JP2002146626A - ポリアミド繊維 - Google Patents

ポリアミド繊維

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JP2002146626A JP2000336240A JP2000336240A JP2002146626A JP 2002146626 A JP2002146626 A JP 2002146626A JP 2000336240 A JP2000336240 A JP 2000336240A JP 2000336240 A JP2000336240 A JP 2000336240A JP 2002146626 A JP2002146626 A JP 2002146626A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ストッキング用途に最適な機能、特に、吸水
・速乾性能と柔らかな風合、更には、きめ細かい光沢感
と適度のシャリ感等の快適性を有し、かつ、カバリング
ヤーンとして好適な異形断面のポリアミド繊維を提供す
る。 【解決手段】 W字型断面形状を有し、扁平度が2.0
〜5.0、タフネスが35〜50であるポリアミド繊
維。特に、ポリアミドが、ヘキサメチレンアジパミド9
5〜60wt%と、ヘキサメチレンアジパミド以外の熱
可塑性ポリアミド5〜40wt%からなることが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ストッキング等の
編地素材に適したポリアミド繊維、ならびにその繊維を
用いたカバリングヤーンおよびストッキングに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、弾性糸を芯糸として、その周囲に
ポリアミドやポリエステルのような非弾性の熱可塑性合
成フィラメント糸を巻き付けたカバリングヤーンを編成
糸に用いてなるサポートタイプのストッキングが、伸縮
力の高さ、及びフィット性の良さからストッキングの主
流になってきている。
【0003】しかし、最近の消費者の要求として、その
高い伸縮力やフィット性に加え、吸汗・速乾性能、及び
適度なシャリ感(さらさらした風合い)等の着用時の快
適性が求められている。さらにストッキングは、脚を美
しくかつ細く見せる等のファッション衣料として定着し
つつあり、きめ細かい光沢感などのファッション性が要
求されている。
【0004】これらの快適性およびファッション性を満
たす為、従来から、被覆する繊維断面の異形化が検討さ
れてきた。例えば、特公平1−3965号公報には、弾
性繊維からなる芯糸にポリアミド長繊維からなる被覆用
糸を巻き付けて形成された靴下用の被覆弾性糸(カバリ
ングヤーン)として、1.20〜1.60なる断面形状
係数を有する非円形断面の長繊維を用いた靴下用被覆弾
性糸が開示されている。該公報では、通常の円形断面を
有する長繊維と比較して、上記のような断面形状係数を
有する非円形断面を有する長繊維は、機械的強度が低い
にも関わらず、被覆弾性糸とした場合には、逆に強度が
大きく向上し、機械的強度と被覆性に優れた被覆弾性糸
が得られると記載されている。
【0005】しかしながら、従来検討されてきた異形断
面形状のうち、三角断面を含む多葉断面では、シャリ感
はあるが、ガサツキ感が強く、ストッキングとした場
合、着用時に快適とは言えず、さらに、外観上きついギ
ラツキ感(光沢感)があり、好感をもたれるストッキン
グは得られていないのが現状である。また、被覆に用い
られる繊維の曲げ応力が大きい為、きれいな編み面を有
するストッキング等の編地が得られないという欠点もあ
った。
【0006】更に、被覆に用いられる繊維としては、円
形断面の繊維を用いた場合と比較して、非円形、特に三
角断面形状を有する長繊維を用いた場合には、特定の場
合には、前記の公報に記載されているように、カバリン
グヤーンの機械的強度が向上する可能性は必ずしも否定
はできないが、一般的には、異形断面の繊維を用いるこ
とによりカバリングヤーンの機械的強度は低下する。
【0007】一方、扁平断面を有する長繊維を被覆糸と
して用いることにより、ストッキングとして柔らかい風
合のものは得られるが、コシがなく表面の凹凸がないた
め、ヌメリ感があり、更には、光沢感が少なくファッシ
ョン性の低いものしか得られないという欠点がある。ス
トッキング用途として見た場合、足をきれいに見せるた
めの外観上の光沢や、着用時の耐久性はある程度必要で
あり、また、通常の円形断面の長繊維を用いたストッキ
ングと差別化するためにも、用いる長繊維の断面を異形
化することは、手段として有用である。そのため、スト
ッキング用途に最適の断面形状を検討、探索しているの
が現状である。
【0008】最近、ストッキング分野においても、外観
上の光沢以外に各種の機能を付与する方法が検討されて
きている。しかし、従来にない光沢や、着用耐久性、着
用者に対する快適性を付与したような機能性カバリング
ヤーンについては、ほとんどないのが実情であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ストッキン
グ用途に最適な機能、特に、吸水・速乾性能と柔らかな
風合、更には、きめ細かい光沢感と適度のシャリ感等の
快適性を有し、かつ、良好なカバリングを可能とする異
形断面のポリアミド繊維、及び該繊維を用いたカバリン
グヤーンおよびそれを用いたストッキングを提供する事
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討した結果、ポリアミド繊維の
断面形状を特定の形状にし、さらにポリアミドとして、
ポリヘキサメチレンアジパミドと他の熱可塑性ポリアミ
ドを共に用いる事により、優れた吸水・速乾性能と柔ら
かな風合、きめ細かい光沢感、適度のシャリ感、更には
高いタフネスを有し、ストッキング等の編地にした時も
きれいな編み面が得られ、しかもストッキングについて
は、突破り強力を極度に低下させること無く保持できる
事を見出し、本発明をなすに至った。
【0011】すなわち、本発明は下記の通りである。 1.W字型断面形状を有し、扁平度が2.0〜5.0、
タフネスが35〜50であることを特徴とするポリアミ
ド繊維。 2.ポリアミドが、ヘキサメチレンアジパミド95〜6
0wt%と、ヘキサメチレンアジパミド以外の熱可塑性
ポリアミド5〜40wt%からなることを特徴とする上
記1記載のポリアミド繊維。
【0012】3.弾性糸からなる芯糸に、上記1又は2
記載のポリアミド繊維を被覆したカバリングヤーン。 4.上記1又は2記載のポリアミド繊維及び/または上
記3記載のカバリングヤーンを用いたストッキング。 ここでタフネスは、下記(1)式にて求めた値である。
【0013】 タフネス={強度(cN/dtex)}×{伸度(%)}1/2 ……(1) 以下、本発明について詳述する。本発明のポリアミド繊
維は、W字型の単糸断面形状を有するため、カバリング
ヤーンに用いたとき、被覆繊維の断面に凹凸部が存在
し、単糸同志の凹凸が重なり合った時に、その溝部分に
毛細管現象が作用するため、優れた吸水・速乾性能を有
する。また、従来の円形断面繊維と比較しても、極端な
タフネス低下がなく、しかも、カバリングヤーンに用い
た場合、W字形状の特徴である扁平性に起因して芯糸へ
の被覆性が良好なため、ストッキング等に編み立てた後
も、編地への垂直な力に対しては、糸に均等に力が作用
するので、被覆性の劣る三葉、四葉あるいは多葉などの
異形断面繊維に比し、突破り強力のより高いストッキン
グを提供する事が可能である。
【0014】さらに、本発明のポリアミド繊維は、上述
の通り、凹凸を有する扁平形断面のため、断面の短軸方
向への屈曲性が向上し、柔らかな風合と適度のシャリ
感、さらさらとした風合いが得られる。しかも三葉およ
び四葉に比べて反射面が多いため、反射光が広い角度に
拡散されるので、強い反射光がなく均一に反射し、編地
にした場合、きめ細かい光沢感が得られるという優れた
特徴を有する。
【0015】本発明のポリアミド繊維においては、ポリ
アミドとして、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロ
ン66)以外の熱可塑性ポリアミドを5〜40wt%含
有するポリヘキサメチレンアジパミドから形成されてい
ることが好ましい。ポリヘキサメチレンアジパミド以外
の他の熱可塑性ポリアミドを含有させる方法としては、
モノマーまたはポリマーをポリヘキサメチレンアジパミ
ドの重合前あるいは重合中に添加して共重合体としても
良いし、あるいは、紡糸前又は紡糸中に他のポリアミド
をポリヘキサメチレンアジパミドに添加した混合体(ブ
レンド物)としても良い。またそれらを組み合わせた方
法でも良い。
【0016】他の熱可塑性ポリアミドとしては、ポリカ
プロラクタム(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンセバ
カミド(ナイロン6・10)、ポリテトラメチレンアジ
パミド(ナイロン46)等のモノマーおよび/またはポ
リマー、更には、これらのポリアミドのコポリマーや、
ブレンドされたポリマーなどいずれでも良い。該他の熱
可塑性ポリアミドの含有量が5wt%未満では、溶融紡
糸において球晶が発生しやすいため、高タフネスを達成
しにくく、また、所望の異形度が得られにくい傾向があ
る。更に、糸のヤング率が高くなり、カバリング糸の被
覆状態が不十分となったり、製品の編面も悪くなる傾向
がある。一方、該他の熱可塑性ポリアミドの含有量が4
0wt%を超えると、やはり高いタフネスを満足するも
のは得られにくく、風合いとしても軟らかくなり過ぎて
ヘタリ感が強くなる傾向がある。また、染色堅牢度も低
下する傾向がある。
【0017】本発明のポリアミド繊維には、必要に応じ
て、艶消し剤、顔料、光安定剤、熱安定剤、酸化防止
剤、帯電防止剤、染色性向上剤あるいは接着性向上剤等
を配合することができる。それらの添加量は、本発明の
ポリアミド繊維における特性および製糸性等を損なわな
い範囲内で選択することができる。本発明のポリアミド
繊維は、図1に示すようなW字状の異形断面形状を有
し、扁平度が2.0〜5.0である。ここでいう扁平度
とは、単糸断面の外接長方形の長辺の長さ(L1)をW
字の中央部の厚み(L0)で割った値(L1/L0)をい
う。
【0018】適度なシャリ感、きめ細やかな光沢感と充
分な吸汗・速乾性能を得るためには、扁平度が2.0以
上あることが必要である。逆に、扁平度が5.0を越え
ると製造技術の難度が高くなり、製糸性が悪化するとと
もに原糸のタフネス低下も著しくなる。またストッキン
グなどの編地にした場合も、光沢が強くなると同時に、
使用耐久性も劣るものとなり好ましくない。なお、ここ
でいう扁平度は、繊維集合体であるマルチフィラメント
の個々の繊維断面より計算した値の平均値である。
【0019】本発明のポリアミド繊維は、前記式(1)
で計算されるタフネスが35〜50である。タフネスが
35未満であると、ストッキングの耐久性自体が低くな
り、実用的でない。さらに編地の突破り強力が劣り、ヌ
ードトウなどに使用できない。好ましくは、タフネスが
40以上である。また、タフネスが50を越えると、毛
羽が多くなり製造が困難になる。
【0020】本発明の高タフネスのポリアミド繊維は、
例えば、以下のような方法によって製造される。高タフ
ネス化を狙う場合には、一般に、分子量の増大したポリ
マーが用いられる。本発明において用いられるポリアミ
ドの分子量は、蟻酸相対粘度(VR)で40〜80であ
ることが好ましい。VRが40未満であると、目的とす
るタフネスが得られにくいだけでなく、異形度の低いも
のとなる傾向がある。一方、VRが80を越えると、高
タフネス化、高い異形度には有利であるが、末端アミノ
基濃度が低下し、染色性の面で実用化可能範囲を下回る
場合がある。
【0021】溶融紡糸方法としては公知の方法で良く、
紡糸後、糸条を一旦巻取った後、別工程で未延伸糸を延
伸する2段法でも、紡糸後、連続して糸条を延伸する直
接紡糸延伸方法のいずれでも良い。また、ポリアミド繊
維の単糸繊度は1〜6dtexが好ましい。本発明でい
うカバリングヤーンとは、芯糸に弾性糸として一般にポ
リウレタン系合成繊維、ポリエステル系弾性糸、ゴム糸
などを用い、芯糸(弾性糸)を伸張した状態で、これに
被覆糸としてポリアミド繊維を1重に巻き付けたもの
(シングルカバリングヤーン)、2重に巻き付けたもの
(ダブルカバリングヤーン)、または、芯糸と被覆糸
を、空気により流体噴射加工して交絡させたものなどを
いう。芯糸は、通常、3倍程度伸張して被覆加工される
が、芯糸の物性に応じて変えることが出来、特に限定さ
れるものではない。また、被覆糸としては、捲縮糸であ
っても何ら差し支えない。
【0022】本発明でいうストッキングとしては、パン
ティーストッキング、薄手のソックス等も含まれ、本発
明のカバリングヤーン及び/またはポリアミド繊維が用
いられていれば良い。具体的には、本発明のカバリング
ヤーンや本発明のポリアミド繊維のみで編成されたもの
はもちろん、例えば、本発明のポリアミド繊維と従来の
カバリングヤーンとを交編させたもの、本発明のカバリ
ングヤーンと従来のポリアミド繊維を交編させたもの、
本発明のポリアミド繊維と従来のポリアミド繊維で編成
されたものなども含まれる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例に基づいて
さらに説明する。なお、各種用語の定義、測定方法及び
評価方法等は下記の通りである。 (1)蟻酸相対粘度 90wt%蟻酸水溶液に、ポリマーを濃度8.4wt%
となるように溶解し、この溶液を粘度管を用いて25℃
で測定したときの、90wt%蟻酸水溶液の粘度に対す
る相対粘度で計算した。
【0024】(2)繊維の扁平度 異形断面写真を撮影し、その写真からW字の外接長方形
の長辺の長さ(L1)をW字の中央部の厚み(L0)で割
った値(L1/L0)で計算した。 (3)原糸の強力(A)及びカバリングヤーンの強力
(B) 試料を、温度20℃、相対湿度65%の測定室に一昼夜
放置した後、テンシロンにて、試料長20cm、伸張速
度20cm/分で引張試験を行い、原糸及びカバリング
ヤーンの強力(cN)を求めた。
【0025】(4)カバリングヤーンの被覆状態 被覆状態は、拡大鏡を用いて目視により、次の基準で4
段階評価した。 ◎:優良、○:良、△:やや不良、×:不良 (5)突破り強力(プランジャー法) ストッキングの突破り強力(N)は、JIS-L-101
8 8.17.2 B法(定速伸長形法)によって測定
した。但し、プランジャースピードは、300mm/m
inで行った。
【0026】(6)ストッキングの吸水性(100%伸
長バイレック法) ストッキングから、大きさ25mm×100mmの試験
片を切取り、金枠に固定し、長手方向に100%伸長さ
せた後、試験片の下端が水平に20mmの深さまで水に
浸漬するように調整し、そのまま10分間放置する。1
0分間経過後の吸水高さ(mm)をもってストッキング
の吸水性とした。
【0027】(7)ストッキングの速乾性 ストッキングをマネキンに着用させた状態で、太もも部
分から100mm×100mmの試験片を切取り、その
大きさを固定させる。その試験片に0.1gの水を滴下
し、10分後の試験片の質量を測定し、水分の残存率
(%)を求め、その値(%)をもって速乾性とした。値
が小さいほど水分の残存がなく、乾いていることを示
す。
【0028】(8)ストッキングの光沢 パネラーにストッキングを着用させ、官能検査にて5段
階評価した。 5:光沢がありすぎる、4:やや光沢が強い、3:適度
な光沢である、2:やや光沢が無い、1:光沢が無い (9)ストッキングの風合い パネラーにストッキングを着用させ、官能検査にて5段
階評価した。
【0029】5:シャリ感がありすぎる、4:ややシャ
リ感が強い、3:適度なシャリ感である、2:シャリ感
が少ない、1:ヌメリ感がある (10)ストッキングの編面 編面は、拡大鏡を用いて目視により次の基準で4段階評
価した。 ◎:優良、○:良、△:やや不良、×:不良 〔実施例1〜4、比較例1及び2〕ナイロン66ポリマ
ー(蟻酸相対粘度:45)とナイロン6ポリマー(蟻酸
相対粘度:80)とを80/20の比率(wt比)でブ
レンドしたポリマーを用いて、巻取り速度4000m/
分で巻取りながら、表1に示したような扁平度の異なる
W字状の断面を有する13デシテックス/5フィラメン
トのポリアミド繊維を製造した。扁平度は主として紡糸
口金の吐出形状、紡糸温度、または冷却条件によって調
整した。
【0030】次に、17デシテックスのポリウレタン弾
性糸を3倍に伸張しつつ、上記で得られた各ポリアミド
繊維を1重に巻き付け、シングルカバリングヤーン(撚
数=1800T/m)を得た。得られたシングルカバリ
ングヤーンのみを用い、針本数360本、口径3.4イ
ンチ(8.6cm)のパンスト編機で編成し、染色、柔
軟処理、ファイナルセットを経てストッキング製品(ゾ
ッキタイプ)を得た。
【0031】〔比較例3及び4〕断面形状を、丸形断面
(比較例3)、三葉断面(比較例4)とした以外は実施
例1と同様にして、ポリアミド繊維を製造した。次いで
実施例1と同様にして、シングルカバリングヤーンおよ
びストッキング製品を得た。 〔実施例5及び6、比較例5及び6〕実施例1で用いた
ナイロン66ポリマー及びナイロン6を、表2に示すよ
うに、95/5、60/40、100/0、30/70
の比率(wt比)でブレンドしたポリマーを用いて、巻
取り速度4000m/分で巻取りながら、扁平度がおよ
そ3.0のW字状の断面を有する13デシテックス/5
フィラメントのポリアミド繊維を製造した。
【0032】次いで、これらを用いて実施例1と同様に
して、シングルカバリングヤーンおよびストッキング製
品を得た。以上の実施例、比較例、及び測定結果、評価
結果を、まとめて表1、表2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】表1、2から明らかなように、扁平度が本
発明の範囲内の場合(実施例1〜4)は、カバリングヤ
ーンの被覆状態、ストッキングにした場合の突破り強
力、吸水・速乾性能、適度な光沢、適度なシャリ感、及
び編面の綺麗さ等、いずれも十分に満足しうるものであ
った。また、原糸の強力をA、ストッキングの突破り強
力をCとした時、強力保持率(C/A)の値、及び、丸
断面の場合の強力保持率(C/A)を基準としたC/A
の相対値を、各実施例について比較すると、扁平度が本
発明の範囲内であれば、原糸強力がストッキングの性能
に有効に発揮されていることが判る。即ち、比較例1及
び2、三葉状の異形断面(比較例4)の場合には、大き
な強力低下が見られるが、本発明の場合には大きな強力
低下は見られず、円形断面(比較例3)の場合と比べて
も、ストッキングの使用耐久性は十分に優れるものであ
った。
【0036】さらに、比較例2で見られるように、扁平
度が本発明の範囲外である2.0未満の場合は、W字断
面形状における凹部の溝深さが不充分なものしか得られ
ず、十分な吸水・速乾性、適度な光沢、シャリ感、スト
ッキングの編面等、いずれも満足のいくものは得られな
かった。また、比較例1のように、扁平度が5.0を超
えるW字断面形状の異形断面糸では、光沢感が強くなり
好感度の低いものしか得られず、またストッキングの突
破り強力が低く、使用耐久性の劣るものとなった。
【0037】さらに、比較例4のように、三葉状の異形
断面糸の場合は、タフネスとしては十分な性能を有して
いたが、そのタフネスが、本発明のW字断面形状のもの
に比べて、カバリングヤーンの強力更にはストッキング
にした場合の突破り強力にそれほど寄与しておらず、不
充分なものであった。また、三葉状の断面形状のもの
は、充分な吸水・速乾性能をはじめ、適度な光沢や風合
い、編面の点でも劣っていた。
【0038】比較例5、6は、原糸のタフネスが低く、
かつストッキングの突破り強力も低くなり、使用耐久性
が劣るものである。
【0039】
【発明の効果】本発明のポリアミド繊維は、断面に凹凸
を有するW字状の扁平型断面であるため、優れた吸水・
速乾性能と、きめ細かい光沢感、適度なシャリ感を示す
と同時に、高いタフネスを有する。また、本発明のポリ
アミド繊維を用いたカバリングヤーンは、従来のものに
比べて、良好な被覆状態を示し、これを用いたストッキ
ングは、きれいな編面状態を示し、突破り強力にも優れ
る。従って、従来のような他の異形断面のポリアミド繊
維を用いたストッキングに比べ、着用する女性に快適感
を与え、ファッション性と使用耐久性を同時に満足させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリアミド繊維の単糸の断面形状を示
す概略図である。
【符号の説明】
0…W字の中央部の厚み L1…W字の外接長方形の長辺の長さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B018 AA01 AC10 AD02 AD07 4L035 BB33 DD02 EE08 FF07 LC01 4L036 MA04 MA06 MA20 MA33 MA39 PA01 RA24 UA01 UA25

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 W字型断面形状を有し、扁平度が2.0
    〜5.0、タフネスが35〜50であることを特徴とす
    るポリアミド繊維。
  2. 【請求項2】 ポリアミドが、ヘキサメチレンアジパミ
    ド95〜60wt%と、ヘキサメチレンアジパミド以外
    の熱可塑性ポリアミド5〜40wt%からなることを特
    徴とする請求項1記載のポリアミド繊維。
  3. 【請求項3】 弾性糸からなる芯糸に、請求項1又は2
    記載のポリアミド繊維を被覆したカバリングヤーン。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載のポリアミド繊維及
    び/または請求項3記載のカバリングヤーンを用いたス
    トッキング。
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