JPH0819607B2 - 保温性に優れた軽量薄地布帛、その製造方法、及び、インナーウェア製品 - Google Patents
保温性に優れた軽量薄地布帛、その製造方法、及び、インナーウェア製品Info
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- JPH0819607B2 JPH0819607B2 JP1263373A JP26337389A JPH0819607B2 JP H0819607 B2 JPH0819607 B2 JP H0819607B2 JP 1263373 A JP1263373 A JP 1263373A JP 26337389 A JP26337389 A JP 26337389A JP H0819607 B2 JPH0819607 B2 JP H0819607B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、保温性に優れしかも薄くて軽い布帛に関す
るものである。特に、インナーウェアとして有用な保温
性軽量薄地布帛に関するものである。
るものである。特に、インナーウェアとして有用な保温
性軽量薄地布帛に関するものである。
[従来の技術] 合成繊維、特にポリアミド、ポリエステル等の熱可塑
性合成繊維は、その優れた強さ、イージーケアー性など
から天然繊維に匹敵する量の生産、消費がなされてい
る。
性合成繊維は、その優れた強さ、イージーケアー性など
から天然繊維に匹敵する量の生産、消費がなされてい
る。
しかし、これら熱可塑性合成繊維、特にポリアミドフ
ィラメント糸はその表面と内部構造が均一かつ単純であ
ることから、単なる丸断面フィラメント糸では冷たい触
感や蝋状感等があり、冬季の衣料としての暖かさや保温
性が不十分という欠点がある。
ィラメント糸はその表面と内部構造が均一かつ単純であ
ることから、単なる丸断面フィラメント糸では冷たい触
感や蝋状感等があり、冬季の衣料としての暖かさや保温
性が不十分という欠点がある。
そこで、紡績糸、糸断面の複雑化、仮撚り加工などの
テキスチャードヤーン化することにより上記欠点を改善
する試みがなされ、多くの製品が上市されてきている。
しかし、これら従来の手段では、ソフトな感触に欠ける
こと、十分な薄地化が困難であること等において問題が
あった。
テキスチャードヤーン化することにより上記欠点を改善
する試みがなされ、多くの製品が上市されてきている。
しかし、これら従来の手段では、ソフトな感触に欠ける
こと、十分な薄地化が困難であること等において問題が
あった。
また、ポリアミド・ポリエステル分割型複合繊維を緯
糸のみに用いて薄地織物を構成し、柔軟さと腰、張りと
のバランスをとることが、特開昭63−6130号公報で提案
されているが、この手段では、ポリアミド極細繊維とポ
リエステル極細繊維とが混在するため高密度布帛となる
ので、布帛中に取込まれる空気量が少なく、十分な保温
性が得られ難いという問題がある。しかも、酸性染料と
分散染料とを併用して染色されるため、染着差によるイ
ラツキが生じ易いし、また、ポリアミドに染着した分散
染料が染色堅牢性に劣り、得られる製品の染色堅牢度が
実用上満足できないという問題もある。
糸のみに用いて薄地織物を構成し、柔軟さと腰、張りと
のバランスをとることが、特開昭63−6130号公報で提案
されているが、この手段では、ポリアミド極細繊維とポ
リエステル極細繊維とが混在するため高密度布帛となる
ので、布帛中に取込まれる空気量が少なく、十分な保温
性が得られ難いという問題がある。しかも、酸性染料と
分散染料とを併用して染色されるため、染着差によるイ
ラツキが生じ易いし、また、ポリアミドに染着した分散
染料が染色堅牢性に劣り、得られる製品の染色堅牢度が
実用上満足できないという問題もある。
一方、繊維内部に中空層を持つ中空繊維は、嵩高性、
保温性、防汚性、吸水性、濾過性などの特性を有するの
で、それら特徴を活かして、種々の用途に使用されてき
ている。例えば、崇高性と保温性を生かしたポリエステ
ル詰め綿;腰、張り、保温性を生かしたポリエステルス
テープルファイバー;吸水性を生かしたアクリルステー
プルファイバー;防汚性を生かしたカーペット用糸、等
に使われてきている。
保温性、防汚性、吸水性、濾過性などの特性を有するの
で、それら特徴を活かして、種々の用途に使用されてき
ている。例えば、崇高性と保温性を生かしたポリエステ
ル詰め綿;腰、張り、保温性を生かしたポリエステルス
テープルファイバー;吸水性を生かしたアクリルステー
プルファイバー;防汚性を生かしたカーペット用糸、等
に使われてきている。
ところが、ナイロン6やナイロン66のような通常のポ
リアミド繊維の場合は、溶融紡糸により製造されるため
中空率を高くすることが困難であり、しかも、ポリマ自
体のモジュラスが低いことから後加工工程において中空
部が潰れ易いので、ポリアミド中空繊維は、太繊度の防
汚性カーペット用糸として使われている程度にすぎなか
った。
リアミド繊維の場合は、溶融紡糸により製造されるため
中空率を高くすることが困難であり、しかも、ポリマ自
体のモジュラスが低いことから後加工工程において中空
部が潰れ易いので、ポリアミド中空繊維は、太繊度の防
汚性カーペット用糸として使われている程度にすぎなか
った。
また、大きな中空部を有する細繊度中空繊維をポリア
ミドで製造可能にする方法が特開昭56−112569号公報で
提案され、ぬめりのない綿に似た風合やシャリ味のある
独特の風合を有する製品が得られることが開示されてい
る。しかし、この公報は、布帛製品の風合改善のため
に、複合割合が20%とかなり薄いポリアミド鞘層を有す
る中空複合繊維を衣料用としては比較的太目の糸条で使
用することを例示しているだけであるから、その中空複
合繊維構造を保温性素材として十分に活かすことができ
ないでいた。
ミドで製造可能にする方法が特開昭56−112569号公報で
提案され、ぬめりのない綿に似た風合やシャリ味のある
独特の風合を有する製品が得られることが開示されてい
る。しかし、この公報は、布帛製品の風合改善のため
に、複合割合が20%とかなり薄いポリアミド鞘層を有す
る中空複合繊維を衣料用としては比較的太目の糸条で使
用することを例示しているだけであるから、その中空複
合繊維構造を保温性素材として十分に活かすことができ
ないでいた。
[発明が解決しようとする課題] そこで、本発明は、ウールに匹敵する程の高い保温性
と羽根のような薄さ、軽さとをあわせもつファッション
性に優れた高保温性軽量薄地布帛の提供を主たる目的と
する。即ち、前記公報で提案されたポリアミド系中空複
合繊維構造を保温性素材として十分に活かすことができ
る新規な布帛製品を提供することを主たる目的とする。
と羽根のような薄さ、軽さとをあわせもつファッション
性に優れた高保温性軽量薄地布帛の提供を主たる目的と
する。即ち、前記公報で提案されたポリアミド系中空複
合繊維構造を保温性素材として十分に活かすことができ
る新規な布帛製品を提供することを主たる目的とする。
また、適度の腰、張りとともにポリアミド特有のソフ
トな感触、良好な染色性や耐久性を有し、しかも、寸法
安定性にも優れた高保温性軽量薄地布帛を提供すること
を別の目的とする。
トな感触、良好な染色性や耐久性を有し、しかも、寸法
安定性にも優れた高保温性軽量薄地布帛を提供すること
を別の目的とする。
[課題を解決するための手段] この目的を達成するため、請求項1の本発明は、布帛
の目付け(W g/m2)及び厚さ(A mm)が、 40≦W≦100、0.25≦A≦0.35 を同時に満足する軽量薄地布帛において、該布帛が、ポ
リアミドからなり、亀裂や欠損を有さない鞘部、ポリエ
ステルからなる芯部、及び前記鞘部と芯部との間に存在
する中空部とを有する芯鞘型中空複合繊維から構成さ
れ、該芯鞘型中空複合繊維の繊維横断面における前記鞘
部、前記芯部および前記中空部の割合(それぞれx%、
y%,z%)が、 25≦x≦70、10≦y≦65、10≦z≦60 を同時に満足し、かつ、布帛のCLO値(C)が、C≦0.6
5 を満足する保温性に優れた軽量薄地布帛からなり、請求
項2の本発明は、請求項1記載の保温性に優れた軽量薄
地布帛から構成されたインナーウェア製品からなり、ま
た、請求項3の本発明は、ポリアミドからなる鞘部とポ
リエステルからなる芯部との複合割合(wt%)が25/75
〜70/30であるポリエステル・ポリアミド芯鞘型複合繊
維を少なくとも主体とするフィラメント糸でもって布帛
を構成した後、前記鞘部に亀裂や欠損を生じさせない状
態で、加熱アルカリ水溶液で処理することにより、請求
項1記載の軽量薄地布帛を製造する方法からなる。
の目付け(W g/m2)及び厚さ(A mm)が、 40≦W≦100、0.25≦A≦0.35 を同時に満足する軽量薄地布帛において、該布帛が、ポ
リアミドからなり、亀裂や欠損を有さない鞘部、ポリエ
ステルからなる芯部、及び前記鞘部と芯部との間に存在
する中空部とを有する芯鞘型中空複合繊維から構成さ
れ、該芯鞘型中空複合繊維の繊維横断面における前記鞘
部、前記芯部および前記中空部の割合(それぞれx%、
y%,z%)が、 25≦x≦70、10≦y≦65、10≦z≦60 を同時に満足し、かつ、布帛のCLO値(C)が、C≦0.6
5 を満足する保温性に優れた軽量薄地布帛からなり、請求
項2の本発明は、請求項1記載の保温性に優れた軽量薄
地布帛から構成されたインナーウェア製品からなり、ま
た、請求項3の本発明は、ポリアミドからなる鞘部とポ
リエステルからなる芯部との複合割合(wt%)が25/75
〜70/30であるポリエステル・ポリアミド芯鞘型複合繊
維を少なくとも主体とするフィラメント糸でもって布帛
を構成した後、前記鞘部に亀裂や欠損を生じさせない状
態で、加熱アルカリ水溶液で処理することにより、請求
項1記載の軽量薄地布帛を製造する方法からなる。
請求項1の軽量薄地布帛(以下、軽量布帛と略す)
は、ポリアミドからなり、亀裂や欠損を有さない鞘部、
ポリエステルからなる芯部、およびその両者の中間部に
断熱層として存在する中空部からなる芯鞘型3層構造の
中空複合繊維から構成されるものであり、前記した布帛
特性や布帛本来の繊維性能を満足するためには、その鞘
部と芯部と中空部との割合(それぞれx%、y%,z%)
は、 25≦x≦70、10≦y≦65、 10≦z≦60を同時に満足することが必要である(第3
図)。この複合割合は、布帛から取出した繊維の繊維横
断面顕微鏡写真をとることにより測定することができ
る。
は、ポリアミドからなり、亀裂や欠損を有さない鞘部、
ポリエステルからなる芯部、およびその両者の中間部に
断熱層として存在する中空部からなる芯鞘型3層構造の
中空複合繊維から構成されるものであり、前記した布帛
特性や布帛本来の繊維性能を満足するためには、その鞘
部と芯部と中空部との割合(それぞれx%、y%,z%)
は、 25≦x≦70、10≦y≦65、 10≦z≦60を同時に満足することが必要である(第3
図)。この複合割合は、布帛から取出した繊維の繊維横
断面顕微鏡写真をとることにより測定することができ
る。
この中空複合繊維で鞘部を構成するポリアミドとして
は、実質的にポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン
66)やポリε−カプラミド(ナイロン6)からなるポリ
アミドが好適であるが、セバシン酸、イソフタル酸、パ
ラキシレンジアミン等を構成成分とするポリアミド、あ
るいはこれらの共重合ポリアミド等を用いてもよい。そ
の重合度は一般衣料用に用いられる範囲であればよい。
一般的には硫酸相対粘度(ηr:98%硫酸100ccに対しポ
リアミド1gを溶解して測定した値)として2.4〜3.5程度
が好ましい。
は、実質的にポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン
66)やポリε−カプラミド(ナイロン6)からなるポリ
アミドが好適であるが、セバシン酸、イソフタル酸、パ
ラキシレンジアミン等を構成成分とするポリアミド、あ
るいはこれらの共重合ポリアミド等を用いてもよい。そ
の重合度は一般衣料用に用いられる範囲であればよい。
一般的には硫酸相対粘度(ηr:98%硫酸100ccに対しポ
リアミド1gを溶解して測定した値)として2.4〜3.5程度
が好ましい。
また、芯部を構成するポリエステルは、鞘部から浸透
してきた加熱アルカリ水溶液によってその外側部分を溶
解除去させても、その強さや伸びなどの繊維性能が実質
的に損なわれず、かつ、ポリアミドとの溶融複合紡糸が
可能であれば、そのポリマ組成は特定されないが、例え
ば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレートが好適である。また、これらにイソフタル酸、
脂肪族2塩基酸、スルホン化芳香族カルボン酸等を少量
共重合させたポリエステルであってもよい。その重合度
は、一般衣料用に用いられる範囲であればよい。一般的
には極限粘度(IV:ポリエステルをオルトクロロフェノ
ールに溶解して測定した値)が0.55〜0.75程度の範囲が
好ましい。
してきた加熱アルカリ水溶液によってその外側部分を溶
解除去させても、その強さや伸びなどの繊維性能が実質
的に損なわれず、かつ、ポリアミドとの溶融複合紡糸が
可能であれば、そのポリマ組成は特定されないが、例え
ば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレートが好適である。また、これらにイソフタル酸、
脂肪族2塩基酸、スルホン化芳香族カルボン酸等を少量
共重合させたポリエステルであってもよい。その重合度
は、一般衣料用に用いられる範囲であればよい。一般的
には極限粘度(IV:ポリエステルをオルトクロロフェノ
ールに溶解して測定した値)が0.55〜0.75程度の範囲が
好ましい。
なお、これらのポリアミド、ポリエステルには酸化チ
タン等の艶消し剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の通常
の繊維用添加剤を加えて用いてもよい。しかし、芯ポリ
エステルに酸化チタンが含まれていると、苛性アルカリ
水溶液処理時に酸化チタン格子が中空部の内壁に付着
し、光沢、発泡の斑を生じる傾向にあるから、芯ポリエ
ステルには酸化チタンを実質的に含まないことが好まし
い。
タン等の艶消し剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の通常
の繊維用添加剤を加えて用いてもよい。しかし、芯ポリ
エステルに酸化チタンが含まれていると、苛性アルカリ
水溶液処理時に酸化チタン格子が中空部の内壁に付着
し、光沢、発泡の斑を生じる傾向にあるから、芯ポリエ
ステルには酸化チタンを実質的に含まないことが好まし
い。
鞘部、芯部および中空部の繊維横断面における形状と
位置関係は、第2図(1)〜(5)のように芯部と鞘部
との間が実質的に空気層で隔てられ、独立に存在し、か
つ、鞘部が亀裂や欠損を有さないものであればどのよう
であってもよい。例えば、第2図(1)のような同心円
状3層芯鞘複合形態が代表的であって生産上好ましい
が、他の複合形態、例えば、鞘層の外周面や内周面の形
状が三角、四角、星型のような非円形であってもよい
し、芯層の外周面形状が同様な非円形であってもよいし
(第2図(2)〜(4))、また、芯層と鞘層とが相対
的に偏心してもよい(第2図(5))。
位置関係は、第2図(1)〜(5)のように芯部と鞘部
との間が実質的に空気層で隔てられ、独立に存在し、か
つ、鞘部が亀裂や欠損を有さないものであればどのよう
であってもよい。例えば、第2図(1)のような同心円
状3層芯鞘複合形態が代表的であって生産上好ましい
が、他の複合形態、例えば、鞘層の外周面や内周面の形
状が三角、四角、星型のような非円形であってもよい
し、芯層の外周面形状が同様な非円形であってもよいし
(第2図(2)〜(4))、また、芯層と鞘層とが相対
的に偏心してもよい(第2図(5))。
請求項1で布帛を構成する中空複合繊維は、請求項3
の方法のように、鞘部ポリアミドと芯部ポリエステルと
の複合割合が25/75〜70/30である芯鞘型複合繊維を製糸
した後、その芯部ポリエステルの外側部分を加熱アルカ
リ水溶液によって部分的に溶出除去するという方法で製
造することができる。
の方法のように、鞘部ポリアミドと芯部ポリエステルと
の複合割合が25/75〜70/30である芯鞘型複合繊維を製糸
した後、その芯部ポリエステルの外側部分を加熱アルカ
リ水溶液によって部分的に溶出除去するという方法で製
造することができる。
この芯部ポリエステルを部分的に溶出除去するための
加熱アルカリ水溶液処理には、薬剤として、苛性アルカ
リ、例えば、苛性ソーダ、苛性カリ等が用いられる。そ
の処理条件は、鞘部の厚さ、ポリアミドやポリエステル
の種類、繊維の配向結晶化の程度、および得ようとする
中空率等によって変るが、一般的には苛性アルカリの濃
度は10〜100g/、温度は80〜120℃の条件を用いればよ
い。
加熱アルカリ水溶液処理には、薬剤として、苛性アルカ
リ、例えば、苛性ソーダ、苛性カリ等が用いられる。そ
の処理条件は、鞘部の厚さ、ポリアミドやポリエステル
の種類、繊維の配向結晶化の程度、および得ようとする
中空率等によって変るが、一般的には苛性アルカリの濃
度は10〜100g/、温度は80〜120℃の条件を用いればよ
い。
また、芯部ポリエステル、鞘部ポリアミドの芯鞘型複
合繊維は、次の方法で製糸することができる。
合繊維は、次の方法で製糸することができる。
芯部ポリエステルと鞘部ポリアミドとを別々に溶融し
た後、紡糸パック部に導き通常の複合方法で芯鞘構造の
複合流を形成し、紡糸ノズルから紡出する。紡出したフ
ィラメント糸は、冷却固化、給油した後、必要に応じて
交絡処理され、所定の速度で引取られる。この引取りの
後、一旦パッケージに巻上げた後にドローツイスターで
延伸してもよいし、また、巻取ることなく引続いて延伸
した後に巻取ってもよい。さらにまた、引取りの速度を
4000m/分以上の高速として実質的に延伸することなく一
挙に目標の繊維性能を有する製品糸としてもよい。
た後、紡糸パック部に導き通常の複合方法で芯鞘構造の
複合流を形成し、紡糸ノズルから紡出する。紡出したフ
ィラメント糸は、冷却固化、給油した後、必要に応じて
交絡処理され、所定の速度で引取られる。この引取りの
後、一旦パッケージに巻上げた後にドローツイスターで
延伸してもよいし、また、巻取ることなく引続いて延伸
した後に巻取ってもよい。さらにまた、引取りの速度を
4000m/分以上の高速として実質的に延伸することなく一
挙に目標の繊維性能を有する製品糸としてもよい。
得られた製品糸は、通常の方法で製編織して布帛とし
た後、芯部の部分的溶出処理を行うことにより請求項1
に係る軽量布帛を製造することが好ましいが、後工程に
おいて中空部を良好に保持できるのであれば、布帛とす
る前の工程で芯部の部分的溶出処理を行ってもよい。
た後、芯部の部分的溶出処理を行うことにより請求項1
に係る軽量布帛を製造することが好ましいが、後工程に
おいて中空部を良好に保持できるのであれば、布帛とす
る前の工程で芯部の部分的溶出処理を行ってもよい。
本発明に係る軽量布帛は、40〜100g/m2という低い目
付けおよび0.25〜0.35mmという薄さを有するものであ
り、この目付け(W)および布帛厚み(A)は、次の方
法で測定される。
付けおよび0.25〜0.35mmという薄さを有するものであ
り、この目付け(W)および布帛厚み(A)は、次の方
法で測定される。
目付け:25cm×25cmの布帛試験片を採取し、平衡水分
率以下となるまで十分に乾燥した後、20℃、65%RHの室
内に24時間放置し、水分平衡とした後に、その試験片の
重量を測定する。得られた試験片の重量を1m2あたりに
換算し、布帛試験片2枚についての平均値でもって表
す。
率以下となるまで十分に乾燥した後、20℃、65%RHの室
内に24時間放置し、水分平衡とした後に、その試験片の
重量を測定する。得られた試験片の重量を1m2あたりに
換算し、布帛試験片2枚についての平均値でもって表
す。
厚み:ダイヤルゲージ型の厚み測定器(大栄科学
(株)製)の試料台の上に試験布帛を静置し、その上に
1cm2のプレッサフートを用いて7g/cm2の荷重をかけ、10
秒後の厚さを5箇所以上で測定し、その平均値でもって
表す。
(株)製)の試料台の上に試験布帛を静置し、その上に
1cm2のプレッサフートを用いて7g/cm2の荷重をかけ、10
秒後の厚さを5箇所以上で測定し、その平均値でもって
表す。
このような低い目付けおよび薄さを有する布帛を得る
ためには、溶出除去後の中空部の割合を適正値(例え
ば、10%以上)にすることが重要であるし、さらに、構
成糸条の繊度を適正水準の細さにすることが有効であ
る。例えば、アルカリ処理前の複合繊維の糸条繊度は70
デニール以下、さらに65デニール以下とすればよい。な
お、ソフト風合の布帛製品を得るためには、その単糸繊
度を1〜10デニール程度とすることが好ましい。
ためには、溶出除去後の中空部の割合を適正値(例え
ば、10%以上)にすることが重要であるし、さらに、構
成糸条の繊度を適正水準の細さにすることが有効であ
る。例えば、アルカリ処理前の複合繊維の糸条繊度は70
デニール以下、さらに65デニール以下とすればよい。な
お、ソフト風合の布帛製品を得るためには、その単糸繊
度を1〜10デニール程度とすることが好ましい。
この細繊度糸条による布帛構成は、トリコット編地、
丸編地、織物など、通常、インナーウェア等の衣料用に
用いられるものであればよい。
丸編地、織物など、通常、インナーウェア等の衣料用に
用いられるものであればよい。
また、CLO値(C)は、布帛の保温性を表す尺度であ
り、環境温度13℃で安静状態にある人体をシミュレート
した次の方法で測定する。
り、環境温度13℃で安静状態にある人体をシミュレート
した次の方法で測定する。
20℃、65%RHの環境中で十分に調湿させた試験布帛
を、40±0.1℃に設定されたSm2の熱板上に静置し、1分
経過後の安定した状態で、熱板から試験布帛を通して環
境中に放散する熱損失量を、熱板面積(S m2)と消費電
力(E w)とから求める。この時、熱板からの対流によ
る放熱を防止するため、熱板周辺は上部に開閉口のある
樹脂製ケースで覆って無風状態とした。
を、40±0.1℃に設定されたSm2の熱板上に静置し、1分
経過後の安定した状態で、熱板から試験布帛を通して環
境中に放散する熱損失量を、熱板面積(S m2)と消費電
力(E w)とから求める。この時、熱板からの対流によ
る放熱を防止するため、熱板周辺は上部に開閉口のある
樹脂製ケースで覆って無風状態とした。
布帛を載せない熱板からの放熱量は環境との温度差に
比例するから、人体の平均皮膚温度33℃からして、温度
差20℃での上記実験は、環境温度13℃で安静状態の人体
における保温性をシミュレートしたものである。
比例するから、人体の平均皮膚温度33℃からして、温度
差20℃での上記実験は、環境温度13℃で安静状態の人体
における保温性をシミュレートしたものである。
上記実験で得られた熱損失量の値は、次式により、CL
O値(C)に換算される。
O値(C)に換算される。
C=(1/0.155)×(20×S/E) [作用] ポリアミドからなる鞘部は、繊維内に存在する中空部
を外気から遮断する機能を有するとともに、繊維の強
さ、伸び、表面の感触、染色性等の布帛が必要とする本
来の機能を発揮する。同時に中空化工程に使用する薬剤
による悪影響を受けることなくその薬剤を透過させ、か
つ、芯部のポリエステルの分解物を外部に透過、除去さ
せる機能をも果たす。
を外気から遮断する機能を有するとともに、繊維の強
さ、伸び、表面の感触、染色性等の布帛が必要とする本
来の機能を発揮する。同時に中空化工程に使用する薬剤
による悪影響を受けることなくその薬剤を透過させ、か
つ、芯部のポリエステルの分解物を外部に透過、除去さ
せる機能をも果たす。
ポリエステルからなる芯部は、布帛に、寸法安定性、
腰、張り、防皺性等の機能を付与するために必要であ
る。
腰、張り、防皺性等の機能を付与するために必要であ
る。
また、中空部は布帛に高い保温性を与えるために重要
である。中空部を芯部と鞘部との間に存在させること
は、中空の破壊や潰れが生じにくい安定した中空を得る
ために有効であり、しかも、比較的広範囲の中空割合を
とることが可能となり、中空部の設計が容易となる。さ
らに、細繊度糸でも高い中空率を安定して得ることが可
能であるので、中空糸でもって薄地布帛を製造すること
が可能となり、請求項1で特定した布帛特性で表される
薄くて軽くしかも高保温性の布帛が得られるのである。
である。中空部を芯部と鞘部との間に存在させること
は、中空の破壊や潰れが生じにくい安定した中空を得る
ために有効であり、しかも、比較的広範囲の中空割合を
とることが可能となり、中空部の設計が容易となる。さ
らに、細繊度糸でも高い中空率を安定して得ることが可
能であるので、中空糸でもって薄地布帛を製造すること
が可能となり、請求項1で特定した布帛特性で表される
薄くて軽くしかも高保温性の布帛が得られるのである。
即ち、本発明により得られる高保温性の軽量布帛は、
40〜100g/m2という低い目付けおよび0.25〜0.35mmとい
う薄さを有するものでありながら、CLO値が0.65以上と
いう高い保温性を有する。
40〜100g/m2という低い目付けおよび0.25〜0.35mmとい
う薄さを有するものでありながら、CLO値が0.65以上と
いう高い保温性を有する。
このCLO値は布帛の保温性を示す指標として一般に用
いられているものであり、値が大きい程保温性が優れる
ことを表す。そして、21℃、50%RH以下、気流5cm/秒の
室内で安静状態にある人体の平均皮膚温度(33℃)を維
持できる布帛の保温性(熱抵抗)がCLO値1.0で表され
る。
いられているものであり、値が大きい程保温性が優れる
ことを表す。そして、21℃、50%RH以下、気流5cm/秒の
室内で安静状態にある人体の平均皮膚温度(33℃)を維
持できる布帛の保温性(熱抵抗)がCLO値1.0で表され
る。
本発明に係る布帛は、主として、薄くて軽くファッシ
ョン性の高い衣料用布帛としての使用を目的とするため
に、上記特定の低い目付け値および、上記特定の薄さを
有することが必要である。
ョン性の高い衣料用布帛としての使用を目的とするため
に、上記特定の低い目付け値および、上記特定の薄さを
有することが必要である。
この程度の目付けおよび薄さを有する布帛は、ポリア
ミド繊維製インナーウェアに用いられているが、従来の
ポリアミド繊維製インナーウェアの布帛は、保温性がCL
O値で0.56〜0.60程度とかなり劣り、保温性は犠牲にせ
ざるを得なかった。また、布帛の目付けや厚みを大きく
すれば、CLO値を高めることも可能ではあるが、これで
はファッション性を満足させることはできない。このよ
うに、本発明で特定した軽量布帛でありながら高い保温
性を有するという布帛は、従来では製造できないと考え
られていたものである。
ミド繊維製インナーウェアに用いられているが、従来の
ポリアミド繊維製インナーウェアの布帛は、保温性がCL
O値で0.56〜0.60程度とかなり劣り、保温性は犠牲にせ
ざるを得なかった。また、布帛の目付けや厚みを大きく
すれば、CLO値を高めることも可能ではあるが、これで
はファッション性を満足させることはできない。このよ
うに、本発明で特定した軽量布帛でありながら高い保温
性を有するという布帛は、従来では製造できないと考え
られていたものである。
そして、この高保温性の軽量布帛を得るためには、中
空複合繊維の鞘部と芯部と中空部との割合を、それぞ
れ、25〜70%、10〜65%、10〜60%とすることが必要で
ある。
空複合繊維の鞘部と芯部と中空部との割合を、それぞ
れ、25〜70%、10〜65%、10〜60%とすることが必要で
ある。
布帛使用時の鞘部破れを防止し、鞘部ポリアミド本来
の好ましい特性(強度や染色性等)を十分に発現させる
ためには、鞘部の割合を25%以上とすることを要する。
また、芯部ポリエステルによる効果(布帛の寸法安定
性、腰、張り、防皺性等)を十分に発揮するためには、
芯部の割合を10%以上とすることを要する。
の好ましい特性(強度や染色性等)を十分に発現させる
ためには、鞘部の割合を25%以上とすることを要する。
また、芯部ポリエステルによる効果(布帛の寸法安定
性、腰、張り、防皺性等)を十分に発揮するためには、
芯部の割合を10%以上とすることを要する。
得られる布帛の保温性をCLO値0.65以上とするために
は、鞘部に亀裂や欠損を生じさせず、かつ、中空部の割
合を10%以上とすればよい。この程度の中空割合を得る
ためには、鞘部および/または芯部をあまり大きくする
ことは困難であり、実際上とり得る上限値は、鞘部の割
合で70%程度、芯部の割合で65%程度と言える。また、
鞘部が厚過ぎると、芯部ポリエステルを部分的に溶出、
除去させる工程において鞘部を薬液が浸透し、分解物を
除去するに長時間を要することになるので、この点から
も鞘部の割合は70%以下程度に抑えることを要する。
は、鞘部に亀裂や欠損を生じさせず、かつ、中空部の割
合を10%以上とすればよい。この程度の中空割合を得る
ためには、鞘部および/または芯部をあまり大きくする
ことは困難であり、実際上とり得る上限値は、鞘部の割
合で70%程度、芯部の割合で65%程度と言える。また、
鞘部が厚過ぎると、芯部ポリエステルを部分的に溶出、
除去させる工程において鞘部を薬液が浸透し、分解物を
除去するに長時間を要することになるので、この点から
も鞘部の割合は70%以下程度に抑えることを要する。
中空部の割合が大きいほど保温性は優れるが、あまり
大き過ぎると布帛の取扱いや使用の際の中空部の潰れや
破壊が生じ易くなるし、また、鞘部ポリアミドや芯部ポ
リエステルを十分な大きさとすることが困難であるの
で、実際上とり得る上限は60%程度である。
大き過ぎると布帛の取扱いや使用の際の中空部の潰れや
破壊が生じ易くなるし、また、鞘部ポリアミドや芯部ポ
リエステルを十分な大きさとすることが困難であるの
で、実際上とり得る上限は60%程度である。
[実施例] ・ 実施例1 酸化チタン微粉末を0.3%含有するポリε−カプラミ
ド(硫酸相対粘度ηr=2.6)と、酸化チタンを実質的
に含有しないポリエチレンテレフタレート(極限粘度IV
=0.63)とをエクストルーダ型紡糸機で別々に溶融し、
それぞれ第1表に示す複合割合で計量して、鞘部がポリ
ε−カプラミド、芯部がポリエチレンテレフタレートと
なるように配した複合紡糸口金により同心円状芯鞘型に
接合し、吐出した後、3500m/分の速度で引取った後、連
続して160℃に加熱した延伸ローラにより5000m/分で延
伸しつつ熱セットし、40デニール、12フィラメントの延
伸糸として巻取った。
ド(硫酸相対粘度ηr=2.6)と、酸化チタンを実質的
に含有しないポリエチレンテレフタレート(極限粘度IV
=0.63)とをエクストルーダ型紡糸機で別々に溶融し、
それぞれ第1表に示す複合割合で計量して、鞘部がポリ
ε−カプラミド、芯部がポリエチレンテレフタレートと
なるように配した複合紡糸口金により同心円状芯鞘型に
接合し、吐出した後、3500m/分の速度で引取った後、連
続して160℃に加熱した延伸ローラにより5000m/分で延
伸しつつ熱セットし、40デニール、12フィラメントの延
伸糸として巻取った。
得られた延伸糸(芯鞘複合繊維)を用いて常法により
経編32ゲージのハーフ組織の編地を得た。
経編32ゲージのハーフ組織の編地を得た。
得られた編地を常法によりリラックス処理および中間
セット処理した後、濃度60g/の沸騰状態苛性ソーダ水
溶液中に浸漬処理し、その浸漬時間の調節により芯ポリ
エステル成分の減量率を所定値にした。続いて、酸性染
料(“Nylomine Blue A−G")、1%owf、98℃で染色し
た後、180℃で仕上げセットして、中空複合繊維からな
る染色布帛を製造した。
セット処理した後、濃度60g/の沸騰状態苛性ソーダ水
溶液中に浸漬処理し、その浸漬時間の調節により芯ポリ
エステル成分の減量率を所定値にした。続いて、酸性染
料(“Nylomine Blue A−G")、1%owf、98℃で染色し
た後、180℃で仕上げセットして、中空複合繊維からな
る染色布帛を製造した。
得られた布帛の特性を測定し、その結果を第1表に示
した。また、No.2の布帛について構成する繊維の500倍
顕微鏡写真を撮影したところ。第1図に示すように、芯
部と鞘部との間にきれいな中空部が存在し、鞘部には亀
裂も欠損も生じていないことが認められた。
した。また、No.2の布帛について構成する繊維の500倍
顕微鏡写真を撮影したところ。第1図に示すように、芯
部と鞘部との間にきれいな中空部が存在し、鞘部には亀
裂も欠損も生じていないことが認められた。
中空複合繊維の鞘破れ発生:試験布帛を構成する繊維
断面を撮影した顕微鏡写真により、比較評価した。
断面を撮影した顕微鏡写真により、比較評価した。
布帛の張り、腰:触感による相対評価によった。
また、市販のポリアミド繊維と同等の優れた染色特性
を示した。次に、この染色布帛で女性用スリップを製造
したところ。ボデーラインに沿ってよくドレープし、か
つ薄くて軽いにもかかわらず高い保温性を示した。
を示した。次に、この染色布帛で女性用スリップを製造
したところ。ボデーラインに沿ってよくドレープし、か
つ薄くて軽いにもかかわらず高い保温性を示した。
第1表の結果からわかるように、布帛を構成する中空
複合繊維の複合割合および中空率を適正水準にすること
が、高保温性の軽量布帛を製造するために、さらに、そ
の布帛に衣料用布帛して必要な諸特性(張り、腰、引裂
き強度等)を付与するために有効であった。
複合繊維の複合割合および中空率を適正水準にすること
が、高保温性の軽量布帛を製造するために、さらに、そ
の布帛に衣料用布帛して必要な諸特性(張り、腰、引裂
き強度等)を付与するために有効であった。
また、比較として、通常の方法で紡糸延伸して得られ
た、ポリε−カプラミドからなる40デニール、12フィラ
メントのポリアミドフィラメント糸を用いて、上記同様
に得たハーフ組織の編地の結果も第1表に併せて示し
た。このポリアミド単独繊維からなるトリコット布帛
は、CLO値が低く保温性が劣るものであった。
た、ポリε−カプラミドからなる40デニール、12フィラ
メントのポリアミドフィラメント糸を用いて、上記同様
に得たハーフ組織の編地の結果も第1表に併せて示し
た。このポリアミド単独繊維からなるトリコット布帛
は、CLO値が低く保温性が劣るものであった。
さらに、No.4(本発明)およびNo.10(比較例)の布
帛で長袖U首シャツを縫製し、人工気象室で女性パネラ
ー8名による着用テストを行った。着用テストの際の着
衣は、内層に前記長袖U首シャツ、外層にポリエステル
100%長袖ブラウスを着用した状態であり、15℃、65%R
Hの室内環境で30分間安静状態を保つ条件とした。そし
て、人体胸部に取付けた温度センサーにより、皮膚の温
度変化を調べ、その結果を第4図に示した。また、パネ
ラー自身の着用感は第2表のとおりであった。
帛で長袖U首シャツを縫製し、人工気象室で女性パネラ
ー8名による着用テストを行った。着用テストの際の着
衣は、内層に前記長袖U首シャツ、外層にポリエステル
100%長袖ブラウスを着用した状態であり、15℃、65%R
Hの室内環境で30分間安静状態を保つ条件とした。そし
て、人体胸部に取付けた温度センサーにより、皮膚の温
度変化を調べ、その結果を第4図に示した。また、パネ
ラー自身の着用感は第2表のとおりであった。
第4図の結果からわかるように、本発明に係る布帛
(No.4)は、安静時の皮膚温度低下が、従来の布帛(N
o.10)に比べて小さく、保温性に優れた衣服であること
が実証された。
(No.4)は、安静時の皮膚温度低下が、従来の布帛(N
o.10)に比べて小さく、保温性に優れた衣服であること
が実証された。
さらに、着用感についても、本発明の布帛は着用直後
および安静時ともに優れており、衣料用保温性布帛とし
て優れていた。これに対し、従来の布帛では着用直後お
よび安静時ともに保温性に劣ることが着用感としてはっ
きり表れ、不快感を感じるものであった。
および安静時ともに優れており、衣料用保温性布帛とし
て優れていた。これに対し、従来の布帛では着用直後お
よび安静時ともに保温性に劣ることが着用感としてはっ
きり表れ、不快感を感じるものであった。
・ 実施例2 鞘部と芯部との複合割合が30/70である芯鞘型複合繊
維を実施例1と同様に製糸する際の、ポリマ吐出量等を
変化させることにより、糸条繊度が種々異なる芯鞘型複
合繊維を製造した。そして、実施例1と同様に、32ゲー
ジのハーフ組織の編地とした後、苛性ソーダ水溶液での
減量処理を行い、中空複合繊維からなる布帛を製造し
た。得られた布帛を実施例1同様に評価した結果を第3
表に示した。
維を実施例1と同様に製糸する際の、ポリマ吐出量等を
変化させることにより、糸条繊度が種々異なる芯鞘型複
合繊維を製造した。そして、実施例1と同様に、32ゲー
ジのハーフ組織の編地とした後、苛性ソーダ水溶液での
減量処理を行い、中空複合繊維からなる布帛を製造し
た。得られた布帛を実施例1同様に評価した結果を第3
表に示した。
第3表の結果からわかるように、原糸段階における糸
条繊度を70デニール以下にすることが、高保温性の軽量
布帛を製造するために有効であった。
条繊度を70デニール以下にすることが、高保温性の軽量
布帛を製造するために有効であった。
[発明の効果] 本発明に係る軽量布帛は、40〜100g/m2の目付けおよ
び0.25〜0.35mmの厚さを有し、羽根のように薄くて軽い
にもかかわらず、CLO値が0.65以上というウールに匹敵
する高い保温性を有するものである。さらに、表面がポ
リアミドで構成されているため、染色性、耐久性、表面
感触などに優れ、従来のポリアミド繊維製布帛と同様に
使用することができる。しかも、芯部にポリエステル層
が存在するために、寸法安定性、防皺性に優れ、適度の
張り、腰を有する。
び0.25〜0.35mmの厚さを有し、羽根のように薄くて軽い
にもかかわらず、CLO値が0.65以上というウールに匹敵
する高い保温性を有するものである。さらに、表面がポ
リアミドで構成されているため、染色性、耐久性、表面
感触などに優れ、従来のポリアミド繊維製布帛と同様に
使用することができる。しかも、芯部にポリエステル層
が存在するために、寸法安定性、防皺性に優れ、適度の
張り、腰を有する。
これら特性を有することから、本発明に係る軽量布帛
は、インナーウェア製品用、特にランジェリー、ファン
デーション、ニューインナ、スポーツインナのような婦
人用インナーウェア製品用に有用であるが、高保温性や
軽量であることが要求される他の布帛製品類、例えば、
アウターウェア、スポーツウェアなどにも使用できる。
は、インナーウェア製品用、特にランジェリー、ファン
デーション、ニューインナ、スポーツインナのような婦
人用インナーウェア製品用に有用であるが、高保温性や
軽量であることが要求される他の布帛製品類、例えば、
アウターウェア、スポーツウェアなどにも使用できる。
また、この軽量布帛は、原糸の複合割合を適正値と
し、しかも、布帛とした後に加熱アルカリ処理すること
により、工業的に容易に製造することができる。
し、しかも、布帛とした後に加熱アルカリ処理すること
により、工業的に容易に製造することができる。
第1図は、本発明に係る軽量布帛を構成する繊維の形状
を拡大して示す顕微鏡写真である。 第2図(1)〜(5)は、本発明に係る軽量布帛を構成
する中空複合繊維における複合形態を例示する繊維横断
面図である。 第3図は、本発明で特定した中空複合繊維の鞘部、芯部
および中空部の割合を示す図である。 第4図は、本発明に係る布帛あるいは従来の布帛を用い
た衣類を着用評価した際の皮膚温度の変化を示す図であ
る。 [符号の説明] 1:鞘部(ポリアミド層) 2:芯部(ポリエステル層) 3:中空部
を拡大して示す顕微鏡写真である。 第2図(1)〜(5)は、本発明に係る軽量布帛を構成
する中空複合繊維における複合形態を例示する繊維横断
面図である。 第3図は、本発明で特定した中空複合繊維の鞘部、芯部
および中空部の割合を示す図である。 第4図は、本発明に係る布帛あるいは従来の布帛を用い
た衣類を着用評価した際の皮膚温度の変化を示す図であ
る。 [符号の説明] 1:鞘部(ポリアミド層) 2:芯部(ポリエステル層) 3:中空部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 8/14 C D06M 11/38 (56)参考文献 特開 昭56−112569(JP,A) 特公 昭60−40539(JP,B2) 繊維学会誌(繊維と工業),Vol. 43,No.6(1987),P.14〜25
Claims (3)
- 【請求項1】布帛の目付け(W g/m2)及び厚さ(A mm)
が、 40≦W≦100、0.25≦A≦0.35 を同時に満足する軽量薄地布帛において、該布帛が、ポ
リアミドからなり、亀裂や欠損を有さない鞘部、ポリエ
ステルからなる芯部、及び前記鞘部と芯部との間に存在
する中空部とを有する芯鞘型中空複合繊維から構成さ
れ、該芯鞘型中空複合繊維の繊維横断面における前記鞘
部、前記芯部および前記中空部の割合(それぞれx%、
y%,z%)が、 25≦x≦70、10≦y≦65、10≦z≦60 を同時に満足し、かつ、布帛のCLO値(C)が、C≦0.6
5 を満足することを特徴とする保温性に優れた軽量薄地布
帛。 - 【請求項2】請求項1記載の保温性に優れた軽量薄地布
帛から構成されたことを特徴とするインナーウェア製
品。 - 【請求項3】ポリアミドからなる鞘部とポリエステルか
らなる芯部との複合割合(wt%)が25/75〜70/30である
ポリエステル・ポリアミド芯鞘型複合繊維を少なくとも
主体とするフィラメント糸でもって布帛を構成した後、
前記鞘部に亀裂や欠損を生じさせない状態で、加熱アル
カリ水溶液で処理することにより、請求項1記載の軽量
薄地布帛を製造することを特徴とする保温性に優れた軽
量薄地布帛の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1263373A JPH0819607B2 (ja) | 1989-10-09 | 1989-10-09 | 保温性に優れた軽量薄地布帛、その製造方法、及び、インナーウェア製品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1263373A JPH0819607B2 (ja) | 1989-10-09 | 1989-10-09 | 保温性に優れた軽量薄地布帛、その製造方法、及び、インナーウェア製品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03124857A JPH03124857A (ja) | 1991-05-28 |
JPH0819607B2 true JPH0819607B2 (ja) | 1996-02-28 |
Family
ID=17388591
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1263373A Expired - Lifetime JPH0819607B2 (ja) | 1989-10-09 | 1989-10-09 | 保温性に優れた軽量薄地布帛、その製造方法、及び、インナーウェア製品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0819607B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104738821A (zh) * | 2015-02-15 | 2015-07-01 | 上海嘉乐股份有限公司 | 一种轻薄保暖包芯中空针织面料 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006083499A (ja) * | 2004-09-17 | 2006-03-30 | Toray Ind Inc | 芯鞘複合フィラメント糸、それを用いた布帛、中空繊維布帛及びその製造方法 |
JP5221990B2 (ja) * | 2008-03-21 | 2013-06-26 | グンゼ株式会社 | 編地及びその製造方法 |
JP5345417B2 (ja) * | 2009-03-04 | 2013-11-20 | 東洋紡スペシャルティズトレーディング株式会社 | 軽量保温編地 |
WO2017023924A1 (en) | 2015-08-04 | 2017-02-09 | Siny Corp. Dba Monterey Mills | Insulating fabric and method for making the same |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56112569A (en) * | 1980-02-12 | 1981-09-04 | Toray Industries | Production of polyamide hollow fiber |
JPS6037203A (ja) * | 1983-08-08 | 1985-02-26 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | 圧延機 |
JPS6040539A (ja) * | 1983-08-12 | 1985-03-02 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | デイジタル信号記録再生デイスクの製造方法 |
-
1989
- 1989-10-09 JP JP1263373A patent/JPH0819607B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
繊維学会誌(繊維と工業),Vol.43,No.6(1987),P.14〜25 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104738821A (zh) * | 2015-02-15 | 2015-07-01 | 上海嘉乐股份有限公司 | 一种轻薄保暖包芯中空针织面料 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03124857A (ja) | 1991-05-28 |
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