JP2002133650A - 磁気記録ディスク用成膜装置 - Google Patents
磁気記録ディスク用成膜装置Info
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Abstract
膜作成チャンバー内のパーティクル発生を効果的に防止
した構成を提供する。 【解決手段】 磁性膜上にカーボン保護膜を作成する保
護膜作成チャンバー6の露出面に堆積したカーボン膜
は、クリーニング手段により除去される。保護膜作成チ
ャンバー6内にガス導入系62によって酸素ガスが導入
され、クリーニング手段は、放電用電源633により放
電用電極631に電圧を印加して酸素ガスの放電を生じ
させて酸素プラズマPを形成することによりカーボン膜
の除去を行う。放電用電極631は、露出した表面がカ
ーボンより成るとともに、中空の構造であって、基板9
と対向する面の周縁又はその近傍に酸素プラズマPが進
入可能な大きさのガス吹き出し孔638を有する。ガス
導入系62は、放電用電極631内を経由させてガス吹
き出し孔からガスを吹き出させて導入する。
Description
スクの製作に関するものであり、特に、記録層としての
磁性膜の上に作成されるカーボンよりなる保護膜の作成
に関するものである。
CD−ROM等として従来から良く知られている。この
ような磁気記録ディスクは、金属製又は誘電体製の基板
の表面に記録層を形成した構造であり、基板に対する表
面処理を経て製作される。このような表面処理を、ハー
ドディスクの製作を例にして説明する。
は、NiPコーティングされたアルミニウム製の基板を
用いる。この基板の上に、まず、Cr等の金属の下地膜
を作成し、その上に、CoCrTa等の磁性膜を記録層
として作成する。そして、記録層の上に保護膜を設ける
ことでハードディスクが製作される。保護膜は、記録再
生用の磁気ヘッドによる衝撃や摩耗から記録層を守るた
め及び耐候性を確保するために設けられるものであり、
潤滑性のある強固な膜が必要とされている。この保護膜
には、通常、カーボン膜が使用される。尚、以下の説明
では、カーボンよりなる保護膜をカーボン保護膜と称す
る。
い、より薄い厚さで必要な耐久性を備えることが要求さ
れている。記録密度の増加は、セクタ間距離の減少を意
味する。セクタ間距離が減少すると、記録層に対する磁
気ヘッドの距離も短くしなければならない。カーボン保
護膜は、記録層の上に形成されるから、磁気ヘッドまで
の距離を短くするには、保護膜の厚さを薄くしなければ
ならない。現在市販されている例えば1.6ギガビット
/平方インチ程度の記録密度のハードディスクでは、保
護膜の厚さは100〜150オングストローム程度であ
るが、記録密度が向上して3ギガビット/平方インチ程
度になると、保護膜の厚さは50〜100オングストロ
ーム程度になると予想されている。
耗、熱、湿度等から記録層を十分に保護できるものでな
ければならない。このためには、一般的には、緻密な構
造の硬度の高い膜でなければならない。つまり、磁気記
録ディスクにおける保護膜は、より薄い厚さでかつ十分
な硬度で作成されることが要求されている。
ッタリングによって作成されている。即ち、カーボンよ
りなるターゲットをスパッタして基板の表面にカーボン
よりなる膜を堆積させ、保護膜としている。しかしなが
ら、より薄くて高硬度の膜の作成には、スパッタリング
よりも化学蒸着(Chemical Vapor Deposition,CVD)の
方が適している。即ち、カーボン膜は、アモルファス状
のカーボン膜と結晶化したカーボン膜に大きく分けられ
る。そして、結晶化したカーボン膜は通常グラファイト
カーボン膜であるが、ダイヤモンドライクカーボン(D
LC)膜と呼ばれるものがある。DLC膜は、一般的に
は、ダイヤモンドに類似した構造のカーボン膜を意味す
る。プラズマCVDによると、DLC膜が得られ易くな
るので、磁気記録ディスクにおける保護膜用に適してい
る。
置の要部の構成を示す正面概略図であり、プラズマCV
Dによってカーボン保護膜を作成する構成が示されてい
る。図7に示す装置は、排気系61を備えた保護膜作成
チャンバー6と、保護膜作成チャンバー6内に所定のプ
ロセスガスを導入するガス導入系62と、導入されたプ
ロセスガスにエネルギーを与えてプラズマを形成するプ
ラズマ形成手段63と、保護膜作成チャンバー6内に基
板9を搬入する不図示の搬送系とから主に構成されてい
る。
ガスを導入するようになっている。プラズマ形成手段6
3は、プロセスガスに高周波放電を生じさせてプラズマ
を形成するようになっており、保護膜作成チャンバー6
内に設けられた放電用電極631と、整合器632を介
して放電用電極631に高周波電力を供給する放電用電
源633とから主に構成されている。
基板9と対向する面(以下、対向面)にガス吹き出し孔
630を多数有している。ガス導入系62は、放電用電
極631内を経由してガス吹き出し孔630からプロセ
スガスを導入するようになっている。放電用電源633
によって高周波電圧が放電用電極631に与えられる
と、放電用電極631と基板9との間に高周波電界が与
えられ、プロセスガスに放電が生じてプラズマが形成さ
れる。そして、プラズマ中でのガスの分解等により、基
板9の表面にカーボンの薄膜が堆積する。
膜を作成する磁気記録ディスク用成膜装置において、カ
ーボン膜は、基板の表面のみならず保護膜作成チャンバ
ー内の他の露出面にも堆積する。この膜の堆積量が多く
なると、膜は内部応力や自重などによって剥離する。こ
の剥離によって、保護膜作成チャンバー内にカーボンの
微粒子(パーティクル)が生じてしまう。このパーティ
クルが基板の表面に付着すると、カーボン保護膜の表面
に突起が形成されて局所的な膜厚異常となり、製品不良
の原因になる。
の場合、カーボン保護膜の上に高分子等で形成された潤
滑膜が作成されて最終的に製品となる。この場合、カー
ボン保護膜の表面に突起が形成されていると、その影響
で潤滑膜の表面にも突起が形成され易い。このように突
起が形成されていると、情報の記録や読み出しを行う磁
気ヘッドがその突起に接触して動かなくなってしまった
り、突起が磁気ヘッドによって削られてそれが引きずら
れる結果、表面が傷つけられてしまったりする問題があ
る。
バーニッシュと呼ばれる工程があり、上記のような突起
は、テープバーニッシュ工程で削られて除去されてい
る。しかしながら、突起の数が多くなると、テープバニ
ッシ工程ですべての突起を除去するが困難になる。ま
た、パーティクルが重なったりして大きな突起が形成さ
れていると、その突起を除去する際にそれを引きずって
基板の表面を傷付けたり凹みを作ったりする問題があ
る。このような傷や凹みがあると、サーティファイテス
ト(記録再生テスト)で不良となることが多い。
構成としては、保護膜作成チャンバー内をプラズマクリ
ーニングする構成が挙げられる。プラズマクリーニング
は、例えば酸素ガスを保護膜作成チャンバー6内に導入
し、酸素プラズマを形成することにより行う。酸素プラ
ズマ中では、酸素活性種や酸素イオンが生成される。生
成された酸素活性種や酸素イオンは、保護膜作成チャン
バー内に堆積したカーボン膜と反応し、カーボン膜をア
ッシングする。アッシングにより、カーボン膜が炭酸ガ
ス等の揮発物となり、排気系61によって保護膜作成チ
ャンバー6外に排出される。
ニングを行う構成でも、以下のような問題がある。ま
ず、カーボン保護膜作成の際には、カーボン膜は放電用
電極631の表面にも堆積する。プラズマクリーニング
により保護膜作成チャンバー6内の露出面のカーボン膜
を除去すると、この放電用電極631の表面のカーボン
膜も除去してしまう。
際、放電用電極631とプラズマとの間にはシース電界
又はセルフバイアスによる電界が形成される。この電界
によりプラズマ中のイオンが入射し、放電用電極631
の表面のスパッタリングが生じることがある。スパッタ
リングが生ずると、放電用電極631の材料のスパッタ
粒子が放出され、これがカーボン保護膜中に混入するこ
とがある。このような不純物が混入すると、一般的に膜
質が低下する。特に、プラズマクリーニング直後に作成
したカーボン保護膜は硬度の低下が生ずる。これは、プ
ラズマクリーニング中に放電用電極631の表面が酸化
され、カーボン保護膜作成の際にその酸化物がスパッタ
されて混入することによる生ずると考えられる。
ラズマクリーニング後、ダミーの基板を配置して数回カ
ーボン保護膜の作成を行い、放電用電極631の表面に
カーボン膜をある程度の厚さ堆積させる方法がある。し
かしながら、放電用電極631の表面のみにカーボン膜
を堆積させることは困難であり、他の露出面にも堆積し
てしまう。そして、堆積したカーボン膜は同様にパーテ
ィクル発生の原因となり易い。また、このようなダミー
の工程があると、プラズマクリーニング後に通常のカー
ボン保護膜の作成を再開するまでに長い時間を要してし
まい、生産性の点で問題が生ずる。
数のガス吹き出し孔630を有する構成では、カーボン
膜がガス吹き出し孔の縁にも堆積する。しかしながら、
ガス吹き出し孔630の縁に堆積したカーボン膜は、プ
ラズマがガス吹き出し孔に入り込みにくいため、プラズ
マクリーニングを行っても充分に除去できないという問
題がある。ガス吹き出し孔630の大きさを大きくすれ
ば、問題は解決されるが、基板9に平行な面内でのガス
圧分布が不均一となり、これが原因で成膜が不均一にな
り易い。
めになされたものであり、保護膜作成チャンバー内のパ
ーティクル発生を効果的に防止した構成を提供する技術
的意義がある。
め、本願の請求項1記載の発明は、基板に作成された記
録用の磁性膜の上にカーボンよりなる保護膜を作成する
磁気記録ディスク用成膜装置であって、内部に基板が配
置されて前記保護膜が作成される保護膜作成チャンバー
と、保護膜作成チャンバー内の露出面に堆積したカーボ
ンの膜をプラズマによって除去するプラズマクリーニン
グを行うクリーニング手段とを備えており、保護膜作成
チャンバー内に酸素ガスを導入することが可能なガス導
入系が設けられており、クリーニング手段は、導入され
た酸素ガスに放電を生じさせて酸素プラズマを形成する
放電用電源と、保護膜作成チャンバー内に表面が露出し
ているとともに放電用電源によって酸素プラズマ形成用
の電圧が印加される放電用電極とから構成されており、
さらに、放電用電極は、保護膜作成チャンバー内に露出
した表面がカーボンより成るものであるという構成を有
する。また、上記課題を解決するため、請求項2記載の
発明は、前記請求項1の構成において、前記ガス導入系
には、保護膜作成用のガスであるプロセスガスを導入す
るものが兼用されており、前記放電用電極には、導入さ
れたプロセスガスに放電を生じさせて前記磁性膜の上に
前記カーボンより成る保護膜が作成されるよう保護膜作
成チャンバー内に設けられたものが兼用されているとい
う構成を有する。また、上記課題を解決するため、請求
項3記載の発明は、基板に作成された記録用の磁性膜の
上にカーボンよりなる保護膜を作成する磁気記録ディス
ク用成膜装置であって、内部に基板が配置されて前記保
護膜が作成される保護膜作成チャンバーと、保護膜作成
チャンバー内にプロセスガスを導入するガス導入系と、
導入されたプロセスガスに放電を生じさせて前記磁性膜
の上に前記カーボンより成る保護膜が作成されるよう保
護膜作成チャンバー内に設けられた放電用電極と、放電
用電極に放電用の電圧を印加する放電用電源と、保護膜
作成チャンバー内の露出面に堆積したカーボンの膜をプ
ラズマによって除去するプラズマクリーニングを行うク
リーニング手段とを備えており、ガス導入系は、プロセ
スガスの他に酸素ガスを導入することが可能であって、
クリーニング手段は、導入されたガスに放電を生じさせ
て酸素プラズマを形成することにより前記カーボンの膜
を除去するものであり、さらに、放電用電極は中空の構
造であって、ガス導入系は、放電用電極内の空間を経由
して保護膜作成チャンバー内にプロセスガスを導入する
ものであり、放電用電極は、基板と対向する面である対
向面を有するとともに、対向面の周縁又はその近傍にガ
ス吹き出し孔が設けられており、ガス吹き出し孔は、ク
リーニング手段が形成する酸素プラズマが進入可能な程
度以上の大きさを有するものであるという構成を有す
る。また、上記課題を解決するため、請求項4記載の発
明は、前記請求項3の構成において、前記ガス吹き出し
孔は、幅が1mm以上のスリット、直径1mm以上の複
数の円形の孔、又は、一辺が1mm以上の複数の方形の
孔であるという構成を有する。また、上記課題を解決す
るため、請求項5記載の発明は、前記請求項3又は4の
構成において、前記対向面にはガス吹き出し孔が無いと
いう構成を有する。
下、実施形態)について説明する。図1は、本願発明の
実施形態に係る磁気記録ディスク用成膜装置の概略構成
を示す平面図である。本実施形態の装置は、インライン
式の装置になっている。インライン式とは、複数のチャ
ンバーが一列に縦設され、それらのチャンバーを経由し
て基板の搬送路が設定されている装置の総称である。本
実施形態の装置では、複数のチャンバー1,2,3,
4,5,6,7,8が方形の輪郭に沿って縦設されてお
り、これに沿って方形の搬送路が設定されている。
7,8は、専用又は兼用の排気系によって排気される真
空容器である。各チャンバー1,2,3,4,5,6,
7,8の境界部分には、ゲートバルブ10が設けられて
いる。基板9は、キャリア90に搭載されて図1中不図
示の搬送機構によって搬送路に沿って搬送されるように
なっている。複数のチャンバー1,2,3,4,5,
6,7,8のうち、方形の一辺に隣接して配置された二
つのチャンバー1,2が、キャリア90への基板9の搭
載を行うロードロックチャンバー1及びキャリア90か
らの基板9の回収を行うアンロードロックチャンバー2
になっている。
バー3,4,5,6,7は、各種処理を行う処理チャン
バーになっている。具体的には、薄膜の作成の前に基板
9を予め加熱するプリヒートチャンバー3と、プリヒー
トされた基板9に下地膜を作成する下地膜作成チャンバ
ー4と、下地膜の作成された基板9に磁性膜を作成する
磁性膜作成チャンバー5と、磁性膜の上に保護膜を作成
する保護膜作成チャンバー6とが設けられている。ま
た、方形の角の部分のチャンバー8は、基板9の搬送方
向を90度転換する方向転換機構を備えた方向転換チャ
ンバーになっている。
接触保持して基板9を保持するものである。搬送機構
は、磁気結合方式により動力を真空側に導入してキャリ
ア90を移動させる。キャリア90は、搬送ラインに沿
って並べられた多数の従動ローラに支持されながら移動
する。このようなキャリア90及び搬送機構の構成とし
ては、特開平8−274142号公報に開示された構成
を採用することができる。
成す保護膜作成チャンバー6の構成について図2を使用
して説明する。図2は、図1に示す保護膜作成チャンバ
ー6の構成を説明する側面断面概略図である。図2に示
すように、保護膜作成チャンバー6は、排気系61を備
えた気密な真空容器である。排気系61は、ターボ分子
ポンプ等の真空ポンプを備えて保護膜作成チャンバー6
内を10−4Pa程度まで排気可能に構成されている。
なるガスを含むプロセスガスを導入するガス導入系62
と、導入されたプロセスガスにエネルギーを与えてプラ
ズマを形成するプラズマ形成手段63とを備えている。
ガス導入系62は、プロセスガスとしてCH4とH2の
混合ガスを所定の流量で導入できるよう構成されてい
る。
セスガスに高周波放電を生じさせてプラズマを形成する
ようになっている。プラズマ形成手段63は、保護膜作
成チャンバー6内に設けられた放電用電極631と、放
電用電極631に整合器632を介して高周波電力を供
給する放電用電源633とから主に構成されている。
装置の大きな特徴点の一つである。以下、この点につい
て説明する。図2に示すように、放電用電極631は、
板状の電極本体635と、電極本体635を取り囲む電
極カバー636とから主に構成されている。図3は、図
2に示す電極本体635の斜視概略図である。図4は、
図2及び図3に示す電極本体635の取付構造について
示す断面概略図であり、図3のX−Xの方向における放
電用電極631の断面図である。
形の両側が半円状に膨らんだような形状となっている。
本実施形態では、二枚の基板9に同時に成膜行うように
なっている。二枚の基板9は、成膜時には、電極本体6
35の両側の半円状の部分とほぼ同軸上の位置に配置さ
れる。図2に示すように、電極本体635の背面(基板
9を臨む面とは反対側の面)と、電極カバー636とは
接触しておらず、隙間がある。但し、図4に示すよう
に、電極カバー636には部分的に突出した部分があ
り、この部分は電極本体635に接触している。また、
図2及び図4に示すように、電極本体635の端面と電
極カバー636とは接触しておらず、隙間がある。
5の前面(基板9を臨む面)の周縁に接触するようにし
て取付リング637が設けられている。取付リング63
7は、不図示の取付ネジによって電極カバー636の端
部に固定されており、電極本体635を電極カバー63
6に押さえ付けている。
は、上下左右の縁に凹部が形成されている。この凹部と
取付リング637によって、放電用電極631の対向面
の周縁にスリット状の孔638が形成されるようになっ
ている。このスリット状の孔638は、放電用電極63
1内のプロセスガスを吹き出させて放電用電極631と
基板9とが向かい合う空間(以下、対向空間)にを導入
するためのものであり、ガス吹き出し孔である。
は、電極カバー636に接続されている。プロセスガス
は、電極カバー636と電極本体635との隙間にいっ
たん溜まり、その後、電極本体635の周縁をまわって
ガス吹き出し孔638から対向空間に拡散する。
電極本体635や電極カバー636等の放電用電極63
1を構成する部材の表面がカーボン製となっていること
である。具体的には、図2中に拡大して示すように、例
えば電極本体635は、ステンレス又はアルミニウム等
の金属部と、金属部635aの表面に設けたカーボン層
635bとより成っている。カーボン層635bは、コ
ーティングや蒸着等の方法により予め形成される。
ーボングラファイトや、パイロリティックカーボン(熱
分解炭素)より成っている。例えば、アドバンスドセラ
ミックコーポレーション社製のベーサルプレーンパイロ
リティックグラファイト等が使用できる。このような放
電用電極631は、絶縁ブロック634を介して保護膜
作成チャンバー6に気密に接続されている。そして、放
電用電源633は、例えば13.56MHz500W程
度の高周波電力の高周波電極631に供給するようにな
っている。
て、排気系61によって保護膜作成チャンバー6内が所
定の圧力まで排気され、ガス導入系62によってプロセ
スガスが所定の流量で導入される。基板9は、キャリア
90に保持された図2に示す位置に停止している。この
状態で、放電用電源633が動作し、放電用電極631
に高周波電圧が与えられる。この結果、対向空間に高周
波電界が設定され、プロセスガスに高周波放電が生じて
プロセスガスのプラズマPが形成される。プラズマP中
では、CH4ガスの分解反応が生じて、基板9の表面に
カーボンが堆積し、カーボン保護膜が作成されるように
なっている。
てプラズマ中のイオンを引き出し基板9の表面を衝撃す
るようにすると、膜質の改善や成膜速度の向上といった
効果が得られることが多い。特に、プラズマCVDによ
るカーボン保護膜の作成では、基板9へのバイアス電圧
の印加によりイオン衝撃を行うと、C−H結合及びCの
二重結合が減少してC単結合が多くなり、ダイヤモンド
構造の割合が高くなる。即ち、DLC膜の構造が容易に
得られる。バイアス電圧の印加は、高周波とプラズマと
の相互作用による自己バイアス電圧によることが多い。
具体的には、キャリア90に接触したり離れたりするス
イッチを介して高周波電源をキャリア90に接続し、キ
ャリア90を介して基板9に高周波電圧を印加するよう
にする。
ャンバー6内でのパーティクル発生を防止するため、プ
ラズマクリーニングを行う構成となっている。プラズマ
クリーニングは、前述したように、保護膜作成チャンバ
ー6内に酸素プラズマを形成してアッシングする構成で
ある。具体的には、保護膜作成チャンバー6のガス導入
系62は、図2に示すように、プロセスガスに代えて酸
素ガスを導入できるようになっている。導入された酸素
ガスは、プロセスガスの場合と同様にプラズマ形成手段
63によってエネルギーが与えられ、酸素プラズマが形
成される。プラズマ中では酸素イオンや励起酸素(酸素
活性種)等が盛んに生成される。
グのメカニズムについて、多少繰り返しになるが、より
詳しく説明する。保護膜作成チャンバー6内の露出面に
堆積するカーボン膜は、水素を含んだ膜であることが多
い。即ち、C−C結合の他に、C−H結合を含んだ膜で
ある。このようなカーボン膜に化学的な活性な酸素イオ
ンや励起酸素が触れると、C−C結合やC−H結合は以
下のような機構により分解される。尚、*は活性種であ
ることを意味する。 O2→2O*(又は2O−) (C−C)+4O*(又は4O−)→2CO2(又は2CO+O2) (C−H)+2O*(又は2O−)→CO +H2O 分解によって生じたCO2,CO,O2,H2Oはいず
れもガスであり、排気系61によって保護膜作成チャン
バー6から排出される。従って、十分な量の酸素プラズ
マを形成してカーボン膜を酸素プラズマに晒すととも
に、排気系61の排気速度を十分確保することによっ
て、カーボン膜を保護膜作成チャンバー6から取り除く
ことができる。
チャンバー6内に基板9を配置しない状態で行う必要が
ある。基板9が配置されていると、酸素プラズマにより
基板9の表面が酸化されるなどのダメージが生ずるから
である。尚、特開平11−229150号公報に開示さ
れているように、プラズマクリーニング中に基板9を退
避させるための専用のチャンバーを設けると好適であ
る。
置におけるガス導入系62は、アルゴンガスを導入でき
るようになっている。これは、プラズマクリーニング後
における酸素脱離処理のためのである。具体的に説明す
ると、上記プラズマクリーニングが終了した際、放電用
電極631の表面等の保護膜作成チャンバー6内の露出
面には、酸素分子が付着していることがある。この状態
でカーボン保護膜作成を再開すると、カーボン保護膜中
に酸素分子が混入し、硬度低下等の膜質の悪化が生ずる
恐れがある。
ニング終了後、カーボン保護膜作成を再開する前に、保
護膜作成チャンバー6内にアルゴンガスを導入し、同様
に高周波放電によりプラズマを形成する。プラズマ中で
はアルゴンイオンが生成され、このイオンが露出面を衝
撃する。この結果、露出面に付着している酸素分子は弾
き飛ばされ、排気系61によって保護膜作成チャンバー
6から排出される。従って、カーボン保護膜中に酸素が
混入することが抑制される。
3,4,5の構成について説明する。プリヒートチャン
バー3は、内部に配置された輻射加熱ランプにより基板
9を所定温度まで加熱する構成とされる。プリヒート
は、脱ガス即ち基板9の吸蔵ガスを放出させる目的で行
われる。脱ガスを行わないで成膜を行うと、成膜時の熱
による吸蔵ガスの放出によって膜中に気泡が形成された
り、発泡によって膜の表面が粗くなったりする問題があ
る。このため、プリヒートチャンバー4で、基板9を1
00〜300℃程度まで予め加熱するようになってい
る。
作成チャンバー5の構成について説明する。下地膜作成
チャンバー4及び磁性膜作成チャンバー5は、ともにス
パッタリングによって下地膜や磁性膜を作成するように
なっている。両チャンバーの構成は、ターゲットの材質
が異なるのみであり、他の構成は基本的に同じである。
以下の説明では、一例として、磁性膜作成チャンバーの
構成を説明する。図5は、磁性膜作成チャンバー5の構
成を説明する平面断面概略図である。
る排気系55と、内部にプロセスガスを導入するガス導
入系56と、内部の空間に被スパッタ面を露出させて設
けたターゲット57と、ターゲット57にスパッタ放電
用の電圧を印加するスパッタ電源58と、ターゲット5
7の背後に設けられた磁石機構59とから主に構成され
ている。排気系55は、クライオポンプ等の真空ポンプ
を備えて磁性膜作成チャンバー5内を10−6Pa程度
まで排気可能に構成される。ガス導入系56は、プロセ
スガスとしてアルゴン等のガスを所定の流量で導入でき
るよう構成される。
300V〜−500V程度の負の高電圧を印加できるよ
う構成される。磁石機構59は、マグネトロン放電を達
成するためのものであり、中心磁石591と、この中心
磁石591を取り囲むリング状の周辺磁石592と、中
心磁石591と周辺磁石592とをつなぐ板状のヨーク
593とから構成される。尚、ターゲット57や磁石機
構59は、絶縁ブロック571を介して磁性膜作成チャ
ンバー5に固定されている。磁性膜作成チャンバー5は
電気的には接地されている。
入しながら排気系55によって磁性膜作成チャンバー5
内を所定の圧力に保ち、この状態でスパッタ電源58を
動作させる。この結果、スパッタ放電が生じてターゲッ
ト57がスパッタされ、スパッタされたターゲット57
の材料が基板9に達して基板9の表面に所定の磁性膜が
作成される。例えば、ターゲット57はCoCrTaで
形成され、基板9の表面にCoCrTa膜が作成され
る。尚、図5から分かるように、ターゲット57、磁石
機構59及びスパッタ電源58の組は、磁性膜作成チャ
ンバー5内の基板配置位置を挟んで両側に設けられてお
り、基板9の両面に同時に磁性膜が作成されるようにな
っている。
7の大きさは、一枚の基板9よりも少し大きい程度とな
っている。キャリア90は、磁性膜作成チャンバー5内
で移動し、二枚の基板9が順次ターゲット57の正面に
位置するようになっている。即ち、最初は搬送方向前方
の基板9がターゲット57の正面に位置する状態となっ
てこの基板9に成膜が行われる。そして、その後、所定
距離前進して搬送方向後方の基板9がターゲット57の
正面に位置する状態となり、この基板9への成膜が行わ
れる。
ャンバー7が余っている。この処理チャンバー7は、カ
ーボン保護膜作成後に基板9を冷却する冷却チャンバー
や、表面に潤滑膜を作成する潤滑膜作成チャンバーとし
て構成される。
全体の動作について説明する。まず、ロードロックチャ
ンバー1内で未処理の二枚の基板9が最初のキャリア9
0に搭載される。このキャリア90はプリヒートチャン
バー3に移動して、基板9がプリヒートされる。この
際、次のキャリア90への二枚の未処理の基板9の搭載
動作が行われる。1タクトタイムが経過すると、キャリ
ア90は下地膜作成チャンバー4に移動し、基板9に下
地膜が作成される。この際、次のキャリア90はプリヒ
ートチャンバー3に移動し、基板9がプリヒートされ、
ロードロックチャンバー1内でさらに次のキャリア90
への基板9の搭載動作が行われる。
リア90が移動し、プリヒート、下地膜の作成、磁性膜
の作成、保護膜の作成の順で処理が行われる。そして、
保護膜の作成の後、キャリア90はアンロードロックチ
ャンバー2に達し、このキャリア90から処理済みの二
枚の基板9の回収動作が行われる。尚、本実施形態で
は、下地膜作成チャンバー4は二つ設けられている。従
って、最初の下地膜作成チャンバー4で半分の厚さの成
膜を行い、次に下地膜作成チャンバー4で残りの半分の
厚さの成膜を行う。この点は、磁性膜作成チャンバー5
や保護膜作成チャンバー6でも同じである。
った後、保護膜作成チャンバー6内に基板9が無い状態
とする。具体的には、専用の退避チャンバーに退避させ
たり、冷却チャンバー等の他の処理チャンバーに退避さ
せたりして、保護膜作成チャンバー6内に基板9が無い
状態とする。この状態で、保護膜作成チャンバー6内を
再度高真空排気する。そして、バルブを切り替え、保護
膜作成チャンバー6内に酸素ガスを導入する。次に、放
電用電源633を動作させて酸素プラズマを形成し、前
述したようにプラズマクリーニングを行う。
出し孔638の縁にもカーボン膜が堆積しているが、プ
ラズマクリーニングの際にプラズマが充分にガス吹き出
し孔638に拡散するため、ガス吹き出し孔638の縁
のカーボン膜は充分にアッシングされて除去される。ガ
ス吹き出し孔638は、プラズマが充分に進入できる大
きさを有する。具体的には、スリット状のガス吹き出し
孔638の幅(図2にWで示す)は、最も狭いところで
も1mm以上である。
より成るので、プラズマクリーニングの際にカーボン膜
がすべて除去されてしまった場合でも、成膜中又はプラ
ズマクリーニング中にカーボン以外の不純物が保護膜作
成チャンバー内に放出されることがない。また、ダミー
のプラズマCVD処理を行う必要が無いので、生産性が
低下することもない。
Dによる成膜の際に放電用電極631の表面はスパッタ
リングされることがあり、放電用電極631の表面のカ
ーボン層635bが削られることがある。従って、カー
ボン層635bは、相当回数のプラズマクリーニング及
びプラズマCVDを繰り返しても完全に削られることが
無い程度の厚さとすることが必要である。具体的には、
カーボン層635bの厚さは、2mm程度以上とするこ
とが好ましい。また、図2から解るように、本実施形態
における放電用電極631は、対向面にガス吹き出し孔
を有しない。従って、基板9に平行な面内でガス圧分布
が不均一になって成膜が不均一になる恐れがない。
説明する。まず、プラズマCVDによるカーボン保護膜
作成は、一例として以下の条件により行うことができ
る。 プロセスガス:CH4(100cm3/分)+H2(1
00cm3/分) 保護膜作成チャンバー6内の圧力:4Pa 放電用電源:13.56MHz,700W 基板9へのバイアス電圧:−150V
/分程度でカーボン保護膜の作成ができる。そして、作
成されたカーボン保護膜は、硬度30GPa程度のDL
C膜となる。尚、プロセスガスとして、CH4のみを使
用する場合もあり、この場合も同様の流量100cm3
/分で良い。上記条件によりプラズマCVDを行う場
合、10回程度の成膜処理を繰り返した後、プラズマク
リーニングが必要になる。尚、パーティクル仕様(許容
されるパーティクルの数)が厳しい場合には、1回の成
膜処理のたびに行った方が良い場合もある。
ては、以下の通りである。 酸素ガスの流量:400cm3/分 保護膜作成チャンバー6内の圧力:10Pa 放電用電力:13.56MHz,700W また、前述した酸素分子除去のためのアルゴンの放電条
件の一例について示すと、以下の通りである。 アルゴンガスの流量:100cm3/分 保護膜作成チャンバー6内の圧力:0.2Pa 放電用電力:13.56MHz,200W
を使用した場合と、全体がステンレス製の放電用電極と
を使用した場合の比較実験の結果について説明する。図
6は、この実験の結果について示した図である。図6に
結果を示す実験では、表面がカーボン層である放電用電
極と、全体がステンレス製の放電用電極とをそれぞれ使
用し、プラズマCVD及びプラズマクリーニングを行っ
た。そして、プラズマクリーニング直後のプラズマCV
Dにより作成されたカーボン保護膜をラマン分光分析し
た結果を示したのが図6である。図6の横軸はラマン・
シフト、縦軸はラマン光(散乱光)の強度である。尚、
プラズマCVD及びプラズマクリーニングの条件は、上
記実施例のものと同様である。
に、900〜1500cm−1付近のDLCの構造を反
映したピークと、3000cm−1付近にピークを持ち
非常に広いバンドにわたるバックグランドノイズとから
成る分布であるとされている。バックグラウンドノイズ
は、カーボン保護膜が発する蛍光によるものである。蛍
光は、カーボン保護膜がポリマー化している部分で生
じ、ポリマー化しているほど、バックグラウンドノイズ
(蛍光ノイズ)が大きくなる。
(表面がカーボン層)の場合には、バックグラウンドノ
イズが小さいのに対し、全体がステンレスの放電用電極
の場合にはバックグラウンドノイズが大きい。そして、
このノイズは、高波数になるほど高くなっており、30
00cm−1付近にピークを持つ蛍光ノイズであると判
断される。つまり、全体がステンレスである放電用電極
の場合、ポリマー化している部分が実施形態の場合に比
べて多いことを図6は示している。
と、実施形態の放電用電極を使用した場合には30GP
aであったのに対し、全体がステンレスの放電用電極を
使用した場合、25GPaにまで硬度が低下していた。
このように、本実施形態及び本実施例の構成によれば、
硬度の高いカーボン保護膜が作成できる。
のための酸素ガスを導入するものとして、プロセスガス
を導入するガス導入系62が兼用されたが、各々別のも
のを使用しても良い。同様に、プラズマクリーニングの
ためのプラズマを形成する手段としてプラズマCVD用
のプラズマ形成手段を兼用したが、これも別のものを使
用するようにしても良い。尚、プラズマクリーニングの
際の放電条件とプラズマCVDの際の放電条件とは異な
る場合があるから、放電用電源633は出力が可変であ
ることが好ましい。
638はスリット状であったが、円形又は方形等のもの
を複数設ける構成でも良い。但し、この場合でも、その
大きさはプラズマクリーニングの際にプラズマが進入で
きる大きさとする。具体的には、円形の場合には直径1
mm以上、方形の場合には辺の長さが1mm以上であ
る。
638は、放電用電極631の対向面の周縁に位置して
いたが、周縁の近傍でも良い。「周縁の近傍」とは、基
板9に平行な面内でガス圧分布が均一になるよう対向空
間にガスを導入できる範囲内で「近傍」という意味であ
る。
1を構成する部材は、金属部と表面のカーボン層より成
るものであったが、全体がカーボン製であっても良い。
但し、金属部があると、ねじ止め等の固定が容易にでき
るというメリットがある。保護膜作成チャンバー6のガ
ス導入系62は、プロセスガスとして、CH4の他、C
6H5CH3、C2H6、C2H8等のガスを導入する
よう構成される場合もある。
て専らハードディスクを採り上げたが、フレキシブルデ
ィスクやZIPディスクのような他の磁気記録ディスク
でもよい。また、光磁気ディスク(MOディスク)のよ
うな磁気の作用とともに磁気以外の作用を利用する記録
ディスクについても、本願発明を利用することができ
る。
の発明によれば、放電用電極の表面がカーボンより成る
ので、プラズマクリーニングの際にカーボン膜がすべて
除去されてしまった場合でも、成膜中又はプラズマクリ
ーニング中にカーボン以外の不純物が保護膜作成チャン
バー内に放出されることがない。また、ダミーのプラズ
マCVD処理を行う必要が無いので、生産性が低下する
こともない。また、請求項2記載の発明によれば、上記
効果に加え、ガス導入系やプラズマ形成手段がプラズマ
クリーニングとプラズマCVDとで兼用されるので、装
置の構成が簡略化され、装置のコストも安くなる。ま
た、請求項3又は4記載の発明によれば、プラズマクリ
ーニングの際にプラズマが充分にガス吹き出し孔に拡散
するため、ガス吹き出し孔の縁のカーボン膜は充分にア
ッシングされて除去される。また、請求項5記載の発明
によれば、放電用電極は対向面にガス吹き出し孔を有し
ないので、基板に平行な面内でガス圧分布が不均一にな
って成膜が不均一になる恐れが無い
成膜装置の概略構成を示す平面図である。
明する側面断面概略図である。
る。
について示す断面概略図であり、図3のX−Xの方向に
おける放電用電極631の断面図である。
断面概略図である。
31を使用した場合と、全体がステンレス製の放電用電
極とを使用した場合の比較実験の結果について示す図で
ある。
成を示す正面概略図であり、プラズマCVDによってカ
ーボン保護膜を作成する構成が示されている。
Claims (5)
- 【請求項1】 基板に作成された記録用の磁性膜の上に
カーボンよりなる保護膜を作成する磁気記録ディスク用
成膜装置であって、 内部に基板が配置されて前記保護膜が作成される保護膜
作成チャンバーと、保護膜作成チャンバー内の露出面に
堆積したカーボンの膜をプラズマによって除去するプラ
ズマクリーニングを行うクリーニング手段とを備えてお
り、 保護膜作成チャンバー内に酸素ガスを導入することが可
能なガス導入系が設けられており、クリーニング手段
は、導入された酸素ガスに放電を生じさせて酸素プラズ
マを形成する放電用電源と、保護膜作成チャンバー内に
表面が露出しているとともに放電用電源によって酸素プ
ラズマ形成用の電圧が印加される放電用電極とから構成
されており、 さらに、放電用電極は、保護膜作成チャンバー内に露出
した表面がカーボンより成るものであることを特徴とす
る磁気記録ディスク用成膜装置。 - 【請求項2】 前記ガス導入系には、保護膜作成用のガ
スであるプロセスガスを導入するものが兼用されてお
り、前記放電用電極には、導入されたプロセスガスに放
電を生じさせて前記磁性膜の上に前記カーボンより成る
保護膜が作成されるよう保護膜作成チャンバー内に設け
られたものが兼用されていることを特徴とする磁気記録
ディスク用成膜装置。 - 【請求項3】 基板に作成された記録用の磁性膜の上に
カーボンよりなる保護膜を作成する磁気記録ディスク用
成膜装置であって、 内部に基板が配置されて前記保護膜が作成される保護膜
作成チャンバーと、保護膜作成チャンバー内にプロセス
ガスを導入するガス導入系と、導入されたプロセスガス
に放電を生じさせて前記磁性膜の上に前記カーボンより
成る保護膜が作成されるよう保護膜作成チャンバー内に
設けられた放電用電極と、放電用電極に放電用の電圧を
印加する放電用電源と、保護膜作成チャンバー内の露出
面に堆積したカーボンの膜をプラズマによって除去する
プラズマクリーニングを行うクリーニング手段とを備え
ており、 ガス導入系は、プロセスガスの他に酸素ガスを導入する
ことが可能であって、クリーニング手段は、導入された
ガスに放電を生じさせて酸素プラズマを形成することに
より前記カーボンの膜を除去するものであり、 さらに、放電用電極は中空の構造であって、ガス導入系
は、放電用電極内の空間を経由して保護膜作成チャンバ
ー内にプロセスガスを導入するものであり、放電用電極
は、基板と対向する面である対向面を有するとともに、
対向面の周縁又はその近傍にガス吹き出し孔が設けられ
ており、 ガス吹き出し孔は、クリーニング手段が形成する酸素プ
ラズマが進入可能な程度以上の大きさを有するものであ
ることを特徴とする磁気記録ディスク用成膜装置。 - 【請求項4】 前記ガス吹き出し孔は、幅が1mm以上
のスリット、直径1mm以上の複数の円形の孔、又は、
一辺が1mm以上の複数の方形の孔であることを特徴と
する請求項3記載の磁気記録ディスク用成膜装置。 - 【請求項5】 前記対向面にはガス吹き出し孔が無いこ
とを特徴とする請求項3又は4記載の磁気記録ディスク
用成膜装置。
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