JP2003335770A - メバロラクトンの製造方法 - Google Patents

メバロラクトンの製造方法

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JP2003335770A
JP2003335770A JP2002142502A JP2002142502A JP2003335770A JP 2003335770 A JP2003335770 A JP 2003335770A JP 2002142502 A JP2002142502 A JP 2002142502A JP 2002142502 A JP2002142502 A JP 2002142502A JP 2003335770 A JP2003335770 A JP 2003335770A
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ruthenium
hypochlorite
mevalolactone
methyl
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JP2002142502A
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Tetsuhiko Suihan
哲彦 水阪
Minoru Tsunoda
稔 角田
Yoshio Nishimura
喜男 西村
Kikuo Furukawa
喜久夫 古川
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で入手し易い原料からメバロ
ラクトンを工業的に容易に製造する方法を提供する。 【解決手段】 3−メチル−1,5−ペンタンジ
オールをルテニウム化合物と次亜塩素酸塩類により酸化
してメバロラクトンを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬や農薬等の中
間体として、またエレクトロニクス関連におけるレジス
ト素材などとして有用であるメバロラクトンの新規な製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】メバロラクトンを製造する方法として
は、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオールから
(1)臭化ナトリウムなどの存在下、次亜塩素酸ナトリ
ウムを用いる方法(特開2000−38383号公
報)、(2)2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペ
リジニルオキシ類と次亜塩素酸を用いる方法(特開20
01−328984号公報)が公表されている。
【0003】上記(1)の方法は、反応時間が長いため
生産性が低いという問題点を有する。上記(2)の方法
は、反応系中で、不安定な次亜塩素酸を一旦遊離させな
ければならないため安全性に問題がある。また、上記方
法を含め一般的な製造法として高価で工業的に入手が難
しい3−メチルペンタン−1,3,5−トリオールを原
料としているなどの問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術における上記したような課題を解決し、メバロラク
トンの工業的な製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高価で工
業的に入手が難しい3−メチルペンタン−1,3,5−
トリオールの代替としてより安価で入手し易い3−メチ
ル−1,5−ペンタンジオールを原料とし、ルテニウム
触媒と次亜塩素酸塩類で酸化することにより容易にメバ
ロラクトンを製造できることを見出し、本発明を完成し
た。
【0006】すなわち、本発明は3−メチル−1,5−
ペンタンジオールをルテニウム化合物と次亜塩素酸塩類
により酸化することを特徴とするメバロラクトンの製造
方法に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いるルテニウム化合物
は、ルテニウム金属、二酸化ルテニウム、四酸化ルテニ
ウム、水酸化ルテニウム、フッ化ルテニウム、塩化ルテ
ニウム、臭化ルテニウム、ヨウ化ルテニウム、硫酸ルテ
ニウム、ジチオン酸ルテニウム、シアン化ルテニウムま
たはそれらの水和物などを単独または2種類以上混合し
て用いることができる。ルテニウム化合物は、原料の3
−メチル−1,5−ペンタンジオール1モルに対して
0.01モル以上、好ましくは0.03〜1モルの割合
で使用する。使用量がこの範囲より少ないと反応速度が
低下する。
【0008】本発明で用いる次亜塩素酸塩類としては、
次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素
酸アンモニウム、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸マ
グネシウムなどが挙げられるが、入手の容易さ、価格な
どから次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いることが好ま
しい。次亜塩素酸塩水溶液は、0.001〜4.0mm
ol/g、好ましくは1.0〜2.0mmol/gの濃
度に調整して使用する。次亜塩素酸塩水溶液の濃度がこ
の範囲より低いと水相の量が多くなり、釜効率が低下
し、廃液処理にも負担をかける。一方、次亜塩素酸塩水
溶液の濃度がこの範囲より高いと副反応が起こり、メバ
ロラクトンの収率が低下する。
【0009】次亜塩素酸塩類の添加量は、3−メチルペ
ンタン−1,5−ジオール1モルに対し、1.0〜1
0.0モルの範囲、好ましくは2.0〜6.0モルの範
囲とする。次亜塩素酸塩類の添加量がこの範囲より少な
い場合は反応が十分に進行しない。一方添加量がこの範
囲より多い場合は、分解を招き目的のメバロラクトンの
選択率が低下する。
【0010】本発明の方法において、ルテニウム化合物
と次亜塩素酸塩類共存下では、どんな状態でも3−メチ
ル−1,5−ペンタンジオールからメバロラクトンは生
成するが、高収率にメバロラクトンを得るためには、反
応溶液中の次亜塩素酸塩の濃度を調節すると良い。水相
中の次亜塩素酸塩の濃度は、0.001〜2mmol/
g、好ましくは0.01〜0.5mmol/gの範囲に
なるように調節する。
【0011】水相中の次亜塩素酸塩の濃度については、
直接的に測定するか、または、次亜塩素酸塩の濃度が反
映される計測値を用いて間接的に測定してもよい。間接
的な方法として、水素イオン濃度、酸化還元電位、吸光
度等を測定しそれぞれの値を範囲内に調節する方法が挙
げられる。
【0012】具体的には、pHコントローラに次亜塩
素酸塩水溶液注入用定量ポンプを接続、一定pHを維持
するように次亜塩素酸塩水溶液を注入する、ORPコ
ントローラに次亜塩素酸塩水溶液注入用定量ポンプを接
続、一定電位を維持するよう次亜塩素酸塩水溶液を注入
する、予め測定した反応速度に基づき時間あたりの消
費量を計算し定量ポンプで見合う分を添加する等の方法
がある。
【0013】反応中のpHは3〜10の範囲で任意に選
ぶことができる。pHが10を超えると触媒活性の低い
過ルテニウムイオンが生成するため好ましくない。ま
た、pHが3を下回ると次亜塩素酸塩類の分解により塩
素が発生するため、副反応が進行しメバロラクトンの収
率が低下する。反応の際、pHを調整するため酸を注入
しても良い。
【0014】添加する酸としては、水溶性の酸である蟻
酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、塩酸、硫酸、硝
酸、リン酸等の無機酸のいずれでも良いが、生成物の精
製から考えると無機酸が好ましく、反応に影響を与える
可能性が低い塩酸が更に好ましい。酸の濃度は、pH制
御のし易さから0.1〜50重量%が好ましいが0.5
〜20重量%がより好ましい。
【0015】本発明で用いる反応溶媒としては、反応に
対して不活性な溶媒ならば特に制限はないが、水との相
溶性が高く、高酸化状態のルテニウムの溶解性が高い溶
媒を選択すると良い。高酸化状態のルテニウムの溶解性
が低い溶媒では反応が進行しにくくなる。そのような有
機溶媒の例としては、ニトリル類[例えばアセトニトリ
ル、プロピオニトリル、スクシノニトリル]、エステル
類[例えばギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチルな
ど]、エーテル類[例えばテトラヒドロフラン、テトラ
ヒドロピラン、ジオキサン、トリオキサンなど]、アル
コール類[例えばメタノール、エタノール、プロパノー
ル、t−ブチルアルコールなど]、有機酸類[例えば、
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸など]の溶媒を挙げる
ことができる。これらの溶媒は、単独でも2種以上の溶
媒を混合した系でも使用できる。溶媒は、原料として用
いる3−メチル−1,5−ペンタンジオール1重量部に
対して0.1重量部以上、好ましくは1重量部以上の割
合で使用する。
【0016】反応温度は、反応初期には40℃以下、そ
の後は0〜80℃、好ましくは20〜60℃の範囲で反
応させる。反応温度がこの範囲よりも低い場合は反応速
度が著しく低下し、逆に高い場合は次亜塩素酸塩の分解
や副生成物の増加によるメバロラクトン選択率の低下が
起こり、いずれも不利になる。使用する反応器は、特に
制限はなく公知の攪拌機付き反応器で行うことができる
が、発熱反応であるため冷却できる反応装置を用いるこ
とが望ましい。反応は、バッチ式、連続式いずれによっ
ても行うことができる。
【0017】反応後の反応溶液に、水との相溶性が低い
有機溶媒を添加することにより、メバロラクトンとルテ
ニウム化合物がそれぞれ有機相と触媒水相に分離され、
容易にメバロラクトンを有機相から得ることができる。
用いる溶媒としては、メバロラクトンの抽出効率が良い
物が好ましい。そのような溶媒の例としては炭素数が3
以上のアルコール類[例えばプロパノール、ブタノー
ル、ヘキサノールなど]、エステル類[例えば酢酸エチ
ル、酢酸イソプロピルなど]、ハロゲン化物類[例えば
ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホル
ム、四塩化炭素など]、炭化水素類[例えばヘキサン、
ヘプタン、ヘキセン、ベンゼン、トルエンなど]、エー
テル類[ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、エチ
ルビニルエーテル、フランなど]、ケトン類[エチルメ
チルケトン、ペンタノン、イソブチルメチルケトンな
ど]の溶媒を挙げることができる。これらの溶媒は、単
独でも2種以上の溶媒を混合した系でも使用できる。有
機相からは、濾過、濃縮、蒸留、晶析、再結晶、カラム
クロマトグラフィー等の公知方法で分離精製される。
【0018】触媒に関しては、触媒水相をそのまま濾過
あるいは濃縮してから濾過することによって回収でき反
応に再利用することができる。または、触媒水相から相
溶している有機溶媒を留去し、水との相溶性が低く高酸
化状態のルテニウムの溶解性が高く且つ不活性な溶媒と
次亜塩素酸塩類を加えてルテニウム化合物を有機相へ抽
出することにより回収して、反応に再利用することがで
きる。この抽出溶媒の例としてはハロゲン化アルキル類
[例えばジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ク
ロロホルム、四塩化炭素など]、エステル類[例えば酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピルなど]、ハロ
ゲン化アリール類[例えばヘキサクロロベンゼン、1,
1,1−三フッ化トルエンなど]、エーテル類[ジエチ
ルエーテル、ジプロピルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、フランなど]の溶媒を挙げることができる。これら
の溶媒は、単独または2種以上の溶媒を混合しても使用
できる。
【0019】
【実施例】次に実施例により本発明を具体的に説明す
る。但し本発明はこれらの実施例により制限されるもの
ではない。
【0020】実施例1 攪拌機、温度計、ジムロート冷却器、pH電極をつけた
500mLの5つ口フラスコに、3−メチル−1,5−
ペンタンジオール8.86g(0.075mmol、ア
セトニトリル100ml、塩化ルテニウム・水和物29
70mg、水30gを仕込んだ後、pH6に調節してか
ら12重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を270分で
0.45molを添加した。反応中は、次亜塩素酸ナト
リウム水溶液中の遊離アルカリに相当する量の5重量%
塩酸を加え、pHを5〜6に維持した。次亜塩素酸ナト
リウムの添加終了後、酢酸エチル200mLを添加し有
機相と触媒水相を分離した。ガスクロマトグラフィーで
分析した結果、メバロラクトン収率は30%であった。
【0021】
【発明の効果】本発明により、安価で入手し易い3−メ
チル−1,5−ペンタンジオールからメバロラクトンを
工業的に容易に製造することができる。
フロントページの続き (72)発明者 西村 喜男 茨城県つくば市和台22番地 三菱瓦斯化学 株式会社総合研究所内 (72)発明者 古川 喜久夫 茨城県つくば市和台22番地 三菱瓦斯化学 株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4C062 BB60 4H039 CA42 CA60 CC30 CL00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3−メチル−1,5−ペンタンジオール
    をルテニウム化合物と次亜塩素酸塩類により酸化するこ
    とを特徴とするメバロラクトンの製造方法。
  2. 【請求項2】 pH3〜10の範囲で反応させる請求項
    1記載の方法。
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