JP2005179115A - 有機無機ハイブリッド薄膜及びその作製方法 - Google Patents

有機無機ハイブリッド薄膜及びその作製方法 Download PDF

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【課題】 三酸化モリブデン(MoO3 )を主成分とする導電性の有機無機ハイブリッド薄膜を製造する方法、及びその導電性有機無機ハイブリッド薄膜等を提供する。
【解決手段】 下記工程を含むことを特徴とする電気伝導性有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法であって、三酸化モリブデンの高配向薄膜を作製し、そこへ化学反応により導電性ポリマー或いは有機イオンをインターカレートすることを特徴とする、電気伝導性を有する有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法、該方法により作製される、室温、空気中での導電率が10-6Scm-1以上である導電性薄膜、及び上記導電性薄膜を構成要素として含む導電性部材及びセンサ部材。
【選択図】図7

Description

本発明は、有機無機ハイブリッド薄膜及びその製造方法等に関するものであり、更に詳しくは、金属酸化物単結晶基板上に作製した酸化モリブデンの高配向薄膜に、ポリピロール等の導電性ポリマーあるいはブチルアンモニウム塩等の有機イオンをインターカレートする方法で、膜厚が均一で、高品質の電気伝導性有機無機ハイブリッド薄膜を製造する方法、及び該方法により作製される有機無機ハイブリッド薄膜に関するものである。
本発明は、有機化合物と無機化合物をナノレベルで複合化した高機能性ハイブリッド材料の技術分野において、従来のハイブリッド薄膜では、基板との密着性に問題があり、また、容易に剥離しやすいという問題があり、更に、優れた導電性を有するハイブリッド材料は得られていないことを踏まえ、有機化合物と無機化合物で機能を分担させると共に、これらを微細なナノレベルで複合化することにより、従来製品における諸問題を抜本的に解決することを可能とする、例えば、酸化モリブデンを主成分とする導電性有機無機ハイブリッド薄膜の製造技術を確立することに成功したものであり、本発明は、例えば、エレクトロデバイス材料として使用し得る高品質の導電性有機無機ハイブリッド薄膜を製造することを可能とする新規導電性有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法、及びその製品、特に、VOCガスに対してセンサ抵抗が増加することで応答する新しいタイプの化学センサ部材を提供するものとして有用である。
有機無機ハイブリッド材料は、無機化合物の持つ優れた耐熱性及び機械的強度と、有機化合物の持つ優れた化学的特性を併せ持つ、新しいタイプの材料であり、光学的特性、電気的特性、あるいは機械的特性等の特徴ある機能を有するため、このハイブリッド材料は、様々な分野への応用が期待されている。その中で、電気伝導性を示す有機無機ハイブリッド材料は、例えば、発光素子、トランジスタ、電池、化学センサ等への応用に高いポテンシャルを持つことが報告されている。
特に、化学センサへの応用に関しては、分子認識機能を持つ有機化合物と、検知対象ガスの有無という化学的情報を電気的な信号に変換して外部に出力できる機能を持つ無機化合物を、ナノレベルで複合化したハイブリッド材料を用いることが、ガス選択性の向上に有効である。これは、有機化合物と無機化合物で機能を分担させると共に、これらを微細なレベルで複合化することにより、有機化合物の持つ高選択性と、無機化合物の持つ高い安定性を兼ね備え、且つ信号を容易に外部に取り出せるセンサが作製できるという新しい概念であり、この概念をもとに作製されたインターカレート型の有機無機ハイブリッド材料は、揮発性有機化合物ガスに対して優れたガス選択性を有することが期待される。
ガスセンサの例からも分かるように、従来、優れた機能を持つ有機無機ハイブリッド材料が多く報告されているが、例えば、これらの素子としての応用には、薄膜化技術の開発が必要不可欠である。一般に、無機化合物あるいは有機化合物、それぞれの化合物の薄膜は、例えば、スパッタリング法、レーザーアブレーション法、分子線エピタキシー法、電子ビーム蒸着法、有機金属化学気相成長法、ゾルゲル法、塗布熱分解法等で作製されている。しかしながら、有機無機ハイブリッド材料では、構成物質である無機化合物と有機化合物の蒸気圧や化学的性質が大きく異なるため、上記従来用いられている手法での薄膜化は容易ではない。
これまで、インターカレート型の有機無機ハイブリッド材料に対して報告されている代表的な薄膜化技術は、層状構造を持ちホストとなる無機化合物とゲストとなる有機化合物を溶媒中でコロイド状態にして、これを基板上に自己集合現象を利用して製膜する手法である(Delamination/Reassembling Process) (非特許文献1〜3)。
一方、無機化合物が、例えば、PbI4 の様な金属ハロゲン化物の場合は、無機化合物の蒸気圧が比較的高いため、熱蒸着法により薄膜化が達成されている(特許文献1,非特許文献4)。また、遷移金属酸化物をホストとし、有機イオンをゲストとするインターカレート型有機無機ハイブリッド薄膜が、ホスト化合物を製膜した後、ゲスト化合物をインターカレートする方法によりに作製されている(特許文献2)。
Delamination/Reassembling Process では、金属酸化物をホストとする導電性のハイブリッド薄膜が作製できるが、この薄膜は、基板との密着性に問題があり、容易に剥離しやすいという問題点がある。熱蒸着法は、特殊な無機化合物にのみ適用できる方法である。また、ホストとなる無機化合物を製膜後、ゲストとなる有機イオンをインターカレートする手法では、導電性のハイブリッド膜は得られていない。以上の様に、酸化モリブデンを主成分とする導電性有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法は、未だ確立されていないのが現状である。
特開2002−198539号公報 特表2002−114593号公報 Chem. Mater., 14, 4800-4806 (2002) Chem. Mater., 15, 2873-2878 (2003) Chem. Mater., 9, 857-878 (1997) IBM J. Res. & Dev. 45, 29-45 (2001)
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、三酸化モリブデン(MoO3 )を主成分とする導電性の有機無機ハイブリッド薄膜を製造する方法を開発することを目標として鋭意研究を重ねた結果、無機化合物と格子定数が類似した金属酸化物単結晶基板上にCVD法で作製した酸化モリブデンの高配向膜に、まず、水和ナトリウムイオンをインターカレートし、更に、導電性ポリマーあるいは有機イオンと置換する方法により、基板との密着性に優れ、均質な有機無機ハイブリッド薄膜を得ることができ、得られた薄膜は、電気伝導性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、導電性を有する高品質の有機無機ハイブリッド薄膜を製造する方法、その有機無機ハイブリッド薄膜、及び導電性部材、更には、新しいタイプのセンサ部材を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)層状構造を持つ無機化合物の高配向薄膜に、水和アルカリ金属イオンをインターカレートし、更に、これを有機化合物と置換したことを特徴とする導電性有機無機ハイブリッド薄膜。
(2)前記層状構造を持つ無機化合物が、酸化モリブデンを主成分とすることを特徴とする前記(1)記載の有機無機ハイブリッド薄膜。
(3)前記有機化合物が、導電性ポリマーであることを特徴とする前記(1)記載の有機無機ハイブリッド薄膜。
(4)前記有機化合物が、有機イオンであることを特徴とする前記(1)記載の有機無機ハイブリッド薄膜。
(5)前記無機化合物と格子定数が類似した金属酸化物単結晶基板上に作製した高配向薄膜を用いることを特徴とする前記(1)記載の有機無機ハイブリッド薄膜。
(6)導電性有機無機ハイブリッド薄膜を製造する方法であって、
1)層状構造を持つ無機化合物の高配向薄膜を作製する、
2)上記高配向薄膜に水和アルカリ金属イオンをインターカレートする、
3)これを有機化合物と置換する、
ことを特徴とする有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法。
(7)前記層状構造を持つ無機化合物が、酸化モリブデンを主成分とすることを特徴とする前記(6)記載の有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法。
(8)前記有機化合物が、導電性ポリマーであることを特徴とする前記(6)記載の有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法。
(9)前記有機化合物が、カチオン性有機化合物であることを特徴とする前記(6)記載の有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法。
(10)前記無機化合物と格子定数が類似した金属酸化物単結晶基板上に作製した高配向薄膜を用いることを特徴とする前記(6)記載の有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法。(11)前記(1)から(5)のいずれかに記載の有機無機ハイブリッド薄膜を構成要素として含むことを特徴とする導電性部材。
(12)前記(1)から(5)のいずれかに記載の有機無機ハイブリッド薄膜を構成要素として含むことを特徴とする化学センサ部材。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、上述のように、層状構造を持つ無機化合物の高配向薄膜に、水和アルカリ金属イオンをインターカレートし、更に、これを有機化合物と置換することにより導電性を有するインターカレート型の有機無機ハイブリッド薄膜を製造することを特徴とするものである。本発明において、インターカレート型の有機無機ハイブリッド薄膜を製造するには、(1)三酸化モリブデン(MoO3 )の高配向薄膜の作製、(2)三酸化モリブデン薄膜への水和アルカリイオンのインターカレート、及び、(3)水和アルカリイオンと導電性ポリマーあるいは有機イオンとの置換反応、の3段階の工程を経る必要がある。以下に、それぞれの工程について詳しく説明する。
まず、工程(1)において作製する三酸化モリブデン薄膜は、層状構造を有する三酸化モリブデンの層方向が基板と平行になる様に配向していることが重要である。図1に、三酸化モリブデンの結晶構造の模式図を示す。モリブデンには6個の酸素が配位し、八面体構造を形成している。この八面体は、稜共有により2次元に広がったシートとなり、これらが積層することで層構造を形成する。結晶軸は、層と垂直な方向がb軸に対応し、層方向はac面と平行である。この様な構造を持つ三酸化モリブデン層間に、例えば、ポリピロールがインターカレートすると、層間距離は約50%増加し、b軸方向に大きな体積膨張が発生する。このため、三酸化モリブデン薄膜が無配向膜の場合は、インターカレーションの過程であらゆる方向に大きな歪みが生じ、膜が基板から剥離する。
一方、層状構造を持つ三酸化モリブデンの層方向が基板と平行になるように配向した薄膜の場合、膨張方向が基板面と垂直方向のみになるため、剥離の問題を回避できる。従って、目標とする三酸化モリブデンをホスト化合物としたインターカレート型の有機無機ハイブリッド薄膜の作製のためには、前駆体となる三酸化モリブデン薄膜が、層方向が基板と平行になるように配向した薄膜である必要がある。
三酸化モリブデンの製膜方法は、上記配向膜が得られる方法であれば特に限定されるものではないが、最も一般的なスパッタリング法では、高真空下で製膜するため、製膜後、膜を十分に酸化させるために、酸化雰囲気下でのアニール処理が必要となる。一方、原料を適切に選択することで比較的低真空下での製膜が可能なCVD法では、製膜条件を最適化することで、アニール処理を行う必要がなくなり、効率的な薄膜な製造が可能となるため、本発明では、好適には、例えば、CVD法が使用される。
CVD法におけるモリブデン源については、効率的な製膜という観点から、できるだけ低い真空条件で製膜することが望ましいため、低真空下でも高い蒸気圧を発生できる化合物を選択する必要がある。本発明では、好適には、例えば、ヘキサカルボニルモリブデン(Mo(CO)6 )が使用されるが、これに制限されない。基板には、三酸化モリブデンのac面との格子整合性の観点から、例えば、格子定数のミスマッチの小さな、ペロブスカイト型構造を有する金属酸化物単結晶が使用される。具体的には、LaAlO3あるいはSrTiO3 の(100)面が使用されるが、これらに限定されるものではない。
ヘキサカルボニルモリブデンを原料としたCVD法における基板温度は、通常、400〜540℃、好ましくは480〜520℃である。基板温度が400℃以下の場合は、三酸化モリブデンが十分に結晶化しない。一方、540℃以上の場合は、MoO3 に対して酸素量の少ない結晶相が不純物として析出する。キャリヤガスには、酸素ガスを用い、流量は50〜300ml、好ましくは70〜150mlである。真空度は1〜15Torr、好ましくは3〜10Torrである。製膜時間は、膜厚と相関関係があり、製膜時間を長くするに従って膜厚は増加するが、通常、5〜90分、好ましくは10〜30分程度である。
膜厚に関しては、製膜時の基板温度、及び真空度にも依存する。一例として、基板温度500℃、酸素ガス流量100ml/min、真空度7Torr、製膜時間15分で製膜した三酸化モリブデン薄膜の膜厚は110nmである。作製した薄膜のX線回折パターンにおいて観察される回折ピークはすべて(0k0)で指数付け可能であり、それ以外の指数を持つ回折ピークがほとんど観察されないことから、当該三酸化モリブデン薄膜がb軸配向、即ち、図1に示す層方向が基板と平行になるように配向していることが確認できる。
一方、例えば、基板に三酸化モリブデンと格子定数のミスマッチの大きなMgO(100)単結晶を用いた場合は、同様の製膜条件においても、不純物相は見られないものの、X線回折パターンに(0k0)以外の指数を持つ回折ピークが観察され、十分なb軸配向膜は得られない。なお、ヘキサカルボニルモリブデンは、室温においても上記程度の真空下であれば十分に高い蒸気圧を発生するため、特に加熱する必要はない。以上の様に、当該製造方法により、三酸化モリブデンのb軸配向膜が製膜後の熱処理を施すことなく、短時間で作製することができる。
次に、工程(2)で、三酸化モリブデン薄膜への水和アルカリイオンのインターカレートを行う。蒸留水を10分程度アルゴンガスでバブリングした後、亜ジチオン酸ナトリウム(Na224 )及びモリブデン酸ナトリウム(Na2MoO4 )を添加し、攪拌することで、これらを溶解する。ここへ、三酸化モリブデン配向薄膜を浸積する。浸積時間は、通常、5〜120秒、好ましくは10〜60秒程度である。この間、無色の三酸化モリブデン薄膜は青色に変化し、三酸化モリブデンが還元されるとともに、水和ナトリウムイオンがインターカレートしたことが確認できる。
上記浸積後、薄膜を蒸留水で洗浄し、乾燥することで、酸化モリブデン層間に水和ナトリウムイオンがインターカレートした〔Na(H2 O)2x MoO3薄膜が得られる。インターカレーション反応の進行は、X線回折パターンから確認できる。水和ナトリウムイオンのインターカレーションにより、三酸化モリブデンの層間が広がり、このため、(0k0)に指数付けされる回折ピークは低角度側にシフトする。
次に、工程(3)で、水和アルカリイオンと導電性ポリマーあるいは有機イオンとの置換反応を行う。例えば、代表的な導電性ポリマーであるポリピロールとの置換反応では、まず、蒸留水にピロールを加え、超音波ホモジナイザーを用いて十分に攪拌混合した後、酸化剤を添加し、更に攪拌する。ここへ、上記〔Na(H2 O)2x MoO3薄膜を浸積する。浸積時間は、通常、3〜5分、好ましくは10〜60秒程度である。薄膜を取り出し、洗浄、乾燥することで、PPyxMoO3 薄膜が得られる。
ここで用いる酸化剤は、ピロールを酸化させ得るものであれば特に制限されず、塩化鉄、ペルオキソ2硫酸アンモニウム、硝酸鉄などを例示することができる。ピロールの添加量は、〔Na(H2 O)2x MoO3に対して、通常、50〜200倍当量、好ましくは100〜150倍当量である。酸化剤の添加量は、〔Na(H2 O)2xMoO3 に対して、通常、1〜3倍当量、好ましくは1.5〜2倍当量である。
有機イオンとの置換反応においては、例えば、有機イオンとしてブチルアンモニウムイオン(C49 NH3 + )を用いる場合、まず、ブチルアンモニウムクロライド(C49 NH3 Cl)を蒸留水に溶解し、ここに、〔Na(H2 O)2xMoO3 薄膜を浸積する。浸積時間は、通常、3〜15分、好ましくは5〜10分程度である。薄膜を取り出し、洗浄、乾燥することで(C49 NH3x MoO3 薄膜が得られる。C49 NH3 Clの添加量は、〔Na(H2 O)2xMoO3 に対して、通常、1〜10倍当量、好ましくは2〜7倍当量である。
上記工程(1)の説明で示した、MgO(100)単結晶基板上に作製したMoO3 薄膜を用いて、上記と同様の方法で水和ナトリウムイオンのインターカレーション反応を行うと、反応の進行に伴い薄膜が基板から剥離する。これは、MgO基板上のMoO3薄膜のb軸配向性が十分ではないため、インターカレーションに伴う体積膨張により、あらゆる方向に歪みが生じたためであると考えられる。LaAlO3あるいはSrTiO3 に比較して、MgOでは三酸化モリブデンとの格子定数のマッチングが悪く、b軸配向膜が成長しない。従って、インターカレーション反応より有機無機ハイブリッド薄膜を作製するためには、ホストとなる三酸化モリブデンの高配向膜を作製することが必要不可欠である。
当該有機無機ハイブリッド薄膜に金電極を蒸着することにより作製したセンサ素子は、VOCガスに対する優れたセンサ特性を有する。通常、VOCガスに対して、既存のn型半導体酸化物からなる抵抗変化型のセンサは、抵抗値が低下することで応答する。しかしながら、本発明によって得られた薄膜センサは、有機物として導電性ポリマーから構成されるもの、及び有機物として有機イオンから構成されるもの、のいずれの試料においても、VOCガスに対してセンサ抵抗が増加することで応答する。更に、本発明によるセンサは、室温で応答を示すため、特に、加熱機構等を必要としないことから、センサユニットの小型化が可能となる。
本発明の有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法では、上記酸化モリブデン及びポリピロールあるいはブチルアンモニウムイオンを用いた場合と同様の方法を、酸化モリブデン及びポリピロールあるいはブチルアンモニウムイオン以外の層状無機化合物及び導電性ポリマーあるいは有機イオンにも適用することができる。導電性を有する有機無機ハイブリッド薄膜によるガスセンサを形成できる層状無機化合物としては、例えば、酸化タングステン、酸化バナジウム、酸化ニオブ、塩化ルテニウム、酸塩化鉄、硫化モリブデン等が、また、導電性ポリマーとしては、例えば、ポリアニリン、ポリチオール、ポリエチレンオキサイド等が、また、有機イオンとしては、例えば、テトラブチルアンモニウムイオン、テトラフェニルホスホニウムイオン等が挙げられるが、これらに制限されるものではなく、これらと同効あるいは類似のものであれば、同様に使用することができる。
本発明により、(1)有機化合物と無機化合物を分子レベルで複合化した、導電性の新規インターカレート型有機無機ハイブリッド薄膜材料を簡便なプロセスにより製造し、提供できる、(2)酸化モリブデンを主成分とする導電性有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法及びその製品を提供できる、(3)膜厚が均一で、エレクトロデバイス材料等として使用し得る高品質の導電性有機無機ハイブリッド薄膜を製造できる、(4)VOCガスに対してセンサ抵抗が増加することで応答する新しいタイプのセンサ素子を提供できる、(5)無機化合物をホストとし、有機化合物をゲストとしたインターカレート型の有機無機ハイブリッド薄膜を作製できる、(6)該ハイブリッド薄膜は、例えば、導電性部材、センサ部材の材料として有用である、という格別の効果が奏される。
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
(1)MoO3 薄膜の作製
MoO3 薄膜の作製にはCVD法を用いた。基板として10mm角のLaAlO3(100)単結晶を用いた。基板は、加熱用ヒーターを持つホルダーにセットした。モリブデンソースであるヘキサカルボニルモリブデン(Mo(CO)6)0.9gを石英ガラスボートに入れ、ソース室にセットした。試料室及びソース室を含む系全体に酸素ガス(100ml/min)流し、試料室部分を電気炉により460℃に加熱し、更に、基板加熱用ヒーターにより基板温度を500℃にした。基板温度が安定した後、系全体を真空ポンプで排気し、真空度7Torrに調整した。系全体を減圧にした段階で、Mo(CO)6の揮発が始まり、MoO3 膜の成長が開始した。ソースであるMo(CO)6 は特に加熱する必要はなく、ソースは室温に保持されていた。減圧下15分間製膜した後、系全体を大気圧に戻した。これにより、ソースの揮発が抑制され、製膜が終了した。
得られた薄膜のX線回折パターンを図2に示す。観測される回折ピークは、基板からのピークを除けば、すべて図1に示す構造を持つMoO3 の(0k0)に指数付けが可能であり、MoO3 のb軸配向膜が成長している。また、(040)ピークのロッキングカーブ(θスキャン)の半値幅は0.65度であり、高い結晶性を有している。図3は、MoO3薄膜表面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。いくつかの結晶粒は見られるが、フラットで平滑な面が拡がっている。断面のSEM観察から求めた膜厚は110nmである。
(2)〔Na(H2 O)2x MoO3 薄膜の作製
ナス型フラスコ中で蒸留水25mlを10分間アルゴンガスでバブリングした後、亜ジチオン酸ナトリウムNa22 4 (0.2g,1.1mmol)及びモリブデン酸ナトリウムNa2MoO4 2H2 O(6g,24.8mmol)を添加し、攪拌することで、これらを溶解した。ここへMoO3配向薄膜を10秒間浸積した。この間、無色の三酸化モリブデン薄膜は青色に変化した。浸積後、薄膜を蒸留水で洗浄し、空気中125℃で約30分間乾燥した。この薄膜試料のX線回折パターンを図4(a)に示す。(0k0)で指数付けされるピークが観測されるが、これらのピークは、MoO3に比較して低角度側にシフトしており、層間距離が増加していることが分かる。図4(a)から求めた層間距離は、0.97nmであり、MoO3 の層間距離(0.69nm)に比べて0.28nm増加している。この層間距離の広がりは、水和ナトリウムイオンNa(H2O)2 がインターカレーションした場合に相当することから、〔Na(H2 O)2xMoO3 薄膜が生成していることが確認できた。
(3)PPyx MoO3薄膜の作製
蒸留水25mL中にピロール(2.0ml,28.9mmol)を加え、超音波ホモジナイザーで3分間処理した後、酸化剤として塩化鉄FeCl3 (0.086g,0.51mmol)を加え、室温で10分間攪拌した。ここへ上記〔Na(H2O)2x MoO3 薄膜を5分間浸積した。ここで薄膜を取り出し、エタノール20mlを添加した上記溶液中に再度2分間浸積させた後、蒸留水で1回、エタノールで4回洗浄し、空気中125℃で約60分間乾燥した。この薄膜試料のX線回折パターンを図4(b)に示す。(0k0)で指数付けされるピークが観測されるが、これらのピークは〔Na(H2O)2x MoO3 に比較して低角度側にシフトしており、層間距離が増加していることが分かる。図4(b)から求めた層間距離は、1.47nmであり、MoO3の層間距離(0.69nm)に比べて0.78nm増加している。この層間距離の広がりは、ポリピロールがインターカレーションした場合に相当することから、PPyxMoO3 薄膜が生成していることが確認できた。
(4)電気的特性及びセンサ特性の評価
得られたPPyx MoO3薄膜上に金櫛形電極を蒸着し、センサ素子を作製した。直流2端子法で測定した電気抵抗値は室温で0.77MΩであった。PPyx MoO3薄膜センサのホルムアルデヒドガスに対するセンサ特性を電気抵抗値の変化で評価した。用いたホルムアルデヒドガス濃度は800ppmとし、測定は室温で行った。清浄空気(25分)、サンプルガス(15分)、更に、清浄空気を順次流した時の抵抗値の変化を図5に示す。図5の縦軸は、初期抵抗で規格化した抵抗値である。ホルムアルデヒドに対して、センサの抵抗値が増加し、清浄空気中では元の抵抗値にもどり、確かにセンサとして機能していることが分かる。更に、ホルムアルデヒド以外のVOCガスに対するセンサ特性を密閉型センサ特性評価装置を用いて評価した。容器中のヒーターに液体のVOCを供給することで気化させ、所定の濃度のVOC環境を作り、センサの抵抗値の変化を測定した。
図6に、室温における1000ppm濃度の各種VOCガスに対するセンサ感度(Rgas/Ra:Raは初期抵抗値、Rgasはガス雰囲気中での抵抗値)を示す。このセンサは、トルエンには応答しないのに対して、アルデヒド、アルコール、塩素系ガスに対して選択的に応答を示す。この中でも、ホルムアルデヒドとアセトンに対して特に高い感度を示した。このことは、本発明の有機無機ハイブリッド薄膜センサが、VOCガス対して高い選択性を有していることを示している。
本実施例では、MoO3 薄膜を作製する際の基板温度を520℃としたこと、〔Na(H2O)2x MoO3 薄膜を作製する際のNa224 量を0.4g(2.2mmol)としたこと、〔Na(H2 O)2xMoO3 薄膜を作製する際のMoO3 薄膜の浸積時間を50秒としたこと以外は、実施例1の方法に準じてPPyxMoO3 薄膜を作製した。MoO3 薄膜の膜厚は350nmであり、基板温度が高くなると成長速度が増加する傾向にある。MoO3薄膜、〔Na(H2 O)2x MoO3 薄膜、及びPPyxMoO3 薄膜のX線回折図を図7に示す。実施例1の場合と同様に、インターカレーションにより、層間距離が大きくなり、PPyxMoO3 薄膜が生成していることが確認できた。MoO3 薄膜の結晶性を更に詳しく調べるために、X線極点図測定を行った。図8に、MoO3(021)の極点図を示す。完全に面内配向した試料ではβ方向に90度おきに4つの極点が観測されるが,8つの極点が規則的に現れることから、結晶方位がわずかに(約4度)ずれた二つのドメインからMoO3薄膜が構成されていると考えられる。
しかしながら、ピークは非常にシャープである。図9に示すMoO3 (021)のβスキャンに表れるピークの半値幅は0.4度であり、これは、高い面内配向性を有していることを示すものである。即ち、本発明において作製したMoO3薄膜は、b軸配向のみならず、面内配向性も実現されている。基板であるLaAlO3 (111)の極点図との比較から、LaAlO3の(100)とMoO3 の(100)が平行になるようにエピタキシャル成長していることが明らかとなった。この様に、高い配向性を有するMoO3薄膜を用いることが、インターカレーション反応によっても膜が剥離することなく、PPyx MoO3 薄膜へ変換できた理由の一つであると考えられる。
得られたPPyx MoO3薄膜上に金櫛形電極を蒸着し、センサ素子を作製した。直流2端子法で測定したこのセンサの電気抵抗値は、室温で1.3MΩであった。PPyx MoO3薄膜センサのホルムアルデヒドガスに対するセンサ特性を電気抵抗値の変化で評価した。図10に、このセンサのホルムアルデヒドガス100ppmに対するセンサ応答を示す。この図に示されるように、ホルムアルデヒドガスに対して抵抗値が増加し、ホルムアルデヒドガスの流通を止めると抵抗値が低下していることから、上記センサ素子は、センサとして機能していることが分かる。
MoO3 薄膜を作製する際の基板温度を480℃としたこと、〔Na(H2O)2x MoO3 薄膜を作製する際のNa224 量を0.4g(2.2mmol)としたこと、〔Na(H2 O)2xMoO3 薄膜を作製する際のMoO3 薄膜の浸積時間を50秒としたこと以外は、実施例1の方法に準じてPPyxMoO3 薄膜を作製した。MoO3 薄膜の膜厚は106nmであった。MoO3 薄膜、〔Na(H2O)2x MoO3 薄膜、及びPPyx MoO3薄膜のX線回折図を図11に示す。実施例1の場合と同様に、インターカレーションにより、層間距離が大きくなり、PPyx MoO3薄膜が生成していることが確認できた。
本実施例では、有機イオンであるブチルアンモニウムイオン(C49 NH3 + )がMoO3 層間にインターカレートした有機無機ハイブリッド薄膜の作製例を示す。MoO3薄膜を作製する際の基板温度を520℃としたこと、〔Na(H2 O)2x MoO3薄膜を作製する際のNa224 量を0.4g(2.2mmol)としたこと、〔Na(H2O)2x MoO3 薄膜を作製する際のMoO3 薄膜の浸積時間を30秒としたこと以外は、実施例1の方法に準じて〔Na(H2O)2x MoO3 薄膜を作製した。更に、〔Na(H2 O)2xMoO3 薄膜を、ブチルアンモニウムクロライド(C49 NH3 Cl)0.13g(1.2mmol)を蒸留水20mlに溶解することで作製した水溶液中に10分間浸積した。薄膜を取り出し、蒸留水で洗浄した後、空気中125℃で約15分間乾燥した。
MoO3 薄膜、〔Na(H2O)2x MoO3 薄膜、及び(C49 NH3x MoO3 薄膜のX線回折図を図12に示す。(C49 NH3x MoO3 薄膜においても(0k0)で指数付けされるピークが観測されるが、これらのピークは〔Na(H2O)2x MoO3 に比較して低角度側にシフトしており、層間距離が大きくなっていることが分かる。図12(c)から求めた層間距離は、1.18nmであり、MoO3の層間距離(0.69nm)に比べて0.49nm増加している。この層間距離の広がりは、ブチルアンモニウムイオンがインターカレーションした場合に相当することから、(C49 NH3 x MoO3 薄膜が生成していることが確認できた。
得られた(C49NH3x MoO3 薄膜上に金櫛形電極を蒸着し、センサ素子を作製した。直流2端子法で測定した電気抵抗値は室温で5.6MΩであった。(C49 NH3x MoO3 薄膜センサのホルムアルデヒドガスに対するセンサ特性を電気抵抗値の変化で評価した。(C49 NH3x MoO3 薄膜センサにおいても、PPyxMoO3 薄膜センサの場合と同様に、ホルムアルデヒドガスに対して抵抗値が増加することで応答した。
比較例1
MoO3 薄膜を作製する際の基板をMgO(100)単結晶を用いたこと、製膜時間を30分にしたこと以外は、実施例1の方法に準じてPPyxMoO3 薄膜の作製を試みた。図13に、MoO3 薄膜のX線回折パターンを示す。観測される回折ピークは、すべてMoO3相によるものであり、MoO3 単相膜が得られている。しかし、(0k0)以外の回折ピークが見られることから、MoO3薄膜は多結晶構造であり、配向性は十分でない。図14に示すSEM写真では、直径500〜900nm、厚さ150〜250nmのMoO3 粒子が積み重なって成長している様子が見られる。板状結晶粒のよく発達した面は、必ずしも基板表面と平行ではなく、b軸配向性が十分でないことが分かる。この様な微細構造を持つMoO3薄膜に水和ナトリウムイオンのインターカレーションを試みたところ、膜の大部分が剥離した。
以上詳述したように、本発明は、電気伝導性有機無機ハイブリッド薄膜、及びその製造方法等に係るものであり、本発明により、無機化合物をホストとし、有機化合物をゲストとしたインターカレーション型の有機無機ハイブリッド薄膜を得ることができる。得られる有機無機ハイブリッド薄膜は、その電気伝導度性により、エレクトロニクスデバイス材料として利用することができる。特に、本発明の方法により得られる電気伝導性有機無機ハイブリッド薄膜は、CVD法と溶液への浸積法により簡便に製造できるので、集積化が可能となり、例えば、センサ等として、各種の用途に好適に用いることができる。上記有機無機ハイブリッド薄膜を構成要素として含む導電性部材及びセンサ部材を提供することができる。本発明は、これらの技術分野における、次世代の高機能性エレクトロニクスデバイスの製造を可能とする新材料・新技術を提供するものとして有用である。
三酸化モリブデン結晶構造の模式図を示す図である。 実施例1に示すMoO3 薄膜のX線回折パターンを示す図である。 実施例1に示すMoO3 薄膜表面状態の走査型電子顕微鏡写真を示す図である。 実施例1に示す(a)〔Na(H2 O)2x MoO3 薄膜、及び(b)PPyxMoO3 薄膜のX線回折パターンを示す図である。 実施例1に示す薄膜センサのホルムアルデヒドガスに対するセンサ特性を示す図である。 実施例1に示す薄膜センサの、室温における1000ppm濃度のホルムアルデヒド(Formaldehyde)、アセトアルデヒト(Acetaldehyde)、クロロホルム(Chloroform)、メタノール(Methanol)、エタノール(Ethanol)、アセトン(Acetone)、トルエン(Toluene)、ベンゼン(Benzene)の各種VOCガスに対するセンサ感度を示す図である。 実施例2に示す(a)MoO3 薄膜、(b)〔Na(H2 O)2x MoO3薄膜、及び(c)PPyx MoO3 薄膜のX線回折パターンを示す図である。 実施例2に示すMoO3 薄膜の極点図を示す図である。 実施例2に示すMoO3 薄膜のβスキャンを示す図である。 実施例2に示すPPyx MoO3 薄膜センサのホルムアルデヒドガスに対するセンサ特性を示す図である。 実施例3に示す(a)MoO3 薄膜、(b)〔Na(H2 O)2x MoO3薄膜、及び(c)PPyx MoO3 薄膜のX線回折パターンを示す図である。 実施例4に示す(a)MoO3 薄膜、(b)〔Na(H2 O)2x MoO3薄膜、及び(c)(C49 NH3x MoO3 薄膜のX線回折パターンを示す図である。 比較例1に示すMoO3 薄膜のX線回折パターンを示す図である。 比較例1に示すMoO3 薄膜表面状態の走査型電子顕微鏡写真を示す図である。

Claims (12)

  1. 層状構造を持つ無機化合物の高配向薄膜に、水和アルカリ金属イオンをインターカレートし、更に、これを有機化合物と置換したことを特徴とする導電性有機無機ハイブリッド薄膜。
  2. 前記層状構造を持つ無機化合物が、酸化モリブデンを主成分とすることを特徴とする請求項1記載の有機無機ハイブリッド薄膜。
  3. 前記有機化合物が、導電性ポリマーであることを特徴とする請求項1記載の有機無機ハイブリッド薄膜。
  4. 前記有機化合物が、有機イオンであることを特徴とする請求項1記載の有機無機ハイブリッド薄膜。
  5. 前記無機化合物と格子定数が類似した金属酸化物単結晶基板上に作製した高配向薄膜を用いることを特徴とする請求項1記載の有機無機ハイブリッド薄膜。
  6. 導電性有機無機ハイブリッド薄膜を製造する方法であって、
    (1)層状構造を持つ無機化合物の高配向薄膜を作製する、
    (2)上記高配向薄膜に水和アルカリ金属イオンをインターカレートする、
    (3)これを有機化合物と置換する、
    ことを特徴とする有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法。
  7. 前記層状構造を持つ無機化合物が、酸化モリブデンを主成分とすることを特徴とする請求項6記載の有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法。
  8. 前記有機化合物が、導電性ポリマーであることを特徴とする請求項6記載の有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法。
  9. 前記有機化合物が、カチオン性有機化合物であることを特徴とする請求項6記載の有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法。
  10. 前記無機化合物と格子定数が類似した金属酸化物単結晶基板上に作製した高配向薄膜を用いることを特徴とする請求項6記載の有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法。
  11. 請求項1から5のいずれかに記載の有機無機ハイブリッド薄膜を構成要素として含むことを特徴とする導電性部材。
  12. 請求項1から5のいずれかに記載の有機無機ハイブリッド薄膜を構成要素として含むことを特徴とする化学センサ部材。

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