JP2002114917A - 結晶性有機無機ハイブリッド材料およびその製造方法 - Google Patents

結晶性有機無機ハイブリッド材料およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶化した金属酸化物が有する機能である光
触媒性や、導電性、誘電率、屈折率などの特性を、有機
無機ハイブリッド材料に付与する。さらに、優れた光透
過性をも備えた結晶性有機無機ハイブリッド材料を提供
する。 【手段】 結晶性有機無機ハイブリッド材料は、分散サ
イズが100nm以下の結晶性金属酸化物と、有機ポリ
マーとを含んでいる。ハイブリッドゲルを、有機溶媒ま
たは水の蒸気雰囲気下において有機ポリマーの熱分解温
度より低い温度で加熱することにより、前記ハイブリッ
ドゲル中の金属酸化物を結晶化して結晶性金属酸化物を
得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機ポリマーと結晶
性金属酸化物とがナノサイズで均一に分散された結晶性
有機無機ハイブリッド材料およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より一般的に用いられている、金属
酸化物と有機材料とが複合化された、いわゆる有機無機
ハイブリッド材料は、「ゾル−ゲル法による機能性有機
無機ハイブリッド:触媒Vol.37,No.1,48
−53(1995)」等に記載されるように、ゾル−ゲ
ル法により調製されたシリカゾルに有機ポリマーを溶解
し、溶媒を蒸発乾固して薄膜やバルク形状とすることに
より作成される。
【0003】前記溶媒を、熱処理により蒸発乾固して除
去する際の熱処理温度は、有機ポリマーの熱分解を避け
るために、通常、130℃以下の範囲に設定される。こ
こで、ハイブリッド材料中の金属酸化物ゾルは、ゾル−
ゲル法により作成されたものであるので、結晶化が必要
な場合には数百℃以上の熱処理温度が望まれる。例え
ば、酸化チタンでは通常300℃以上、酸化ジルコニウ
ムで600℃以上、酸化アルミニウムで800℃以上、
酸化ケイ素で1000℃以上、酸化亜鉛で200℃以
上、鉛ジルコン酸チタン酸(PZT)で600℃以上の
熱処理をそれぞれ行なうことで、初めて酸化物が結晶化
することが知られている。
【0004】しかしながら、前記のような高温では、ほ
とんどの有機ポリマーが熱分解してしまうため、金属酸
化物と有機ポリマーとが共存した状態である有機無機ハ
イブリッド材料を結晶化することは非常に困難である。
すなわち、従来の有機無機ハイブリッド材料は、非晶質
の金属酸化物あるいは金属酸化物ゲルと有機ポリマーと
が均一に分散されたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の有
機無機ハイブリッド材料は非晶質であるため、金属酸化
物が結晶化することにより初めて発現できる機能を持ち
得ない。例えば、酸化チタンは非晶質では光触媒効果を
持たないが、アナターゼ結晶に結晶化して初めて光触媒
機能を持つことになる。しかるに、従来の酸化チタン−
有機ポリマーのハイブリッド材料は非晶質であるため光
触媒能力を持ち得ないという問題点がある。
【0006】また、透明導電性膜のITO(インジウム
チタニウム酸化物)は、非晶質では電子伝導性(導電
性)を示さないが、結晶化すると導電性を示すことが知
られている。ところが従来のITO−有機ポリマーのハ
イブリッド材料は、結晶性とはなり得ず非晶質であるた
め、導電性を持ち得ない。
【0007】前記のほか、酸化亜鉛や酸化錫を用いた有
機無機ハイブリッド材料についても、それらの導電性は
結晶性に基づくので、ITOのケースと全く同じく導電
性を持つことができない。このように、従来の有機ポリ
マーと金属酸化物とからなる有機無機ハイブリッド材料
はいずれも非晶質であり、結晶化することが非常に困難
で、これらに導電性を付与することができないという問
題点を有している。
【0008】さらには、PZTやBaTiOなどの誘
電体や強誘電体は、これらを応用した物質のほとんどが
大きな誘電率を必要とする。このため、前記誘電体や強
誘電体として、有機ポリマーと非晶質のPZTあるいは
BaTiOとが用いられた場合は、誘電率が小さいた
め実用に耐え得ない。
【0009】一方、前記結晶性は、有機無機ハイブリッ
ド材料の光透過性や、屈折率とも関係する。とりわけ、
結晶性物質を有機ポリマーに分散する場合、その分散サ
イズが光の波長より大きく分布すると、優れた光透過性
を得ることは困難である。このため、一般的に、結晶性
物質を用いた材料は、前記のような種々の機能を得るこ
とができる反面、光透過性が不十分であるという問題点
を有している。
【0010】本発明はこのような問題点を解決するため
に案出されたもので、その目的は、結晶性の金属酸化物
と有機ポリマーとの結晶性ハイブリッド材料を合成し、
前記したような結晶化した金属酸化物ならではの機能で
ある光触媒性や、導電性、誘電率、屈折率などの特性を
有する有機無機ハイブリッド材料を提供することにあ
る。さらに、分散サイズが小さいことにより得られる、
優れた光透過性を備えた結晶性有機無機ハイブリッド材
料を提供することをも目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の結晶性
有機無機ハイブリッド材料は、前記の課題を解決するた
めに、分散サイズが100nm以下である結晶性金属酸
化物と、有機ポリマーとを含むことを特徴としている。
【0012】前記の構成によれば、前記ハイブリッド材
料が、結晶性の金属酸化物を含んでいるので、結晶状態
において初めて発現される諸機能、すなわち、優れた光
触媒性や、導電性、誘電率、屈折率などの特性を備える
ことが可能となる。また、本発明の結晶性有機無機ハイ
ブリッド材料は、前述のように、分散サイズが100n
m以下である。これにより、結晶性有機無機ハイブリッ
ド材料では、分散サイズを上記サイズに抑えることがで
きるので、優れた光透過性をも備えることができる。
【0013】請求項2に記載の結晶性有機無機ハイブリ
ッド材料は、前記の課題を解決するために、前記結晶性
金属酸化物を構成する金属が、Li,Na,Mg,A
l,Si,K,Ca,Sc,Ti,V,Cr,Mn,F
e,Co,Ni,Cu,Zn,Rb,Sr,Y,Nb,
Zr,Mo,Ag,Cd,In,Sn,Sb,Cs,B
a,La,Ta,Hf,W,Ir,Tl,Pb,Biお
よび希土類金属からなる群より選ばれる1種または2種
以上の金属であることを特徴としている。
【0014】前記の構成によれば、前記結晶性金属酸化
物を構成する金属が、前記特定の金属に限定されている
ことで、より優れた結晶化度を有する金属酸化物を得る
ことができる。従って、結晶化により得られる優れた光
触媒性、導電性、誘電率、屈折率などの諸特性を結晶性
有機無機ハイブリッド材料に対し付与することが可能で
ある。
【0015】請求項3に記載の結晶性有機無機ハイブリ
ッド材料は、前記の課題を解決するために、前記有機ポ
リマーが、前記結晶性金属酸化物と水素結合をつくり得
る官能基を有することを特徴としている。
【0016】請求項4に記載の結晶性有機無機ハイブリ
ッド材料は、前記の課題を解決するために、前記官能基
が水酸基、エステル基、チオエステル基、カルボン酸
基、アミド基、ウレタン基、ウレア基、アミノ基、チオ
ール基、スルフォン酸基、エーテル基、チオエーテル基
からなる群より選ばれる1種または2種以上の官能基で
あることを特徴としている。
【0017】前記の構成によれば、前記有機ポリマーが
結晶性金属酸化物を水素結合を作り得る官能基を有する
ことで、結晶性金属酸化物と、有機ポリマーとの間の相
互作用により、分散サイズが100nm以下に抑えられ
る。従って、優れた前記諸特性を有する結晶性有機無機
ハイブリッド材料を得ることができる。
【0018】請求項5に記載の結晶性有機無機ハイブリ
ッド材料は、前記の課題を解決するために、前記有機ポ
リマーがセルロース、ポリエチレングリコール、ポリジ
メチルシロキサン、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン、およびこれらの誘導体からなる群より選ば
れる1種または2種以上のポリマーであることを特徴と
している。
【0019】前記の構成によれば、有機ポリマーが前記
特定の種類に限定されていることで、金属酸化物が、よ
り優れた分散性を得ることができる。従って、より優れ
た光触媒性、導電性、誘電率、屈折率などの諸特性を結
晶性有機無機ハイブリッド材料に対し付与することが可
能である。
【0020】請求項6に記載の結晶性有機無機ハイブリ
ッド材料は、前記の課題を解決するために、光透過率が
50%以上であることを特徴とする請求項1ないし5の
いずれか1項に記載の結晶性有機無機ハイブリッドとし
ている。
【0021】前記の構成によれば、前記光透過率が50
%であることで、従来の結晶性材料では得られない光透
過性を備えた結晶性有機無機ハイブリッド材料を提供す
ることができる。
【0022】請求項7に記載の結晶性有機無機ハイブリ
ッド材料は、前記の課題を解決するために前記結晶性金
属酸化物が酸化チタンであることを特徴している。
【0023】前記の構成によれば、金属酸化物が前記特
定の種類に限定されていることで、より優れた分散性を
有する金属酸化物を得ることができる。従って、より優
れた光触媒性、導電性、誘電率、屈折率などの諸特性を
結晶性有機無機ハイブリッド材料に対し付与することが
可能である。
【0024】請求項8に記載の結晶性有機無機ハイブリ
ッド材料は、前記の課題を解決するために、有機ポリマ
ーと結晶性金属酸化物とを含む結晶性有機無機ハイブリ
ッド材料であって、金属アルコキシドまたは金属塩を加
水分解して得られた金属酸化物を、前記有機ポリマーの
存在下または非存在下において、有機溶媒または水の蒸
気雰囲気下で、かつ、前記有機ポリマーの熱分解温度よ
り低い温度で加熱することにより、前記金属酸化物を結
晶化して結晶性金属酸化物とすることにより製造される
ことを特徴としている。
【0025】請求項9に記載の結晶性有機無機ハイブリ
ッド材料は、前記の課題を解決するために、請求項8に
記載の構成に加えて、前記金属酸化物が、湿度50%以
上の環境下で、かつ、200℃以下の温度範囲内で加熱
することにより結晶化されることを特徴としている。
【0026】前記の構成によれば、前記金属酸化物を、
有機溶媒または水の蒸気雰囲気下において前記有機ポリ
マーの熱分解温度より低い温度で加熱するので、金属酸
化物の結晶化過程において有機ポリマーが存在する場合
であっても、有機ポリマーが熱分解することがない。ま
た、前記湿度条件での加熱によれば、本来結晶化に必要
とされる高温条件を用いることなく金属酸化物を結晶化
することができるので、結晶性の金属酸化物と有機ポリ
マーとが共存した状態である、有機無機ハイブリッド材
料を容易に得ることができる。従って、結晶化した金属
酸化物が有する機能である光触媒性や、導電性、誘電
率、屈折率などの特性を、有機無機ハイブリッド材料に
付与することができる。また、分散サイズが小さいこと
により得られる優れた光透過性を有機無機ハイブリッド
材料に付与することが可能である。
【0027】請求項10に記載の結晶性有機無機ハイブ
リッド材料の製造方法は、前記の課題を解決するため
に、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の結晶性有
機無機ハイブリッド材料の製造方法であって、金属アル
コキシドまたは金属塩を加水分解して金属酸化物を生成
させる工程と、有機ポリマーと前記金属酸化物とのハイ
ブリッドゾルを調製する工程と、前記ハイブリッドゾル
中の溶媒を除去してハイブリッドゲルとする工程と、前
記金属酸化物を結晶化する工程とを含み、前記金属酸化
物を結晶化する工程において、有機溶媒または水の蒸気
雰囲気下で、かつ、前記有機ポリマーの熱分解温度より
低い温度で前記ハイブリッドゲルを加熱することにより
前記金属酸化物を結晶化させることを特徴としている。
【0028】請求項11の結晶性有機無機ハイブリッド
材料の製造方法は、前記の課題を解決するために、前記
ハイブリッドゲルを、湿度50%以上の環境下で、か
つ、200℃以下の温度範囲内で加熱することを特徴と
している。
【0029】請求項12の結晶性有機無機ハイブリッド
材料は、前記の課題を解決するために、有機ポリマーを
共存させて、金属アルコキシドまたは金属塩を溶液中で
加水分解して金属酸化物を生成させ、次いで、該溶液中
の溶媒を除去し、ハイブリッドゲルとする工程と、前記
ハイブリッドゲルを加熱することにより、前記工程で生
成した金属酸化物を結晶化する工程とを含むことを特徴
としている。
【0030】請求項13に記載の結晶性有機無機ハイブ
リッド材料の製造方法は、前記の課題を解決するため
に、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の結晶性有
機無機ハイブリッド材料の製造方法であって、金属アル
コキシドまたは金属塩を第一の溶液中で加水分解して金
属酸化物を生成させる工程と、該第一の溶液を加熱する
ことにより金属酸化物を結晶化する工程と、有機ポリマ
ーを含む第二の溶液を前記第一の溶液と混合する工程
と、前記混合された第一および第二の溶液中の溶媒を除
去する工程とを含むことを特徴としている。
【0031】前記の構成によれば、前記金属酸化物を、
有機溶媒または水の蒸気雰囲気下において前記有機ポリ
マーの熱分解温度より低い温度で加熱することにより、
有機ポリマーが熱分解することがない。また、前記条件
での加熱によれば、本来結晶化に必要とされる高温条件
を用いることなく金属酸化物を結晶化することができる
ので、結晶性の金属酸化物と有機ポリマーとが共存した
状態である、有機無機ハイブリッド材料を容易に得るこ
とができる。
【0032】従って、結晶状態において初めて発現され
る諸機能、すなわち、優れた光触媒性や、導電性、誘電
率、屈折率などの特性を備えることが可能となる。ま
た、上記方法によれば、比較的温和な条件で加熱処理が
行われることで、結晶粒子が光の波長程度に大きくなり
すぎることがない。これにより、優れた光透過性をも備
えることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態について、以
下に説明する。
【0034】本発明において、上記結晶性金属酸化物を
構成する金属としては、たとえば、Li,Na,Mg,
Al,Si,K,Ca,Sc,Ti,V,Cr,Mn,
Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Rb,Sr,Y,N
b,Zr,Mo,Ag,Cd,In,Sn,Sb,C
s,Ba,La,Ta,Hf,W,Ir,Tl,Pb,
Bi,希土類金属等が挙げられる。上記例示の金属は、
それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。上記例示の金属のうち、Tiを用いる
ことが特に好ましい。
【0035】本発明に係る金属アルコキシドには、上記
金属および上記例示の炭素数を有するアルコキシル基の
すべての組み合わせが含まれるが、それら金属アルコキ
シドのうち、特に好適には、チタンアルコキシドが用い
られる。中でも、チタンテトライソプロポキシドまたは
チタンテトラブトキシドを用いることができる。
【0036】上記官能基としては、たとえば、水酸基、
エステル基、チオエステル基、カルボン酸基、アミド
基、ウレタン基、ウレア基、アミノ基、チオール基、ス
ルフォン酸基、エーテル基、チオエーテル基;等が挙げ
られる。上記例示の官能基は、1種のみが含まれていて
もよく、また、複数種が含まれていてもよい。
【0037】本発明に係る有機ポリマーは、上述のよう
に結晶性有機無機ハイブリッド材料において、均一分散
している。本発明の有機ポリマーとしては、たとえば、
ハイドロキシプロピルセルロース(HPC)等のセルロ
ース類;ポリエチレングリコール(PEG);および、
ポリジメチルシロキサン(ハイドロキシ末端)(PDM
S);ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン;
およびこれら例示の化合物の各種誘導体;などが使われ
る。上記有機ポリマーは、1種のみを用いてもよく、ま
た、2種以上を混合して用いてもよい。
【0038】また、上記例示の有機ポリマーに代表され
るように、本発明に係る有機ポリマーは、前記結晶性金
属酸化物と水素結合し得る官能基をその分子中に有して
いることが好ましい。
【0039】有機ポリマーの添加量は酸化チタン等の金
属酸化物に対して、たとえば、0.01〜90重量%の
範囲内とすることができる。
【0040】本発明において、加水分解時の溶液中の水
分量はたとえば、金属アルコキシドとしてチタンアルコ
キシドを用いた場合は,チタンアルコキシド1モルに対
して0.5〜10モルであり好ましくは1〜4モルであ
る。
【0041】また、上記加水分解の工程においては、必
要に応じて、酸触媒および/または、塩基触媒を用いる
ようにしてもよい。該触媒としては、硝酸、塩酸、酢
酸、アンモニアなどが挙げられる。触媒の添加量はチタ
ンアルコキシドを用いる場合であれば、チタンアルコキ
シド1モルに対して0.01〜5モルであり、好ましく
は0.1〜1モルである。
【0042】また、本発明の結晶性有機無機ハイブリッ
ド材料を製造するに当たって用いられる溶液中に含まれ
る有機溶媒としては、たとえば、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;酢酸
エチル等の有機酸エステル;アセトニトリル;アセトン
やメチルエチルケトン等のケトン類;テトロヒドラフラ
ン(THF)やジオキサン等のシクロエーテル;ホルム
アミド(FA)、N,N−ジメチルホルムアミド(DM
F)等の酸アミド;トルエン等の芳香族炭化水素;等が
使用される。
【0043】本発明の結晶性有機無機ハイブリッド材料
は、たとえば、以下に示す手順により製造することがで
きる。まず、有機ポリマー溶液を共存させた状態で、出
発物質として金属アルコキシドまたは金属塩を加水分解
して金属酸化物を得ることにより、ハイブリッドゾルを
調製する。すなわち、本発明において、ハイブリッドゾ
ルとは、前記有機ポリマーと前記金属酸化物とが均一に
分散された有機無機ハイブリッドゾルをいう。次いで、
前記有機無機ハイブリッドゾルを、室温で所定時間静置
することにより、有機無機ハイブリッドゲルが得られ
る。上記静置時間は、1〜48時間が好ましく、18〜
36時間がより好ましい。
【0044】次に、前記ハイブリッドゲルを、有機溶媒
または水の蒸気雰囲気下において前記有機ポリマーの熱
分解温度より低い温度で加熱することにより、前記ハイ
ブリッドゲル中の金属酸化物を結晶化して結晶性金属酸
化物を得る。これにより、ハイブリッドゲル中の無機成
分である金属酸化物が結晶状態となった、結晶性有機無
機ハイブリッド材料を得ることができる。
【0045】前記の手順により得られた結晶性有機無機
ハイブリッド材料は、上記のように結晶性の金属酸化物
を含んでいるので、結晶状態において初めて発現される
諸機能、すなわち、優れた光触媒性や、導電性、誘電
率、屈折率などの特性を備えることができる。
【0046】また、前記結晶性金属酸化物は、分散サイ
ズが100nm以下の範囲内であるので、優れた光透過
性をも備えることができる。なお、本発明の結晶性有機
無機ハイブリッド材料の製造方法の詳細な内容について
は、さらに後述する。本発明に係る結晶性有機無機ハイ
ブリッド材料、たとえば結晶化酸化チタンハイブリッド
は、前記ハイブリッドゲルを以下のような高湿度条件下
において、ポリマーが分解しない温度で加熱して得られ
る。前記湿度条件としては、たとえば、50〜90%の
範囲内が好ましく、より好ましくは50〜70%であ
る。加熱処理温度は60〜200℃の範囲内が好まし
く、90〜150℃の範囲内がより好ましい。
【0047】本発明の結晶性有機無機ハイブリッド材料
は、上記のような比較的温和な条件でハイブリッドゲル
を加熱処理することにより、共存する有機ポリマーの熱
分解を招来することなく、かつ、分散サイズが100n
m以下の範囲内となる結晶化金属酸化物を得ることによ
り、製造することができる。すなわち、上記の方法によ
り、従来非晶質の状態でのみ得られていたハイブリッド
材料を結晶状態で得ることができる。
【0048】本発明の結晶性有機無機ハイブリッド材料
の製造方法としては、上記金属酸化物の結晶化過程にお
いて、有機ポリマーの熱分解を招来しない範囲の比較的
温和な条件で加熱処理を行うか、あるいは、該結晶化過
程において、有機ポリマーを共存させないようにする方
法を用いることができる。
【0049】そのような製造方法としては、具体的には
以下のような方法が挙げられる。 (1)金属アルコキシドまたは金属塩を加水分解して金
属酸化物を生成させる工程と、有機ポリマーと前記金属
酸化物とのハイブリッドゾルを調製する工程と、前記ハ
イブリッドゾル中の溶媒を除去してハイブリッドゲルと
する工程と、前記金属酸化物を結晶化する工程とを含
み、前記金属酸化物を結晶化する工程において、有機溶
媒または水の蒸気雰囲気下で、かつ、前記有機ポリマー
の熱分解温度より低い温度で前記ハイブリッドゲルを加
熱することにより、前記金属酸化物を結晶化させる方
法; (2)上記(1)において、有機ポリマーを共存させ
て、金属アルコキシドまたは金属塩を溶液中で加水分解
して金属酸化物を生成させ、次いで、該溶液中の溶媒を
除去し、ハイブリッドゲルとし、前記ハイブリッドゲル
を加熱することにより、生成した金属酸化物を結晶化さ
せる方法; (3)金属アルコキシドまたは金属塩を第一の溶液中で
加水分解して、金属酸化物を生成させる工程と、該第一
の溶液を加熱することにより、金属酸化物を結晶化し、
有機ポリマーを含む、第二の溶液を前記第一の溶液と混
合して、前記混合された第一および第二の溶液中の溶媒
を除去する方法;
【0050】上記方法(1)において、「有機溶媒また
は水の蒸気雰囲気下で、かつ、前記有機ポリマーの熱分
解温度より低い温度で前記金属酸化物を加熱する」具体
的な条件としては、たとえば、金属アルコキシドとして
チタンアルコキシドを用いる場合には、前記ハイブリッ
ドゲルを、湿度50%以上の環境下で、かつ、200℃
以下の温度範囲内で加熱する方法等が挙げられる。
【0051】上記例示の有機ポリマーを用いた場合の、
さらに具体的な結晶化条件としては、上述した温度およ
び湿度条件下で、たとえば、ハイブリッドゲルを底の深
い瓶等に充填して熱処理する方法等が挙げられる。な
お、本発明の結晶性有機無機ハイブリッド材料は、たと
えば、薄膜、厚膜、粒子状、または、バルク形状に成型
して用いることができる。
【0052】本発明の結晶性有機無機ハイブリッド材料
は、以上のように、分散サイズが100nm以下の結晶
性金属酸化物と、有機ポリマーとを含んでいる。また、
本発明の結晶性有機無機ハイブリッド材料は、以上のよ
うに、たとえば、金属アルコキシドまたは金属塩を有機
ポリマーの存在下に加水分解後、有機溶媒を除去してハ
イブリッドゲルを調製し、前記ハイブリッドゲルを、有
機溶媒または水の蒸気雰囲気下において前記有機ポリマ
ーの熱分解温度より低い温度で加熱することにより、前
記ハイブリッドゲル中の金属酸化物を結晶化して結晶性
金属酸化物を得ることにより製造することができる。
【0053】これにより、前記ハイブリッド材料が、結
晶性の金属酸化物を含んでいるので、結晶状態において
初めて発現される諸機能、すなわち、優れた光触媒性
や、導電性、誘電率、屈折率などの特性を、有機無機ハ
イブリッド材料に付与することが可能となる。また、前
記結晶性金属酸化物は、分散サイズが100nm以下の
範囲内であるので、優れた光透過性を備えることができ
る。本発明の結晶性有機無機ハイブリッド材料は、上記
の構成を有することにより、50%以上の光透過率を具
備することができる。
【0054】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例を、実験結果
を示して説明する。
【0055】〔実施例1〕本発明に係る金属アルコキシ
ドとして、チタンテトライソプロポキシド((TiOC
、試薬特級、ナカライテスク社製)を用い
たほか、有機溶媒としてのテトラハイドロフラン(TH
F、ナカライテスク社製)、加水分解時における触媒と
しての硝酸水溶液(HNO、0.1N、試薬特級、ナ
カライテスク社製)および、本発明の有機ポリマーとし
てのポリジメチルシロキサン(ハイドロキシ末端)(P
DMS、信越化学社製)を用いた。加水分解に必要な水
分としては、硝酸水溶液中の水分を用いた。まず、TH
Fにチタンテトライソプロポキシドを添加した。次に、
上記純水、硝酸、およびPDMSのTHF溶液を混合し
て加水分解用酸性触媒溶液を調製した。次いで、チタン
テトライソプロポキシドのTHF溶液中に、上記加水分
解用酸性触媒溶液を、スポイトを用いて撹拌しながらゆ
っくりと滴下して混合した。さらに、滴下後1時間、該
混合液を撹拌した。
【0056】上記各溶液の混合割合は、各物質が以下の
割合となるようにした。まず、チタンテトライソプロポ
キシド1モルに対し、水の添加量(硝酸中に含まれる
水)が1モル、硝酸の添加量が0.1モルになるように
調製した。また、PDMSの添加量は、加水分解後の生
成物である酸化チタンに対して9.09重量%となるよ
うにした。その他、上記混合液は、混合後の固形分濃度
が最終的に5重量%程度になるように適宜調製した。
【0057】前記したような方法で得られた反応液(前
駆体溶液)は透明な溶液であった。従って、分散サイズ
は、100nm以下であることが確認された。前記前駆
体溶液を室温にて18時間以上静置し、本発明に係るハ
イブリッドゲルを得た.底の深い容器に該ハイブリッド
ゲルの破片を詰め、湿度60%で、容器ごと100℃で
1時間加熱した。このハイブリッドゲル破片を、めのう
乳鉢で粉砕しハイブリッドゲル粉末とした後、XRDの
測定を行った。
【0058】図1(a)〜(c)はハイブリッドゲル粉
末のXRDパターンである。同図において、縦軸は、強
度(Intensity(a.u.))を、横軸は、入
射角度(2θ°)を示す。図中、右縦軸には、それぞれ
に用いられた有機ポリマーの種類および量を記す。図1
(a)は、上記〔実施例1〕において調製されたハイブ
リッドゲル粉末のXRDパターンである。同図Aに示さ
れるように、アナターゼの回折ピークが観察できる。こ
れにより、有機無機ハイブリッドの無機成分である金属
酸化物としての酸化チタンが結晶化されたことが確認さ
れた。
【0059】前記したような製法によって得られたPD
MSを含む結晶化ハイブリドゲルを10倍の蒸留水を用
いて再分散させ、あらかじめ洗浄しておいたガラス基板
の上に再分散溶液を用いてスピンコート(500rpm
−10s→1000rpm−40s)でコーティングを
施した。得られた膜を100℃、1時間加熱した。前記
製膜は3回繰り返した。得られた膜は、透明であった。
【0060】前記したような製法によって得られた膜の
上に油分の膜(油膜)を塗布し水滴の接触角を測定し
た。油分の膜はサラダ油をヘキサンで希釈したものをス
ピンコート(3000rpm−40s)することで塗布
した。その後,試料に対し紫外線照射を行った。紫外線
照射には6W(ワット)のブラックライトを用いた。接
触角の照射時間に対する変化を測定した。
【0061】親水性の酸化チタンを含むハイブリッド膜
上の油膜に水滴を乗せると,60〜70°の接触角を示
す。そこへ紫外線照射を施し、油膜がアナターゼの光触
媒により分解するに従い、接触角は低くなっていた。1
40分間の照射後、すべてのサンプルで油膜が完全に分
解されたことにより光触媒効果が確認できた。
【0062】〔実施例2〕有機溶媒として、2−プロパ
ノール(COH、試薬特級、ナカライテスク社
製)を用い、その中にチタンテトライソプロポキシドを
添加した。有機ポリマーとして、ハイドロキシプロピル
セルロース(HPC、SL、日本曹達社製)を用い、硝
酸とHPCの2−プロパノール溶液とを混合して、加水
分解用酸性触媒溶液を調製した以外は、実施例1と同様
の操作を行いハイブリッドゲル粉末を作製した。図1
(b)は〔実施例2〕で得られたハイブリッドゲル粉末
のXRDパターンである。アナターゼの回折ピークが観
察できる。有機無機ハイブリッドの無機成分である酸化
チタンが結晶化されたことが確認された。
【0063】〔実施例3〕有機溶媒として、2−プロパ
ノール(COH、試薬特級、ナカライテスク社
製)を用い、その中にチタンテトライソプロポキシドを
添加した。有機ポリマーとして、ポリエチレングリコー
ル(PEG、ナカライテスク社製)を用い、純水と硝酸
とPEGの2−プロパノール溶液とを混合して、加水分
解用酸性触媒溶液を調製した以外は、実施例1と同様の
操作を行いハイブリッドゲル粉末を作製した。
【0064】図1(c)は〔実施例3〕で得られたハイ
ブリッドゲル粉末のXRDパターンである。アナターゼ
の回折ピークが観察できる。有機無機ハイブリッドの無
機成分である酸化チタンが結晶化されたことが確認され
た。
【0065】
【発明の効果】以上のように、本発明の結晶性有機無機
ハイブリッド材料は、分散サイズが100nm以下の結
晶性金属酸化物と、有機ポリマーとを含む構成である。
また、本発明の結晶性有機無機ハイブリッド材料は、金
属アルコキシドまたは金属塩を加水分解して得られた金
属酸化物を、前記有機ポリマーの存在下または非存在下
において、有機溶媒または水の蒸気雰囲気下で、かつ、
前記有機ポリマーの熱分解温度より低い温度で加熱する
ことにより、前記金属酸化物を結晶化して結晶性金属酸
化物とすることにより製造することができる。それゆ
え、前記ハイブリッド材料が、結晶性の金属酸化物を含
んでいるので、結晶状態において初めて発現される諸機
能、すなわち、優れた光触媒性や、導電性、誘電率、屈
折率などの特性を備えることが可能となる。また、本発
明の結晶性有機無機ハイブリッド材料は、前述のよう
に、分散サイズが100nm以下であるので、優れた光
透過性をも備えることができるという効果を奏する。
【0066】また、金属酸化物を、有機溶媒または水の
蒸気雰囲気下において前記有機ポリマーの熱分解温度よ
り低い温度で加熱することにより、有機ポリマーを共存
させた状態で結晶化を行っても有機ポリマーが熱分解す
ることがない。さらには、前記湿度条件での加熱によれ
ば、本来結晶化に必要とされる高温条件を用いることな
く金属酸化物を結晶化することができるので、金属酸化
物を容易に結晶化させることができるので、結晶性有機
無機ハイブリッド材料を容易に得ることができるという
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は、本発明の一実施の形態に係
るハイブリッドゲル粉末のX線回折パターンを示したグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AA001 AA031 AB011 BE021 BJ001 CH021 CP031 DE046 DE056 DE066 DE076 DE086 DE096 DE106 DE116 DE126 DE136 DE146 DE156

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分散サイズが100nm以下である結晶
    性金属酸化物と、有機ポリマーとを含むことを特徴とす
    る結晶性有機無機ハイブリッド材料。
  2. 【請求項2】 前記結晶性金属酸化物を構成する金属
    が、Li,Na,Mg,Al,Si,K,Ca,Sc,
    Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Z
    n,Rb,Sr,Y,Nb,Zr,Mo,Ag,Cd,
    In,Sn,Sb,Cs,Ba,La,Ta,Hf,
    W,Ir,Tl,Pb,Biおよび希土類金属からなる
    群より選ばれる1種または2種以上の金属であることを
    特徴とする請求項1記載の結晶性有機無機ハイブリッド
    材料。
  3. 【請求項3】 前記有機ポリマーが、前記結晶性金属酸
    化物と水素結合をつくり得る官能基を有することを特徴
    とする請求項1または2に記載の結晶性有機無機ハイブ
    リッド材料。
  4. 【請求項4】 前記官能基が水酸基、エステル基、チオ
    エステル基、カルボン酸基、アミド基、ウレタン基、ウ
    レア基、アミノ基、チオール基、スルフォン酸基、エー
    テル基、チオエーテル基からなる群より選ばれる1種ま
    たは2種以上の官能基であることを特徴とする請求項3
    記載の結晶性有機無機ハイブリッド材料。
  5. 【請求項5】 前記有機ポリマーがセルロース、ポリエ
    チレングリコール、ポリジメチルシロキサン、ポリビニ
    ルアルコール、ポリビニルピロリドン、およびこれらの
    誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上のポ
    リマーであることを特徴とする請求項1ないし4のいず
    れか1項に記載の結晶性有機無機ハイブリッド材料。
  6. 【請求項6】 光透過率が50%以上であることを特徴
    とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の結晶性
    有機無機ハイブリッド材料。
  7. 【請求項7】 前記結晶性金属酸化物が酸化チタンであ
    ることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に
    記載の結晶性有機無機ハイブリッド材料。
  8. 【請求項8】 有機ポリマーと結晶性金属酸化物とを含
    む結晶性有機無機ハイブリッド材料であって、金属アル
    コキシドまたは金属塩を加水分解して得られた金属酸化
    物を、前記有機ポリマーの存在下または非存在下におい
    て、有機溶媒または水の蒸気雰囲気下で、かつ、前記有
    機ポリマーの熱分解温度より低い温度で加熱することに
    より、前記金属酸化物を結晶化して結晶性金属酸化物と
    することにより製造される請求項1ないし7のいずれか
    1項に記載の結晶性有機無機ハイブリッド材料。
  9. 【請求項9】 前記金属酸化物が、湿度50%以上の環
    境下で、かつ、200℃以下の温度範囲内で加熱するこ
    とにより結晶化されることを特徴とする請求項8記載の
    結晶性有機無機ハイブリッド材料。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれか1項に記
    載の結晶性有機無機ハイブリッド材料の製造方法であっ
    て、金属アルコキシドまたは金属塩を加水分解して金属
    酸化物を生成させる工程と、有機ポリマーと前記金属酸
    化物とのハイブリッドゾルを調製する工程と、前記ハイ
    ブリッドゾル中の溶媒を除去してハイブリッドゲルとす
    る工程と、前記金属酸化物を結晶化する工程とを含み、
    前記金属酸化物を結晶化する工程において、有機溶媒ま
    たは水の蒸気雰囲気下で、かつ、前記有機ポリマーの熱
    分解温度より低い温度で前記ハイブリッドゲルを加熱す
    ることにより、前記金属酸化物を結晶化させることを特
    徴とする結晶性有機無機ハイブリッド材料の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記ハイブリッドゲルを、湿度50%
    以上の環境下で、かつ、200℃以下の温度範囲内で加
    熱することを特徴とする請求項10に記載の結晶性有機
    無機ハイブリッド材料の製造方法。
  12. 【請求項12】 有機ポリマーを共存させて、金属アル
    コキシドまたは金属塩を溶液中で加水分解して金属酸化
    物を生成させ、次いで、該溶液中の溶媒を除去し、ハイ
    ブリッドゲルとする工程と、前記ハイブリッドゲルを加
    熱することにより、前記工程で生成した金属酸化物を結
    晶化する工程とを含むことを特徴とする請求項10また
    は11に記載の結晶性有機無機ハイブリッド材料の製造
    方法。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし9のいずれか1項に記
    載の結晶性有機無機ハイブリッド材料の製造方法であっ
    て、金属アルコキシドまたは金属塩を第一の溶液中で加
    水分解して金属酸化物を生成させる工程と、該第一の溶
    液を加熱することにより金属酸化物を結晶化する工程
    と、有機ポリマーを含む第二の溶液を前記第一の溶液と
    混合する工程と、前記混合された第一および第二の溶液
    中の溶媒を除去する工程とを含むことを特徴とする結晶
    性有機無機ハイブリッド材料の製造方法。
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