JP3309524B2 - 吸湿性ポリアミド繊維及びそれからなるインナーウェア、靴下、スポーツウェア - Google Patents

吸湿性ポリアミド繊維及びそれからなるインナーウェア、靴下、スポーツウェア

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JP3309524B2 JP29706793A JP29706793A JP3309524B2 JP 3309524 B2 JP3309524 B2 JP 3309524B2 JP 29706793 A JP29706793 A JP 29706793A JP 29706793 A JP29706793 A JP 29706793A JP 3309524 B2 JP3309524 B2 JP 3309524B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、べとつかずに快適な着
用感を有するランジェリーやファウデーション等のイン
ナーウェアや、汗をかいても蒸れないスポーツウェアや
靴下等として好適に用いられる吸湿性ポリアミド繊維に
関する。
【0002】
【従来の技術】綿や羊毛等に代表される天然繊維は、そ
の風合いや、むれ感がない等の着心地の良さが好まれて
いる。この快適な着用感の主たる要因は、天然繊維が適
度な吸湿性を有することにある。しかしながら、天然繊
維は、しなやかさ、ドレープ性、光沢感等の審美性に欠
けると共に、表面のなめらかなタッチ、着用時のひんや
り感等についても不十分である。また耐摩耗性や強度も
不十分でスポーツ用途には不向きである。
【0003】これに対し、ポリアミド繊維は、強度、し
なやかさ、ドレープ性、光沢感、発色性、染色堅牢性、
耐摩耗性、ソフトさ等に優れた特性を有する。そのため
に、インナーウェア、スポーツウェア、パンティストッ
キング等の衣料用繊維製品等に好まれて用いられてきて
いる。
【0004】ポリアミド繊維の平衡水分率(標準状態で
の吸湿性)はポリエステル繊維に比べて高いものの、吸
湿性は天然繊維に比べて劣り、着用時の快適感は未だ不
十分である。そのため、ポリアミド繊維の吸湿特性を改
善する試みが種々検討されてきている。
【0005】例えば、特開平4−136215号公報に
は、吸湿性に優れるナイロン4を用いて吸湿性ポリアミ
ド繊維を製造する際の紡糸安定性を改善する方法が開示
されている。
【0006】また、特開昭56−24426号公報に
は、グラフト重合によりポリアミド繊維の吸湿特性を改
善して吸湿性ポリアミド繊維を製造する方法が開示され
ている。
【0007】さらにまた、特公昭55−4852号公報
には、特定の製糸方法をとることによりポリビニルピロ
リドン含有の吸湿性ポリアミド繊維を製糸性良く製造す
る方法が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ナイロン4
を用いた吸湿性繊維は膨潤により寸法安定性が劣り、実
用上満足できるものではない。
【0009】また、グラフト重合による吸湿性ポリアミ
ド繊維は、染色性が大幅に低下し、濃染色が得られない
し、洗濯による耐久性が劣るという欠点がある。
【0010】さらにまた、ポリビニルピロリドン含有の
吸湿性ポリアミド繊維の場合、充分な吸湿率を得るため
にかなり多量のポリビニルピロリドンの添加が必要であ
り、多量に添加するとそのポリビニルピロリドンが着用
中に繊維から徐々に析出してべたつき、着用感が劣ると
いう問題がある。
【0011】以上のように、従来の技術では、ポリアミ
ド繊維が本来有する優れた特徴を損わずに、ポリアミド
繊維に十分な吸湿性を付与することは困難であった。
【0012】そこで、本発明は、上記のような従来技術
の欠点を解消し、ポリアミド繊維が本来保有する高強
度、耐摩耗性、ソフトさ、光沢特性、染色鮮明性、さら
さら感等の優れた特徴を具備しつつ、高い吸湿性をも有
するポリアミド繊維を提供することを主たる目的とす
る。
【0013】併せて、吸湿性及び着用感に優れたポリア
ミド繊維製インナーウェア、靴下、スポーツウェアを提
供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明(請求項1)の吸湿性ポリアミド繊維は、ポ
リアミドに対し1重量%以上15重量%以下のポリビニ
ルピロリドン、及び、ポリアミドに対し0.1重量%以
上10重量%以下の、ポリエーテルエステルアミド及び
/又はポリエーテルアミドを含有することを特徴とす
る。
【0015】また、本発明のインナーウェア、靴下、又
は、スポーツウェアは、それらの吸湿性ポリアミド繊維
を用いてなることを特徴とする。
【0016】本発明で用いるポリアミドは、ポリカプラ
ミド、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリヘキサメチ
レンセバカミド、ポリウンデカンアミドあるいはそれら
を主体とする共重合体などの脂肪族系ポリアミドであれ
ばよい。共重合ポリアミドの場合の共重合成分の量は1
5%以下のような少量であればよい。
【0017】なかでも、衣料用途としての特性が特に優
れていることから、ポリカプラミド、ポリヘキサメチレ
ンアジパミド、あるいは、それらを主体(例えば85%
以上)とする共重合体が好ましい。
【0018】このポリアミドには、必要に応じ、本発明
の目的を阻害しない範囲内で、公知の艶消し剤、耐光
剤、耐熱剤等の改質剤が添加されていても良い。
【0019】本発明のポリアミド繊維は、所定量のポリ
ビニルピロリドン(以下PVPと略す)を含むこと、及
び、所定量のポリエーテルエステルアミド(以下PEE
Aと略す)及び/又はポリエーテルアミド(以下PEA
と略す)を含むことが必要である。
【0020】PVPはどのような製造条件により得られ
たものでも構わないが、重量平均分子量が1万以上12
0万以下の物が、ポリアミドの重合釜からの安定吐出性
の点から好ましい。さらに好ましくは重量平均分子量が
3万以上60万以下がよい。
【0021】PVPの添加量は1重量%以上15重量%
以下(対ポリアミド)であることが必要であり、好まし
くは2重量%以上7重量%以下である。
【0022】ポリアミト繊維に十分な吸湿性を付与する
ために、PVPの添加量は少なくとも1重量%は必要で
ある。逆に多過ぎるとPEEA及び/又はPEAを併用
添加させてもべたつき感を抑制することができず着用時
の快適性の点で劣る。
【0023】PEEAは、アミド単位及びエーテルエス
テル単位を有する重合体であり、ブロック共重合体でも
ランダム共重合体でもよい。なかでも、アミド単位がカ
プラミドであり、エーテルエステル単位が、分子量50
0から5000のポリエチレングリコールと、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、セバシン酸及びアジピン酸のうち
のジカルボン酸とから誘導されるエーテルエステルであ
ることが好ましい。また、そのアミド単位/エーテルエ
ステル単位の共重合比は、20/80から80/20が
好ましい。
【0024】また、PEAは、アミド単位及びエーテル
単位を有する重合体であり、ブロック共重合体でもラン
ダム共重合体でもよい。なかでも、アミド単位がカプラ
ミドであり、エーテル単位が、分子量500から800
0のポリエチレングリコールを主体とするエーテル化合
物であることが好ましい。また、そのアミド単位/エー
テル単位の共重合比は、20/80から80/20が好
ましい。
【0025】PEEA及び/又はPEAの添加量は0.
1重量%以上10重量%以下(対ポリアミド)であるこ
とが必要である。PEEAを添加する場合の添加量は、
好ましくは0.5重量%以上10重量%以下、さらに好
ましくは1重量%以上8重量%以下がよい。PEAを添
加する場合の添加量は、好ましくは0.1重量%以上8
重量%以下、さらに好ましくは0.5重量%以上5重量
%以下がよい。
【0026】PEEA及び/又はPEAを併用添加する
と、PVPによる吸湿効果が高められるし、しかも、P
VPの析出が抑制される。これら効果を発揮するために
は、PEEA及び/又はPEAの添加量は少なくとも
0.1重量%必要である。逆に多過ぎると紡糸性が大幅
に悪化して安定紡糸困難となる。
【0027】PVP含有率と、PEEA及び/又はPE
Aの含有率との和は、2重量%以上15重量%以下であ
ることが好ましく、さらに3重量%以上10重量%以下
が好ましい。
【0028】このように、PEEA及び/又はPEAを
所定量併用添加させると、PVPのみを添加して吸湿化
を図る従来法の問題点、即ち、着用時におけるPVPの
析出、繊維表面のべたつき感、を解消することができ
る。しかも、PVPによる吸湿効果が高まるので、吸湿
性の向上やPVP添加量の減少を図ることができる。
【0029】特にPVPとPEEAとPEAとを併用添
加させれば、吸湿性をより一層向上させることができ
る。
【0030】本発明に於いてPVPとPEEA及び/又
はPEAとをポリアミドに添加する方法は特に限定され
ないが、ポリアミド重合時に水溶液にして添加する方
法、混練機を用いてポリアミド中に練り込む方法、紡糸
時にブレンドする方法等を用いればよい。
【0031】得られたPVPとPEEA及び/又はPE
Aとを含有するポリアミドは、通常の方法により溶融紡
糸されマルチフィラメントとする。この際、紡糸した後
に一旦巻取ることなく引続き延伸する直接紡糸延伸法、
紡糸速度を4000m/分以上のように高速として実質
的に延伸工程を省略する高速紡糸法、あるいは、それら
を組合せた高速直接紡糸延伸法が好ましく用いられる。
【0032】以上のように製糸して得られた吸湿性ポリ
アミド繊維は、通常の方法で後加工や製編織され、縫製
されて、各種衣料用製品とされる。なかでも、直接肌に
着用されるインナーウェア(ランジェリー、ファウンデ
ーション等)や靴下(ストッキング、パンティストッキ
ング、タイツあるいはソックス等)、あるいは、発汗し
易い状態で着用されるスポーツウェア(ウィンドブレー
カー、テニスウェア、スキーウェア、トレーニングウェ
ア等)として好適である。
【0033】これら衣料用製品において吸湿効果を発揮
するためには、本発明の吸湿性ポリアミド繊維を30重
量%以上用いることが好ましい。
【0034】
【実施例】以下の実施例において測定した各種特性値
は、次の測定方法によった。
【0035】<最高吸湿率、標準吸湿率>試料繊維から
27ゲージ筒編地を作製する。作製した試料編地を精練
して油剤を除去した後、その約1gをガラス秤量瓶(風
袋重量F)に入れ、乾燥機中で110℃2時間の条件で
乾燥する。乾燥後その瓶を密封した状態で、デシケータ
中で30分間放冷し、その後、試料編地の入った秤量瓶
の総重量(K)を測定する。
【0036】次に、20℃65%RHに設定された恒温
恒湿槽中に開放状態で入れ24時間放置する。その後再
び密封状態にしてデシケーター中に30分間放置後、試
料編地の入った秤量瓶の総重量(H)を測定する。
【0037】引き続き、30℃90%RHに設定された
恒温恒湿槽中に開放状態にして入れて24時間放置後、
試料編地の入った秤量瓶の総重量(S)を測定する。以
上の各重量値(K、H、S)から下記式により算出す
る。
【0038】最高吸湿率=[(S−K)/(K−F)]
×100(%) 標準吸湿率=[(H−K)/(K−F)]×100
(%)
【0039】<乾燥速度>上記と同様に、試料編地とし
精練し秤量瓶中に入れ乾燥、放冷、秤量した後、1ccの
蒸留水を試料編地に滴下し、試料編地の入った秤量瓶の
総重量(W0 )を測定する。
【0040】次に、20℃65%RHに設定された恒温
恒湿槽中に開放状態で入れ、その入れた時から10分間
隔で試料の入った秤量瓶の重量(WT :Tは乾燥時間
(分))を90分間後まで測定する。
【0041】時間Tに対して(W0 −WT )をプロット
し、得られた乾燥曲線のT=0における接線の傾きから
乾燥速度(cc/min)を求める。
【0042】<PVP溶出率>上記と同様に、試料編地
とし精練し秤量瓶中に入れ、乾燥、放冷、秤量した後、
100℃の沸騰水中で開放状態で15分間処理し、再
び、同様に乾燥、放冷、秤量する。処理前後の重量の変
化率(%)を求め、PVP溶出率とする。
【0043】<むれ感、べとつき感>20℃65%RH
に調温調湿された部屋で、それぞれの形態に縫製したサ
ンプルをパネラ5名が着用し、それぞれ3段階(感じる
×、あまり感じない○、全く感じない◎)で評価した。
【0044】着衣状態はサンプルに応じ適宜変更した。
一例としてスリップの測定条件を示す。 基本条件:
1.着衣状態; ショーツ+ブラジャー+サンプルスリ
ップ+スカート(綿)+長袖ブラウス(ポリエステ
ル)。 2.着用者のタイムスケジュール; 20分:
安静→ 10分:歩行(ランニングm/c、80m/
分)→ 5分:安静・評価。
【0045】[実施例1]重量平均分子量約45000
のPVPを、種々の添加率でε−カプロラクタム水溶液
に添加し、240℃、5時間重合して、添加率の異なる
PVP含有ポリカプラミドチップ4水準を得た。
【0046】これを通常の方法で抽出、乾燥し、最終的
なPVP含有率が1、2、7、もしくは15重量%のP
VP含有ポリカプラミドチップとした。
【0047】一方、ε−カプロラクタム水溶液40部
に、平均分子量1500のポリエチレングリコール45
部及びテレフタル酸15部を添加し、270℃で8時間
重合し、PEEAチップを得た。得られたPEEAチッ
プの25℃における1wt/vol%オルトクロロフェノー
ル溶液での相対粘度は1.9であった。
【0048】PVP含有ポリカプラミドチップに、0.
5重量%のPEEAチップをドライブレンドした後、通
常の溶融紡糸方法により270℃で溶融し、13ホール
の口金より吐出した。紡糸速度1300m/分、延伸倍
率2.3倍、巻取り速度3000m/分の直接紡糸延伸
法により30デニール13フィラメントの吸湿性ナイロ
ン6フィラメント糸を得た(水準2〜5)。
【0049】得られたフィラメント糸を筒編み地として
最高吸湿率、標準吸湿率及び乾燥速度を測定した。
【0050】表1の水準2〜5に示すように、いずれの
水準も最高吸湿率が高いと共に最高吸湿率と標準吸湿率
との差が2.5%以上と大きく、吸湿性に優れていた。
しかも、乾燥速度が0.017cc/分以上と大きく、
放湿脱水性に優れていた。
【0051】次に、これら吸湿性ナイロン6フィラメン
ト糸と通常のナイロン6マルチフィラメント糸とを3
0:50の割合で交編し、ハーフトリコットを編み立
て、スリップに縫製し、着用テストを実施し、むれ感、
べたつき感を評価した。
【0052】表1の水準2〜5に示すように、いずれの
水準もべたつき感がなく、さらさらした感触であると共
に、むれ感もなく、快適な着心地であった。
【0053】なかでもPVP含有率が2重量%、7重量
%の水準( No.3、4)のスリップは、着用感が特に優
れていた。
【0054】[比較例1]PVPの含有率を0.5重量
%、もしくは、18重量%と変えた以外は実施例1と同
様にしてナイロン6フィラメント糸を製造し、筒編地と
した(水準1、6)。
【0055】実施例1と同様に、筒編地及びスリップで
評価した結果、表1に示すように0.5重量%の水準
( No.1)は最高吸湿率6.9%と低く、また標準吸湿
率との差も2.2%と小さく、吸湿性が劣り、着用時の
むれ感があった。
【0056】一方、18重量%の水準( No.6)は、吸
湿性は良好なものの、乾燥速度が0.013cc/分と遅
く、べたつき感があり、着用時の快適感に乏しかった。
【0057】
【表1】
【0058】[実施例2]実施例1のPVP含有率2重
量%のポリカプラミドチップに、実施例1のPEEAチ
ップを1重量%、8重量%、10重量%の割合でチップ
ブレンドした。得られたチップを実施例1と同様の方法
で製糸し、30デニール13フィラメントの吸湿性ナイ
ロン6フィラメント糸を得た(水準8〜10)。
【0059】また、実施例1のPVP含有率7重量%の
ポリカプラミドチップに、実施例1のPEEAチップを
3重量%、8重量%、10重量%の割合でチップブレン
ドした。得られたチップを実施例1と同様の方法で製糸
し、30デニール13フィラメントの吸湿性ナイロン6
フィラメント糸を得た(水準13〜15)。
【0060】得られた吸湿性フィラメント糸を筒編地と
して最高吸湿率、標準吸湿率及びPVP溶出率を測定し
た。
【0061】表2の水準8〜10、13〜15に示すよ
うに、いずれの水準も最高吸湿率が高いと共に最高吸湿
率と標準吸湿との差が大きく、吸湿性に優れていた。し
かも、PVP溶出率も小さかった。
【0062】次に、これら吸湿性ナイロンフィラメント
糸を実施例1と同様に通常のナイロン6フィラメント糸
と交編してハーフトリコットとし、スリップとし、着用
テストを実施した。
【0063】表2の水準8〜10、13〜15に示すよ
うに、いずれの水準もべたつき感がないと共にむれ感も
なく快適な着心地であった。
【0064】特に、PEEA含有率が1〜8重量%の場
合(水準8、9、13、14)が、べたつき感の点から
特に優れていた。
【0065】[比較例2]PEEAを添加しなかった以
外は実施例2と同様にしてナイロン6フィラメント糸を
製造し、筒編地とした(水準7、12)。
【0066】また、PEEAの含有率を12重量%と変
えた以外は実施例2と同様にしてナイロン6フィラメン
ト糸を紡糸したところ、紡糸時の糸切れが多く、安定紡
糸ができなかった(水準11、16)。
【0067】実施例1と同様に、筒編地及びスリップで
評価した結果、表2に示すように、PVP2重量%、P
EEA0重量%の水準( No.7)は着用時にむれ感があ
った。
【0068】また、PVP7重量%、PEEA0重量%
の水準( No.12)は、吸湿性は良好なものの、PVP
溶出率が含有量の50重量%と極めて大きく、べたつき
感が顕著であった。
【0069】
【表2】
【0070】[実施例3]ε−カプロラクタム水溶液4
0部に、平均分子量1500のポリエチレングリコール
ジアミドアジペート60部を添加し、270℃で8時間
重合し、PEAチップを得た。
【0071】実施例1のPVP含有率1、2、7もしく
は15重量%のPVP含有ポリカプラミドチップに、
0.1重量%のPEAチップをドライブレンドした後、
実施例1と同様に溶融紡糸及び直接紡糸延伸して30デ
ニール13フィラメントの吸湿性ナイロン6フィラメン
ト糸を得た(水準22〜25)。
【0072】得られたフィラメント糸を筒編み地として
実施例1と同様に評価した。
【0073】表3の水準22〜25に示すように、いず
れの水準も最高吸湿率が高いと共に最高吸湿率と標準吸
湿率との差が2.5%以上と大きく、吸湿性に優れてい
た。しかも、乾燥速度が0.016cc/分以上と大き
く、放湿脱水性に優れていた。
【0074】次に、これら吸湿性ナイロン6フィラメン
ト糸を、実施例1と同様にハーフトリコットとしスリッ
プを縫製し、着用テストを実施して評価した。
【0075】表3の水準22〜25に示すように、いず
れの水準もべたつき感がなくさらさらした感触であると
共に、むれ感もなく、快適な着心地であった。
【0076】なかでもPVP含有率が2重量%、7重量
%の水準( No.23、24)のスリップは、着用感が特
に優れていた。
【0077】[比較例3]PVPの含有率を0.5重量
%もしくは、18重量%と変えた以外は実施例3と同様
にしてナイロン6フィラメント糸を製造し、筒編地とし
た(水準21、26)。
【0078】実施例3と同様に筒編地及びスリップで評
価した結果、表3に示すように着用時のむれ感があっ
た。
【0079】一方、18重量%の水準( No.26)は、
吸湿性は良好なものの、乾燥速度が0.013cc/分と
遅く、べたつき感があり、着用時の快適感に乏しかっ
た。
【0080】
【表3】
【0081】[実施例4]実施例1のPVP含有率2重
量%のポリカプラミドチップに、実施例1のPEAチッ
プを0.5重量%、5重量%、8重量%の割合でチップ
ブレンドした。得られたチップを実施例3と同様の方法
で製糸し、30デニール13フィラメントの吸湿性ナイ
ロン6フィラメント糸を得た(水準28〜30)。
【0082】また、実施例1のPVP含有率7重量%の
ポリカプラミドチップに、実施例3のPEAチップを
0.5重量%、5重量%、8重量%の割合でチップブレ
ンドした。得られたチップを実施例1と同様の方法で製
糸し、30デニール13フィラメントの吸湿性ナイロン
6フィラメント糸を得た(水準13〜15)。
【0083】得られた吸湿性フィラメント糸を筒編地と
して最高吸湿率、標準吸湿率及びPVP溶出率を測定し
た。
【0084】表4の水準28〜30、33〜35に示す
ように、いずれの水準も最高吸湿率が高いと共に最高吸
湿率と標準吸湿との差が大きく、吸湿性に優れていた。
しかも、PVP溶出率も小さかった。
【0085】次に、これら吸湿性ナイロンフィラメント
糸を実施例1と同様に通常のナイロン6フィラメント糸
と交編してハーフトリコットとし、スリップとし、着用
テストを実施した。
【0086】表4の水準28〜30、33〜35に示す
ように、いずれの水準もべたつき感がないと共にむれ感
もなく快適な着心地であった。
【0087】特に、PEA含有率が0.5〜5重量%の
場合(水準28、29、33、34)が、べたつき感の
点から特に優れていた。
【0088】[比較例4]PEAを添加しなかった以外
は実施例4と同様にしてナイロン6フィラメント糸を製
造し、筒編地とした(水準27、32)。
【0089】また、PEAの含有率を12重量%と変え
た以外は実施例4と同様にしてナイロン6フィラメント
糸を紡糸したところ、紡糸時の糸切れが多く、安定紡糸
ができなかった(水準31、36)。
【0090】実施例3と同様に、筒編地及びスリップで
評価した結果、表4のに示すように、PVP2重量%、
PEA0重量%の水準( No.27)は、着用時のむれ感
があった。
【0091】また、PVP7重量%、PEA0重量%の
水準( No.32)は、吸湿性は良好なものの、PVP溶
出率が含有量の50重量%と極めて大きく、べたつき感
が顕著であった。
【0092】
【表4】
【0093】[実施例5]実施例1のPVP含有率2重
量%のポリカプラミドチップに、実施例1のPEAチッ
プを0.5重量%の割合でブレンドした。得られたチッ
プを実施例1と同様の方法で製糸し、10デニール5フ
ィラメント、30デニール10フィラメント、40デニ
ール13フィラメント、70デニール24フィラメント
の吸湿性ナイロン6フィラメント糸を得た。
【0094】10デニール5フィラメントの吸湿性ナイ
ロン6フィラメント糸を、20デニール3フィラメント
のポリウレタン弾性糸の周りにカバリングして被覆弾性
糸を製造し、これからパンティストッキングを編立て
た。
【0095】30デニール10フィラメントの吸湿性ナ
イロン6フィラメントを用いて、通常の方法によりハー
フトリコットを編成し、スリップを製作した。
【0096】40デニール13フィラメントの吸湿性ナ
イロン6フィラメントを通常の方法により仮撚加工して
捲縮加工糸とした後、通常の方法により丸編地を編成
し、タイツ及びソックスを製作した。
【0097】また、70デニール24フィラメント吸湿
性ナイロン6フィラメントを用いて、通常の方法により
平織物を製織し、ウィンドブレーカーを製作した。
【0098】得られたパンティストッキング、タイツ、
ソックス、スリップ、ウィンドブレーカーについて、着
用試験を実施したところ、いずれも、むれ感もべたつき
感も感じられず、快適な着用感であった。
【0099】[実施例6]ε−カプロラクタム50部及
び分子量3000のポリエチレングリコールジアンモニ
ウムアジペート50部を260℃で6時間重合してポリ
エーテルアミド(PEA)チップを得た。
【0100】実施例1のPVP含有率2重量%のポリカ
プラミドチップに、実施例1のPEEAチップを1重量
%の割合で、及び、PEAチップを0.5重量%の割合
でブレンドした。得られたチップを実施例1と同様の方
法で製糸し、10デニール5フィラメント、30デニー
ル10フィラメント、40デニール13フィラメント、
70デニール24フィラメントの吸湿性ナイロン6フィ
ラメント糸を得た。
【0101】10デニール5フィラメントの吸湿性ナイ
ロン6フィラメント糸を、20デニール3フィラメント
のポリウレタン弾性糸の周りにカバリングして被覆弾性
糸を製造し、これからパンティストッキングを編立て
た。
【0102】30デニール10フィラメントの吸湿性ナ
イロン6フィラメントを用いて、通常の方法によりハー
フトリコットを編成し、スリップを製作した。
【0103】40デニール13フィラメントの吸湿性ナ
イロン6フィラメントを通常の方法により仮撚加工して
捲縮加工糸とした後、通常の方法により丸編地を編成
し、タイツ及びソックスを製作した。
【0104】また、70デニール24フィラメントの吸
湿性ナイロン6フィラメントを用いて、通常の方法によ
り平織物を製織し、ウィンドブレーカーを製作した。
【0105】得られたパンティストッキング、タイツ、
ソックス、スリップ、ウィンドブレーカーについて、着
用試験を実施したところ、いずれも、むれ感もべたつき
感も感じられず、快適な着用感であった。
【0106】
【発明の効果】本発明によると、ポリアミド繊維が本来
保有する高強度、耐摩耗性、ソフトさ、光沢特性、染色
鮮明性、さらさら感等の優れた特徴を具備しつつ、高い
吸湿性をも有するポリアミド繊維とすることができる。
【0107】従って、吸湿性に優れ、むれ感もべたつき
感もなく着用感に優れたポリアミド繊維製の衣料用布帛
製品とすることができ、特に、肌に直接着用されるイン
ナーウェアや靴下として、また、スポーツウェアとして
好適である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミドに対し1重量%以上15重
    量%以下のポリビニルピロリドン、及び、ポリアミドに
    対し0.1重量%以上10重量%以下の、ポリエーテル
    エステルアミド及び/又はポリエーテルアミドを含有す
    ることを特徴とする吸湿性ポリアミド繊維。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の吸湿性ポリアミド繊維
    を用いてなるインナーウエア。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の吸湿性ポリアミド繊維
    を用いてなる靴下。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の吸湿性ポリアミド繊維
    を用いてなるスポーツウェア。
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