JP2004097868A - 光触媒および光触媒被膜を形成した複合材料の製造方法 - Google Patents

光触媒および光触媒被膜を形成した複合材料の製造方法 Download PDF

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Tomoyuki Tawara
田原 知之
Tatsuya Nobusawa
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Abstract

【課題】可視光照射により光触媒活性および/または親水性を発現するチタン含有オキシナイトライドからなる光触媒および光触媒被膜を形成した複合材料の製造方法を提供することにある。
【解決手段】Ti:1モルに対し、Zr、Nb、Ta、MoおよびWの中から選ばれた1種以上を合計で1モル以下含有するチタン含有酸化物またはその前駆体を、アンモニアガスまたはアンモニア含有ガスの雰囲気下で、300℃以上600℃未満の温度での加熱による部分窒化処理を施すことにより、可視光照射により光触媒活性および/または親水性を発現するチタン含有オキシナイトライドからなる光触媒に改質することを特徴とする。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可視光照射により光触媒活性および/または親水性を発現する光触媒および光触媒被膜を形成した複合材料の製造方法に関するものであり、かかる複合材料は、例えば環境浄化または防食機能を要する内外装材として使用するのに適する。
【0002】
【従来の技術】
近年、公害対策や、健康、快適、清潔に対する関心の高まりから、抗菌、消臭、防汚等の機能を持った環境浄化型製品のニーズがあり、光触媒を利用した製品が注目されている。
前述の「光触媒」とは、光エネルギーの吸収により、励起電子が酸素を還元して活性酸素種のスーパーオキサイドアニオン(・O )を生成するとともに、正孔が水を酸化して活性酸素種の水酸ラジカル(OH・)を生成することにより、光触媒の表面に接触した有機物などを酸化分解する物質のことである。
【0003】
さらに、光触媒が酸化チタンの場合は、水の接触角で5°以下の超親水性を発現することができる。この特性を利用することにより、屋外用途では、都市型汚染の主成分である油分、無機質塵埃、カーボン等に対する耐汚染処理、視認性を確保するための防曇処理、屋内用途では、抗菌、消臭等の衛生処理を行うことができる。
【0004】
例えば、特許文献1には、酸化チタンの光触媒を表面に接合した親水性基材が提案されている。さらに、n型半導体の性質を利用することにより、金属材を電気防食することもできる。
【0005】
【特許文献1】
特許第2756474号公報
【0006】
活性酸素種の生成反応が起こるのは、光触媒のバンドギャップエネルギーが活性酸素種の生成エネルギー(1.36eV(2.18×10−19J))より大きいだけでは不十分であり、その伝導帯の下端と価電子帯の上端が、活性酸素種を生成するO/O (−0.13eV(−0.21×10−19J))準位とO/HO(1.23eV(1.97×10−19J))準位を挟むような位置になければならない。
この酸化還元準位は平衡準位であるため、活性酸素種の生成反応を起こさせるには、ある程度の過電圧が必要であり、伝導帯の下端準位をO/O 準位よりも負側に位置させ、価電子帯の上端準位をO/HO準位よりも正側に位置させることが望ましい。
【0007】
しかし、現在、光触媒物質として実用化されているアナターゼ型の酸化チタンは、価電子帯の上端準位がO/HO準位よりも十分深い正側に位置するため、バンドギャップエネルギーが3.2eV(5.13×10−19J)と大きく、可視光の照射では光触媒活性と親水性の性質を発現できず、紫外線の照射でのみ上記性質を発現することができる。
【0008】
例えば、光源として太陽光や蛍光灯を使用する場合は、紫外線の分光分布スペクトルはせいぜい3〜4%であり、近紫外線の強度は日中の太陽光で1〜2mW/cm、室内の蛍光灯に至っては1μW/cm程度にすぎない。よって、光エネルギーの有効利用や、蛍光灯環境下でも十分な機能を発揮させるため、可視光の照射でも光触媒活性と親水性の性質を発現できる光触媒材料を開発することが望まれる。
【0009】
可視光の照射により光触媒機能を発現するには、光触媒のバンドギャップエネルギーが可視光を吸収できる約3eV(4.8×10−19J)以下であることが必要条件となり、様々な方法が提案されている。
【0010】
例えば、特許文献2には、イオン注入装置を用い、アナターゼ型酸化チタンに、バナジウムやクロムなどの遷移金属をイオン注入したあと、大気中で熱処理することにより、可視光活性が発現することが開示されている。しかしながら、上掲公報記載の方法、装置が高価であり、さらに大面積に適用するのは難しい。
【0011】
【特許文献2】
特開平11−197512号公報
【0012】
また、非特許文献1には、アナターゼ型酸化チタンに水素プラズマ処理を施して酸素欠損を形成させ、これによって可視光活性が発現することが開示されている。しかしながら、酸素欠損を形成して酸素原子を取り除くと、不安定な結晶構造となりやすく、光触媒作用を長期間にわたって持続させることは難しい。
【0013】
【非特許文献1】
三好正大ら、色材、73(12)、580(2000)
【0014】
さらに、非特許文献2には、アナターゼ型酸化チタンの価電子帯を構成する酸素2p軌道に窒素2p軌道を混成させることにより価電子帯の上端を負側にシフトさせた、RFマグネトロンスパッタ法を用いて作製したチタンオキシナイトライド(TiO2−x)光触媒薄膜が開示されている。上掲文献記載のTiO2−x光触媒薄膜は、可視光の照射で光触媒活性と親水性の性質を発現できる光触媒材料であるが、この薄膜は、RFマグネトロンスパッタ法によりTiOターゲットをN+Arガス雰囲気中で堆積させることによって製造しているため、装置が高価であり、また、薄膜中に含有させる窒素量の制御が難しく、さらに、多成分元素を任意の組成に制御することは難しい等の問題があった。
【0015】
【非特許文献2】
R.Asahi et al., Science, 293,269(2001)
【0016】
また、上記文献記載のTiO2−x光触媒粉末は、アナターゼ酸化チタン粉末をアンモニア中で部分窒化することにより合成されているが、上記被膜および粉末とも、−2価の酸素を−3価の窒素で置換することにより、酸素欠損を生じて結晶構造の安定性が低下するため、窒素を有効に導入することができず、600℃以上の高温で処理しなければ窒素の置換は生じないものであった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記のような従来技術に鑑みて、可視光照射により光触媒活性および/または親水性を発現するチタンオキシナイトライドからなる光触媒および光触媒被膜を有利に形成した複合材料の製造方法を提供することにあり、かかる複合材料は、例えば環境浄化または防食機能を要する内外装材として使用するのに適する。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、二酸化チタンまたはチタン複合酸化物を含むチタン含有酸化物の酸素サイトの一部を窒素で置換したチタン含有オキシナイトライドが、可視光照射で光触媒活性および/または親水性を発現することに着目し、チタン含有オキシナイトライドの光触媒および光触媒薄膜を有利に製造できる方法を開発するための検討を行ったところ、チタン含有酸化物またはその前駆体物質に、Zr、Nb、Ta、MoおよびWの中から選ばれた1種以上の元素を、チタン1モルに対し合計で1モル以下の割合で含有させることにより、アンモニアガスまたはアンモニア含有ガスの雰囲気下で、比較的低温の300〜600℃の温度での加熱による部分窒化処理を施すことにより、チタン含有オキシナイトライドの光触媒および光触媒被膜を形成した複合材料を作製できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0019】
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)Ti:1モルに対し、Zr、Nb、Ta、MoおよびWの中から選ばれた1種以上を合計で1モル以下含有するチタン含有酸化物またはその前駆体を、アンモニアガスまたはアンモニア含有ガスの雰囲気下で、300℃以上600℃未満の温度での加熱による部分窒化処理を施すことにより、可視光照射により光触媒活性および/または親水性を発現するチタン含有オキシナイトライドからなる光触媒に改質することを特徴とする、光触媒の製造方法(第1発明)。
【0020】
(2)基材表面を、Ti:1モルに対し、Zr、Nb、Ta、MoおよびWの中から選ばれた1種以上を合計で1モル以下含有するチタン含有酸化物またはその前駆体を含む被膜で被覆した後、アンモニアガスまたはアンモニア含有ガスの雰囲気下で、300℃以上600℃未満の温度での加熱による部分窒化処理を施すことにより、前記被膜を、可視光照射により光触媒活性および/または親水性を発現するチタン含有オキシナイトライドからなる光触媒被膜に改質することを特徴とする、光触媒被膜を形成した複合材料の製造方法(第2発明)。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
現在、実用化されている光触媒のアナターゼ型酸化チタンは、可視光の照射では光触媒活性を発現することができず、紫外線の照射でのみ光触媒活性を発現することができる。これは、酸素の2p軌道で構成される酸化物の価電子帯の上端準位が、水の酸化準位O/HOよりもかなり正側の深い位置にあることにより、バンドギャップエネルギーが大きくなることが原因である。
【0022】
そこで、可視光照射により光触媒活性を発現させる方法として、酸化物の光触媒に窒素をドープしたオキシナイトライドが注目されている。酸化物の酸素サイトを窒素で置換すると、酸素のO2pよりもエネルギー準位の高いN2pも価電子帯の構成に利用されるようになり、その結果、価電子帯の上端準位が負側にシフトしてバンドギャップが挟まる結果、可視光が吸収できるようになるものと考えられている。
【0023】
オキシナイトライドの光触媒は、アナターゼ型のTiO2−xや、チタン、ニオブ、タンタルのペロブスカイトまたは層状ペロブスカイト物質、例えば、LaTaON、CaTaON、SrTaON、BaTaON、LaTiON、Ca1−xLaTiO3−x、CaNbON、SrNbON、BaNbONなどが知られているが、実用的には、コスト、安全性、安定性などの点から、光触媒物質はチタンベースのチタン含有オキシナイトライドであることが好ましい。なお、ここでいう「チタンベースのチタン含有オキシナイトライド」とは、伝導帯を形成する遷移金属原子中に占めるチタン原子の割合が50%以上である化合物のことを指す。
【0024】
本発明の方法によって製造した光触媒は、アナターゼ、ルチル、ブルッカイト、バデライト構造などのチタン含有オキシナイトライドであり、酸化チタンに窒素を積極的に取り込む遷移金属元素を含有させることで、300〜600℃の比較的低温で部分窒化処理をできるようにしたものである。
【0025】
すなわち、窒化されやすく、さらに−3価の窒素の導入により結晶構造の安定性が低下しない遷移金属元素を含有させることが肝要である。遷移金属元素としては、−3価の窒素の導入で酸素欠損を生じても結晶構造の安定性を低下させないもの、或いは酸素欠損の生成を抑制する+5価以上の酸化数を持つものを含有させる。
【0026】
上記遷移金属元素は、化学的に安定で、安全性に高い元素のうち、酸素欠損が生じても結晶構造の安定性を低下させない元素として、IVa族のジルコニウム、+5価以上の酸化数を持つ元素としてVa族のニオブおよびタンタル、そしてVIa族のモリブデンおよびタングステンである必要があり、チタン含有オキシナイトライドに、上記5種類の元素の中から選ばれるいずれか1種の元素を単独で含有させ、または2種以上の元素を複合的に含有させることができる。上記遷移金属元素の含有量は、チタン1モルに対し合計で1モル以下の割合であり、好ましくは0.05〜0.5モルである。
【0027】
上記遷移金属元素を含むチタン含有酸化物またはその前駆体物質の部分窒化処理法としては、シアン酸塩の塩浴中に浸漬処理する塩浴浸漬法、ガス窒化法、イオン窒化法などが挙げられるが、環境などを考慮すれば、ガス窒化法が簡便であり、本発明ではガス窒化法を使用する。
【0028】
なお、本発明において、チタン含有酸化物の前駆体とは、チタン含有酸化物の原料である、アルコキシド、水酸化物、塩化物、有機酸アンモニウム塩、炭酸アンモニウム塩、オキシ塩化物やこれらの混合物または反応物を意味する。
【0029】
本発明で使用するガス窒化法としては、先ず酸化物から酸素を引き抜き、その後、窒素が導入される部分窒化反応がアンモニアにより生じるという理由から、アンモニアガスまたはアンモニア含有ガスを用いる。アンモニア含有ガスは、アンモニアガスに、反応ガスの濃度を制御するためにアルゴン、窒素などの非酸化性ガスを混合したり、酸素の引き抜きを助長する水素、一酸化炭素、炭化水素などの還元性ガスを混合する。非酸化性ガスの混合割合は、体積比で1〜95体積%、好ましくは10〜90体積%であり、還元性ガスの混合割合は、体積比で1〜50体積%、好ましくは5〜30体積%である。
【0030】
上述したいずれかのガス雰囲気下において、上記遷移金属元素を含むチタン含有酸化物またはその前駆体物質を部分窒化処理する。
【0031】
酸化チタン単独では、アンモニアガスまたはアンモニア含有ガスの雰囲気下において部分窒化により生成するTi−N結合は、約600℃以上に加熱しなければ生成しないが、上記遷移金属元素を含むチタン含有酸化物またはその前駆体物質の場合は、300℃以上の加熱でも徐々に部分窒化反応が始まり、外観は淡黄色を呈色し始め、Ti−N結合が生成し始める。したがって、加熱条件は、300℃以上600℃未満で1〜120分、好ましくは、400〜550℃で2〜60分である。このとき、温度が高すぎたり時間が長すぎたりすると、窒化が進行しすぎてしまい、結晶構造の転移や金属的導電性の転移により、光触媒活性が低下する場合がある。
【0032】
図1に、酸化チタン単独の被膜およびニオブを含むチタン含有酸化物被膜に加熱処理を施したときのX線光電子分光法(XPS)のスペクトルの一例を示す。このXPSスペクトルから、酸化チタンの単独被膜は、アンモニア中、480℃で10分間の加熱処理を施しても窒化は生じず(図1の(2))、600℃で10分間の加熱処理をした場合に窒化が生じるのに対し(図1の(1))、酸化チタンにニオブ(酸化ニオブ)を添加すると、480℃で10分間の加熱処理を施した場合でも窒化される(図1の(3))ことがわかる。
【0033】
本発明の光触媒を合成する方法は、チタン、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、モリブデンおよびタングステンの酸化物、水酸化物、オキシ塩化塩、オキシ硝酸塩、オキシリン酸塩、オキシ酢酸塩、炭酸アンモニウム塩、塩化物などの無機塩や、クエン酸アンモニウム塩、リンゴ酸アンモニウム塩などの有機酸アンモニウム塩などから選ばれた化合物を混合し、該混合物または該混合物を加熱処理して複合化した前処理化合物を、前記の条件にて部分窒化処理に供する。
【0034】
次に、本発明の光触媒被膜を形成した複合材料を製造する方法は、まず、基材表面を、好ましくは平均膜厚が0.01〜3μmのチタン含有酸化物またはその前駆体物質を含む被膜で被覆する。前記被膜の平均膜厚が0.01μm未満の場合、均一な被膜を形成し難く、光触媒機能が有効に発現しなくなる恐れがあるからである。また、前記被膜は、その後に行う部分窒化処理によってチタン含有オキシナイトライドに改質できる平均膜厚が、前記被膜の膜厚(深さ)方向に表面から3μm程度までの範囲であるので、平均膜厚は3μm以下とするのが好ましい。
【0035】
本発明で使用する基材としては、セラミックス、タイル、コンクリート、ガラス、煉瓦などの無機材料、アルミニウム、ステンレス鋼、メッキ鋼板、化成処理鋼板、塗装鋼板などの金属材料が挙げられるが、これらに特に限定されない。
【0036】
基材の形状としては、例えば、ブロツク、板(シート)、フィルム、構造材等が挙げられるが、これらに特に限定されない。加えて、基材の大きさや厚さも特に限定されない。
【0037】
また、チタン含有オキシナイトライド光触媒被膜の酸化分解作用から基材を保護することが必要な場合は、これらの間にバリア層を設けることが好ましい。
バリア層としては、基材の酸化保護の他に、熱線反射、電波反射、導電性などの機能性を付与することもでき、例えば、シリコーン系樹脂、シリカ、アルミナ、ジルコニア、ITO、窒化チタン、炭化珪素などが挙げられるが、これらに特に限定されない。
【0038】
チタン含有酸化物またはその前駆体物質を含む被膜の基材への被覆方法としては、化学気相蒸着法、反応性蒸着法、反応性スパッタ法などの気相法や、ゾルゲル法などの液相法等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
【0039】
液相法、例えばゾルゲル法による上記被膜の形成方法の一例を挙げる。
アルコール溶媒中でチタンアルコキシド1molに対しアセチルアセトン、ジエチレングリコール、アセト酢酸エチルなどのキレート剤を必要に応じて2mol以下混合し、続いて酸触媒として蓚酸、酢酸などのカルボン酸、硼酸、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸などの無機酸を0.01〜0.1mol添加した後、1〜4molの水を徐々に添加して得られる部分加水分解溶液をコーティング溶液としたり、他元素を配合する場合は、該部分加水分解溶液に他元素のアルコキシドに上記キレート剤を混合したアルコール溶液、またはオキシ塩化塩、オキシ硝酸塩、オキシリン酸塩、オキシ酢酸塩、炭酸アンモニウム塩、塩化物などの無機塩や、クエン酸アンモニウム塩、リンゴ酸アンモニウム塩などの有機酸アンモニウム塩のアルコール溶液を所定比で混合して調整したコーティング溶液を、基材に塗布することにより上記被膜を形成すればよい。
【0040】
他の方法としては、アナターゼやブルッカイトなどの水性の結晶性酸化チタンゾル、ペルオキソチタン酸やオルソチタン酸などのアモルファス酸化チタン水溶液、またはこれらの混合水溶液に、上記の無機塩、有機塩の水溶液または水性酸化物ゾルを所定比で混合してコーティング溶液とする。このとき、上記の無機塩または有機塩の水溶液の添加によりコーティング溶液がゲル化する場合は、上記酸化チタン水溶液に予め乳酸、リンゴ酸、クエン酸などの有機酸を添加してチタン錯体を形成させておくと防止できる場合がある。また、前記結晶性酸化チタンゾルまたは酸化チタン水溶液を合成するときに、出発原料の中に予め前記の無機塩または有機塩を配合してもよい。該コーティング溶液は、同様にして基材に塗布することにより上記被膜を形成すればよい。
【0041】
基材への被膜の形成方法は、該ゾル溶液を酸化物換算で固形分が0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%に調整し、通常スプレー、ディップ、刷毛などにより基材に塗布して乾燥膜を形成させる。
【0042】
そして、上記被膜は、前記の条件にて部分窒化処理に供する。
【0043】
【実施例】
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0044】
試験例1
(実施例1−1)
アナターゼ型酸化チタン粉末0.09モルに、エタノール20gに塩化ニオブ0.01モルを溶解した溶液を混合し、溶媒を蒸発させて取り出したニオブを含むチタン含有酸化物前駆体粉末を石英ボート上に載せ、次いで100ml/分のアンモニアガスの気流中にて480℃で60分間の部分窒化処理を施すことによって、前記粉末をチタンオキシナイトライドからなる光触媒粉末に改質した。このとき、光触媒粉末はアナターゼ型であり、光触媒粉末の特性を下記に示すガス分解試験法によって評価した。その評価結果を表1に示す。
【0045】
(比較例1−1)
アナターゼ型酸化チタン粉末を石英ボート上に載せ、次いで100ml/分のアンモニアガスの気流中にて480℃で60分間の部分窒化処理を施した。このとき、光触媒粉末はアナターゼ型であり、光触媒粉末の特性を下記に示すガス分解試験法によって評価した。その評価結果を表1に示す。
【0046】
(ガス分解試験)
光触媒粉末1gを入れたシャーレを容積5リットルのガラス容器の底部に置き、ガラス製の蓋をしたガラス容器内に、アセトアルデヒドを注入し吸着平衡を確認したあと、さらにアセトアルデヒドを注入し、約100ppmになるように調整した。次いで、白色蛍光灯を用いて1000ルクスの可視光を照射した。アセトアルデヒド濃度は、ガスクロマトグラフ(島津製作所(株):GC−17A)にて測定した。白色蛍光灯は、紫外線カットフィルム((株)キング製作所社製で商品名「ObicC」)を装着して紫外線強度を0.1μW/cm以下(紫外線強度は365nm紫外線センサーMINOLTA製UM10で測定)とした。
【0047】
【表1】
Figure 2004097868
【0048】
表1に示す結果から、比較例1−1では、アセトアルデヒド濃度が、可視光照射前である初期状態と、可視光を60分間照射した後の状態でさほど変化していない。また、比較例1−1の場合、X線光電子分光法(XPS)の測定によりTi−N結合が確認されず窒素の置換は生じていなかった。
これに対し、実施例1−1では、アセトアルデヒド濃度が、初期状態に比べて、可視光を60分間照射した後の状態で大幅に低くなっており、光触媒反応速度は速いことがわかる。また、実施例1−1の場合、XPSの測定によりTi−N結合が確認され、窒素の置換が生じていた。
【0049】
試験例2
(実施例2−1)
イソプロパノール100gにチタンイソプロポキシド0.09モル溶解させ、アセト酢酸エチル0.18モル添加して30分間攪拌した。この溶液に蓚酸を0.001モル添加したあと、水0.2モルとイソプロパノール10gの混合溶液を徐々に加え、60分間室温で攪拌して部分加水分解溶液を調整した。次いで、エタノール20gに塩化ニオブ0.01モルを混合した溶液を徐々に添加し、室温で60分間攪拌した後、酸化物換算で1質量%となるように調整し、ニオブを含むチタン含有酸化物前駆体のコーティング溶液を作製した。
試験体は、チタン釉を被覆した白色ホーロー材(基材)に該コーティング溶液をスプレー塗布し、500℃で30分間仮焼成したあと、100ml/分のアンモニアガスの気流中にて480℃で10分間の部分窒化処理を施すことによって、前記被膜をチタンオキシナイトライドからなる光触媒被膜に改質した。このとき、光触媒被膜はアナターゼ型であり、その平均膜厚は0.2μmであった。光触媒被膜の特性を下記に示す試験方法で測定し、評価した。光触媒被膜の特性の評価結果を表2に示す。
【0050】
(実施例2−2)
窒化処理する雰囲気ガスとして、アンモニアガスの代わりに、アンモニアと窒素の混合ガス(体積比NH:N=2:8)を用いた以外は、実施例2−1と同じ方法にて、チタンオキシナイトライドからなる光触媒被膜に改質した。このとき、光触媒被膜はアナターゼ型であり、その平均膜厚は0.2μmであった。光触媒被膜の特性の評価結果を表2に示す。
【0051】
(実施例2−3)
窒化処理する雰囲気ガスとして、アンモニアガスの代わりに、アンモニア、水素、窒素の混合ガス(体積比NH:H:N=1:1:8)を用いたこと以外は、実施例2−1と同じ方法にて、チタンオキシナイトライドからなる光触媒被膜に改質した。このとき、光触媒被膜はアナターゼ型であり、その平均膜厚は0.2μmであった。光触媒被膜の特性の評価結果を表2に示す。
【0052】
(実施例2−4)
塩化ニオブの代わりにジルコニウムn−ブトキシドを用いてジルコニウムを含むチタン含有酸化物前駆体のコーティング溶液を作製した以外は、実施例2−1と同じ方法にて、チタンオキシナイトライドからなる光触媒被膜に改質した。このとき、光触媒被膜はアナターゼ型であり、その平均膜厚は0.2μmであった。光触媒被膜の特性の評価結果を表2に示す。
【0053】
(実施例2−5)
塩化ニオブの代わりに塩化タンタルを用いてタンタルを含むチタン含有酸化物前駆体のコーティング溶液を作製した以外は、実施例2−1と同じ方法にて、チタンオキシナイトライドからなる光触媒被膜に改質した。このとき、光触媒被膜はアナターゼ型であり、その平均膜厚は0.2μmであった。光触媒被膜の特性の評価結果を表2に示す。
【0054】
(実施例2−6)
塩化ニオブの代わりに塩化モリブデンを用いてモリブデンを含むチタン含有酸化物前駆体のコーティング溶液を作製した以外は、実施例2−1と同じ方法にて、チタンオキシナイトライドからなる光触媒被膜に改質した。このとき、光触媒被膜はアナターゼ型であり、その平均膜厚は0.2μmであった。光触媒被膜の特性の評価結果を表2に示す。
【0055】
(実施例2−7)
塩化ニオブの代わりに塩化タングステンを用いてタングステンを含むチタン含有酸化物前駆体のコーティング溶液を作製した以外は、実施例2−1と同じ方法にて、チタンオキシナイトライドからなる光触媒被膜に改質した。このとき、光触媒被膜はアナターゼ型であり、その平均膜厚は0.2μmであった。光触媒被膜の特性の評価結果を表2に示す。
【0056】
(比較例2−1)
イソプロパノール100gにチタンイソプロポキシド0.10モル溶解させ、アセト酢酸エチル0.20モル添加して30分間攪拌した。この溶液に蓚酸を0.001モル添加したあと、水0.2モルとエタノール10gの混合溶液を徐々に加え、60分間室温で攪拌したあと、酸化物換算で1質量%となるように調整し、コーティング溶液を作製した。
試験体は、チタン釉を被覆した白色ホーロー材(基材)に該コーティング溶液をスプレー塗布し、500℃で30分間仮焼成したあと、100ml/分のアンモニアガスの気流中にて480℃で10分間の部分窒化処理を施した。このとき、光触媒被膜はアナターゼ型であり、その平均膜厚は0.2μmであった。光触媒被膜の特性を下記に示す試験方法で測定し、評価した。光触媒被膜の特性の評価結果を表2に示す。
【0057】
(試験方法)
[抗菌試験]
抗菌製品技術協議会の抗菌製品の抗菌力評価試験法に記載された光照射フィルム密着法に準じて抗菌力を評価した。5cm×5cmサイズの供試材上に、菌濃度1.5×10個/mlの菌液を0.1ml接種したあと、ポリエチレンフィルムを被せて密着させ、これを透明シャーレ内にセットして、温度25℃、相対湿度90%以上の条件下で蓋をし、白色蛍光灯で1000ルクスの可視光を4時間または8時間照射し、あるいは、暗所にて4時間または8時間放置した。その後、生理食塩水で供試材から生残菌を洗い出し、NA培地にて35℃、24時間培養し、生菌数を測定した。抗菌力は生菌数が供試材1枚当たリ10個未満を合格とした。菌は大腸菌IF0 3972を使用した。白色蛍光灯は、紫外線カットフィルム((株)キング製作所社製で商品名「ObicC」)を装着して紫外線強度を0.1μW/cm以下(紫外線強度は365nm紫外線センサーMINOLTA製UM10で測定)とした。
【0058】
[接触角]
供試材に、マイクロシリンジを使用してイオン交換水を20μリットル滴下し、供試材上の水滴を画像処理式接触角計(協和界面科学(株)製、CA−X)を用いて、水の接触角を3点法にて測定した。なお、接触角の測定は、可視光照射前の初期状態、前掲白色蛍光灯を用いて1000ルクスの可視光を8時間照射した後の状態、続いて暗所にて24時間放置した後の状態で同様に行った。
【0059】
【表2】
Figure 2004097868
【0060】
表2に示す結果から、実施例2−1〜2−7はいずれも、8時間の可視光の照射によって、抗菌力に優れており、特に、8時間の可視光の照射によって、光触媒活性および親水性の双方を高レベルで発現しているのがわかる。また、実施例2−1〜2−7の被膜の場合、XPSの測定によりTi−N結合が確認され、窒素の置換が生じていた。
一方、比較例2−1では、480℃で処理した場合は、可視光を照射しても抗菌力、親水性とも発現せず、600℃以上で処理しないと、抗菌力、親水性が発揮されない。また、比較例2−1の被膜の場合、X線光電子分光法(XPS)の測定によりTi−N結合が確認されず窒素の置換は生じていなかった。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、紫外線照射では勿論のこと、可視光照射によっても、光触媒活性および/または親水性を発現するチタン含有オキシナイトライドからなる光触媒および光触媒被膜を有利に形成した複合材料を製造する方法の提供が可能になった。
また、本発明の製造方法を用いれば、光触媒および光触媒被膜を、高価な装置を用いなくても製造することができる。
さらに、本発明の製造方法によって得られた複合部材は、例えば環境浄化または防食機能を要する内装材、側壁材などの景覿材、外壁材などに使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸化チタン単独の被膜およびニオブを含むチタン含有酸化物被膜に加熱処理を施したときのXPSのスペクトルの一例を示す図である。

Claims (2)

  1. Ti:1モルに対し、Zr、Nb、Ta、MoおよびWの中から選ばれた1種以上を合計で1モル以下含有するチタン含有酸化物またはその前駆体を、アンモニアガスまたはアンモニア含有ガスの雰囲気下で、300℃以上600℃未満の温度での加熱による部分窒化処理を施すことにより、可視光照射により光触媒活性および/または親水性を発現するチタン含有オキシナイトライドからなる光触媒に改質することを特徴とする、光触媒の製造方法。
  2. 基材表面を、Ti:1モルに対し、Zr、Nb、Ta、MoおよびWの中から選ばれた1種以上を合計で1モル以下含有するチタン含有酸化物またはその前駆体を含む被膜で被覆した後、アンモニアガスまたはアンモニア含有ガスの雰囲気下で、300℃以上600℃未満の温度での加熱による部分窒化処理を施すことにより、前記被膜を、可視光照射により光触媒活性および/または親水性を発現するチタン含有オキシナイトライドからなる光触媒被膜に改質することを特徴とする、光触媒被膜を形成した複合材料の製造方法。
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