JP2002122985A - 感光性ペーストの製造方法ならびにそれから得られるプラズマディスプレイ用部材およびプラズマディスプレイ - Google Patents

感光性ペーストの製造方法ならびにそれから得られるプラズマディスプレイ用部材およびプラズマディスプレイ

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JP2002122985A
JP2002122985A JP2000317493A JP2000317493A JP2002122985A JP 2002122985 A JP2002122985 A JP 2002122985A JP 2000317493 A JP2000317493 A JP 2000317493A JP 2000317493 A JP2000317493 A JP 2000317493A JP 2002122985 A JP2002122985 A JP 2002122985A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】良好なパターニングが可能であり、輝度や色純
度向上に寄与する反射率の高い隔壁の形成が可能な感光
性ペーストの製造方法およびその感光性ペーストを用い
て作製されたプラズマディスプレイ用部材およびプラズ
マディスプレイの提供。 【解決手段】金属化合物(A)、低融点ガラス粉末およ
び感光性有機成分を含有する感光性ペーストの製造方法
であって、前記金属化合物(A)が金属化合物(B)を
多価アルコールの存在下で加水分解および縮合させるこ
とを特徴とする感光性ペーストの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネル(PDP)、プラズマアドレス液晶ディスプ
レイ(PALC)、電子放出素子(FED)または蛍光
表示管(VFD)を用いたディスプレイ等の画像表示装
置の隔壁形成や高周波用セラミックス多層基板、樹脂と
セラミックスの複合基板の作製に用いられる感光性ペー
ストの製造方法およびその感光性ペーストを用いたディ
スプレイや画像表示装置、ディスプレイ用部材に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】自発光型の放電型ディスプレイであるP
DPや電子放出素子を用いた画像表示装置は、液晶ディ
スプレイに比べて明るい画像が得られると共に、視野角
が広い、さらに大画面化、高精細化の要求に応えられる
ことから、そのニーズが高まりつつある。
【0003】また、感光性ペーストを用いたフォトリソ
グラフィ法による隔壁形成は高精細かつ高精度の隔壁を
再現性よく形成する手段として、好ましい手法である
が、良好なパターン形成性を得ることと形成された隔壁
が高い反射率を有することなどの両立の難しい問題を抱
えると共に、感光性ペーストの粘度の経時変化やゲル化
などペースト自体の安定性の問題をも包含しているなど
の課題を有していた。
【0004】それらのうち、PDPは隔壁を必要とし、
特開平6−295676号公報、特開平8−50811
号公報などで、感光性ペーストを用いてフォトリソグラ
フィ技術により隔壁を形成する方法が提案されている。
【0005】一方、隔壁は単に発光区域を区分するのみ
でなく、発光輝度、色純度などのディスプレイの表示特
性に影響を与えるものである。蛍光体層からの発光の効
率を向上するためには、隔壁の反射率を高くしたいとい
う要求がある。つまり、隔壁の反射率が低いと、隔壁側
面や隔壁間に塗布されている蛍光体層から発光される表
示光の反射が不足し、さらに、隣の隔壁間の蛍光体層の
表示光の洩れ込みが起こり、輝度が高く色純度の良好な
ディスプレイを得ることができない。
【0006】隔壁の反射率を上げ蛍光体層からの発光の
効率を向上するための手段として、例えば特公平6−4
4452号公報には、ガラス粉末とそれと異なる屈折率
を有する充填材との混合物を用いた隔壁の形成を開示さ
れているが、このような組成物は、感光性ペーストを用
いたフォトリソグラフィ法による隔壁形成には不適切で
ある。また、特開平8−138559号公報には、形成
された隔壁の表面に表示に特定の波長の光のみを反射す
る反射膜を形成する方法が提案されているが、その反射
膜の形成のために工程が増えるなどの問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
従来技術の問題点に着目し、良好なパターニングが可能
であり、反射率の高い隔壁の形成が可能な感光性ペース
トおよび該ペーストを用いて得られる輝度や色純度に優
れたディスプレイ用部材およびディスプレイを提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、以下の構成を有する。すなわち、本発明
は、金属化合物(A)、低融点ガラス粉末および感光性
有機成分を含有する感光性ペーストの製造方法であっ
て、前記金属化合物(A)が金属化合物(B)を多価ア
ルコールの存在下で加水分解および縮合させることを特
徴とする感光性ペーストの製造方法である。
【0009】ここで、金属化合物(A)と(B)は、金
属化合物(A)を多価アルコールの存在下で加水分解お
よび縮合させたものが金属化合物(B)であるという関
係を有する。
【0010】また、本発明のプラズマディスプレイ用部
材は、上記感光性ペーストを用いて形成した隔壁を有す
ることを特徴とする。
【0011】さらに、本発明のプラズマディスプレイは
上記プラズマディスプレイ部材を用いてなることを特徴
とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を説明する。隔壁形成に用いられる感光性ペースト
は、塗布−パターン露光・現像−焼成の各工程を得て実
質的に無機成分からなる隔壁を提供するものであり、感
光性ペーストは無機成分を構成する低融点ガラスなどの
成分と塗布性およびパターン形成性に寄与する感光性有
機成分を含有するものであるが、本発明の感光性ペース
トの製造方法は、金属化合物(B)を多価アルコールの
存在下で加水分解および縮合させることによって金属化
合物(A)とすることを特徴とする。
【0013】本発明で用いられる金属化合物(B)は、
金属錯体、金属塩等が挙げられるが、加水分解および縮
合のしやすさの観点から、金属アルコキシドまたは金属
ハライド化合物であることが好ましい。
【0014】また、本発明で用いられる金属化合物
(B)は、Si,Al,Zr,Ti,Ce,Y,Mgお
よびSnの群から選ばれた少なくとも一種の元素を含む
ことが隔壁の反射率を高くできる点で好ましい。
【0015】ここで、金属化合物(B)として好ましく
用いられるものとしては、例えば、N−(β−アミノエ
チル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、
γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−β−
(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン・塩酸塩、γ−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシ
シラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−
メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエト
キシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)
エチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシ
ラン、パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラ
ン、パーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、
パーフルオロブチルエチルトリメトキシシラン、3,
3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジ
メチルジエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシ
ラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルト
リメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n
−ヘキサデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメト
キシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、1,6−ビ
ス(トリメトキシシリル)ヘキサン、テトライソプロピ
ルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチ
ルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)
チタネート、チタンテトラアセチルアセトネート、ジル
コニウムノルマルプロピレート、ジルコニウムノルマル
ブチレート、ジルコニウムアセチルアセトネートビスエ
チルアセトネート、四塩化チタン、四臭化チタン、トリ
クロロエトキシチタン、トリクロロブトキシチタン、三
塩化チタン、ジクロロブトキシチタン、ジクロロフェノ
キシチタン、四塩化ケイ素、メチルトリクロロシラン、
ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ジ
メチルブチルクロロシラン、ジメチルオクタデシルクロ
ロシランフェニルメチルジクロロシランなどが挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。特に、高反射
率付与およびコストの観点からテトライソプロピルチタ
ネート、テトラノルマルブチルチタネート等のチタンテ
トラアルコキシド類やジルコニアテトラアルコキシド、
またはチタンテトラハライド、シランテトラハライドな
どが好ましい。
【0016】また、金属化合物(A)は、金属化合物
(B)を多価アルコールの存在下で加水分解および縮合
させることによって得られる。本発明において、多価ア
ルコールとして好ましく用いられるものは、例えば、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチレ
ングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサ
ンジメタノール、グリセリン、ジエチレングリコール、
ペンタエリスリトール、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール
などが挙げられ、単一でまたは混合物として用いられ
る。なかでも、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、グリセリンが好ましく用いられる。
【0017】また、多価アルコール以外に、水、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノー
ル、ブタノールなどのモノアルコール類やジオキサン、
メチルセロソルブ、γ-ブチロラクトン、プロピレング
リコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテート、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、N-メチル−2−ピ
ロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフランなどの
用いる多価アルコールと相溶可能な溶媒を混合してもよ
い。
【0018】多価アルコールの使用量としては、金属ア
ルコキシドまたは金属ハライド化合物に対して、等モル
以上であることが好ましく、2倍モル以上がさらに好ま
い。これより少ないと粒子が凝集し粒子径の分布が広く
なったり、粒子の沈降が生じる場合がある。多価アルコ
ールゾルとして使用する場合などは2倍モル以上が好ま
しい。
【0019】多価アルコールを含む溶液中には、金属化
合物(B)の加水分解に必要な水分を共存させることが
好ましく、加水分解、縮合反応を促進するために触媒を
添加することがより好ましい。この水分や触媒の添加量
は、金属アルコキシドまたは金属ハライド化合物の種類
や目標とする平均径、形状を勘案して適宜実験的に決定
できる。また、気相中の湿気により供給する事も可能で
ある。触媒としては、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸などの無
機酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、蓚酸、スルホン酸、
無水酢酸、安息香酸などの有機酸、アンモニア、モノメ
チルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエ
チルアミン、エチレンジアミン、2−アミノエタノー
ル、トリエタノールアミンなどのアミン類が使用可能で
ある。これらの中でも毒性が低く、除去が容易で安価で
ある点からアンモニアが好ましく、一般に市販されてい
る28%アンモニア水溶液などを好ましく用いることが
できる。その結果、金属化合物(A)は通常ゾルの状態
で得られる。
【0020】金属化合物(A)は、金属化合物(B)を
多価アルコールの存在下で加水分解および縮合させる事
により、金属化合物(B)同士の縮合とともに、金属化
合物(B)と多価アルコールとの縮合反応や錯体形成反
応が生じ、結果的に多価アルコールが表面や内部に取り
込まれることによって得られるものと推察される。
【0021】ここで、多価アルコールの結合量は、示差
熱熱重量同時測定装置などによる加熱重量減少率(加熱
による重量減少量の仕込サンプル重量に対する割合)で
測定できる。本発明においては、加熱重量減少率は、残
存原料や吸着した水分の影響を除くために、200〜6
00℃までの範囲の値を用いて測定する。本発明におけ
る金属化合物(A)の値としては、5%以上であること
が好ましく、より好ましくは10%以上である。上記下
限値を下回る、すなわち多価アルコール成分の結合また
は強固な吸着量が少ない場合は、本発明の目的を達成す
ることが困難になることがある。
【0022】本発明に用いる金属化合物(B)を多価ア
ルコールの存在下で加水分解および縮合させることによ
って製造される金属化合物(A)の好ましい形態は微粒
子である。ここで微粒子には、X線構造回折や電子線回
折の手段によって、その結晶構造を同定できる場合とそ
うでないアモルファス(非晶質)の場合も含まれる。
【0023】金属化合物(A)が微粒子である場合に
は、その平均径は0.002〜0.02μmの範囲内で
あることが好ましい。微粒子の平均径を0.002μm
以上とすることにより、形成された隔壁の反射性が向上
する傾向がある。また、感光性ペーストのパターン形成
性を良好に保持する上限として、微粒子の平均径は0.
02μm以下とすることが好ましい。より好ましくは、
0.004〜0.01μmである。このような平均径の
微粒子は、露光に用いる紫外線光の波長350〜420
nmより微細であり、また、感光性ペーストおよびその
塗布膜内で均一に分散されるため、紫外線の透過性、す
なわちパターン形成性に影響を与えない。
【0024】なお、金属化合物(A)の平均径は、金属
化合物(B)を加水分解して得られた金属化合物(A)
を含むゾルをParticle sizing sys
tems社の粒度分布計NICOMP380/DLSを
用いて測定される。また、粒度分布計によって測定でき
ない場合は、金属化合物(A)を含むゾルを基板上に塗
布後、乾燥して得られた膜を電子顕微鏡で観察して、観
察写真を画像処理し、金属化合物(A)の見かけの面積
と同面積の円に換算した際の直径から、一次粒子径を算
出することもできる。 一般的には微粒子は、微細なた
め非常に凝集しやすく、ペースト中で均一に分散させる
には工夫が必要である。凝集が生じると紫外線光が底部
まで直進・透過しなくなり、パターン形成性が低下す
る。それを回避するために、微粒子は通常化学的な表面
処理を行うことに加えて、粉末の合成段階において凝集
を少なくする必要がある。本発明で用いられる金属化合
物(A)が微粒子の形態である場合には、多価アルコー
ル成分由来の化学構造部位を有するため、ペースト中へ
の分散性、親和性が優れ、均一な分散を達成できやすい
傾向がある。
【0025】隔壁は感光性ペースト塗布膜をパターン露
光し現像した後に焼成して形成されるが、微粒子はその
焼成の工程において凝集して粒子径0.3〜2μmの凝
集粒子を構成する傾向がある。このような凝集粒子は、
隔壁の反射性を向上させ、蛍光体層からの発光の効率を
向上することができるようになる。凝集粒子として好ま
しいサイズの粒子径は、0.2〜1.0μmで、より好
ましくは0.2〜0.6μmである。ここでいう凝集粒
子の粒子径とは、電子顕微鏡などによる凝集粒の観察写
真を画像処理し、凝集粒子の見かけの面積と同面積の円
に換算した際の直径をいう。
【0026】感光性ペーストが含有する感光性有機成分
は、感光性モノマーおよび/またはオリゴマー、感光性
または非感光性ポリマー、光重合開始剤を基本成分とし
て構成されるが、必要に応じて、増感剤、紫外線吸収
剤、分散剤、界面活性剤、有機染料、可塑剤、増粘剤、
酸化防止剤、ゲル化防止剤などの添加剤成分を加えるこ
とができる。ここで感光性とは、ペースト中の他の成分
の助けを借りて、または借りることなく、重合、架橋、
分解、変性などの反応を通して化学構造が変化する能力
を有していることを意味する。
【0027】本発明の感光性有機成分は、これに限定さ
れるものではないが、側鎖にカルボキシル基を有するア
クリル系重合体を含有することが好ましい。このような
重合体を用いた感光性ペーストはパターン露光後の現像
をアルカリ水溶液で実施することができるというメリッ
トを有している。側鎖にカルボキシル基を有する重合体
としては、焼成時の熱分解温度が低いことから、(メ
タ)アクリル酸エステルおよび(メタ)アクリル酸を共
重合成分とする共重合体が好ましく用いられる。さら
に、側鎖にカルボキシル基を有する重合体が側鎖にエチ
レン性不飽和基を有することも好ましく、該エチレン性
不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、
メタクリル基などがあげられる。 感光性ペーストの感
光性有機成分には感光性モノマーが含有されることが好
ましく、これらのモノマー成分の光反応による架橋反応
や重合反応が重要な役割をする。このような役割をする
感光性モノマーとしては、活性な炭素−炭素二重結合を
有する化合物で、官能基としてビニル基、アリル基、ア
クリロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミド基な
どを有する単官能および多官能化合物が用いられる。側
鎖にカルボキシル基を有する重合体の酸価は、50〜1
40であることが好ましい。酸価を140以下とするこ
とで、現像許容幅を広くすることができ、酸価を50以
上とすることで、未露光部の現像液に対する溶解性が低
下することがなく、従って現像液を濃くする必要がなく
露光部の剥がれを防ぎ、高精細なパターンを得ることが
できる。
【0028】本発明の感光性ペーストは、金属化合物
(A)がペースト中で均一分散していることが重要であ
る。そのためには感光性モノマーが含まれることが好ま
しいが、一種に限定されるものではなく複数種を混合し
て用いることも可能であり、金属化合物(A)の安定分
散性を阻害することがないと共に形成される隔壁パター
ンの形状安定性や欠陥防止にも留意して選択される。こ
れに限定されるものではないが、エチレン性不飽和基を
有するアミン化合物やウレタン結合を有するアクリロイ
ルまたはメタクリロイル誘導体などを用いることが好ま
しい。
【0029】不飽和基を有する感光性モノマー類には、
一般的に活性光線のエネルギーを吸収する能力はないの
で、光反応を開始するためには、光重合開始剤を加える
ことが好ましい。場合によっては光重合開始剤の効果を
補助するために増感剤を用いることがある。光重合開始
剤や増感剤は1種または2種以上使用することができ
る。光重合開始剤は、感光性有機成分に対し、好ましく
は0.05〜10重量%の範囲で添加され、より好まし
くは0.1〜10重量%である。光重合開始剤の添加量
をこの範囲内とすることにより、露光部の残存率を保ち
つつ良好な光感度を得ることができるまた、本発明にお
ける低融点ガラス粉末とは、ガラス転移点400〜55
0℃、荷重軟化点450〜600℃であることが好まし
い。荷重軟化点を450℃以上とすることで、ディスプ
レイ形成の後工程において隔壁が変形することがなく、
荷重軟化点を600℃以下とすることで、焼成時に溶融
し強度の高い隔壁を得ることができるためである。
【0030】また、低融点ガラス粉末の屈折率は、感光
性ペーストにおける感光性有機成分の屈折率との整合を
とり、露光光の散乱を抑えるために、1.5〜1.65
の範囲内とすることが好ましい。
【0031】感光性ペーストに用いる低融点ガラス粉末
は、ペースト形成時の充填性および分散性が良好で、ペ
ーストの均一な厚さでの塗布が可能であると共にパター
ン形成性を良好に保つためには、平均径が1〜4μmで
あり、最大粒子径が35μm以下であることが好まし
い。このような粒度分布を有するガラス粉末がペースト
への充填性および分散性の点で優れているが、低融点ガ
ラス粉末の場合は焼成工程でその殆どが溶融し一体化さ
れるので、かなり大きな粒子径の粉末も許容される。こ
の範囲であれば、充填性および分散性を満足させて、塗
布性およびパターン形成性の優れた感光性ペーストを構
成することができる。
【0032】本発明の感光性ペーストは、低融点ガラス
粉末および金属化合物(A)を含有する無機微粒子成分
と感光性有機成分とを6:4〜9:1の割合で含有する
ことが好ましく、また低融点ガラス粉末、金属化合物
(A)が、それぞれ70〜97重量部、3〜30重量部
含有されることが好ましい。無機微粒子成分を構成する
低融点ガラス粉末は97重量部以下で用いることが好ま
しく、これを越えると、金属化合物(A)が3重量部以
下となり、反射性向上効果が低下し、焼成収縮率が高く
なり隔壁形状の変化が激しくなることがある。また、低
融点ガラス粉末を70重量%以上用いることで、形成さ
れた隔壁の形状や強度を適正に保持することが可能にな
る。
【0033】感光性ペーストには、通常、低融点ガラス
粉末、フィラー、感光性モノマー、オリゴマーもしくは
ポリマー、光重合開始剤を基本成分とし、必要に応じて
その他の添加剤および溶媒などの各種成分を所定の組成
となるように調合した後、3本ローラや混練機で均質に
混合・分散することにより製造することができる。
【0034】フィラーとして好ましいものは、屈折率
1.45〜1.65、平均径が1.5〜4μmのフィラ
ーであり、0〜30重量部含有することができる。ここ
でフィラーとは、焼成後の隔壁中に溶融しない状態で存
在しているガラスあるいはセラミックスである。フィラ
ーを含有させることにより、焼成後の隔壁強度を保持
し、焼成収縮率を小さく、反射率を上げる効果が生じる
ことがある。
【0035】感光性ペーストの溶媒は、感光性有機成分
を溶解するものであって、ペーストの粘度の調整、塗布
膜の乾燥性、その他、取り扱い性などを考慮して選択す
ることができる。感光性ペーストの粘度は、有機溶媒に
より10〜200Pa・s(パスカル・秒)程度に調整
して使用される。この時使用される有機溶媒としては、
プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロ
ソルブ、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、
シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルアル
コール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラ
ン、ジメチルスルフォキシド、γ-ブチロラクトンなど
やこれらのうちの1種以上を含有する有機溶媒混合物が
挙げられる。
【0036】本発明の感光性ペーストの製造方法による
感光性ペーストは、PDP、電子放出素子を用いたディ
スプレイ等の隔壁形成に用いられるが、それらのディス
プレイ用部材は次のようにして作製される。
【0037】隔壁はガラス基板上に直接形成する場合も
あるが、多くはガラス基板上の電極を被覆するように形
成されている誘電体層の上に形成される。いずれの場合
においても、感光性ペーストを塗布する前に、塗布面の
表面処理を行って接着性を向上させることが有効であ
る。このような表面処理にはシラン系カップリング剤や
金属アルコキシ化合物などが用いられる。
【0038】感光性ペーストの塗布は、スクリーン印刷
法、バーコーター法、ロールコータ法、ドクターブレー
ド法などの一般的な方法で行うことができる。塗布厚さ
は、所望の隔壁の高さとペーストの焼成収縮率を考慮し
て決めることができる。
【0039】塗布・乾燥した感光性ペースト膜にフォト
マスクを介して露光を行って、隔壁パターンを形成す
る。露光の際、ペースト塗布膜とフォトマスクを密着し
て行う方法と一定の間隔をあけて行う方法(プロキシミ
ティ露光)のいずれを用いてもよい。露光用の光源とし
ては、水銀灯やハロゲンランプが適当であるが、超高圧
水銀灯が最もよく使用される。超高圧水銀灯を光源とし
て、プロキシミティ露光を行うのが一般的である。露光
条件はペーストの塗布膜厚さによって異なるが、通常
は、5〜60mW/cm2 の出力の超高圧水銀灯を用
いて10秒〜10分間露光を行う。
【0040】露光後、露光部分と未露光部分の現像液に
対する溶解度差を利用して、現像を行うが、この場合、
浸漬法、スプレー法、ブラシ法などが用いられる。感光
性ペーストが側鎖にカルボキシル基を有するアクリル系
重合体を含有する場合、アルカリ水溶液での現像が可能
である。アルカリとしては、有機アルカリ水溶液を用い
た方が焼成時にアルカリ成分を除去し易いので好まし
い。有機アルカリとしては、一般的なアミン化合物を用
いることができる。具体的には、テトラメチルアンモニ
ウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウム
ヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノール
アミンなどがあげられる。アルカリ水溶液の濃度は通常
0.05〜1重量%、より好ましくは0.1〜0.5重
量%である。アルカリ濃度が低すぎれば可溶部が完全に
除去されず、アルカリ濃度が高すぎれば、露光部のパタ
ーンを剥離させたり、侵食したりするおそれがある。現
像時の温度は、20〜50℃で行うことが工程管理上好
ましい。
【0041】感光性ペーストの塗布膜から露光・現像の
工程を経て形成された隔壁パターンは次に焼成炉で焼成
されて、有機成分を熱分解して除去し、同時に無機微粒
子成分中の低融点ガラスを溶融させて無機質の隔壁を形
成する。焼成雰囲気や温度は、ペーストや基板の特性に
よって異なるが、通常は、空気中で焼成される。焼成炉
としては、バッチ式の焼成炉やベルト式の連続型焼成炉
を用いることができる。
【0042】バッチ式の焼成を行うには通常、隔壁パタ
ーンが形成されたガラス基板を室温から焼成温度まで数
時間掛けてほぼ等速で昇温した後、通常は焼成温度とし
て設定された500〜590℃で約15〜30分間保持
して焼成を行う。焼成温度は用いるガラス基板のガラス
転移点より低くなければならないので自ずから上限が存
在する。焼成温度が高すぎたり、焼成時間が長すぎたり
すると隔壁の形状にダレなどの欠陥が発生する。また、
有機成分に含まれる感光性モノマー、感光性オリゴマー
もしくはポリマー、種々の添加剤の熱分解特性とガラス
粉末成分の熱特性が不釣り合いになると、隔壁が褐色に
着色したり、隔壁が基板から剥がれたりする欠陥が発生
する場合がある。
【0043】本発明の感光性ペーストでは、加えられた
金属化合物(A)の効果により白色度が向上し、反射率
の高い隔壁が形成されたディスプレイ用部材を得ること
ができる。
【0044】得られた部材上の隔壁に挟まれたセル内
に、赤、緑、青に発光する蛍光体ペーシトを塗布し、必
要に応じて焼成して、プラズマディスプレイの背面板を
製造することができる。この背面板と別途作製された前
面板とを張り合わせ後、封着、ガス封入してプラズマデ
ィスプレイが作製される。
【0045】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、濃度(%)は特に断らない限り重量%である。 (1)加熱重量減少率の測定方法 金属化合物(B)を加水分解して得られた金属化合物
(A)を含むゾルを200℃で減圧乾燥を8時間行い、
未反応の多価アルコール成分やその他の揮発分を乾燥し
た試料を使用し、セイコーインスツルメンツ(株)製T
G/DTA6200で窒素気流中、昇温速度10℃/分
で30〜600℃の範囲を測定し、200〜600℃の
範囲の減少率を用いる。 (2)全光線反射率の測定方法 製造された感光性ペーストの塗布膜を570℃で15分
間焼成して厚さ約30μmの膜を試料(これを焼成膜と
する)として、島津製作所製の分光光度計UV−310
1PCを用いて、入射角8度で入射した光の全反射を測
定した。 (3)金属化合物(A)の平均径の測定方法 金属化合物(B)を加水分解して得られた金属化合物
(A)を含むゾルをParticle sizeing
systems社の粒度分布計NICOMP380/
DLSを用いて測定した。 (4)ディスプレイの輝度測定方法 ディスプレイの輝度は、分光放射輝度計CS−1000
(ミノルタ(株)製)を使用して白色輝度を測定した。
測定視野は20mmφとし、ディスプレイ上の異なる5
点の輝度を測定し、その平均値を算出した。前面板の維
持放電電圧は180V、周波数は30kHz一定とし
た。
【0046】(参考例1)温度計、攪拌機の付いた反応
容器にエチレングリコール100g、28%アンモニア
水20gを入れて20℃に保ち、撹拌しながらエタノー
ル300gにテトラエトキシシラン(金属化合物
(B))40gを混合した溶液を30分かけて添加し
た。3時間撹拌を継続した後、エタノール、アンモニア
を減圧留去し、Si元素含有金属化合物(A)のエチレ
ングリコールゾル(ゾルA)を得た。
【0047】このゾルAを200℃で真空乾燥して得ら
れたSi元素含有金属化合物の200℃から600℃の
加熱重量減少率は11.3%であり、平均径は0.00
3μmであった。
【0048】(参考例2)温度計、攪拌機の付いた反応
容器にエタノール200g、テトラ−n−ブトキシチタ
ン80gを入れ20℃に保ち、撹拌しながらプロピレン
グリコール100g、28%アンモニア水30gを混合
した溶液を一括添加した。3時間撹拌を継続した後、エ
タノール、アンモニアを減圧留去し、Ti元素含有金属
化合物のプロピレングリコールゾル(ゾルB)を得た。
【0049】このゾルBを200℃で真空乾燥して得ら
れたTi元素含有金属化合物の200℃から600℃の
加熱重量減少率は48.0%であり、平均径は0.00
3μmであった。
【0050】(参考例3)温度計、攪拌機の付いた反応
容器に水400g、28%アンモニア水14g、エリレ
ングリコール100gを入れ25℃に保ち、100rp
mで撹拌して多価アルコール相とした。撹拌速度を10
rpmに下げた後、メチルトリメトキシシラン13g、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2gの混
合液を、多価アルコール相に混ざらないように速やかに
加えた。撹拌速度を50rpmに上げ二相に保ちながら
5時間反応した後、水、生成したエタノール、アンモニ
アを減圧留去し、Si元素含有金属化合物のエチレング
リコールゾル(ゾルC)を得た。
【0051】このゾルCを200℃で真空乾燥して得ら
れたSi元素含有金属化合物の200℃から600℃の
加熱重量減少率は27.3%であり、平均径は0.00
4μmであった。
【0052】(参考例4)参考例1において、テトラエ
トキシシランの代わりに同モルの四塩化ケイ素を用い
て、同様に反応してシリカ元素含有金属化合物のエチレ
ングリコールゾル(ゾルD)を得た。得られたSi元素
含有金属化合物の重量減少率は12%で、平均径は0.
004μmであった。
【0053】(参考例5)参考例2において、テトラ−
n−ブトキシチタンの代わりに同モルの四塩化チタン、
また28%アンモニア水30gの代わりに0.1Nの塩
酸30gを用い、プロピレングリコールの代わりに1,
4−ブタンジオールを用いて、同様に反応してTi元素
含有金属化合物の1,4ブタンジオールゾル(ゾルE)
を得た。得られたTi元素含有金属化合物の重量減少率
は35%で、平均径は0.005μmであった。
【0054】(参考例6)温度計、攪拌機の付いた反応
容器にエタノール200g、テトラ−n−ブトキシジル
コニウム80gを入れ、20℃に保ち撹拌しながらプロ
ピレングリコール100g、0.1N塩酸30gを混合
した溶液を一括添加した。3時間撹拌を継続した後、エ
タノール、水、反応生成物のn−ブタノールなどを減圧
留去し、Zr元素含有金属化合物のプロピレングリコー
ルゾル(ゾルF)を得た。得られたZr元素含有金属化
合物の重量減少率は41%で、平均径は0.004μm
であった。
【0055】(参考例7)参考例2においてプロピレン
グリコールの代わりにグリセリンを用いてTi元素含有
金属化合物のグリセリンゾル(ゾルG)を得た。得られ
たTi元素含有金属化合物の重量減少率は42%で、平
均径は0.004μmであった。
【0056】(参考例8)温度計、攪拌機の付いた反応
容器にエタノール300g、テトラ−n−ブトキシチタ
ン80gを入れ20℃に保ち、撹拌しながら28%アン
モニア水30gを一括添加した。3時間撹拌を継続し、
加水分解および縮合反応をほぼ完了後、プロピレングリ
コールを添加し、エタノール、アンモニアを減圧留去
し、Ti元素含有金属化合物のプロピレングリコールゾ
ル(ゾルH)を得た。
【0057】このゾルBを200℃で真空乾燥して得ら
れたTi元素含有金属化合物の平均径は0.004μm
であった。
【0058】(実施例1)感光性ペーストの無機成分を
構成する低融点ガラス粉末と金属化合物(B)を多価ア
ルコールの存在下で加水分解および縮合させることによ
って得られた金属化合物(A)とを85%と15%の割
合で用いた。後者の成分として参考例1に示したゾルA
を用いた。ゾルAはその固形分率を算出し、15%に見
合う量を使用した。
【0059】本実施例で用いた低融点ガラス粉末の酸化
物換算組成は、酸化リチウム6.7%、酸化ケイ素22
%、酸化ホウ素32%、酸化バリウム3.9%、酸化ア
ルミニウム19%、酸化亜鉛2.2%、酸化マグネシウ
ム5.5%、酸化カルシウム4.1%であった。この低
融点ガラスのガラス転移点は497℃、荷重軟化点は5
30℃、熱膨張係数は75×10-7/K、屈折率は1.
58であり、予めアトラクターで微粉末とし、平均径は
2.6μmであった。
【0060】感光性有機成分のうち、重合体として、重
量平均分子量10,000、酸価75を有するサイクロ
マーP(ダイセル化学工業社製、ACA250)を用い
た。感光性モノマーとしては、ビス(2−ヒドロキシ−
3−メタクリロイルオキシプロピル)イソプロピルアミ
ン(GMPA)を用いた。
【0061】感光性ペーストは、上記の重合体15%、
感光性モノマー7.5%、光重合開始剤(チバ・ガイギ
ー社製:イルガキュア369)3.5%、ゲル化防止剤
3.5%、分散剤0.5%および無機成分70%とから
構成される。溶媒にはγ−ブチロラクトンを用いた。こ
れらを3本ロールで混練して感光性ペーストを製造し
た。この感光性ペーストから得られた焼成膜の全光線反
射率は40%であった。
【0062】隔壁が形成されたディスプレイ用部材とし
て次の工程でPDP背面板を作製した。
【0063】旭硝子社製PD200ガラス基板の上に、
感光性銀ペーストを用いて線幅40μm、ピッチ150
μmの500本のアドレス電極を形成し、この上にガラ
スペーストを塗布した後、焼成して誘電体層を形成し
た。誘電体層上に本実施例の感光性ペーストを塗布し、
乾燥厚み165μmの塗布膜を形成した。この塗布膜
に、150μmピッチ、線幅20μmの隔壁パターンを
有するネガ型クロムマスクを通して上面から20mW/
cm2出力の超高圧水銀灯で露光した。露光量は600
mJ/cm2とした。次に35℃に保持したモノエタノ
ールアミンの0.3%水溶液をシャワーして現像しスト
ライプ状の隔壁パターンを形成した。隔壁パターン形成
したガラス基板は乾燥した後、590℃で15分間焼成
し全光線反射率が上記焼成膜と同様の隔壁を作製した。
【0064】隔壁間に蛍光体層を形成し、プラズマディ
スプレイ用の背面板を得た。この背面板を別途作製した
前面板と合わせて後、封着しガス封入し、駆動回路を接
続してプラズマディスプレイを作製した。このプラズマ
ディスプレイの平均輝度は420cd/m2であった。 (実施例2)ゾルBを用いた他は実施例1を繰り返し
た。得られた感光性ペーストから得られた焼成膜の全光
線反射率は57%であった。 (実施例3)無機成分として、次の酸化物換算組成を有
する高融点ガラスを配合し、低融点ガラス、高融点ガラ
スおよび金属化合物(B)を多価アルコールの存在下で
加水分解および縮合させることによって得られた金属化
合物(A)を75%、15%および10%の割合で配合
したものを用いた他は実施例2を繰り返した。この感光
性ペーストから得られた焼成膜の全光線反射率は55%
であった。 (実施例4)ゾルCを用いた他は実施例3を繰り返し
た。この感光性ペーストから得られた焼成膜はの全光線
反射率は42%であった。 (実施例5)感光性モノマーとしてGMPAと共に、2
官能性ウレタンメタクリレート化合物(根上工業社製:
TN−1)をもちいた。感光性ペースト中での配合は実
施例1で示した感光性モノマーとして7.5%であり、
GMPAを5%、TN−1を2.5%配合した。この他
の条件は実施例2を繰り返した。この感光性ペーストか
ら得られた焼成膜の全光線反射率は60%であった。 (実施例6)ゾルDを用いた他は実施例5を繰り返し
た。この感光性ペーストから得られた焼成膜の全光線反
射率は42%であった。 (実施例7)ゾルEを用いた他は実施例3を繰り返し
た。この感光性ペーストから得られた焼成膜の全光線反
射率は58%であった。 (実施例8)感光性モノマーの配合は実施例5の条件を
適用した他は実施例3を繰り返した。この感光性ペース
トから得られた焼成膜の全光線反射率は62%であっ
た。 (実施例9)ゾルFを用いた他は実施例1を繰り返し
た。この感光性ペーストから得られた焼成膜はの全光線
反射率は45%であった。 (実施例10)ゾルGを用いた他は実施例8を繰り返し
た。この感光性ペーストから得られた焼成膜の全光線反
射率は58%であった。 (比較例1)ゾルHを用いた他は実施例1を繰り返し
た。その結果、得られた感光性ペーストの透明性が不十
分であり、露光による硬化ができず、隔壁パターンの形
成ができなかった。 (比較例2)テトラ−n−ブトキシチタンをそのまま用
いた他は実施例1を繰り返した。その結果、感光性ペー
スト作製段階でゲル化し塗布できなかった。
【0065】
【発明の効果】本発明の製造方法で得られる感光性ペー
ストは、隔壁パターンの形成性に優れ、焼成後に得られ
る隔壁は光線反射率が高い。このような反射率の高い隔
壁を有するディスプレイ用部材を用いることにより、輝
度および色純度の優れたディスプレイを得ることができ
る。
【0066】本発明の感光性ペーストの製造方法で得ら
れた感光性ペーストは、フォトリソグラフィを用いたパ
ターン形成後に焼成を行い、実質的に無機物からなる隔
壁を形成するために用いられる。得られる隔壁は反射率
の高い隔壁であるが、隔壁パターン形成段階においては
高い光透過性を有している。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/033 G03F 7/033 H01J 9/02 H01J 9/02 F 11/02 11/02 B Fターム(参考) 2H025 AA00 AB17 AC01 AD01 BC31 BC51 CB13 CB14 CB43 CC08 FA03 FA14 FA29 4J002 BG021 DL006 EX017 EX067 EX077 EZ007 FB087 FD016 FD017 GP00 5C027 AA09 5C040 GF18 KA16 MA30

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属化合物(A)、低融点ガラス粉末およ
    び感光性有機成分を含有する感光性ペーストの製造方法
    であって、前記金属化合物(A)が金属化合物(B)を
    多価アルコールの存在下で加水分解および縮合させるこ
    とを特徴とする感光性ペーストの製造方法。
  2. 【請求項2】金属化合物(B)が、金属アルコキシドま
    たは金属ハライド化合物であることを特徴とする請求項
    1記載の感光性ペーストの製造方法。
  3. 【請求項3】金属化合物(B)が、Si、Al、Zr、
    Ti、Ce、Y、MgおよびSnの群から選ばれる少な
    くとも一種の元素を含むことを特徴とする請求項1記載
    の感光性ペーストの製造方法。
  4. 【請求項4】金属化合物(A)の200℃〜600℃に
    おける加熱重量減少率が5%以上であることを特徴とす
    る請求項1記載の感光性ペーストの製造方法。
  5. 【請求項5】金属化合物(A)の平均径が0.002〜
    0.02μmの範囲内であることを特徴とする請求項4
    記載の感光性ペーストの製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の感光性ペ
    ーストの製造方法により製造された感光性ペーストを用
    いて形成した隔壁を有することを特徴とするプラズマデ
    ィスプレイ用部材。
  7. 【請求項7】請求項6に記載のプラズマディスプレイ用
    部材を用いてなることを特徴とするプラズマディスプレ
    イ。
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