JP2004084592A - 流体制御装置及び流体制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】民生商品、情報機器、FA機器、ディスプレイなどの商品分野において、或いは、電子部品、家電製品などの分野における生産工程において、接着剤、クリームハンダ、蛍光体、グリース、ペイント、ホットメルト、薬品、食品などの各種液体を、間欠、連続を問わず高速かつ高精度に定量吐出・供給することが可能な流体制御装置及び流体制御方法を提供すること。
【解決手段】吸入口と吐出口を繋ぐ流路内に吸入口側を開閉するバルブと、流体を吐出口側に圧送する機能を有するポンプを配設し、このバルブとポンプをそれぞれ独立したアクチュエータで駆動する。
【選択図】 図1
【解決手段】吸入口と吐出口を繋ぐ流路内に吸入口側を開閉するバルブと、流体を吐出口側に圧送する機能を有するポンプを配設し、このバルブとポンプをそれぞれ独立したアクチュエータで駆動する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報・精密機器、工作機械、FAなどの分野、あるいは半導体、液晶、ディスプレイ、表面実装などの様々な生産工程で必要とされる流体制御装置及び流体制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液体吐出装置(ディスペンサー)は従来から様々な分野で用いられているが、近年の電子部品の小形化・高記録密度化のニーズにともない、微少量の流体材料を高精度でかつ安定して吐出制御する技術が要請される様になっている。
【0003】
また、たとえばCRT、PDPなどのディスプレイ面の蛍光体を微少量、連続的あるいは間欠的に塗布するための流体吐出方法の要望も大きい。例えば、表面実装(SMT)の分野を例にとれば、実装の高速化、微小化、高密度化、高品位化、無人化のトレンドの中で、ディスペンサーの課題を要約すれば、
▲1▼ 塗布量の高精度化
▲2▼ 吐出時間の短縮化
▲3▼ 1回の塗布量の微小化
▲4▼ ディスペンサー本体の細径・小型化
▲5▼ マルチノズル化
である。
【0004】
従来の液体吐出装置としては、図6に示すようなエアーパルス方式によるディスペンサーが広く用いられており、例えば「自動化技術‘93.25巻7号」などにその技術が紹介されている。この方式によるディスペンサーは、定圧源から供給される定量の空気を容器(シリンダ)150内にパルス的に印加させ、シリンダ150内の圧力の上昇分に対応する一定量の液体をノズル151から吐出させるものである。
【0005】
また、微少流量の流体を吐出することを目的として、圧電素子を利用したマイクロポンプが開発されている。例えば「超音波TECHNO,6月号,‘59」には次の様な内容が紹介されている。図7は原理図を示し、図8はその具体構造を示している。
【0006】
以下、図7及び図8を参照しながら、従来技術におけるマイクロポンプの具体的な動作仕様を説明する。
【0007】
まず、積層圧電アクチュエータ200に電圧を印加すると、機械的伸びが発生し、この伸びは変位拡大機構201の働きで拡大される。更に、突き上げ棒202を介してダイヤフラム203は図中上方に押し上げられ、ポンプ室204の容積は減少する。この時、吸入口205の逆止弁206は閉じ、吐出口207の逆止弁208が開き、ポンプ室204内流体は吐出される。
【0008】
次に、印加電圧を減少させると、電圧の減少と共に機械的伸びは縮小する。ダイヤフラム203はコイルバネ209(戻し作用)により下方に引き戻され、ポンプ室204内容積が増大し、ポンプ室204内圧力は負圧になる。この負圧により吸入口逆止弁206が開き、流体がポンプ室204内に満たされる。この時吐出口逆止弁208は閉ざされている。なお、コイルバネ209はダイヤフラム203を引き戻す作用のほかに、変位拡大機構201を介して積層圧電アクチュエータ200に機械的予圧を加えるという重要な役割を果たしている。以下、この繰り返し動作となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来技術のうち、エアーパルスの方式のディスペンサーは次の問題点があった。
【0010】
(1) 吐出圧脈動による吐出量のばらつき
(2) 水頭差による吐出量のばらつき
(3) 液体の粘度変化による吐出量変化
このうち、上記(1)の現象は、タクトが短く吐出時間が短い程顕著に表れる。そのため、エアーパルスの高さを均一化するための安定化回路を施すなどの工夫がなされている。
【0011】
また、上記(2)は、シリンダ内の空隙部152の容積が液体残量Hによって異なるため、一定量の高圧エアーを吐出した場合、空隙部152内の圧力変化の度合いが上記Hによって大きく変化してしまうというのがその理由である。液体残量が低下すれば、塗布量が例えば最大値と比べて50〜60%程度減少してしまうという問題点があった。そのために、吐出毎に液体残量Hを検知し、吐出量が均一になる様にパルスの時間幅を調整する等の方策がなされている。
【0012】
更に、上記(3)は、例えば多量の溶剤を含んだ材料が時間とともに粘度が変化した場合に発生する。そのための対策として、時間軸に対する粘度変化の傾向を予めコンピュータにプログラミングしておき、粘度変化の影響を補正する様に例えばパルス幅を調節する等の方策がなされていた。
【0013】
しかしながら、上記課題に対するいずれの方策も、コンピュータを含む制御系が繁雑化し、また不規則な環境条件(温度など)の変化に対する対応は難しく、抜本的な解決案にはならなかった。
【0014】
また、前述した図7及び図8に示す積層圧電アクチュエータを用いたピエゾポンプを表面実装などの分野で用いられる高粘度流体の高速間欠塗布に用いようとした場合、次のような問題点が予想される。
【0015】
表面実装の分野では、近年例えば0.1mg以下の接着剤(粘度10万〜100万CPS)を0.1秒以下で瞬時に塗布するディスペンサーが要望されている。そのため、ポンプ室204内は、高い流体圧を発生させる必要があり、また、このポンプ室204と連絡する吸入弁206と吐出弁208には高い応答性が必要であることが予想される。しかし、受動的な吐出弁、吸入弁を伴う上記ポンプでは、極めて流動性の悪い高粘度のレオロジー流体を、高い流量精度でかつ高速で間欠吐出させることは極めて困難である。
【0016】
上述したエアーパルス方式或いは積層圧電アクチュエータを用いたピエゾ方式等の欠点を解消するために、本発明者の一人によって、図9に示す微少流量ポンプが既に提案(特願2000−208072)されている。101及び102は円筒形状圧電素子で構成される上部アクチュエータと下部アクチュエータ、103はこの下部アクチェータ102の自由端側に固定された可動スリーブ(シリンダ)、104は上部アクチェータ101の自由端側105に固定されたピストンであり、レシプロ式(直動式)のポンプの直動部分に相当する。
【0017】
また、106はアクチェータ101及び102を収納する上部ハウジングであり、107はアクチェータ101及び102を構成する各圧電素子の固定部である。ピストン104は、上下のアクチェータ101,102の中心部を貫通して、軸方向に移動可能なように収納されている。108は前記可動スリーブの外周部の固定側に配置された下部ハウジングであり、上部ハウジング106と締結されている。109は可動スリーブ103と下部ハウジング108間に装着された接触型のシール部、110は吸入口である。
【0018】
また、111は下部アクチェータ(圧電素子)102に軸方向バイアス荷重を与えるためのバイアスバネであり、可動スリーブ103と下部ハウジング108間に装着されている。112は下部ハウジング108に固定された下部プレート、113はこの下部プレートの中心部でピストン104の端面114の対向面に位置するところに形成された吐出口の開口部である。115は下部プレート112に締結された吐出ノズルである。
【0019】
また、116は可動スリーブ103と下部ハウジング108で形成される空間を利用した流体貯蔵部であり、外部に配置された流体供給源(図示せず)と、吸入口110を介して繋がっている。117は、可動スリーブ103、ピストン104、下部プレート112で形成される空間であるポンプ室である。118は可動スリーブ103とピストン104間の隙間が、極力狭くなるように構成された非接触型のシール部、119はピストン104と第1及び第2のアクチェータの間隙部である。
【0020】
更に、120はピストン104の上端で、上部プレート121に固定された変位センサーであり、ピストン104の固定側に対する絶対位置を検出する。123は上部アクチェータ(圧電素子)101に軸方向バイアス荷重を与えるためのバイアスバネであり、ピストン104と上部プレート121間に装着されている。
【0021】
上記ポンプは、変位センサー122と、二つの独立したアクチェータ101及び102と、ポンプ部が同軸上に配置されている。また可動スリーブ103と、この可動スリーブ103を貫通するピストン104がそれぞれ独立して駆動でき、かつ正確な位置決め制御ができる。したがって、この可動スリーブ103とピストン104に与える駆動入力波形を選択することにより、容積式ポンプが構成できる。たとえば、吐出時に、可動スリーブとピストンで密閉空間を形成した状態で、ピストンを急降下させれば、切れ味の良い間欠塗布ができる。
【0022】
上記ディスペンサーを、例えばPDP用ディスプレイパネルの蛍光体、電極形成等への適用を想定して、マルチヘッド化した場合次の課題があった。一例として、42インチのPDP用基板の場合、基板の有効表示領域には、長さL=560mm、高さH=100μm、幅W=50μmのリブ(光吸収層或いはBM)が、一定の間隔を保って、1921本形成されている。この1921本のリブによって1920本の溝が形成されているので、R,G,B蛍光体は、それぞれ640本(=1920本/3)の溝に塗布されることになる。ディスペンサー方式を用いて、生産タクトを従来のスクリーン印刷方式同等のレベルを保って蛍光体を塗布するためには、往復動作を前提としても、100本から数百本の独立ヘッドが必要となる。
【0023】
これらの独立ヘッドは、同一の吐出性能(吐出量、吐出応答性など)を有しているのが必須条件である。しかし既提案(図9)の場合、一台のスタンドアローンタイプではさ程問題とならない、マルチヘッド化するがゆえの課題が浮上した。すなわち、各ヘッドの吐出性能を均一化するためには、例えば、圧電素子に軸方向バイアス荷重を与えるためのバイアスバネ111,123の予圧設定方法、スリーブ103の位置検出方法等、既提案では開示されていない新たな工夫が必要となった。
【0024】
本発明は、上記従来の問題点を解決するもので、吸入口から吐出口に至る流路内にバルブとポンプを配置し、かつ二つの独立したアクチュエータでバルブとポンプが駆動される構成とし、このバルブとポンプの動作タイミングの選択により、容積式ポンプを構成できることに着目したものである。本発明により、例えば、極めて高粘度・微少量の粉流体を超高速かつ高精度に塗布できると共に、調整が容易な構成で、ディスペンサー単体の細径化・小型化が図れる。また、均一な吐出性能を有する複数のディスペンサーを集積化することが可能な流体制御装置及び流体制御方法を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明の流体制御装置は、吸入口及び吐出口と、前記吸入口と前記吐出口を繋ぐ流路と、この流路の吸入口側を開閉するバルブと、このバルブを開閉駆動する第1のアクチュエータと、前記バルブと前記吐出口の間に有る流体を前記吐出口側に圧送する機能を有するポンプと、このポンプを駆動する第2のアクチュエータで構成される。
【0026】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について原理図である図1〜図3を用いて説明する。
【0027】
1は吸入側アクチェータ(第1のアクチェータ)、2は吐出側アクチェータ(第2のアクチェータ)、3は吸入側ピストン、4は吸入側アクチュエータの駆動源である積層型の圧電素子、5は吸入側ピストン3と一体化した上蓋、6は吸入側変位センサーである。
【0028】
7は吐出側ピストン、8は吐出側アクチュエータの駆動源である積層型の圧電素子、9は吐出側ピストン7と一体化した上蓋、10は吐出側変位センサーである。変位センサー6,9は、ピストン3,7の固定側に対する絶対位置を検出する。
【0029】
11は吸入側アクチェータ1と吐出側アクチェータ2を収納するハウジング、12は変位センサー6、10を固定する上部蓋、13は中間ハウジング、14は下部ハウジングである。
【0030】
15は中間ハウジング13と下部ハウジング14の間に形成された流通路、16は流通路15の中間部、17は本装置の吸入口、18は下部ハウジング14の吐出側端部に装着された吐出ノズル、19は吸入側ピストン3の端面、20は吐出側ピストン7の端部を収納するポンプ室、21は吐出側ピストン7の端面、22は吐出ノズルの開口部、24は塗布流体、23は吐出ノズル先端部、25、26は前記積層型圧電素子の予圧バネである。
【0031】
この吸入側,吐出側のアクチェータ1,2は、変位センサー6,10の出力を基に、外部に設置された駆動源(図示せず)により、それぞれ独立して駆動される。以下、図2を用いて本ポンプの吸入・吐出行程の一例を示す。
【0032】
1.吸入行程(A→B→C)
1−1 図2(A)の状態
図2(A)は吸入側ピストン3、吐出側ピストン7共に静止した状態を示している。吸入側ピストン3は、その端面19が流通路15を遮断するように、最下端にまで下降している。吐出側ピストン7は、同様に吐出ノズルの開口部22を覆うように、最下端にまで下降している。
【0033】
吸入側ピストン3その対向面間、及び吐出側ピストン7とその対向面間のギャップは、塗布流体に含まれる粉体の微粒子を潰さない範囲で、十分に狭く設定されている。そのため、流体24の吐出ノズル18内への流出は抑制されている。
【0034】
1−2 図2(B)の状態
図2(B)において、吐出側ピストンが静止したままで、矢印のごとく、吸入側ピストンを上昇させることにより、吸入口と繋がる流通路が開放される。この段階では、吐出側ピストン7はまだ最下端の位置にあり、吐出ノズルの開口部22を遮蔽している。
【0035】
1−3 図2(C)の状態
上記1−2で吸入側ピストン3がある位置まで上昇すると、急遽方向を変え下降に転ずる。この段階で、吐出側ピストン7も上昇を開始する。吐出側ピストン7の上昇はポンプ室20に新たな空間を創出するが、吸入側ピストン3の下降は、図中の矢印のごとく、流体の一部をポンプ室20内に流入させる。そのため、吸入側ピストン7の下降速度Ssと、吐出側ピストン7の上昇速度Sdを、それぞれの断面積の大きさに合わせて設定する。
【0036】
例えば、吸入側ピストン3が下降することにより排除する容積をVsとし、吐出側ピストン7が上昇することにより新たに創出される空間の大きさをVdとしたとき、総容積(V=Vd−ηVs)の時間変化がゼロになるように、上記速度SsとSdを設定する。ηは吸入側ピストン3が排除する容積Vsに対して、ポンプ室20へ流入する分の比率である。
【0037】
総容積Vの時間変化が小さければ、ポンプ室20内の圧力の絶対値を、吐出側(大気圧)との間で大きな圧力差が生じないように、一定の範囲内に保つことができる。その結果、図2(C)の吸入行程の間、ポンプ室20と吐出ノズル18を介した吐出ノズル先端部23との間で、流体の流入・流出を許容される範囲内に押さえることができる。吸入側ピストン3の端面が最下端まで降下すると同時に、吐出側ピストン7は上死点に到達する。この時点で吸入行程は終了する。
【0038】
以上の吸入工程を整理すると、上記図2(A)及び(B)の状態では、吐出ノズル18の開口部8は吐出側ピストン端面21によって覆われ、シールされているため流体ポンプ室20から吐出ノズル18側への流体の流出は防止される。図2(C)の状態において、例えば、上記総容積(V=Vd−ηVs)の時間変化が若干マイナスになるように吐出側ピストン7の上昇速度Sdと、吸入側ピストン3の下降速度Ssを設定すると、ポンプ室20は負圧ぎみとなるため、吐出ノズル18側への流体の流出は完全に防止できる。
【0039】
2.吐出工程(D→E)
2−1 図2(D)の状態
図2(D)は吐出行程開始直後(吸入行程終了時)の状態を示す。この時点で、吐出側ピストン端面21は高さH(=Xd)の位置にある。これは目標吐出量から予め設定される値である。吐出行程に入る時点で、吸入側ピストン端面19とその対向面の間は、完全に密着しているか、あるいは十分に狭い隙間を保っているため、流路の中間部16と吸入口17の間は外部と遮断された状態になっている。
【0040】
2−2 図2(E)の状態
そこで吐出側ピストン7を、図2(E)の矢印のごとく下降させると、ポンプ室20の流体圧力は上昇し、流体は吐出ノズル18を経て外部に吐出される。通常、流体の圧力上昇の度合いは、吐出ノズル18の寸法形状、流体粘度、流体の圧縮率(体積弾性係数)、ピストン7の下降速度などの影響を受ける。しかし本ポンプは、吐出行程では完全な容積式ポンプであるため、総吐出量はこれらのパラメータの影響を受けにくく、主にピストン7の移動量Hだけで決定される。
【0041】
2−3 図2(F)の状態
吐出側ピストン端面21が下死点にまで下降すると、ポンプ室20内の流体は外部に排出され、吐出行程は終了する(以降、上記図2(A)に戻る)。
【0042】
本発明の流体制御装置を微少流量ポンプとして用いる場合は、前記上下アクチェータ1,2はたとえばリニアモータでもよいが、圧電素子あるいは超磁歪素子のような電磁歪型を用いれば、数MHz以上の高い応答性を持つという点で好ましい効果が得られる。
【0043】
また、高粘度流体を高速で吐出させる場合、前記上部,下部アクチュエータには高い流体圧に抗する大きな推力が要求される。この場合、数百〜数千Nの力が容易に出せる電磁歪型アクチュエータが有利である。また、位置検出をしてフィードバック制御をすれば、1μm以下の高い位置決め精度が得られる。なお本明細書では、圧電素子或いは超磁歪素子を電磁歪素子と呼ぶことにする。
【0044】
本塗布装置では、各ピストンを駆動する第1と第2のアクチュエータを独立して配置しているために、それぞれのアクチュエータ部分の構成は十分に簡素化でき、また装置の調整も容易である。例えば、図1を用いて説明すれば、上部蓋12を着脱するだけで、各圧電素子に与える予圧バネを個別に設置できる。また、吸入側、吐出側を問わず、ピストンの変位センサーを容易に設置できる。
【0045】
前述したような微少流量を扱うポンプでは、ピストンの軸方向変位は数μm〜数10μmの微少変位でよい。この微量変位で良いことを利用すれば、圧電素子、超磁歪素子のストロークの限界は問題とならない。
【0046】
圧電素子あるいは超磁歪素子を上部、下部アクチュエータとして用いた場合、素子の入力電圧(超磁歪素子の場合は電流)と変位は比例するため、適用する用途によっては、変位センサーなしのオープンループ制御でも前記ピストン3,7のストローク制御は可能である。しかし本実施形態のような位置検出手段を設けてフィードバック制御をすれば、より高い精度の流量制御ができる。
【0047】
本発明をディスペンサーに適用して、かつ容積式ポンプを構成した場合、従来のエアーパルス式、ねじ溝式ではできなかったことが可能である。例えば、図2(F)の吐出完了直後の状態でピストンを若干量上昇させれば、ポンプ室20内の負圧発生の効果により、液ダレ防止もできる(図示せず)。また、吐出ノズル側の通路以外は密閉状態のため、高いレスポンスを有する電磁歪型アクチュエータに衝撃的な荷重を発生させれば、吐出流体を大きく飛翔させることができる(図示せず)。
【0048】
本実施形態では、ハウジングは固定し、ピストンとハウジングに相対的な運動を与えるように各アクチェータを配置している。この構成の代わりに、たとえばピストンを固定してハウジングをアクチェータで駆動する構成も可能である(図示せず)。
【0049】
以上、本発明をディスペンサーに用いた場合について、吸入・吐出行程の一例を示した。この場合の可動スリーブ3とピストン4の変位と各ステップ(図2におけるA→Fの工程)の関係の一例を図3に示す。図3において、Xsは吸入側ピストン3の変位、Xdは吐出側ピストン7の変位である。
【0050】
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態を示すもので、吸入側のアクチュエータ(第1のアクチェータ)に、第1の実施例同様円柱形状の積層型圧電素子を用いて、吐出側アクチェータ(第2のアクチェータ)にはバイモレフ型の圧電素子を用いた場合を示す。
【0051】
301は積層型の円柱形状圧電素子で構成される吸入側アクチェータ(第1のアクチェータ)、302はバイモレフ型圧電素子で構成される吐出側アクチェータ(第2のアクチェータ)である。303は吸入側ピストン、304は吐出側ピストン、305は吐出側アクチュエータの駆動源であるバイモレフ型圧電素子、306は流通路、307は吸入側ピストン303と吐出側ピストン304の間に形成された流体抵抗部(絞り部)、308は本装置の吸入口、309は吐出ノズル、310はポンプ室である。
【0052】
吐出側アクチェータ(第2のアクチェータ)にバイモレフ型の圧電素子を用いた場合、吐出側ポンプ部分の構成は一層シンプルとなり小型化できる。ここで、吐出側ポンプ部分とは、吐出側ピストン304、圧電素子305、流体抵抗部307、吐出ノズル309、ポンプ室310で構成される部分を示す。
【0053】
吸入側のアクチュエータ301と吸入側ピストン303を1セットで構成し、この1セットの吸入側に対して、複数個の吐出側ポンプ部分を組み合わせれば、塗布装置全体は一層簡素化される。吸入側ピストン303と吐出側ピストン304の動作のタイミングは、前述した方法を用いればよい。吸入側ピストン303と吐出側ピストン304の間に流体抵抗部307を形成しておけば、吐出側ピストン304のストロークを調節することにより、各ヘッドの吐出量を個別に変えることができる。
【0054】
以下、本発明の第2の実施形態に係る具体的な動作仕様について説明する。
【0055】
本発明による超小型ディスペンサーを、複数本並列配置させて流体供給システムを構成すれば、たとえば平板上に蛍光体材料、電極材料等を塗布させるプロセスにも適用できる。
【0056】
この場合、複数個のポンプ室を連絡する流体供給路は共通となるように筐体部を構成すればよい。各吐出ノズルの吐出量は、個別に流量制御できるため、自由度が高く、塗布材料の損失が少ない平板面の塗布が可能となる。或いは、図5に示すごとく、共通のハウジングに複数本のディスペンサーの中身を収納するように構成すれば、よりシンプルな構成のマルチノズルを有する塗布装置ができる。
【0057】
図5は第1の実施形態のディスペンサー(図1)を集積化した塗布装置の全体構成を示すもので、101は吸入側アクチェータ(第1のアクチュエータ)であり、積層型圧電素子102、吸入側ピストン103、吸入側変位センサー104より構成される。
【0058】
105は吐出側アクチェータ(第2のアクチュエータ)であり、積層型圧電素子106と端部に細径部を有する吐出側ピストン107、吐出側変位センサー108より構成される。109は前記第1、第2のアクチュエータを収納するハウジングである。110は下部ハウジングであり、この下部ハウジング110の底面に複数の吐出口(図示せず)が形成されている。111は装置全体を把持する筐体部であり、この筐体部111と下部ハウジング110の間に共通の流通路112が形成されている。
【0059】
さて、第1のアクチュエータによって駆動される吸入側ピストンの変位特性をXs(t)とし、第2のアクチュエータによって駆動される吐出側ピストンの変位特性をXd(t)としたとき、Xs(t)とXd(t)の位相関係の選択によって、本発明は様々な用途に適用できる。要約すれば、
(1)前述したごとく、吐出側のポンプ室に流体を吸入後、吸入側の通路を遮断するように吸入側ピストンの変位Xs(t)を設定し、しかる後吐出ピストンの変位Xd(t)→0となるようにすれば、容積式ポンプとして適用できる。
【0060】
(2)吸入側ピストンの変位Xs(t)と吐出ピストンの変位Xd(t)を概略逆位相になるように駆動すれば、流体が充填された空間の容積変化をキャンセルできるため、ポンプ室の圧力変化を解消できる。すなわち、連続塗布線の始終端を高精度に描ける流体制御バルブになる。
【0061】
なお、本発明に適用するアクチュエータの種類は、前述した電磁歪式、磁気式などに限定されるものではない。例えば、本発明の原理を適用し、一定容積に対して発生荷重の大きな静電アクチュエータを第1と第2のアクチュエータ双方、或いはいずれかに用いれば、本体を大幅に小型化できる。すなわち、マイクロマシーン、ミニマシーンの領域で初めて容積型のマイクロポンプあるいは動特性を補償できる機能を持つ流量制御バルブが実現可能である(図示せず)。
【0062】
【発明の効果】
本発明を用いた流体供給装置及び流体供給方法により、次の効果が得られる。
(1)極めて細径・超小型・シンプル構造の超微少量・定量ディスペンサーが実現できる。
(2)上記特徴のため、マルチノズル化が容易であり、それぞれのノズルが独立した流量制御のできる吐布システムが実現できる。
(3)高粘度流体を高精度で吐出できる。
(4)超高速の間欠塗布ができる。
(5)摺動磨耗等による性能劣化がなく、高い信頼性を持つ。
(6)さらに本発明をポンプとして適用した場合、ポンプの形態を容積式にできるために、以下示す特徴を合わせ持つことができる。
(6−1)ストローク制御をすれば吐出量が可変である。
(6−2)糸引き、液ダレ防止が図れる。
(6−3)環境温度の変化(粘度の変化)、あるいはノズルと吐布面間のギャップに吐出量が依存しにくい。
(6−4)ピストン部分は非接触にできるため、微少な微粒子が混合した粉粒体にも対応できる。
(7)流量制御バルブとして適用すれば、たとえば、塗布開始・終了時に高精度描画が描けるディスペンサーが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る原理を示すモデル図
【図2】本発明の第1の実施形態に係る吸入・吐出工程A〜Fを示すモデル図
【図3】本発明の第1の実施形態に係る吸入側ピストンと吐出側ピストンの変位を示す図
【図4】本発明の第2の実施形態に係る原理を示すモデル図
【図5】本発明の第1の実施形態に係るディスペンサーを用いた塗布装置の斜視図
【図6】従来のエアーパルス方式のディスペンサーを示す図
【図7】従来のピエゾポンプの原理図
【図8】図7の従来ピエゾポンプの正面断面図
【図9】既提案の微少流量ポンプの正面断面図
【符号の説明】
1 第1のアクチュエータ
2 第2のアクチュエータ
15 流通路
17 吸入孔
18 吐出孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報・精密機器、工作機械、FAなどの分野、あるいは半導体、液晶、ディスプレイ、表面実装などの様々な生産工程で必要とされる流体制御装置及び流体制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液体吐出装置(ディスペンサー)は従来から様々な分野で用いられているが、近年の電子部品の小形化・高記録密度化のニーズにともない、微少量の流体材料を高精度でかつ安定して吐出制御する技術が要請される様になっている。
【0003】
また、たとえばCRT、PDPなどのディスプレイ面の蛍光体を微少量、連続的あるいは間欠的に塗布するための流体吐出方法の要望も大きい。例えば、表面実装(SMT)の分野を例にとれば、実装の高速化、微小化、高密度化、高品位化、無人化のトレンドの中で、ディスペンサーの課題を要約すれば、
▲1▼ 塗布量の高精度化
▲2▼ 吐出時間の短縮化
▲3▼ 1回の塗布量の微小化
▲4▼ ディスペンサー本体の細径・小型化
▲5▼ マルチノズル化
である。
【0004】
従来の液体吐出装置としては、図6に示すようなエアーパルス方式によるディスペンサーが広く用いられており、例えば「自動化技術‘93.25巻7号」などにその技術が紹介されている。この方式によるディスペンサーは、定圧源から供給される定量の空気を容器(シリンダ)150内にパルス的に印加させ、シリンダ150内の圧力の上昇分に対応する一定量の液体をノズル151から吐出させるものである。
【0005】
また、微少流量の流体を吐出することを目的として、圧電素子を利用したマイクロポンプが開発されている。例えば「超音波TECHNO,6月号,‘59」には次の様な内容が紹介されている。図7は原理図を示し、図8はその具体構造を示している。
【0006】
以下、図7及び図8を参照しながら、従来技術におけるマイクロポンプの具体的な動作仕様を説明する。
【0007】
まず、積層圧電アクチュエータ200に電圧を印加すると、機械的伸びが発生し、この伸びは変位拡大機構201の働きで拡大される。更に、突き上げ棒202を介してダイヤフラム203は図中上方に押し上げられ、ポンプ室204の容積は減少する。この時、吸入口205の逆止弁206は閉じ、吐出口207の逆止弁208が開き、ポンプ室204内流体は吐出される。
【0008】
次に、印加電圧を減少させると、電圧の減少と共に機械的伸びは縮小する。ダイヤフラム203はコイルバネ209(戻し作用)により下方に引き戻され、ポンプ室204内容積が増大し、ポンプ室204内圧力は負圧になる。この負圧により吸入口逆止弁206が開き、流体がポンプ室204内に満たされる。この時吐出口逆止弁208は閉ざされている。なお、コイルバネ209はダイヤフラム203を引き戻す作用のほかに、変位拡大機構201を介して積層圧電アクチュエータ200に機械的予圧を加えるという重要な役割を果たしている。以下、この繰り返し動作となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来技術のうち、エアーパルスの方式のディスペンサーは次の問題点があった。
【0010】
(1) 吐出圧脈動による吐出量のばらつき
(2) 水頭差による吐出量のばらつき
(3) 液体の粘度変化による吐出量変化
このうち、上記(1)の現象は、タクトが短く吐出時間が短い程顕著に表れる。そのため、エアーパルスの高さを均一化するための安定化回路を施すなどの工夫がなされている。
【0011】
また、上記(2)は、シリンダ内の空隙部152の容積が液体残量Hによって異なるため、一定量の高圧エアーを吐出した場合、空隙部152内の圧力変化の度合いが上記Hによって大きく変化してしまうというのがその理由である。液体残量が低下すれば、塗布量が例えば最大値と比べて50〜60%程度減少してしまうという問題点があった。そのために、吐出毎に液体残量Hを検知し、吐出量が均一になる様にパルスの時間幅を調整する等の方策がなされている。
【0012】
更に、上記(3)は、例えば多量の溶剤を含んだ材料が時間とともに粘度が変化した場合に発生する。そのための対策として、時間軸に対する粘度変化の傾向を予めコンピュータにプログラミングしておき、粘度変化の影響を補正する様に例えばパルス幅を調節する等の方策がなされていた。
【0013】
しかしながら、上記課題に対するいずれの方策も、コンピュータを含む制御系が繁雑化し、また不規則な環境条件(温度など)の変化に対する対応は難しく、抜本的な解決案にはならなかった。
【0014】
また、前述した図7及び図8に示す積層圧電アクチュエータを用いたピエゾポンプを表面実装などの分野で用いられる高粘度流体の高速間欠塗布に用いようとした場合、次のような問題点が予想される。
【0015】
表面実装の分野では、近年例えば0.1mg以下の接着剤(粘度10万〜100万CPS)を0.1秒以下で瞬時に塗布するディスペンサーが要望されている。そのため、ポンプ室204内は、高い流体圧を発生させる必要があり、また、このポンプ室204と連絡する吸入弁206と吐出弁208には高い応答性が必要であることが予想される。しかし、受動的な吐出弁、吸入弁を伴う上記ポンプでは、極めて流動性の悪い高粘度のレオロジー流体を、高い流量精度でかつ高速で間欠吐出させることは極めて困難である。
【0016】
上述したエアーパルス方式或いは積層圧電アクチュエータを用いたピエゾ方式等の欠点を解消するために、本発明者の一人によって、図9に示す微少流量ポンプが既に提案(特願2000−208072)されている。101及び102は円筒形状圧電素子で構成される上部アクチュエータと下部アクチュエータ、103はこの下部アクチェータ102の自由端側に固定された可動スリーブ(シリンダ)、104は上部アクチェータ101の自由端側105に固定されたピストンであり、レシプロ式(直動式)のポンプの直動部分に相当する。
【0017】
また、106はアクチェータ101及び102を収納する上部ハウジングであり、107はアクチェータ101及び102を構成する各圧電素子の固定部である。ピストン104は、上下のアクチェータ101,102の中心部を貫通して、軸方向に移動可能なように収納されている。108は前記可動スリーブの外周部の固定側に配置された下部ハウジングであり、上部ハウジング106と締結されている。109は可動スリーブ103と下部ハウジング108間に装着された接触型のシール部、110は吸入口である。
【0018】
また、111は下部アクチェータ(圧電素子)102に軸方向バイアス荷重を与えるためのバイアスバネであり、可動スリーブ103と下部ハウジング108間に装着されている。112は下部ハウジング108に固定された下部プレート、113はこの下部プレートの中心部でピストン104の端面114の対向面に位置するところに形成された吐出口の開口部である。115は下部プレート112に締結された吐出ノズルである。
【0019】
また、116は可動スリーブ103と下部ハウジング108で形成される空間を利用した流体貯蔵部であり、外部に配置された流体供給源(図示せず)と、吸入口110を介して繋がっている。117は、可動スリーブ103、ピストン104、下部プレート112で形成される空間であるポンプ室である。118は可動スリーブ103とピストン104間の隙間が、極力狭くなるように構成された非接触型のシール部、119はピストン104と第1及び第2のアクチェータの間隙部である。
【0020】
更に、120はピストン104の上端で、上部プレート121に固定された変位センサーであり、ピストン104の固定側に対する絶対位置を検出する。123は上部アクチェータ(圧電素子)101に軸方向バイアス荷重を与えるためのバイアスバネであり、ピストン104と上部プレート121間に装着されている。
【0021】
上記ポンプは、変位センサー122と、二つの独立したアクチェータ101及び102と、ポンプ部が同軸上に配置されている。また可動スリーブ103と、この可動スリーブ103を貫通するピストン104がそれぞれ独立して駆動でき、かつ正確な位置決め制御ができる。したがって、この可動スリーブ103とピストン104に与える駆動入力波形を選択することにより、容積式ポンプが構成できる。たとえば、吐出時に、可動スリーブとピストンで密閉空間を形成した状態で、ピストンを急降下させれば、切れ味の良い間欠塗布ができる。
【0022】
上記ディスペンサーを、例えばPDP用ディスプレイパネルの蛍光体、電極形成等への適用を想定して、マルチヘッド化した場合次の課題があった。一例として、42インチのPDP用基板の場合、基板の有効表示領域には、長さL=560mm、高さH=100μm、幅W=50μmのリブ(光吸収層或いはBM)が、一定の間隔を保って、1921本形成されている。この1921本のリブによって1920本の溝が形成されているので、R,G,B蛍光体は、それぞれ640本(=1920本/3)の溝に塗布されることになる。ディスペンサー方式を用いて、生産タクトを従来のスクリーン印刷方式同等のレベルを保って蛍光体を塗布するためには、往復動作を前提としても、100本から数百本の独立ヘッドが必要となる。
【0023】
これらの独立ヘッドは、同一の吐出性能(吐出量、吐出応答性など)を有しているのが必須条件である。しかし既提案(図9)の場合、一台のスタンドアローンタイプではさ程問題とならない、マルチヘッド化するがゆえの課題が浮上した。すなわち、各ヘッドの吐出性能を均一化するためには、例えば、圧電素子に軸方向バイアス荷重を与えるためのバイアスバネ111,123の予圧設定方法、スリーブ103の位置検出方法等、既提案では開示されていない新たな工夫が必要となった。
【0024】
本発明は、上記従来の問題点を解決するもので、吸入口から吐出口に至る流路内にバルブとポンプを配置し、かつ二つの独立したアクチュエータでバルブとポンプが駆動される構成とし、このバルブとポンプの動作タイミングの選択により、容積式ポンプを構成できることに着目したものである。本発明により、例えば、極めて高粘度・微少量の粉流体を超高速かつ高精度に塗布できると共に、調整が容易な構成で、ディスペンサー単体の細径化・小型化が図れる。また、均一な吐出性能を有する複数のディスペンサーを集積化することが可能な流体制御装置及び流体制御方法を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明の流体制御装置は、吸入口及び吐出口と、前記吸入口と前記吐出口を繋ぐ流路と、この流路の吸入口側を開閉するバルブと、このバルブを開閉駆動する第1のアクチュエータと、前記バルブと前記吐出口の間に有る流体を前記吐出口側に圧送する機能を有するポンプと、このポンプを駆動する第2のアクチュエータで構成される。
【0026】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について原理図である図1〜図3を用いて説明する。
【0027】
1は吸入側アクチェータ(第1のアクチェータ)、2は吐出側アクチェータ(第2のアクチェータ)、3は吸入側ピストン、4は吸入側アクチュエータの駆動源である積層型の圧電素子、5は吸入側ピストン3と一体化した上蓋、6は吸入側変位センサーである。
【0028】
7は吐出側ピストン、8は吐出側アクチュエータの駆動源である積層型の圧電素子、9は吐出側ピストン7と一体化した上蓋、10は吐出側変位センサーである。変位センサー6,9は、ピストン3,7の固定側に対する絶対位置を検出する。
【0029】
11は吸入側アクチェータ1と吐出側アクチェータ2を収納するハウジング、12は変位センサー6、10を固定する上部蓋、13は中間ハウジング、14は下部ハウジングである。
【0030】
15は中間ハウジング13と下部ハウジング14の間に形成された流通路、16は流通路15の中間部、17は本装置の吸入口、18は下部ハウジング14の吐出側端部に装着された吐出ノズル、19は吸入側ピストン3の端面、20は吐出側ピストン7の端部を収納するポンプ室、21は吐出側ピストン7の端面、22は吐出ノズルの開口部、24は塗布流体、23は吐出ノズル先端部、25、26は前記積層型圧電素子の予圧バネである。
【0031】
この吸入側,吐出側のアクチェータ1,2は、変位センサー6,10の出力を基に、外部に設置された駆動源(図示せず)により、それぞれ独立して駆動される。以下、図2を用いて本ポンプの吸入・吐出行程の一例を示す。
【0032】
1.吸入行程(A→B→C)
1−1 図2(A)の状態
図2(A)は吸入側ピストン3、吐出側ピストン7共に静止した状態を示している。吸入側ピストン3は、その端面19が流通路15を遮断するように、最下端にまで下降している。吐出側ピストン7は、同様に吐出ノズルの開口部22を覆うように、最下端にまで下降している。
【0033】
吸入側ピストン3その対向面間、及び吐出側ピストン7とその対向面間のギャップは、塗布流体に含まれる粉体の微粒子を潰さない範囲で、十分に狭く設定されている。そのため、流体24の吐出ノズル18内への流出は抑制されている。
【0034】
1−2 図2(B)の状態
図2(B)において、吐出側ピストンが静止したままで、矢印のごとく、吸入側ピストンを上昇させることにより、吸入口と繋がる流通路が開放される。この段階では、吐出側ピストン7はまだ最下端の位置にあり、吐出ノズルの開口部22を遮蔽している。
【0035】
1−3 図2(C)の状態
上記1−2で吸入側ピストン3がある位置まで上昇すると、急遽方向を変え下降に転ずる。この段階で、吐出側ピストン7も上昇を開始する。吐出側ピストン7の上昇はポンプ室20に新たな空間を創出するが、吸入側ピストン3の下降は、図中の矢印のごとく、流体の一部をポンプ室20内に流入させる。そのため、吸入側ピストン7の下降速度Ssと、吐出側ピストン7の上昇速度Sdを、それぞれの断面積の大きさに合わせて設定する。
【0036】
例えば、吸入側ピストン3が下降することにより排除する容積をVsとし、吐出側ピストン7が上昇することにより新たに創出される空間の大きさをVdとしたとき、総容積(V=Vd−ηVs)の時間変化がゼロになるように、上記速度SsとSdを設定する。ηは吸入側ピストン3が排除する容積Vsに対して、ポンプ室20へ流入する分の比率である。
【0037】
総容積Vの時間変化が小さければ、ポンプ室20内の圧力の絶対値を、吐出側(大気圧)との間で大きな圧力差が生じないように、一定の範囲内に保つことができる。その結果、図2(C)の吸入行程の間、ポンプ室20と吐出ノズル18を介した吐出ノズル先端部23との間で、流体の流入・流出を許容される範囲内に押さえることができる。吸入側ピストン3の端面が最下端まで降下すると同時に、吐出側ピストン7は上死点に到達する。この時点で吸入行程は終了する。
【0038】
以上の吸入工程を整理すると、上記図2(A)及び(B)の状態では、吐出ノズル18の開口部8は吐出側ピストン端面21によって覆われ、シールされているため流体ポンプ室20から吐出ノズル18側への流体の流出は防止される。図2(C)の状態において、例えば、上記総容積(V=Vd−ηVs)の時間変化が若干マイナスになるように吐出側ピストン7の上昇速度Sdと、吸入側ピストン3の下降速度Ssを設定すると、ポンプ室20は負圧ぎみとなるため、吐出ノズル18側への流体の流出は完全に防止できる。
【0039】
2.吐出工程(D→E)
2−1 図2(D)の状態
図2(D)は吐出行程開始直後(吸入行程終了時)の状態を示す。この時点で、吐出側ピストン端面21は高さH(=Xd)の位置にある。これは目標吐出量から予め設定される値である。吐出行程に入る時点で、吸入側ピストン端面19とその対向面の間は、完全に密着しているか、あるいは十分に狭い隙間を保っているため、流路の中間部16と吸入口17の間は外部と遮断された状態になっている。
【0040】
2−2 図2(E)の状態
そこで吐出側ピストン7を、図2(E)の矢印のごとく下降させると、ポンプ室20の流体圧力は上昇し、流体は吐出ノズル18を経て外部に吐出される。通常、流体の圧力上昇の度合いは、吐出ノズル18の寸法形状、流体粘度、流体の圧縮率(体積弾性係数)、ピストン7の下降速度などの影響を受ける。しかし本ポンプは、吐出行程では完全な容積式ポンプであるため、総吐出量はこれらのパラメータの影響を受けにくく、主にピストン7の移動量Hだけで決定される。
【0041】
2−3 図2(F)の状態
吐出側ピストン端面21が下死点にまで下降すると、ポンプ室20内の流体は外部に排出され、吐出行程は終了する(以降、上記図2(A)に戻る)。
【0042】
本発明の流体制御装置を微少流量ポンプとして用いる場合は、前記上下アクチェータ1,2はたとえばリニアモータでもよいが、圧電素子あるいは超磁歪素子のような電磁歪型を用いれば、数MHz以上の高い応答性を持つという点で好ましい効果が得られる。
【0043】
また、高粘度流体を高速で吐出させる場合、前記上部,下部アクチュエータには高い流体圧に抗する大きな推力が要求される。この場合、数百〜数千Nの力が容易に出せる電磁歪型アクチュエータが有利である。また、位置検出をしてフィードバック制御をすれば、1μm以下の高い位置決め精度が得られる。なお本明細書では、圧電素子或いは超磁歪素子を電磁歪素子と呼ぶことにする。
【0044】
本塗布装置では、各ピストンを駆動する第1と第2のアクチュエータを独立して配置しているために、それぞれのアクチュエータ部分の構成は十分に簡素化でき、また装置の調整も容易である。例えば、図1を用いて説明すれば、上部蓋12を着脱するだけで、各圧電素子に与える予圧バネを個別に設置できる。また、吸入側、吐出側を問わず、ピストンの変位センサーを容易に設置できる。
【0045】
前述したような微少流量を扱うポンプでは、ピストンの軸方向変位は数μm〜数10μmの微少変位でよい。この微量変位で良いことを利用すれば、圧電素子、超磁歪素子のストロークの限界は問題とならない。
【0046】
圧電素子あるいは超磁歪素子を上部、下部アクチュエータとして用いた場合、素子の入力電圧(超磁歪素子の場合は電流)と変位は比例するため、適用する用途によっては、変位センサーなしのオープンループ制御でも前記ピストン3,7のストローク制御は可能である。しかし本実施形態のような位置検出手段を設けてフィードバック制御をすれば、より高い精度の流量制御ができる。
【0047】
本発明をディスペンサーに適用して、かつ容積式ポンプを構成した場合、従来のエアーパルス式、ねじ溝式ではできなかったことが可能である。例えば、図2(F)の吐出完了直後の状態でピストンを若干量上昇させれば、ポンプ室20内の負圧発生の効果により、液ダレ防止もできる(図示せず)。また、吐出ノズル側の通路以外は密閉状態のため、高いレスポンスを有する電磁歪型アクチュエータに衝撃的な荷重を発生させれば、吐出流体を大きく飛翔させることができる(図示せず)。
【0048】
本実施形態では、ハウジングは固定し、ピストンとハウジングに相対的な運動を与えるように各アクチェータを配置している。この構成の代わりに、たとえばピストンを固定してハウジングをアクチェータで駆動する構成も可能である(図示せず)。
【0049】
以上、本発明をディスペンサーに用いた場合について、吸入・吐出行程の一例を示した。この場合の可動スリーブ3とピストン4の変位と各ステップ(図2におけるA→Fの工程)の関係の一例を図3に示す。図3において、Xsは吸入側ピストン3の変位、Xdは吐出側ピストン7の変位である。
【0050】
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態を示すもので、吸入側のアクチュエータ(第1のアクチェータ)に、第1の実施例同様円柱形状の積層型圧電素子を用いて、吐出側アクチェータ(第2のアクチェータ)にはバイモレフ型の圧電素子を用いた場合を示す。
【0051】
301は積層型の円柱形状圧電素子で構成される吸入側アクチェータ(第1のアクチェータ)、302はバイモレフ型圧電素子で構成される吐出側アクチェータ(第2のアクチェータ)である。303は吸入側ピストン、304は吐出側ピストン、305は吐出側アクチュエータの駆動源であるバイモレフ型圧電素子、306は流通路、307は吸入側ピストン303と吐出側ピストン304の間に形成された流体抵抗部(絞り部)、308は本装置の吸入口、309は吐出ノズル、310はポンプ室である。
【0052】
吐出側アクチェータ(第2のアクチェータ)にバイモレフ型の圧電素子を用いた場合、吐出側ポンプ部分の構成は一層シンプルとなり小型化できる。ここで、吐出側ポンプ部分とは、吐出側ピストン304、圧電素子305、流体抵抗部307、吐出ノズル309、ポンプ室310で構成される部分を示す。
【0053】
吸入側のアクチュエータ301と吸入側ピストン303を1セットで構成し、この1セットの吸入側に対して、複数個の吐出側ポンプ部分を組み合わせれば、塗布装置全体は一層簡素化される。吸入側ピストン303と吐出側ピストン304の動作のタイミングは、前述した方法を用いればよい。吸入側ピストン303と吐出側ピストン304の間に流体抵抗部307を形成しておけば、吐出側ピストン304のストロークを調節することにより、各ヘッドの吐出量を個別に変えることができる。
【0054】
以下、本発明の第2の実施形態に係る具体的な動作仕様について説明する。
【0055】
本発明による超小型ディスペンサーを、複数本並列配置させて流体供給システムを構成すれば、たとえば平板上に蛍光体材料、電極材料等を塗布させるプロセスにも適用できる。
【0056】
この場合、複数個のポンプ室を連絡する流体供給路は共通となるように筐体部を構成すればよい。各吐出ノズルの吐出量は、個別に流量制御できるため、自由度が高く、塗布材料の損失が少ない平板面の塗布が可能となる。或いは、図5に示すごとく、共通のハウジングに複数本のディスペンサーの中身を収納するように構成すれば、よりシンプルな構成のマルチノズルを有する塗布装置ができる。
【0057】
図5は第1の実施形態のディスペンサー(図1)を集積化した塗布装置の全体構成を示すもので、101は吸入側アクチェータ(第1のアクチュエータ)であり、積層型圧電素子102、吸入側ピストン103、吸入側変位センサー104より構成される。
【0058】
105は吐出側アクチェータ(第2のアクチュエータ)であり、積層型圧電素子106と端部に細径部を有する吐出側ピストン107、吐出側変位センサー108より構成される。109は前記第1、第2のアクチュエータを収納するハウジングである。110は下部ハウジングであり、この下部ハウジング110の底面に複数の吐出口(図示せず)が形成されている。111は装置全体を把持する筐体部であり、この筐体部111と下部ハウジング110の間に共通の流通路112が形成されている。
【0059】
さて、第1のアクチュエータによって駆動される吸入側ピストンの変位特性をXs(t)とし、第2のアクチュエータによって駆動される吐出側ピストンの変位特性をXd(t)としたとき、Xs(t)とXd(t)の位相関係の選択によって、本発明は様々な用途に適用できる。要約すれば、
(1)前述したごとく、吐出側のポンプ室に流体を吸入後、吸入側の通路を遮断するように吸入側ピストンの変位Xs(t)を設定し、しかる後吐出ピストンの変位Xd(t)→0となるようにすれば、容積式ポンプとして適用できる。
【0060】
(2)吸入側ピストンの変位Xs(t)と吐出ピストンの変位Xd(t)を概略逆位相になるように駆動すれば、流体が充填された空間の容積変化をキャンセルできるため、ポンプ室の圧力変化を解消できる。すなわち、連続塗布線の始終端を高精度に描ける流体制御バルブになる。
【0061】
なお、本発明に適用するアクチュエータの種類は、前述した電磁歪式、磁気式などに限定されるものではない。例えば、本発明の原理を適用し、一定容積に対して発生荷重の大きな静電アクチュエータを第1と第2のアクチュエータ双方、或いはいずれかに用いれば、本体を大幅に小型化できる。すなわち、マイクロマシーン、ミニマシーンの領域で初めて容積型のマイクロポンプあるいは動特性を補償できる機能を持つ流量制御バルブが実現可能である(図示せず)。
【0062】
【発明の効果】
本発明を用いた流体供給装置及び流体供給方法により、次の効果が得られる。
(1)極めて細径・超小型・シンプル構造の超微少量・定量ディスペンサーが実現できる。
(2)上記特徴のため、マルチノズル化が容易であり、それぞれのノズルが独立した流量制御のできる吐布システムが実現できる。
(3)高粘度流体を高精度で吐出できる。
(4)超高速の間欠塗布ができる。
(5)摺動磨耗等による性能劣化がなく、高い信頼性を持つ。
(6)さらに本発明をポンプとして適用した場合、ポンプの形態を容積式にできるために、以下示す特徴を合わせ持つことができる。
(6−1)ストローク制御をすれば吐出量が可変である。
(6−2)糸引き、液ダレ防止が図れる。
(6−3)環境温度の変化(粘度の変化)、あるいはノズルと吐布面間のギャップに吐出量が依存しにくい。
(6−4)ピストン部分は非接触にできるため、微少な微粒子が混合した粉粒体にも対応できる。
(7)流量制御バルブとして適用すれば、たとえば、塗布開始・終了時に高精度描画が描けるディスペンサーが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る原理を示すモデル図
【図2】本発明の第1の実施形態に係る吸入・吐出工程A〜Fを示すモデル図
【図3】本発明の第1の実施形態に係る吸入側ピストンと吐出側ピストンの変位を示す図
【図4】本発明の第2の実施形態に係る原理を示すモデル図
【図5】本発明の第1の実施形態に係るディスペンサーを用いた塗布装置の斜視図
【図6】従来のエアーパルス方式のディスペンサーを示す図
【図7】従来のピエゾポンプの原理図
【図8】図7の従来ピエゾポンプの正面断面図
【図9】既提案の微少流量ポンプの正面断面図
【符号の説明】
1 第1のアクチュエータ
2 第2のアクチュエータ
15 流通路
17 吸入孔
18 吐出孔
Claims (28)
- 吸入口及び吐出口と、前記吸入口と前記吐出口を繋ぐ流路と、この流路の吸入口側を開閉するバルブと、このバルブを開閉駆動する第1のアクチュエータと、前記バルブと前記吐出口の間に有る流体を前記吐出口側に圧送する機能を有するポンプと、このポンプを駆動する第2のアクチュエータから構成されることを特徴とする流体制御装置。
- 前記ポンプによる流体の吐出時には、前記バルブによって吸入口側の流路は閉じられていること
を特徴とする請求項1記載の流体制御装置。 - 前記ポンプは、前記第2のアクチュエータで駆動される吐出側ピストンと、この吐出側ピストンを収納するハウジングと、このハウジングに形成された前記吐出口から構成され、前記吐出側ピストンの移動により前記吐出側ピストンと前記ハウジングの間のポンプ室に充填された流体を前記吐出口側に圧送する機能を有すること
を特徴とする請求項1記載の流体制御装置。 - 前記バルブが開放状態で流体の吸入時には、前記吐出側ピストンによって吐出口へ繋がる流路は閉じられているか、或いは流路面積が縮小されていること
を特徴とする請求項3記載の流体制御装置。 - 第1のアクチェータ及び又は第2のアクチェータは電磁歪型のアクチェータであること
を特徴とする請求項1記載の流体制御装置。 - 電磁歪型アクチェータは圧電素子又は超磁歪素子より構成されること
を特徴とする請求項5記載の流体制御装置。 - 吐出側ピストンとハウジングの相対的軸方向位置を検出する変位センサーの出力をもとに、前記第2のアクチュエータを駆動して前記相対的軸方向位置を制御したこと
を特徴とする請求項3記載の流体制御装置。 - 前記バルブは、前記第1のアクチュエータで駆動される吸入側ピストンと、この吸入側ピストンを収納する吸入側ハウジングと、この吸入側ハウジング内部に形成された前記吐出口に繋がる流路から構成され、前記吸入側ピストンの移動により前記流路を開閉する機能を有すること
を特徴とする請求項1記載の流体制御装置。 - 請求項1記載の流体供給装置を複数個収納する筐体部と、この筐体部に流体供給するための流体供給手段より構成されること
を特徴とする流体制御装置。 - 複数個のポンプ室を連絡する流体供給路は共通となるように筐体部が構成されていること
を特徴とする請求項8記載の流体制御装置。 - 第1のアクチェータおよび又は第2のアクチェータはバイモレフ型の圧電素子より構成されること
を特徴とする請求項1記載の流体制御装置。 - 吸入側ピストンと吐出側ピストンを概略逆位相で駆動させたこと
を特徴とする請求項8記載の流体制御装置。 - 吐出側ピストン、吐出側アクチュエータ、吐出ノズル、ポンプ室で吐出側ポンプ部分を構成し、吸入側通路を開閉する吸入側ピストンと吸入側アクチュエータで吸入側制御部分を構成したとき、複数個の前記吐出側ポンプ部分に対して、1個の吸入側制御部分を組み合わせて塗布装置あるいは塗布装置の一部である塗布ユニットを構成したこと
を特徴とする請求項1記載の流体制御装置。 - 前記吸入側制御部分と前記吐出側ポンプ部分を繋ぐ流路内に流体絞りを形成したこと
を特徴とする請求項13記載の流体制御装置。 - 吸入口及び吐出口を有し、前記吸入口と前記吐出口を繋ぐ流路のうち吸入口側をバルブによって開閉し、このバルブを第1のアクチュエータによって開閉駆動するとともに、第2のアクチュエータによってポンプを駆動させ、前記ポンプは前記バルブと前記吐出口の間に有る流体を前記吐出口側に圧送すること
を特徴とする流体制御方法。 - 前記ポンプによる流体の吐出時には、前記バルブによって吸入口側の流路は閉じられていること
を特徴とする請求項15記載の流体制御方法。 - 前記ポンプは、前記第2のアクチュエータで駆動される吐出側ピストンと、この吐出側ピストンを収納するハウジングと、このハウジングに形成された前記吐出口から構成され、前記吐出側ピストンの移動により前記吐出側ピストンと前記ハウジングの間のポンプ室に充填された流体を前記吐出口側に圧送する機能を有すること
を特徴とする請求項15記載の流体制御方法。 - 前記バルブが開放状態で流体の吸入時には、前記吐出側ピストンによって吐出口へ繋がる流路は閉じられているか、或いは流路面積が縮小されていること
を特徴とする請求項17記載の流体制御方法。 - 第1のアクチェータ及び又は第2のアクチェータは電磁歪型のアクチェータであること
を特徴とする請求項15記載の流体制御方法。 - 電磁歪型アクチェータは圧電素子又は超磁歪素子であることを特徴とする請求項19記載の流体制御方法。
- 吐出側ピストンとハウジングの相対的軸方向位置を検出する変位センサーの出力をもとに、前記第2のアクチュエータを駆動して前記相対的軸方向位置を制御したこと
を特徴とする請求項17記載の流体制御方法。 - 前記バルブは、前記第1のアクチュエータで駆動される吸入側ピストンと、この吸入側ピストンを収納する吸入側ハウジングと、この吸入側ハウジング内部に形成された前記吐出口に繋がる流路から構成され、前記吸入側ピストンの移動により前記流路を開閉する機能を有すること
を特徴とする請求項15記載の流体制御方法。 - 請求項15記載の流体供給方法において、複数個収納する筐体部と、この筐体部に流体供給するための流体供給手段より構成されること
を特徴とする流体制御方法。 - 複数個のポンプ室を連絡する流体供給路は共通となるように筐体部で構成されていること
を特徴とする請求項22記載の流体制御方法。 - 第1のアクチェータおよび又は第2のアクチェータはバイモレフ型の圧電素子であること
を特徴とする請求項15記載の流体制御方法。 - 吸入側ピストンと吐出側ピストンを概略逆位相で駆動させたこと
を特徴とする請求項22記載の流体制御方法。 - 吐出側ピストン、吐出側アクチュエータ、吐出ノズル、ポンプ室で吐出側ポンプ部分を構成し、吸入側通路を開閉する吸入側ピストンと吸入側アクチュエータで吸入側制御部分を構成したとき、複数個の前記吐出側ポンプ部分に対して、1個の吸入側制御部分を組み合わせて塗布装置あるいは塗布装置の一部である塗布ユニットを構成したこと
を特徴とする請求項15記載の流体制御方法。 - 前記吸入側制御部分と前記吐出側ポンプ部分を繋ぐ流路内に流体絞りを形成したこと
を特徴とする請求項27記載の流体制御方法。
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