JP2008039944A - 感光性組成物及びそれを用いた感光性転写材料、表示装置用遮光膜及びその形成方法、遮光膜付基板並びに表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも、金属粒子又は金属を有する粒子と、溶剤と、樹脂およびその前駆体の少なくとも一種と、を含有する感光性組成物であって、前記溶剤の沸点を150℃以上300℃以下とし、前記溶剤の20℃における水に対する溶解度を無限大とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、薄膜で高い光学濃度を有し、面状が良好なプロファイルを示す表示装置用遮光膜を形成することが可能な感光性組成物及びそれを用いた感光性転写材料、表示装置用遮光膜及びその形成方法、遮光膜付基板並びに表示装置を提供することを目的とする。
<1> 金属粒子及び金属を有する粒子少なくとも1種と、沸点が150℃以上300℃以下かつ20℃における水に対する溶解度が無限大である溶剤の少なくとも1種と、樹脂及びその前駆体の少なくとも1種と、を含有する感光性組成物である。
<2> 前記溶剤が乳酸エチルであることを特徴とする<1>に記載の感光性組成物である。
<3> 前記金属粒子及び金属を有する粒子の少なくとも1種が、銀錫合金部を有する粒子であることを特徴とする<1>又は<2>に記載の感光性組成物である。
<4> 前記金属粒子又は金属を有する粒子の数平均粒子径が、0.1μm以下であることを特徴とする<1>乃至<3>のいずれか1つに記載の感光性組成物である。
<5> 仮支持体上に<1>乃至<4>のいずれか1つに記載の感光性組成物を用いてなる感光性組成物層を有する感光性転写材料である。
<6> <1>乃至<4>のいずれか1つに記載の感光性組成物を基板上に塗布する工程を少なくとも有する表示装置用遮光膜の形成方法である。
<7> <5>に記載の感光性転写材料の感光性組成物層を基板上に転写する工程を少なくとも有する表示装置用遮光膜の形成方法である。
<8> <1>乃至<4>のいずれか1つに記載の感光性組成物を用いて形成された表示装置用遮光膜である。
<9> ブラックマトリクスの形成に用いられることを特徴とする<8>に記載の表示装置用遮光膜である。
<10> 基板と、前記基板上に設けられた<8>に記載の表示装置用遮光膜と、を備える遮光膜付基板である。
<11> カラーフィルタの作製に用いられることを特徴とする<10>に記載の遮光膜付基板である。
<12> <10>又は<11>に記載の遮光膜付基板を備えた表示装置である。
本発明の感光性組成物は、少なくとも、金属粒子及び金属を有する粒子の少なくとも1種と、沸点が150℃以上300℃以下かつ20℃における水に対する溶解度が無限大である溶剤の少なくとも1種と、樹脂及びその前駆体の少なくとも1種と、を含有することを特徴とする。本発明の感光性組成物は、光重合開始剤、光重合開始助剤等をさらに含んでいてもよい。
(A)金属粒子又は金属を有する粒子
本発明の感光性組成物は、金属粒子及び金属を有する粒子(以下、「本発明に係る金属系微粒子」ということがある。)の少なくとも1種を含有する。
金属粒子及び金属を有する粒子における金属としては、特に限定されず、いかなるものを用いてもよい。金属粒子は、2種以上の金属を組合せてなるものであってもよく、合金からなるものであってもよい。また、金属を有する粒子は、少なくとも1種の金属を有する金属化合物粒子であればよく、金属と金属化合物との複合粒子でもよい。
金属粒子としては、金属又は、金属と金属化合物とから形成されるものが好ましく、金属から形成されるものが特に好ましい。
特に長周期律表(IUPAC 1991)の第4周期、第5周期、及び第6周期からなる群から選ばれる金属を主成分として含むことが好ましい。また、第2〜14族からなる群から選ばれる金属を含有することが好ましく、第2族、第8族、第9族、第10族、第11族、第12族、第13族、及び第14族からなる群から選ばれる金属を主成分として含むことがより好ましい。これらの金属のうち、金属粒子としては、第4周期、第5周期、又は第6周期の金属であって、第2族、第10族、第11族、第12族、又は第14族の金属の粒子が更に好ましい。
「金属化合物」とは、前記金属と金属以外の他の元素との化合物である。金属と他の元素との化合物としては、金属の酸化物、硫化物、硫酸塩、炭酸塩などが挙げられ、金属化合物粒子としてはこれらの粒子が好適である。中でも、色調や微粒子形成のしやすさから、金属の硫化物の粒子が好ましい。
金属化合物の例としては、酸化銅(II)、硫化鉄、硫化銀、硫化銅(II)、チタンブラックなどがあるが、色調、微粒子形成のしやすさや安定性の観点から、硫化銀が特に好ましい。
複合粒子は、金属と金属化合物とが結合して1つの粒子になったものをいう。例えば、粒子の内部と表面で組成の異なるもの、2種の粒子が合一したもの等を挙げることができる。また、金属化合物と金属とはそれぞれ1種でも2種以上であってもよい。
本発明に係る金属微粒子は、コア・シェル型の複合粒子(コアシェル粒子)であってもよい。コア・シェル型の複合粒子(コアシェル粒子)とは、コア材料の表面をシェル材料でコートしたものであり、その具体例として、特開2006−18210号公報の段落番号[0024]〜[0027]に記載のコア・シェル微粒子が挙げられる。
本発明に係る金属系微粒子の少なくとも1種は、銀錫合金部を有する粒子であることが好ましい。銀錫合金部を有する粒子としては、銀錫合金からなるもの、銀錫合金部分とその他の金属部分からなるもの、及び銀錫合金部分と他の合金部分からなるものを含む。
例えば、棒状の銀微粒子は、球形銀微粒子を種粒子としてその後、銀塩を更に添加し、CTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロマイド)等の界面活性剤の存在下でアスコルビン酸など比較的還元力の弱い還元剤を用いることにより、銀棒やワイヤーが得られる。これは、Advanced Materials 2002,14,80−82に記載がある。また、同様の記載が、Materials Chemistry and Physics 2004,84,197−204、Advanced Functional Materials 2004,14,183−189になされている。
金に関しても同様に、Journal of Physical Chemistry B 1999,103、3073−3077及びLangmuir1999,15,701−709、Journal of American Chemical Society 2002,124,14316−14317に記載されている。
棒状の粒子の形成方法は、前記記載の方法を改良(添加量調整、pH制御)しても調製できる。
本発明に係る金属系微粒子は、下記の方法によって直方体として捉えられ、各寸法が測定される。すなわち、1個の金属系微粒子がちょうど(きっちりと)収まるような三軸径の直方体の箱を考え、この箱の長さの一番長いものを長軸長さLとし、厚みt、幅bをもってこの金属系微粒子の寸法と定義する。前記寸法には、L>b≧tの関係を持たせ、同一の場合以外はbとtの大きい方を幅bと定義する。具体的には、まず、平面上に金属系微粒子を、最も重心が低くて安定に静止するように置く。次に、平面に対し直角に立てた2枚の平行な平板により金属系微粒子を挟み、その平板間隔が最も短くなる位置の平板間隔を保つ。次に、前記平板間隔を決する2枚の平板に対し直角で前記平面に対しても直角の2枚の平行な平板により金属系微粒子を挟み、この2枚の平板間隔を保つ。最後に金属系微粒子の最も高い位置に接触するように天板を前記平面に平行に載せる。この方法により平面、2対の平板及び天板によって画される直方体が形成される。
なお、コイル状やループ状のものはその形状を伸ばした状態で前記測定を行なった場合の値と定義する。
棒状の金属系微粒子の場合など、前記長軸長さLは、10nmないし1000nmであることが好ましく、10nmないし800nmであることがより好ましく、20nmないし400nmである(可視光の波長より短い。)ことが最も好ましい。Lが10nm以上であることにより、製造上調製が簡便で、かつ耐熱性や色味も良好になる利点があり、1000nm以下であることにより、面状欠陥が少ないという利点がある。
棒状の金属系微粒子の場合など、幅bと厚みtとの比は、100個の棒状金属微粒子について測定した値の平均値と定義する。棒状の金属系微粒子の幅bと厚みtとの比(b/t)は2.0以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましく、1.3以下であることが特に好ましい。b/t比が2.0を超えると平板状に近くなり、耐熱性が低下することがある。
長軸長さLは、幅bの1.2倍以上100倍以下であることが好ましく、1.3倍以上50倍以下であることがより好ましく、1.4倍以上20倍以下であることが特に好ましい。長軸長さLが幅bの1.2倍未満となると平板の特徴が現れて耐熱性が悪化することがある。また、長軸長さLが幅bの100倍を超えると黒色濃度が低くなって薄層高濃度化ができないことがある。
長さL、幅b及び厚みtの測定は、電子顕微鏡による表面観察図(×500000)と、原子間力顕微鏡(AFM)によってすることができ、100個の棒状の金属系微粒子について測定した値の平均値とする。原子間力顕微鏡(AFM)には、いくつかの動作モードがあり、用途によって使い分けている。
大別すると以下の3つになる。
(1)接触方式:プローブを試料表面に接触させ、カンチレバーの変位から表面形状を測定する方式
(2)タッピング方式:プローブを試料表面に周期的に接触させ、カンチレバーの振動振幅の変化から表面形状を測定する方式
(3)非接触方式:プローブを試料表面に接触させずに、カンチレバーの振動周波数の変化から表面形状を測定する方式
前記の3つの方法を挙げることができるが、試料に合わせいずれかの方法を選択することが可能である。
本発明における金属系微粒子は、安定な分散状態で存在していることが好ましく、例えば、コロイド状態であることがより好ましい。コロイド状態の場合には、例えば、金属微粒子が実質的に微粒子状態で分散されていることが好ましい。ここで、実質的に微粒子状態で分散されているとは、一次粒子が凝集又は軟凝集せず個々に独立に分散している状態をいう。
本発明の感光性組成物は、沸点が150℃以上300℃以下かつ20℃における水に対する溶解度が無限大である溶剤を少なくとも1種含有する。
本発明における溶剤の沸点は150℃以上300℃以下であるが、150℃以上250℃以下の範囲内であることが好ましく、150℃以上200℃以下であることがより好ましい。溶剤の沸点が300℃以下であることにより形成した感光性組成物層に残留する溶剤量を抑制することができる。残留溶剤量が多いと、乾燥後の膜特性の変動や、感度変動を生じる原因となる場合がある。また、溶剤の沸点が150℃以上であることにより乾燥速度の制御が容易となり、ブラッシングや相分離による塗布面状の白濁化などの発生を抑制することができる。
溶剤の水に対する溶解度が無限大でない場合、例えば100g未満の場合には、塗布乾燥後の面状が凝集面状になり、プロファイル(面内膜厚分布)が悪化する。
尚、上記の値は1980年度第3刷溶剤ハンドブックなどで調べることができる。
本発明の感光性組成物は、樹脂及びその前駆体の少なくとも1種を含有して構成される。ここで、樹脂はバインダーとしてのポリマー成分であり、樹脂の前駆体は、重合したときに樹脂を構成する成分であり、いわゆるモノマー、オリゴマー成分などが含まれる。前記感光性組成物は、アルカリ水溶液で現像可能なものと、有機溶剤で現像可能なものとがある。安全性と現像液のコストとの点からは、アルカリ水溶液で現像可能なものが好ましく、かかる点から樹脂となるポリマーとしてアルカリ可溶性樹脂を用いて構成することが好ましい。
前記樹脂としては、側鎖にカルボン酸基を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、及び特開昭59−71048号公報に記載のメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体などを挙げることができる。また、側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げることができる。このほか、水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用することができる。特に、米国特許第4139391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸の共重合体やベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体も挙げることができる。
また、上記以外に、種々の性能、例えば硬化膜の強度を改良する目的で、現像性等に悪影響を与えない範囲でアルコール可溶性のポリマーを添加してもよい。アルコール可溶性のポリマーとしては、例えば、アルコール可溶性ナイロン、エポキシ樹脂などが挙げられる。
前記樹脂の含有量としては、感光性組成物の全固形分に対して通常、10〜95質量%が好ましく、更に20〜90質量%がより好ましい。10〜95質量%の範囲では、感光性組成物層の粘着性が高すぎることもなく、形成される層の強度及び光感度が劣ることもない。
ポジ型の感光性組成物には、ノボラック系の樹脂を用いたものが挙げられる。例えば、特開平7−43899号公報に記載のアルカリ可溶性ノボラック樹脂系を使用することができる。また、特開平6−148888号公報に記載のポジ型感光性樹脂層、すなわち該公報に記載のアルカリ可溶性樹脂と感光剤として1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルと熱硬化剤との混合物を含む感光性樹脂層を用いることができる。更に、特開平5−262850号公報に記載の組成物も活用可能である。
前記「樹脂の前駆体」としては、重合することで樹脂となるモノマー等が挙げられる。
前記モノマーとしては、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリス(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン若しくはグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシドやプロピレンオキシドを付加反応させた後で(メタ)アクリレート化したもの等の多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。
モノマーの感光性組成物の全固形分に対する含有量は、5〜50質量%が一般的であり、10〜40質量%が好ましい。該含有量が前記範囲内にあると、光感度や画像の強度も低下せず、感光性組成物層の粘着性が過剰になることもない。
−光重合開始剤−
本発明においては、光重合開始剤として、アミノアセトフェノン系、アシルフォスフィンオキサイド系、オキシムエステル系からなる群より選択される少なくとも1種の光重合開始剤を用いることが好ましい。
アシルフォスフィンオキサイド系の開始剤の具体例として、DAROCUR TPOや、Irgacure(Irg)819等(何れもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)が挙げられる。
オキシムエステル系の開始剤の具体例として、IRGACURE(Irg) OXE01や、CGI242等(何れもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)が挙げられる。
上述の開始剤の構造を以下に示す。
本発明の感光性組成物には、必要に応じて光重合開始助剤を用いることができる。光重合開始助剤は、前記光重合開始剤と組合せて用いられ、光重合開始剤によって重合が開始された光重合性化合物の重合を促進するために用いられる化合物である。光重合開始助剤としては、少なくとも1種のアミン系化合物を含むことが好ましい。
前記のアルコキシアントラセン系化合物としては、例えば、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセンなどが挙げられる。
前記クマリン系化合物を用いた場合、黄ばみなどの着色がなく、かつ高感度化することができる。クマリン系化合物としては、例えば、7−[2−[4−(3−ヒドロキシメチルビペリジノ)−6−ジエチルアミノ]トリアジニルアミノ]−3−フェニルクマリンなどが挙げられる。
また、光重合開始助剤として市販のものを用いることもでき、市販の光重合開始助剤としては、例えば、商品名「EAB−F」(保土谷化学工業(株)製)などが挙げられる。
本発明の感光性組成物には、上記(A)〜(D)以外に、更に必要に応じて、公知の添加剤、例えば、顔料、可塑剤、界面活性剤、熱重合防止剤、密着促進剤、分散剤、垂れ防止剤、レベリング剤、消泡剤、難燃化剤、光沢剤、溶剤等を添加することができる。
本発明においては、上記の金属系微粒子と共に、顔料等その他の微粒子を用いることもできる。顔料を用いることによって、黒色により近い色相に構成することができる。
顔料は一般に有機顔料と無機顔料とに大別されるが、本発明において好適に使用される顔料の例としては、特開2005−17716号公報[0038]〜[0040]に記載の色材や、特開2005−361447号公報[0068]〜[0072]に記載の顔料や、特開2005−17521号公報[0080]〜[0088]に記載の着色剤を好適に用いることができる。
カーボンブラックの例としては、Pigment Black(ピグメント・ブラック)7(カーボンブラック C.I.No.77266)が好ましい。市販品として、三菱カーボンブラック MA100(三菱化学(株)製)、三菱カーボンブラック #5(三菱化学(株)製)が挙げられる。
チタンブラックの例としては、TiO2、TiO、TiNやこれらの混合物が好ましい
。市販品として、三菱マテリアルズ(株)製の(商品名)12Sや13Mが挙げられる。チタンブラックの平均粒径は40〜100nmが好ましい。
黒鉛の例としては、粒子径がストークス径で3μm以下のものが好ましい。3μmを超える黒鉛を用いると、遮光パターンの輪郭形状が不均一になり、シャープネスが悪くなることがある。また、粒子径の大部分は0.1μm以下であることが望ましい。
顔料の球相当直径は、5nm以上5μm以下が好ましく、特に10nm以上1μm以下が好ましく、更にカラーフィルタ用としては、20nm以上0.5μm以下が好ましい。
感光性組成物としては、前記成分のほかに、更に熱重合防止剤を添加することが好ましい。熱重合防止剤の例としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、p−t−ブチルカテコール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、β−ナフトール、ピロガロール等の芳香族ヒドロキシ化合物、ベンゾキノン、p−トルキノン等のキノン類、ナフチルアミン、ピリジン、p−トルイジン、フェノチアジン等のアミン類、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンのアルミニウム塩又はアンモニウム塩、クロラニール、ニトロベンゼン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール等が挙げられる。
前記密着促進剤としては、例えば、アルキルフェノール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリイソブチレン、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ブチルゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ゴム、アクリル樹脂系粘着剤、芳香族系、脂肪族系又は脂環族系の石油樹脂、シランカップリング剤等が挙げられる。
本発明の感光性転写材料は、仮支持体上に少なくとも本発明の感光性組成物を用いてなる感光性組成物層を有するものであり、必要に応じて熱可塑性樹脂層、中間層、及び保護層等を更に設けることができる。
前記感光性組成物層の膜厚は、0.2〜2.0μm程度が好ましく、0.2〜0.9μmがより好ましい。
本発明の感光性転写材料を構成する上記感光性組成物層以外の層としては、特開2005−3861号公報の段落番号[0023]〜[0066]に記載の仮支持体、熱可塑性樹脂層、中間層、保護フィルムが好適なものとして挙げられる。
感光性転写材料の作製は、本発明の感光性組成物の溶液を、仮支持体上に、例えば、スピナー、ホワイラー、ローラーコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、ワイヤーバーコーター、エクストルーダー等の塗布機を用いて塗布・乾燥させることにより行うことができる。熱可塑性樹脂層、中間層を更に設ける場合も同様にして行なうことができる。
本発明の表示装置用遮光膜は、本発明の感光性組成物を用いて形成されたものである。
本発明の感光性組成物を用いて表示装置用遮光膜を作製すると、薄膜で光学濃度が高く、良好なプロファイルを示す表示装置用遮光膜(例えば光学濃度が1以上)を作製することができる。
本発明にいう「表示装置用遮光膜」は、ブラックマトリクスを包含する意味で用いる。「ブラックマトリクス」とは、液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置の周辺部に設けられた黒色の縁や、赤、青、緑の画素間の格子状やストライプ状の黒色の部分、更にTFT遮光のためのドット状や線状の黒色パターン等のことであり、このブラックマトリクスの定義は、例えば、「液晶ディスプレイ製造装置用語辞典」(第2版、菅野泰平著、p.64、日刊工業新聞社、1996年)に記載されている。ブラックマトリクスの例としては、有機ELディスプレイ(例えば特開2004−103507号公報)、PDPのフロントパネル(例えば特開2003−51261号公報)、PALCではバックライトの遮光等が挙げられる。
ブラックマトリクスは、表示コントラストを向上させるため、また、薄膜トランジスター(TFT)を用いたアクティブマトリックス駆動方式の液晶表示装置の場合には、光の電流リークによる画質低下を防止するため、高い遮光性(光学濃度ODで3以上)が必要である。
本発明の表示装置用遮光膜の第一の形成方法は、本発明の感光性組成物を基板上に塗布する工程を少なくとも有するものである。また、本発明の表示装置用遮光膜の第二の形成方法は、本発明の感光性転写材料の感光性組成物層を基板上に転写する工程を少なくとも有するものである。本発明の表示装置用遮光膜の形成方法により、基板上に感光性組成物からなる感光性組成物層(以下、「感光性遮光層」と言うことがある。)が形成される。
本発明に用いられる基板は特に限定されるものではないが、表示装置を構成する透明基板(例えばガラス基板やプラスチックス基板)、配線付基板、遮光膜などにより形成された額縁付基板、透明導電膜(例えばITO膜)付基板、カラーフィルタ付基板、駆動素子(例えば薄膜トランジスタ[TFT])付駆動基板、などが挙げられる。
本発明に用いられる基板のサイズは特に限定されるものではないが、長手方向、短手方向とも300〜6000mmが好ましく、800〜4000mmがさらに好ましく、特に1500〜3500mmが好ましい。
特に、金属粒子又は金属を有する粒子として、銀錫合金部を有する粒子を用いた場合が効果的である。
表示装置用遮光膜の光学濃度としては、2.5以上10.0以下が好ましく、より好ましく3.0以上6.0以下である。光学濃度が前記範囲内であると、良好な遮光性を付与することができる。
第1の具体例としては、まず本発明の感光性組成物を基板に塗布し、金属粒子又は金属を有する粒子を含有した感光性遮光層を形成する。その後、パターン露光、現像によりパターン以外の部分の遮光層を除却することによりパターン形成を行ない、ブラックマトリクス(表示装置用遮光膜)を得る方法である。
また、既述の中間層と同組成の層を前記感光性遮光層上に形成して保護層とすることもできる。この場合、塗布液の塗布は、上述した(感光性転写材料の作製)の項で列挙した塗布機を用いて塗布することができる。中でも、スピンコート法によって行なうのが好ましい。
基板上に形成された感光性遮光層の上方に所定のマスクを配置し、該マスク上方からマスクを通して前記感光性遮光層を露光し、次いで現像液による現像を行なってパターン像を形成し、引き続き必要に応じて水洗処理を行なう工程を施すことによりブラックマトリクスを作製することができる。露光は、上述のようにマスクを配置して行なう方法以外に、マスクを介さずに直接、画像データに基づいて光を相対走査することでパターン像を得るようにすることもできる。
露光量としては、通常5〜300mJ/cm2程度であり、好ましくは10〜100mJ/cm2程度である。
この際に使用する露光機は、特に限定されるわけではないが、マスクを介して露光するプロキシミティ露光機のほか、散乱光線露光機、平行光線露光機、ステッパー、及びレーザー露光機などを用いることができる。
ブラックマトリクスの塗布による形成方法及び感光性転写材料を用いる形成方法において、現像に用いる前記アルカリ性物質としては、アルカリ金属水酸化物類(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)、アルカリ金属炭酸塩類(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム)、アルカリ金属重炭酸塩類(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム)、アルカリ金属ケイ酸塩類(例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム)、アルカリ金属メタケイ酸塩類(例えば、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム)、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、テトラアルキルアンモンニウムヒドロキシド類(例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)、燐酸三ナトリウム、等が挙げられる。アルカリ性物質の濃度は、0.01〜30質量%が好ましく、pHは8〜14が好ましい。
前記「水と混和性を有する有機溶剤」としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等が好適に挙げられる。水と混和性を有する有機溶剤の濃度は0.1〜30質量%が好ましい。
前記現像液は、浴液として用いてもよいし、あるいは噴霧液としても用いることができる。遮光層の未硬化部分を除去する場合、現像液中で回転ブラシや湿潤スポンジで擦るなどの方法を組み合わせることができる。現像液の液温度は、通常室温付近から40℃が好ましい。現像時間は、遮光層の組成、現像液のアルカリ性や温度、有機溶剤を添加する場合にはその種類と濃度、等に依るが、通常10秒〜2分程度である。短すぎると非露光部の現像が不充分となると同時に紫外線の吸光度も不充分となることがあり、長すぎると露光部もエッチングされることがある。いずれの場合にも、ブラックマトリクス形状を好適なものとすることが困難となる。この現像工程にて、ブラックマトリクスが顕在化される。
本発明の遮光膜付基板は、基板と、前記基板上に設けられた本発明の表示装置用遮光膜と、を備えることを特徴とする。本発明の遮光膜付基板に用いられる基板及び表示装置用遮光膜の詳細は上述のとおりである。本発明の遮光膜付基板は、カラーフィルタの作製に好適に用いることができる。
カラーフィルタは、2色以上の複数の着色画素からなる画素群と、画素群の各着色画素を離隔するブラックマトリクスとを設けて作製することができる。具体的には、本発明の感光性遮光層をパターン状に露光し、現像してブラックマトリクスを形成する工程と、形成されたブラックマトリクス間の凹部に、2色以上の複数の着色画素を形成する工程(以下、「画素形成工程」ということがある。)とを有してなり、必要に応じて他の工程を設けて構成することができる。
前記画素群は、異なる色を呈する2色の着色画素からなる画素群または3色の着色画素からなる画素群であってもよいし、異なる色を呈する4色以上の着色画素からなる画素群であってもよい。例えば3色で構成される場合、赤(R)、緑(G)及び青(B)の3つの色相が好適に用いられる。赤、緑、青の3種の画素群を配置する場合は、モザイク型、トライアングル型等の配置が好ましく、4種以上の画素群を配置する場合ではどのような配置であってもよい。
本発明のカラーフィルタは、既述のように本発明の感光性組成物を用いて作製された薄膜で高濃度のブラックマトリクスを備えるので、例えば液晶表示装置などを構成した場合に、コントラストの高い画像を表示することができる。
本発明の表示装置は、本発明の遮光膜付基板を備えたことを特徴とする。
本発明の表示装置としては液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置などを言う。表示装置の定義や各表示装置の説明は例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。
本発明の表示装置のうち、液晶表示装置は特に好ましい。液晶表示装置については例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。本発明はこれらのなかで特にカラーTFT方式の液晶表示装置に対して有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。さらに本発明はIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置や、STN、TN、VA、IPS、OCS、FFS、及びR−OCB等にも適用できる。これらの方式については例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページに記載されている。
<銀錫合金部を有する粒子の分散液(分散液A1)の調製>
純水1000mlに、酢酸銀(I)23.1g、酢酸スズ(II)65.1g、グルコン酸54g、ピロリン酸ナトリウム45g、ポリエチレングリコール(分子量3,000)2g、及びPVP−K30(アイエスピー・ジャパン(株)製;ポリビニルピロリドンポリマー)5gを溶解し、溶液1を得た。
別途、純水500mlにヒドロキシアセトン46.1gを溶解して、溶液2を得た。
上記より得た溶液1を25℃に保ちつつ激しく攪拌しながら、これに上記の溶液2を2分間かけて添加し、緩やかに6時間攪拌を継続した。混合液が黒色に変化し、銀錫合金部を有する金属粒子(以下、「銀錫合金部含有粒子」ということがある。)が得られた。次いで、この液を遠心分離して銀錫合金部含有粒子を沈殿させた。遠心分離は、150mlの液量に小分けして、卓上遠心分離機H−103n((株)コクサン製)を用いて回転数2,000r.p.m.で30分間行なった。上澄みを捨てて全液量を150mlとし、これに純水1350mlを加え、15分間攪拌して銀錫合金部含有粒子を再び分散させた。この再分散液を上記と同様にして遠心分離して銀錫合金部含有粒子を沈殿させた。この操作(純水の添加と遠心分離)を2回繰り返して銀錫合金部含有粒子を洗浄した。
再び上記と同様にして遠心分離を行ない、銀錫合金部含有粒子を沈殿させた後、上記と同様に上澄みを捨てて液量を150mlにし、これに純水150ml及びノルマルプロピルアルコール1200mlを加えて更に15分間攪拌し、銀錫合金部含有粒子を再び分散させた。そして再び、遠心分離を行なった。このときの遠心分離の条件は、時間を90分に延ばした以外は上記同様であった。その後、上澄みを捨てて全液量を70mlにし、これにノルマルプロピルアルコール30mlを加えた。これをアイガーミル(アイガーミルM−50型(メディア:直径0.65mmジルコニアビーズ130g、アイガー・ジャパン(株)製)を用いて6時間分散し、銀錫合金部含有粒子(銀錫粒子濃度25質量%、PVP−K30残量1.0質量%)のアルコール系分散液(分散液A1)を調製した。
前記数平均粒子径は、透過型電子顕微鏡JEM−2010(日本電子(株)製、倍率10万倍、加速電圧200kV)により得た写真を用いて以下のようにして算出した。
粒子100個を選び、それぞれの粒子像と同じ面積の円の直径を粒子径とし、100個の粒子の粒子径の平均値を数平均粒子径とした。
下記表1の組成を混合して、BM用感光性塗布液A1を調製した。
<開始系A>
・Irgacure379(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) 21.9部
・メチルエチルケトン 437.3部
・フェノチアジン 0.288部
・下記界面活性剤1 8.1部
・下記構造物1 30部
・メチルエチルケトン 70部
メタクリル酸/エチルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート/ベンジルメタクリレート(=13.8/30.5/12/43.7[モル比])のランダム共重合物(Mn1.3万、Mw3万)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQを500ppm含有、商品名:KAYARAD DPHA、日本化薬(株)製) 76部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ−ト 24部
下記組成を混合して、保護層用塗布液を調製した。
・ポリビニルアルコール 3.0部
(PVA−105、(株)クラレ製)
・カルボキシメチルセルロース 0.15部
(TC−5E、信越化学(株)製)
・界面活性剤2 0.01部
(サーフロンS−131、セイミケミカル(株)製)
・蒸留水 50.7部
・メチルアルコール 45.0部
(1)無アルカリガラス基板を、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。その後、この基板を120℃で3分間熱処理して表面状態を安定化させた。
続いて、基板を冷却して23℃に温調後、基板上に、スリット状ノズルを備えたガラス基板用コーターMH−1600(エフ・エー・エス・アジア社製)を用いて膜厚が1.0μmになるように、上記より得たBM用感光性塗布液A1を塗布し、100℃で5分間乾燥させて感光性組成物層を形成した(塗布工程)。次いで、この感光性組成物層上にスリット状ノズルを用いて、上記より得た保護層用塗布液を乾燥膜厚が1.5μmになるように塗布し、100℃で5分間乾燥させて保護層を形成し、BM用感光材料を作製した。
次に、BMが形成されたガラス基板を、基板予備加熱装置により220℃で60分間加熱した後、240℃で50分間さらに加熱してベーク処理し(ベーク工程)、画素形成領域の開口が86μm×304μmとなるように、線幅24μmのブラックマトリクスを形成した。以下、ブラックマトリクスが形成された上記のガラス基板を「ブラックマトリクス基板」と称する。
−着色感光性樹脂組成物の調製−
下記表2に示す組成よりなる着色感光性樹脂組成物R1、G1及びB1を調製した。
前記ブラックマトリクス(BM)が形成されたガラス基板のBM形成面側に、上記より得た着色感光性樹脂組成物R1を用いて、既述のブラックマトリクスの形成と同様の工程を行なって、熱処理済みのR画素を形成した。
ブラックマトリクス及びR画素が形成されたガラス基板のBM等形成面側に、上記より得た着色感光性樹脂組成物G1を用いて、既述のブラックマトリクスの形成と同様の工程を行なって、熱処理済みのG画素を形成した。
ブラックマトリクス、R画素及びG画素が形成されたガラス基板のBM等形成面側に、上記より得た着色感光性樹脂組成物B1を用いて、既述のブラックマトリクスの形成と同様の工程を行なって、熱処理済みのB画素を形成した。
以上のようにして、カラーフィルタ(以下、カラーフィルタ基板という。)を作製した。
*R顔料分散物1の組成
・C.I.ピグメント・レッド254(商品名:Irgaphor Red B−CF、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) 8.0部
・下記化合物1(分散剤) 0.8部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のランダム共重合物、質量平均分子量:3万) 8部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 83部
・C.I.ピグメント・レッド177(商品名:Cromophtal Red A2B、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) 18部
・ポリマー〔ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のランダム共重合物(質量平均分子量37,000)〕 12部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 70部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート(=38/25/37[モル比])のランダム共重合物、質量平均分子量:4万) 27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73部
*DPHA液、界面活性剤1の組成は前記と同様である。
*G顔料分散物1
商品名:GT−2(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)
*Y顔料分散物1
商品名:CFエローEX3393(御国色素(株)製)
*バインダー1の組成
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=78/22[モル比])のランダム共重合物(質量平均分子量38,000) 27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73部
*B顔料分散物1
商品名:CFブルーEX3357(御国色素(株)製)
*B顔料分散物2
商品名:CFブルーEX3383(御国色素(株)製)
*バインダー3の組成
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート(=36/22/42[モル比])のランダム共重合物(質量平均分子量38,000) 27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73部
上記より得たカラーフィルタ基板のR画素、G画素、及びB画素並びにブラックマトリクスの上に更に、ITO(Indium Tin Oxide)の透明電極をスパッタリングにより形成した。次いで、特開2006−64921号公報の実施例1に従い、前記で形成したITO膜上の隔壁(ブラックマトリックス)上部に相当する部分にスペーサを形成した。
別途、対向基板としてガラス基板を用意し、カラーフィルタ基板の透明電極上及び対向基板上にそれぞれPVAモード用にパターニングを施し、その上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
その後、カラーフィルタの画素群を取り囲むように周囲に設けられたブラックマトリクス外枠に相当する位置に紫外線硬化樹脂のシール剤をディスペンサ方式により塗布し、PVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板をUV照射した後、熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリッツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。次いで、赤色(R)LEDとしてFR1112H(スタンレー電気(株)製のチップ型LED)、緑色(G)LEDとしてDG1112H(スタンレー電気(株)製のチップ型LED)、青色(B)LEDとしてDB1112H(スタンレー電気(株)製のチップ型LED)を用いてサイドライト方式のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置とした。
前記実施例1におけるBM用感光性塗布液A1の代わりに、表1に記載のBM用感光性塗布液A2〜A6を用いた以外は、実施例1と同様の方法でブラックマトリクスを形成し、カラーフィルタ、液晶表示装置を作製した。
前記実施例1において、ブラックマトリクス基板の作製方法を下記の転写法に変更した以外は、同様の方法でカラーフィルタ、液晶表示装置を作製した。
<ブラックマトリクス(BM)基板の作製>
−感光性転写材料の作製−
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体(PET仮支持体)の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させて熱可塑性樹脂層を形成した。次に、この熱可塑性樹脂層上に更に、下記処方P1からなる中間層用塗布液を塗布し、乾燥させて中間層を積層した。続いて、中間層上に実施例1で調製したBM用感光性塗布液A1を塗布し、乾燥させて黒色の感光性組成物層を更に積層した。
・メタノール 11.1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.36部
・メチルエチルケトン 52.4部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 5.83部
(共重合比[モル比]=55/11.7/4.5/28.8、質量平均分子量=9万、Tg≒70℃)
・スチレン/アクリル酸共重合体 13.6部
(共重合比[モル比]=63/37、質量平均分子量=1万、Tg≒100℃)
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製;ビスフェノールAにペンタエチレングリコールモノメタクリレートを2当量脱水縮合した化合物) 9.1部
・前記界面活性剤1 0.54部
・ポリビニルアルコール 3.0部
(PVA−105、(株)クラレ製)
・カルボキシメチルセルロース 0.15部
(TC−5E、信越化学(株)製)
・界面活性剤2
(サーフロンS−131、セイミケミカル(株)) 0.01部
・蒸留水 524部
・メタノール 429部
無アルカリガラス基板(以下、単に「ガラス基板」という。)を、25℃に調温したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液;商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。その後、この基板を基板予備加熱装置により100℃で2分間加熱し、ラミネータに送った。
シランカップリング処理後のガラス基板に、上記より得たBM用感光性転写材料K1から保護フィルムを剥離除去し、除去後に露出した感光性組成物層の表面と前記ガラス基板の表面とが接するように重ね合わせ、ラミネータLamicII型((株)日立インダストリイズ製)を用いて、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分の条件にてラミネートした。
続いて、PET仮支持体を熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、仮支持体を除去した。仮支持体を剥離後、超高圧水銀灯を備えたプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)を用いて、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)とを垂直に立てた状態で、マスク面と感光性組成物層との間の距離を200μmに設定し、露光量30mJ/cm2でパターン露光した。
引き続いて、炭酸Na系現像液(0.38モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、0.47モル/リットルの炭酸ナトリウム、5質量%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、及び安定剤含有;商品名:T−CD1、富士写真フイルム(株)製)を純水で5倍に希釈した液(29℃)を用いて30秒間、コーン型ノズルで圧力0.15MPaにてシャワー現像を行なって感光性組成物層を現像除去し、パターン像を得た。
続いて、洗浄剤(燐酸塩、珪酸塩、ノニオン界面活性剤、消泡剤、及び安定剤含有;商品名:T−SD1、富士写真フイルム(株)製)を純水で10倍に希釈した液(33℃)を用いて20秒間、コーン型ノズルで圧力0.02MPaにてシャワーにして吹きかけ、更にナイロン毛を有す回転ブラシによってパターン像を擦って残渣除去を行ない、ブラックマトリクスを得た。さらにその後、ブラックマトリクスが形成された基板に対し、両面から超高圧水銀灯で500mJ/cm2の露光量でポスト露光後、220℃で15分間熱処理(ベーク)を行ない、ブラックマトリクス基板を作製した。
実施例1におけるBM用感光性塗布液A1の調製において、銀錫合金部含有粒子の分散液A1の代わりに、以下のように調製した銀微粒子分散液B1を用いた以外は、実施例1と同様にして、BM用感光性塗布液B1を調製した。また、実施例1におけるBM用感光性塗布液A1の代わりにBM用感光性塗布液B1を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ブラックマトリクスを形成し、カラーフィルタ、液晶表示装置を作製した。
平均アスペクト比2.2の銀微粒子73.5gと、分散剤(商品名:ソルスパース20000、アビシア(株)製)1.05gと、メチルエチルケトン16.4gと、を混合した。これを、超音波分散機(商品名:Ultrasonic generator model US−6000 ccvp、nissei社製)を用いて分散し、円相当径100nmの銀微粒子の分散液を得た。次いで、得られた銀微粒子の分散液に遠心分離処理(10,000rpm、20分)を行ない、上澄み液を捨て、適宜濃縮を行なった。この操作を3回繰り返して行ない、液相の可溶性物質を除去し、最終銀粒子濃度が25質量%の銀微粒子分散液B1(分散媒メチルエチルケトン)を得た。
実施例5において、熱可塑性樹脂層用塗布液の処方H1を熱可塑性樹脂層用塗布液の処方H2に変更し、乾燥層厚14.6μmの熱可塑性樹脂層を乾燥層厚10μmの熱可塑性樹脂層に変更したBM用感光性転写材料K2を用いた以外は、実施例5と同様の方法でブラックマトリクス基板を作製し、カラーフィルタ、液晶表示装置を作製した。
<熱可塑性樹脂層用塗布液の処方H2>
・メタノール 5.9部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 2.2部
・メチルエチルケトン 35部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート
/メタクリル酸共重合体 16部
(共重合比[モル比]=55/11.7/4.5/28.8、質量平均分子量=9万、Tg≒70℃)
・バインダーB 33部
(スチレン/メタクリル酸メチル/アクリル酸エチル/メタクリル酸共重合体(共重合比[モル比]=5/55/15/25、質量平均分子量=1万、Tg≒92℃) 42部、メチルエチルケトン 50部、メトキシプロパノール 8部)
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製;ビスフェノールAにペンタエチレングリコールモノメタクリレートを2当量脱水縮合した化合物) 7.1部
・前記界面活性剤1 0.46部
実施例1におけるBM用感光性塗布液A1の調製において、銀錫合金部含有粒子の分散液A1の代わりに、以下のように調製したカーボンブラック分散液K1用いて、BM用感光性塗布液K1を調製した。また、実施例1のブラックマトリクスの形成において、BM用感光性塗布液A1の代わりにBM用感光性塗布液K1を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ブラックマトリクスを形成し、カラーフィルタ、液晶表示装置を作製した。
・カーボンブラック(デグッサ社製 Nipex35) 13.1部
・分散剤(上記化合物1) 0.65部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、質量平均分子量3.7万) 6.72部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53部
比較例1におけるBM用感光性塗布液A5の調製において、銀錫合金部含有粒子の分散液A1の代わりに、実施例6で調製した銀微粒子分散液B1を用いて、BM用感光性塗布液B2を調製した。また、実施例1のブラックマトリクスの形成において、BM用感光性塗布液A1の代わりに、BM用感光性塗布液B2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ブラックマトリクスを形成し、カラーフィルタ、液晶表示装置を作製した。
−光学濃度の測定−
実施例及び比較例で形成したブラックマトリクスの光学濃度(OD)については以下のようにして算出した。実施例及び比較例においてブラックマトリクスを形成したBM用感光性塗布液を用い、透明基板上に透過光学濃度が3.0以下になるように薄膜の層を形成し、パターン状に露光しない以外は各実施例及び比較例と同様の工程を経て、透明基板上に薄膜を形成した透過光学濃度測定用のサンプル基板を得た。このサンプル基板の透過光学濃度を、分光光度計(島津製作所製、UV−2100)を用いて555nmで測定した(OD1)。別途透明基板の透過光学濃度を同様な方法で測定した(OD0)。OD1からOD0を差し引いた値をサンプル基板上に形成された薄膜の透過光学濃度とした。
接触式表面粗さ計P−10(ケーエルエー・テンコール(株)製)を用いて、測定用サンプル基板上に形成された薄膜の膜厚を測定した。測定結果の透過光学濃度と膜厚の関係から、実施例及び比較例で作製した膜厚のブラックマトリクスの光学濃度(OD)を算出した。結果を表3に示す。
実施例及び比較例で形成したブラックマトリクスのベーク後の膜厚は、表面粗さ計P−10(TENCOR社製)を用いて測定した。結果を表3に示す。
表面粗さ計P−10(TENCOR社製)を用いて、測定幅5mmで表面形状のプロファイルを算出した。最も低い部分をA,最も高い部分をBとし、高低差(B−A)により平坦性の評価を以下の基準に従って行った。結果を表3に示す。
プロファイル評価
◎:B−A<0.1μm
○:0.1μm≦B−A<0.2μm
△:0.2μm≦B−A<0.5μm
×:0.5μm≦B−A
Claims (12)
- 金属粒子及び金属を有する粒子の少なくとも1種と、沸点が150℃以上300℃以下かつ20℃における水に対する溶解度が無限大である溶剤の少なくとも1種と、樹脂及びその前駆体の少なくとも1種と、を含有する感光性組成物。
- 前記溶剤が、乳酸エチルであることを特徴とする請求項1に記載の感光性組成物。
- 前記金属粒子及び金属を有する粒子の少なくとも1種が、銀錫合金部を有する粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の感光性組成物。
- 前記金属粒子又は金属を有する粒子の数平均粒子径が、0.1μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感光性組成物。
- 仮支持体上に、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の感光性組成物を用いてなる感光性組成物層を有する感光性転写材料。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の感光性組成物を基板上に塗布する工程を少なくとも有する表示装置用遮光膜の形成方法。
- 請求項5に記載の感光性転写材料の感光性組成物層を基板上に転写する工程を少なくとも有する表示装置用遮光膜の形成方法。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の感光性組成物を用いて形成されたことを特徴とする表示装置用遮光膜。
- ブラックマトリクスの形成に用いられることを特徴とする請求項8に記載の表示装置用遮光膜。
- 基板と、前記基板上に設けられた請求項8又は9に記載の表示装置用遮光膜と、を備えた遮光膜付基板。
- カラーフィルタの作製に用いられることを特徴とする請求項10に記載の遮光膜付基板。
- 請求項10又は11に記載の遮光膜付基板を備えた表示装置。
Priority Applications (2)
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