JPH09176858A - 硬質炭素被膜の形成方法、及び形成装置 - Google Patents
硬質炭素被膜の形成方法、及び形成装置Info
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- JPH09176858A JPH09176858A JP8236801A JP23680196A JPH09176858A JP H09176858 A JPH09176858 A JP H09176858A JP 8236801 A JP8236801 A JP 8236801A JP 23680196 A JP23680196 A JP 23680196A JP H09176858 A JPH09176858 A JP H09176858A
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- forming
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 基板上に形成された硬質炭素被膜の膜質向上
に際して、基板上に堆積する硬質炭素被膜の性質を制御
することを必要としていた。更に、プラズマCVD法に
より硬質炭素被膜を形成する場合、基板以外、特にマイ
クロ波導入窓の内面側に、基板上に形成される硬質炭素
被膜と同様な被膜が形成され、この汚れを取り除くため
に定期的なメンテナンス作業を必要としていた。 【解決手段】 真空チャンバ内のプラズマ発生室(4)内
にマイクロ波を供給するマイクロ波供給手段(1)と、上
記プラズマ発生室(4)内に酸素含有ガスを含む放電ガス
を供給する放電ガス供給手段と、上記プラズマ発生室
(4)の周囲に設けられ、上記プラズマ発生室内に電子サ
イクロトロン共鳴状態を形成する磁界発生手段(6)と、
真空チャンバ内の反応室に設けられた基板を保持する基
板ホルダ(12)と、上記反応室内に反応ガスを供給する反
応ガス供給手段と、を具備する。
に際して、基板上に堆積する硬質炭素被膜の性質を制御
することを必要としていた。更に、プラズマCVD法に
より硬質炭素被膜を形成する場合、基板以外、特にマイ
クロ波導入窓の内面側に、基板上に形成される硬質炭素
被膜と同様な被膜が形成され、この汚れを取り除くため
に定期的なメンテナンス作業を必要としていた。 【解決手段】 真空チャンバ内のプラズマ発生室(4)内
にマイクロ波を供給するマイクロ波供給手段(1)と、上
記プラズマ発生室(4)内に酸素含有ガスを含む放電ガス
を供給する放電ガス供給手段と、上記プラズマ発生室
(4)の周囲に設けられ、上記プラズマ発生室内に電子サ
イクロトロン共鳴状態を形成する磁界発生手段(6)と、
真空チャンバ内の反応室に設けられた基板を保持する基
板ホルダ(12)と、上記反応室内に反応ガスを供給する反
応ガス供給手段と、を具備する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に形成され
る硬質炭素被膜の形成方法、及び硬質炭素被膜の形成装
置内の基板以外の個所に形成された硬質炭素被膜の形成
方法、及び形成装置に関するものである。
る硬質炭素被膜の形成方法、及び硬質炭素被膜の形成装
置内の基板以外の個所に形成された硬質炭素被膜の形成
方法、及び形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】硬質炭素被膜はダイヤモンドと同様に硬
度、抵抗率、化学的安定性等に優れているため、薄膜磁
気ヘッド、或るいは電気シェーバ刃等の表面改質のため
のコーティング材料等として近年大きな期待を集めてい
る。
度、抵抗率、化学的安定性等に優れているため、薄膜磁
気ヘッド、或るいは電気シェーバ刃等の表面改質のため
のコーティング材料等として近年大きな期待を集めてい
る。
【0003】図4は硬質炭素被膜を形成する電子サイク
ロトロン共鳴プラズマCVD装置(以下「ECRプラズ
マCVD装置」という。)の一例を示す概略図であり、
本発明者等は特願平7−121234号においてそのE
CRプラズマCVD装置を提案している。
ロトロン共鳴プラズマCVD装置(以下「ECRプラズ
マCVD装置」という。)の一例を示す概略図であり、
本発明者等は特願平7−121234号においてそのE
CRプラズマCVD装置を提案している。
【0004】図4において、真空チャンバ8内部には、
プラズマ発生室4、及び基板13が設置される反応室7
が設けられている。プラズマ発生室4には導波管2の一
端が取り付けられており、導波管2の他端にはマイクロ
波供給手段1が設けられている。
プラズマ発生室4、及び基板13が設置される反応室7
が設けられている。プラズマ発生室4には導波管2の一
端が取り付けられており、導波管2の他端にはマイクロ
波供給手段1が設けられている。
【0005】マイクロ波供給手段1で発生したマイクロ
波は、導波管2及びマイクロ波導入窓3を通って、プラ
ズマ発生室4に導かれる。プラズマ発生室4には、プラ
ズマ発生室4内にアルゴン(Ar)ガス等の放電ガスを
供給するための放電ガス供給管5が設けられている。ま
た、プラズマ発生室4の周囲には、プラズマ発生室4内
にプラズマ磁気共鳴状態を形成するためにプラズマ磁界
発生手段6が設けられている。
波は、導波管2及びマイクロ波導入窓3を通って、プラ
ズマ発生室4に導かれる。プラズマ発生室4には、プラ
ズマ発生室4内にアルゴン(Ar)ガス等の放電ガスを
供給するための放電ガス供給管5が設けられている。ま
た、プラズマ発生室4の周囲には、プラズマ発生室4内
にプラズマ磁気共鳴状態を形成するためにプラズマ磁界
発生手段6が設けられている。
【0006】真空チャンバ8内の反応室7には、ドラム
状の基板ホルダ12が、図4の紙面に垂直な回転軸のま
わりを回転自在となるように設置されており、該基板ホ
ルダ12には図示省略するモータが連結されている。基
板ホルダ12の外周面には、複数の基板13が等しい間
隔で装着されている。基板ホルダ12には、高周波電源
10が接続されている。
状の基板ホルダ12が、図4の紙面に垂直な回転軸のま
わりを回転自在となるように設置されており、該基板ホ
ルダ12には図示省略するモータが連結されている。基
板ホルダ12の外周面には、複数の基板13が等しい間
隔で装着されている。基板ホルダ12には、高周波電源
10が接続されている。
【0007】基板ホルダ12の周囲には、金属製の筒状
のシールドカバー14が基板ホルダ12から約5mmの
距離を隔てて設けられている。このシールドカバー14
は、接地電極に接続されている。このシールドカバー1
4は、被膜を形成するときに、基板ホルダ12に印加さ
れる高周波電圧によって被膜形成箇所以外の基板ホルダ
12と真空チャンバ8との間の放電が発生するのを防止
するために設けられている。
のシールドカバー14が基板ホルダ12から約5mmの
距離を隔てて設けられている。このシールドカバー14
は、接地電極に接続されている。このシールドカバー1
4は、被膜を形成するときに、基板ホルダ12に印加さ
れる高周波電圧によって被膜形成箇所以外の基板ホルダ
12と真空チャンバ8との間の放電が発生するのを防止
するために設けられている。
【0008】シールドカバー14には、開口部15が形
成されている。この開口部15を通って、プラズマ発生
室4から引き出されたプラズマが、基板ホルダー12に
装着された基板13に放射されるようになっている。真
空チャンバ8内には、反応ガス供給管16が設けられて
いる。この反応ガス供給管16の先端は、開口部15の
上方に位置する。
成されている。この開口部15を通って、プラズマ発生
室4から引き出されたプラズマが、基板ホルダー12に
装着された基板13に放射されるようになっている。真
空チャンバ8内には、反応ガス供給管16が設けられて
いる。この反応ガス供給管16の先端は、開口部15の
上方に位置する。
【0009】斯かる形成装置において、基板13上に硬
質被膜を形成するには、真空チャンバ8内が所定圧力と
なるまで、図示しない排気ポンプを用いて排気した後、
基板ホルダ12を一定速度で回転させる。次に、放電ガ
ス供給管5からArガスを供給すると共に、マイクロ波
供給手段1からマイクロ波を供給して、プラズマ発生室
4内に形成されたArプラズマを基板13の表面に放射
する。
質被膜を形成するには、真空チャンバ8内が所定圧力と
なるまで、図示しない排気ポンプを用いて排気した後、
基板ホルダ12を一定速度で回転させる。次に、放電ガ
ス供給管5からArガスを供給すると共に、マイクロ波
供給手段1からマイクロ波を供給して、プラズマ発生室
4内に形成されたArプラズマを基板13の表面に放射
する。
【0010】これと同時に、反応ガス供給管16からC
H4ガスを供給しながら、高周波電源10から高周波電
力を基板ホルダ12に印加することによって、基板13
上には硬質炭素被膜が形成される。
H4ガスを供給しながら、高周波電源10から高周波電
力を基板ホルダ12に印加することによって、基板13
上には硬質炭素被膜が形成される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、従来の硬質
炭素被膜は硬度等の点で不十分であり、更にECRプラ
ズマCVD装置を用いたプラズマCVD法により硬質炭
素被膜を形成する場合、基板13以外、特にマイクロ波
導入窓3の内面側に、基板13上に形成される硬質炭素
被膜と同様な被膜が形成されていた。
炭素被膜は硬度等の点で不十分であり、更にECRプラ
ズマCVD装置を用いたプラズマCVD法により硬質炭
素被膜を形成する場合、基板13以外、特にマイクロ波
導入窓3の内面側に、基板13上に形成される硬質炭素
被膜と同様な被膜が形成されていた。
【0012】このため、真空チャンバ8内部のマイクロ
波導入窓3の内面側が汚れることによって、マイクロ波
供給手段1から供給されるマイクロ波の電力を効率良く
投入することが出来ず、この汚れを取り除くために定期
的なメンテナンス作業を別途必要としていた。
波導入窓3の内面側が汚れることによって、マイクロ波
供給手段1から供給されるマイクロ波の電力を効率良く
投入することが出来ず、この汚れを取り除くために定期
的なメンテナンス作業を別途必要としていた。
【0013】また、真空チャンバ8内部に形成(付着)
された硬質炭素被膜を除去せずに、基板13への膜形成
を行っていくと、真空チャンバ8内部に形成(付着)さ
れた硬質炭素被膜が剥離、また飛散したりし、基板13
上に落下する結果、ピンホールの発生や硬質炭素被膜の
基板13への密着不良の原因となったりしていた。
された硬質炭素被膜を除去せずに、基板13への膜形成
を行っていくと、真空チャンバ8内部に形成(付着)さ
れた硬質炭素被膜が剥離、また飛散したりし、基板13
上に落下する結果、ピンホールの発生や硬質炭素被膜の
基板13への密着不良の原因となったりしていた。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、真空チャンバ
内のプラズマ発生室内にマイクロ波を供給するマイクロ
波供給手段と、上記プラズマ発生室内に酸素含有ガスを
含む放電ガスを供給する放電ガス供給手段と、上記プラ
ズマ発生室の周囲に設けられ、上記プラズマ発生室内に
電子サイクロトロン共鳴状態を形成する磁界発生手段
と、真空チャンバ内の反応室に設けられた基板を保持す
る基板ホルダと、上記反応室内に反応ガスを供給する反
応ガス供給手段と、を具備することを特徴とする。
内のプラズマ発生室内にマイクロ波を供給するマイクロ
波供給手段と、上記プラズマ発生室内に酸素含有ガスを
含む放電ガスを供給する放電ガス供給手段と、上記プラ
ズマ発生室の周囲に設けられ、上記プラズマ発生室内に
電子サイクロトロン共鳴状態を形成する磁界発生手段
と、真空チャンバ内の反応室に設けられた基板を保持す
る基板ホルダと、上記反応室内に反応ガスを供給する反
応ガス供給手段と、を具備することを特徴とする。
【0015】また、本発明は、真空チャンバ内のプラズ
マ発生室内にマイクロ波を供給するマイクロ波供給手段
と、上記プラズマ発生室内に酸素含有ガスを供給するガ
ス供給手段と、上記プラズマ発生室の周囲に設けられ、
上記プラズマ発生室内に電子サイクロトロン共鳴状態を
形成する磁界発生手段と、からなり、上記真空チャンバ
内に付着した硬質炭素被膜をエッチングすることを特徴
とする。
マ発生室内にマイクロ波を供給するマイクロ波供給手段
と、上記プラズマ発生室内に酸素含有ガスを供給するガ
ス供給手段と、上記プラズマ発生室の周囲に設けられ、
上記プラズマ発生室内に電子サイクロトロン共鳴状態を
形成する磁界発生手段と、からなり、上記真空チャンバ
内に付着した硬質炭素被膜をエッチングすることを特徴
とする。
【0016】上記酸素含有ガスとは、空気であることを
特徴とする。
特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図1乃至
図3に従って説明する。
図3に従って説明する。
【0018】本発明の硬質炭素被膜の形成装置の構成が
従来のそれと同一である場合には、その説明を割愛す
る。
従来のそれと同一である場合には、その説明を割愛す
る。
【0019】図1は本発明の硬質炭素被膜の形成装置の
概略構成図を示したものである。
概略構成図を示したものである。
【0020】本発明における形成装置での硬質炭素被膜
の一般的な形成条件は、表1の通りである。
の一般的な形成条件は、表1の通りである。
【0021】
【表1】
【0022】表1に示す形成条件下で、本発明の形成装
置を用いて硬質炭素被膜をSi基板上に形成する処理に
ついて説明する。
置を用いて硬質炭素被膜をSi基板上に形成する処理に
ついて説明する。
【0023】まず、真空チャンバ8内が10-5〜10-7
Torrとなるまで排気した後、放電ガス供給管5から
酸素含有ガスを含むArガスを供給する。このとき、酸
素含有ガスとしては、O2、O3、CO、CO2、及びH2
O等が該当する。また、Arガスの圧力は、5.7×1
0-4Torr、酸素含有ガスは1×10-4Torrを設
定する。
Torrとなるまで排気した後、放電ガス供給管5から
酸素含有ガスを含むArガスを供給する。このとき、酸
素含有ガスとしては、O2、O3、CO、CO2、及びH2
O等が該当する。また、Arガスの圧力は、5.7×1
0-4Torr、酸素含有ガスは1×10-4Torrを設
定する。
【0024】次に、マイクロ波供給手段1からマイクロ
波を供給して、プラズマ発生室4内に形成されたArプ
ラズマをSi基板20の表面に放射する。これと同時
に、反応ガス供給管16から圧力1.3×10-3Tor
rのCH4ガスを供給しながら、高周波電源10から高
周波電力を基板ホルダ12に印加することによって、S
i基板20上には硬質炭素被膜が形成される。
波を供給して、プラズマ発生室4内に形成されたArプ
ラズマをSi基板20の表面に放射する。これと同時
に、反応ガス供給管16から圧力1.3×10-3Tor
rのCH4ガスを供給しながら、高周波電源10から高
周波電力を基板ホルダ12に印加することによって、S
i基板20上には硬質炭素被膜が形成される。
【0025】このとき、Si基板20上に形成される硬
質炭素被膜の膜質を向上させるために、基板ホルダ12
への高周波電力(周波数13.56MHz)の印加に際
して、Si基板20に発生する自己バイアス電圧が−5
0Vとなるように高周波電力を調整する。
質炭素被膜の膜質を向上させるために、基板ホルダ12
への高周波電力(周波数13.56MHz)の印加に際
して、Si基板20に発生する自己バイアス電圧が−5
0Vとなるように高周波電力を調整する。
【0026】炭素被膜形成時にArガスと共に酸素含有
ガスを供給することによって、硬質炭素被膜を形成する
炭素のうち、グラファイト成分(sp2構造)は、ダイ
ヤモンド的な成分(sp3構造)と比較して酸素により
エッチングされやすいため、硬質炭素被膜中の炭素は酸
化反応によりCO、或るいはCO2等に変化するためで
あると考えられる。
ガスを供給することによって、硬質炭素被膜を形成する
炭素のうち、グラファイト成分(sp2構造)は、ダイ
ヤモンド的な成分(sp3構造)と比較して酸素により
エッチングされやすいため、硬質炭素被膜中の炭素は酸
化反応によりCO、或るいはCO2等に変化するためで
あると考えられる。
【0027】また、図2(a)は被膜の硬度と反応ガス
に対する酸素含有ガスの割合との関係を示した図であ
る。図2(a)をみると分かるように、酸素含有ガスの
濃度としては、反応ガスの0.1体積%以上であれば、
炭素被膜の硬度が3300Hvで一定となり、このこと
から酸素含有ガス濃度は反応ガスの0.1体積%を下限
として設定できる。
に対する酸素含有ガスの割合との関係を示した図であ
る。図2(a)をみると分かるように、酸素含有ガスの
濃度としては、反応ガスの0.1体積%以上であれば、
炭素被膜の硬度が3300Hvで一定となり、このこと
から酸素含有ガス濃度は反応ガスの0.1体積%を下限
として設定できる。
【0028】一方図2(b)は被膜の成膜速度と反応ガ
スに対する酸素含有ガスの割合との関係を示した図であ
る。図2(b)をみると分かるように、酸素含有ガスの
濃度を増加していくことによって、成膜速度は減少して
いき、生産性の観点からみれば、酸素含有ガス濃度は反
応ガスの30体積%を上限として設定できる。
スに対する酸素含有ガスの割合との関係を示した図であ
る。図2(b)をみると分かるように、酸素含有ガスの
濃度を増加していくことによって、成膜速度は減少して
いき、生産性の観点からみれば、酸素含有ガス濃度は反
応ガスの30体積%を上限として設定できる。
【0029】ここで、Si基板20上に形成された硬質
炭素被膜の評価を行う。
炭素被膜の評価を行う。
【0030】今回、厚さ6,000Å、ビッカース硬度
3,300Hv、屈折率2.2、及び導電率10-11(Ω
cm)-1の硬質炭素被膜がSi基板上に形成された。
3,300Hv、屈折率2.2、及び導電率10-11(Ω
cm)-1の硬質炭素被膜がSi基板上に形成された。
【0031】一方、従来のように硬質炭素被膜の形成時
に酸素を含まないArガスのみを放電ガス供給管5から
供給することによって硬質炭素被膜を形成する場合に
は、ビッカース硬度3,000Hv、屈折率2.0、及び
導電率10-10(Ωcm)-1の硬質炭素被膜がSi基板
上に形成され、本発明の硬質炭素被膜が従来のそれと比
較すると、膜質が改善されることが分かった。
に酸素を含まないArガスのみを放電ガス供給管5から
供給することによって硬質炭素被膜を形成する場合に
は、ビッカース硬度3,000Hv、屈折率2.0、及び
導電率10-10(Ωcm)-1の硬質炭素被膜がSi基板
上に形成され、本発明の硬質炭素被膜が従来のそれと比
較すると、膜質が改善されることが分かった。
【0032】更に、従来酸素含有ガスを添加せずに、A
rガスのみを用いて、硬質炭素被膜を形成すると、マイ
クロ波導入窓3の内面側に不要な硬質炭素被膜が形成さ
れていたが、本発明による形成装置では、Arガスと共
に酸素含有ガスを供給すると共に、マイクロ波供給手段
1のマイクロ波の周波数を2.45GHz、及び磁界発
生用コイルの発生磁界を875ガウスに設定(以下「電
子サイクロトロン共鳴状態」という。)することによっ
て、マイクロ波導入窓3の内面側に付着していた硬質炭
素被膜の付着を防止することができる。
rガスのみを用いて、硬質炭素被膜を形成すると、マイ
クロ波導入窓3の内面側に不要な硬質炭素被膜が形成さ
れていたが、本発明による形成装置では、Arガスと共
に酸素含有ガスを供給すると共に、マイクロ波供給手段
1のマイクロ波の周波数を2.45GHz、及び磁界発
生用コイルの発生磁界を875ガウスに設定(以下「電
子サイクロトロン共鳴状態」という。)することによっ
て、マイクロ波導入窓3の内面側に付着していた硬質炭
素被膜の付着を防止することができる。
【0033】尚、上述の実施の形態では、硬質炭素被膜
の形成に際して、Arガスと共に酸素含有ガスを供給し
ていたが、これには限定されず、基板への硬質炭素被膜
の形成の後、形成装置内に付着した硬質炭素被膜を除去
することも可能である。
の形成に際して、Arガスと共に酸素含有ガスを供給し
ていたが、これには限定されず、基板への硬質炭素被膜
の形成の後、形成装置内に付着した硬質炭素被膜を除去
することも可能である。
【0034】斯かる場合、酸素含有ガスを用いる代わり
に、大気中の空気を用いることも可能である。以下に具
体例を挙げて図3を用いて説明する。
に、大気中の空気を用いることも可能である。以下に具
体例を挙げて図3を用いて説明する。
【0035】図3に示す形成装置が、図1に示す形成装
置と異なるのは、以下の点である。
置と異なるのは、以下の点である。
【0036】(1)真空チャンバ8内において、プラズ
マ発生室4と反応室7とを仕切るためのシャッター20
を設けたこと、(2)プラズマ発生室4内に空気を供給
するための空気供給管21を設けたこと、及び(3)空
気供給管21の供給側にフィルタ22を設けたこと、で
ある。
マ発生室4と反応室7とを仕切るためのシャッター20
を設けたこと、(2)プラズマ発生室4内に空気を供給
するための空気供給管21を設けたこと、及び(3)空
気供給管21の供給側にフィルタ22を設けたこと、で
ある。
【0037】次に、基板13に硬質炭素被膜を形成した
後、プラズマ発生室4内に付着した硬質炭素被膜を除去
する方法を説明する。
後、プラズマ発生室4内に付着した硬質炭素被膜を除去
する方法を説明する。
【0038】まず、基板13を反応室7内に放置したま
ま、或るいは反応室7から基板13を取り去った後、プ
ラズマ発生室4と反応室7とを仕切るためにシャッター
20を或る程度閉じる。
ま、或るいは反応室7から基板13を取り去った後、プ
ラズマ発生室4と反応室7とを仕切るためにシャッター
20を或る程度閉じる。
【0039】次に、このプラズマ発生室4に、放電ガス
供給管5から100sccmのArガス、及び空気供給
管21から200sccmの空気を供給すると共に、図
示しない排気ポンプを用いてプラズマ発生室4内が3×
10-1Torrとなるまで排気する。
供給管5から100sccmのArガス、及び空気供給
管21から200sccmの空気を供給すると共に、図
示しない排気ポンプを用いてプラズマ発生室4内が3×
10-1Torrとなるまで排気する。
【0040】このとき、空気供給管21から空気の供給
に従って、ゴミ等の異物がプラズマ発生室4内に侵入し
ないように、2μm程度のメッシュからなるフィルタ2
2を介して、空気をプラズマ発生室4内に供給すること
が好ましい。
に従って、ゴミ等の異物がプラズマ発生室4内に侵入し
ないように、2μm程度のメッシュからなるフィルタ2
2を介して、空気をプラズマ発生室4内に供給すること
が好ましい。
【0041】また、プラズマ発生室4内に付着した硬質
炭素被膜を除去した後、繰り返して基板13に硬質炭素
被膜を形成する場合には、プラズマ発生室4内に空気を
供給する際に、乾燥材等の乾燥手段によって、供給空気
から水分を除去した方が好ましい。
炭素被膜を除去した後、繰り返して基板13に硬質炭素
被膜を形成する場合には、プラズマ発生室4内に空気を
供給する際に、乾燥材等の乾燥手段によって、供給空気
から水分を除去した方が好ましい。
【0042】尚、空気によるエッチングに引き続き、更
に硬質炭素被膜を形成する場合、水分、或るいは窒素等
の影響を取り除くために、基板13への硬質炭素被膜の
形成前に、反応室7内を1×10-6Torr程度まで真
空排気することが好ましい。
に硬質炭素被膜を形成する場合、水分、或るいは窒素等
の影響を取り除くために、基板13への硬質炭素被膜の
形成前に、反応室7内を1×10-6Torr程度まで真
空排気することが好ましい。
【0043】更に、プラズマ発生室4内が所定圧力にな
った後、マイクロ波電力を200Wに設定し、マイクロ
波供給手段1で発生したマイクロ波を、導波管2及びマ
イクロ波導入窓3を通してプラズマ発生室4に導く。約
10分間のプラズマエッチングにより、プラズマ発生室
4内に付着した硬質炭素被膜は除去される。
った後、マイクロ波電力を200Wに設定し、マイクロ
波供給手段1で発生したマイクロ波を、導波管2及びマ
イクロ波導入窓3を通してプラズマ発生室4に導く。約
10分間のプラズマエッチングにより、プラズマ発生室
4内に付着した硬質炭素被膜は除去される。
【0044】更に、ECRプラズマCVDの場合には、
プラズマ発生室4内のガス圧のみならず、磁界発生用コ
イルへの電力を調整することで、電子サイクロトロン共
鳴状態を満たす位置をよりマイクロ波導入窓3付近に近
付けることで、プラズマの分布を変えることにより、高
密度プラズマによるスパッタ作用が増大し、マイクロ波
導入窓3の内面側への膜付着に対して効果的である。
プラズマ発生室4内のガス圧のみならず、磁界発生用コ
イルへの電力を調整することで、電子サイクロトロン共
鳴状態を満たす位置をよりマイクロ波導入窓3付近に近
付けることで、プラズマの分布を変えることにより、高
密度プラズマによるスパッタ作用が増大し、マイクロ波
導入窓3の内面側への膜付着に対して効果的である。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によればプラズマ発生室内に硬質炭素被膜の原料となる
反応ガス、及び酸素含有ガスを供給し乍ら、基板上に硬
質炭素被膜を形成し乍ら、プラズマ発生室内に形成され
ていた硬質炭素被膜がエッチングされ、この結果、被膜
の膜質を向上させることができる。
によればプラズマ発生室内に硬質炭素被膜の原料となる
反応ガス、及び酸素含有ガスを供給し乍ら、基板上に硬
質炭素被膜を形成し乍ら、プラズマ発生室内に形成され
ていた硬質炭素被膜がエッチングされ、この結果、被膜
の膜質を向上させることができる。
【0046】更に、硬質炭素被膜の形成装置内に形成さ
れたプラズマ発生室内に不活性ガス、及び酸素含有ガス
を供給し乍ら、プラズマ生成室内に電子サイクロトロン
共鳴状態を形成することによって、プラズマ発生室内面
側に付着形成された硬質炭素被膜を容易に除去すること
ができる。
れたプラズマ発生室内に不活性ガス、及び酸素含有ガス
を供給し乍ら、プラズマ生成室内に電子サイクロトロン
共鳴状態を形成することによって、プラズマ発生室内面
側に付着形成された硬質炭素被膜を容易に除去すること
ができる。
【図1】本発明の硬質炭素被膜を形成するECRプラズ
マCVD装置の概略構成図である。
マCVD装置の概略構成図である。
【図2】図2(a)は被膜の硬度と反応ガスに対する酸
素含有ガスの割合との関係を示した図である。図2
(b)は被膜の成膜速度と反応ガスに対する酸素含有ガ
スの割合との関係を示した図である。
素含有ガスの割合との関係を示した図である。図2
(b)は被膜の成膜速度と反応ガスに対する酸素含有ガ
スの割合との関係を示した図である。
【図3】本発明の真空チャンバに形成された硬質炭素被
膜を除去するECRプラズマCVD装置の概略構成図で
ある。
膜を除去するECRプラズマCVD装置の概略構成図で
ある。
【図4】従来の硬質炭素被膜を形成するECRプラズマ
CVD装置の概略構成図である
CVD装置の概略構成図である
1・・・マイクロ波供給手段 2・・・導波管 3・・・マイクロ波導入窓 4・・・プラズマ発生室 5・・・放電ガス供給管 6・・・プラズマ磁界発生手段 7・・・反応室 8・・・真空チャンバ 10・・・高周波電源 12・・・基板ホルダ 13・・・基板 14・・・シールドカバー 15・・・開口部 16・・・反応ガス供給管 20・・・シャッター 21・・・空気供給管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木山 精一 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 プラズマ発生室内に設置された基板上に
硬質炭素被膜を形成する硬質炭素被膜の形成方法におい
て、 上記プラズマ発生室内に上記硬質炭素被膜の原料となる
反応ガスと共に、酸素含有ガスを用いてプラズマを発生
させ乍ら、上記基板上に硬質炭素被膜を形成することを
特徴とする硬質炭素被膜の形成方法。 - 【請求項2】 上記酸素含有ガスの割合は、反応ガスの
0.1〜30体積%であることを特徴とする請求項1記
載の硬質炭素被膜の形成方法。 - 【請求項3】 上記プラズマ発生室内に電子サイクロト
ロン共鳴状態を形成することを特徴とする請求項1記載
の硬質炭素被膜の形成方法。 - 【請求項4】 真空チャンバ内のプラズマ発生室内にマ
イクロ波を供給するマイクロ波供給手段と、上記プラズ
マ発生室内に酸素含有ガスを含む放電ガスを供給する放
電ガス供給手段と、上記反応室内に反応ガスを供給する
反応ガス供給手段と、を具備することを特徴とする硬質
炭素被膜の形成装置。 - 【請求項5】 請求項4における硬質炭素被膜の形成装
置は、上記プラズマ発生室の周囲に設けられ、上記プラ
ズマ発生室内に電子サイクロトロン共鳴状態を形成する
磁界発生手段を具備することを特徴とする硬質炭素被膜
の形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8236801A JPH09176858A (ja) | 1995-10-23 | 1996-09-06 | 硬質炭素被膜の形成方法、及び形成装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7-274224 | 1995-10-23 | ||
JP27422495 | 1995-10-23 | ||
JP8236801A JPH09176858A (ja) | 1995-10-23 | 1996-09-06 | 硬質炭素被膜の形成方法、及び形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09176858A true JPH09176858A (ja) | 1997-07-08 |
Family
ID=26532869
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8236801A Pending JPH09176858A (ja) | 1995-10-23 | 1996-09-06 | 硬質炭素被膜の形成方法、及び形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09176858A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000079020A1 (fr) * | 1999-06-18 | 2000-12-28 | Nissin Electric Co., Ltd. | Film de carbone, procede de formation associe, article recouvert de ce film, et procede de preparation de cet article |
JP2006169589A (ja) * | 2004-12-16 | 2006-06-29 | Shinko Seiki Co Ltd | 表面処理装置 |
-
1996
- 1996-09-06 JP JP8236801A patent/JPH09176858A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000079020A1 (fr) * | 1999-06-18 | 2000-12-28 | Nissin Electric Co., Ltd. | Film de carbone, procede de formation associe, article recouvert de ce film, et procede de preparation de cet article |
US6652969B1 (en) | 1999-06-18 | 2003-11-25 | Nissin Electric Co., Ltd | Carbon film method for formation thereof and article covered with carbon film and method for preparation thereof |
JP2006169589A (ja) * | 2004-12-16 | 2006-06-29 | Shinko Seiki Co Ltd | 表面処理装置 |
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