JP2002143746A - 流体供給装置及び流体供給方法 - Google Patents

流体供給装置及び流体供給方法

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JP2002143746A
JP2002143746A JP2000340001A JP2000340001A JP2002143746A JP 2002143746 A JP2002143746 A JP 2002143746A JP 2000340001 A JP2000340001 A JP 2000340001A JP 2000340001 A JP2000340001 A JP 2000340001A JP 2002143746 A JP2002143746 A JP 2002143746A
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fluid supply
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JP2000340001A
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English (en)
Inventor
Teruo Maruyama
照雄 丸山
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子部品、家電製品などの分野における生産
工程において、接着剤、クリーンハンダ、蛍光体、グリ
ース、ペイント、ホットメルト、薬品、食品などの各種
粉流体・高粘度流体を、粉体の堆積による流路の目詰り
などのトラブルなく高い信頼性のもとで流量制御ができ
る。 【解決手段】 流体の流動性の向上させる高周波振動
を、塗布装置の流路に局所的に与えることにより、粘弾
性流体・粉流体の微少流量塗布に係る前述した課題を解
決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子部品、家電製品
などの分野における生産工程に用いることができ、接着
剤、クリームハンダ、蛍光体、グリース、ペイント、ホ
ットメルト、薬品、食品などの各種液体を定量に吐出・
吐出するための流体供給装置および供給方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】液体吐出装置(ディスペンサー)は従来
から様々な分野で用いられているが、近年の電子部品の
小形化・高記録密度化のニーズにともない、微少量の流
体材料を高精度でかつ安定して吐出制御する技術が要請
される様になっている。
【0003】また、たとえばCRT、PDPなどのディ
スプレイ面に蛍光体を均一に塗布するための、新たな流
体塗布手段開発の要望も大きい。
【0004】表面実装(SMT)の分野を例にとれば、
実装の高速化、微小化、高密度化、高品位化、無人化の
トレンドの中で、ディスペンサーの課題を要約すれば、 塗布量の高精度化と1回の塗布量の微小化 吐出時間の短縮 …高速吐出遮断及び開始ができる 高粘度の粉流体に対応できる である。従来、微少流量の液体を吐出させるために、エ
アパルス方式、ねじ溝式等のディスペンサーが実用化さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来先行例の
うち、図11に示す様なエアパルス方式によるディスペ
ンサーが最も広く用いられており、例えば「自動化技
術′93.25巻7号」等にその技術が紹介されてい
る。この方式によるディスペンサーは、定圧源から供給
される定量の空気を容器200(シリンダ)内にパルス
的に印加させ、シリンダ200内の圧力の上昇分に対応
する一定量の液体をノズル201から吐出させるもので
ある。
【0006】エアーパルスの方式のディスペンサーは応
答性が悪いという欠点があった。
【0007】この欠点は、シリンダに封じ込められた空
気202の圧縮性と、エアーパルスを狭い隙間に通過さ
せる際のオリフィス抵抗:R1,及び高粘度流体を細径の
吐出ノズルから吐出させる際の流体抵抗:R2によるもの
である。すなわち、エアーパルス方式の場合、シリンダ
の容積:Cと抵抗:R1,R2できまる流体回路の時定数が大
きい。たとえば、回路実装で用いられる接着剤、導電性
ペーストなどの材料は、通常、流体粘度は1万〜5万C
PSであり、上記流体抵抗:R2は極めて大きい。そのた
め、エアーパルスの方式の場合、入力パルスを印加後、
吐出開始にたとえば0.07〜0.1秒程度の時間遅れを見込
まねばならない。
【0008】塗布流体の粘度を低減すれば、吐出ノズル
を通過する際の流動性が向上するため、塗布速度の向上
が図れる。しかし、流体粘度が小さいと、塗布後の流体
は基板上で広がり易くなり、たとえば描画の線幅の許容
限界を超えてしまうため、低粘度化には限界があった。
【0009】また同目的のために、粘性ポンプであるね
じ溝式のディスペンサーも既に実用化されている。ねじ
溝式の場合、ノズル抵抗に依存にくいポンプ特性を選ぶ
ことができ、十分に大きな発生圧力が得られるため、連
続吐布の場合は好ましい結果が得られるが、間欠塗布は
粘性ポンプの性格上不得手である。そのため従来ねじ溝
式では、 (1)モータとポンプ軸の間に電磁クラッチを介在さ
せ、吐出のON、OFF時にこの電磁クラッチを連結あるい
は開放する。
【0010】(2)DCサーボモータを用いて、急速回転
開始あるいは急速停止させる。しかし、上記いずれも機
械的な系の時定数で応答性が決まるため、高速間欠動作
には制約があった。応答性はエアーパルス方式と比較す
ると良好であるが、しかし最短時間でも0.05秒程度が限
界であった。
【0011】またポンプ軸の過渡応答時(回転始動時と
停止時)の回転特性に不確定要因が多いため、流量の厳
密な制御は難しく、塗布精度にも限界があった。
【0012】粉流体を微少量塗布する生産プロセスにも
さまざまな課題が多い。
【0013】たとえばCRT,PDPなどのディスプレ
イ面への蛍光体を塗布するプロセスに、エアー方式(基
本構造は図5と同様)をディスペンサーとして用いた場
合、溶剤と比べて質量の重い蛍光体の粉体が、狭い通路
のノズル部分に堆積するなどのトラブルが発生する。そ
のため粉流体が常に流動状態を保つような対策が必要で
あった。
【0014】本発明は、流体の流動性の向上させる高周
波振動を、塗布装置の流路に局所的あるいは時間限定で
与えることにより、粘弾性流体・粉流体の微少流量塗布
に係る前述した課題を解決するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の流体供給装置
は、周波数の異なる信号を重畳させて電磁歪素子を駆動
する手段と、この電磁歪素子によって駆動される可動部
材1と、前記電磁歪素子と振動減衰手段を介在して連結
された可動部材2と、この可動部材2及び前記可動部材
1を収納するハウジングと、このハウジングに形成され
た流体の吸入口及び吐出口と、前記ハウジングと前記可
動部材1、もしくは前記ハウジングと前記可動部材2で
形成されるポンプ室と、このポンプ室内の流体を前記吐
出口側へ圧送する手段から構成されている。
【0016】
【発明の実施の形態】[本発明の原理の説明]以下、本発
明を次の2つに分けて説明する。
【0017】I.高周波振動をディスペンサーのポンプ
部に局所的に与える方法。
【0018】II.高周波振動を時間限定で与える方法。
【0019】まず、上記Iについて説明する。具体的な
実施例について述べる前に、上記Iの原理について説明
する。
【0020】図1は上記Iの発明のディスペンサーの原
理図であり、ポンプ軸に流体を圧送するための「基本動
作のための低周波駆動」と、「流体の流動性を向上する
ための高周波振動」を重畳させて与え、かつローパスフ
ィルターを用いて必要な個所のみに高周波振動を与える
ことにより、高周波振動が粉流体・粘弾性流体に与える
マイナス面の影響を回避したものである。
【0021】300は電磁歪素子である積層型の圧電ア
クチュエータ、301は中心軸(第1の可動部材)、3
02はピストン(第2の可動部材)、303は部材30
1、302の間に矜持されたリング形状の制振合金、3
04は中心軸301の細径部、305はハウジング、3
06はこのハウジングに形成された吸入口である。30
7は吐出部であり、この吐出部307の内部に前記中心
軸の細径部304の一部が収納され、吐出ノズル308
が形成されている。
【0022】309はバイアスバネであり、ピストン3
02とハウジング305の間に装着されている。このバ
イアスバネ309は、圧電アクチュエータ300と制振
合金303に予荷重を与えるものである。
【0023】部材301〜303と309、305によ
り、変位伝達部310を構成している。
【0024】311はハウジング305とピストン30
2で形成されるポンプ室、312は振動伝達を防止する
ための遮断壁であり、この遮断壁312により、中心軸
304の振動はポンプ室311内部の流体に伝達されな
い。
【0025】さて圧電素子300の入力には、低周波信
号と高周波信号が重畳された電圧が与えられる。
【0026】(1)ピストン302は、高周波成分が変
位伝達部310によってカットされ、低周波信号により
流体の吸入・吐出を行うための基本動作のみ行う。
【0027】(2)中心軸301には、圧電素子の出力
がそのまま伝達される。高周波振動により、吐出ノズル
内部にある流体の流動性を向上させる。
【0028】粘弾性流体に高周波振動を与えると、流動
性が向上する現象のメカニズムは十分に明らかではない
が、発熱による局所的温度上昇とこの温度上昇による
粘度の低下、せん断力が加わることによって、みかけ
の粘度が下がるチクソトロピー(せん断速度流動化)と
呼ばれる現象、ばね、質量、ダンパーでモデル化され
る粉流体・粘弾性流体の共振現象などが考えられる。
【0029】但し、適用する材料によっては、長時間、
連続的に高周波振動を与え続けると、上記〜の影響
がマイナス面で作用し、材料の特性が変化あるいは劣化
する場合が多い。
【0030】たとえば回路実装の場合は、塗布材料の流
量は極めて小さく、ディスペンサーのポンプ室に封入さ
れた材料の滞在時間はかなり長い場合が多い。
【0031】本発明では、高周波振動が与えられる流体
は、吐出直前にある吐出ノズル近傍の流体だけである。
そのため、高周波振動のマイナス面の影響を回避でき、
粉流体の流動性が向上し、粉体の堆積・附着などを防止
する効果によって、ディスペンサーの信頼性を大幅に向
上させることができる。
【0032】本発明における高周波とは超音波も含む
が、取り扱う流体の性質に合わせて、最も効果的な周波
数を選択すればよい。
【0033】なお、原理のモデル図1では、ポンプの圧
送手段は容積型のシリンジ方式となっているが、本発明
はどのような方式のポンプ、たとえば、ねじ溝式、ツイ
ンスクリュウ式、モーノポンプ(スネイクポンプ)、エ
アー式でも適用できる。
【0034】[本発明の実施例の説明]以下、本発明を電
子部品の表面実装用ディスペンサーに適用した第一の実
施例について、図1を用いて説明する。
【0035】近年益々高精度化、超微細化していく回路
形成の分野、あるいはPDP,CRTなどの映像管の電
極とリブ形成、液晶パネルのシール材塗布、光ディスク
などの製造行程の分野において、微細塗布技術に関す
る、次のような要望が強い。
【0036】連続吐布後、すばやく塗布を止め、短い
時間をおいて連続塗布を急峻に開始できること。そのた
めには、たとえば0.01秒のオーダーで流量制御できるこ
とが理想である。
【0037】粉流体に対応できること。たとえば流路
の機械的な遮断により、粉体の圧搾破損、流路の 詰
まりなどのトラブルがないこと。
【0038】上述した高粘度流体・粉流体の微少流量塗
布に係る、近年の様々な要求に応えるために、本発明者
らは、ピストンとシリンダの間に相対的な直線運動と回
転運動を与えると共に、回転運動により流体の輸送手段
を与え、直線運動を用いて固定側と回転側の相対的なギ
ャップを変化させ、流体の吐出量を制御する塗布手段、
「流体供給装置及び流体供給方法」を出願中(特願2000
-188899号)である。
【0039】本実施例では、上記提案をさらに改良する
もので、電磁歪素子によって軸に高周波振動を与えて、
かつ吐出流路内に高周波振動するポンプ軸の吐出側端部
を配置する構成により、紛流体の流動性向上を図ってい
る。
【0040】1は第1のアクチェータであり、実施例で
は、高粘度流体を高速で間欠的に微小量かつ高精度に供
給するために、高い位置決め精度が得られ、高い応答性
を持つと共に大きな発生荷重が得られる超磁歪素子を用
いた。
【0041】2は第1のアクチェータ1によって駆動さ
れる主軸である。前記第1のアクチェータは、下部ハウ
ジング3に収納されており、この下部ハウジング3の下
端部(フロント側)に、主軸2を収納するポンプ部4が
装着されている。
【0042】5は第2のアクチェータであり、主軸2と
ハウジング3の間に相対的な回転運動を与えるものであ
る。モータロータ6は上部主軸7に固着され、またモー
タステータ8は上部ハウジング9に収納されている。
【0043】10は超磁歪素子から構成される円筒形状
の超磁歪ロッド、11は超磁歪ロッド10の長手方向に
磁界を与えるための磁界コイルである。12、13は超
磁歪ロッド10にバイアス磁界を与えるためのリア側、
フロント側の永久磁石である。リア側とフロント側の永
久磁石12、13が、超磁歪ロッド10を矜持する形で
配置されている。この永久磁石12,13は、超磁歪ロ
ッド10に予め磁界をかけて磁界の動作点を高めるもの
で、この磁気バイアスにより磁界の強さに対する超磁歪
の線形性が改善できる。
【0044】14は超磁歪ロッド10のリア側に配置さ
れ、磁気回路のヨーク材をであるリア側ヨーク、15は
超磁歪ロッド10のフロント側に配置されたフロント側
ヨーク、16は磁界コイル11の外周部に配置された円
筒形状のヨーク材である。
【0045】10→12→14→16→15→13→1
0により、超磁歪ロッド10の伸縮を制御する閉ループ
磁気回路を形成している。なお主軸2はこの磁気回路に
影響を与えないように、非磁性材料を用いている。すな
わち、部材10〜16により、磁界コイルに与える電流
で超磁歪ロッドの軸方向の伸縮を制御できる超磁歪アク
チェータ(第1のアクチェータ1)を構成している。
【0046】超磁歪材料は希土類元素と鉄の合金であ
り、たとえば、bFe2,DyFe2,SmFe2などが知られおり、近
年急速に実用化が進められている。
【0047】17は上部主軸7を回転自在、かつ軸方向
に移動可能に収納するリア側スリーブである。このリア
側スリーブ17は軸受18により中間ハジング19に対
して回転自在に支持されている。
【0048】20は、主軸2のフロント側細径部21を
軸方向移動可能に収納する可動スリーブ、22は部材1
5、20の間で、制振ねじ23によって矜持された円筒
形状の制振リングである。上記部材15、20、22、
23により、超磁歪ロッド10に発生する変位から高周
波成分をカットして、低周波成分のみを可動スリーブ2
0に伝達する変位伝達部24(図2に詳細を示す)を構
成している。部材22、23には後述する制振合金を用
いている。
【0049】モータ5から伝達された主軸2の回転動力
は、部材2、15の間に設けられた回転伝達部25を経
て、フロント側ヨーク15から可動スリーブ20に伝達
される。また可動スリーブ20はフロント側スリーブ2
6に軸方向移動可能に収納され、またこのフロント側ス
リーブ26は軸受27によって、下部ハウジング3に対
して回転自在に支持されている。
【0050】28はリア側ヨーク14とリア側スリーブ
17の間に装着されたリア側バイアスバネである。また
29は可動スリーブ20とフロント側スリーブ26の間
に装着されたフロント側バイアスバネである。
【0051】これらのバイアスバネ28,29から加わ
る荷重により、超磁歪ロッド10はバイアス永久磁石1
2,13を介在して、上下の部材14,15に押圧され
る形で把持されている。この結果、超磁歪ロッド10に
は常に軸方向に圧縮応力が加わるため、繰り返し応力が
発生した場合に、引っ張り応力に弱い超磁歪素子の欠点
が解消される。
【0052】上記構成により、電磁コイル11に電流を
印加すると、超磁歪ロッド2は印加電流の大きさに比例
して伸縮する。このとき、超磁歪ロッド2の両端の変位
は、超磁歪ロッドに軸方向与圧を与える2つのバイアス
バネ28と29の剛性の大きさで決まる。
【0053】30は第2のアクチェータであるモータ5
の上部に配置された上部主軸7の回転位置情報を検出す
るためのエンコーダである。また31は上部主軸7(及
び主軸2)の上端面32の軸方向変位を検出するための
変位センサーである。
【0054】上記構成により、本発明の流体供給装置で
は、アクチェータの主軸2は回転運動と微少変位の直線
運動の制御を同時に、かつ独立して行うことができる。
【0055】さらに実施例では、第1のアクチェータに
超磁歪素子を用いたために、超磁歪ロッド10(及び主
軸2、可動スリーブ20)を直線運動させるための動力
を、外部から非接触で与えることができる。
【0056】超磁歪素子に加えた入力電流と変位は比例
するため、変位センサーなしのオープンループ制御で
も、前記主軸2の軸方向位置決め制御は可能である。し
かし本実施例のような位置検出手段を設けてフィードバ
ック制御をすれば、超磁歪素子のヒステリシス特性も改
善できるため、より高い精度の位置決めができる。
【0057】さて本実施例では、流体の吐出をON,OFF制
御するための低周波信号に加えて、輸送流体の流動性を
向上させるための高周波信号を上記低周波信号に重畳さ
せて、超磁歪素子を駆動している。変位伝達部24は、
主軸2にだけにこの高周波成分を伝達し、可動スリーブ
20に対しては高周波成分をカットする機能をもってい
る。以下、変位伝達部24の詳細図2を用いて説明す
る。
【0058】超磁歪素子のフロント側とリア側の出力端
変位は、可動スリーブ20と主軸2をそれぞれ駆動する
ための低周波成分と、高周波成分が重畳されている。リ
ア側の出力はそのまま主軸2に伝達される。
【0059】一方フロント側の出力は、永久磁石13か
らフロント側ヨーク15に伝達される。
【0060】フロント側ヨーク15と可動スリーブ20
の間には、制振リング22が制振ねじ23によって矜持
されている。
【0061】制振合金である部材22、23のローパス
フイルターの効果によって、高周波成分はカットされ、
低周波成分のみが可動スリーブ20に伝達される。
【0062】実施例で用いた制振合金は、「銅+マンガ
ン合金」(組成はMn-20Cu-5Ni-2Fe)による振動吸収材
料(M2052)として既に実用化されている公知の材料で
ある。
【0063】「銅+マンガン合金」の制振メカニズム
は、マンガンに対する銅の添加量と時効処理の組み合わ
せによって、マルテンサイト変態を惹起、双晶を形成さ
せて振動を吸収するものである。
【0064】古くから、振動吸収材料としてはゴム、
鉛、鋳鉄、制振鋼板などが用いられていたが、強度、寿
命、加工性などの点で多くの問題点があった。M2052は
これらの問題点をクリアーし、かつ十分な強度を持って
いる。
【0065】「銅+マンガン制振合金」は、塑性変形が
生じない範囲であれば、外部からの荷重が高い程、振動
減衰率が高いという特性をもっている。この点に注目
し、実施例では、電磁歪素子(超磁歪素子)に与えるバ
イアスバネの荷重を兼ねてこの制振合金に与えることに
より、振動減衰率の向上を図っている。
【0066】さて本実施例では、主軸2の軸方向位置決
め機能を用いて、主軸の定常回転状態を保ったままで、
主軸の吐出側スラスト端面の隙間の大きさを任意に制御
することができる。この機能を用いて、吸入口37から
吐出ノズル38に至るいかなる流通路の区間も機械的に
非接触の状態で、粉流体の遮断・開放ができる。その原
理を図1及び吐出部4の詳細図4を用いて簡単に説明す
る。詳しくは「補足説明」で述べる。
【0067】図2において、33はシリンダ、34は可
動スリーブ20の外表面とシリンダ33内面の相対移動
面に形成された、流体を吐出側に圧送するためのラジア
ル溝、35は流体シールである。この可動スリーブ20
とシリンダ30の間で、主軸2とシリンダ4の相対的な
回転によってポンピング作用を得るためのポンプ室36
を形成している。またシリンダ33には、ポンプ室36
と連絡する吸入孔37が形成されている。38はシリン
ダ33の下端部に装着された吐出ノズルである。
【0068】図4において、39は可動スリーブ20の
吐出側端面であり、この吐出側端面39とその対抗面4
0の相対移動面にシール用スラスト溝が41が形成され
ている。この対向面40の中央部に吐出ノズル38の開
口部42が形成されている。
【0069】44は主軸2(主軸細径部21)の吐出側
端部に形成された円錐状凸部、45は吐出ノズル側に形
成された円錐状の凹部である。46が部材44と45で
形成され、輸送流体に高周波振動を与え吐出ノズル38
に繋がる流路であり、振動流路と呼ぶことにする。
【0070】図4は可動スリーブ20の下降により、吐
出側端面39とその対抗面40間のギャップ:δが小さ
くなり、動圧シールの効果によって流体の流出が遮断さ
れた状態を示している。吐出ノズルの開口部42近傍の
流体は、スラスト溝41によって遠心方向のポンピング
作用[図4の矢印]を受けているために、開口部42近傍
は負圧(大気圧以下)となる。この効果により、遮断
後、吐出ノズル38内部に残存していた流体は再びポン
プ内部に吸引される。このサック・バックの効果によ
り、吐出ノズル先端で表面張力による流体魂がすみやか
に消滅し、糸引き、洟垂れが解消される。
【0071】可動スリーブ20を逆に上昇させると、ギ
ャップ:δが増大し、動圧シールの効果が低下するた
め、流体はすみやかに吐出を開始する。
【0072】さらに、本実施例では、主軸2の円錐状に
形成された吐出側端部44も、可動スリーブ20に対し
て逆位相で上下動する。すなわち、可動スリーブ20の
吐出側端面のギャップ:δが小さくなると、主軸2の吐
出側端面(円錐面44)の対抗面間のギャップは逆に増
大する。
【0073】この機能により、吐出遮断時に発生するス
クイーズアクション作用による圧力急上昇をキャンセル
し、吐出流量を安定化できることは、既に特願2000-188
899号により提案している。
【0074】さて本実施例では、超磁歪素子の駆動入力
電流に高周波信号が重畳されると、 (1)可動スリーブ20は、高周波成分が軸方向変位伝
達部24によって、カットされ、流体の吐出状態をON,O
FFさせる動作のみ行う。
【0075】(2)主軸2は、可動スリーブ20に対し
て逆位相で運動し、スクイーズアクション作用を抑制す
る動作と同時に高周波振動をする。
【0076】上記(2)の効果により、振動流路46内
の流体は高周波振動を与えられて、みかけの粘度が低下
し流動性が向上する。また粉流体の粉体の堆積・附着な
ど防止する効果によって、ディスペンサーの信頼性が飛
躍的に向上する。
【0077】さらに本実施例の場合は、吐出遮断時にお
いて、吐出ノズル38先端に附着していた流体塊がポン
プ内部に吸引される速度がアップし、糸引き、洟垂れ防
止効果が一層向上する。その結果、より高生産タクトに
適した間欠ディスペンス行程に対応できるようになる。
【0078】以下、図2の実施例について補足する。
【0079】超磁歪素子は引張り応力に弱い脆性材料で
あるため、モータ5の回転動力は主軸2とフロント側ヨ
ーク15のみに伝達され、脆性材料である超磁歪素子に
捻りトルクは発生しない構成にした。いずれもリング状
に形成された超磁歪素子、永久磁石の各部材は、非磁性
材料の主軸2を貫通する形で配置した。また主軸2の外
周部と部材10,12,13内周部の間の隙間は十分に
小さく設定した。その結果、装置の回転時に各部材に加
わる遠心力の影響によって、各部材10,12,13の
軸芯がずれることはない。すなわち、各部材を貫通して
設けられた主軸2は、脆性材料である超磁歪素子に対し
て圧縮応力以外は与えない「保護機能」と、回転時の
「軸芯ズレの防止機能」を兼ねている。
【0080】ラジアル溝34はスパイラルグルーブ動圧
軸受として知られている公知のものであり、またねじ溝
ポンプとしても利用されている。
【0081】またシール用スラスト溝41は、同様にス
ラスト動圧軸受として知られているものである。さて、
スラスト軸受の発生できるシール圧力は次式で与えられ
る。
【0082】
【式1】
【0083】(1)式において、ωは回転角速度、R0
スラスト軸受の外径、R0はスラスト軸受の内径、fは溝
深さ、溝角度、グルーブ幅とリッジ幅などで決まる関数
である。
【0084】図5のグラフにおける曲線(イ)は、下記
表1の条件下で、スパイラルグルーブ型スラスト溝を用
いた場合のギャップδに対するシール圧力PSの特性を示
すものである。図4のグラフにおける曲線(ロ)は、軸
方向流動が無い場合について、ラジアル溝のポンピング
圧力と軸先端のギャップδの関係を示す一例である。こ
のラジアル溝のポンピング圧力は、上記スラスト溝同
様、ラジアル隙間、溝深さ、溝角度の選択によって広い
範囲で選ぶことができる。しかし定性的には、ラジアル
溝のポンピング圧力Prは軸先端の空隙の大きさ(ギャッ
プδの大きさ)に依存しない。
【0085】さて、シール用スラスト溝のギャップδが
十分大きいとき、たとえばギャップδ=15μmのと
き、発生圧力は小さく、P<0.1kg/mm2である。
【0086】軸を回転させたままで、回転軸端面を固定
側の対向面に接近させる。ギャップδ<10.0μmなる
と、シール圧力がラジアル溝のポンピング圧力Prより大
きくなり、流体の吐出口側への流出は遮断される。
【0087】さて、本発明の実施例では、回転軸を僅か
5〜10μm程度軸方向に移動させることにより、流体
の吐出状態のON,OFFを自在に制御することができる。
【0088】本発明のポイントを要約すれば、スラスト
溝によるシール圧力は、ギャップδが小さくなると急激
に増大するのに対して、ラジアル溝のポンピング圧力は
ギャップδの変化に対して極めて鈍感である、という点
を利用している。
【0089】なおラジアル溝、スラスト溝いずれも回転
側、固定側のどちらに形成してもよい。
【0090】また微少粒子が含まれた接着材のような粉
流体を塗布する場合は、ギャップδの最小値δminは微
少粒子径φdよりも大きく設定すればよい。
【0091】
【式2】
【0092】同一の発生圧力に対して、より大きなギャ
ップを得るためには、回転数を高くするか、駆動スリー
ブにスラストシールのつばを設け、その外径を大きくか
つ溝深さ、溝角度等に適切な値を選べば良い(図示せ
ず)。
【0093】
【表1】
【0094】またスラスト動圧軸受は、実施例のような
平板(flat)型ではなく、円錐(conical)型、球面(s
pherical)型のいずれを用いても良い。
【0095】球面型の場合は、平板型と比較したとき、
同じシール圧力を得るのに大きなギャップを選ぶことが
できるため、より大きな粒径の粉流体に対応できる。
【0096】また円錐型、球面型のの場合は、ポンプ室
7から吐出ノズル38に繋がる流路形状がスムーズとな
り、粉体の堆積防止などに有効である。
【0097】さて本実施例では、軸方向駆動手段に超磁
歪素子を用いているが、微少流量を扱うポンプでは、
「非接触シール」を構成するためのギャップδのストロ
ークは、大きくとも数十ミクロンのオーダでよく、超磁
歪素子、ピエゾ素子などの電磁歪素子のストロークの限
界は問題とならない。
【0098】また、高粘度流体を吐出させる場合、ラジ
アル溝によるポンピング作用によって大きな吐出圧の発
生が予想される。この場合、第1のアクチェータ1には
高い流体圧に抗する大きな推力が要求されるため、数百
〜数千Nの力が容易に出せる電磁歪型アクチェータが好
ましい。電磁歪素子は、数MHz以上の周波数応答性を持
っているため、主軸を高い応答性で直線運動させること
ができる。そのため、高粘度流体の吐出量を高いレスポ
ンスで高精度に制御できる。
【0099】また軸方向駆動手段に超磁歪素子を用いた
場合、圧電素子を用いる場合と比べて、伝導ブラシも省
略できることから、モータ(回転手段)の負荷を軽減で
きると共に、全体構成が極めてシンプルとなるため、稼
動部の慣性モーメントを極力小さくでき、ディスペンサ
ーの細径化が可能である。
【0100】可動スリーブ20と主軸2のストロークを
変える場合は、2つのバイアスバネ28、29の剛性比
を変えればよい。バイアスバネの一方の剛性を無限大に
すれば、すなわち一方のバネを省略してバネを介在する
2つの部品(14と17、あるいは20と26)を一体
化すれば、軸方向に変位する出力軸はひとつになる。
【0101】以下、本発明を電子部品の表面実装用ディ
スペンサーに適用した第2の実施例について、図6を用
いて説明する。
【0102】この実施例は、中実形状の超磁歪素子を用
いて、そのリア側を固定しフロント側だけを可動端とし
て第1のアクチェータを構成した場合を示す。
【0103】51は超磁歪素子によって駆動される第1
のアクチェータ、52はメインスリーブ、53は下部ハ
ウジング、54はポンプ部である。
【0104】55は第2のアクチェータ、56はモータ
ロータ、57は上部主軸、58はモータステータ、59
は上部ハウジング、60は中実形状の超磁歪ロッド、6
1は磁界コイル、62、63は超磁歪ロッド60にバイ
アス磁界を与えるためのリア側、フロント側の永久磁石
である。リア側とフロント側の永久磁石62、63が、
超磁歪ロッド60を矜持する形で配置されている。64
は超磁歪ロッド10のリア側に配置され、磁気回路のヨ
ーク材であるリア側スリーブであり、上部主軸57を回
転自在、かつ軸方向に移動可能に収納している。このリ
ア側スリーブ64は軸受65により中間ハジング66に
対して回転自在に支持されている。
【0105】67は超磁歪ロッド60のフロント側に配
置されたフロント側ヨーク、68は磁界コイル61の外
周部に配置された円筒形状のヨーク材である。
【0106】60→62→64→68→67→63→6
0により、超磁歪ロッド60の伸縮を制御する閉ループ
磁気回路を形成している。なおメインスリーブ52はこ
の磁気回路に影響を与えないように、非磁性材料を用い
ている。
【0107】69はフロント側ヨーク67のフロント側
細径部、70はフロント側細径部69を軸方向移動可能
に収納する可動スリーブ、71は部材67、70の間
で、制振ねじ72によって矜持された円筒形状の制振リ
ングである。上記部材67、70、71、72により、
超磁歪ロッド60に発生する変位から高周波成分をカッ
トして、低周波成分のみを可動スリーブ70に伝達する
変位伝達部73を構成している。部材71、72には前
述した制振合金を用いている。
【0108】モータ55から伝達されたメインスリーブ
52の回転動力は、部材52、67の間に設けられた回
転伝達部74を経て、フロント側ヨーク67から可動ス
リーブ70に伝達される。また可動スリーブ70はフロ
ント側スリーブ75に軸方向移動可能に収納され、また
このフロント側スリーブ75は軸受76によって、下部
ハウジング53に対して回転自在に支持されている。
【0109】77はバイアスバネ、78はエンコーダ、
79は可動スリーブ70軸方向変位を検出するための変
位センサーである。
【0110】ポンプ部54において、80はシリンダ、
81はラジアル溝、82は流体シール、83はポンプ
室、84は吸入孔、85は吐出ノズル、86は可動スリ
ーブ70の吐出側端面とその対抗面の相対移動面に形成
されたシール用スラスト溝(図示せず)、87は円錐状
凸部、88は吐出ノズル側に形成された円錐状の凹部で
ある。
【0111】なお、第1、第2の実施例のディスペンサ
ーで用いた制振合金はどのような形状でもよく、たとえ
ば、シート状でもよい。制振部材としては、高周波振動
の減衰効果があれば、どのような材料、構造でもよく、
利用する周波数に合わせて選択すればよい。
【0112】以下、II.高周波振動を時間限定で与える
方法を、間欠塗布型のディスペンサーに適用した場合に
ついて述べる。
【0113】さて本発明者は既に、ピストンとシリンダ
の間に相対的な直線運動と回転運動をそれぞれ独立した
アクチュエータにより与えると共に、回転運動により吸
入・吐出バルブを構成し、非接触電力駆動による直線運
動により容積型のポンプを構成する流体吐出装置を提案
し出願中(特願2000-061471号)である。
【0114】上記発明により、流動性の悪い超微少量の
高粘度流体を、極めて高い信頼性のもとで、高精度かつ
高速に、かつ間欠的に吐出・塗布できる小径・コンパク
トな流体吐出装置を得ることができる。
【0115】本実施例は上記提案をさらに改良するもの
で、高周波振動を最も効果的なタイミングを狙って、時
間限定で与えることにより、洟垂れ、糸引きを低減させ
る効果を増し、吐出量の一層の高精度化を図るものであ
る。
【0116】図7は本発明の第3の実施例を示し、10
2は第1のアクチュエータ101によって駆動されるピ
ストンであり、レシプロ式(直動式)のポンプの直動部
分に相当する。前記第1のアクチュエータは、ハウジン
グ103に収納されており、このハウジングの下端部
に、ピストン2を収納するシリンダ4が装着されてい
る。このピストン102とシリンダ4の間で、ピストン
102の軸方向の移動によって容量が変化するポンプ室
105を形成している。106は吸入孔、107は吐出
孔、108は吐出ノズルである。109は第2のアクチ
ュエータであり、ピストン102とシリンダ104の間
に相対的な回転運動を与えるもので、パルスモータ、D
Cサーボモータ、あるいはレゾナントスキャナなどから
構成されるが、実施例では、揺動型モータを用いた。な
お本明細文では、回転運動とは一方向の回転、回転の方
向が変化する揺動運動のいずれも含むことにする。
【0117】110はロータ、111はステータ、11
2は揺動軸、113はハウジングである。この揺動軸1
12は上部スリーブ129に固定され、この上部スリー
ブ129は玉軸受114に回転自在に支持されている。
また、この玉軸受114の外輪側はハウジング115に
収納されている。
【0118】116は超磁歪素子から構成される超磁歪
ロッド、117は磁界コイル、118a,118bはバイ
アス永久磁石、119は円筒形状のヨーク材、120は
薄いスラスト円盤121を有する下部ヨークであり、ピ
ストン102と一体化した構造になっている。
【0119】122は超磁歪ロッド116、ピストン1
02を貫通して設けられた中心軸であり、123はこの
中心軸の細径部である。この中心軸122は上端で上部
ヨーク124と固定され、この上部ヨーク124は上部
スリーブ129とボルト(図示せず)で締結されてい
る。
【0120】超磁歪ロッド116の内面と中心軸122
の外周部は十分な大きさの隙間が設けられている。超磁
歪ロッド116は伸縮と共に回転するが、中心軸122
は回転運動だけなので、この隙間により両者の摺動を防
止する。
【0121】この中心軸122は、吐出側でピストン1
02よりも下方に伸びており、後述するように吐出弁の
役割を担っている。
【0122】125は玉軸受126の内輪側に圧入され
たスリーブ、126は玉軸受、127はバイアスバネで
ある。
【0123】モータ109によって与えられた回転動力
は、揺動軸112から中心軸122を経て、連結部13
0を介してピストン102に伝達される。この連結部1
30は中心軸122とピストン102の間は相対的に軸
方向移動は可能だが、回転運動は伝達できる構造になっ
ている。
【0124】上記構成により、本実施例の流体供給装置
では、ポンプのピストン102は回転運動と微少変位の
直線運動の制御を同時に、かつ独立して行うことができ
る。またピストン102を貫通して設けられた中心軸1
22は、回転運動はするが軸方向には移動しない構成と
なっている。131は変位センサー、132は軸の回転
角度を検出するエンコーダである。
【0125】さて流体を吸入し、定量吐出するためのポ
ンプ作用を理想的に行うためには、 吸入時には吐出通路を遮断する、吐出時には吸入通
路を遮断する、の2つの操作ができることが望ましい。
【0126】図8及び図9は、図7のポンプ部の詳細図
であり、またディスペンサーとしての吸入行程(図
8)、吐出行程(図9)を示すものである。133a,
133bはピストン2に形成された上部流通溝、134
a,134bはシリンダ104側に形成された上部流通
溝、135a,135bは中心軸細径部123の下端面
に形成された下部流通溝、136a,136bはシリン
ダ4側に形成された下部流通溝である。また、137は
流体が流動するポンプ室105の上流側間隙部、138
は吐出ノズル108の開口部、139はシール部材であ
る。
【0127】(1)吸入行程 図8の吸入行程において、ピストン102とシリンダ1
04の相対的な角度を一定に保ちながら、ピストン10
2を矢印(図8(a))の方向に上昇させる。ポンプ室
105に着目すると、図4(c)に示すごとくポンプ室
105の出口側は密閉状態となり、入口側は図8(b)
に示すごとく開放状態となるため、流体は図8(a)の
矢印の様にポンプ室105に流入する。
【0128】吸入行程が終了した状態で、ピストン10
2を回転すると、吐出行程開始直後の状態となる。なお
上述したピストン102の回転位置と軸方向位置及び両
位置のタイミングは、エンコーダ132と変位センサー
131からの出力をもとに、外部制御装(図示せず)に
より制御される。
【0129】(2)吐出行程 図9の吐出行程において、ピストンを図9(a)のごと
く下降させる。
【0130】ポンプ室5の入口側は図9(b)で示すよ
うに遮断されており、逆に出口側は開放[図9(c)]
されている。したがって、ポンプ室5に封じ込められて
いた流体は、ピストン2の下降量に比例した分だけ、吐
出ノズル8側へ流出する。
【0131】(3)サック・バック行程 上記吐出行程終了後、図9(b)で示すように入口側を
遮断した状態で、ピストンを少し上昇させる。すると、
吐出ノズル108内部の流体はポンプ室105内部に吸
引されるため、ノズル先端の流体塊は消滅する。
【0132】さて本実施例のディスペンサーを用いれ
ば、高周波振動を限定された時間内で、タイミングを狙
って与えることにより、高周波振動が流体材料に与える
マイナス面の影響を極力小さくした上で、ディスペンサ
ーとしての効果を得ることができる。図10は、高周波
振動を上記(2)の吐出行程が終了した直後のサック・
バック時の短い時間にだけ与えた例である。t=t4が吐出
行程終了時であり、t=t5がピストン102の回転開始
の時間である。このt4<t<t5の区間のみに高周波振動
を与える信号を超磁歪素子に重畳させる。その結果、吐
出ノズル内部の流体の流動性の向上により、ノズル先端
の流体塊がポンプ内部に吸引される効果のみが向上し、
流体に高周波振動を与えることによる不具合は生じな
い。
【0133】たとえば、流体材料の種類と塗布条件によ
っては、高周波振動による材料の低粘度化によって、塗
布後、流体材料が基板上で流動し易くなるなどの不具合
が発生する場合がある。この場合は上記方法を適用すれ
ば、高周波振動のマイナス面の影響を回避できる。なお
サック・バックの方法はポンプの形態によって異なる
が、どのような方法でもよい。たとえば、第1、第2の
実施例のディスペンサーで用いた動圧シールでもよい。
【0134】高周波振動を与える区間は、得られる効果
と粘弾性・粉流体の性質及び塗布条件によって選択すれ
ばよく、たとえば吸入行程t1<t<t2、吐出行程t3<t<
t4の区間でもよい。
【0135】以上、「高周波振動を時間限定で与える方
法」の実施例について述べた。この方法は、前述した
「高周波振動をディスペンサーのポンプ部に局所的に与
える方法」と組合せることは勿論できる。
【0136】たとえば、第1、第2の実施例のディスペ
ンサーと組み合わせ、「時間限定」でかつ「局所的」に
高周波振動を与えるようにすれば、一層効果的である。
【0137】この場合、第3の実施例のディスペンサー
には、第1、第2の実施例に適用した制振部材による変
位伝達部24を設ければよい。
【0138】あるいは、第1、第2の実施例のディスペ
ンサーに、「時間限定」の方法だけを適用しても良い。
この場合、たとえば図1において、制振リング22と制
振ねじ23を省略し、部材15と20を一体化した構造
にすればよい。
【0139】本発明からなる複数本のディスペンサーを
並列配置すれば、たとえば平板上に蛍光体材料等を塗布
させるプロセスにも適用できる。この場合、塗布材料の
吸入側吐出通路は共通でよいが、吐出流量(及びON,
OFF)は各ディスペンサーを個別に制御できるため、
自由度の高い平板面の塗布が可能となる。
【0140】あるいは、共通のハウジングに複数本のデ
ィスペンサーの中身を収納するように構成すれば、より
シンプルな構成のマルチノズルを有する塗布装置(図示
せず)ができる。
【0141】
【発明の効果】本発明を用いた流体供給装置により、流
体の流動性が向上し、塗布行程の生産タクトアップが図
れる。また 粉体の堆積による流路の目詰りなどのトラ
ブルが減少し、塗布行程の信頼性が向上する。
【0142】本発明を例えば表面実装のディスペンサ
ー、PDP,CRTディスプレイの蛍光体塗布、液晶パ
ネルのシール材塗布等に用いれば、その長所をいかんな
く発揮でき、効果は絶大なものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明する図
【図2】本発明の第1の実施例によるディスペンサーを
示す正面断面図
【図3】上記実施例の変位伝達部の拡大断面図
【図4】上記実施例の吐出部の拡大断面図
【図5】流量遮断・開放の原理を説明するグラフ
【図6】本発明の第2の実施例によるディスペンサーを
示す正面断面図
【図7】本発明の第3の実施例によるディスペンサーを
示す正面断面図
【図8】上記実施例の吸入行程を示す図
【図9】上記実施例の吐出行程を示す図
【図10】高周波振動をサックバック時に与える様子を
示す図
【図11】従来例のエアーパルス方式を示す図
【符号の説明】
300 電磁歪素子 301 第1の可動部材 302 第2の可動部材 303 振動減衰部材 306 吸入口 308 吐出口

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周波数の異なる信号を重畳させて電磁歪
    素子を駆動する手段と、この電磁歪素子によって駆動さ
    れる第1の可動部材と、前記電磁歪素子と振動減衰手段
    を介在して連結された第2の可動部材と、この第2の可動
    部材及び前記第1の可動部材を収納するハウジングと、
    このハウジングに形成された流体の吸入口及び吐出口
    と、前記ハウジングと前記第1の可動部材、もしくは前
    記ハウジングと前記第2の可動部材で形成されるポンプ
    室と、このポンプ室内の流体を前記吐出口側へ圧送する
    手段から構成される流体供給装置。
  2. 【請求項2】 前記ポンプ室内の前記吐出口開口部近傍
    に前記第1の可動部材の端部が配置されていることを特
    徴とする請求項1記載の流体供給装置。
  3. 【請求項3】 第1の可動部材の少なくとも一部は第2
    の可動部材を貫通して設けられていることを特徴とする
    請求項2記載の流体供給装置。
  4. 【請求項4】 ポンプの基本動作を低周波信号で与え、
    流体の流動性向上のための振動を高周波信号で与えたこ
    とを特徴とする請求項1記載の流体供給装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の可動部材及び又は前記第2の
    可動部材を前記ハウジングに対して相対的に回転自在か
    つ軸方向に移動可能に支持する手段と回転を与える手段
    から構成されることを特徴とする請求項1記載の流体供
    給装置。
  6. 【請求項6】 前記ポンプ室と前記吐出口の間の流体抵
    抗の増減を図るために、前記電磁歪素子の駆動によって
    前記第2の可動部材と前記ハウジング間の間隙が変化す
    るように構成されていることを特徴とする請求項1記載
    の流体供給装置。
  7. 【請求項7】 流体抵抗を増減させる手段は、前記第2
    の可動部材の吐出口側端面とその対向面に形成された動
    圧シールであることを特徴とする請求項6記載の流体供
    給装置。
  8. 【請求項8】 流体を前記吐出口側へ圧送する手段は、
    前記第2の可動部材と前記ハウジングの相対移動面に形
    成されたねじ溝であることを特徴とする請求項5記載の
    流体供給装置。
  9. 【請求項9】 流体を前記吐出口側へ圧送する手段は、
    前記第2の可動部材と前記ハウジングで形成されるピス
    トンであることを特徴とする請求項1記載の流体供給装
    置。
  10. 【請求項10】 可動端をフロント側としもう一方の固
    定端をリア側とする電磁歪素子と、この電磁歪素子の前
    記フロント側に押圧された第1の可動部材と、前記電磁
    歪素子と前記第1の可動部材を収納するハウジングと、
    前記第1の可動部材を前記ハウジングに対して相対的に
    回転自在かつ軸方向に移動可能に支持する手段と、前記
    可動部材1に回転を与える手段と、前記第2の可動部材
    のフロント側と前記ハウジングで形成されるポンプ室と
    外部を連絡する流体の吸入口及び吐出口と、前記ポンプ
    室内に流入された前記流体を吐出口側に圧送する手段か
    ら構成される流体供給装置において、前記ポンプ室と前
    記吐出口の間の流体抵抗の増減を図るために、前記電磁
    歪素子の駆動によって前記第2の可動部材と前記ハウジ
    ング間の間隙が変化するように構成されていることを特
    徴とする請求項1記載の流体供給装置。
  11. 【請求項11】 一端をフロント側としもう一方の端部
    をリア側とする電磁歪素子と、この電磁歪素子を貫通し
    かつこの電磁歪素子の前記リア側に押圧された可動部材
    1と、前記電磁歪素子と前記第1の可動部材を収納する
    ハウジングと、前記第1の可動部材を前記ハウジングに
    対して相対的に回転自在かつ軸方向に移動可能に支持す
    る手段と、前記第1の可動部材を収納しかつ前記電磁歪
    素子の前記フロント側に押圧された第2の可動部材と、
    前記第1の可動部材もしくは前記第1の可動部材に回転
    を与える手段と、前記第2の可動部材のフロント側と前
    記ハウジングで形成されるポンプ室と外部を連絡する流
    体の吸入口及び吐出口と、前記ポンプ室内に流入された
    前記流体を吐出口側に圧送する手段から構成される流体
    供給装置において、前記ポンプ室と前記吐出口の間の流
    体抵抗の増減を図るために、前記電磁歪素子の駆動によ
    って前記第2の可動部材と前記ハウジング間の間隙が変
    化するように構成されていることを特徴とする請求項1
    記載の流体供給装置。
  12. 【請求項12】 周波数の異なる信号を重畳させて電磁
    歪素子を駆動する手段と、この電磁歪素子によって駆動
    される可動部材と、この可動部材を収納するハウジング
    と、このハウジングに形成された流体の吸入口及び吐出
    口と、前記ハウジングと前記可動部材で形成されるポン
    プ室と、このポンプ室内の流体を前記吐出口側へ圧送す
    る手段から構成される流体供給装置において、吸入・吐
    出行程の1区間でのみ高周波信号を前記電磁歪素子に重
    畳させたことを特徴とする流体供給装置。
  13. 【請求項13】 前記可動部材を前記ハウジングに対し
    て相対的に回転自在かつ軸方向に移動可能に支持する手
    段と、前記可動部材に回転を与える手段から構成される
    ことを特徴とする請求項12記載の流体供給装置。
  14. 【請求項14】 高周波信号は吐出時のみ与えることを
    特徴とする請求項4又は12記載の流体供給装置。
  15. 【請求項15】 高周波信号は吐出終了直後のみ与える
    ことを特徴とする請求項4又は12記載の流体供給装
    置。
  16. 【請求項16】 塗布流体をポンプ室に吸入し、吐出
    後、サックバックの行程で高周波振動を吐出ノズルに繋
    がる吐出流路内の流体に与えたことを特徴とする流体供
    給方法。
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