JP4944707B2 - ガスセンサの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機無機ハイブリッド材料をセンサ素子として用いて形成されるガスセンサに関するものである。
層状構造を有する無機化合物は、化学的操作により層間に様々な有機物を挿入することが可能であり、インターカレート型の有機無機ハイブリッド材料を形成することができる。
この有機無機ハイブリッド材料は、無機化合物の優れた機械特性や熱的安定性と、有機物の優れた化学的特性を併せ持つ新しいタイプの材料であり、発光素子、トランジスタ、電池、化学センサなどに応用されている。例えば特許文献1では、有機層に分子認識機能を、無機層に電気信号変換機能を持たせた抵抗変化型の化学センサとして、有機無機ハイブリッド材料の応用がなされている。
ここで、有機無機ハイブリッド材料を素子としてガスセンサの用途に使用するためには薄膜化することが重要である。このようなインターカレート型の有機無機ハイブリッド薄膜の作製方法としては、主に2種類の方法が挙げられる。
ひとつの方法は、層状構造を持ちホストとなる無機化合物とゲストとなる有機物とを溶媒中でコロイド状態にし、これを基板上に自己集合現象を利用して製膜する、Delamination/Reassembling Processである(非特許文献1参照)。
もうひとつの方法は、無機化合物と格子定数が類似した金属酸化物基板上に無機化合物膜を高配向に成膜し、この無機化合物膜に水和ナトリウムイオンをインターカレートし、更に、導電性ポリマーあるいは有機イオンなどの有機物と置換する方法である(特許文献2参照)。この方法では、無機化合物を高配向に成膜する手法としてCVD法などのプロセスが用いられる。
特開2004−271482号公報 特開2005−179115号公報 Chem.Mater.,14,4800−4806(2002)
しかし上記の非特許文献1のようなDelamination/Reassembling Processでは、ホストの無機化合物とゲストの有機物とを1層ずつ交互に積層するため、1層の厚みがオングストロームオーダーと非常に薄いホスト、ゲストから素子を形成するにあたって、十分な厚みに形成するには非常な手間と時間がかかるという問題があった。
また特許文献2のように、金属酸化物基板上に無機化合物膜を高配向に成膜し、これに水和ナトリウムイオンをインターカレートした後に、有機物と置換する方法では、CVD法などの無機化合物薄膜の製造技術を用いるため、真空度、ガス流量、温度、成膜時間などを精密に制御する高度な設備と技術が必要となり、大面積に一括に安定した膜を作製することが困難であり、さらに製造コストが高くなってしまうという問題があった。また、水和ナトリウムイオンのインターカレートの工程で、無機化合物の層間に水和ナトリウムイオンをインターカレーションするために、層状構造が膨張して層間に応力が発生し、膜が一部剥がれ落ちるおそれがあるという問題もあった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、高度な設備を必要とすることなく、速い製膜速度で、剥離等の問題なく、有機無機ハイブリッド材料の薄膜を容易に形成することができるガスセンサの製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係るガスセンサの製造方法は、層状構造を有する無機化合物の層間に有機物を挿入した有機無機ハイブリッド材料を用いて形成されるガスセンサの製造方法であって、層状無機化合物と有機物とを含有する液体に電極を浸漬して電界を加えることによって、電極の表面に層状無機化合物と有機物を交互に積層させて有機無機ハイブリッド材料を形成することを特徴とするものである。
この発明によれば、電界を加えることによって電極の表面に有機無機ハイブリッド材料を形成することができ、CVD法などのように高度な設備や技術を必要とすることなく、速い製膜速度で有機無機ハイブリッド材料の薄膜を容易に製膜することができるものであり、また無機化合物の層と有機物の層が交互に積層されながら製膜されるために、剥離等の問題なく緻密な有機無機ハイブリッド材料の薄膜を形成することができるものである。
また本発明は、上記層状無機化合物がTiとMoの少なくとも一方を含む化合物であることを特徴とするものである。
TiやMoを含む化合物、例えば酸化チタンや酸化モリブデンは半導体であり、これらの材料で有機無機ハイブリッド材料の無機化合物層を形成することによって、無機化合物層に電気信号変換機能を持たせたセンサに応用することができるものである。
また本発明は、上記液体に含有される有機物が電解重合性を有する有機物であることを特徴とするものである。
この発明によれば、電界を加えると、有機物は重合しながら無機化合物と層状のハイブリッド構造を形成するものであり、有機高分子の層と無機化合物の層との有機無機ハイブリッド材料を形成することができるものである。
また本発明は、上記液体に含有される有機物よりも熱分解温度の低い第2の有機物を液体に含有させ、この液体に電界を加えて得られた有機無機ハイブリッド材料を第2の有機物が熱分解する温度に加熱することを特徴とするものである。
この発明によれば、第2の有機物を熱分解して消失させることによって、第2の有機物が存在した部分が空孔となって有機無機ハイブリッド材料を多孔質に形成することができるものであり、ガス検知の検出感度を向上することができるものである。
また本発明は、上記液体に第3の有機物を含有させ、この液体に電界を加えて得られた有機無機ハイブリッド材料を第3の有機物が溶解する溶剤で処理して第3の有機物を溶解させることを特徴とするものである。
この発明によれば、第3の有機物を溶媒に溶出させることによって、第3の有機物が存在した部分が空孔となって有機無機ハイブリッド材料を多孔質に形成することができるものであり、ガス検知の検出感度を向上することができるものである。
また本発明は、これらの第2の有機物、第3の有機物は、直径0.05〜3μmの粒子であることを特徴とするものである。
この発明によれば、均一な直径の空孔で表面積を増大した多孔質に形成することができ、感度にばらつきが発生することなくガス検知の感度を向上することができるものである。
本発明によれば、層状無機化合物と有機物とを含有する液体に電極により電界を加えることによって、電極の表面に層状無機化合物と有機物を交互に積層させて有機無機ハイブリッド材料の薄膜を形成することができ、CVD法などのように高度な設備や技術を必要とすることなく、速い製膜速度で有機無機ハイブリッド材料の薄膜を容易に製膜することができるものであり、また無機化合物の層と有機物の層が交互に積層されながら製膜されるために、剥離等の問題なく緻密な有機無機ハイブリッド材料の薄膜を形成することができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明において層状無機化合物としては、有機無機ハイブリッド材料の原料として従来から使用されている金属酸化物など任意のものを用いることができる。なかでもTiあるいはMoを含む無機化合物、例えば酸化チタンや酸化モリブデンなどを好ましく用いることができる。酸化チタンや酸化モリブデンのようにTiあるいはMoを含む無機化合物は結晶構造として層状構造を有する半導体であり、これらの無機化合物で有機無機ハイブリッド材料の無機化合物層を形成すると、無機化合物層に電気信号変換機能を持たせた抵抗変化型のガスセンサの素子とすることができるものである。また、無機化合物は単層構造のものでも、複数の層が積層された構造のものでも構わないが、単層が好ましい。無機化合物の層と有機物の層とを交互に積層して有機無機ハイブリッド材料を調製するにあたって、無機化合物が単層の構造であると、積層がより緻密になるものである。
また本発明において有機物としては、有機無機ハイブリッド材料の原料として従来から使用されている任意のものを用いることができる。本発明では電界を印加して有機無機ハイブリッド材料を調製するので、電解重合性を有する有機物を用いるのが好ましい。このような電解重合性を有する有機物としては、特に限定されるものではないが、アニリン、ピロール、あるいはこれらの誘導体を用いることができる。
そして上記の無機化合物と有機物を溶媒に分散乃至溶解させ、無機化合物と有機物を含有する混合溶液を調製する。溶媒としては特に限定されるものではないが、メタノールなどを例示することができる。また混合溶液中の無機化合物と有機物の含有比率についても特に限定されるものではないが、モル比で1:1〜1:1000の範囲が好ましい。さらに混合溶液中の無機化合物と有機物の含有濃度についても特に限定されるものではないが、無機化合物と有機物の含有濃度が0.001〜10mol/lの範囲になるように調整するのが好ましい。
次に、この無機化合物と有機物を含有する混合溶液に一対の電極を投入して浸漬し、電界を印加する。このように一対の電極間に電界を印加すると、一方の電極の表面に層状無機化合物と有機物とが交互に積層されながら析出し、層状無機化合物の間に有機物がインターカレートされた有機無機ハイブリッド材料の薄膜を電極の表面に形成することができるものである。そして電極としてセンサ素子の基板を用いることによって、基板の上に有機無機ハイブリッド材料の薄膜をセンサ素子として形成することができ、ガスセンサを作製することができるものである。
電界の印加条件は特に限定されるものではないが、5V以下で、0.5〜10分間の電界印加条件に設定するのが好ましい。そして一対の電極間に電界を印加すると、無機化合物はアニオン性を有しており、無機化合物のみでは静電反発により積層され難いが、有機物が無機化合物の間に入ることで電気的反発が抑制され、層状無機化合物と有機物が交互に積層された有機無機ハイブリッド材料の薄膜を陽極となる電極の表面に形成することができるものである。
上記のように有機無機ハイブリッド材料の薄膜を形成するにあたって、電界を印加することによって電極の表面に一括して有機無機ハイブリッド材料の薄膜を成膜することができるので、CVD法などで成膜する場合のように高度な設備や技術を必要とすることなく、また手間を要することなく、速い成膜速度で有機無機ハイブリッド材料の薄膜を容易に形成することができるものである。またこのように無機化合物の層と有機物の層が交互に積層されながら成膜されていくので、無機化合物の層間に有機物を挿入する場合のような応力が無機化合物間に発生することがなく、膜の剥がれ落ちが少なく緻密な有機無機ハイブリッド材料の薄膜を形成することができるものである。
ここで、有機物として上記のように電解重合性を有するものを用いると、有機無機ハイブリッド材料の薄膜を形成するために電界を印加する際に、有機物は電解重合しながら無機化合物の層と層状ハイブリッド構造を形成していくものであり、無機化合物の層と有機重合体の層からなる有機無機ハイブリッド材料を作製することができるものである。従って、有機物を重合させるための特別な操作を必要とすることなく、このような有機重合体の層を有する有機無機ハイブリッド材料を作製することが可能になるものである。
また上記のように層状無機化合物と有機物を含有する混合溶液に電界を印加して有機無機ハイブリッド材料の薄膜を電極の表面に形成するにあたって、この有機物よりも熱分解温度の低い第2の有機物をも混合溶液中に添加しておくようにしてもよい。このような有機物よりも熱分解温度の低い第2の有機物としては、特に限定されるものではないが、例えば非架橋のアクリル樹脂の微粒子などを用いることができる。有機物と第2の有機物の比率も特に限定されるものではないが、有機物100質量部に対して第2の有機物が0.1〜3質量部の範囲が好ましい。
そしてこのように層状無機化合物、有機物、および第2の有機物を含有する混合溶液に電界を印加すると、電極の表面に無機化合物層と、有機物と第2の有機物が混在する有機物層とが交互に析出して積層され、無機物層間に有機物と第2の有機物が混在する有機物層がインターカレートされた有機無機ハイブリッド材料の薄膜を形成することができる。次に、この有機無機ハイブリッド材料を、有機物の熱分解温度以下で、且つ第2の有機物の熱分解温度以上の温度で加熱処理すると、第2の有機物は熱分解されて有機無機ハイブリッド材料の薄膜から消失する。このように第2の有機物が熱分解されて消失すると、第2の有機物が存在した部分は空孔となり、この空孔によって有機無機ハイブリッド材料の薄膜は多孔質となって、表面積が大きくなる。
ガスセンサはガスと接触してガス検知を行なうものであり、ガスとの接触面積が大きくなると検出感度を増幅して、検出感度を高めることができる。従って、上記のように第2の有機物を熱分解して有機無機ハイブリッド材料の薄膜を多孔質にし、表面積を大きくすることによって、ガスとの接触面積を大きくすることができ、検出感度を高めたガスセンサを得ることができるものである。
また、この第2の有機物の代わりに、上記の有機物を溶解しない溶剤に溶解する第3の有機物を用いるようにすることもできる。すなわち、層状無機化合物、有機物、および第3の有機物を含有する混合溶液に電界を印加すると、電極の表面に無機化合物層と、有機物と第3の有機物が混在する有機物層とが交互に析出して積層され、無機物層間に有機物と第3の有機物が混在する有機物層がインターカレートされた有機無機ハイブリッド材料の薄膜を形成することができる。次に、この有機無機ハイブリッド材料に、有機物は溶解せず、且つ第3の有機物を溶解させる溶剤を供給して処理すると、第3の有機物は溶剤に溶出して有機無機ハイブリッド材料の薄膜から消失する。このように第3の有機物が溶出して消失すると、第3の有機物が存在した部分は空孔となり、この空孔によって有機無機ハイブリッド材料の薄膜は多孔質となって、表面積が大きくなる。従って、上記と同様にガスとの接触面積を大きくすることができ、検出感度を高めたガスセンサを得ることができるものである。
この第3の有機物としては、特に限定されものではないが、例えばアクリル樹脂の微粒子を用いることができる。また溶剤も特に限定されるものではないが、第3の有機物と溶解度パラメーターが近いものが好ましく、例えばベンゼンなどを用いることができる。有機物と第3の有機物の比率も特に限定されるものではないが、有機物100質量部に対して第3の有機物が0.1〜3質量部の範囲が好ましい。
ここで、上記の第2の有機物や第3の有機物は、直径0.05〜3μmの粒子であることが望ましい。第2の有機物や第3の有機物の粒子の直径が0.05μm未満であると、粒子に凝集が起こり易くなって、第2の有機物や第3の有機物を消失させた跡に形成される空孔の大きさが不均一になり、ガスセンサの感度にバラツキが生じるおそれがある。また粒子の製造コストが高く経済的にも不利である。逆に第2の有機物や第3の有機物の粒子の直径が3μmを超えて大きいと、第2の有機物や第3の有機物が消失した跡に形成される空孔も大きくなって、有機無機ハイブリッド薄膜の表面積をさほど大きくすることができず、ガスの検出感度を向上する効果を高く得ることができない。従って、第2の有機物や第3の有機物として直径0.05〜3μmの粒子を用いることによって、均一な直径の空孔で表面積を増大した多孔質に形成することができ、感度にばらつきが発生することなくガス検知の感度を向上することができるものである。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
層状無機化合物として酸化チタン(石原産業株式会社製「LNS−100」:Ti0.87約0.4質量含有)を用い、また有機物としてアニリンを用いた。そして溶媒としてメタノールを用いて、溶液中のTiの濃度が6.7×10−3mol/l、アニリンの濃度が1.0mol/lになるように混合し、スターラーで30分間攪拌することによって、混合溶液を調製した。
一方、センサ素子の基板として、熱酸化膜付Si基板の表面に電極間隔20μmの白金櫛形電極を形成したものを用いた。そして一方の電極としてこのセンサ素子の基板を用い、他方の電極としてSi基板の表面に白金をスパッタしたものを用い、これらの電極を上記の混合溶液に浸漬し、電極間に5Vの定電圧を1分間印加した。このように電界を印加することによって、センサ素子の基板の表面に析出物が生じた。
この析出物を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、撮像したSEM像を図1に示す。図1にみられるように、緻密な薄膜が形成されていることが確認された。
またこの析出物をX線回折(XRD)で測定し、その結果を図2に示す。比較のために、アニリンを添加していない混合溶液を用いて上記と同様に電界を印加することによって得られた析出物についてもXRD測定をおこなった。図2に、アニリンを添加した実施例1の析出物のXRDを「aniline1.0M」に、アニリンを添加していない比較例の析出物のXRDを「0M」に示す。図2にみられるように、アニリンを添加していない比較例に比べて、アニリンを添加した実施例1のXRDは低角度側にピークが観察された。実施例1のこのピークは、ブラッグの式から18.0Åの層間距離を示すものであり、アニリンを添加しない比較例の9.4Åの層間距離の析出物に比べて層間距離が大きくなっている。従って、アニリンを添加した実施例1で基板上に生成した析出物は、層状の酸化チタンの層間にアニリンが挿入された構造の有機無機ハイブリッド材料の薄膜であることが確認される。
また、アニリンを添加した実施例1において基板はポリアニリンに特徴的な緑色を呈しており、このことはポリアニリンが生成していることを示している。従って、酸化チタンの層間のアニリンは、電圧印加により電解重合されポリアニリンに高分子化されていることが確認される。
上記のように基板の表面に酸化チタン層とアニリン層からなるハイブリッド材料の薄膜を析出させて形成したガスセンサ素子を、温度を外熱式で100℃に保持し、窒素をキャリアガスとして50ppbのアセトアルデヒドガスに20分間さらしたときの抵抗値の変化を計測した。結果を図3に示す。図3にみられるように、アセトアルデヒドガスの導入と同時に抵抗値が増加していることから、ガスセンサとして感度高く機能していることが確認された。
(実施例2)
層状無機化合物として酸化チタン(石原産業株式会社製「LNS−100」:Ti0.87約0.4質量含有)を用い、また有機物としてアニリンを用い、溶媒としてメタノールを用いて、溶液中のTiの濃度が6.7×10−3mol/l、アニリンの濃度が1.0mol/lになるように混合し、スターラーで30分間攪拌した。さらに第2の有機物としてアクリル樹脂微粒子(綜研化学株式会社製「MP4009」:直径0.6μm、分解温度80℃)を用い、このアクリル樹脂微粒子を質量比でTi0.87の3倍量混合し、30分間超音波照射して分散させることによって、混合溶液を調製した。
後は、実施例1と同様にして、この混合溶液に電界を印加して、センサ素子の基板の表面に析出物を生成させた。そして、この析出物が生成した基板を150℃で30分間加熱処理した。
この加熱処理した析出物を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、撮像したSEM像を図4に示す。図4にみられるように、実施例1の図1のSEM像と比較して表面に凹凸が形成されている様子が観察されるものであり、膜の表面積が増大して多孔質になっていることが確認された。
そしてこのように形成したガスセンサ素子を、実施例1と同様に、アセトアルデヒドガスに20分間さらしたときの抵抗値の変化を計測した。結果を図5に示す。図5にみられるように、アセトアルデヒドガスの導入と同時に抵抗値が増加しており、ガスセンサとして機能していることが確認された。また実施例1の図2と比較して、抵抗値が増加する変化が大きくなっていることがみられるものであり、膜の多孔質化によってセンサの感度が向上していることが確認された。
(実施例3)
層状無機化合物として酸化チタン(石原産業株式会社製「LNS−100」:Ti0.87約0.4質量含有)を用い、また有機物としてアニリンを用い、溶媒としてメタノールを用いて、溶液中のTiの濃度が6.7×10−3mol/l、アニリンの濃度が1.0mol/lになるように混合し、スターラーで30分間攪拌した。さらに第3の有機物としてアクリル樹脂微粒子(綜研化学株式会社製「MP4009」:直径0.6μm)を用い、このアクリル樹脂微粒子を質量比でTi0.87の3倍量混合し、30分間超音波照射して分散させることによって、混合溶液を調製した。
後は、実施例1と同様にして、この混合溶液に電界を印加して、センサ素子の基板の表面に析出物を生成させた。そして、この析出物が生成した基板を、アクリル樹脂の溶解度パラメーターに近いベンゼンに30分間浸漬する処理をし、アクリル樹脂を溶出させた後、エタノールで洗浄して乾燥した。
この溶出処理をした析出物を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、撮像したSEM像を図6に示す。図6にみられるように、実施例1の図1のSEM像と比較して表面に凹凸が形成されている様子が観察されるものであり、膜の表面積が増大して多孔質になっていることが確認された。
そしてこのように形成したガスセンサ素子を、実施例1と同様に、アセトアルデヒドガスに20分間さらしたときの抵抗値の変化を計測した。結果を図7に示す。図7にみられるように、アセトアルデヒドガスの導入と同時に抵抗値が増加しており、ガスセンサとして機能していることが確認された。また実施例1の図2と比較して、抵抗値が増加する変化が大きくなっていることがみられるものであり、膜の多孔質化によってセンサの感度が向上していることが確認された。
実施例1で析出した膜のSEM像をプリントした図である。 実施例1で析出した膜をX線回折測定したグラフである。 実施例1で得たガスセンサ素子のガス応答性を示すグラフである。 実施例2で析出した膜のSEM像をプリントした図である。 実施例2で得たガスセンサ素子のガス応答性を示すグラフである。 実施例3で析出した膜のSEM像をプリントした図である。 実施例3で得たガスセンサ素子のガス応答性を示すグラフである。

Claims (5)

  1. 層状構造を有する無機化合物の層間に有機物を挿入した有機無機ハイブリッド材料を用いて形成されるガスセンサの製造方法であって、層状無機化合物と有機物とを含有する液体に電極浸漬して電界を加えることによって、電極の表面に層状無機化合物と有機物を交互に積層させて有機無機ハイブリッド材料を形成し、
    上記層状無機化合物がTiとMoの少なくとも一方を含む化合物であり、
    上記液体に含有される有機物が電解重合性を有する有機物である
    ことを特徴とするガスセンサの製造方法。
  2. 上記層状無機化合物が酸化チタンであり、上記液体に含有される有機物がアニリンであることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサの製造方法。
  3. 上記液体に含有される有機物よりも熱分解温度の低い第2の有機物を液体に含有させ、この液体に電界を加えて得られた有機無機ハイブリッド材料を第2の有機物が熱分解する温度に加熱し、
    前記第2の有機物がアクリル樹脂の粒子である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のガスセンサの製造方法。
  4. 上記液体に第3の有機物を含有させ、この液体に電界を加えて得られた有機無機ハイブリッド材料を第3の有機物が溶解する溶剤で処理して第3の有機物を溶解させ
    前記第3の有機物がアクリル樹脂の粒子である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のガスセンサの製造方法。
  5. 上記第2の有機物、第3の有機物は、直径0.05〜3μmの粒子であることを特徴とする請求項又はに記載のガスセンサの製造方法。
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