JPH09111579A - 吸湿性、染色堅牢性に優れた布帛およびその製造方法 - Google Patents

吸湿性、染色堅牢性に優れた布帛およびその製造方法

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JPH09111579A
JPH09111579A JP7267378A JP26737895A JPH09111579A JP H09111579 A JPH09111579 A JP H09111579A JP 7267378 A JP7267378 A JP 7267378A JP 26737895 A JP26737895 A JP 26737895A JP H09111579 A JPH09111579 A JP H09111579A
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祐子 原科
Michinori Higuchi
徹憲 樋口
Futoshi Sasamoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸湿性が高いため、織編物等として下着、ス
ポーツウェア等の快適素材として用いることができる。
染色堅牢性に優れているため、衣料用、産業用等の素材
として幅広く利用できる。 【解決手段】 吸湿性ポリマを芯に配した芯鞘複合糸か
らなり、芯比率が20%未満で、芯部と鞘部の界面に中
空部を有する芯鞘型複合繊維からなる、吸湿特性ΔMR
が1.5%以上の堅牢性良好な布帛。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は優れた吸湿性と染色
堅牢性を有する熱可塑性合成繊維からなる布帛に関する
ものであり、更に詳しくはインナー、中衣、スポーツ衣
料などの衣料用素材に特に好適に使用することができる
吸湿性、染色堅牢性に優れた合成繊維からなる布帛に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルやポリアミドに代表される
熱可塑性合成繊維は機械的強度、耐薬品性、耐熱性など
に優れるため、衣料用途や産業用途などを主体に広く使
用されている。
【0003】しかしながら、これらの合成繊維は極めて
吸湿性が低いため、インナー、中衣、スポーツ衣料など
のように直接的に肌に触れてあるいは肌側に近いところ
で着用される分野に使用する場合には、肌からの発汗に
よるムレやベタツキなどを生じ、快適性の点で天然繊維
よりも劣る。そのため、前記衣料用途への進出は限定さ
れているのが実状である。このため、たとえば特公昭6
0−475号公報、実公昭60−40612号公報、あ
るいは特開昭60−215835号公報に記載されてい
るように、平衡水分率(吸湿率)の高い繊維との各種の
混繊、混撚、引揃えなどにより布帛として吸湿快適性を
得んとする試みが提案されている。これらの方法を用い
ることで確かに快適性は向上するものの、その効果は十
分とはいえず、逆に合成繊維を染色する際に一般的に使
用される分散染料によって汚染を生じたり、同色性に劣
ったり、合成繊維本来の物理的特性が十分に発揮できな
いという問題点があった。
【0004】また、ポリエステル繊維にアクリル酸やメ
タアクリル酸をグラフト重合すること、更にグラフト重
合後にそれらのカルボキシル基をアルカリ金属で置換す
ることにより吸湿性を付与する方法が知られているが、
ポリエステルがグラフト重合しにくい素材であること、
および染色堅牢性や耐光性、繊維物理特性、風合いなど
の低下を潜在的に有していることから、実用化にはいた
っていない。
【0005】このように後加工段階で吸湿性を付与する
方法では染色時あるいは得られた布帛特性の点で種々の
問題があることから、繊維を製造する段階で吸湿性を付
与しかつ前記問題点を解消するため、吸湿率が10%以
上の吸湿性樹脂を芯部とし、それを鞘部であるポリエス
テルで覆った芯鞘型複合繊維が特開平2−99612号
公報で提案されている。しかしながら、この方法では染
色などの熱水処理時に芯部の吸湿・吸水率が高いが故、
芯部と鞘部との水膨潤差により鞘部に歪みがかかって繊
維表面にひび割れが生じ、高次工程でのトラブルを生じ
やすい等の欠点があった。そこで、特開平4−1081
13号においては、芯鞘比が20/80〜70/30の
芯鞘型複合繊維で、芯部が複合繊維の内部に設けた中空
部分と接していることを特徴とする芯鞘型複合繊維を提
案している。しかし、この発明においても、芯成分とし
て配合する吸湿ポリマの配合比が、重量分率として20
%以上と高いため、染色等の熱水処理工程などで鞘部に
歪みが生じ、ひび割れの問題を十分に回避できなかっ
た。そのため、鞘割れを起こさないために、芯成分の配
合比を20%以下とすると、今度は十分な快適性が得ら
れなくなってしまった。また、特開平6−136620
においては芯鞘型複合繊維を熱水で処理することにより
中空繊維とする方法が提示されているが、単に芯部に中
空部が存在するだけでは、芯ポリマの膨潤による鞘歪み
は制御しきれず、完全にはひび割れを防止できない。そ
のため、依然として商品価値の低下や工程トラブルを引
き起こしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の問題点を克服し、吸湿性の高いポリマを芯部
とする芯鞘複合繊維により、吸湿性と染色堅牢性に優れ
た商品価値の高い合成繊維の布帛を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、吸湿性ポリマを芯部に配した芯鞘複合糸からなり、
芯比率が20%未満で、芯部と鞘部の界面に中空部を有
する芯鞘型複合繊維からなる吸湿特性ΔMRが1.5%
以上の布帛によって達成できる。
【0008】
【発明の実施の形態】芯比率が重量比20%未満とする
ことは、本発明の目的の一つである染色堅牢性を良好に
するために重要である。芯比率を20%未満とすること
で、芯部を構成する吸湿ポリマが湿熱処理工程などにお
いて吸水膨潤したときに鞘にかかる歪みを吸収し、鞘部
にひび割れをおこすことを防止でき、良好な染色堅牢性
を有するものである。また、複合繊維を製造する際の紡
糸性を良好にし、糸切れをも抑制できる。
【0009】また、本発明においては、中空部が芯部と
鞘部の界面に存在することが必要である。中空部が単に
芯部に内在しているだけでは、芯成分である吸湿ポリマ
が吸水膨潤したとき、吸湿ポリマは外側(鞘)の方向に
膨潤し圧迫しようとする膨潤力は抑制しきれないので鞘
部にひび割れを生じる。中空部が芯部と鞘部の界面に存
在することで、外(鞘)側へ向かう芯部の吸湿ポリマの
膨潤力は中空部によって緩和・吸収され鞘割れを防止す
ることができる。中空部は芯部と鞘部の界面にできるだ
け広く存在することが望ましく、芯鞘界面の5%以上、
更に好ましくは20%以上が中空部によって占められて
いることが好ましい。なお、ここでいう芯鞘界面の比率
とは、鞘が芯部と中空部に接している長さに対する、鞘
が中空部と接している長さの比のことである。
【0010】中空部の存在は、吸湿性と染色堅牢性を良
好にするために必要不可欠な条件である。中空率は繊維
の外形から求められる繊維断面積に対する中空部の面積
比率であり、中空率が少なくとも1.4%以上であるこ
とが好ましい。また、吸湿ポリマの膨潤を十分に吸収す
るという目的を考慮すると、3%以上であることがより
好ましく、製糸安定性の観点から70%以下であること
が好ましい。
【0011】本発明の芯鞘型複合繊維は、鞘部の厚みが
4.3μm以上であることが好ましい。鞘の厚みを4.
3μm以上とすることにより、繊維断面積に対する鞘部
の面積を保ち、繊維形成性や物理的性質を良好にし、染
色堅牢性や、アルカリ処理(N処理)や仮撚り等の加工
も改善されるものである。
【0012】また、本発明の芯鞘型複合繊維の芯成分と
して用いる吸湿性ポリマは、高い吸水膨潤性も有し、複
合繊維の製糸性、染色堅牢性などを考慮して、吸水膨潤
度が水温20℃の水中で3.2倍以下であるポリマを用
いることが望ましい。
【0013】本発明の芯鞘型複合繊維からなる布帛は、
吸湿特性ΔMRが1.5%以上である。ΔMR1.5%
以上で、繊維の吸湿性能、快適性が良好である。かかる
観点からΔMRは2.5%以上が好ましく、3.5%以
上であることがさらに好ましい。又、布帛の形態安定性
を考慮すると15%以下が好ましい。
【0014】本発明における中空部は、紡糸時に複合中
空繊維とすることにより得ることもできるし、複合繊維
を乾熱処理することにより芯部に中空部を持たせても良
い。特に複合中空繊維を乾熱処理する方法が中空部を芯
鞘界面に形成する点からより好ましい。乾熱処理温度は
芯ポリマの融点以上、鞘ポリマの融点未満が好ましい。
芯ポリマの融点以上で熱処理することにより、芯成分が
溶融し、一旦膨張した後、冷却し、収縮することにより
中空部を広げることができ、また芯ポリマを一旦溶解
し、再び冷却すると、中空部の位置を界面に移動させる
こともできる。乾熱処理温度が鞘ポリマの融点を越える
と、繊維が融着してしまうため好ましくない。
【0015】本発明における鞘成分として用いる繊維形
成性重合体にはポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフィン、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミ
ド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート等のポリエステルが挙げられるがこれらに限定
されるものではない。好ましくは衣料用合成繊維として
最も汎用性の高い、ポリエチレンテレフタレートを主体
とするポリエステルである。
【0016】本発明における吸湿性ポリマは本発明の目
的の一つである繊維に吸湿性を付与する成分であり、ベ
ースとなる繊維形成性重合体よりも高い吸湿性を有する
ことが重要である。この吸湿ポリマは、たとえばナイロ
ン4、ナイロン2T、ポリグリシンなどのポリアミド、
ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステル、ポリエー
テルエステルアミドなどのほか、更にこれらの熱可塑性
樹脂とポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンなど
の汎用熱可塑性樹脂とのブレンド物を挙げることができ
る。更にポリアクリル酸ソーダ、ポリNビニルピロリド
ン、ポリアクリル酸、およびその共重合体、架橋ポリエ
チレンオキサイド系ポリマなどの吸湿・吸水性物質との
ブレンド物が挙げられるが、必ずしもこれらに限定され
るものではない。
【0017】なお、上記の熱可塑性樹脂の中ではポリエ
ーテルエステルが極めて高い吸湿特性を有し、加えて紡
糸・延伸性、繊維の色調が良好であることから好ましく
用いることができる。特に好適なポリエーテルエステル
としては、ポリエステルの酸成分としてテレフタル酸、
イソフタル酸、ナフタレン−2、6−ジカルボン酸、5
−ナトリウムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン
酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸等
があげられる。また、グリコール成分としてエチレング
リコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリ
コール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル等が挙げられる。更に共重合するポリアルキレングリ
コールとしてはポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコール等があげ
られるがその中でもポリエチレングリコールが好まし
い。また、ポリエーテルエステルが実際に使える範囲で
トリメリット酸、ピロメリット酸の如き多官能カルボン
酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
ストールの如きポリオールを使用することができる。
【0018】ポリエーテルエステル中のポリアルキレン
グリコールの割合は30〜97重量%が好ましく、より
好ましくは40〜90重量%である。ポリアルキレング
リコールの割合が30重量%以上であると十分な吸湿効
果が発揮され、また97重量%以下であると製糸性が向
上し、糸切れなどが抑制できる。
【0019】ポリエーテルエステル中のポリアルキレン
グリコールの分子量は600〜20000が好ましく、
より好ましくは1000〜10000であり、更に好ま
しくは3000〜8000である。ポリアルキレングリ
コールの分子量は600以下とし、重合中ポリアルキレ
ングリコールの飛散を防止し、また分子量が20000
以下としてポリエステルとの相溶性を保持する。
【0020】さらに前記のポリエーテルエステルにポリ
エステルやナイロンなどの繊維形成性重合体をブレンド
させることで、繊維形成性や繊維の物理的特性、繊維中
における芯部の形態安定性を向上させることができ、よ
り好ましい。
【0021】また繊維形成性重合体およびポリエーテル
エステルには、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料
のほか従来公知の抗酸化剤、着色防止剤、耐光剤、帯電
防止剤等が添加されても勿論良い。
【0022】なお、本発明においてポリエステルと上記
ポリエーテルエステルを配合し紡糸する方法は、従来公
知のポリエステルと他種ポリマを混合して紡糸する方法
をそのまま流用できる。例えば、ポリエステルとポリエ
ーテルエステルを同時にエクストルーダーへ供給して溶
融混合した後紡糸する方法、あるいは予め溶融したポリ
エステルにポリエーテルエステルをエクストルーダーの
途中から供給する方法等があげられるがこれらに限定さ
れるものではない。
【0023】又、本発明の芯鞘型複合繊維を中空糸とす
る際は、フィラメント糸の紡出は、吐出後中空部をでき
るだけ大きく持たせるよう、吐出後急冷にすることが望
ましい。中空率は口金面深度を浅くすることにより、急
冷が可能となるのでその結果中空部は大きくすることが
できる。
【0024】紡出したフィラメント糸は所定の速度で引
取った後、一旦パッケージに巻上げ、得られた未延伸糸
を通常の延伸機にて延伸する。また、この延伸は紡出糸
を引取った後巻取ることなく連続して行い巻上げてもよ
いし、4000m/分以上の高速で引取り一挙に所望の
繊維性能を得る方法をとってもよい。
【0025】直接紡糸延伸法としては、例えば、紡出糸
を1000〜5000m/分で引取り、引続いて300
0〜6000m/分で延伸・熱固定する方法が挙げられ
る。
【0026】本発明の繊維断面形状は丸ばかりでなく、
三角、偏平、多葉型などの異形断面でも良い。
【0027】また、該繊維の糸状形態は、フィラメン
ト、ステープルのどちらでも良く、常法によって得るこ
とができる。布帛形態としては、織物、編物、不織布な
ど目的に応じて適宜選択できる。
【0028】
【実施例】以下本発明を実施例により、さらに詳細に説
明する。なお、実施例中の各特性値は次の方法によって
求めた。 A.布帛の吸湿率特性 ΔMR ΔMRは、布帛の絶乾時の重量と20℃×65%RHお
よび30℃×90%RHの雰囲気下、恒温恒湿器(タバ
イ製PR−2G)中に24時間放置後の重量との重量変
化から、次式で求めた。 吸湿率(%)=(吸湿後の重量−絶乾時の重量)/絶乾
時の重量×100 上記測定した20℃×65%RHおよび30℃×90%
RHの条件での吸湿率(それぞれMR1およびMR2と
する)から、吸湿率差ΔMR(%)=MR2−MR1を
求める。ここで吸湿率差ΔMRは衣服着用時の衣服内の
湿気を外気に放出することにより快適性を得るためのド
ライビングフォースであり、軽〜中作業あるいは軽〜中
運動を行った際の30℃×90%RHに代表される衣服
内温湿度と20℃×65%RHに代表される外気温湿度
における吸湿率差である。本発明では吸湿性評価の尺度
としてこのΔMRをパラメーターとして用いるが、ΔM
Rは大きいほど吸湿性が高く着用時の快適性が良好であ
ることに対応する。
【0029】B.染色堅牢性 染色堅牢性は染色後の布帛をアセトンに浸漬することに
よって着色度合いを比較した。アセトンの着色度合いは
無色(6)→濃色(1)の6段階に分けて判断した。
【0030】アセトンの着色度合いが小さいほど(数字
が大きいほど)染色堅牢性が良好である。6〜5レベル
であれば好ましく、4はやや好ましい、3以下は不良と
した。
【0031】C.吸湿ポリマの吸水膨潤度測定 吸湿ポリマのチップを100℃で8時間乾燥し、乾燥後
の重量10±0.1gを秤量する。乾燥したチップを水
が自由に出入りするような小孔を多数有する容器の中に
入れ、投入時のチップの高さL0 を読む。次いで、チッ
プが水で浮かないように軽く蓋をし、容器ごと水の中に
浸漬する。2時間後、膨潤したチップの高さL1 を測定
する。チップの体積膨潤度は、断面積は変化しないと考
え、高さの変化から下式により計算する。 体積膨潤度(倍)=吸水後の目盛りL0 /投入時の目盛
りL1
【0032】D.中空率の測定 糸の断面写真を約100倍で撮影し、さらに2倍に拡大
したものを用いる。任意の10単糸を選び、繊維の外形
から求められる繊維断面積と中空部の面積から中空部の
断面全体に対する割合を下式より算出した。 中空率(%)=(中空部の面積/断面全体の面積)×1
00
【0033】E.判定 判定は吸湿性が1.5%以上で、染色堅牢性が6〜5で
あれば◎、吸湿性が1.5%以上、染色堅牢性が4〜5
の場合は○、吸湿性が1.5%未満もしくは染色堅牢性
が3未満の場合は×とした。
【0034】実施例1 芯成分として使用する高吸湿成分である共重合ポリエー
テルエステルとして、テレフタル酸ジメチル194部、
エチレングリコール113部、およびテトラブチルチタ
ネート0.05部を加え、140〜230℃でメタノー
ルを留出しつつエステル交換反応を行った後、リン酸ト
リメチル0.1部のエチレングリコール溶液および分子
量4000のポリエチレングリコール768部、抗酸化
剤としてIrganox 1010(チバガイキー社製)0.1
部、消泡剤としてシリコーン0.1部、およびテトラブ
チルチタネート0.05部を加え、1.0mmHgの減
圧下250℃の条件下4時間重合を行い共重合ポリエー
テルエステルを得た。この共重合体に共重合されたポリ
エチレングリコールの割合は80wt%であった。この
吸湿ポリマの融点は185℃であった。また、膨潤度を
測定すると、20℃の水中で約3.0倍であった。
【0035】該共重合ポリエーテルエステルを芯成分と
し、極限粘度0.70のポリエチレンテレフタレート
(融点258℃)を鞘成分として芯鞘比15/85とな
るように別々のエクストルーダーで溶融し、これを同心
円芯鞘中空複合用口金より吐出して未延伸糸を得、次い
で延伸、熱処理する事により75デニール24フィラメ
ントのポリエステル繊維を得た。原糸の断面形状は鞘の
厚みが5.2μmであった。本繊維の中空部が芯鞘界面
に占める割合は24%であった。この糸を筒編み機で編
立した。さらにこの筒編地を180℃のオーブン中で乾
熱セットした。この繊維は界面に6.6%の中空部を有
し、表1の断面図Aのようになった。布帛の吸湿率特性
ΔMRは5.2%であり、良好な吸湿特性を有してい
た。さらにこの筒編地を分散染料3%owfにて130
℃で染色した。染色した布帛をアセトンに浸漬すると、
着色レベルは6〜5となり、染色堅牢性は良好であっ
た。
【0036】実施例2 実施例1において、筒編み地の乾熱セット温度を210
℃に変更する以外は実施例1と同じ方法により、75デ
ニール24フィラメントのポリエルテル繊維からなる布
帛を製造した。芯部の吸湿ポリマは一旦溶解したのち冷
却され、中空部は界面全体に移行した。断面形状は図B
のようになり、吸湿性は良好であった。さらにこの布帛
を染色した結果、染色堅牢性は特に良好であった。
【0037】実施例3 実施例1において口金を単純な芯鞘構造にする以外は実
施例1と同じ方法により75デニール24フィラメント
の非中空芯鞘複合ポリエステル繊維を製造した。精練後
の糸の断面は芯の中央に中空部を有していた。この糸を
210℃で熱セットすると芯部は一旦溶解し、中空部が
界面に届く形状となった。断面形状は図Cのようにな
り、中空部が芯鞘界面に占める割合は10%であった。
吸湿率は良好で、さらにこの布帛を染色すると、染色堅
牢性も良好であった。
【0038】実施例4 実施例1において吐出後の急冷を緩和する以外は実施例
1と同じ方法により75デニール24フィラメントのポ
リエステル繊維からなる布帛を製造した。断面は界面に
接する中空部を有し、図Dのようになった。吸湿率は
2.0%となったが、中空率は0.4%であった。この
布帛を染色すると、染色堅牢性はやや低くなり、染色後
のアセトン着色レベルは4となった。
【0039】実施例5 実施例5は、実施例1において鞘の厚みを3.4μmに
する以外は実施例1と同じ方法により、75デニール7
2フィラメントのポリエステル繊維からなる布帛を製造
した。断面は図Eのようになった。吸湿性は良好であっ
たが、鞘の厚みが薄かったために染色後のアセトン着色
は4となった。
【0040】実施例6 実施例1において吸湿ポリマの組成を変更し、PEG共
重合分量を92wt%として、吸湿ポリマの膨潤度を
3.5倍とする以外は実施例1と同じ方法により75デ
ニール24フィラメントのポリエステル繊維からなる布
帛を製造した。断面は図Fのようになった。吸湿率は
5.5%と高かったが、芯の膨潤度が高かったために染
色後はアセトン着色度は4になった。
【0041】比較例1 比較例1は、実施例1において芯比率を25%にする以
外は実施例1と同じ方法により、75デニール24フィ
ラメントのポリエステル繊維からなる布帛を製造した。
断面は図Gのようになった。吸湿性は良好であったが、
芯比率が高かったために染色後は芯の膨潤を制御できず
に鞘割れし、染色堅牢性に劣った。
【0042】比較例2 実施例1において紡糸口金を中実にし、熱処理温度を1
80℃とする以外は実施例1と同じ方法により75デニ
ール24フィラメントのポリエステル繊維からなる布帛
を製造した。熱処理により断面は中空化したが、図Hの
ように界面に接しない中空部となったため、染色後のア
セトン着色レベルは1となった。
【0043】比較例3 比較例3は、実施例1において芯比率を5%にする以外
は実施例1と同じ方法により、75デニール24フィラ
メントのポリエステル繊維からなる布帛を製造した。断
面は図Iのようになった。芯比率が低かったため、吸湿
性は1.3%と低くなり、快適感が不十分であった。
【0044】実施例7、比較例4、5 実施例3の中実糸において、乾熱処理を180、21
0、265℃の各温度で行い、中空部のでき方と、染色
後の染色堅牢性を評価した。芯部に用いた吸湿ポリマの
融点は185℃、鞘ポリマの融点は258℃であった。
180℃で熱処理したときは芯鞘の界面に接しない中空
部(図J)となり、染色後のアセトン着色は1レベルと
なった(比較例4)。また、210℃で熱処理したとき
の糸の断面は図Kのように吸湿ポリマが一旦融解し、芯
鞘界面と共有部分をもつ中空部となった。染色後のアセ
トン着色レベルは4となった(実施例7)。熱処理温度
を265℃とすると、鞘ポリマの融点以上であったた
め、布帛が融着してしまった(比較例5)。
【0045】
【表1】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明によって得られた合成繊維からな
る布帛は、着用快適性を得るのに十分な吸湿性を有して
おり、ドライタッチな風合いと高い染色堅牢性や耐光性
を有している。本発明の合成繊維からなる布帛は、下
着、シャツ・ブラウス類、中衣、スポーツウェア、スラ
ックス類、外衣、裏地、さらには、シーツ、フトンカバ
ー等の寝装用に適しており、実用性の高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 8/14 D01F 8/14 Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸湿性ポリマを芯部に配した芯鞘複合糸
    からなり、芯比率が重量比20%未満で、芯部と鞘部の
    界面に中空部を有する芯鞘型複合繊維からなる、吸湿特
    性ΔMRが1.5%以上の布帛。
  2. 【請求項2】 鞘成分が繊維形成性重合体のポリエステ
    ルである請求項1記載の吸湿性に優れた布帛。
  3. 【請求項3】 中空率が1.4%以上であることを特徴
    とする請求項1、又は2記載の吸湿性に優れた布帛。
  4. 【請求項4】 鞘部の厚みが4.3μm以上であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の吸湿性
    に優れた布帛。
  5. 【請求項5】 芯部に配する吸湿性ポリマの膨潤度が水
    温20℃の水中で3.2倍以下であることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれか1項記載の吸湿性に優れた布
    帛。
  6. 【請求項6】 芯部に配する吸湿性ポリマがポリエーテ
    ルエステルもしくはポリエーテルエステルと熱可塑性ポ
    リマとのブレンド物であることを特徴とする請求項1〜
    5のいずれか1項記載の吸湿性に優れた布帛。
  7. 【請求項7】 芯部に吸湿性ポリマを配し、鞘部に熱可
    塑性ポリマを配した芯鞘型複合繊維を芯ポリマの融点以
    上、鞘ポリマの融点未満の温度で乾熱処理することを特
    徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の布帛の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれか1項の布帛を染
    色した染色堅牢性に優れた染色布帛。
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