JP2002102770A - 流体供給装置および流体供給方法 - Google Patents

流体供給装置および流体供給方法

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JP2002102770A JP2000303333A JP2000303333A JP2002102770A JP 2002102770 A JP2002102770 A JP 2002102770A JP 2000303333 A JP2000303333 A JP 2000303333A JP 2000303333 A JP2000303333 A JP 2000303333A JP 2002102770 A JP2002102770 A JP 2002102770A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子部品、家電製品などの分野における生産
工程において、接着剤、クリーンハンダ、蛍光体、グリ
ース、ペイント、ホットメルト、薬品、食品などの各種
粉流体を、粉体の圧搾・破壊なく、高速で吐出遮蔽・開
始ができる。 【解決手段】 吐出通路に形成される狭い閉空間の容積
を高速アクチェータを用いて急峻に変化させることによ
り、その圧力の急降下を利用して、シンプルな構成で、
切れ味のよい流量制御を可能としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子部品、家電製品
などの分野における生産工程に用いることができ、接着
剤、クリームハンダ、蛍光体、グリース、ペイント、ホ
ットメルト、薬品、食品などの各種液体を定量に吐出・
吐出するための流体供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液体吐出装置(ディスペンサー)は従来
から様々な分野で用いられているが、近年の電子部品の
小形化・高記録密度化のニーズにともない、微少量の流
体材料を高精度でかつ安定して吐出制御する技術が要請
される様になっている。
【0003】また、たとえばCRT、PDPなどのディ
スプレイ面に蛍光体を均一に塗布するための、新たな流
体塗布手段開発の要望も大きい。
【0004】表面実装(SMT)の分野を例にとれば、
実装の高速化、微小化、高密度化、高品位化、無人化の
トレンドの中で、ディスペンサーの課題を要約すれば、 塗布量の高精度化と1回の塗布量の微小化 吐出時間の短縮 …高速吐出遮断及び開始ができる 高粘度の粉流体に対応できる である。従来、微少流量の液体を吐出させるために、エ
アパルス方式、ねじ溝式、電磁歪素子によるマイクロポ
ンプ方式などのディスペンサーが実用化されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来先行例の
うち、図5に示す様なエアパルス方式によるディスペン
サーが広く用いられており、例えば「自動化技術′9
3.25巻7号」等にその技術が紹介されている。この
方式によるディスペンサーは、定圧源から供給される定
量の空気を容器700(シリンダ)内にパルス的に印加
させ、シリンダ700内の圧力の上昇分に対応する一定
量の液体をノズルから吐出させるものである。
【0006】エアーパルスの方式のディスペンサーは応
答性が悪いという欠点があった。この欠点は、シリンダ
に封じ込められた空気の圧縮性と、エアーパルスを狭い
隙間に通過させる際のノズル抵抗よるものである。すな
わち、エアーパルス方式の場合、シリンダの容積:Cと
ノズル抵抗:Rできまる流体回路の時定数:T=RCが大き
く、入力パルスを印加後、吐出開始にたとえば0.07〜0.
1秒程度の時間遅れを見込まねばならない。
【0007】上記エアーパルス方式の欠点を解消するた
めに、吐出ノズルの入口部にニードルバルブを設けて、
このニードルバルブを構成する細径のスプールを軸方向
に高速で移動させることにより、吐出口を開閉させるデ
ィスペンサーが実用化されている。
【0008】しかしこの場合、流体の遮断時、相対移動
する部材間の隙間はゼロとなり、数ミクロン〜数十ミク
ロンの平均粒径の粉体は機械的に圧搾作用を受け破壊さ
れる。その結果発生する様々な不具合のため、粉体が混
入した接着材あるいは蛍光体塗布等への適用は困難な場
合が多い。
【0009】また同目的のために、粘性ポンプであるね
じ溝式のディスペンサーも既に実用化されている。ねじ
溝式の場合、ノズル抵抗に依存にくいポンプ特性を選ぶ
ことができるため、連続吐布の場合は好ましい結果が得
られるが、間欠塗布は粘性ポンプの性格上不得手であ
る。そのため従来ねじ溝式では、 (1)モータとポンプ軸の間に電磁クラッチを介在さ
せ、吐出のON、OFF時にこの電磁クラッチを連結あるい
は開放する。
【0010】(2)DCサーボモータを用いて、急速回転
開始あるいは急速停止させる。
【0011】しかし、上記いずれも機械的な系の時定数
で応答性が決まるため、高速間欠動作には制約があっ
た。応答性はエアーパルス方式と比較すると良好である
が、しかし最短時間でも0.05秒程度が限界であった。
【0012】またポンプ軸の過渡応答時(回転始動時と
停止時)の回転特性に不確定要因が多いため、流量の厳
密な制御は難しく、塗布精度にも限界があった。
【0013】微少流量の流体を吐出することを目的とし
て、積層型の圧電素子を利用したマイクロポンプが開発
されている。このマイクロポンプには、通常機械式の受
動的な吐出弁,吸入弁が用いられる。
【0014】しかし、バネとボールから構成され圧力差
によって吐出弁,吸入弁を開閉させる上記ポンプでは、
流動性の悪い、数万〜数十万センチポワズの高粘度のレ
オロジー流体を、高い流量精度でかつ高速(0.1秒以
下)で間欠吐出させることは極めて困難である。
【0015】さて、近年益々高精度化、超微細化してい
く回路形成の分野、あるいはPDP,CRTなどの映像
管の電極とリブ形成、液晶パネルのシール材塗布、光デ
ィスクなどの製造行程の分野において、微細塗布技術に
関する、次のような要望が強い。
【0016】連続吐布後、すばやく塗布を止め、短い
時間をおいて連続塗布を急峻に開始できること。そのた
めには、たとえば0.01秒のオーダーで流量制御できるこ
とが理想である。
【0017】粉流体に対応できること。たとえば流路
の機械的な遮断により、粉体の圧搾破損、流路の詰まり
などのトラブルがないこと。
【0018】本発明は、上述した高粘度流体・粉流体の
微少流量塗布に係る、近年の様々な要求を一挙に解決で
きる塗布手段を提供するものである。
【0019】すなわち、吐出通路に形成される狭い閉空
間の容積を高速アクチェータを用いて急峻に変化させる
ことにより、その圧力の急降下を利用して、シンプルな
構成で、切れ味のよい流量制御を可能としたものであ
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の流体供給装置
は、シリンダに収納されたピストンと、前記シリンダと
前記ピストンで形成される内部空間を増減させるため
に、前記シリンダと前記ピストンに相対的な運動を与え
るアクチェータと、前記シリンダを収納あるいは前記シ
リンダと一体化したハウジングと、このハウジングに形
成された流体の吸入孔及び吐出孔と、前記ハウジング内
部に形成された流体輸送室から構成される流体供給装置
において、前記吸入孔から前記流体輸送室内に流入した
流体は、前記内部空間を経て前記吐出孔に流出するよう
に流路が構成されている。
【0021】また、本発明の流体供給方法は、上記流体
供給装置において、流体の吐出遮断時には前記内部空間
を増大するように前記アクチェータを駆動させるもので
ある。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を大きく次
の2つに分けて説明する。
【0023】 I.限定された時間内で吐出流量をON,OFFさせる方法 II.任意のタイミングで吐出流量をON,OFFさせる方法 まず、上記Iから説明する。
【0024】以下、本発明の第1の実施の形態につい
て、図1〜図2を用いて説明する。
【0025】本実施例は量産現場における塗布行程にお
いては、連続吐布停止後、塗布を再開させるまでの時間
が、極めて短い時間しか許されないという量産上の制約
条件を逆に利用したものである。吐布の対象によって
は、たとえば量産行程におけるCRTの蛍光体、PDPのRGB
間のリブ形成のように、ある一定時間の連続吐布後、瞬
時の間だけ塗布行程を遮断したい場合がある。
【0026】すなわち、この短い有限の時間のみ有効な
流体の制御手段を、ディスペンサーに導入することによ
り、前述したディスペンサーに係る要請を満足する極め
て切れ味のよい流量制御を可能としたものである。
【0027】図1において1は直動型のアクチュエータ
であり、超磁歪素子等による電磁歪型のアクチュエー
タ、静電型アクチュエータあるいは電磁ソレノイド等よ
り構成される。実施例では、高粘度流体を高速で間欠的
に微少量かつ高精度に吐出するために、高い位置決め精
度が得られ、高い応答性を持つと共に大きな発生荷重が
得られる超磁歪素子を用いた。
【0028】2は第1のアクチュエータ1によって駆動
されるピストン、3はこのピストン2を吐出側端部で収
納するスリーブ、4はアクチュエータ1を収納するハウ
ジング、5はスリーブ3を吐出側で固定する下部ハウジ
ングである。
【0029】6は超磁歪材料から構成される円筒形状の
超磁歪ロッドであり、この超磁歪ロッド6はバイアス永
久磁石(A)7、(B)8を上下に挟んだ形で、上部ヨ
ーク9とヨーク材を兼ねたスリーブ3の間に固定されて
いる。
【0030】10は超磁歪ロッド16の長手方向に磁界
を与えるための磁界コイル、11は円筒形状のヨークで
ありハウジング4に収納されている。
【0031】前記永久磁石(A)、(B)は、超磁歪ロ
ッド6に予めに磁界をかけて磁界の動作点を高めるもの
で、この磁気バイアスにより磁界の強さに対する超磁歪
の線形性が改善できる。6→7→9→11→3→8→6
により、超磁歪ロッド6の伸縮を制御する閉ループ磁気
回路を形成している。すなわち、部材6〜11により、
磁界コイルに与える電流で超磁歪ロッドの軸方向の伸縮
量を制御できる超磁歪アクチュエータ1を構成してい
る。
【0032】超磁歪材料は希土類元素と鉄の合金であ
り、たとえば、TbFe2,DyFe2,SmFe2など
が知られおり、近年急速に実用化が進められている。
【0033】ピストン2は円筒形状をした上部ヨーク9
と一体化して上方向にも伸びており、上部スリーブ12
に収納されている。ピストン2はこの上部スリーブ12
に対して、軸方向に移動可能なように、軸受部13によ
って支持されている。
【0034】上部スリーブ12と上部ヨーク9の間に
は、超磁歪ロッド6に機械的な軸方向与圧を与えるバイ
アスバネ14が設けられている。このバイアスバネ14
によって、超磁歪ロッド6には常に軸方向に圧縮応力が
加わるため、繰り返し応力が発生した場合に、引っ張り
応力に弱い超磁歪素子の欠点が解消される。
【0035】上部スリーブ12の上端の中心部には、ピ
ストン2の端面位置を検出する変位センサー15が調節
自在に配置されている。
【0036】16はピストン2の小径部であるピストン
細径軸、17は下部ハウジング5に形成された吸入口、
18はノズル部、19はこのノズル部18に形成された
吐出ノズルである。吸入口17から流入した加圧流体
は、スリーブ3と下部ハウジング5で形成される流体輸
送室20に流入し、さらに後述する流体絞り部21を経
て、吐出ノズル19に流入する。
【0037】ピストン細径軸16の吐出側端面とその対
向面及び下部ハウジング5の間で、吐出流量を制御する
流量制御部22が構成されている。
【0038】図2は前述した流量制御部22近傍の拡大
図であり、23はピストン細径軸16(ピストン2)の
吐出側端面、24はスリーブ3の吐出側端面、25は2
3,24の対向面である。26はピストン細径軸16と
スリーブ3の内面の間に設けられた流体シールである。
28は吐出ノズルの入口部に形成された液溜まり部であ
る。
【0039】ピストン細径軸16の吐出側端面23とそ
の対向面25により、ピストン2の上昇・下降によっ
て、容積の変化する内部空間27を形成している。
【0040】超磁歪素子の入力電流と出力変位は比例関
係にあるために、入力電流を変えることにより、ピスト
ン2のストローク制御(吐出側端面23の位置と速度の
制御)は可能である。しかし本実施例のような位置検出
手段15を設けてフィードバック制御をすれば、より高
い精度の制御ができる。
【0041】また、微少流量を扱うポンプでは、ピスト
ン2の軸方向変位は数μm〜数10μmの微少変位でよ
い。この微量変位で良いことを利用すれば、超磁歪素子
のストロークの限界は問題とならない。
【0042】図3〜5は本実施例の作動プロセスを示す
ものである。すなわち、ピストン細径軸16の端面23
およびその対向面25の間隔を急速に増大させることに
より、逆スクイーズ効果とも言うべき粘性流体の動圧効
果によって、吐出ノズルの上流側の内部空間27の圧力
を急降下させて、吐出ノズルからの流体の流出をすみや
かに遮断させるプロセスを示すものである。
【0043】本発明の明細文では、原理を分かりやすく
説明するために、各部材間の隙間、部材の位置変化を大
きく図示しているが、実施例ではせいぜい数十ミクロン
から数百ミクロンのオーダーである。
【0044】図3は吐出遮断直前の状態にあり、ピスト
ン細径軸16は静止しており、またその吐出側端面23
は最下端の位置にある。この段階では、流体輸送室20
内の加圧流体は、スリーブ3の吐出側端面24とその対
向面25で形成される狭い隙間(流体絞り部21)を通
過し、吐出ノズル19を経て外部に吐出される。
【0045】図4は吐出遮断中の状態を示し、図の矢印
のごとくピストン細径軸16は上昇中である。ピストン
細径軸16の端面23およびその対向面25の間隔:h
が急峻に変化することにより、内部空間27の圧力は急
降下する。内部空間27の圧力:Pに対して、大気圧をP0
としたとき、P<P0となれば流体の流出は遮断される。
【0046】ピストン細径軸16が最上段に到達し上昇
速度がゼロになると、内部空間27の圧力は急速に復帰
し、吐出が始まる。
【0047】図5は連続塗布が復帰した状態を示す。短
時間の急峻な吐出遮断という所定の任務を終了し、ピス
トン細径軸16はゆっくりと降下中である。このとき、
ピストン細径軸16の降下はその降下速度が小さいため
に、内部空間27の圧力、すなわち吐出流量にはほとん
ど影響は与えない。端面23が初期(図3)の位置まで
くると、下降は停止する。
【0048】さて本発明の原理と効果を理論解析を用い
てもう少し詳しく説明する。対向して配置された平面間
の狭い隙間に粘性流体が介在し、かつその隙間の間隔が
時間と共に変化する場合の流体圧力は、スクイーズ作用
(Squeeze action)の項を持つ次の極座標におけるReyn
olds方程式を解くことにより得られる。
【0049】
【数式1】
【0050】(1)式において、Pは圧力、μは流体の
粘性係数、hは対向面間の隙間、rは半径方向位置、t
は時間である。また右辺が、隙間が変化するときに発生
するスクイーズアクション効果をもたらす項である。
【0051】さらに吐出ノズル入口部に液溜り部28を
設けた場合について、液溜り部の圧力、すなわちノズル
の上流側圧力Pnは、流体の圧縮性を考慮して、
【0052】
【数式2】
【0053】(2)式において、Qsはスクイーズ作用に
よって、液溜り部から排出される効果を考慮した流入
量、Qnは液溜り部から吐出ノズル19を経て大気に排出
される流出量である。また、kは流体の体積弾性係数、
Vは液溜り部28の容積である。
【0054】吐出流量を求めるのに必要なノズルの上流
側圧力Pnは、上記(1)(2)の方程式を連立して解くことに
より求められる。
【0055】以下、流体の粘度:μ=10,000cps、体積
弾性係数:K=300kg/cm2、境界部(流体絞り部21の外
周部)圧力:Ps=20kg/cm2として、流体制御部22が
下記表1の条件で構成された場合について、吐出流量を
求める解析をおこなった。
【0056】
【表1】
【0057】上記条件下で得られる吐出流量の解析結果
を図6に示す。
【0058】(1)解析のスタート段階(t=0)で
は、流量(圧力)の初期値を適当な値を仮定している
が、すみやかに一定値に収束する。0<t<0.03秒の間
は連続描画の状態にある。
【0059】(2)t=0.03秒でピストンが上昇を始め
ると、吐出流量は急速に低下し、開始から0.003sec(3m
sec)程度の立下り時間でたちまち吐出は遮断される。
【0060】(3)0.03<t<0.08秒の区間では、吐出流
量はゼロである。この区間はピストンは一定の速度で上
昇中である。表1から、実施例ではピストンストロー
ク:Xst=50μm、ピストン動作時間:Tp=0.05secであ
るため、ピストンの上昇速度:v=50μm/0.05sec=1.0mm/
secである。
【0061】(4)t=0.08秒でピストンが停止すると、
以降0.01sec程度の立ち上がり時間で連続塗布の状態に
すみやかに復帰する。
【0062】以上の結果から、応答性の優れたアクチュ
エータを用いて、吐出流路の内部空間を急峻に増大させ
る実施例の方法により、0.01秒あるいはそれ以下のオー
ダーの極めて応答性の優れた流量制御ができることがわ
かる。
【0063】但し、吐出流量がゼロである時間はピスト
ンが上昇している間だけである。この遮蔽時間は、アク
チュエータの限界ストロークと上昇速度により決まる。
超磁歪素子を用いたアクチェータの場合、素子10mm
の長さでほぼ10μmの変位が得られる。圧電素子を採
用するならば、ほぼその半分の変位となる。
【0064】したがって図1の実施例において、表1の
条件下では、たとえば、50mmの長さの超磁歪素子の
ロット6をもちいれば、Tp=0.05秒の間、吐出量をOFFに
できる。
【0065】上記解析では、液溜り部28の容積を大き
く設定し、また液溜り部の流体の圧縮性を考慮している
が、非圧縮性に近い流体ならば、前述した立ちあがり・
立下り時間は、アクチュエータの応答性の限界に近いと
ころまで小さくできる。
【0066】ちなみに、超磁歪素子、圧電素子などの電
磁歪素子の場合、通常、10―4secのオーダーの応答性
が得られる。
【0067】電磁ソレノイド等のアクチェータも適用可
能であり、電磁歪素子と比べて応答性は一桁程悪くなる
が、ストロークの制約(すなわち許容停止時間)は大幅
に緩和される。
【0068】本発明の原理を直感的に理解しやすくする
ために、図2の流量制御部22を図7のような電気回路
モデルに置き換えてみる。
【0069】図7において、Psは流体絞り部21の境界
圧力、R0は流体絞り部21の流体抵抗、Rnは吐出ノズル
19の流体抵抗、Qpはピストン細径軸16の上昇速度と
ピストン面積で決まる流量源の大きさ、Qnは吐出ノズル
19を通過する流量を示す。ここで、吐出ノズル19を
通過する流量Qnは
【0070】
【数式3】
【0071】Qn<0のとき、すなはち、次の条件のとき吐
出は遮断される。
【0072】
【数式4】
【0073】上記(4)式から、流量制御を可能にする
ためには、流体絞り部21がある値以上の流体抵抗を持
つことが必要ということが分かる。
【0074】図8に本実施例のディスペンサーの適用対
象を示す。100は塗布の対象であり、水平方向に走行
するディスペンサーは、塗布対象の枠から外れた直後:
t=tsで吐出流量を遮断する。さらにディスペンサーは、
Uターン後、t=teで連続塗布を開始する。遮断から開始
にいたる時間の間隔が、許容停止時間Tpの範囲内なら
ば、任意の時点で塗布開始ができる。塗布を開始するた
めには、図9に示すように、t=te1, t=te2などの任意の
時点でピストンの上昇をストップすればよい。
【0075】再び連続塗布が始まれば、次に吐出流量を
遮断するまでには十分な時間があるために、図10で示
すように、ピストンをゆっくりと初期の位置まで下降さ
せればよい。式(1)のスクイーズアクションの項:dh
/dtが十分に小さければ、吐出流量の変化は許容流量誤
差の範囲に収めることができる。
【0076】さて、本発明では吐出遮断の状態でも、流
路面積が減少する区間はないために、粉流体を流量制御
する際の次のようなトラブルは一切発生しない。
【0077】粉体の圧搾破損による流路の詰まり粉
体破損による流体の特性変化上記は、たとえば回路実
装の分野で、硬化を促進する材料をカプセル状に接着材
に封入したとき、カプセルが機械的に破壊された場合に
起こるトラブルである。本発明の実施例では、表1に示
すように最も狭い区間は、スリーブの端面とその対向面
の隙間:δs =30μmであり、粉体の平均粒径よりも十
分に大きく設定した。
【0078】なを連続塗布の状態で、ピストン16の最
下点における対向面との隙間(表1のXmin)を変えるこ
とにより、ピストン16と吐出ノズル19の平行2平面
間の流体抵抗の変化を利用して、ある範囲の流量を任意
に制御できる。
【0079】流体抵抗の変化と流量変化の関係は、時間
遅れ要素を持たないために、高速アクチュエータのレス
ポンスで決まる極めて応答性の優れた流量制御ができ
る。
【0080】たとえば、4角平面のコーナーに沿ってラ
インを描画する場合、コーナー部分での塗布はディスペ
ンサーの移動速度の関係で、一定幅のラインを描画する
のは困難な場合が多い。本ディスペンサーの場合、変位
センサー15によるピストン位置検出をしながら、流量
を少し増やしたい時はピストン16を上昇させ、流量を
減らしたい時はピストン16を下降させればよい。
【0081】以下、本発明の第2の実施例について説明
する。
【0082】図11は、積層型の圧電素子をアクチェー
タとして用いて本発明を適用した場合を示す。
【0083】50はピストン、51はこのピストンの吐
出側に形成されたピストン径大部、52はピストンの上
部に設けられたフランジ部、53はシリンダ、54はフ
ランジ部とシリンダ53の間に矜持されて設けられた積
層型の圧電素子、55は上部スリーブ、56は上部スリ
ーブに形成されたピストン50を支えるための軸受部、
57はピストン50の軸方向位置を検知するための変位
センサーである。
【0084】58はシリンダの吐出側に形成された吸入
口、59は吐出部、60は吐出ノズルである。また、6
1はピストン50の外周面とシリンダの内周面で形成さ
れる流体絞り部である。62はフランジ部52と上部ス
リーブ55の間に配置され、圧電素子54に与圧を与え
るためのバイアスバネ,63は流体シールである。
【0085】積層型の圧電素子の場合、超磁歪素子と比
べて、同一長さに対するストロークは小さくなるが、電
磁コイルが不要なため外径を小さくできる。したがって
マルチノズル化を図るときに有利となる。
【0086】以上、本発明の実施例として、「限定され
た時間内で吐出流量をON,OFFさせる方法」について説明
した。以下、「任意のタイミングで吐出流量をON,OFFさ
せる方法」の実施例について説明する。
【0087】すなわち、以下示す本発明の第3実施例
は、吐出通路に形成される閉空間の容積変化をもたらす
第1のアクチュエータと、通路面積を遮蔽・開放する第
2のアクチュエータの組み合わせにより、吐出流量を任
意のタイミングでON,OFFできる切れ味のよい流量制御を
可能としたものである。
【0088】図12において101は第1のアクチュエ
ータであり、実施例では超磁歪素子等による電磁歪型の
アクチュエータをもちいた。102は第1のアクチュエ
ータ1によって駆動されるピストン、103はこのピス
トン102を吐出側で収納するスリーブ、104はアク
チュエータ101を収納するハウジングである。
【0089】105は超磁歪材料から構成される円筒形
状の超磁歪ロッドであり、この超磁歪ロッド105はバ
イアス永久磁石(A)106、(B)107を上下に挟
んだ形で、上部ヨーク108とヨーク材を兼ねたスリー
ブ102の間に固定されている。
【0090】109は超磁歪ロッド105の長手方向に
磁界を与えるための磁界コイル、110は円筒形状のヨ
ークでありハウジング104に収納されている。
【0091】ピストン102とスリーブ103の間に
は、超磁歪ロッド105に機械的な軸方向与圧を与える
バイアスバネ111が設けられている。
【0092】112は部材108、106、105、1
07、102を貫通して設けられたシール軸、113は
このシール軸を軸方向に駆動する直動型である第2のア
クチェータである。実施例では、この直動型のアクチェ
ータ113に大きなストロークが得られるボイスコイル
型リニア・アクチェータを用いた。
【0093】114はスリーブ103に形成された吸入
口、115はノズル部、116はこのノズル部115に
形成された吐出ノズルである。
【0094】117はスリーブ103とピストン102
で形成される流体輸送室であり、ピストン102及びシ
ール軸112の吐出側端面とその対向面及びスリーブ1
03の間で、吐出流量を制御する流量制御部118が構
成されている。
【0095】図13〜16は本実施例のディスペンサー
の作動プロセスの原理図を、流量制御部118近傍の拡
大図と共に示すものである。
【0096】119はピストン102の吐出側端面、1
20はシール軸の吐出側端面に形成された円錐形状の凸
部、121はその対向面であり、吐出ノズル側に形成さ
れた円錐形状の凹部である。ピストン102の吐出側端
面119、スリーブ103の内面、部材119、120
の対向面122により、ピストン102の上昇・下降に
よって、容積の変化する内部空間123を形成してい
る。
【0097】また円錐形状の凸部120と凹部121の
組み合わせにより、シール軸112の上昇・下降によっ
て、吐出流量を開放・遮断する吐出バルブ124を構成
している。125はピストン102の吐出側外周面とス
リーブ103内面で形成された流体絞り部である。
【0098】図14は吐出遮断直前の状態にあり、ピス
トン102は静止しており、またその吐出側端面119
は最下端の位置にある。またシール軸先端の凸部120
は、上方の位置にあり、ピストン102に収納されてい
る。
【0099】この段階では、流体輸送室117内の加圧
流体は、流体絞り部125を通過し、内部空間123か
ら吐出ノズル116を経て外部に吐出される。
【0100】図15は吐出遮断中の状態を示し、図の矢
印のごとくピストン102は上昇中である。ピストン1
02の端面119およびその対向面の間隔が急峻に変化
することにより、内部空間123の圧力は急降下する。
内部空間123の圧力:Pに対して、大気圧をP0としたと
き、P<P0となれば流体の流出は遮断される。
【0101】この段階で、吐出ノズル116、円錐形状
の凸部120、凹部121近傍にある流体は、遠心方向
に流動していく。
【0102】図14の始めの段階では、シール軸112
はまだ下降せず初期の位置にある。凸部120、凹部1
21近傍にある流体が、吐出ノズル116から逆流して
きた空気と入れ替わった時、シール軸112はすみやか
に下降を開始する。
【0103】細径のシール軸112が急降下しても、シ
ール軸112周辺には空気以外の流体はないため、内部
空間123の圧力にはなんら影響を与えない。
【0104】たとえばスクイーズ圧力の発生は無く、吐
出流量はゼロの状態を保つ。
【0105】図15は吐出流量が遮蔽された状態を示
す。吐出バルブ124は機械的にギャップがゼロの状態
になるが、粉流体が本ディスペンサーの輸送流体の場合
でも、粉流体そのものが近傍に存在しないため、 粉体の圧搾破損による流路の詰まり 粉体破損による流体の特性変化 等のトラブルは発生しない。
【0106】ピストン102が最上段に到達し上昇速度
がゼロになると、内部空間123の圧力は急速に元の高
い圧力に復帰し、一度遠心方向に流動した流体は再度中
心部に引き戻される。しかしこの段階では、円錐形状の
凸部120、凹部121は既に噛み合っており、吐出通
路は完全に遮蔽されている。
【0107】さて本実施例の効果を正確に把握するため
に、第1の実施例の場合と同様に理論解析をおこなっ
た。第1の実施例と異なる解析条件のみを、表2に示
す。また上記条件下で得られる時間に対する吐出流量の
解析結果を図16に示す。
【0108】(1)解析のスタート段階(t=0)で、
流量(圧力)の初期値を適当な値を仮定しているが、す
みやかに一定値に収束する。0<t<0.03秒の間は連続
描画の状態にある。
【0109】(2)t=0.03秒でピストンが上昇を始め
ると、吐出流量は急速に低下し、0.01秒程度の立下り時
間で吐出は遮断される。
【0110】(3)t>0.04秒以降、吐出流量は完全に遮
断された状態を保つ。t=0.06秒までピストンは上昇中で
ある。
【0111】図17、図18に、ピストン端面119と
その対向面間の流体の流速ベクトルの解析結果を示す。
【0112】流体絞り部124は、実施例ではピストン
102の外周部とシリンダ103の内面の間に形成して
いるが、解析モデルでは、ピストン端面119と同一平
面上にあると仮定している。
【0113】図17は連続塗布中の状態(図13)を示
し、ピストン端面にあるすべての流体は、吐出ノズルの
ある中心部に向かって流動している。
【0114】図18は吐出遮断中の状態(図14)を示
し、図中の矢印のごとく、吐出ノズルから出た流体は、
遠心方向に逆流していることがわかる。
【0115】
【表2】
【0116】以下、図19を用いてピストン102とシ
ール軸112の位置・速度の制御方法の一例について補
足説明する。
【0117】ステップaの段階で、連続塗布していた吐
出遮断の指令が入ると、ピストン102は上昇を開始す
る。しかしシール軸112は、吐出ノズル124近傍
(円錐形状の凸部120、凹部121で構成)の流体が
完全に排除されて無くなるステップbの段階まで、下降
を開始しない。ステップbの段階になると、シール軸1
12はステップcまで急降下し、以降ステップdまで緩
やかに下降する。
【0118】この理由は、流体制御部の凸部120と凹
部121間の衝撃的な機械接触による磨耗紛の発生など
を回避するためである。ピストン102は、シール軸1
12が停止してもまだ上昇中であるが、ステップeの段
階で停止する。
【0119】なを、シール軸112が下降を開始する前
段階(ステップaとbの区間)で、既に吐出は遮断され
ているため、ステップb以降のピストン102とシール
軸112に必要な操作は、本ディスペンサーの流量遮断
の「切れ味のよさ」になんら影響を与えない。
【0120】ステップfの段階で吐出開始の指令が入る
と、ピストン102は急速に下降を開始する。ピストン
102が急降下すると、スクイーズ効果により流体制御
部近傍の圧力は急上昇する。しかしピストン102の移
動速度がゼロとなるステップgの段階で、圧力は瞬時に
定常状態に復帰する。このステップgの段階で、シール
軸112は上昇を開始し、吐出通路は開放されるため、
ピストン102の急降下による圧力上昇が吐出流量に影
響を与えることは無い。
【0121】なを、吐出遮断の状態(ステップeからf
の区間)で、予めピストン102を定常位置まで下降さ
せておいてもよい。
【0122】シール軸112は、第2のアクチュエータ
の応答性の許される範囲の高速で急上昇すれば、極めて
短い立ち上がり時間で吐出開始ができる。
【0123】実施例では、第2のアクチュエータにボイ
スコイル型リニア・アクチェータを用いたが、適用対象
に用いるアクチェータのストロークが小さくて良い場合
は、超磁歪素子などの電磁歪素子を用いても良い。ある
いは、応答性がさほど要求されない適用対象ならば、第
1、第2のアクチュエータを共にボイスコイル型等を用
いてもよい。
【0124】以下、本発明の第4実施例について図20
を用いて説明する。
【0125】前述した第3実施例では、第1と第2の2
つの独立したアクチュエータを用いて、ピストンとシー
ル軸を駆動した。以下示す第4実施例では、ディスペン
サー構造の簡素化を図るために、一個のアクチュエータ
の両出力端を利用して、ピストンとシール軸のそれぞれ
を逆位相で駆動させたものである。
【0126】図20において201は第1と第2のアク
チュエータを兼ねた超磁歪素子による直動型アクチュエ
ータである。202は前記アクチュエータによって駆動
されるピストン、203はこのピストン202を吐出側
で収納するスリーブ、204はアクチュエータ201を
収納するハウジングである。
【0127】205は超磁歪材料から構成される円筒形
状の超磁歪ロッドである。この超磁歪ロッド205はバ
イアス永久磁石(A)206、(B)207を上下に挟
んだ形で、上部ヨーク208とヨーク材を兼ねたスリー
ブ202の間に固定されている。
【0128】209は超磁歪ロッド205の長手方向に
磁界を与えるための磁界コイル、210は円筒形状のヨ
ークでありハウジング204に収納されている。
【0129】211は上部ヨーク208と一体化したシ
ール軸であり、超磁歪ロッド205を貫通して設けられ
ている。またこのシール軸211は、バイアス永久磁石
(A)206を中間に挟持した形で、超磁歪ロッド20
5の上端に固定されている。シール軸211は上方にも
伸びており、上部ハウジング212に設けられた軸受部
213により上端で支持されている。
【0130】またピストン202は、シール軸211同
様に、バイアス永久磁石(B)207を中間に挟持した
形で、超磁歪ロッド205の下端に固定されている。
【0131】上部ヨーク208と上部ハウジング212
の間、及びピストン202とスリーブ203の間には、
超磁歪ロッド205に機械的な軸方向与圧を与えるバイ
アスバネ214,215が設けられている。
【0132】216はスリーブ203に形成された吸入
口、217はノズル部、218はこのノズル部に形成さ
れた吐出ノズルである。
【0133】219はスリーブ203とピストン202
で形成される流体輸送室である。また、ピストン202
の吐出側端面とその対向面及びスリーブ203の間で、
ピストン202の上昇・下降により容積が変化する内部
空間220を形成している。
【0134】上記構成により、超磁歪素子の電磁コイル
209に電流を印加すると、超磁歪ロッド205は印加
電流の大きさに比例して伸縮する。このとき、超磁歪ロ
ッド205の両端の変位は、超磁歪ロッドに軸方向与圧
を与える2つのバイアスバネ214、215の剛性の大
きさで決まる。もし2つのバイアスバネ214、215
の剛性が等しければ、超磁歪ロッド205の両端は逆位
相でかつ同一の変位量だけ移動する。すなわち、超磁歪
ロッド205の両端に固定されたピストン202とシー
ル軸211は、互いに逆方向に同一の変位量だけ移動す
る。
【0135】ピストン202とシール軸211のストロ
ークを変える場合は、2つのバイアスバネ214、21
5の剛性比を変えればよい。
【0136】この点を利用して、本実施例では一個の超
磁歪アクチュエータにより、吐出ON,OFFの機能を持たせ
ることができる。
【0137】図21(イ)(ロ)は、連続塗布から吐出遮断
の状態への以降を示すものである。実施例では、中空の
超磁歪ロッドを用いたが、中空にできるならば、たとえ
ば積層型の圧電素子を用いてもよい。
【0138】以上、本発明の実施例を、I.限定された
時間内で吐出流量をON,OFFさせる方法、II.任意のタ
イミングで吐出流量をON,OFFさせる方法、の2つに分け
て説明した。以下示す実施例は、上記I、IIのいずれ
にも適用できるものである。
【0139】図22は、本発明の第5実施例を示すもの
で、外部圧力源に頼らずに、ディスペンサー自身に圧力
発生源を持たせたものである。
【0140】すなわち、第5実施例では、超磁歪素子を
用いてピストンとシール軸を軸方向に駆動すると共に、
非接触で電力供給できる超磁歪素子の特徴を利用して、
モータを用いて、このピストンとシール軸を共に回転さ
せたものである。
【0141】図22において301は直動型アクチュエ
ータであり、超磁歪素子等による電磁歪型のアクチュエ
ータ、静電型アクチュエータあるいは電磁ソレノイド等
より構成される。実施例では、高い位置決め精度が得ら
れ、高い応答性を持つと共に大きな発生荷重が得られる
超磁歪素子を用いた。
【0142】302はアクチュエータ301によって駆
動されるピストン、303はこのピストン302を吐出
側で収納する固定スリーブ、304は前記アクチュエー
タ1を収納するハウジングである。
【0143】305は超磁歪材料から構成される円筒形
状の超磁歪ロッドである。この超磁歪ロッド305はバ
イアス永久磁石(A)306、(B)307を上下に挟
んだ形で、上部ヨーク308とヨーク材を兼ねたピスト
ン302の間に固定されている。
【0144】309は超磁歪ロッド305の長手方向に
磁界を与えるための磁界コイル、310は円筒形状のヨ
ークでありハウジング304に収納されている。
【0145】前記永久磁石A、Bは、超磁歪ロッド30
5に予めに磁界をかけて磁界の動作点を高めるもので、
305→306→308→310→302→307→3
05により、超磁歪ロッド305の伸縮を制御する閉ル
ープ磁気回路を形成している。すなわち、部材305〜
310により、磁界コイルに与える電流で超磁歪ロッド
の軸方向の伸縮を制御できる超磁歪アクチュエータ30
1を構成している。
【0146】311は上部ヨーク308と一体化したシ
ール軸であり、超磁歪ロッド305を貫通して設けられ
ている。またこのシール軸311は、バイアス永久磁石
(A)306を中間に挟持した形で、超磁歪ロッド30
5の上端に固定されている。
【0147】シール軸311は上方にも伸びており、上
部ハスリーブ312に設けられた軸受部313により上
端で支持されている。
【0148】またこの上部スリーブ312は、玉軸受3
14を介在して中間ハウジング315により回転自在に
支持されている。
【0149】またピストン302は、シール軸311同
様に、バイアス永久磁石(B)307を中間に挟持した
形で、超磁歪ロッド305の下端に固定されている。
【0150】上部ヨーク308と上部スリーブ312の
間、及びピストン302と下部スリーブ316の間に
は、超磁歪ロッド305に機械的な軸方向与圧を与える
バイアスバネ317,318が設けられている。
【0151】上記構成により、超磁歪素子の電磁コイル
309に電流を印加すると、超磁歪ロッド305は印加
電流の大きさに比例して伸縮する。このとき、超磁歪ロ
ッド305の両端の変位は、超磁歪ロッドに軸方向与圧
を与える2つのバイアスバネ317、318の剛性の大
きさで決まる。ピストン302とシール軸311のスト
ロークを変える場合は、第4実施例同様に、2つのバイ
アスバネ317、318の剛性比を変えればよい。
【0152】この点を利用して、本実施例では一個の超
磁歪アクチュエータにより、吐出ON, 吐出OFFの両方の
機能を持たせることができる。
【0153】シール軸311は円筒形状をした上部スリ
ーブ312を貫通して、さらに上方向にも伸びている。
319はシール軸311に回転運動を与えるモータであ
り、実施例ではDCサーボモータを用いており、320
はモータロータ、321はモータステータ、322はモ
ータステータを収納する上部ハウジングである。
【0154】上部ハウジング322の上部には、シール
軸311の回転速度を検出するためのエンコーダ323
が設けられている。さらにその上部中心位置に、中心軸
の端面位置を検出する変位センサー324が配置されて
いる。
【0155】ピストン302の吐出側の一部を収納する
下部スリーブ316は、ハウジング304との間に設け
られた玉軸受325によって回転自在に支持されてい
る。
【0156】326はピストン302とシール軸311
の連結部である。
【0157】327は固定スリーブ303に形成された
吸入口、328はノズル部、329はこのノズル部32
8に形成された吐出ノズル、330はピストン302と
固定スリーブ303の相対移動面に形成された流体を圧
送するねじ溝である。
【0158】部材302、303により、流体を外部か
ら吸入し吐出側に圧送する流体輸送室331を形成して
いる。またピストン302外周部の吐出側端部と固定ス
リーブ303の内面の間で、他と比べて隙間の狭い流体
絞り部332が形成されている。
【0159】この流体絞り部332は、ねじ溝ポンプの
隙間が狭い場合は、形成しなくてもよい。また、ピスト
ン302の吐出側端面とその対向面及び固定スリーブ3
03の間で、ピストン302の上昇・下降により容積が
変化する内部空間333を形成している。
【0160】シール軸311の吐出側端部とその対向面
の間で、シール軸311の上昇・下降により、吐出通路
面積を可変できる吐出バルブ334を構成している。
【0161】すなわち、この内部空間333と吐出バル
ブ334により、任意のタイミングで吐出流量をON,OFF
させる流量制御部335を構成している。
【0162】ちなみに、シール軸311に与えられた回
転運動は、図23に示すようなピストン302とシール
軸311の連結部326によって、ピストン302に与
えられる。すなわち、シール軸311はピストン302
に対して、回転のみを伝達し、相対的な直線運動はフリ
ーとなるような連結部形状(角型断面)となっている。
【0163】上記構成により、本実施例の流体供給装置
では、ピストン302とシール軸311は回転運動と微
少変位の直線運動の制御を同時に、かつ独立して行うこ
とができる。
【0164】さらに実施例では、直動型アクチュエータ
301に超磁歪素子を用いたために、超磁歪ロッド30
5(及びピストン302とシール軸311)を直線運動
させるための動力を、外部から非接触で与えることがで
きる。すなわち、本構成のディスペンサーでは、モータ
を回転させたままで、数メガヘルツの周波数特性を持つ
電磁歪素子の特徴を活かし、高いレスポンスで吐出流量
の制御ができる。
【0165】実施例では、アクチュエータ301(超電
磁歪素子)の上部にモータを配置したが、この逆の配置
の構成でもよい。
【0166】本実施例のディスペンサーを用いれば、外
部の圧力源を用いないで、第4実施例(図20)と同様
な用途に適用できる。すなわち、「任意のタイミングで
吐出流量をON,OFFさせる方法」として、塗布行程に適用
できる。
【0167】生産工場内に装備されたエアー圧力源の圧
力の大きさには制約があるが、本実施例のねじ溝ポンプ
の最大圧力は、回転数、隙間、ねじ溝形状などのパラメ
ータの選択で自在に設定できる。工場配管の圧力の基準
が、5kg/cm2程度であるのに対して、ねじ溝ポンプで
は、数10〜100kg/cm2の圧力を得ることも可能であ
る。その結果、圧力条件の制約が解除され、たとえば小
径ノズルによる大流量吐出もできる。
【0168】シール軸311が回転できることを利用し
て、シール軸311の吐出側端面とその対向面の相対移
動面に、図24で示すようなスラスト動圧シール336
を設ければ、非接触の状態で吐出を遮断することができ
る。図の黒く塗りつぶした部分がスパイラルグルーブの
溝337である。
【0169】図24において、曲線(イ)は動圧シールの
隙間に対する発生圧力特性の一例を示す。
【0170】動圧シールの外径が小さい場合、隙間δに
対する発生圧力(シール圧)Pの特性は非線形であり、
かつ隙間→0としたとき、急激にその発生圧力は上昇す
る。一方、ねじ溝ポンプの発生圧力は、隙間δの変化に
依存しない。したがって、図24の例では、δ<δ
1(≒2.5μm)のとき、吐出は遮蔽されることがわか
る。
【0171】図25は、吐出遮蔽中の状態をモデル的に
示したものである。
【0172】流体338中に分散している粉体339の
流径をたとえばdf=10μmとし、シール軸311とその
対向面の間隙部340の隙間をたとえばδ=2.5μmとす
る。このように、δ<dfであったとしても、本実施例で
は、粉体339の機械的な圧搾・破壊は生じない。図2
5の状態では、動圧シール336のポンピング作用によ
って、間隙部340の流体は常に遠心方向の力を受けて
おり、粉体は外周部からこの部分に侵入することはな
い。
【0173】一方、シール軸311がまだ下降中であ
り、間隙部340の隙間δがまだ大きい時も粉体の圧搾
・破壊は生じない。その理由は第3、第4の実施例で説
明したように、閉空間333の容積の急峻な増大とそれ
に追従する圧力効果により、シール軸311が最下端に
到達した時点では、吐出バルブ334近傍には粉流体は
既に存在しないからである。
【0174】以上の実施例により、本発明の次の効果
高速流量遮断と開始ができる粉体の圧搾破損による流
路の詰まり、流体の特性変化などのトラブルが発生しな
いすなわち、上記の両方を満足する塗布行程を実現
できる。
【0175】実施例では、吐出バルブ近傍の粉流体を排
除するために、内部空間に急峻な容積変化を与える、
吐出バルブを開閉させる、上記の動作を逆位相で
与えるアクチェータを利用した。
【0176】さて、本実施例がサーボモータを用いてい
ることを利用し、次のような方法でも本発明を適用する
ことができる。
【0177】すなわち、(1)モータの回転数制御によ
る流量制御方法と、(2)閉空間の容積を高速アクチェ
ータを用いて急峻に変化させる方法、の上記(1)(2)を組
み合わせても、両者の長所を活かして、かつ短所を解消
する流量制御を実現することができる。この場合は、シ
ール軸とピストンのいずれかは上下動の機能を省略して
もよい。たとえば、図22においてピストンは回転する
だけで上下動は行わず、シール軸のみが上昇・下降を行
うものとする。この場合のシール軸は、図22のピスト
ンに代わる役割を担うため、外径は大きめに設定すれば
よい。
【0178】たとえば、吐出遮断時には (1)シール軸311の上昇開始と同時にモータ319
を回転停止させる。前述したように、シール軸311の
上昇により、0.01秒あるいはそれ以下のオーダーで吐出
流量は遮断される。但し、モータの回転停止までには、
たとえば、0.05秒程度を必要とするが、その間はシール
軸311は上昇中の状態にさせる。
【0179】(2)モータ319が停止すると、すみや
かに緩やかな逆転を開始させる。ねじ溝ポンプの作用に
より、流量制御部335近傍に停留していた流体は吸入
口327に向かって逆流する。流量制御部335近傍の
紛流体が無くなり、吐出ノズル329から流入した空気
と入れ替わったとき、シール軸311を下降させ、吐出
ノズル329の開口部を遮蔽する。
【0180】また、吐出開始時には、 (3)予めモータ319の回転を開始させておく。モー
タの回転数が定常状態になっていることをエンコーダ3
23信号から確認して、シール軸311を急上昇かつ急
停止させる。急停止すれば、すみやかに吐出は開始され
る。
【0181】その他、粉体の圧搾破損を発生させない方
法として、 吸入口に繋がる圧力供給源の圧力を負圧に急変させ
る。
【0182】外部に設置した負圧源と流量制御部を、
高速で開閉するバルブを介して連絡する。
【0183】上記いずれの方法でも、粉体の圧搾・破壊
を生じないで、吐出バルブを完全遮蔽あるいは粉体の流
径以下の隙間で動圧シールを構成することができる。
【0184】動圧シールを構成する場合はモータ駆動は
必要だが、完全遮蔽の場合は使用しなくてよい。
【0185】なを本発明の明細文において、ピストン、
シール軸、シリンダなどの表現は円柱形状、円筒形状の
部材を連想するが、本発明の適用範囲はこれらの特定形
状に制約されるものではない。たとえば、ピストンはダ
イヤフラムのような薄板形状でもよい。シール軸とその
対向面で構成される吐出バルブは、通路面積を遮蔽・開
放あるいは変化させることができる部材ならば、どのよ
うな形状の組み合わせでもよい。
【0186】実施例において、内部空間の容積変化によ
る急峻な圧力変化は、数ミクロンから数百ミクロンの狭
い隙間を変化させることによって生じるスクイーズ圧力
によるものである。
【0187】このスクイーズ圧力と、通常、たとえばエ
アーシリンダのピストンを圧縮・収縮させることによる
圧力変化とは原理が異なる。
【0188】後者は流体の圧縮性に依存し、体積の変化
に対して圧力の変化が時間遅れを伴う。
【0189】前述したエアーパルス方式のディスペンサ
ーの応答性に限界があるのは、この流体の圧縮性に依存
するからである。
【0190】それに対して、前者のスクイーズ圧力は粘
性流体の動圧効果によるものであり、体積の変化に対す
る時間遅れはない。すなわち隙間の変化に即座に圧力が
増減するのである。
【0191】実施例では、このように即座に圧力が増減
することを利用して、流量制御部を構成している。本発
明は流体の圧縮・膨張を利用することもできるが、スク
イーズ圧力を利用する方が、応答性の点で好ましい。
【0192】さて、もう一度本発明の第1,2の実施例
である「限定された時間内で吐出流量をON,OFFさせる方
法」に戻り、その欠点をカバーする実施例について説明
する。前記実施例は、吐出通路に繋がる閉空間に急峻な
容積変化を与えることにより、その鋭敏な圧力降下を利
用して、吐出遮蔽を行うものであった。しかし吐出遮蔽
が有効な時間は閉空間の容積が増大中の間のみである。
【0193】そこで以下示す2つの流量制御手段、すな
わち、 第1の流量制御手段 …内部空間の容積を増減させる
方法で、高速レスポンスであるが、遮蔽時間は有限であ
る。
【0194】第2の流量制御手段 …第1の流量制御
手段よりも応答性は低いが、遮蔽時間に制約はない。
【0195】すなわち、上記の組み合わせにより、
それぞれの長所を活かし、欠点を解消するディスペンサ
ーが実現できる。
【0196】図26は、第2の流量制御手段に流路切り
替えバルブ400を用いた第6実施例を示すもので、吐
出ノズルの中間部にこのバルブ400を配置したもので
ある。
【0197】401はピストン、402は固定スリー
ブ、403はハウジング、404は吐出部、405は下
流側吐出ノズル、406はバイパス通路、407は内部
空間408を含む流量制御部である。
【0198】上記構成において、第1の流量制御手段の
許容遮蔽時間をT1とし、第2の流量制御手段の立ち上が
り時間をT2とする。たとえば、第1の実施例の具体仕様
で、ピストンストローク:Xst=50μm、ピストンの上
昇速度:v=1.0mm/secとすれば、T1=0.05秒であった。
流路切り替えバルブ400は、たとえばDCサーボモー
タ、あるいは揺動モータなどを用いれば、0.03<T2<0.05
秒であった。したがって、T1>T2のため、本実施例の適
用条件を満足できる。
【0199】(1)まず吐出遮蔽時には、ピストン40
1の上昇(第1の流量制御手段)と流路切り替えバルブ
400を同時に動作する。動作開始から、t=0.01秒以
下で吐出は遮蔽される。さらにt=0.03〜0.05秒で、流
路切り替えバルブ400により、大気に繋がる吐出通路
は遮蔽される。その後、圧力が高圧に復帰した流体はバ
イパス通路を通じて外部へ流出していく。
【0200】(2)吐出開始時には、ピストン401を
予め所定の位置にまで下降させておく。流路切り替えバ
ルブ400の応答時間は分かっているため、その待ち時
間を予測した上で吐出を開始する。
【0201】以上、本発明の明細文では、「任意のタイ
ミングで吐出流量をON,OFFさせる方法」と「限定された
時間内で吐出流量をON,OFFさせる方法」の2つに分け
て、その実施例を説明した。しかし、この2つは組み合
わせて用いてもよい。たとえば、シール軸の駆動によっ
て、流量遮断できる機能をもっているが、さらに第2の
流量制御手段を用いることにより、吐出遮蔽をより確実
にするような使用方法でもよい。
【0202】以下、本発明をマルチノズルのディスペン
サーに適用した第7実施例について説明する。
【0203】501は第1のアクチュエータ(図示せ
ず)によって駆動されるピストン、502は第2のアク
チュエータ(図示せず)によって駆動されるシールプレ
ート、503はこれらの部材を収納するハウジング、5
04はハウジング503内部に形成され吸入口(図示せ
ず)、吐出口505と連絡する流体輸送室、506は流
体絞り部である。
【0204】たとえば吐出遮蔽時には、ピストン501
とシールプレート502は矢印の方向に移動し、吐出開
放時には共に逆方向に移動する。本ディスペンサーの動
作原理は、第3、第4実施例と同様である。
【0205】上記実施例は、「任意のタイミングで吐出
流量をON,OFFさせる方法」の一例であるが、第1、第2
実施例で示したような、「限定された時間内で吐出流量
をON,OFFさせる方法」の場合も同様にマルチノズル化が
できる。
【0206】以下、本発明の第8実施例を図28に示
す。
【0207】この実施例は、本発明のディスペンサーの
流路の上段側に、吸入側流体の供給圧の確保と低粘度化
を目的として、ねじ溝ポンプを設けたものである。
【0208】搬送流体にレオロジー流体を扱う場合、流
体の粘度は温度と流体が受けるせん断速度により決ま
る。本実施例は、レオロジー流体のチクソトロピー性流
体挙動により、一度低粘度化した流体は、元の粘度に回
復するまで通常ある程度の時間を必要とする、という点
を利用している。すなわち、本発明の超小型ディスペン
サーに流体を供給する直前の段階で、まずねじ溝ポンプ
の回転により、流体にせん断作用を与えて流体を低粘度
化させるのである。
【0209】複数個の超小型ディスペンサーに対して、
外径寸法の大きなねじ溝ポンプは一台でよいため、マル
チノズル化した流体供給システムの配置上の支障にはな
らない。
【0210】600はマスターポンプであるねじ溝ポン
プであり、回転軸601、モータロータ602、モータ
ステータ603、回転軸601に形成されたねじ溝60
4、吸入口605、吐出口606、ハウジング607よ
り構成される。
【0211】608は本発明の流体供給装置である小型
ディスペンサーであり、ねじ溝ポンプ600と小型ディ
スペンサー608は供給パイプ609を介して連絡して
いる。
【0212】本発明による小型ディスペンサー(第1か
ら第6実施例)を、複数本並列配置させて流体供給シス
テムを構成すれば、たとえば平板上に蛍光体材料等を塗
布させるプロセスにも適用できる。この場合、塗布材料
の吸入側吐出通路は共通でよい。
【0213】各ノズルの吐出量(及びON,OFF)
は、各ディスペンサーを個別に制御できるため、自由度
が高く、塗布材料の損失が少ない平板面の塗布が可能と
なる。
【0214】あるいは、共通のハウジングに複数本のデ
ィスペンサーの中身を収納するように構成すれば、より
シンプルな構成のマルチノズルを有する塗布装置ができ
る(図示せず)。
【0215】
【発明の効果】本発明を用いた流体回転装置により、次
の効果が得られる。 1.高速吐出遮断と開始ができる。 2.粉体の圧搾破損による流路の詰まり、流体の特性変
化などのトラブルが発生しない。 3.シンプルな構成のため、マルチノズル化が容易であ
る。 4.さらに以下示す特徴を、本発明のポンプは合わせ持
つことができる。
【0216】高粘度流体の高速塗布ができる。
【0217】超微少量を高精度で吐出できる。
【0218】本発明を例えば表面実装のディスペンサ
ー、PDP,CRTディスプレイの蛍光体塗布、液晶パ
ネルのシール材塗布等に用いれば、その長所をいかんな
く発揮でき、効果は絶大なものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるディスペンサーを
示す正面断面図
【図2】上記実施例の吐出部の拡大断面図
【図3】上記実施例の吐出遮蔽のプロセスを示す図
【図4】上記実施例の吐出遮蔽のプロセスを示す図
【図5】上記実施例の吐出遮蔽のプロセスを示す図
【図6】上記実施例の流量特性を示す解析結果を示す図
【図7】上記実施例の電気回路モデル図
【図8】上記実施例の塗布対象を示す図
【図9】上記実施例の塗布開始のタイミングを示す図
【図10】上記実施例のピストン位置と時間の関係を示
す図
【図11】本発明の第2の実施例によるディスペンサー
を示す正面断面図
【図12】本発明の第3の実施例によるディスペンサー
を示す正面断面図
【図13】上記実施例の吐出遮蔽のプロセスを示す図
【図14】上記実施例の吐出遮蔽のプロセスを示す図
【図15】上記実施例の吐出遮蔽のプロセスを示す図
【図16】上記実施例の流量特性を示す解析結果を示す
【図17】上記実施例の流速ベクトル解析結果を示す図
【図18】上記実施例の流速ベクトル解析結果を示す図
【図19】上記実施例のストロークと時間の関係を示す
【図20】本発明の第4の実施例によるディスペンサー
を示す正面断面図
【図21】上記実施例の吐出遮蔽のプロセスを示す図
【図22】本発明の第5の実施例によるディスペンサー
を示す正面断面図
【図23】上記実施例の連結部を示す図
【図24】上記実施例の動圧シールの発生圧力と隙間の
関係を示す図
【図25】上記実施例のシール軸先端のモデル図
【図26】本発明の第6の実施例による吐出部拡大図
【図27】本発明の第7の実施例によるディスペンサー
を示すもので (イ)は斜視図 (ロ)はノズル部を示す図
【図28】本発明の第8の実施例のモデル図
【図29】従来のエアーパルス方式のディスペンサーを
示す図
【符号の説明】
1 アクチュエータ 2 ピストン 3 シリンダ 20 流体輸送室 27 内部空間 17 吸入孔 19 吐出孔

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダに収納されたピストンと、前記
    シリンダと前記ピストンで形成される内部空間を増減さ
    せるために、前記シリンダと前記ピストンに相対的な運
    動を与えるアクチェータと、前記シリンダを収納あるい
    は前記シリンダと一体化したハウジングと、このハウジ
    ングに形成された流体の吸入孔及び吐出孔と、前記ハウ
    ジング内部に形成された流体輸送室から構成される流体
    供給装置において、前記吸入孔から前記流体輸送室内に
    流入した流体は、前記内部空間に繋がる流路を経て前記
    吐出孔に流出するように構成されていることを特徴とす
    る流体供給装置。
  2. 【請求項2】 前記アクチェータは電磁歪型であること
    を特徴とする請求項1記載の流体供給装置。
  3. 【請求項3】 吸入口から吐出口に繋がる流路の一部の
    容積を増減させることにより、流体の吐出遮蔽および吐
    出開放をさせることを特徴とする請求項1記載の流体供
    給装置。
  4. 【請求項4】 請求項1の流体供給装置において、流体
    の吐出遮断時には前記内部空間を増大するように前記ア
    クチェータを駆動させることを特徴とする請求項1記載
    の流体供給装置。
  5. 【請求項5】 請求項1の流体供給装置において、前記
    内部空間の増大を停止もしくは減少させることにより、
    流体の吐出を再開することを特徴とする請求項1記載の
    流体供給装置。
  6. 【請求項6】 請求項1の流体供給装置において、前記
    内部空間の容積を増減させる手段を第1の流量制御手段
    とし、この第1の流量制御手段を用いて流体の吐出遮蔽
    後、前記第1の流量制御手段よりも応答性の低い第2の
    流量制御手段により吐出流路を遮蔽させることを特徴と
    する請求項1記載の流体供給装置。
  7. 【請求項7】 シリンダに収納されたピストンと、前記
    シリンダと前記ピストンで形成される内部空間を増減さ
    せるために、前記シリンダと前記ピストンに相対的な運
    動を与える第1のアクチュエータと、前記シリンダを収
    納あるいは前記シリンダと一体化したハウジングと、こ
    のハウジングに形成された流体の吸入孔及び吐出孔と、
    前記ハウジング内部に形成された流体輸送室と、前記ピ
    ストンに貫通して設けられたシール軸と、このシール軸
    とその対向面で構成される吐出バルブと、この吐出バル
    ブの通路面積を増減するために、前記シール軸とその対
    向面間に相対的な運動を与える第2のアクチュエータら
    構成される流体供給装置において、前記吸入孔から前記
    流体輸送室内に流入した流体は、前記内部空間に繋がる
    流路から前記吐出バルブを経て前記吐出孔に流出するよ
    うに構成されていることを特徴とする流体供給装置。
  8. 【請求項8】 前記流体輸送室から前記内部空間に繋が
    る流路に、流路面積が他と比べ小なる絞り部が設けられ
    ていることを特徴とする請求項1あるいは7記載の流体
    供給装置。
  9. 【請求項9】 内部空間は前記ピストンの吐出側端面と
    その対向面で前記吐出口が設けられた前記ハウジングの
    間で形成されることを特徴とする請求項1あるいは7記
    載の流体供給装置。
  10. 【請求項10】 前記シール軸の吐出側端面と、その対
    向面に形成された前記吐出孔の開口部の間で、吐出バル
    ブを構成したことを特徴とする請求項7記載の流体供給
    装置。
  11. 【請求項11】 前記第1と前記第2のアクチェータは
    駆動原理が異なることを特徴とする請求項7記載の流体
    供給装置。
  12. 【請求項12】 前記第1のアクチェータは電磁歪素子
    により構成されることを特徴とする請求項7記載の流体
    供給装置。
  13. 【請求項13】 前記シール軸の吐出側とは反対側の端
    面に、前記シール軸の軸方向変位を検出する変位センサ
    ーが設けられていることを特徴とする請求項7記載の流
    体供給装置。
  14. 【請求項14】 第1と第2の駆動手段は同一のアクチ
    ェータであることを特徴とする請求項7記載の流体供給
    装置。
  15. 【請求項15】 前記ピストンは中空の電磁歪素子の吐
    出側端面に固定され、電磁歪素子を貫通して設けられた
    前記シール軸は、電磁歪素子の吐出側と反対側端面に固
    定されていることを特徴とする請求項14記載の流体供
    給装置。
  16. 【請求項16】 電磁歪素子の吐出側端面とハウジング
    の間、及び電磁歪素子の吐出側とは反対側端面とハウジ
    ングの間のそれぞれに、電磁歪素子に予荷重を与えるた
    めのバイアスバネを設けたことを特徴とする請求項15
    記載の流体供給装置。
  17. 【請求項17】 電磁歪素子の吐出側端面とハウジング
    の間に設けるバイアスバネのバネ剛性をK1,電磁歪素子
    の吐出側とは反対側端面とハウジングの間に設けるバイ
    アスバネのバネ剛性をK2としたとき、K1≠K2であること
    を特徴とする請求項16記載の流体供給装置。
  18. 【請求項18】 請求項7の流体供給装置において、流
    体の吐出遮蔽時には前記第1のアクチュエータにより前
    記内部空間を増大させた後、前記第2のアクチュエータ
    により前記吐出バルブの開口路を遮蔽もしくは開口面積
    を減少させることを特徴とする流体供給装置。
  19. 【請求項19】 請求項7の流体供給装置において、流
    体の吐出開放時には前記吐出バルブの開口路を遮蔽もし
    くは開口面積を減少させたままで、前記第1アクチュエ
    ータにより前記内部空間を減少させ、しかる後、前記第
    2アクチュエータにより前記吐出バルブの開口路を開放
    もしくは開口面積を増大させることを特徴とする流体供
    給装置。
  20. 【請求項20】 請求項7の流体供給装置において、前
    記第1のアクチュエータの動作中に、前記第2のアクチ
    ュエータによる動作が完了することを特徴とする流体供
    給装置。
  21. 【請求項21】 請求項1あるいは請求項7の流体供給
    装置において、数ミクロンから数百ミクロンの範囲で設
    定された対向面で内部空間を構成し、この対向面間の隙
    間を増大させることにより、吐出遮蔽をおこなうことを
    特徴とする流体供給装置。
  22. 【請求項22】 ピストンとシリンダ間に相対的な回転
    運動を与えるモータと、この相対的な回転運動によって
    流体輸送室内の流体を圧送するポンプ手段が前記ピスト
    ンと前記シリンダの間に形成されていることを特徴とす
    る請求項1あるいは7記載の流体供給装置。
  23. 【請求項23】 ポンプ手段はピストンとスリーブの相
    対移動面に形成されたねじ溝であることを特徴とする請
    求項22記載の流体供給装置。
  24. 【請求項24】 第1及び又は第2のアクチュエータは
    外部から電気磁気的な非接触の電力供給手段によって移
    動もしくは伸縮する機能を有することを特徴とする請求
    項22記載の流体供給装置。
  25. 【請求項25】 前記第1及び又は第2のアクチュエー
    タは超磁歪素子から構成されることを特徴とする請求項
    22記載の流体供給装置。
  26. 【請求項26】 電磁コイルと、この電磁コイルに印加
    される電流よって軸方向に伸縮する超磁歪素子と、この
    超磁歪素子に貫通して設けられたピストンと、前記超磁
    歪素子の軸方向の移動を規制する固定側と、軸方向に移
    動可能なように構成された可動側を有し、かつこの可動
    側と前記ピストンを固定させた構造であることを特徴と
    する請求項1記載の流体供給装置。
  27. 【請求項27】 請求項1あるいは7あるいは22の流
    体供給装置において、連続塗布の段階で、ピストン及び
    又はシール軸の位置情報をもとに、ピストン及び又はシ
    ール軸を上下動させることにより、吐出流量を制御する
    ことを特徴とする流体供給装置。
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