JP2623528B2 - 高吸水性織編物 - Google Patents

高吸水性織編物

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JP2623528B2
JP2623528B2 JP61084339A JP8433986A JP2623528B2 JP 2623528 B2 JP2623528 B2 JP 2623528B2 JP 61084339 A JP61084339 A JP 61084339A JP 8433986 A JP8433986 A JP 8433986A JP 2623528 B2 JP2623528 B2 JP 2623528B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は吸水性に優れた織編物の製造方法に関し、更
に詳しくは吸水性,吸湿性,保水性に優れ、かつ快適な
着心地を有する新規な織編物に関する。
〔従来の技術〕
合成繊維は一般に吸水性が低いため肌に直接接するよ
うな衣類用途、たとえば肌着,スポーツウエア,寝具な
どに使用した場合、着心地が悪く、用途拡大に制限があ
つた。
ポリエステルにおいては綿と混紡させることにより吸
水性を向上させる方法が一般的に採用されているが、こ
のような方法では合成繊維をステープルフアイバーにし
ないと混紡し難いという欠点、得られる織編物に伸縮性
を与え難い欠点の他、合成繊維の優れた物理的特性を生
かしきれないなどの問題があり、満足できる方法ではな
かつた。
また、重合時に吸水性成分を添加あるいは共重合させ
て吸水性を向上させるものとして、ポリエステル重縮合
時にポリアルキレングリコールを共重合または混合する
方法(特公昭44−30010号公報など)があるが、製糸性
が低下し易い欠点があり、更にポリエステルの物理的特
性を低下させるという問題がある他、日光により黄変す
るという問題もある。
その他に、重合時に特性の微粒子を添加し、繊維形成
後に溶剤で処理して繊維表面に微細な凹部を形成させ吸
水性を向上させる方法(特公昭43−16665号公報)など
があるが、吸水性を十分付与させることは困難である。
合成繊維からなる織編物にポリアルキレングリコー
ル、アクリル酸などの処理剤を付与させる方法もある
が、洗濯に対する耐久性をも付与させることは困難であ
る。
繊維の断面形状を特定の異型断面形状として吸水性を
付与させる方法(特開昭54−151617号公報など)が多数
提案されているが、織編物に伸縮性と嵩高性を付与する
ために仮撚加工すると、いずれも仮撚加工において断面
形状が大きく変化してしまい、仮撚加工糸とすると織編
物には十分な吸水性を付与できなかつたのである。
仮撚加工後にも特性の異型断面形状を保持させる方法
として複合紡糸マルチフイラメント糸の適用することが
考えられる。このような複合紡糸マルチフイラメント糸
に関しては次の様な技術が開示されている。すなわち特
公昭39−29636号公報には一方成分のポリマセグメント
により他方成分のポリマセグメントを複数個に分割配置
した複合紡糸マルチフイラメント糸より他方成分を溶解
除去することにより異型度の大きい異型断面糸が得られ
ることが開示されている。この実施例に一方成分のポリ
マをポリエチレンテレフタレート、他方成分のポリマを
ナイロン66とした分割型複合マルチフイラメント糸を蟻
酸で処理し、ナイロン66を溶解除去し四葉断面糸とする
例があるが、ポリエチレンテレフタレートとナイロン66
とからなる複合マルチフイラメント糸では両成分間で剥
離を生じ易く、製糸,製編織など溶出処理以前の工程で
剥離に基づく糸切れなどのトラブルを発生させる欠点が
ある。しかもこの技術には、織編物とする際に吸水性を
付与する点について何も配慮されていない。
特公昭53−37927号公報には第一成分のポリマがフイ
ラメントの横断面の中心より放射状に分岐する薄層の放
射状成分とくさび状でその先端がフイラメントの中心に
向つているくさび型部分を形成し、第二成分のポリマが
放射型部分により独立にするセグメント部分に分割接合
され、かつセグメント部分は夫々対応する一つのくさび
型部分と接合された分割型複合マルチフイラメント糸か
開示されている。この技術には織編物とする際に吸水性
を付与する点について何も配慮されていない他、このよ
うな分割型複合マルチフイラメント糸を製造するための
口金装置は複雑にならざるを得ず、かつ安定した複合紡
糸をすることが困難になる欠点があつた。
以上説明したような欠点を改善するものとして本発明
者らは先に特開昭57−128265号公報にて易溶解性ポリマ
を繊維表面より繊維内部方向にくさび状に複数個配置さ
せた複合マルチフイラメント糸を仮撚,製編織してから
易溶解性ポリマを溶解除去し吸水性織編物を製造する技
術を提案した。しかしながらここに開示された技術で得
られる吸水性のレベルは組織が粗い編物では有効なるも
のの、織物に対しては十分な効果を発揮できないもので
あつた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者らは、前述のような従来技術の欠点を改善
し、恒久的な吸水性に優れ、更にドライタツチで伸縮
性,嵩高性があり快適な着心地を有する織編物、特に織
物、とりわけ撚糸使い織物を提供するものであって、更
に製造する際に特別の装置や方法を駆使しなくても容易
に製造できる織編物を提供するものである。
〔問題点を解決するための手段〕
前記した本発明の目的は放射状突起を5〜10個有する
多葉状断面フイラメントから成る仮撚マルチフイラメン
ト糸で構成される織編物において、織編物を高する仮撚
マルチフイラメント糸の空間指標が30以上、追撚係数が
3000以上で、多葉状断面フイラメントの葉状間の空間率
が少な(ただし、多葉状断面の葉状間の空間率とは多葉
状断面を有する各フイラメントの、横断面において隣り
合う2つの葉状の突起への共通接線と接点間の繊維表面
とで囲まれたすべての空間の総面積をSbとし、そのフイ
ラメントの断面積をSaとした場合のSb/(Sa+Sb)の平
均値とする。追撚係数とは、追撚数(T/m)×√マルチ
維度(デニール)で定義される。) すなわち、本発明者らは多葉状断面の仮撚糸の空間率
SRが0.4以上となると吸水特性が飛躍的に向上すること
を見い出した。この発見により、布帛としての組織構造
がルーズである編物においては空間率SRが0.4に満たな
くてもある程度の吸水性を付与することが可能であつた
が、組織構造がタイトである織物では困難であつた点を
理解できるものである。この理由としては、空間率SRが
0.4以上となると保水性が急増するために、吸水性が向
上するものと考えられる。
本発明において多葉状断面フィラメントの葉状間の空
間率(以下空間率SRと称す。)とは、多葉状断面を有す
る各フイラメントの横断面において隣り合う2つの葉状
の突起への共通接線と接点間の繊維表面とで囲まれたす
べての空間の総面積をSbとし、そのフイラメントの断面
積をSaとした場合のSb/(Sa+Sb)の平均値とする。
なお本発明における吸水性織編物はそれを構成する全
ての糸条が空間率SRが0.4以上である多葉状断面の仮撚
マルチフイラメント糸である必要はないが、吸水性効果
を発揮するには空間率SRが0.4以上である多葉状断面の
仮撚糸が、織編物中に60重量%以上含まれるべきであつ
て、70重量%以上が好ましい。
また、織物においてむらなく安定した高給水特性を付
与するには、空間率SRは0.4以上が必要である。特に撚
糸使い織物においてむらなく安定した高給水特性を発揮
させるには空間率SRは0.5より大きいことが好ましい。
なぜなら、通常マルチフイラメント糸使いの織物の経糸
には製織性を向上させるために追撚数 で定義される追撚係数が2000前後の追撚を施すが、これ
以上に追撚数が多くなるとマルチフイラメント糸のフイ
ラメント間の密接性が増加し、織物の吸水特性は低下す
る。しかしながら、空間率SRを0.5より大きくすること
により経糸と緯糸の平均追撚係数が3000以上の撚糸使い
織物でも、高吸水特性を発揮することができるためであ
る。特に追撚係数が5000以上では極めてドライタツチで
吸水してもさらりとしたタツチの織編物とすることが可
能である。
織編物が吸水してもドライタツチで乾いた快適な着心
地を付与するために、多葉状断面フィラメントの仮撚糸
は放射状突起を有する多葉状断面糸とすることが必要で
ある。
更に本発明の織編物に好ましく用いられる繊維の糸断
面の一例を用いて説明する。第1図と第2図は繊維中心
よりそれぞれ5個,6個の放射状突起を有する5葉断面糸
と6葉断面糸の例である。多葉状断面の葉数は、空間率
を0.4以上とする制限下では少なすぎても逆に多すぎて
も放射状突起の巾を小さくせざるを得ず、フイブリル化
し易すくなるので4〜12個の範囲が好ましく、5〜10個
の範囲がより好ましい。
織編物として使用中での多葉状断面形状の変形、特に
放射状突起の変形やフイブリル化を防止するために放射
状突起は繊維中心方向に巾を暫増させることが可能で好
ましいことである。また多葉状断面の仮撚糸以外の糸を
織編物中に同時に用いる場合は、多葉状断面の放射状突
起の間の空間へその断面積の60%以上が入り込むことが
できる細繊度糸は織編物ほ吸水性を激減させるので用い
ない方が好ましい。
また、本発明において織編物の吸水性をより増加させ
るためには織編物の仮撚マルチフイラメント糸を構成す
る多葉断面形状のフイラメント数Fを増加させることが
有利であり、48本以上が必要で、72本以上が好ましく、
100本以上が一層好ましい。一方、多葉断面形状の単糸
フイラメント繊度dは小さくする方が有利であり3デニ
ール以下か好ましく、2デニール以下がより好ましい。
この観点から、(空間率SR)×(フイラメント数F)/
(単糸フイラメント繊度d)を空間指標SIと定義する
と、空間指標SIは30以上とすることが吸水性向上の点で
必要で、40以上とすることが好ましい。
多葉状断面の仮撚糸を形成するポリマは公知のポリア
ミド,ポリエステル,ポリオレフイン,ポリアクリルニ
トリルなどから選べば良いが、仮撚特性,寸法安定性,
耐薬品性,耐熱性などの点で優れているポリアミドとポ
リエステルを好ましく使用できる。特に吸水性の乏しい
ポリエステルにおいてその効果は顕著であり、好適に適
用される。
次に本発明の高吸水性織編物の製造方法を一例を挙げ
て説明する。
本発明の空間率が0.4以上の多葉状断面の仮撚マルチ
フイラメント糸からなる織編物を得るためには種々の方
法をとり得るが、易溶解性ポリマで形成される繊維表面
より内部方向に配置される複数個のセグメントと難また
は非溶解性ポリマで形成されるこれらのセグメントを補
完する如き配置された多葉状部分で構成される複合マル
チフイラメント糸を仮撚した後(織編物にする前または
後に)易溶解性ポリマの少なくとも一部を溶解除去する
ことが効果的で好ましい。
すなわち、織編物を構成する仮撚糸の断面形状を多葉
状断面とするために複合マルチフイラメント糸の横断面
形状を溶剤に対して難または非溶解ポリマで形成される
放射状突起を有する多葉状部分とこの多葉状部分の葉状
間を易溶解性ポリマで形成された易溶解セグメントが補
完する如く、複合マルチフイラメントの外周表面より内
部方向に複数個配置された形状とすることが可能であり
好ましい。
このような多葉状部分と易溶解セグメントとで形成さ
れる複合フイラメントの好ましい横断面の例を第3図と
第4図に示した。第3図、第4図の複合フイラメントは
多葉状部分Aの葉状数はそれぞれ5個、6個であり、こ
の多葉状部分の葉状間を易溶解セグメントBが補完する
如く複合フイラメントの外周表面より内部方向にそれぞ
れ5個、6個配置された形状となつている。このような
複合フイラメントで構成される複合マルチフイラメント
糸を仮撚加工すると、フイラメントの外周は略5角形あ
るいは6角形の形状となるが多葉状部分の形状は仮撚加
工前と大差なく、易溶解セグメントを溶解除去すると複
合フイラメントにおける多葉状部分に近い形状の多葉状
断面の仮撚加工糸が得られる。なお織編物としてからの
多葉状断面形状の変形を防止するために多葉状部分の放
射状突起は複合フイラメントの中心方向に巾を暫増させ
ることが可能で好ましいことである。多葉状部分の葉数
は織編物を構成する多葉状断面の仮撚糸の空間率を0.4
以上とし、かつ十分な放射状突起の巾を持たせるために
4〜12個の範囲が好ましく、5〜10個の範囲がより好ま
しい。
複合フイラメントの横断面形状は安定した複合紡糸を
行なうためにフイラメント横断面において糸重心を通る
回転軸に対し、回転対称形であることが好ましい。
多葉状部分と易溶解セグメントとで形成される複合フ
イラメントを仮撚加工してから易溶解セグメントを溶解
除去して多葉状断面の仮撚糸とする際に空間率SRは複合
フイラメントに占る易溶解セグメントの面積比の70〜90
%程度に通常低下する。従い多葉状断面の目標とする空
間率SRの1.1倍以上より好ましくは1.2倍以上に複合フイ
ラメントに占る易溶解セグメントの面積比を設定するこ
とが好ましい。ただし易溶解セグメントの複合フイラメ
ントに占る面積比が大きすぎると放射状突起の巾が小さ
くなりすぎるので0.9以上とすることが好ましく、0.8以
下がより好ましい。
本発明における複合フイラメントを形成するポリマと
しては公知の繊維形成性のポリアミド,ポリエステル,
ポリオレフイン,ポリアクリルニトリルなどから多葉状
部分を形成するポリマ及び多葉状部分を形成するポリマ
より溶剤に対する溶解性の大きい易溶解セグメントを形
成するポリマを選択すれば良いが、多葉状部分を形成す
るポリマとしては仮撚加工性、高次加工通過性、強度特
性、寸法安定性、耐薬品性、耐熱性などの点で優れてい
るポリアミドとポリエステル、とりわけポリエステルを
好ましく適応できる。
複合フイラメントより易溶解セグメントを溶解除去す
る際に易溶解セグメントを形成するポリマをできるだけ
選択的に除去できることが、得られる織編物を構成する
多葉状断面の仮撚糸において、複合フイラメント段階で
の多葉状部分の形状を保持させるために、実際に用いる
溶解除去処理の条件下で易溶解セグメントを形成するポ
リマは多葉状部分を形成するポリマよりも溶解速度が3
倍以上大きいことが好ましく、5倍以上大きいことがよ
り好ましく、10倍以上大きいことが一層好ましい。
溶解除去処理については操業性、安全性、コストの点
よりアルカリ水溶液処理を好適に用いることができ、こ
の観点より易溶解セグメントを形成するポリマはアルカ
リ易溶解性ポリマが好ましい。アルカリ易溶解性ポリマ
としては、ポリエステルとポリアルキレングリコールの
共重合体あるいはブレンド体、アニオン系界面活性剤を
添加したポリエステルや金属スルホネート基含有エステ
ル単位を共重合したポリエステルなどがある。
とくに、安定した複合紡糸が可能なて、複合フイラメ
ントより容易にムラなく溶解除去できる点、更に良好な
相溶性を付与させ得る点で金属スルホネート基含有エス
テル単位を共重合したポリエステルを好適に用いること
ができる。
更に、アルカリ水溶液にて極めて短時間に溶解させ得
る点から金属スルホネートを有するポリエステルとして
全構成単位の2.4モル%以上がエチレン5−ソジユーム
スルホイソフタレートであり、かつ70モル%以上がエチ
レンテレフタレートからなるポルエステルを好適に用い
ることができる。
また、金属スルホネート含有エステル単位の共重合量
は3モル%以上が好ましく、複合マルチフイラメント糸
を安定して製糸するために20モル%以下が好ましく、10
モル%以下がより好ましい。
多葉状部分を形成するポリマとして好ましく適応でき
るポリエステルの種類はテレフタル酸,イソフタル酸,
フタル酸,ナフタリン−2,6−ジカルボン酸などの芳香
族ジカルボン酸もしくはアジピン酸,セバシン酸などの
脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル類と、エチ
レングリコール,ジエチレングリコール,1,4−ブタンジ
オール,ネオペンチルグリコール,シクロヘキサン−1,
4−ジメタノールなどのジオール化合物とから合成され
るポリエステルであり、特に構成単位の80モル%以上が
エチレンテレフタレート単位であるポリエステルが好ま
しい。
また、上記ポリエステル成分にポリアルキレングリコ
ール,グリセリン,ペンタエリスリトール,メトキシポ
リアルキレングリコール,ビスフエノールA,スルホイソ
フタル酸などを添加あるいは共重合しても良い。ただ
し、金属スルホネートを含む場合はポリエステル中に含
有する酸成分に対し3モル%以下とし、かつ易溶解セグ
メントを形成するポリマにおけるスルホネート量よりも
3モル%以上少なくすることが好ましい。
多葉状部分を形成するポリマとして好ましく適応でき
るポリアミドポリマとはナイロン6,ナイロン66,ナイロ
ン4,ナイロン5,ナイロン10,ナイロン11,ナイロン12,ナ
イロン6−10,芳香環を有するポリアミド,脂肪環を有
するポリアミド,異節環を含むポリアミド,ヘテロ原子
を有するポリアミド,共重合ナイロンなどを意味し、特
にナイロン6,ナイロン66を好適に用いることができる。
複合マルチフイラメント糸を製糸、仮撚加工し製編織
する際に多葉状部分と易溶解セグメントとの間で剥離が
生じると毛羽,タルミ,糸切れを発生し操業性を著しく
低下させるので、多葉状部分と易溶解セグメントとの間
でポリマ間の相溶性が良いことが好ましい。本発明にお
いて相溶性が良いとは、仮撚加工後に実質的に多葉状部
分と易溶解性セグメントとの間で剥離が認められないも
のを意味する。多葉状部がポリエステルの場合は、易溶
解セグメントを形成するポリマとしては前記したアルカ
リ易溶解性ポリマが、ポリアミドの場合には金属スルホ
ネート基含有エステル単位を共重合したポリエステルが
相溶性の点で好適に用いることができる。
なお複合フイラメントを形成するポリマには本発明の
効果を阻害しない範囲で艶消剤、抗酸化剤、螢光増白
剤、難燃剤、紫外線吸収剤などよく知られた添加剤を含
有せしめることも可能である。
本発明における複合フイラメントは先に本発明者らが
提案した特開昭57−128265号公報などで開示した複合紡
糸口金装置を応用することで好ましく製造できる。
次に複合マルチフイラメント糸を仮撚加工し糸に伸縮
性,嵩高性を付与すると共に吸水性を向上させる。仮撚
加工に供給する複合マルチフイラメント糸は未延伸糸、
高配向未延伸糸、延伸糸のいずれでもかまわない。仮撚
加工方法は延伸後連続仮撚、延伸同時仮撚、延伸糸仮撚
などどのような方法であつてもかまわないものであり、
仮撚手段としてはスピンドル式、フリクシヨン式、旋回
流式、イタリー式など公知のどの手段でも良い。ただし
生産性の点から高配向未延伸糸をフリクシヨン式にて延
伸同時仮撚を行なうのが良く、この場合には仮撚による
糸断面変形を小さくし、仮撚時の糸切れや毛羽発生を防
止する点、更に仮撚糸の強度、伸度特性を十分実用可能
なレベルとする点より紡糸速度は2500m/minであること
が好ましく、2800m/min以上であることがより好まし
い。仮撚加工条件は公知のいかなる条件も適応させ得る
が、融着を発生させると仮撚糸の強度、伸度特性が低下
し、更に易溶解セグメントの溶解除去が困難となるので
融着を発生させない条件とすることが好ましい。
次に仮撚加工した複合マルチフイラメント糸を織物あ
るいは編物とする。織物あるいは編物の種類、組織に特
に制限ないが、前述したように吸水性を付与し難い織
物、とりわけ撚糸使いで織物で本発明の効果が良く発揮
できる。
次に複合マルチフイラメント仮撚加工糸を使用した織
編物より易溶解セグメントを溶解除去して空間率SRが0.
3以上の多葉状断面の仮撚マルチフイラメント糸で構成
された織編物とする。易溶解セグメントを溶解除去する
方法については公知のいかなる方法を適用してもよい
が、前述したように易溶解セグメントを形成するポリマ
をアルカリ易溶解性ポリエステルとしアルカリ水溶液に
て易溶解セグメントを形成するポリマを溶解除去するこ
とが好ましい。なお溶解処理後に易溶解セグメントが残
存すると染むらとなり易いので易溶解セグメントは全て
溶解除去することが好ましい。
アルカリ水溶液処理としては、アルカリ金属の水酸化
物の加熱水溶液にてバツチ式、ジツカー、ウインス、ビ
ーム、吊り層などの処方により織編物を処理するもの
で、公知のいかなる方法を用いても良い。
易溶解セグメントを形成するポリマの溶解速度を速く
するために、アルカリ水溶液にフエノール系物質、アミ
ン系物質、第4級アンモニウム塩、高沸点の多価アルコ
ールなどを添加して用いることもできる。
アルカリ金属の水酸化物のなかでもコストが安く、溶
解する能力が大きい点で水酸化ナトリウムを使用するこ
とが好ましく、この場合、水酸化ナトリウム水溶液の濃
度を1〜40wt%、温度を70〜130℃として用いることが
好ましい。
本発明の高吸水性織編物は複合紡糸方法によらない通
常の方法で多葉状断面糸を製糸し、それを仮撚し、織編
物にすることによつて得ることもできるが、前述した複
合紡糸方法の方が容易で好ましい。なぜなら、製糸段階
で多葉状段面の未延伸糸あるいは延伸糸の空間率SRを0.
3以上とすることができても、仮撚中に多葉状断面が大
きく崩れてしまうからである。しかも多葉状断面の未延
伸糸あるいは延伸糸の空間率SRを0.3以上としようとす
ると紡糸吐出時のドラフトと冷却を異常に大きくする必
要があり、このため糸条の強度は著しく小さくなり、仮
撚糸とした場合には実用強度を保持させることが困難と
なるため好ましくない。
〔実施例〕
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。な
お、実施例中の各測定値は次の方法によつて求めた。
A. 吸水性 織編物サンプルより20×25cmの試験片を作り、JIS107
9(バイレツクス法)に従つてその吸水高さを測定し
た。吸水高さの大きい程、吸水性が良好であることを示
す。
B. 保水性 織編物サンプルを乾燥してから水中に1時間浸漬後、
家庭用電気洗濯機の脱水機で5分間脱水する。(脱水後
のサンプル重量−乾燥後のサンプル重量)/(乾燥後の
サンプル重量)×100(%)を保水性と定義する。
実施例1 多葉状部分を形成するポリマAとしてポリエチレンテ
レフタレート、易溶解セグメントを形成するポリアBと
してエチレン5−ソジユームスルホイソフタレート(6
モル%)/エチレンテレフタレート(94モル%)共重合
ポリエステルを用い、第4図に示す如くの横断面形状を
有する複合マルチフイラメント糸を複合面積比率を表1
に示す如く変更し製糸した。突起状部分の巾はフイラメ
ント内部芳向へ暫増させてある。紡糸温度290℃、紡糸
速度3300m/minで複合紡糸して得た高配向未延伸糸を外
接型フリクシヨン仮撚機で延伸同時仮撚を行なつた。加
工速度450m/min、ヒーター温度200℃、仮撚数1700T/Mと
し330デニール120フイラメントの仮撚糸とした。仮撚糸
において両成分間の剥離はなかつた。
この仮撚糸を経,緯ともに200T/Mの追撚を施こし経密
度82本/インチ、緯密度75本/インチで平織物を製織し
た。この織物の平均追撚係数は3633である。この織物を
水酸化ナトリウム濃度が30g/である98℃の水溶液で表
1に示す減量率で処理した。易溶解セグメントを形成す
るポリマを溶解除去した後の横断面形状は第2図に示す
如くであつてほぼ複合フイラメントにおける多葉状部分
の形状を維持していた。織物の吸水特性と織物を構成す
る仮撚糸の特性を表1に併記した。空間率SRが0.4より
大きいNo.4〜5において大きな吸水性が認められた。N
o.5はきわめて大きな吸水性を示し、相当する綿織物に
匹敵する極めて大きな吸水性を示した。
しかもNo.4〜5の織物を伸縮性,嵩高性に優れ、スラ
ツクスとして実用テストした所、激しい運動をした後で
もドライタツチでさわやかな着心地を示した。
実施例2 実施例1のテストNo.4,5の複合マルチフイラメント仮
撚糸を使用して、追撚係数の効果を評価した。経,緯と
もに300T/Mの追撚を施こし実施例1に準じ製織し、減量
処理した。それぞれテストNo.を6,7とする。織物の平均
追撚係数は5450である。アルカリ処理後の仮撚糸の特性
は表2のとうりである。いずれの織物も大きな吸水性を
示すが、No.7において顕著である。実施例1と同じ運動
量で実用テストした所、ドライタツチでさわやかな着心
地であるが、No.7がとくにさらつとしたタツチの点で優
れていた。
〔発明の効果〕 本発明の織編物は恒久的な吸水性に優れ、かつドライ
タツチで伸縮性,嵩高度があり快適な着心地を有する。
吸水性付与の難しい織物、とりわけ撚糸使いの織物でも
吸水性を所示させられるという画期的な効果がある。
吸水特性については吸水性のみならず吸汗性、保水
性、吸湿性、透水性も所示させ得る。本発明の織編物が
これらの吸水特性を有する理由は、織編物を構成するフ
イラメントの断面側綿に大きな空間があるため、水ある
いは汗などの水分が織編物に付着した際に、この空間部
分に保持されると共に空間部分での毛管現象により水分
が表面を移動し織編物表面より蒸発し易いためと推定さ
れる。更に構成フイラメントの糸重量当りの表面積が大
きいことと、仮撚加工で生じた歪も吸水性向上に寄与し
ている。
【図面の簡単な説明】
第1図と第2図は本発明の織編物を好ましく構成する多
葉状断面仮撚糸の断面の例であり、第3図と第4図は多
葉状断面仮撚糸を好適に製造できる複合フイラメントの
継面の例である。 A……多葉状部分 B……易溶解セグメント
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−53408(JP,A) 特開 昭62−149939(JP,A) 特開 昭54−151617(JP,A) 特開 昭59−100744(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放射状突起を5〜10個有する多葉状断面フ
    イラメントから成る仮撚マルチフイラメント糸で構成さ
    れる織編物において、織編物を構成する仮撚マルチフイ
    ラメント糸の空間指標が30以上、追撚係数が3000以上
    で、多葉状断面フイラメントの葉状間の空間率が少なく
    とも0.4であることを特徴とする高級水性織編物。 (ただし、多葉状断面の葉状間の空間率とは多葉状断面
    を有する各フイラメントの、横断面において隣り合う2
    つの葉状の突起への共通接線と接点間の繊維表面とで囲
    まれたすべての空間の総面積をSbとし、そのフイラメン
    トの断面積をSaとした場合のSb/(Sa+Sb)の平均値と
    する。追撚係数とは、 で定義される。)
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