JP2003253157A - 貯蔵安定性に優れたチタニア及びチタニア系複合酸化物塗布溶液 - Google Patents
貯蔵安定性に優れたチタニア及びチタニア系複合酸化物塗布溶液Info
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Abstract
温で膜形成でき、光触媒、殺菌材、抗菌材等として有用
な貯蔵安定性に優れたチタニア及びチタニア系複合酸化
物塗布溶液を得る。 【解決手段】 加水分解性を有するチタニウム化合物を
ジケトン化合物で修飾して貯蔵安定性を改善し、かつ金
属酸化物を含むゲル体を100℃以下の温度で水分と反
応させて形成した膜の光触媒活性を損なわないようにし
たチタニア及びチタニア系複合酸化物塗布溶液を調製す
る。
Description
たチタニア及びチタニア系複合酸化物塗布溶液に関する
ものである。さらに詳しくは、本発明は、光触媒、殺菌
材、抗菌材等として有用で、しかも種々の形状のものと
して、100℃以下の低温で膜形成できる貯蔵安定性に
優れたチタニア及びチタニア系複合酸化物塗布溶液に関
するものである。
タニア、特にアナターゼ型チタニアは、光分解触媒、光
電池の電極材料等として知られているものであって、近
年では、光反応作用による殺菌材、抗菌材としても有用
であることが注目されている。これらチタニアの光触媒
活性を長期間安定して発揮するには、各種基材上に結着
剤を用いることなく固定化する必要があり、固定化方法
が種々提案されている。
タノール溶液に希塩酸を加え、ディップコーティングに
より透明導電性酸化スズ膜をコートしたガラス基板上に
チタニア(TiO2 )膜を形成し、さらに500℃で熱
処理を行うことによってアナターゼ微結晶が析出した薄
膜が作製できることと、得られた薄膜が光電気化学膜と
して作用することが報告されている(T.Yoko, K.Kamiya
and S.Sakka, 窯業協会誌、95(1987)15
0.)。
ビスアセチルアセトナートチタニウムジイソプロポキシ
ドあるいはビスアセト酢酸エチルチタニウムジイソプロ
ポキシドとケイ酸を用いてTiO2 −SiO2 系複合酸
化物が作製されることと、アナターゼ相を析出させるた
めには94mol%TiO2 を含む場合には500℃以
上、89〜67mol%TiO2 を含む場合には750
℃以上の高温での熱処理が必要であること、さらに50
mol%TiO2 を含む場合には1000℃以上で熱処
理を行っても非晶質であることが報告されている(Y.Ab
e, N.Sugimoto,Y.Nagano, and T.Misono, J.Non-Crys
t.,104(1988)164.)。
ためには、TiO2 単成分でも450℃以上の高温熱処
理を必要とし、さらにTiO2 −SiO2 系等の複合酸
化物の系においてはさらに高い熱処理や煩雑な操作が必
要であった。従って、例えば有機高分子基板などの耐熱
性の低い基板や高温や減圧および高圧に弱い生体組織に
アナターゼ型チタニア及びアナターゼ型チタニアを含む
複合酸化物を膜形成することは基本的に不可能であっ
た。
解性を有するチタニウム化合物等を出発原料に、一部を
加水分解させた溶液を基材に塗布し金属酸化物を含むゲ
ル体を形成し、その後このゲル体を100℃以下の温度
で水分と反応させることを特徴とするアナターゼ型チタ
ニア及びアナターゼ型チタニアを含む複合酸化物の膜形
成方法が報告されている(A.Matsuda, Y.Kotani, T.Kog
ure, M.Tatsumisagoand T.Minami, J.Am.Ceram.Soc.,
83(2000)229.)。
液は20℃以上の温度における貯蔵安定性の面に関して
不十分で、汎用品として実用に供するには困難な面があ
った。すなわち、塗布溶液の安定性が悪いため、塗布溶
液作製後直ちに膜を形成するか、塗布溶液作製後5℃以
下の温度で低温保存する必要があった。従って、製造設
備面ないし流通面からみれば、塗布溶液作製後直ちに膜
形成するための設備を塗布溶液製造設備に隣接して設置
するか、塗布溶液作製後の低温保存設備・低温制御可能
な輸送方法の採用・低温制御可能な受け入れ設備を設置
する必要があり、製造面・コスト面の両面で制約を受け
るものであった。
タノール等の溶媒で希釈することにより20℃以上の温
度における貯蔵安定性を向上させることができるもの
の、希釈しない塗布溶液に比べて、その希釈塗布溶液か
らクラックや剥離を生じることなく得られる薄膜の厚み
が薄くなり、希釈しない塗布溶液から得られる薄膜と同
等の光触媒活性が得られないという欠点があった。
上の従来技術の問題点を解消し、より温和な条件の低い
温度で、しかも常圧においてアナターゼ型チタニア及び
アナターゼ型チタニアを含む複合酸化物の膜を形成で
き、なおかつ20℃以上の温度での貯蔵安定性に優れた
塗布溶液を提供することを課題としている。
解決するものとして、加水分解性を有するチタニウム化
合物をジケトン化合物で修飾して貯蔵安定性を改善し、
かつ金属酸化物を含むゲル体を100℃以下の温度で水
分と反応させて形成した膜の光触媒活性を損なわないこ
とを特徴とするチタニア及びチタニア系複合酸化物塗布
溶液を提供する。
物塗布溶液は、塗布溶液の20℃以上の温度における貯
蔵安定性が著しく改良されることにより、塗布溶液作製
後直ちに膜を形成したり、塗布溶液作製後5℃以下の温
度で低温保存するなどの制約なく透明なアナターゼ型チ
タニア及びアナターゼ型チタニア含有複合酸化物薄膜を
種々基板上に低温プロセスで形成することが可能となる
ため、その応用分野が極めて広く有望である。
もつものであるが、以下に詳しくその実施の形態につい
て説明する。まず再度、本発明の基本について説明する
と、本発明のチタニア及びチタニア系複合酸化物塗布溶
液は、加水分解性を有するチタニウム化合物をジケトン
化合物で修飾して貯蔵安定性を改善し、かつ金属酸化物
を含むゲル体を100℃以下の温度で水分と反応させて
形成した膜の光触媒活性を損なわないことを可能とする
ものである。
ウム化合物としては各種のものであってよく、たとえ
ば、テトライソプロポキシチタン(Ti(OCH(CH
3 )2)4 )、テトラノルマルブトキシチタン(Ti
(OCH2 CH2 CH2 CH)4)、テトラキス(2−
エチルヘキシルオキシ)チタン(Ti(OCH2 CH
(C 2 H5 )C4 H9 )4 )、テトラステアリルオキシ
チタン(Ti(OCl8H37) 4 )、ジイソプロポキシビ
スアセチルアセトナートチタン(Ti(OCH(C
H 3 )2 )2 (OC(CH3 )CHCOCH3 )2 )、
ジイソプロポキシビスアセテート酢酸エチルチタン(T
i(OCH(CH3 )2 )2 )(OC(OC2 H5)C
HCOCH3 )2 )、四塩化チタン(TiCl4 )など
の金属アルコキシド、有機酸金属塩、金属塩化物もしく
はこれらの誘導体が挙げられる。出発原料としては、こ
れらのうち1種類あるいは2種類以上を組み合わせて使
用することもできる。なかでも、比較的、水分との反応
性が高いテトライソプロポキシチタン、テトラノルマル
ブトキシチタン、四塩化チタンなどか好ましい。
る際には、目的、用途等に応じてSi,Al,B,P,
Ta,Zr,Sn,V,W等の各種金属のアルコキシ
ド、有機酸金属塩、金属酸化物もしくはこれらの誘導体
と組み合わせて複合酸化物を構成することができる。こ
れらの出発原料も、1種もしくは2種類以上を組み合わ
せて使用することができる。
物を修飾して貯蔵安定性を改善するジケトン化合物とし
ては各種のものであってよく、たとえば、ジアセチル
(CH 3 COCOCH3 )、アセチルベンゾイル(CH
3 COCOC6 H5 )等のα−ジケトンや、アセチルア
セトン(CH3 COCH2 COCH3 )、アセト酢酸エ
チル(CH3 COCH2 COOC2 H5 )、ベンゾイル
アセトン(CH3 COCH2 COC6 H5 )等のβ−ジ
ケトンや、アセトニルアセトン(CH3 COCH 2 CH
2 COCH3 )等のγ−ジケトンあるいは2,6−ヘプ
タンジオン(CH 3 CO(CH2 )3 COCH3 )等の
δ−ジケトンもしくはこれらジケトン化合物の誘導体が
挙げられる。これらは1種もしくは2種類以上を組み合
わせて使用することができる。
溶解し、必要に応じて酸あるいは塩基の触媒を用いて加
水分解を行う。その際の溶媒としてメタノール、エタノ
ール、2−プロパノール、1−ブタノールなどのアルコ
ール類の他、ベンゼン、トルエン、ヘキサン等の炭化水
素や、ハロゲン化炭素、テトラヒドロフラン(TH
F)、アセトニトリル、DMF、DMSO等の各種有機
溶媒が挙げられる。加水分解触媒としては、塩酸、硝
酸、酢酸、硫酸、リン酸などの鉱酸や有機酸、またアン
モニア、アミンなどの塩基が例示できる。
れるチタニア及びチタニア系複合酸化物の比表面積や細
孔特性を制御することを目的として加水分解性を有する
チタニウム化合物を少なくとも含む溶液に有機高分子を
添加することができる。得られるゲル体を金属酸化物と
有機高分子を含む有機無機複合体とし、さらにこの有機
高分子を溶媒で溶出することで比表面積や細孔特性を制
御されたチタニア及びチタニア系複合酸化物が合成でき
る。また、ゲル体へ予め添加した有機高分子は、温水処
理によって溶出し、有機高分子がゲル中で占有していた
体積が空孔となり温水の浸透を容易にし、ゲル体内部の
チタニア結晶の析出を促進する作用をする。
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコールなどのポリエーテルグリコール
類、酢酸セルロース、硝酸セルロース、ヒドロキシプロ
ピルセルロースなどのセルロース類、ポリビニルアルコ
ール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニルなどの水溶性を
有する有機高分子が例示できる。なかでも、温水によっ
て容易に溶出することができるポリエーテルグリコール
類が好ましい。添加する有機高分子の量は、最終的に得
られるチタニア及びチタニア系複合酸化物の比表面積、
細孔特性あるいはチタニア結晶の分散性によって変える
ことができる。有機高分子の添加量が多くなるほど比表
面積、細孔体積は大きくなる。また、比表面積、細孔体
積は大きくなるほどチタニア結晶の析出が促進され、そ
の分散性もよくなる。なお、有機高分子は複合酸化物に
対して質量比で任意の割合とすることができるが、合成
や用途機能性等の観点から1 0以下の範囲にすることが
好ましい。
ウム化合物をジケトン化合物で修飾して貯蔵安定性を改
善したチタニア及びチタニア系複合酸化物塗布溶液は、
光触媒活性を損なうことなく透明なアナターゼ型チタニ
ア及びアナターゼ型チタニア系複合酸化物薄膜を種々基
体上に低温プロセスで形成することが可能となるため、
その応用分野が極めて広く有望である。
について説明する。 [実施例1]シリコンテトラエトキシド1モルに対して
エチルアルコール5モルからなる溶液を調製した。この
溶液に希塩酸を添加し室温で30分間攪拌することによ
り加水分解をおこなった。ここでシリコンテトラエトキ
シドに対する水およびHClのモル比は4および0.0
6とした。さらにこの溶液に、最終的に二酸化チタニウ
ムと二酸化珪素との酸化物のモル比が16.5:83.
5になるようにアセチルアセトンで化学修飾したチタニ
ウムテトラノルマルブトキシドを溶解し30分間攪拌し
て加水分解をおこなった。チタニウムテトラノルマルブ
トキシドに対するアセチルアセトンのモル比は2とし
た。この溶液に平均分子量が600のポリエチレングリ
コール(PEG)を最終生成酸化物である二酸化チタニ
ウムおよび二酸化珪素に対する質量比で(PEG)/
(TiO2 +SiO2 )=1.0になるように加え均一
に溶解したものを塗布溶液1とした。 [実施例2]実施例1において、シリコンテトラエトキ
シドに対する水およびHClのモル比を2および0.1
8とすること以外は、実施例1と同様に調製したものを
塗布溶液2とした。 [実施例3]実施例1において、ポリエチレングリコー
ルを加えないこと以外は、実施例1と同様に調製したも
のを塗布溶液3とした。 [実施例4]チタニウムテトラノルマルブトキシド1モ
ルに対してアセチルアセトン2モル、エチルアルコール
5モルからなる溶液を調製した。この溶液に希塩酸を添
加し室温で30分間攪拌することにより加水分解をおこ
なった。ここでチタニウムテトラノルマルブトキシドに
対する水およびHClのモル比は4および0.06とし
た。この溶液に平均分子量が600のポリエチレングリ
コール(PEG)を最終生成酸化物である二酸化チタニ
ウムにたいする重量比で(PEG)/(TiO 2 )=
1.0になるように加え均一に溶解したものを塗布溶液
4とした。 [実施例5]実施例4において、ポリエチレングリコー
ル(PEG)を加えないこと以外は、実施例4と同様に
調製したものを塗布溶液5とした。 [比較例1]実施例1において、アセチルアセトンを加
えないこと以外は、実施例1と同様に調製したものを比
較塗布溶液1とした。 [比較例2]実施例2において、アセチルアセトンを加
えないこと以外は、実施例2と同様に調製したものを比
較塗布溶液2とした。 [比較例3]実施例4において、アセチルアセトンを加
えないこと以外は、実施例4と同様に調製したものを比
較塗布溶液3とした。 [成膜方法および薄膜中のアナターゼ型チタニアの観
察]上記、塗布溶液1〜5と比較塗布溶液1〜3中に硼
珪酸ガラス基板を浸漬して、基板上に塗布した。これら
を90℃で30分間加熱して乾燥をおこない16.5T
iO2 ・83.5SiO2 ゲル膜を得た。これを97℃
の温水に1時間浸漬して薄膜(薄膜1〜5と比較薄膜1
〜3)を得た。
一部表面を電界放射型走査電子顕微鏡で写真撮影するこ
とで行った。図1〜図8に、塗布溶液1〜5および比較
塗布溶液1〜3から形成した薄膜1〜5および比較薄膜
1〜3の一部表面の電界放射型走査電子顕微鏡写真を示
す。図1〜図8から、各薄膜は10〜30nmのアナタ
ーゼ微結晶からなる透光性チタニアになっていることが
わかった。 [塗布溶液の20℃貯蔵安定性評価方法および結果]塗
布溶液1〜5と比較塗布溶液1〜3の20℃貯蔵安定性
評価方法とその結果を以下に説明する。
の各塗布溶液250mLを密封容器に入れ20℃±2℃
に制御した恒温器内に静置保管し、24時間毎に取り出
してJIS K5400.4.5.3(塗料一般試験方
法[回転粘度計法])に準じる方法で粘度測定を行い比
較評価する。粘度測定は粘度が100mPa・s以上に
なった時点で終了する。
〜3の20℃貯蔵時の粘度測定結果および粘度が100
mPa・s以上となった日数を示す。
ら以下のことがわかる。アセチルアセトンを添加せずに
調製した比較塗布溶液について見た場合、比較塗布溶液
1に対し比較塗布溶液2の20℃貯蔵安定性は約12倍
に向上している。この原因としては、比較塗布溶液1に
対し比較塗布溶液2の調製において、シリコンテトラエ
トキシドに対する水のモル比を4から2に減じて加水分
解速度を抑制するとともに、シリコンテトラエトキシド
に対するHClのモル比を0.06から0.18に増や
してチタニウム種の酸による解膠作用を促進させて重縮
合反応を抑制しているためと考えられる。
ラエトキシドを使用せずにチタニウムテトラノルマルブ
トキシド単独で調製した比較塗布溶液3の20℃貯蔵安
定性はほぼ同等である。アセチルアセトンを添加してチ
タニウムテトラノルマルブトキシドを化学修飾して調製
した塗布溶液とアセチルアセトンを添加せずに調製した
比較塗布溶液について比較すると、塗布溶液1および2
の20℃貯蔵安定性は、アセチルアセトンを添加してい
ない比較塗布溶液1および2に対し約3倍に向上し、比
較塗布溶液1に対し塗布溶液2は約36倍に向上してい
る。この原因としては、塗布溶液1については、チタニ
ウムテトラノルマルブトキシドを化学修飾したアセチル
アセトンの立体効果・電子的効果によりチタニウム種の
重縮合反応を抑制しているためと考えられ、塗布溶液2
については、シリコンテトラエトキシドに対する水のモ
ル比を4から2に減じて加水分解速度を抑制するととも
に、シリコンテトラエトキシドに対するHClのモル比
を0.06から0.18に増やしてチタニウム種の酸に
よる解膠作用を促進させて重縮合反応を抑制している効
果とチタニウムテトラノルマルブトキシドを化学修飾し
たアセチルアセトンの立体効果・電子的効果とが複合的
に作用しているためと考えられる。
トラノルマルブトキシドを化学修飾して調製した塗布溶
液について見た場合、塗布溶液1に対しポリエチレング
リコール(PEG)を添加することなく調製した塗布溶
液3の20℃貯蔵安定性はほぼ同等である。塗布溶液1
に対しシリコンテトラエトキシドを使用せずにチタニウ
ムテトラノルマルブトキシド単独で調製した塗布溶液4
の20℃貯蔵安定性もほぼ同等である。また、塗布溶液
4に対しポリエチレングリコール(PEG)を添加する
ことなく調製した塗布溶液5の20℃貯蔵安定性もほぼ
同等である。
セチルアセトンを添加してチタニウムテトラノルマルブ
トキシドを化学修飾して調製したチタニア及びチタニア
系複合酸化物塗布溶液はアセチルアセトンを添加せずに
調製したチタニア及びチタニア系複合酸化物比較塗布溶
液に対して20℃の貯蔵安定性が約3倍に向上すること
がわかった。 [薄膜の光触媒活性評価方法および結果]薄膜1〜5と
比較薄膜1〜3の光触媒活性評価方法とその結果を以下
に説明する。
液を入れた透明セルに各薄膜を形成した基板を挿入して
紫外線照射した際のメチレンブルー分解率を経時的に調
べて比較評価した。まず、暗所にて硼珪酸ガラス製の透
明光学セル(縦10mm、横10mm、深さ45mm)
に1×10-5mol/Lのメチレンブルー水溶液を2m
L入れた後、無アルカリガラス基板(幅9mm×長さ3
0mm×厚み1mm)の片表面に成膜(成膜面積=0.
9cm2 [幅9mm×長さ10mm])した薄膜形成試
料を成膜面がメチレンブルー水溶液に接するようセル壁
面に密着挿入する。この時点を評価開始とし、30分毎
にメチレンブルー水溶液の濃度を分光光度計を用いて波
長667nmの吸光度より求めた。なお、評価開始から
30分間は暗所に静置し、その後120分間は紫外線を
照射し合計150分間の評価を行った。紫外線は、色ガ
ラスフィルターで波長350nm以下の光をカットして
薄膜形成試料の背面の受光強度が65mW/cm2 とな
るように照射した。
0分毎のメチレンブルー分解率を示す。
から以下のことがわかる。アセチルアセトンを添加して
チタニウムテトラノルマルブトキシドを化学修飾した塗
布溶液1〜5より得た薄膜1〜5は、アセチルアセトン
を添加していない比較塗布溶液1〜3より得た比較薄膜
1〜3に比べ光触媒活性を示すメチレンブルー分解率が
ほぼ同等になることがわかった。
してチタニウムテトラノルマルブトキシドを化学修飾し
て調製した塗布溶液は、アセチルアセトンを添加するこ
となく調製した比較塗布溶に比べ20℃貯蔵安定性が約
3倍に向上し、それら塗布溶液から形成した薄膜のメチ
レンブルー分解率がほぼ同等になること、つまり、アセ
チルアセトンを添加してチタニウムテトラノルマルブト
キシドを化学修飾して調製した塗布溶液は、光触媒活性
を損なうことなく貯蔵安定性が向上するものであること
がわかった。
タニア及びチタニア系複合酸化物塗布溶液は、20℃以
上の温度における貯蔵安定性に優れることにより、塗布
溶液作製後直ちに膜を形成したり、塗布溶液作製後5℃
以下の温度で低温保存するなどの製造工程上の制約なく
透明なアナターゼ型チタニア及びアナターゼ型チタニア
含有複合酸化物薄膜を種々基板上に低温プロセスで形成
することが可能となる。貯蔵安定性に優れ種々の形状の
ものとして100℃以下の低温で膜形成でき、光触媒、
殺菌材、抗菌材等として有用である。
膜の一部表面の電界放射型走査電子顕微鏡写真を示した
図である。
膜の一部表面の電界放射型走査電子顕微鏡写真を示した
図である。
膜の一部表面の電界放射型走査電子顕微鏡写真を示した
図である。
膜の一部表面の電界放射型走査電子顕微鏡写真を示した
図である。
膜の一部表面の電界放射型走査電子顕微鏡写真を示した
図である。
一部表面の電界放射型走査電子顕微鏡写真を示した図で
ある。
一部表面の電界放射型走査電子顕微鏡写真を示した図で
ある。
一部表面の電界放射型走査電子顕微鏡写真を示した図で
ある。
Claims (2)
- 【請求項1】 加水分解性を有するチタニウム化合物を
ジケトン化合物で修飾して貯蔵安定性を改善し、かつ金
属酸化物を含むゲル体を100℃以下の温度で水分と反
応させて形成した膜の光触媒活性を損なわないことを特
徴とするチタニア及びチタニア系複合酸化物塗布溶液。 - 【請求項2】 加水分解性を有するチタニウム化合物が
チタニウムのアルコキシドである請求項1記載のチタニ
ア及びチタニア系複合酸化物塗布溶液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002054642A JP2003253157A (ja) | 2002-02-28 | 2002-02-28 | 貯蔵安定性に優れたチタニア及びチタニア系複合酸化物塗布溶液 |
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JP2002054642A JP2003253157A (ja) | 2002-02-28 | 2002-02-28 | 貯蔵安定性に優れたチタニア及びチタニア系複合酸化物塗布溶液 |
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---|---|
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