JP2002355580A - 流体塗布方法及び流体塗布装置 - Google Patents

流体塗布方法及び流体塗布装置

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JP2002355580A
JP2002355580A JP2001164459A JP2001164459A JP2002355580A JP 2002355580 A JP2002355580 A JP 2002355580A JP 2001164459 A JP2001164459 A JP 2001164459A JP 2001164459 A JP2001164459 A JP 2001164459A JP 2002355580 A JP2002355580 A JP 2002355580A
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fluid
output shaft
pressure
piston
movable sleeve
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Application number
JP2001164459A
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English (en)
Inventor
Teruo Maruyama
照雄 丸山
Koji Sonoda
孝司 園田
Masaru Yamauchi
大 山内
Eishin Nishikawa
英信 西川
Shuji Ono
修治 大野
Yoichi Nakamura
洋一 中村
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子部品、家電製品などの分野における生産
工程において、接着剤、クリーンハンダ、蛍光体、グリ
ース、ペイント、ホットメルト、薬品、食品などの各種
粉流体を、粉体の圧搾・破壊なく、高速で吐出遮蔽・開
始ができる。 【解決手段】 軸とシリンダの間に相対的な直線運動と
回転運動を与えると共に、回転運動により流体の輸送手
段を与え、直線運動を用いて固定側と回転側の相対的な
ギャップを変化させ、流体の吐出量を制御する塗布装置
において、固定側と回転側のギャップをより高精度に検
出できる構成でセンサーを配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子部品、家電製品
などの分野における生産工程に用いることができ、接着
剤、クリームハンダ、蛍光体、グリース、ペイント、ホ
ットメルト、薬品、食品などの各種液体を定量に吐出・
吐出するための流体塗布装置および塗布方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】液体吐出装置(ディスペンサー)は従来
から様々な分野で用いられているが、近年の電子部品の
小形化・高記録密度化のニーズにともない、微少量の流
体材料を高精度でかつ安定して吐出制御する技術が要請
される様になっている。
【0003】また、たとえばCRT、PDPなどのディ
スプレイ面に蛍光体を均一に塗布するための、新たな流
体塗布手段開発の要望も大きい。
【0004】表面実装(SMT)の分野を例にとれば、
実装の高速化、微小化、高密度化、高品位化、無人化の
トレンドの中で、ディスペンサーの課題を要約すれば、 塗布量の高精度化と1回の塗布量の微小化 吐出時間の短縮 …高速吐出遮断及び開始ができる 高粘度の粉流体に対応できる である。従来、微少流量の液体を吐出させるために、エ
アパルス方式、ねじ溝式、電磁歪素子によるマイクロポ
ンプ方式などのディスペンサーが実用化されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来先行例の
うち、図12に示す様なエアパルス方式によるディスペ
ンサーが広く用いられており、例えば「自動化技術′9
3.25巻7号」等にその技術が紹介されている。この
方式によるディスペンサーは、定圧源から供給される定
量の空気を容器200(シリンダ)内にパルス的に印加
させ、シリンダ200内の圧力の上昇分に対応する一定
量の液体をノズル201から吐出させるものである。
【0006】エアーパルスの方式のディスペンサーは応
答性が悪いという欠点があった。
【0007】この欠点は、シリンダに封じ込められた空
気202の圧縮性と、エアーパルスを狭い隙間に通過さ
せる際のノズル抵抗よるものである。すなわち、エアー
パルス方式の場合、シリンダの容積:Cとノズル抵抗:R
できまる流体回路の時定数:T=RCが大きく、入力パル
スを印加後、吐出開始にたとえば0.07〜0.1秒程度の時
間遅れを見込まねばならない。
【0008】上記エアーパルス方式の欠点を解消するた
めに、吐出ノズルの入口部にニードルバルブを設けて、
このニードルバルブを構成する細径のスプールを軸方向
に高速で移動させることにより、吐出口を開閉させるデ
ィスペンサーが実用化されている。
【0009】しかしこの場合、流体の遮断時、相対移動
する部材間の隙間はゼロとなり、数ミクロン〜数十ミク
ロンの平均粒径の粉体は機械的に圧搾作用を受け破壊さ
れる。その結果発生する様々な不具合のため、粉体が混
入した接着材、導電性ペースト、あるいは蛍光体等の塗
布への適用は困難な場合が多い。
【0010】また同目的のために、粘性ポンプであるね
じ溝式のディスペンサーも既に実用化されている。ねじ
溝式の場合、ノズル抵抗に依存にくいポンプ特性を選ぶ
ことができるため、連続吐布の場合は好ましい結果が得
られるが、間欠塗布は粘性ポンプの性格上不得手であ
る。そのため従来ねじ溝式では、 (1)モータとポンプ軸の間に電磁クラッチを介在さ
せ、吐出のON、OFF時にこの電磁クラッチを連結あるい
は開放する。
【0011】(2)DCサーボモータを用いて、急速回転
開始あるいは急速停止させる。
【0012】しかし、上記いずれも機械的な系の時定数
で応答性が決まるため、高速間欠動作には制約があっ
た。応答性はエアーパルス方式と比較すると良好である
が、しかし最短時間でも0.05秒程度が限界であった。
【0013】またポンプ軸の過渡応答時(回転始動時と
停止時)の回転特性に不確定要因が多いため、流量の厳
密な制御は難しく、塗布精度にも限界があった。
【0014】微少流量の流体を吐出することを目的とし
て、積層型の圧電素子を利用したマイクロポンプが開発
されている。このマイクロポンプには、通常機械式の受
動的な吐出弁,吸入弁が用いられる。
【0015】しかし、バネとボールから構成され圧力差
によって吐出弁,吸入弁を開閉させる上記ポンプでは、
流動性の悪い、数万〜数十万センチポワズの高粘度のレ
オロジー流体を、高い流量精度でかつ高速(0.1秒以
下)で間欠吐出させることは極めて困難である。
【0016】さて、近年益々高精度化、超微細化してい
く回路形成の分野、あるいはPDP,CRTなどの映像
管の電極とリブ形成、液晶パネルのシール材塗布、光デ
ィスクなどの製造行程の分野において、微細塗布技術に
関する、次のような要望が強い。
【0017】連続吐布後、すばやく塗布を止め、短い
時間をおいて連続塗布を急峻に開始できること。そのた
めには、たとえば0.01秒のオーダーで流量制御できるこ
とが理想である。
【0018】粉流体に対応できること。たとえば流路
の機械的な遮断により、粉体の圧搾破損、流路の詰まり
などのトラブルがないこと。
【0019】上述した高粘度流体・粉流体の微少流量塗
布に係る、近年の様々な要求に応えるために、本発明者
らは、ピストンとシリンダの間に相対的な直線運動と回
転運動を与えると共に、回転運動により流体の輸送手段
を与え、直線運動を用いて固定側と回転側の相対的なギ
ャップを変化させ、流体の吐出量を制御する塗布方法の
提案として、「流体供給装置及び流体供給方法」を出願
中(特願2000-188899号)である。
【0020】本発明は上記提案をさらに改良するもの
で、高精度連続塗布と高速間欠塗布のいずれにも対応で
きる流体塗布方法およびその装置を提供するものであ
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の流体塗布方法
は、第1及び第2の出力軸と前記ハウジング間の間隙が
変化を利用して流体を塗出させて基板上に流体を塗布す
る流体塗布方法において、連続塗布時には前記第1と第
2の出力軸を概略逆位相で駆動させ、間欠塗布時には前
記第1あるいは第2の出力軸のいずれかを他の軸よりも
より大きな体積変化が生じるように駆動させることを特
徴とする流体塗布方法。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を電子部品の表面実
装用ディスペンサーに適用した第1の実施例について、
図1を用いて説明する。
【0023】この実施例のディスペンサーの構造は、大
きく分けて駆動部とポンプ部により構成される。
【0024】駆動部は、超磁歪ロッドの両端部の出力変
位を利用した2つの出力軸を持つと共に、非接触で電力
供給できる超磁歪素子の特徴を利用して、モータを用い
て、この出力軸にさらに回転の機能を持たせたものであ
る。この2つの出力軸の軸方向駆動方法が、後述する本
発明の実施例のポイントである。
【0025】ポンプ部は、出力軸の回転により流体を輸
送させる手段と、出力軸の直線運動を用いて固定側と回
転側の相対的なギャップを変化させて流体の吐出量を制
御する塗布手段の2つを併せ持つ構造となっている。
【0026】以下、まず駆動部について説明する。図1
において1は、超磁歪素子による直動型アクチュエータ
である。2はアクチュエータ1によって駆動される可動
スリーブ(第2の出力軸)、3はこの可動スリーブ2を
フロント側で収納する回転スリーブ、4は前記アクチュ
エータ1を収納するハウジングである。
【0027】5は超磁歪材料から構成される円筒形状の
超磁歪ロッドである。この超磁歪ロッド5はバイアス永
久磁石(A)6、(B)7を上下に挟んだ形で、上部ヨ
ーク8とヨーク材を兼ねた可動スリーブ2の間に固定さ
れている。
【0028】9は超磁歪ロッド5の長手方向に磁界を与
えるための磁界コイル、10は円筒形状のヨークであり
ハウジング4に収納されている。
【0029】前記永久磁石A、Bは、超磁歪ロッド5に
予めに磁界をかけて磁界の動作点を高めるもので、5→
6→8→10→2→7→5により、超磁歪ロッド5の伸
縮を制御する閉ループ磁気回路を形成している。すなわ
ち、部材5〜10により、磁界コイルに与える電流で超
磁歪ロッドの軸方向の伸縮を制御できる超磁歪アクチュ
エータ1を構成している。超磁歪材料は希土類元素と鉄
の合金であり、たとえば、bFe2,DyFe2,SmFe2などが知ら
れおり、近年急速に実用化が進められている。
【0030】11は上部ヨーク8(磁性材料)に固定さ
れ一体化したピストン(第1の出力軸)であり、超磁歪
ロッド5を貫通して設けられている。またこのピストン
11は、バイアス永久磁石(A)6を挟持した形で、超
磁歪ロッド5の上端に密着している。ピストン11は上
方にも伸びており、上部スリーブ12に設けられた軸受
部13により上端で支持されている。またこの上部スリ
ーブ12は、玉軸受14を介在して中間ハウジング15
により回転自在に支持されている。
【0031】また可動スリーブ2は、ピストン11同様
に、バイアス永久磁石(B)7を挟持した形で、超磁歪
ロッド5の下端と密着している。
【0032】上部ヨーク8と上部スリーブ12の間、及
び可動スリーブ2と回転スリーブ3の間には、超磁歪ロ
ッド5に機械的な軸方向与圧を与えるバイアスバネ1
6,17が設けられている。さらに上部ヨーク8には、
上部スリーブ12側に突出部18が形成されており、こ
の突出部18と上部スリーブ12間の間隙δ2が超磁歪
ロッド5の上端側のストロークを規制する。この部分を
変位規制部19とする。
【0033】上記構成により、超磁歪素子の電磁コイル
9に電流を印加すると、超磁歪ロッド5は印加電流の大
きさに比例して伸縮する。
【0034】このとき、超磁歪ロッド5の両端の変位
は、超磁歪ロッドに軸方向与圧を与える2つのバイアス
バネ16、17の剛性の大きさと、変位規制部19の間
隙δ2の大きさできまる。もしバイアスバネ16、17
の剛性が等しければ、入力電流を徐々に大きくしていく
と、最初は超磁歪ロッドの両端は等しい変位で伸びる。
【0035】しかし、超磁歪ロッドの上端部の変位がδ
2に達すると、超磁歪ロッドの上端部(中心軸11)の
伸びは規制され、以降、下端部(可動スリーブ2)のみ
が下方へ伸びていくことになる。
【0036】20はピストン11に回転運動を与えるモ
ータであり、実施例ではDCサーボモータを用いてお
り、21はモータロータ、22はモータステータ、23
はモータステータを収納する上部ハウジングである。
【0037】上部ハウジング23の上部には、ピストン
11の回転情報を検出するためのエンコーダ24が設け
られている。
【0038】可動スリーブ2とハウジング4の間には、
可動スリーブ2の端面位置を検出する変位センサー25
が配置されている。
【0039】可動スリーブ2の吐出側の一部を収納する
回転スリーブ3は、軸受ハウジング26との間に設けら
れた玉軸受27によって回転自在に支持されている。2
8は可動スリーブ2とピストン11の連結部である。
【0040】モータ20からピストン11に与えられた
回転トルクは、連結部28によって可動スリーブ2に与
えられる。すなわち、ピストン11は可動スリーブ2に
対して、回転のみを伝達し、相対的な直線運動はフリー
となるような連結部形状(角型断面)となっている(図
示せず)。
【0041】なをピストン11は非磁性材料を用いてい
るため、超磁歪ロッド5の伸縮を制御する閉ループ磁気
回路には影響を与えない。またモータ20から与えられ
た駆動トルクは、ピストン11のみに伝わるために、超
磁歪ロッド5には捻り応力は発生しない。また超磁歪ロ
ッド5の内周面と、ピストン11の外周面間の隙間は充
分に小さく、超磁歪ロッド5は回転時にも常に回転中心
を保つ構成となっている。これらの工夫により、引っ張
り応力に対して弱い脆性材料である超磁歪ロッドの信頼
性・耐久性が確保できる。
【0042】上記構成により、本実施例の流体供給装置
の駆動部は、可動スリーブ2とピストン11の「回転運
動」と「微少変位の直線運動」の2つの運動の制御を同
時に、かつ独立して行うことができる。
【0043】可動スリーブ2とピストン11の各軸の直
線運動は逆位相であり、前述したように、ピストン11
の直線運動は変位規制部19により規制される。変位が
小さい間は、ピストン11は可動スリーブ2と同じタイ
ミングで伸縮するが、変位が大きくなると、ピストン1
1は静止し可動スリーブ2のみが伸長する。この構成に
より、詳細は後述するが、両軸が動く場合と、片軸(可
動スリーブ2)のみが動く場合のそれぞれの長所を共に
活かしたディスペンサーが実現できる。
【0044】また実施例では、直動型アクチュエータ1
に超磁歪素子を用いたために、超磁歪ロッド5(及び可
動スリーブ2とピストン11)を直線運動させるための
動力を、外部から非接触で与えることができる。すなわ
ち、本構成のアクチュエータでは、モータを回転させた
ままで、数メガヘルツの周波数特性を持つ電磁歪素子の
特徴を活かし、高いレスポンスで2つの出力軸を軸方向
に相対移動させることができる。実施例では、アクチュ
エータ1(超電磁歪素子)の上部にモータを配置した
が、この逆の配置の構成でもよい(図示せず)。
【0045】この実施例では、一個の超磁歪アクチュエ
ータから2つの出力軸を取り出す構成となっているが、
独立した2個のアクチュエータをたとえばシリーズに設
置して、その一方でピストンを駆動し、もう一方で可動
スリーブを駆動する構成でもよい。
【0046】この場合でも、後述するように、連続塗布
の場合はピストンと可動スリーブを逆位相で駆動し、間
欠塗布の場合はいずれか一方の軸を他よりも大きな変位
で駆動すればよい。
【0047】以下、ポンプ部29について説明する。
【0048】さて本実施例では、可動スリーブ2の軸方
向位置決め機能を用いて、可動スリーブ2の定常回転状
態を保ったままで、可動スリーブ2の吐出側スラスト端
面の隙間の大きさを任意に制御することができる。この
機能を用いて、吸入口から吐出ノズルに至るいかなる流
通路の区間も機械的に非接触の状態で、粉流体の遮断・
開放ができる。その原理をポンプ部29の詳細図2を用
いて説明する。
【0049】図1及び図2において、30は可動スリー
ブ2の細径部であり、ボルトにより着脱自在に可動スリ
ーブ2に装着される。31はこの可動スリーブ2の外表
面に形成された流体を吐出側に圧送するためのラジアル
溝、32は可動スリーブ2を収納し、軸受ハウジング2
4に装着されたシリンダである。
【0050】この可動スリーブ2の細径部30とシリン
ダ32の間で、両部材の相対的な回転によってポンピン
グ作用を得るためのポンプ室33を形成している。また
シリンダ32には、ポンプ室33と連絡する吸入孔34
が形成されている。35はシリンダ32の下端部に装着
された吐出ノズル、36はこの吐出ノズルに形成された
吐出流通路、37は流体シール、38は可動スリーブ細
径部30に収納されたピストン細径部である。
【0051】可動スリーブ細径部30の吐出側端面39
とその対抗面40の相対移動面にシール用スラスト溝4
1が形成されている。このスラスト端面39の対向面4
0の中央部に吐出ノズル35の開口部42が形成されて
いる。43は開口部42の中央部に位置する吐出ノズル
上流側であり、この部分の圧力を本文では、吐出ノズル
上流側圧力:Pnとする。44はスラスト溝外周部、45
は液溜り部である。
【0052】図2で説明したラジアル溝31は、スパイ
ラルグルーブ動圧軸受として知られている公知のもので
あり、またねじ溝ポンプとしても利用されている。
【0053】またシール用スラスト溝41は、同様にス
ラスト動圧軸受として知られているものである。さて、
スラスト軸受の発生できるシール圧力は次式で与えられ
る。(数1)において、ωは回転角速度、R0はスラスト
軸受の外径、Riはスラスト軸受の内径、δは対向面間の
隙間、fは溝深さ、溝角度、グルーブ幅とリッジ幅など
で決まる関数である。
【0054】
【数1】
【0055】図3(a)のグラフにおける曲線(イ)
は、下記表1の条件下で、スパイラルグルーブ型スラス
ト溝を用いた場合のギャップδに対するシール圧力PS
静特性を示すものである。
【0056】ギャップδが変動している場合、及びピス
トンも可動スリーブに対して逆位相で変動している場合
の圧力の動特性については、後に詳細に述べる。
【0057】図3(b)のグラフにおける曲線(ロ)
は、軸方向流動が無い場合について、ラジアル溝のポン
ピング圧力と軸先端のギャップδの関係を示す一例であ
る。このラジアル溝のポンピング圧力は、上記スラスト
溝同様、ラジアル隙間、溝深さ、溝角度の選択によって
広い範囲で選ぶことができる。しかし定性的には、ラジ
アル溝のポンピング圧力Prは軸先端の空隙の大きさ(す
なわちギャップδの大きさ)に依存しない。
【0058】さて、シール用スラスト溝のギャップδが
十分大きいとき、たとえばギャップδ=15μmのと
き、発生圧力はPS =0.69MPa(絶対圧)である。
【0059】軸を回転させたままで、主軸2の端面を固
定側の対向面に接近させる。ギャップδ<10.0μmなる
と、シール圧力PSがラジアル溝のポンピング圧力Prより
大きくなり、流体の吐出口側への流出は遮断される。
【0060】前述した図2は、流体の流出が遮断された
状態を示し、吐出ノズルの開口部42近傍の流体は、ス
ラスト溝41によって遠心方向のポンピング作用[図2
の矢印]を受けているために、吐出ノズルの開口部42
近傍は負圧(大気圧以下)となる。この効果により、遮
断後、吐出ノズル35内部に残存していた流体の一部は
再びポンプ内部に吸引される。その結果、吐出ノズル先
端で表面張力による流体魂ができることはなく、糸引
き、洟垂れが解消されるのである。
【0061】さて、本発明の実施例では、回転軸を10
〜数10μm程度軸方向に移動させることにより、流体
の吐出状態のON,OFFを自在に制御することができる。
【0062】このシール原理のポイントを要約すれば、
スラスト溝によるシール圧力は、ギャップδが小さくな
ると急激に増大するのに対して、ラジアル溝のポンピン
グ圧力はギャップδの変化に対して極めて鈍感である、
という点を利用している。
【0063】なをラジアル溝、スラスト溝いずれも回転
側、固定側のどちらに形成してもよい。
【0064】また微少粒子が含まれた接着材のような粉
流体を塗布する場合は、ギャップδの最小値δminは微
少粒子径φdよりも大きく設定すればよい。
【0065】
【数2】
【0066】同一の発生圧力に対して、より大きなギャ
ップを得るためには、回転数を高くするか、可動スリー
ブ細径部30にスラストシールのつばを設け、このつば
の外径を大きくかつ溝深さ、溝角度等に適切な値を選べ
ば良い(図示せず)。
【0067】
【表1】
【0068】以上、可動スリーブ2を軸方向に移動させ
ることにより、吐出流体を遮断(OFF)および開放(ON)で
きる原理について述べた。
【0069】さて、ディスペンサーの出力軸を2重構造
にして、内側のピストンと外側のスリーブを逆位相で駆
動させることにより、1重ピストンで連続塗布を行なう
場合の不具合が解消できることは、既に「流体供給装置
及び流体供給方法」として出願中(特願2000-188899
号)である。
【0070】また、上記出願に続く提案として、スリー
ブとピストンのそれぞれの断面積と変位の関係から動特
性補償パラメータ:φを定義し、2重ピストン方式の効
果を十分に得るためには、適切な上記φの値を選択すれ
ばよいことも出願済みである。
【0071】本発明は、この2重ピストン方式を用い
て、連続塗布のみならず間欠塗布の場合でも十分な効果
の得られるディスペンサーの基本構造を提供するもので
ある。以下、本発明を次の順序で説明する。
【0072】[1]既提案のディスペンサーを連続塗布に
用いた場合 すなわち、連続塗布の場合の、「1重ピストン式」に対
する「2重ピストン式」の優位性について説明する。
【0073】[2]既提案のディスペンサーを連続塗布に
用いた場合 2重ピストン式を間欠塗布に用いた場合の不具合につい
て説明する。
【0074】[3]本発明の効果 連続塗布と間欠塗布の両方を満足する本発明のディスペ
ンサーの特性について説明する。
【0075】まず最初に、上記[1]〜[3]の結論を得るた
めに行った理論解析の方法について詳しく説明する。
【0076】対向して配置された平面間の狭い隙間に粘
性流体が介在し、かつその隙間の間隔が時間と共に変化
する場合の流体圧力は、スクイーズ作用(Squeeze acti
on)の項を持つ次のReynolds方程式を解くことにより得
られる。
【0077】
【数3】
【0078】(数3)において、Pは圧力、μは流体の
粘性係数、hは対向面間の隙間、rは半径方向位置、t
は時間、Uはx方向相対速度、Vはy方向相対速度、であ
る。また右辺が、隙間が変化するときに発生するスクイ
ーズアクション効果をもたらす項である。
【0079】さらに吐出ノズル入口部に液溜り部45を
設けた場合について、液溜り部の圧力、すなわちノズル
の上流側圧力Pnは、流体の圧縮性を考慮して、
【0080】
【数4】
【0081】(数4)において、Qsは液溜り部への流入
量、Qnは液溜り部から吐出ノズル35を経て大気に排出
される流出量である。また、kは流体の体積弾性係数、
Vは液溜り部45の容積である。
【0082】吐出流量を求めるのに必要なノズルの上流
側圧力Pnは、上記(数3)、(数4)の方程式を連立し
て解くことにより求められる。
【0083】以下、流体の粘度:μ=10,000cps、体積
弾性係数:K=4.9×107N/m2、境界部(スラスト溝外周
部44)の圧力:Ps0=2.06MPa(一定)として、ポンプ
部29が下記表2の条件で構成された場合について、吐
出圧力を求める解析をおこなった。
【0084】
【表2】
【0085】上記条件下で得られる解析結果を以下に要
約する。
【0086】[1] 既提案のディスペンサーを連続塗布に
用いた場合 (1)各出力軸の変位曲線 可動スリーブ2(可動スリーブ細径部30)とピストン
11(ピストン細径部38)の変位曲線を図4に示す。
t=0.02秒で可動スリーブ2:Xsが上昇(吐出流路を開
放)と同時にピストン11:Xpも下降を開始する。t=0.
03秒で両軸共停止し、t=0.03〜0.07秒の間一定の位置を
保つ。t=0.07秒で可動スリーブの下降(吐出流路を遮
断)と同時にピストンも上昇を開始し、t=0.08秒で両軸
は停止する。
【0087】(2)2重ピストン式と1重ピストン式の
圧力特性比較 図5において、曲線(イ)は、1重ピストン式(ピス
トンを静止させ、可動スリーブのみを軸方向に駆動させ
た場合)の吐出ノズルの上流側圧力Pnを示す。可動スリ
ーブのストローク:Xst=20μm、ピストンのストロー
ク:Xpt=0μmである。この場合、可動スリーブが上昇
開始直後、吐出ノズルの上流側圧力Pnは急降下する。圧
力が急降下する理由は、可動スリーブの急上昇によって
生じたスラスト端面の空隙部の外周部から中心部の間
で、求心方向の流体抵抗があるからである。この流体抵
抗により、容易には外周部から流体は補給されず、圧力
は降下する。理論的には、Reynolds方程式(数3)のdh
/dt>0となる逆スクイーズ作用とも言うべき効果によ
る。
【0088】大きなマイナス圧力となっているのは、Re
ynolds方程式(数3)が流体の圧縮性を考慮していない
からである。実際は気泡などの発生により流体圧力は絶
対圧力ゼロ以下(Pn<0.0MPa)にはならない。
【0089】しかし、負圧発生の間は吐出ノズルから流
体の流出はないために、流出が始まる条件:Pnが大気圧
以上となるのは、吐出開始の指令が出てから0.01秒遅れ
となる。
【0090】実験の結果、この負圧発生によって、吐出
ノズル出口から空気が流入し、通常吐出ノズルの流通路
に充填されていた塗布流体の一部が空気と入れ替わるた
め、塗布流体の流出開始はさらに遅れることが分かっ
た。
【0091】以降、0.03<t<0.07秒の間は、連続塗布の
状態を保つ。
【0092】T=0.07秒で可動スリーブが下降を開始する
と、吐出ノズルの上流側圧力Pnは急上昇する。その理由
は、dh/dt<0のとき発生するスクイーズ作用によるもの
である。このときの急峻な圧力上昇(図イ)により、吐
出遮断直前で過剰の流体が吐出される。
【0093】以上の解析結果から、吐出の開放・遮断の
1サイクルにおいて、1重ピストン式の場合は、吐出ノ
ズルの上流側圧力は急降下と急上昇を伴うことがわかっ
た。これらは吐出開始時間の遅延と流量精度の低下をも
たらすことになる。
【0094】曲線(ロ)は、2重ピストン式の場合の
吐出ノズルの上流側圧力特性を示す。図6に、曲線
(ロ)のみを示す。可動スリーブのストローク:Xst=2
0μm、ピストンのストローク:Xpt=30μmである。
【0095】1重ピストン式と異なり、圧力の急降下と
急上昇はほとんど生じない。圧力の過渡特性は両軸の変
位曲線(図4)に対してほとんど時間遅れなく、むしろ
変位曲線以上のスピードで、定常状態に到達する。
【0096】これはピストンを可動スリーブに対して逆
位相で駆動させることにより、スクイーズ効果と逆スク
イーズ効果を同時に作用させ、それぞれがもたらす圧力
上昇と圧力降下を相殺しているからである。すなわち、
ピストンは動圧シールをダイナミックに利用する場合
の、動特性の不具合を補償する効果を有するのである。
【0097】[2] 既提案のディスペンサーを間欠塗布
に用いた場合 (1)各出力軸の変位曲線 可動スリーブ2(可動スリーブ細径部30)とピストン
11(ピストン細径部38)の変位曲線を図7に示す。
t=0.02秒で可動スリーブ2:Xsが上昇(吐出流路を開
放)と同時にピストン11:Xpも下降を開始する。t=0.
03秒で両軸共頂点に到達後、可動スリーブの下降(吐出
流路を遮断)と同時にピストンも上昇を開始し、t=0.04
秒で両軸は停止する。
【0098】(2)2重ピストン式と1重ピストン式の
圧力特性比較 図8において、曲線(イ)は、1重ピストン式の吐出
ノズルの上流側圧力Pnを示す。この場合、可動スリーブ
がt=0.02秒で上昇開始直後、吐出ノズルの上流側圧力Pn
は、連続塗布の場合と同様に負圧に急降下する。但し、
前述したように、実際の流体圧力はPn<0.0MPaにはなら
ない。
【0099】圧力が急降下した直後、ピストンが下降す
るために、再び圧力は急上昇する。
【0100】この場合、連続塗布の場合と異なり、吐出
ノズルの上流側圧力は負圧から正圧に瞬時に入れ替わる
ために、吐出ノズル先端にあった流体が吐出ノズル内部
へ逆流しても、再度高圧の発生により、一度ノズル内部
に吸引された流体は再度、ノズル先端側に押し戻され
る。また急上昇する圧力のピーク値は極めて高く、Pnma
x=2.6MPaとなる。
【0101】この圧力は、前述したように、流体軸受の
動圧効果の一種であるスクイーズアクション作用による
ものである。数値解析の結果では、実施例の条件下で
は、吐出ノズル上流側43とスラスト溝外周部44の間
で、P=10.4〜20.8MPaの極めて大きな圧力が発生する。
【0102】通常、吐出ヘッドと基板を相対的に移動さ
せながら、基板上に流体塊を連打する場合が多く、この
場合は1サイクル終了後、圧力は再び図(ハ)のごと
く、負圧に急降下する。つまり、塗布開始の直前に負圧
となり、その直後急峻な正圧が発生し、再び負圧とな
る。この負圧の発生により、吐出ノズル先端の流体は再
びノズル内部へ吸引され、基板上の流体と分離する。
【0103】すなわち、負圧→急峻な正圧→負圧のサイ
クルにより、極めて切れ味のよい間欠塗布が実現できる
のである。
【0104】曲線(ロ)に、2重ピストン式の場合の
吐出ノズルの上流側圧力特性を示す。1重ピストン式の
場合と比べて、圧力カーブは逆位相となっており、また
圧力のピーク値も小さい。この理由は、前述したよう
に、可動スリーブと逆位相で動く中心軸がスクイーズ圧
力を相殺する作用をするからである。したがって、2重
ピストン式で間欠塗布をさせた場合、特に基板上に流体
塊を連打する場合は、1重ピストン式程の切れ味のよい
塗布は期待できない。
【0105】[3] 本発明の効果 以上、[1] [2]の考察から、連続塗布の場合は2重ピス
トン式が極めて有効であり、 間欠塗布の場合は逆に、
1重ピストン式の方が好ましい結果が得られることが明
らかとなった。したがって、同一のディスペンサー構造
で、連続塗布と間欠塗布の両方を、ベストの状態で満足
させるのは困難である。
【0106】本発明この課題に対して、解決策を与える
ものである。すなわち2重ピストン式の構造をさらに工
夫して、連続塗布の場合は可動スリーブとピストンを同
時にかつ逆位相で駆動させ、間欠塗布の場合は2軸のう
ちいずれかの1軸のみを駆動させるのである。具体的に
は、実施例では、超磁歪素子の両端部から2つの出力軸
を取り出していることを利用し、ピストン側の変位に規
制手段を講ずることにより、 (1)可動スリーブの変位が小さい設定では、可動スリー
ブとピストンが同時にかつ逆位相で動く2重ピストン構
造となる。
【0107】(2)可動スリーブの変位がある値を超える
と、可動スリーブのみが移動し、ピストン変位は一定値
を保つ。すなわち、可動スリーブの変位がある値を超え
た段階で、2重ピストン式から1重ピストン式に切り替
わる。
【0108】上記方法により、本発明のディスペンサー
では、ベストの性能を有する連続塗布と間欠塗布を、必
要に応じて使い分けることができる。
【0109】(1)各出力軸の変位曲線 可動スリーブ2(可動スリーブ細径部30)の変位曲線
a〜eを図9に示す。たとえば、条件aの場合は、Xst=10
μm, 条件eの場合は、Xst=40μmである。
【0110】ピストン11(ピストン細径部38)の変
位曲線a〜eを図10に示す。条件がa〜cまでは、Xpt=15
〜30μmであり、可動スリーブの変位Xstと連動してい
る。
【0111】すなわち、変位が小さい間は、ピストン1
1は可動スリーブ2と同じタイミングで伸縮する。
【0112】しかし、可動スリーブの変位Xst≧20μm
となる条件d,eの場合は、ピストン変位Xpt=30μmの一
定値を保つ。この理由は、前述したように、ピストン1
1の直線運動は変位規制部19により規制されるからで
ある。変位が大きくなると、ピストン11は静止し可動
スリーブ2のみが伸長する。
【0113】(2)圧力特性 可動スリーブとピストン11を条件a〜eで変位させた場
合について、吐出ノズルの上流側圧力Pnを図11に示
す。条件がa〜c(Xst≦20μm)の場合、すなわち可動
スリーブとピストン11が同時にかつ逆位相で動く場合
は、スタート時の負圧も、終了時の大きな正圧も発生し
ない。したがって、この2重ピストン式の特徴を活かす
ことにより、連続塗布として適用できる。
【0114】条件がd〜e(Xst≧20μm)の場合、可動
スリーブの変位Xsが20μmを超えるとピストン11が停
止し、可動スリーブ2のみが動く。その結果、スクイー
ズ圧力による負圧と、大きな正圧が交互に発生する。こ
の場合は、1重ピストン式の特徴を活かして、高速の間
欠塗布が実現できる。
【0115】要約すれば、本ディスペンサーは間欠塗布
と連続塗布を、可動スリーブのストローク設定で任意に
使い分けることができる。両塗布方式の圧力発生の原理
は異なるため、それぞれの方式の流量を調節する場合
は、この原理に基づいて設定すればよい。連続塗布の場
合は、たとえばねじ溝ポンプの回転数を変えれば、回転
数に比例して流量は変化する。間欠塗布の場合は、たと
えば可動スリーブのストローク:Xst(設定値以上)を
選択すればよい。
【0116】ピストン11のストロークを規制するため
に、実施例では、上部ヨーク8に突出部18を形成し、
この突出部18と上部スリーブ12間の間隙δ2が超磁
歪ロッド5の上端側のストロークを規制するようにし
た。
【0117】この方法の代わりに、たとえば、ピストン
11のエンコーダ24側の軸端部に変位規制手段を設け
てもよい。
【0118】超磁歪素子に加えた入力電流と変位は比例
するため、変位センサーなしのオープンループ制御で
も、前記可動スリーブ2の軸方向位置決め制御は可能で
ある。しかし本実施例のような位置検出手段を設けてフ
ィードバック制御をすれば、超磁歪素子のヒステリシス
特性も改善できるため、より高い精度の位置決めができ
る。
【0119】さらに本実施例では、中空の超磁歪ロッド
5とバイアス永久磁石6,7にピストン11を貫通さ
せ、かつ超磁歪ロッド5のフロント側とリア側を共に可
動端として、可動スリーブとピストンの2軸を駆動させ
る構成となっている。
【0120】実施例では省略しているが、ピストン11
の変位を検出する場合は、ピストン軸のリア側端部(エ
ンコーダ24側)に変位センサーを配置すればよい(図
示せず)。
【0121】本実施例では、軸方向駆動手段に超磁歪素
子を用いているが、微少流量を扱うポンプでは、「非接
触シール」を構成するためのギャップδのストローク
は、大きくとも数十ミクロンのオーダでよく、超磁歪素
子、ピエゾ素子などの電磁歪素子のストロークの限界は
問題とならない。
【0122】また、高粘度流体を吐出させる場合、ラジ
アル溝によるポンピング作用及びスクイーズ圧力によっ
て大きな吐出圧の発生が予想される。この場合、第1の
アクチェータ1には高い流体圧に抗する大きな推力が要
求されるため、数百〜数千Nの力が容易に出せる電磁歪
型アクチェータが好ましい。電磁歪素子は、数MHz以上
の周波数応答性を持っているため、主軸を高い応答性で
直線運動させることができる。そのため、高粘度流体の
吐出量を高いレスポンスで高精度に制御できる。
【0123】また軸方向駆動手段に超磁歪素子を用いた
場合、圧電素子を用いる場合と比べて、伝導ブラシも省
略できることから、モータ(回転手段)の負荷を軽減で
きると共に、全体構成が極めてシンプルとなるため、稼
動部の慣性モーメントを極力小さくでき、ディスペンサ
ーの細径化が可能である。
【0124】実施例では、超磁歪素子によるアクチュエ
ータ一個を用いて、その両端部の出力変位を利用して、
可動スリーブとピストンを逆位相で駆動させた。これ以
外の方法として、可動スリーブとピストンをそれぞれ独
立したアクチュエータで駆動させてもよい。この場合
は、連続塗布の場合は2軸を逆位相で駆動させ、間欠塗
布の場合は1軸のみを駆動させる。
【0125】あるいは可動スリーブの面積とストローク
をas,Xst,ピストンの面積とストロークをap,Xptとした
とき、as×Xstとap×Xptはそれぞれ対向面間の隙間の体
積増加分である。間欠塗布の場合は、これらの体積増加
分のいずれかを他と比べて十分に大きくなるように、各
軸を駆動させればよい。
【0126】あるいは、間欠塗布の場合は電気的な制御
手段を用いて、もう一方の軸に変位規制を講ずればよ
い。
【0127】実施例では、可動スリーブ側の端面に動圧
シールを形成したが、ピストン側の端面に動圧シールを
形成してもよい。この場合、可動スリーブとピストンの
それぞれの役割は実施例と全く逆となるが、同様な効果
は得られる。たとえば、流体の遮断時にはピストンを下
降させ、スリーブを上昇させる。また可動スリーブ側に
変位規制手段を設ければ、2重ピストンと1重ピストン
の効果を使い分けることができる。
【0128】本発明の実施例に適用したスラスト動圧シ
ールは、あくまで定常状態の流体の完全遮断に効果があ
るものである。塗布の待機状態で、吐出ノズルからの流
体の若干のリークが許容されるようなプロセスの場合
は、この動圧シールは省略してもよい。
【0129】ねじ溝ポンプを用いる代わりに、外部に設
置された圧力減を利用して、本ディスペンサーのポンプ
室に加圧流体を導いてもよい。この場合は、可動スリー
ブに相当する部材を回転させる必要はなく、モータは不
要である。流体が加圧されていることを利用して連続塗
布を行い、スクイーズ効果を利用して間欠塗布を行えば
よい。
【0130】
【発明の効果】本発明を用いた流体回転装置により、次
の効果が得られる。 1.連続塗布を高速で開始し、かつ遮断ができる。 2.高速の間欠塗布としても適用できる。 2.粉体の圧搾破損による流路の詰まり、流体の特性変
化などのトラブルが発生しない 3.シンプルな構成のため、マルチノズル化が容易であ
る。 4.さらに以下示す特徴を、本発明のポンプは合わせ持
つことができる。
【0131】高粘度流体の高速塗布ができる。
【0132】超微少量を高精度で吐出できる。
【0133】本発明を例えば表面実装のディスペンサ
ー、PDP,CRTディスプレイの蛍光体塗布、液晶パ
ネルのシール材塗布等に用いれば、その長所をいかんな
く発揮でき、効果は絶大なものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるディスペンサーを
示す正面断面図
【図2】上記実施例の吐出部の拡大断面図
【図3】(a)は定常状態におけるスラスト動圧シール
のシール原理を示す図(b)はスパイラルグループ型ス
ラスト溝を示す平面図
【図4】時間に対する変位Xs,Xpカーブを示すグラフ
【図5】時間に対する吐出ノズル上流側圧力特性を示す
【図6】2重ピストン式の時間に対する吐出ノズル上流
側圧力特性を示す図
【図7】時間に対する変位Xs,Xpカーブを示すグラフ
【図8】時間に対する吐出ノズル上流側圧力特性を示す
【図9】時間に対する変位Xsのカーブを示すグラフ
【図10】時間に対する変位Xpのカーブを示すグラフ
【図11】時間に対する吐出ノズル上流側圧力特性を示
す図
【図12】従来例のエアーパルス方式を示す図
【符号の説明】
11 第1の出力軸 27 第2の出力軸 1 軸方向駆動手段 33 ポンプ室 34 吸入口 35 吐出口 19 変位規制手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山内 大 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 西川 英信 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 大野 修治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 中村 洋一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4F033 AA01 BA03 BA05 DA01 EA01 GA02 GA07 GA10 4F041 AA01 AB01 AB05 BA06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1及び第2の出力軸と前記ハウジング
    間の間隙が変化を利用して流体を塗出させて基板上に流
    体を塗布する流体塗布方法において、連続塗布時には前
    記第1と第2の出力軸を概略逆位相で駆動させ、間欠塗
    布時には前記第1あるいは第2の出力軸のいずれかを他
    の軸よりもより大きな体積変化が生じるように駆動させ
    ることを特徴とする流体塗布方法。
  2. 【請求項2】 第1の出力軸を軸方向に移動可能に収納
    する第2の出力軸と、この第1、第2の出力軸を概略逆
    位相で軸方向に駆動する軸方向駆動手段と、前記第1、
    第2の出力軸を収納するハウジングと、前記第2の出力
    軸と前記ハウジングで形成されるポンプ室と外部を連絡
    する加圧流体の吸入口及び吐出口から構成される流体塗
    布装置において、前記軸方向駆動手段によって前記第1
    及び第2の出力軸と前記ハウジング間の間隙が変化する
    ように構成されていると共に、前記第1あるいは第2の
    出力軸の出力変位を規制する手段が設けられていること
    を特徴とする流体塗布装置。
  3. 【請求項3】 一端をフロント側としもう一方の端部を
    リア側とする電磁歪素子と、この電磁歪素子を貫通しか
    つこの電磁歪素子の前記リア側に押圧された第1の出力
    軸と、前記第1の出力軸のフロント側を収納しかつ前記
    電磁歪素子の前記フロント側に押圧された第2の出力軸
    と、前記電磁歪素子と前記第1、第2の出力軸を収納す
    るハウジングと、前記第1の出力軸及び第2の出力軸を
    軸方向に移動可能に構成すると共に、前記第2の出力軸
    と前記ハウジングで形成されるポンプ室と外部を連絡す
    る加圧流体の吸入口及び吐出口から構成される流体供給
    装置において、前記電磁歪素子の駆動によって前記第2
    の出力軸と前記ハウジング間の間隙が変化するように構
    成されていると共に、前記第1の出力軸の運動を規制す
    る手段が設けられていることを特徴とする流体塗布装
    置。
  4. 【請求項4】 前記第1の出力軸のリア側を回転自在に
    支持するリア側スリーブと、前記第2の出力軸を回転自
    在に支持するフロント側スリーブと、前記第1の出力軸
    と前記第2の出力軸のいずれかに回転を与える手段から
    構成されることを特徴とする請求項2記載の流体塗布装
    置。
  5. 【請求項5】 前記第2の出力軸と前記フロント側スリ
    ーブの相対的な回転によって、前記ポンプ室内に流入さ
    れた前記流体を加圧するポンプ手段が設けられているこ
    とを特徴とする請求項4記載の流体塗布装置。
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