JP2002086042A - 塗布工具 - Google Patents

塗布工具

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JP2002086042A
JP2002086042A JP2000277723A JP2000277723A JP2002086042A JP 2002086042 A JP2002086042 A JP 2002086042A JP 2000277723 A JP2000277723 A JP 2000277723A JP 2000277723 A JP2000277723 A JP 2000277723A JP 2002086042 A JP2002086042 A JP 2002086042A
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Isao Watanabe
勲 渡辺
Akio Sawada
明男 澤田
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Dijet Industrial Co Ltd
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Dijet Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗布工具を用いて相対的に移動する被塗布体
の表面に磁性粉を含む塗布液等を塗布する場合において
も、この塗布液が被塗布体の表面に均一に塗布されるよ
うにすると共に、塗布液を被塗布体に塗布するこの塗布
工具の先端部が腐食したり、摩耗したりするのを抑制
し、被塗布体の表面に塗布液を長期にわたって均一に塗
布できるようにする。 【解決手段】 相対的に移動する被塗布体1の表面に塗
布液12を塗布するのに用いる塗布工具において、被塗布
体の表面に塗布液を塗布する少なくとも先端部を、硬質
相が炭化タングステンからなり、結合相としてNiを3
〜25重量%を含む超硬合金であって、保磁力が5エルス
テッド以下、飽和磁気量が10ガウス以下になった超硬
合金で構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、相対的に移動す
る被塗布体の表面に塗布液を塗布するのに用いる塗布工
具に係り、特に、この塗布工具を用いて被塗布体の表面
に磁性粉を含む塗布液を塗布する場合に、塗布液が均一
に塗布されるようにすると共に、この塗布工具におい
て、被塗布体の表面に塗布液を塗布する先端部が腐食し
たり、摩耗したりするのを抑制するようにした点に特徴
を有するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、被塗布体の表面に様々な種類
の塗布液を塗布して、被塗布体の表面に様々な種類の塗
膜を形成することが行われていた。
【0003】そして、このように被塗布体の表面に塗布
液を塗布する塗布装置としては、一般に、エクストルー
ジョン型、カーテンフロー型、ドクターブレード型等の
各種の塗布装置が使用されており、このような塗布装置
においては、塗布ヘッドやドクターブレード等の様々な
塗布工具を用いて、相対的に移動する被塗布体の表面に
塗布液を塗布するようにしていた。
【0004】ここで、上記のような塗布装置を用いて相
対的に移動する被塗布体の表面に塗布液を塗布するにあ
たり、被塗布体の表面に塗布液を長期にわたって均一に
塗布するためには、被塗布体の表面に塗布液を塗布する
塗布工具の先端部における形状の精度が重要であると共
に、この先端部に耐摩耗性や耐食性が要求される。
【0005】このため、従来においては、上記のような
塗布工具の先端部を、一般にWC−Co系超硬合金で構
成するようにしていた。
【0006】また、従来においては、上記のような塗布
装置を用いて磁気テープや磁気ディスク等の磁気記録媒
体を製造することも行われていた。
【0007】ここで、このような磁気記録媒体を製造す
るにあたっては、一般にγ−Fe23 ,Co−γ−F
2 3 ,CrO2 等の強磁性体の粉末を分散させた分
散液中に潤滑剤や分散剤としてビニル−酢酸ビニル共重
合体や塩化ビニル−酢酸ビニルアルコール共重合体やポ
リウレタンやステアリン酸等を添加させた塗布液を用
い、ポリエスステル,アルミニウム,ガラス,紙にポリ
エチレン等の樹脂をラミネートしたラミネート体等から
なる被塗布体の表面に、上記のような塗布工具を用いて
上記の塗布液を所望厚さに塗布し、これを乾燥させて、
所定の形状に加工するようにしていた。
【0008】しかし、上記のように塗布工具の先端部を
WC−Co系超硬合金で構成した場合、このWC−Co
系超硬合金は強磁性体であるため、上記のような強磁性
体の粉末を含む塗布液を被塗布体の表面に塗布する場
合、塗布液の流れやメニスカスに悪影響を及ぼし、塗布
液を被塗布体の表面に均一に塗布することができず、均
一な塗膜が得られなくなったり、塗布液に含まれるステ
アリン酸等によってWC−Co系超硬合金におけるCo
が腐食され、これにより塗布工具の先端部に欠けや摩耗
等が生じて、被塗布体の表面に塗布液を長期にわたって
均一に塗布することができなくなるという問題があっ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、相対的に
移動する被塗布体の表面に塗布液を塗布するのに使用す
る塗布工具における上記のような問題を解決することを
課題とするものであり、特に、被塗布体の表面に磁性粉
を含む塗布液を塗布する場合において、この塗布液が被
塗布体の表面に均一に塗布されるようにすると共に、塗
布液を被塗布体に塗布する塗布工具の先端部が腐食した
り、摩耗したりするのを抑制し、被塗布体の表面に塗布
液を長期にわたって均一に塗布できるようにすることを
課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明における塗布工
具においては、上記のような課題を解決するため、相対
的に移動する被塗布体の表面に塗布液を塗布するのに用
いる塗布工具において、上記の被塗布体の表面に塗布液
を塗布する少なくとも先端部を、硬質相が主として炭化
タングステンからなり、結合相としてNiを3〜25重
量%含む超硬合金であって、保磁力が5エルステッド以
下、飽和磁気量が10ガウス以下になった超硬合金で構
成したのである。
【0011】そして、このように被塗布体の表面に塗布
液を塗布する塗布工具の先端部を、結合相にNiを用い
たWC−Ni系超硬合金で構成すると、強磁性体の粉末
を分散させた分散液中に潤滑剤や分散剤としてステアリ
ン酸等を添加させた塗布液を被塗布体に塗布する場合に
おいても、この塗布工具の先端部が塗布液に添加された
ステアリン酸等によって腐食されるのが防止され、塗布
工具の先端部に欠けや摩耗等が生じるのが抑制されるよ
うになる。
【0012】また、上記のようなWC−Ni系超硬合金
においては、焼結後にWがNi中に固溶してキュリー点
が下がり、常温でもほぼ非磁性の超硬合金が得られるよ
うになり、上記のように保磁力が5エルステッド以下、
飽和磁気量が10ガウス以下になった非磁性或いは非常
に磁性の低い超硬合金で塗布工具の先端部を構成する
と、強磁性体の粉末を分散させた分散液中に潤滑剤や分
散剤としてステアリン酸等を添加させた塗布液を被塗布
体に塗布する場合においても、塗布液の流れやメニスカ
スに乱れが生じるのが防止され、この塗布液が被塗布体
の表面に均一に塗布されるようになる。
【0013】ここで、結合相にNiを用いたWC−Ni
系超硬合金において、上記のように結合相に用いるNi
の量が3〜25重量%になるようにしたのは、Niの量
が3重量%未満では、超硬合金の焼結が困難になり、こ
の超硬合金を用いた塗布工具の先端部が欠けやすくなる
一方、Niの量が25重量%を超えると、焼結時におけ
る超硬合金の変形が大きくなると共に、この超硬合金を
用いた塗布工具の耐摩耗性が低下するためであり、好ま
しくは、Niの量が10〜18重量%の範囲になるよう
にする。
【0014】また、上記のWC−Ni系超硬合金におい
て、この超硬合金中における炭素量が多くなると、この
超硬合金が磁性を有するようになるが、請求項3に示す
ように、この超硬合金中にCrとMoとの少なくとも一
種を含有させ、その含有量が合計で5重量%以下になる
ようにすると、超硬合金中における炭素量が多くなって
も、超硬合金が磁性を有するようになるのが抑制される
と共に、焼結時におけるWC粒子の粒成長が抑制され、
均質な粒度の超硬合金が得られるようになる。ここで、
超硬合金中に含有させるCrやMoの合計の含有量を5
重量%以下にしたのは、CrやMoの含有量が多くなり
すぎると、CrやMoがWやNiとの複合炭化物や中間
化合物を形成し、超硬合金の強度が低下するためであ
る。
【0015】また、上記のようにWC−Ni系超硬合金
中にCrを含有させると、この超硬合金における耐食性
がさらに改善されて、塗布液による腐食が一層抑制さ
れ、この塗布工具をより長期にわたって安定して使用で
きるようになる。
【0016】さらに、上記のように超硬合金中にCrや
Moを含有させるにあたり、Niに対するCrやMoの
重量比を、Crの場合にはCr/Niが0.16以下、
Moの場合には、Mo/Niが0.2以下になるように
することが好ましい。
【0017】また、CrやMoを超硬合金に含有させる
にあたっては、超硬合金の原料に金属Crや金属Moの
状態で添加して混合させるようにしてもよいが、金属C
rや金属Moの状態では酸化しやすいため、CrやMo
を炭化物にして添加させることが好ましい。
【0018】また、上記の超硬合金を改良するために、
一般に行われているように、WCの一部を周期律表4
a,5a,6a族の金属の炭化物や窒化物と置換させる
ようにしてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施形態に係
る塗布工具を添付図面に基づいて具体的に説明する。
【0020】ここで、この実施形態においては、図1に
示すように、塗布工具10がエクストルージョン型の塗
布ヘッド10の場合について説明する。
【0021】この実施形態の塗布ヘッド10において
は、その内部に設けられたポケット部11に塗布液12
が供給されるようになっており、このようにポケット部
11に供給された塗布液12を、このポケット部11か
ら塗布ヘッド10の先端部に伸びたスロット部13を通
して塗布ヘッド10の先端に導くようにしている。
【0022】そして、フィルム状になった被塗付体1を
移動させながら、この被塗付体1の表面に、上記の塗布
ヘッド10の先端に導かれた塗布液12を塗布するよう
になっている。
【0023】ここで、この実施形態においては、上記の
塗布ヘッド10全体を、硬質相が炭化タングステンから
なり、結合相としてNiを3〜25重量%を含む超硬合
金であって、保磁力が5エルステッド以下、飽和磁気量
が10ガウス以下になった超硬合金で構成している。
【0024】このように塗布ヘッド10全体を上記のよ
うな超硬合金で構成すると、強磁性体の粉末を分散させ
た分散液中に潤滑剤や分散剤としてステアリン酸等を添
加させた塗布液12を被塗布体1に塗布する場合におい
ても、塗布液12の流れやメニスカスに乱れが生じるの
が防止されて、この塗布液12が被塗布体1の表面に均
一に塗布されるようになる。また、塗布液12に添加さ
れたステアリン酸等によってこの塗布ヘッド10の先端
部が腐食されるのも防止されて、塗布ヘッド10の先端
部に欠けや摩耗等が生じるのも抑制され、長期にわたっ
て被塗布体1の表面に塗布液12を均一に塗布できるよ
うになる。なお、この実施形態における塗布ヘッド10
は、上記のような強磁性体の粉末を含む塗布液12を被
塗布体1に塗布する場合に限られず、磁性粉を含まない
塗布液12を被塗布体1に塗布する場合に使用すること
も当然可能である。
【0025】
【実施例】次に、上記の実施形態における塗布ヘッドを
構成する超硬合金の種類を変更させて各種の塗布ヘッド
を作製し、この発明の条件を満たす超硬合金を用いた実
施例の塗布ヘッドが優れていることを、比較例を挙げて
明らかにする。
【0026】(実施例1)この実施例1においては、下
記の表1に示すように、粒径が約1.5μmのWC粉末
と、粒径が1〜2μmのCr3 2 粉末と、粒径が1〜
2μmのNi粉末とを、91.5:0.5:8の重量比
で配合させた原料粉末を用い、この原料粉末をボールミ
ルで湿式混合し、これを乾燥させた後、1ton/cm
2 の圧力でプレスして成形し、その後、この成形物を1
000Paの減圧窒素ガス雰囲気中において1時間焼結
させて、Crが含有されたWC−Ni系超硬合金の成形
物を得た。
【0027】そして、このようにして得た超硬合金の成
形物を加工して、図1に示すような塗布ヘッドを得た。
【0028】(実施例2〜7)これらの実施例2〜7に
おいては、上記の実施例1の場合と、超硬合金を得るの
に用いる原料粉末の材料だけを下記の表1に示すように
変更し、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にし
て、図1に示すような各塗布ヘッドを得た。
【0029】ここで、超硬合金に用いる原料粉末の材料
として、下記の表1に示すように、実施例2では、粒径
が約1.5μmのWC粉末と、粒径が1〜2μmのNi
粉末とを、88:12の重量比で配合させた原料粉末
を、実施例3では、粒径が約3.0μmのWC粉末と、
粒径が1〜2μmのCr3 2 粉末と、粒径が1〜2μ
mのNi粉末とを、83.5:1.5:15の重量比で
配合させた原料粉末を、実施例4では、粒径が約3.0
μmのWC粉末と、粒径が1〜2μmのMo2 C粉末
と、粒径が1〜2μmのNi粉末とを、83:2:15
の重量比で配合させた原料粉末を、実施例5では、粒径
が約1.5μmのWC粉末と、粒径が1〜2μmのCr
3 2 粉末と、粒径が1〜2μmのNi粉末とを、8
1:2:17の重量比で配合させた原料粉末を、実施例
6では、粒径が約5.0μmのWC粉末と、粒径が1〜
2μmのMo2 C粉末と、粒径が1〜2μmのNi粉末
とを、77.5:2.5:20の重量比で配合させた原
料粉末を、実施例7では、粒径が約3.0μmのWC粉
末と、粒径が1〜2μmのTiC粉末と、粒径が1〜2
μmのTaC粉末と、粒径が1〜2μmのCr3 2
末と、粒径が1〜2μmのNi粉末とを、83:0.
5:1:0.5:15の重量比で配合させた原料粉末を
用いた。
【0030】(比較例1,2)これらの比較例1,2に
おいては、上記の実施例1の場合と、超硬合金を得るの
に用いる原料粉末の材料を下記の表1に示すように変更
させると共に、焼結時における圧力を10Pa程度に変
更し、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にし
て、図1に示すような各塗布ヘッドを得た。
【0031】ここで、超硬合金に用いる原料粉末の材料
として、下記の表1に示すように、比較例1では、粒径
が約3.0μmのWC粉末と、粒径が1〜2μmのCo
粉末とを、88:12の重量比で配合させた原料粉末
を、比較例2では、粒径が約1.5μmのWC粉末と、
粒径が1〜2μmのCr3 2 粉末と、粒径が1〜2μ
mのCo粉末とを、83.5:1.5:15の重量比で
配合させた原料粉末を用いた。
【0032】そして、上記の実施例1〜7及び比較例
1,2の各塗布ヘッドを構成する各超硬合金について、
それぞれ硬さ、保磁力(Oe)、飽和磁気量(G)を求
め、その結果を下記の表1に合わせて示した。なお、硬
さについては、ロックウェル硬度のAスケール(HR
A)の値を求めた。
【0033】
【表1】
【0034】この結果、実施例1〜7の各塗布ヘッドを
構成する結合相にNiを用いた各超硬合金の場合には、
保磁力(Oe)及び飽和磁気量(G)が0或いは非常に
低い値になっていたが、比較例1,2の各塗布ヘッドを
構成する結合相にCoを用いた各超硬合金の場合には、
保磁力(Oe)及び飽和磁気量(G)が高い値になって
おり、保磁力が5Oe以下、飽和磁気量が10G以下と
いうこの発明の条件を満たしていなかった。
【0035】次に、上記の実施例1〜7及び比較例1,
2の各塗布ヘッドを用いて、被塗布体の表面に磁性粉を
含む塗布液を塗布する実験を行った。
【0036】ここで、この実験においては、塗布液とし
て、保磁力が600OeのCo−γ−Fe2 3 の磁性
粉と、バインダ樹脂の塩化ビニル−酢酸ビニルアルコー
ル共重合体と、ステアリン酸等とを含む塗布液を用い、
実施例1〜7及び比較例1,2の各塗布ヘッドを使用し
て、上記の塗布液をそれぞれポリエチレンテレフタレー
トのフィルムからなる被塗付体に対して、塗布幅500
mm、塗布速度200m/minの条件で、乾燥後の厚
みが5.0μmになるように塗布し、これを乾燥させ
て、被塗付体の表面に塗膜を形成した。
【0037】この結果、実施例1〜7の各塗布ヘッドを
用いて上記の塗布液を塗布した場合、被塗付体の表面に
形成された塗膜の厚みは、何れも5±0.05μmの範
囲であり、厚みのむらは少なかった。
【0038】これに対して、比較例1,2の各塗布ヘッ
ドを用いて上記の塗布液を塗布した場合、被塗付体の表
面に形成された塗膜の厚みは、5.0μmに対して0.
05μmを越える厚みのむらが生じた。
【0039】また、実施例1〜7及び比較例1,2の各
塗布ヘッドを用い、上記のようにして塗布液を被塗付体
に対して10分間で2000m塗布する実験を行った。
【0040】この結果、実施例1〜7の各塗布ヘッドを
用いた場合には、被塗付体の表面に均一な塗膜が形成さ
れたが、比較例1,2の各塗布ヘッドを用いた場合に
は、被塗付体の表面に形成された塗膜に筋が発生した。
【0041】また、上記のようにして塗布を行った後に
おける実施例1〜7及び比較例1,2の各塗布ヘッドの
先端部を電子顕微鏡で調べた結果、実施例1〜7の各塗
布ヘッドにおいては、その先端部にわずかに擦り摩耗が
見られただけであったが、比較例1,2の各塗布ヘッド
においては、その先端部において結合相のCoが腐食し
て擦過され、WC粒子が浮いた状態で存在したり、WC
粒子が脱落した箇所が見られた。
【0042】なお、前記のようにして超硬合金を製造す
るにあたり、ステンレス製のボールミルやWC−Co系
超硬合金製のボールを使用すると、これらからFeやC
oが不純物として超硬合金中に混入して、超硬合金が磁
性をもつようになるが、保磁力が5エルステッド以下、
飽和磁気量が10ガウス以下の条件を満たす場合におい
ては、特に問題が生じない。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明における
塗布工具においては、被塗布体の表面に塗布液を塗布す
る先端部を、結合相にNiを用いたWC−Ni系超硬合
金で構成すると共に、この超硬合金の保磁力が5エルス
テッド以下、飽和磁気量が10ガウス以下になるように
したため、強磁性体の粉末を分散させた分散液中に潤滑
剤や分散剤としてステアリン酸等を添加させた塗布液を
被塗布体に塗布する場合においても、この塗布工具の先
端部が塗布液に添加されたステアリン酸等によって腐食
されるのが防止されて、塗布工具の先端部に欠けや摩耗
等が生じるのが抑制され、またこの塗布液を被塗布体に
塗布する場合に、塗布液の流れやメニスカスに乱れが生
じるのも防止され、この塗布液が被塗布体の表面に均一
に塗布されるようになった。
【0044】この結果、この発明の塗布工具を用いる
と、被塗布体の表面に磁性粉を含む塗布液を長期にわた
って均一に塗布できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る塗布工具を用い
て、被塗布体の表面に塗布液を塗布する状態を示した概
略説明図である。
【符号の説明】
1 被塗布体 10 塗布工具(塗布ヘッド) 11 ポケット部 12 塗布液 13 スロット部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対的に移動する被塗布体の表面に塗布
    液を塗布するのに用いる塗布工具において、上記の被塗
    布体の表面に塗布液を塗布する少なくとも先端部を、硬
    質相が主として炭化タングステンからなり、結合相とし
    てNiを3〜25重量%含む超硬合金であって、保磁力
    が5エルステッド以下、飽和磁気量が10ガウス以下に
    なった超硬合金で構成したことを特徴とする塗布装置用
    塗布工具。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した塗布工具において、
    上記の被塗布体の表面に塗布する塗布液が磁性粉を含む
    塗布液であることを特徴とする塗布工具。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載した塗布工具にお
    いて、上記の超硬合金中にCrとMoとの少なくとも一
    種が含有され、その含有量が合計で5重量%以下になっ
    ていることを特徴とする塗布工具。
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