JP4691688B2 - 有機無機ハイブリッド薄膜センサ - Google Patents

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本発明は、ナノサイズの結晶粒子からなり、多孔質構造を有する有機無機ハイブリッド薄膜センサ及びその製造方法に関するものであり、更に詳しくは、金属酸化物単結晶基板上に作製した、ナノサイズの結晶粒子からなり、多孔質構造を有する酸化モリブデン等の高配向薄膜に、ポリピロール等の導電性ポリマーあるいはブチルアンモニウム塩等の有機イオンをインターカレートする方法で、ナノサイズの結晶粒子からなり、多孔質構造を有する電気伝導性有機無機ハイブリッド薄膜センサを製造する方法、及び該方法により作製される有機無機ハイブリッド薄膜センサに関するものである。
本発明は、有機化合物と無機化合物をナノレベルで複合化した高機能性ハイブリッド材料を用いたガスセンサの技術分野において、従来のハイブリッド薄膜では、揮発性有機化合物(VOC)に対するセンサ感度が必ずしも十分に高いとは言えないという問題があることを踏まえ、有機無機ハイブリッド薄膜を構成する結晶粒子をナノサイズ化すると共に、結晶粒子と検知対象ガスとの接触点を増やすために多孔質構造を実現することにより、従来ハイブリッド薄膜における感度の問題を解決することを可能とする、例えば、200nm以下のサイズの結晶粒子からなり、多孔質構造を有する、酸化モリブデン等を主成分とする導電性有機無機ハイブリッド薄膜センサの製造技術を確立することに成功したものであり、本発明は、エレクトロデバイス材料として使用し得る微細構造を持つ、導電性有機無機ハイブリッド薄膜センサを製造することを可能とする導電性有機無機ハイブリッド薄膜センサの製造方法、及びその製品、特に、高感度化学センサ部材を提供するものとして有用である。
有機無機ハイブリッド材料は、無機化合物の持つ、優れた耐熱性及び機械的強度と、有機化合物の持つ、優れた化学的特性を併せ持つ、従来にはない新しいタイプの材料であり、光学的特性、電気的特性、あるいは機械的特性等に特徴ある機能を有するため、このハイブリッド材料は、様々な分野への応用が期待されている。その中で、電気伝導性を示す有機無機ハイブリッド材料は、例えば、発光素子、トランジスタ、電池、化学センサ等への応用に高いポテンシャルを持つことが報告されている。
特に、化学センサ応用に関しては、分子認識機能を持つ有機化合物と検知対象ガスの有無という化学的情報を電気的な信号に変換して外部に出力できる機能を持つ無機化合物を、ナノレベルで複合化したハイブリッド材料を用いることが、ガス選択性の向上に有効である。具体的には、本発明者らは、層状構造を持つ酸化モリブデン(MoO3 )を主成分とし、この酸化モリブデン層間に、有機化合物が挿入されたインターカレーション型有機無機ハイブリッド材料において、当該材料がVOCに対して、抵抗値が変化することで応答すると共に、トルエン、ベンゼンにはほとんど応答しないのに対して、アルデヒド、アルコール、塩素系ガスに対して選択的に応答を示すという、優れたガス選択性を有することを見出している(特許文献1)。
有機無機ハイブリッド材料を素子として応用するには、薄膜化技術の開発が必要不可欠であるが、上記インターカレーション型有機無機ハイブリッド材料については、既に、(1)層状構造を持つ無機化合物の高配向薄膜を作製する、(2)上記高配向薄膜に水和ナトリウムイオンをインターカレートする、(3)これを有機化合物と置換する、ことを特徴とする方法により、高品質薄膜を製造する方法が開発されており(特許文献2)、上記薄膜が、VOCガスセンサとして機能することも報告されている(非特許文献1)。しかしながら、上記薄膜のVOCガスに対するセンサ感度は、必ずしも十分に高いものではなく、例えば、1000ppmのホルムアルデヒドガスに対して数パーセント程度であり、VOCガスに対するセンサ感度の向上が急務の課題となっている。
特願2003−66108号 特表2003−422141号公報 Proc.MRS 2003 Fall Meeting,785,D14.9.1−6(2004)
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、三酸化モリブデンを主成分とする導電性の有機無機ハイブリッド薄膜センサの応答感度を向上する方法を開発することを目標として鋭意研究を重ねた結果、無機化合物と格子定数が類似した金属酸化物単結晶基板上にCVD法で作製した酸化モリブデンの、ナノサイズの結晶粒子からなり、多孔質構造を有する高配向膜に、まず、水和ナトリウムイオンをインターカレートし、更に導電性ポリマーあるいは有機イオンと置換する方法により、基板との密着性に優れ、ナノサイズの結晶粒子からなり、多孔質構造を有する有機無機ハイブリッド薄膜を得ることができ、得られた薄膜は、従来技術で得られていた緻密な薄膜に比較して、VOCガスに対して高い応答感度を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、エレクトロデバイス材料として使用し得る微細構造を持つ、導電性有機無機ハイブリッド薄膜センサを製造することを可能とする導電性有機無機ハイブリッド薄膜センサの製造方法、及びその製品、特に、高感度化学センサ部材を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)基板と、該基板上に作製された、電極と、及び、層状構造を持つ無機化合物からなり層方向が基板と平行になるように配向した高配向薄膜に有機化合物からなる導電性ポリマーあるいは有機イオンを該無機化合物の層間においてインターカレートした構造を有する導電性有機無機ハイブリッド薄膜と、から構成される、VOCガスに対して抵抗値が変化することで応答するVOCガスセンサであって、
前記層状構造を持つ無機化合物の高配向薄膜が、ナノサイズ結晶粒子からなり、多孔質構造を有する酸化モリブデンを主成分とするものであり、ミクロンサイズの結晶粒子からなる薄膜と比べてVOCガスに対するセンサ応答感度を向上させたものであることを特徴とする上記VOCガスセンサ。
(2)多孔質構造を持つ高配向薄膜に、水和アルカリ金属イオンをインターカレートし、更にこれを有機化合物と置換した構造を有することを特徴とする前記(1)記載の導電性有機無機ハイブリッド薄膜センサ。
)前記無機化合物と格子定数が整合した金属酸化物単結晶基板上に作製された、ナノサイズ結晶粒子からなり、多孔質構造を有する、高配向薄膜を用いることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の有機無機ハイブリッド薄膜センサ。
基板と、該基板上に作製された、電極と、及び、導電性有機無機ハイブリッド薄膜と、から構成される、VOCガスに対して抵抗値が変化することで応答するVOCガスセンサを製造する方法であって、
層状構造を持つ無機化合物からなり層方向が基板と平行になるように配向した高配向薄膜に有機化合物からなる導電性ポリマーあるいは有機イオンを該無機化合物の層間にインターカレートすること、
前記層状構造を持つ無機化合物の高配向薄膜が、ナノサイズ結晶粒子からなり、多孔質構造を有する酸化モリブデンを主成分とするものであること、該高配向薄膜へ水和アルカリイオンをインターカレートすること、及び該水和アルカリイオンと導電性ポリマーあるいは有機イオンとの置換反応を行うことを特徴とする上記VOCガスセンサの製造方法。
)前記無機化合物と格子定数が整合した金属酸化物単結晶基板上に、ナノサイズ結晶粒子からなり多孔質構造を有する高配向薄膜を作製することを特徴とする前記()記載のVOCガスセンサの製造方法。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、上述のように、層状構造を持つ無機化合物の、ナノサイズ結晶粒子からなり、多孔質構造を有する高配向薄膜に、水和アルカリ金属イオンをインターカレートし、更にこれを有機化合物と置換することにより、ナノサイズ結晶粒子からなり、多孔質構造を有する、導電性インターカレート型有機無機ハイブリッド薄膜センサを製造することを特徴とするものである。
本発明において、ナノサイズ結晶粒子からなり、多孔質構造を有する薄膜は、VOCガスに対するセンサ応答感度の向上に有効であると考えられる。インターカレーション型有機無機ハイブリッド材料の場合、VOCガスに対する、抵抗値が変化することによる応答は、ハイブリッド材料の層間、即ち、有機化合物層にVOCガス分子が、可逆的に挿入・脱離することによって発現する。インターカレーション型有機無機ハイブリッド材料は、層状構造を持つため、これを反映して、結晶粒子は板状であり、板状粒子のよく発達した面が、層方向と一致する。このような材料が、VOCガス雰囲気に曝された場合、VOCガス分子は、板状粒子の側面からのみ、粒子内に挿入することになる。板状結晶粒子が、そのよく発達した面が基板と平行になるように、薄膜を形成する場合、板状粒子のサイズが小さい程、板状粒子の側面、即ち、VOCガス分子と相互作用する場所が多くなり、感度向上に有効に働く。更に、板状粒子の側面から侵入したVOCガス分子は、粒子の中心部分へ向かって拡散するため、板状結晶粒子のサイズが小さい程、その拡散距離は短くなり、より短時間で、板状結晶粒子全体にVOCガス分子が分布することができ、感度向上と共に、応答速度特性も改善することができるものと考えられる。
水和アルカリ金属イオンのインターカレート、及び、これと有機化合物との置換反応は、層状構造を持つ無機化合物の微細構造、即ち、ナノサイズ結晶粒子からなり、多孔質構造を有するという微細構造を保持したまま進行する。従って、ナノサイズ結晶粒子からなり、多孔質構造を有するインターカレート型有機無機ハイブリッド薄膜を作製するためには、同様の微細構造を有する無機化合物の薄膜を作製すればよい。ナノサイズ結晶粒子からなり、多孔質構造を有するインターカレート型有機無機ハイブリッド薄膜を製造するにあたっては、(1)ナノサイズ結晶粒子からなり、多孔質構造を有する酸化モリブデン(MoO3 )の高配向薄膜の作製、(2)ナノサイズ結晶粒子からなり、多孔質構造を有する酸化モリブデン薄膜への水和アルカリイオンのインターカレート、(3)水和アルカリイオンと導電性ポリマーあるいは有機イオンとの置換反応、以上の3段階の工程を経る。以下、それぞれの工程について詳しく述べる。
まず、工程(1)において、作製する酸化モリブデン薄膜は、ナノサイズ結晶粒子からなり、多孔質構造を有することが重要である。具体的な結晶粒子サイズは、好ましくは200nm以下、より好ましくは100nm以下である。更に、層状構造を持つ酸化モリブデン層間に、例えば、ポリピロールがインターカレートすると、層間距離は約50%増加し、層と垂直方向に大きな体積膨張が発生する。このため、酸化モリブデン薄膜が無配向膜の場合は、インターカレーションの過程であらゆる方向に大きな歪みが生じ、膜が基板から剥離する。一方、酸化モリブデンの層方向が、基板と平行になるように配向した薄膜の場合、膨張方向が基板面と垂直方向のみになるため、剥離の問題を回避できる。従って、ナノサイズ結晶粒子からなり、多孔質構造を有することに加え、前駆体となる酸化モリブデン薄膜は、その層方向が、基板と平行になるように配向した薄膜である必要がある。
酸化モリブデンの製膜方法は、上記微細構造を有する膜が得られる方法であれば、特に限定されるものではないが、最も一般的なスパッタリング法では高真空下で製膜するため、製膜後、膜を十分に酸化させるために酸化雰囲気下でのアニール処理が必要となる。一方、原料を適切に選択することで、比較的低真空下での製膜が可能なCVD法は、製膜条件を最適化することで、アニール処理を行う必要がなくなり、効率的な薄膜の製造が可能となるため、本発明では、CVD法を採用した。CVD法におけるモリブデンソースについては、本発明では、ヘキサカルボニルモリブデン(Mo(CO)6 )を採用した。基板は、酸化モリブデンの格子整合性の観点から、格子定数のミスマッチの小さな、ペロブスカイト型構造を有する金属酸化物単結晶を選択した。具体的には、LaAlO3
の(100)面を採用したが、これらに限定されるものではない。
CVD法において、酸化モリブデンは、薄膜成長の初期段階においては、基板上に100nm以下のサイズの結晶が島状に分布し、製膜時間の増加と共に、それらが成長し、互いに合体して、やがて連続的な膜が形成される。ナノサイズ結晶粒子からなり、多孔質構造を有する薄膜の作製には、上記の薄膜成長の過程を利用することができる。製膜時間を短くすることにより、結晶粒成長が抑制され、ナノサイズ結晶粒子が基板上に得られる。しかしながら、薄膜成長の初期段階において見られるように、ナノサイズ結晶粒子が島状に存在している場合、インターカレーション反応により、個々の結晶粒子に導電性が付与されたとしても、粒子同士の接合がなく、薄膜の抵抗値は測定できない。従って、ナノサイズ結晶粒子同士が接合して、導電パスが確保される必要があり、そのためには、ナノサイズ結晶粒子の数を増加させなくてはならない。製膜時間を抑えつつ、ナノサイズ結晶粒子の数を増加させる、という課題に対して、製膜中の真空度を高めることで、モリブデンソースとして使用している、ヘキサカルボニルモリブデンの揮発量を増加させ、原料ガス濃度を大きくすることで対応することができる。
CVD法において、重要な製膜条件は、(1)基板温度、(2)製膜時間、(3)真空度、(4)ソース温度、(5)キャリヤガス種、(6)基板材料、の6項目である。以下に、ナノサイズ結晶粒子からなり、多孔質構造を有する配向酸化モリブデン薄膜を作製するために必要なそれぞれの条件について説明する。
ヘキサカルボニルモリブデンを原料としたCVD法における基板温度は、通常、400〜540℃、好ましくは480〜520℃である。基板温度が400℃以下の場合は、酸化モリブデンが十分に結晶化しない。一方、540℃以上の場合は、MoO3 に対して酸素量の少ない結晶相が、不純物として析出する。
製膜時間は、真空度及びソース温度にも依存するが、通常、5〜60秒、好ましくは10〜30秒である。製膜時間が5秒以下の場合は、ナノサイズ結晶粒子が島状になる。一方、60秒以上の場合は、結晶粒成長が進行し、結晶粒子サイズがミクロンオーダーとなる。なお、本発明において、ソースとして用いたヘキサカルボニルモリブデンは、ソース温度が20〜25℃程度においても、真空下では容易に揮発するため、製膜の際は、まず、基板温度が所定の温度に保持された後に、真空ポンプを作動させ、これを製膜開始時刻とした。即ち、ここでいう製膜時間は、真空ポンプを作動させることによりソースの供給は開始してから、系内の圧力を常圧に戻すことで、ソースの供給を終了させるまでの時間として定義している。
真空度は、ソースの揮発量に影響を与え、通常、20Torr以下、好ましくは、3Torr以下である。真空度が20Torr以上の場合は、MoO3 に対して酸素量の少ない結晶相が、不純物として析出する。ソース温度は、揮発量に影響を与え、通常室温〜60℃、好ましくは室温〜40℃である。キャリヤガスには、酸素ガスを用い、流量は50〜300ml、好ましくは70〜150mlである。キャリヤガスに窒素、あるいはアルゴンなどの不活性ガスを用いた場合、MoO3
に対して酸素量の少ない結晶相が、不純物として析出する。基板には、格子定数のミスマッチの小さな、ペロブスカイト型構造を有するLaAlO3 (100)単結晶を用いた。この基板を用いることで、酸化モリブデンの層方向が基板表面と平行になるように配向した、酸化モリブデン薄膜が成長する。
上記した条件で作製した薄膜のX線回折パターンにおいて観察される回折ピークはすべて(0k0)で指数付け可能であり、それ以外の指数を持つ回折ピークがほとんど観察されないことから、当該酸化モリブデン薄膜が、層方向が基板と平行になるように配向していることが確認できた。更に、電子顕微鏡観察、及び原子間力顕微鏡観察から、当該薄膜が、200nm以下のナノサイズ結晶粒子からなり、多孔質構造を有する薄膜であることが確認できる。
次に、工程(2)の酸化モリブデン薄膜への水和アルカリイオンのインターカレートを行う。蒸留水を10分程度アルゴンガスでバブリングした後、亜ジチオン酸ナトリウム(Na224 )及びモリブデン酸ナトリウム(Na2
MoO4 )を添加し、攪拌することで、これらを溶解する。ここへ(1)で作製した、ナノサイズ結晶粒子からなる酸化モリブデン配向多孔質薄膜を浸積する。浸積時間は、通常、5〜120秒、好ましくは10〜60秒程度である。この間、無色の酸化モリブデン薄膜は青色に変化し、酸化モリブデンが還元されると共に、水和ナトリウムイオンがインターカレートしたことが確認できる。浸積後、薄膜を蒸留水で洗浄し乾燥することで、酸化モリブデン層間に水和ナトリウムイオンがインターカレートした〔Na(H2
O)2x MoO3 薄膜が得られる。インターカレーション反応の進行は、X線回折パターンから確認できる。水和ナトリウムイオンのインターカレーションにより、酸化モリブデンの層間が広がり、このため、(0k0)に指数付けされる回折ピークは低角度側にシフトする。
次に、工程(3)の水和アルカリイオンと導電性ポリマーあるいは有機イオンとの置換反応を行う。代表的な導電性ポリマーである、ポリピロールとの置換反応では、まず、蒸留水にピロールを加え、超音波ホモジナイザーを用いて十分に攪拌混合した後、酸化剤を添加し、更に攪拌する。ここへ、(2)で作製した〔Na(H2 O)2x MoO3
薄膜を浸積する。浸積時間は、通常、3秒〜5分、好ましくは10〜60秒程度である。薄膜を取り出し、洗浄、乾燥することでPPyx MoO3
薄膜が得られる。ここで用いる酸化剤はピロールを酸化させ得るものであれば特に制限されず、塩化鉄、ペルオキソ2硫酸アンモニウム、硝酸鉄などを例示することができる。ピロールの添加量は、〔Na(H2
O)2x MoO3 に対して、通常、50〜200倍当量、好ましくは100〜150倍当量である。酸化剤の添加量は〔Na(H2
O)2x MoO3 に対して、通常、1〜3倍当量、好ましくは1.5〜2倍当量である。
有機イオンとの置換反応においては、例えば、有機イオンとしてブチルアンモニウムイオン(C4 9 NH3 + )を用いる場合、まず、ブチルアンモニウムクロライド(C4
9 NH3 Cl)を蒸留水に溶解し、ここに、〔Na(H2 O)2x
MoO3 薄膜を浸積する。浸積時間は、通常、3秒〜10分、好ましくは5〜60秒程度である。薄膜を取り出し、洗浄、乾燥することで(C4
9 NH3x MoO3 薄膜が得られる。C4
9 NH3 Clの添加量は〔Na(H2 O)2x
MoO3 に対して、通常、1〜10倍当量、好ましくは2〜7倍当量である。
あらかじめ金電極を蒸着した基板を用いて、上記プロセスを経ることで、作製したセンサ素子のVOCガスに対するセンサ特性を評価した。通常、VOCガスに対して、既存のn型半導体酸化物からなる抵抗変化型のセンサは抵抗値が低下することで応答する。しかしながら、本発明によって得られた、インターカレーション型有機無機ハイブリッド薄膜センサは、有機物として導電性ポリマーから構成されるもの、有機物として有機イオンから構成されるもの、いずれの試料においても、VOCガスに対してセンサ抵抗が増加することで応答する。更に、本発明による、ナノサイズ結晶粒子からなり、多孔質構造を有すること特徴とするPPyx MoO3 薄膜センサの、代表的なVOCであるホルムアルデヒドガスに対する応答感度は、ミクロサイズの結晶粒子からなる緻密なPPyx
MoO3 薄膜センサに比較して、数倍程度向上した。
本発明の、ナノサイズ結晶粒子からなり、多孔質構造を有すること特徴とする有機無機ハイブリッド薄膜センサの製造方法では、上記酸化モリブデン、及びポリピロールあるいはブチルアンモニウムイオンを用いた場合と同様の方法を、酸化モリブデン及びポリピロール、あるいはブチルアンモニウムイオン以外の層状無機化合物、及び導電性ポリマー、あるいは有機イオンにも適用することができる。ナノサイズ結晶粒子からなり、多孔質構造を有すること特徴とする、導電性有機無機ハイブリッド薄膜によるガスセンサを形成できる層状無機化合物としては、例えば、酸化タングステン、酸化バナジウム、酸化ニオブ、塩化ルテニウム、酸塩化鉄、硫化モリブデン等が、また、導電性ポリマーとしては、例えば、ポリアニリン、ポリチオール、ポリエチレンオキサイド等が、また有機イオンとしては、例えば、テトラブチルアンモニウムイオン、ドデシルトリメチルアンモニウムイオン等が挙げられるが、これらに制限されるものではなく、これらと同効あるいは類似のものであれば、同様に使用することができる。
本発明により、(1)ナノサイズ結晶粒子からなり、多孔質構造を有すること特徴とする、導電性のインターカレート型有機無機ハイブリッド薄膜センサを製造できる、(2)該有機無機ハイブリッド薄膜センサは、VOCガスに対してセンサ応答感度が向上する、(3)高感度化学センサ部材を提供することができる、という格別の効果が奏される。
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
(1)ナノサイズ結晶粒子からなり、多孔質構造を有するMoO3 薄膜の作製
ナノサイズ結晶粒子からなり、多孔質構造を有するMoO3 薄膜の作製には、CVD法を用いた。基板として、金櫛型電極を蒸着した10mm角のLaAlO3 (100)単結晶を用いた。基板は加熱用ヒーターを持つホルダーにセットした。モリブデンソースであるヘキサカルボニルモリブデン(Mo(CO)6
)0.2gを石英ガラスボートに入れ、ソース室にセットし、ソース室を60℃にした。試料室及びソース室を含む系全体に酸素ガス(150ml/min)流し、試料室部分を電気炉により460℃に加熱し、更に基板加熱用ヒーターにより基板温度を500℃にした。基板温度が安定した後、系全体を真空ポンプで排気し、真空度2.3Torrに調整した。系全体を減圧にした段階で、Mo(CO)6
の揮発が始まり、MoO3 膜の成長が開始した。系全体を真空ポンプで排気してから、真空度が2.3Torrに達するまでの18秒間、製膜した後、系全体を大気圧に戻した。これにより、ソースの揮発が抑制され、製膜が終了する。この18秒間の製膜プロセスを合計3回繰り返した。得られた薄膜のX線回折パターンを図1に示す。観測される回折ピークは、基板からのピークを除けば、層状構造を持つMoO3
の(0k0)に指数付けが可能であり、MoO3 のb軸配向膜が成長している。
(2)水和ナトリウムイオンのインターカレーション
なす型フラスコ中で蒸留水25mlを20分間アルゴンガスでバブリングした後、亜ジチオン酸ナトリウムNa224 (0.4g,2.2mmol)及びモリブデン酸ナトリウムNa2
MoO4 2H2 O(6g,24.8mmol)を添加し、攪拌することで、これらを溶解した。ここへ、(1)で得られたMoO3
薄膜を50秒間浸積した。この間、無色の三酸化モリブデン薄膜は青色に変化した。浸積後、薄膜を蒸留水で洗浄し、空気中125℃で約30分間乾燥した。この薄膜試料のX線回折パターンを図2(b)に、MoO3
薄膜と比較して示す。(010)で指数付けされるピークが観測されるが、これらのピークはMoO3 に比較して低角度側にシフトしており、層間距離が増加していることが分かる。図2(a)から求めた層間距離は、0.97nmであり、MoO3
の層間距離(0.69nm)に比べて0.28nm増加している。この層間距離の広がりは、水和ナトリウムイオンNa(H2 O)2 がインターカレーションした場合に相当することから、〔Na(H2
O)2x MoO3 薄膜が生成していることが確認できた。
(3)PPyx MoO3 薄膜の作製
蒸留水25mL中にピロール(2.0ml,28.9mmol)を加え、超音波ホモジナイザーで3分間処理した後、酸化剤として塩化鉄FeCl3 (0.086g,0.51mmol)を加え、室温で10分間攪拌した。ここへ、上記〔Na(H2
O)2x MoO3 薄膜を2分間浸積した。ここで、薄膜を取り出し、エタノール20mlを添加した上記溶液中に再度20秒間浸積させた後、蒸留水で1回洗浄し、空気中90℃で約20分間乾燥した。この薄膜試料のX線回折パターンを図2(c)にMoO3
薄膜及び〔Na(H2 O)2 x MoO3 薄膜と比較して示す。(010)で指数付けされるピークが観測されるが、これらのピークは〔Na(H2
O)2x MoO3 に比較して低角度側にシフトしており、層間距離が増加していることが分かる。図2(c)から求めた層間距離は、1.47nmであり、MoO3
の層間距離(0.69nm)に比べて0.78nm増加している。この層間距離の広がりは、ポリピロールがインターカレーションした場合に相当することから、PPyx
MoO3 薄膜が生成していることが確認できた。図3に、PPyx MoO3 薄膜の原子間力顕微鏡写真を示す。図3より、80−200nmの結晶粒子サイズを持つ、多孔質PPyx
MoO3 薄膜が生成していることが確認できた。
(4)電気的特性及びセンサ特性の評価
上記(3)で得られたPPyx MoO3
薄膜の、直流2端子法で測定した電気抵抗値は、室温で0.45MΩであった。PPyx MoO3 薄膜センサのホルムアルデヒドガスに対するセンサ特性を電気抵抗値の変化で評価した。図4に、ホルムアルデヒドガスに対する応答感度((Rgas
−Ra )/Ra :Ra は初期抵抗値、Rgas はガス雰囲気中での抵抗値)のホルムアルデヒドガス濃度依存性を、ミクロンサイズの結晶粒子からなる緻密なPPyx
MoO3 薄膜と比較して示す。ここで作製した、ナノサイズ結晶粒子からなり、多孔質構造を有するPPyx MoO3
薄膜の感度は、ミクロンサイズの結晶粒子からなる緻密なPPyx MoO3 薄膜に比べて、数倍向上した。
本実施例では、MoO3 薄膜を作製する際のソース温度を40℃としたこと、製膜時間を18秒としたこと、真空度を1.6Torrとしたこと以外は、実施例1の方法に準じて、PPyx
MoO3 薄膜を作製した。MoO3 薄膜、〔Na(H2 O)2y
MoO3 薄膜、及びPPyy MoO3 薄膜のX線回折図を図5に示す。実施例1の場合と同様に、インターカレーションにより、層間距離が大きくなり、PPyx
MoO3 薄膜が生成していることが確認できた。図6に、PPyx MoO3 薄膜の原子間力顕微鏡写真を示す。図6より、40−150nmの結晶粒子サイズを持つ、多孔質PPyx
MoO3 薄膜が生成していることが確認できた。実施例1のPPyx MoO3 薄膜より、更に、ナノサイズ粒子化が進んでいる。
図7に、ホルムアルデヒドガスに対する応答感度のホルムアルデヒドガス濃度依存性を、実施例1の(PPy)x MoO3 薄膜、及びミクロンサイズの結晶粒子からなる緻密な(PPy)x
MoO3 薄膜と比較して示す。ここで作製した、(PPy)x MoO3 薄膜は、実施例1に比べて、更に、微細粒子化されており、これを反映して、応答感度も向上した。
以上詳述したように、本発明は、高感度有機無機ハイブリッド薄膜センサ及びその製造方法に係るものであり、本発明により、ナノサイズ結晶粒子からなり、多孔質構造を有すること特徴とする、導電性のインターカレート型有機無機ハイブリッド薄膜センサを提供することができる。該有機無機ハイブリッド薄膜センサは、VOCガスに対してセンサ応答感度が向上させる。本発明により、センサ感度を向上させた新しい化学センサ部材を提供することができる。
実施例1に示すMoO3 薄膜のX線回折パターンを示す図である。 実施例1に示すMoO3 薄膜(a)、〔Na(H2 O)2y MoO3薄膜(b)、及び(PPy)x MoO3 薄膜(c)のX線回折パターンを示す図である。 実施例1に示す(PPy)x MoO3 薄膜の原子間力顕微鏡像を示す図である。 実施例1に示す、ナノサイズ結晶粒子からなり、多孔質構造を有する(PPy)x MoO3 薄膜(●)、及びミクロンサイズ結晶粒子からなる緻密な(PPy)x MoO3薄膜(○)の、センサ応答感度のホルムアルデヒドガス濃度依存性を示す図である。 実施例2に示すMoO3 薄膜(a)、〔Na(H2 O)2y MoO3薄膜(b)、及び(PPy)x MoO3 薄膜(c)のX線回折パターンを示す図である。 実施例1に示す薄膜センサの各種VOCガスに対するセンサ感度を示す図である。 実施例2に示す、ナノサイズ結晶粒子からなり、多孔質構造を有する(PPy)x MoO3 薄膜(▲)、実施例1に示す、(PPy)x MoO3 薄膜(●)及びミクロンサイズ結晶粒子からなる緻密な(PPy)xMoO3 薄膜(○)の、センサ応答感度のホルムアルデヒドガス濃度依存性を示す図である。

Claims (5)

  1. 基板と、該基板上に作製された、電極と、及び、層状構造を持つ無機化合物からなり層方向が基板と平行になるように配向した高配向薄膜に有機化合物からなる導電性ポリマーあるいは有機イオンを該無機化合物の層間においてインターカレートした構造を有する導電性有機無機ハイブリッド薄膜と、から構成される、VOCガスに対して抵抗値が変化することで応答するVOCガスセンサであって、
    前記層状構造を持つ無機化合物の高配向薄膜が、ナノサイズ結晶粒子からなり、多孔質構造を有する酸化モリブデンを主成分とするものであり、ミクロンサイズの結晶粒子からなる薄膜と比べてVOCガスに対するセンサ応答感度を向上させたものであることを特徴とする上記VOCガスセンサ。
  2. 多孔質構造を持つ高配向薄膜に、水和アルカリ金属イオンをインターカレートし、更にこれを有機化合物と置換した構造を有することを特徴とする請求項1記載の導電性有機無機ハイブリッド薄膜センサ。
  3. 前記無機化合物と格子定数が整合した金属酸化物単結晶基板上に作製された、ナノサイズ結晶粒子からなり、多孔質構造を有する、高配向薄膜を用いることを特徴とする請求項1又は2記載の有機無機ハイブリッド薄膜センサ。
  4. 基板と、該基板上に作製された、電極と、及び、導電性有機無機ハイブリッド薄膜と、から構成される、VOCガスに対して抵抗値が変化することで応答するVOCガスセンサを製造する方法であって、
    層状構造を持つ無機化合物からなり層方向が基板と平行になるように配向した高配向薄膜に有機化合物からなる導電性ポリマーあるいは有機イオンを該無機化合物の層間にインターカレートすること、
    前記層状構造を持つ無機化合物の高配向薄膜が、ナノサイズ結晶粒子からなり、多孔質構造を有する酸化モリブデンを主成分とするものであること、該高配向薄膜へ水和アルカリイオンをインターカレートすること、及び該水和アルカリイオンと導電性ポリマーあるいは有機イオンとの置換反応を行うことを特徴とする上記VOCガスセンサの製造方法。
  5. 前記無機化合物と格子定数が整合した金属酸化物単結晶基板上に、ナノサイズ結晶粒子からなり多孔質構造を有する高配向薄膜を作製することを特徴とする請求項記載のVOCガスセンサの製造方法。
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