れるアダマンタン類は、下記一般式で表されるものであ
る。
【0007】
【化2】 (式中、Rはそれぞれ独立に、アルキル基、アリール
基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アシルオキシ基またはハロゲン原子を示し、nは0
〜14の整数を表す。ただし、少なくとも2の橋頭炭素
原子はRにより置換されていない。)
【0008】ここでアルキル基は、メチル、エチル、プ
ロピル、ブチル、ヘキシル基などの炭素数1〜10アル
キル基、好ましくは炭素数1〜6アルキル基、特に好ま
しくは炭素数1〜4アルキル基である。アリール基は、
フェニル基、ナフチル基等であり、シクロアルキル基
は、シクロヘキシル、シクロオクチル基等である。アル
コキシ基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキ
シ、ヘキシルオキシ基等の炭素数1〜10アルコキシ基
である。アリールオキシ基は、例えば、フェノキシ基等
である。アシルオキシ基は、アセチルオキシ、プロピオ
ニルオキシ、ブチリルオキシ基等の炭素数2〜6アシル
オキシ基である。ハロゲン原子は、塩素、臭素、ヨウ素
等である。
【0009】本発明のアダマンタンジオール類は、1,
3−アダマンタンジオール、1,2−アダマンタンジオ
ール、1,4−アダマンタンジオールが挙げられ、これ
らは前記Rで置換されていてもよい。
【0010】本発明では、ルテニウム化合物と次亜塩素
酸塩との反応により生成した高酸化状態のルテニウム
(VI〜VIII)化合物により、アダマンタン類を水酸化す
る。ルテニウム化合物としては、ルテニウム金属、二酸
化ルテニウム、四酸化ルテニウム、水酸化ルテニウム
(III)、塩化ルテニウム(III)、臭化ルテニウム(II
I)、ヨウ化ルテニウム(III)、硫酸ルテニウム(IV)
またはそれらの水和物等を単独または混合物で用いるこ
とができる。ルテニウム化合物は、原料のアダマンタン
類1モルに対して0.001〜2.0モル、より好まし
くは0.05〜0.4の割合で使用する。使用量がこの
範囲より少ないと反応速度が低下し、多いと高価なルテ
ニウム化合物を多量に使用することになり、共に工業的
見地から好ましくない。
【0011】本発明で用いる次亜塩素酸塩としては、次
亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸リチウム、次亜塩素酸
カリウム、および次亜塩素酸カルシウムが挙げられ、次
亜塩素酸ナトリウムが好ましい。次亜塩素酸塩は、6〜
35重量%の水溶液として使用する。次亜塩素酸塩水溶
液の濃度が6重量%より低いと水相の量が多くなり、生
成物の水相からの抽出効率が低下し、廃液処理にも負担
をかける。一方、次亜塩素酸塩水溶液の濃度が35重量
%より高いと副反応が起こりやすくなりアダマンタンジ
オール類の収率が低下する。
【0012】本発明の方法において、次亜塩素酸塩の添
加量は、アダマンタン類1モルに対し、1.5〜4.0
モル、好ましくは2.0〜3.0モルの範囲とする。次
亜塩素酸塩の添加量が1.5モルより少ない場合は未反
応の基質あるいはアダマンタンモノオール類が大量に残
り、アダマンタンジオール類の選択率が低い。一方、添
加量が4.0モルより多い場合は、アダマンタントリオ
ール類生成などの副反応の割合が増え、やはりアダマン
タンジオール類の選択率が低下する。
【0013】本発明の方法において、高選択率かつ高収
率でアダマンタンジオール類を得るためには、水酸化反
応中、水相の次亜塩素酸塩濃度を一定範囲に制御するこ
とが重要である。すなわち、水相中の次亜塩素酸塩濃度
を、好ましくは0.001〜0.5mmol/g、より
好ましくは0.001〜0.2mmol/gの範囲に調
節する。次亜塩素酸塩濃度が0.5mmol/gを超え
ると、塩素化などの副反応が起こるため収率良くアダマ
ンタンジオール類を得ることができない。また、次亜塩
素酸塩濃度が0.001mmol/gを下回ると、添加
する次亜塩素酸塩の分解が促進されるため効率が低下す
る。さらに、水相の次亜塩素酸塩の濃度変化は、0.1
mmol/g以下になるように調節することが好まし
い。
【0014】水相中の次亜塩素酸塩の濃度は、直接的に
測定するか、直接測定できない場合は、次亜塩素酸塩の
濃度が反映される計測値を用いて間接的に調整してもよ
い。間接的な方法として、水素イオン濃度、酸化還元電
位、吸光度等を測定しそれぞれの値を範囲内に調節す
る。
【0015】具体的には、(1)予め測定した反応速度
に基づき時間あたりの消費量を計算し次亜塩素酸塩注入
用定量ポンプで見合う分を添加する、(2)ORPコン
トローラに次亜塩素酸塩注入用定量ポンプを接続、一定
電位を維持するよう次亜塩素酸塩溶液を注入する、
(3)pHコントローラに次亜塩素酸塩注入用定量ポン
プを接続し注入する等の方法がある。
【0016】pHによる調整法は、反応が進行し次亜塩
素酸塩が消費されると、それに伴い反応溶液のpHが下
がるという現象を利用したもので、pHが設定値より下
がると次亜塩素酸塩を添加するという手法により、水相
中の次亜塩素酸塩の濃度を簡便に調節することができ
る。但し、次亜塩素酸塩に含まれる遊離アルカリにより
pHが上昇するため、pHの設定値を段階的に変更す
る、若しくは、遊離アルカリと当量の酸を添加する必要
がある。
【0017】水酸化反応中のpHは2.5〜10、好ま
しくは3〜8の範囲で任意に選ぶことができる。pHが
10を超えると触媒活性の低い過ルテニウム酸イオンが
生成するため好ましくない。また、pHが2.5を下回
ると塩素が発生し、反応に悪影響を及ぼす。pHを2.
5〜10の範囲で、かつ、その変動範囲を±2.0以
内、好ましくは±0.5以内に制御することにより、水
相中の次亜塩素酸塩の濃度及びその変化量を上記の範囲
に制御することができる。反応開始時のpHを一定範囲
に維持するのが特に好ましい。
【0018】pH制御のために添加する酸としては、蟻
酸、酢酸、プロピオン酸等の水溶性有機酸、および塩
酸、硫酸、硝酸、リン酸等の水溶性無機酸のいずれでも
良いが、生成物の精製から考えると無機酸が好ましく、
反応に影響を与える可能性が低い塩酸が更に好ましい。
酸の濃度は、pH制御のし易さから0.1〜50重量%
が好ましいが0.5〜10重量%がより好ましい。
【0019】本発明において使用する有機溶媒として
は、水との相溶性が低く、高酸化状態のルテニウム化合
物の溶解性が高く、水酸化反応に対し不活性な溶媒を選
択する。相溶性が高いと溶媒回収コストが上昇し、高酸
化状態のルテニウム化合物の溶解性が低いと水酸化反応
が進行しにくくなる。そのような有機溶媒の例として
は、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロ
ホルム、四塩化炭素、1,1,2−トリクロロエタン、
1,4−ジクロロブタン、1,6−ジクロロヘキサンな
どのハロゲン化アルキル類;酢酸メチル、酢酸エチル、
酢酸イソプロピルなどのエステル類;ヘキサクロロベン
ゼン、1,1,1−三フッ化トルエンなどのハロゲン化
アリール類;及びヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの
炭化水素を挙げることができる。この中で1,2−ジク
ロロエタン、酢酸エチルが好ましい。これらの溶媒は、
単独でも2種以上の溶媒を混合した系でも使用できる。
溶媒は、原料として用いるアダマンタン類1重量部に対
して、0.1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部
の割合で使用する。また、水と有機溶媒の仕込み割合は
重量比で1:2〜1:20が好ましい。
【0020】反応温度は10〜100℃、好ましくは4
0〜70℃の範囲である。反応温度が10℃よりも低い
場合は反応速度が著しく低下し、100℃より高い場合
は、次亜塩素酸塩の分解や副反応の増加によるアダマン
タンジオール類選択率の低下が起こり、いずれも不利に
なる場合が多い。反応時間は、100〜500分が好ま
しい。使用する反応器は、特に制限はなく公知の攪拌機
付き反応器で行うことができる。
【0021】反応後の混合液にアルカリを添加し、ルテ
ニウム化合物を水相に分離後、反応液に炭素数4〜8の
アルコールを添加して抽出することにより、アダマンタ
ンジオール類とルテニウム化合物がそれぞれ有機相と水
相に分離され、濾過、濃縮、蒸留、晶析、再結晶等の公
知方法でアダマンタンジオール類が有機相から単離され
る。アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化リチウム、水酸化バリウム等の金属水酸化
物、またはテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テ
トラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピル
アンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウム
ヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキ
シドが挙げられる。この中で水酸化ナトリウム、水酸化
カリウムが好ましい。アルカリはそのまま添加しても、
水溶液として添加してもよい。抽出用のアルコールとし
ては、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−
1−プロパノール、1−ペンタノール、3−ペンタノー
ル、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブ
タノール、1−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタ
ノール、2−エチル−1−ブタノール、シクロヘキサノ
ール、1−ヘプタノール、1−オクタノールまたはベン
ジルアルコール等が挙げられる。この中で1−ブタノー
ル、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ブタノ
ール、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1
−ブタノール、ベンジルアルコールが好ましい。また、
水相のルテニウム化合物は還元され、黒色の不溶物とし
て沈殿するため、濾過により固体として回収でき、反応
に再利用することができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。但し、本発明はこれらの実施例により限定さ
れるものではない。 実施例1 攪拌機、温度計、ジムロート冷却器、pH電極をつけた
10Lの5つ口ジャケット付きフラスコにアダマンタン
408g(3mol)、酢酸エチル3000mL、塩化
ルテニウム・n水和物20g(二水和物82mmolに
相当)、水500gを仕込んだ後、46℃に加温した。
pH=4に調節してから12%次亜塩素酸ナトリウム水
溶液の滴下を開始した。滴下速度は予め測定した反応速
度から計算し400分で次亜塩素酸ナトリウム水溶液4
120g(7.5mol)を添加した。使用した次亜塩
素酸ナトリウム水溶液中の遊離アルカリは0.5%であ
った。反応中は、次亜塩素酸ナトリウム水溶液中の遊離
アルカリに相当する量の5%塩酸を加え、pHを4.0
〜4.5に維持した。この間の水相中の次亜塩素酸塩の
濃度変化は0.03〜0.09mmol/gであった。
【0023】次亜塩素酸ナトリウムの添加終了後、25
重量%NaOH水溶液80g、ヘキサノール3000m
Lを添加し有機相と水相を分離した。ガスクロマトグラ
フィーで分析した結果 、アダマンタンの転化率は10
0%、1−アダマンタノール収率は9%、1,3−アダ
マンタンジオール収率は70%、1,3,5−アダマン
タントリオール収率は14%であった。また水相を濾過
することによりルテニウム触媒を黒色沈殿物として回収
した。
【0024】実施例2 塩酸を添加しなかったこと以外は同様にして、実施例1
の反応を行った。水相中の次亜塩素酸塩の濃度変化は
0.028〜0.097mmol/g、pHは4.0〜
7.4であった。ガスクロマトグラフィーで分析した結
果、アダマンタンの転化率100%、1−アダマンタノ
ール収率は6%、1,3−アダマンタンジオール収率は
61%、1,3,5−アダマンタントリオール収率は1
2%であった。
【0025】実施例3 次亜塩素酸ナトリウムの滴下方法を変えた以外は、実施
例1と同様に行った。pHコントローラーに次亜塩素酸
ナトリウム注入用定量ポンプ及び塩酸注入用ポンプを接
続し、pH4を維持するように両者を滴下していき、次
亜塩素酸ナトリウム水溶液を4344g(7.5mo
l)添加した。水相中の次亜塩素酸塩の濃度変化は0.
015〜0.080mmol/gであった。反応後、2
5重量%NaOH水溶液54g、ヘキサノール3000
mLを添加し有機相と水相を分離した。ガスクロマトグ
ラフィーで分析した結果、アダマンタンの転化率100
%、1−アダマンタノール収率は5%、1,3−アダマ
ンタンジオール収率は70%、1,3,5−アダマンタ
ントリオール収率は14%であった。
【0026】実施例4 pHを6〜6.5に維持すること以外は、実施例3と同
様に行った。水相中の次亜塩素酸塩の濃度変化は0.0
040〜0.024mmol/gであった。ガスクロマ
トグラフィーで分析した結果、アダマンタンの転化率1
00%、1−アダマンタノール収率は9%、1,3−ア
ダマンタンジオール収率は65%、1,3,5−アダマ
ンタントリオール収率は13%であった。
【0027】実施例5 反応方法は、pHを8〜8.5に維持すること以外は、
実施例3と同様に行った。水相中の次亜塩素酸塩の濃度
変化は0.019〜0.088mmol/gであった。
ガスクロマトグラフィーで分析した結果、アダマンタン
の転化率100%、1−アダマンタノール収率は25
%、1,3−アダマンタンジオール収率は52%、1,
3,5−アダマンタントリオール収率は9%であった。
【0028】比較例1 次亜塩素酸ナトリウム水溶液の滴下以外は、実施例1と
同様に行った。次亜塩素酸ナトリウム水溶液4259g
(7.5mol)を一定速度36分間で滴下した。ま
た、pHを8〜8.5に維持するために塩酸を添加し
た。水相中の次亜塩素酸塩の濃度変化は0.55〜0.
67mol/gであった。ガスクロマトグラフィーで分
析した結果、アダマンタンの転化率75%、1−アダマ
ンタノール収率は25%、1,3−アダマンタンジオー
ル収率は4%、1,3,5−アダマンタントリオール収
率は0.3%であった。
【0029】
【発明の効果】次亜塩素酸塩の添加を水相中の次亜塩素
酸塩濃度が一定範囲内になるように制御することによっ
て、アダマンタン類の水酸化反応をより的確に制御する
ことができ、アダマンタンジオール類を高選択率(70
%以上)かつ高収率(70%以上)で得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 倉田 浩志 茨城県つくば市和台22番地 三菱瓦斯化学 株式会社総合研究所内 (72)発明者 古川 喜久夫 茨城県つくば市和台22番地 三菱瓦斯化学 株式会社総合研究所内 (72)発明者 新井 誉久 茨城県つくば市和台22番地 三菱瓦斯化学 株式会社総合研究所内 (72)発明者 水阪 哲彦 茨城県つくば市和台22番地 三菱瓦斯化学 株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC41 BA23 BA37 BC16 BC35 BE36 FC36 FE12 4H039 CA60 CC30

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水/有機溶媒2相系中、ルテニウム化合
    物及び次亜塩素酸塩の存在下で、アダマンタン類を水酸
    化してアダマンタンジオール類を製造する方法におい
    て、水酸化反応中、水相中の次亜塩素酸塩濃度を一定範
    囲に維持することを特徴とするアダマンタンジオール類
    の製造方法。
  2. 【請求項2】アダマンタン類が下記一般式で表されるこ
    とを特徴とする請求項1記載の製造方法。 【化1】 (式中、Rはそれぞれ独立に、アルキル基、アリール
    基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ
    基、アシルオキシ基またはハロゲン原子を示し、nは0
    〜14の整数を表す。ただし、少なくとも2の橋頭炭素
    原子はRにより置換されていない。)
  3. 【請求項3】 水相中の次亜塩素酸塩濃度が0.001
    〜0.5mmol/gであることを特徴とする請求項1
    又は2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 水相中の次亜塩素酸塩の濃度変化量が
    0.1mmol/g以下であることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 水相のpHを2.5〜10の範囲で水酸
    化することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 水相中のpHの変化量を一定範囲に維持
    することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 前記水相中のpHが、反応開始時のpH
    であることを特徴とする請求項6記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 pHの変化量が±2.0以内であること
    を特徴とする請求項6又は7記載の製造方法。
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