JP2013032559A - 高強度超硬合金及び被覆超硬合金 - Google Patents

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Abstract

【課題】 クロム(Cr)を微量含有させつつ、従来よりも強度を高めた高強度超硬合金を提供する。
【解決手段】 高強度超硬合金は、炭化タングステン(WC),コバルト(Co)及びクロム(Cr)を含有し、WCの平均粒度が1.5〜20.0μm、ビッカース硬度が650〜1650Hvである超硬合金であって、Coが4〜30質量%含有し、CrがCo含有量の2〜18質量%含有し、残部がWC及び不可避不純物よりなる。そして、従来品と比較してその破壊靭性が2から5 [MN・m1/2]大きい値となっている。
【選択図】 図7

Description

本発明は、高強度超硬合金と、この高強度超硬合金を母材とした被覆超硬合金に関する。
従来、炭化タングステン(WC)粒子と結合金属としてのコバルト(Co)とを適切な割合で混合し、焼結させた超硬合金が知られている。WC粒子とCoを混合し焼結させた超硬合金(Cemented Carbide)は、高硬度かつ高強度であることなどから、切削工具や金型などの超硬工具を製造するための材料として使用されている。
最近の冷間或いは熱間鍛造加工では超硬合金製金型に対し、ますます負荷も大きく且つ長寿命が要求されるようになっている。切削工具においても同様であり、被覆超硬合金(Coated Cemented Carbide)の開発もこの要求に沿ったものである。 切削条件の高速化、高負荷化に伴い、被覆超硬合金の母材にも硬さ、耐塑性変形性、高強度に耐えるものが要求されてきている。これら超硬合金は切削工具や金型、鉱山工具や耐磨耗工具等幅広く使われている。
特許文献1には、クロム(Cr)或いは炭化クロム(通常はCr)を添加することで、WCの成長抑制や耐食性の向上が見込めるとの記述がある。 特許文献2には、Crが結合相を固溶強化し、切断刃の耐摩耗性を向上させるとの記述がある。
非特許文献1には、WC−Cr−15%Coの超硬合金においてCrが2質量%までの添加では、抗折力(Transverse-Rupture-Strength; TRS)がほとんど変わらないが、それ以上の添加量ではかなり低下するとの記述がある。
特公昭62−56224号公報 特許第3175077号公報
"WC−Cr3C2−15%Co超硬合金の組織と機械的性質", 鈴木寿,徳本啓,「粉体および粉末冶金」第31巻第2号 1984年2月
しかしながら、従来の技術的な見解では、クロム(Cr)或いは炭化クロム(通常はCr)を添加することで、WCの粒成長抑制や耐食性の向上、耐摩耗性の向上が見込まれているが(特許文献1,2)、微量の添加では抗折力(TRS)がほとんど変わらないとされている(非特許文献1)。
このような実情に鑑みて、本発明の目的は、クロム(Cr)を微量含有させつつ、従来よりも強度を高めた高強度超硬合金と、この高強度超硬合金を母材とした被覆超硬合金を提供するものである。
本発明の高強度超硬合金は、炭化タングステン(WC),コバルト(Co)及びクロム(Cr)を含有し、WCの平均粒度が1.5〜20.0μm、ビッカース硬度が650〜1650Hvである超硬合金であって、Coが4〜30 質量%含有し、CrがCo含有量の2〜18質量%含有し、残部がWC及び不可避不純物よりなることを特徴とする。
本発明は、CrをCo中に固溶させCo相(γ相とも呼称される)を強化させたり靱性を向上させることにより超硬合金の強度を向上させようとするものである。Co相の強化・改質ではWC粒子間のCo層の厚みがある程度厚くないと、超硬合金の強度向上に寄与し難い。よって、Co質量%がある程度以上である場合に強度向上の効果が期待され、また、Co質量%が少ない場合はWC粒子が大きいときに強度向上の効果が期待される。本発明では超硬合金のこの領域でCrの微量添加の効果を詳しく実験し、抗折力、圧縮強度等の強度が向上することを発見するとともに、この合金を使用した耐衝撃工具、耐磨耗工具、切削工具において従来品に比較して大幅な性能向上を見出したものである。本発明に関する実験によれば、WCの平均粒度が1.5μm未満ではCo層の厚みが小さくなることから改善はみられなかった。そこで、WCの平均粒度が1.5μm以上にて、Co質量%を変化させて抗折力、圧縮強度を調査した。Co質量%が4質量%以下或いはビッカース硬度が1650Hv以上の場合はやはりCo層の厚みが小さくなることから改善効果がなかった。又ビッカース硬度が650Hv以下では超硬合金の実用性がほとんどない。
本発明では、CrのCo含有量に対する割合が、2〜18質量%に設定される。2質量%以下ではCrの効果が現れず、18質量%以上ではCrの結晶が出現し超硬合金の強度はかえって低下したからである。
本発明は、前記WCの一部をTiC、TaC、NbC、HfC、ZrC、VC等の遷移金属の炭化物又はこれら遷移金属の炭窒化物、若しくはWを含むこれら遷移金属の複炭化物又はWを含むこれら遷移金属の複炭窒化物のうちいずれか1種以上で置き換えたことを特徴とする。
後述する本発明に関する実験によれば、抗折力や圧縮強度の向上が認められ、切削時の耐摩耗性に改善がみられた。
本発明は、その合金表面に脱β層が形成されており、脱β層の厚みが1〜30μmであることを特徴とする。
この脱β層が形成された超硬合金は被覆超硬合金の母材として利用される。この母材は被覆超硬合金の強度や靱性を向上させ切削工具の長寿命化や信頼性向上に役立っている。しかし欠点として高硬度鋼の切削や一般鋼の高速度切削おいて刃先ダレ(高温での塑性変形)が起こり易いことからこれら切削分野での利用が制限されている。
本発明に係る脱β層が形成された超硬合金を母材とした被覆超硬合金を切削工具に使用すると前記刃先ダレを改善出来ることが判明した。 ここで、脱β層とは、β相がない層のことであり、Co含有量がやや多くなり硬度がやや低くなるが強度や靭性に優れている層である。被覆材はセラミックであり硬くて脆いことから、この脱β層で被覆材の脆さを補い、切削工具の靭性を向上させる。その反面、高硬度鋼の切削においては、この脱β層が柔らかいが故に刃先ダレが生じ易く、特に高温時に刃先ダレが生じ易い。本発明によれば、この脱β層のCo中に,Crが固溶し高温での強度を向上させており、前記刃先ダレが改善される。この脱β層の効果が有効な範囲として本発明では脱β層の厚みを1〜30μmとしている。
これら本発明によれば、前記超硬合金の用途に応じて、硬さ、抗折強度、被加工材料との相性などを最適化した良好な加工性を有する切削工具や金型、鉱山工具や耐磨耗工具等となる。
本発明に係る超硬合金の製造方法は、粉末冶金法が適用される。 例えば、WC、Co、及びCrの各粉末を予め適量混合し、その混合粉末をプレス成型した後、真空中で適温に加熱し焼結させ焼結体とする。前記焼結体に熱間等方加圧焼結処理(HIP処理)を施してもよい。または、SinterHIP炉により焼結とHIP処理を同一炉で同時に行うこともできる。
本発明によれば、CrをCo中に固溶させCo相(γ相とも呼称される)を強化させたり靱性を向上させることにより超硬合金の強度が向上する。Co相の強化・改質ではWC粒子間のCo層の厚みがある程度厚くないと、超硬合金の強度向上に寄与し難いことから、Co質量%が4質量%以上とし、WCの平均粒度を1.5μm以上とした。但しCoが30質量%以上の超硬合金やWCの平均粒度が20.0μm以上の超硬合金は工業的には実用的ではないことから、Co質量%の上限を30質量%とし、WCの平均粒度の上限を20.0μmとしている。
本発明によれば、既知の合金と同じ硬さ、耐摩耗性でありながら強度向上が期待できるので種々の応用分野で高性能が期待でき、例えば、Co含有量が比較的多い超硬合金が使われる冷間鍛造用金型では、従来品と比較して約2倍の長寿命を発揮する。自動車部品業界では冷間鍛造金型が多く使用されており、これら部品の原価低減に貢献することとなる。本発明によれば、常温での強度向上のみならず高温での強度向上も期待でき、切削工具では、その耐摩耗性が向上する。 特に脱β層が形成された母材を用いた被覆超硬合金では脱β層の欠点である切削時の刃先ダレの防止に貢献することとなる。また、その他、鉱山工具等WC粒が大きいか、Co含有量が比較的多い超硬合金において、欠損の低減や耐摩耗性の向上が期待でき工具の長寿命化が実現する。
本発明を適用した実施形態の高強度超硬合金の組織を光学式金属顕微鏡にて撮像した画像である。 従来の超硬合金の組織を光学式金属顕微鏡にて撮像した画像である。 クロスジョイントを例示する平面図である。 上記実施形態の高強度超硬合金からなるクロスジョイントの寿命試験後の状態を顕微鏡にて観察した画像である。 上記従来の超硬合金からなるクロスジョイントの寿命試験後の状態を顕微鏡にて観察した画像である。 上記実施形態の高強度超硬合金と上記従来の超硬合金とで、Co含有量と圧縮強度との関係を比較して示すグラフである。 上記実施形態の高強度超硬合金と上記従来の超硬合金とで、Co含有量と破壊靭性との関係を比較して示すグラフである。 上記実施形態の高強度超硬合金と上記従来の超硬合金とで、Co含有量とビッカース硬度との関係を比較して示すグラフである。 上記実施形態の高強度超硬合金と上記従来の超硬合金とで、Co含有量と抗折力との関係を比較して示すグラフである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて以下に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明と実質同一又は均等の範囲内において、既知の変更を加えることが可能である。
(実施形態1)
冷間或いは熱間鍛造加工金型や工具等の耐摩耗用工具、或いは鉱山工具用途としては、その平均粒度が1.5〜20.0μmのWC粉が使用され、Co粉末が7〜25質量%配合される。CrはCoに対する重量比で2〜18%配合する。Crの添加は、Cr粉末を使用するのが良い。Cr粉末も使用出来るがその表面が酸化しており超硬合金の炭素調整を難しくすることがある。高価であるがCrNも使用出来る。
これらWC粉、Co粉末、Cr粉末をそれぞれ秤量して有機溶媒(アルコール、アセトン、ヘキサン等)とともにボールミル或いはアトライターにいれて湿式混合する。その後、有機溶媒を蒸発除去し混合した粉末を乾燥させる。 スプレードライヤでこれら粉末を乾燥し同時に造粒を行うことで、量産性を高められる。
プレスし易くするための潤滑材(パラフィン、ポリエチレングリコール、樟脳等)を前記粉末混合物に混ぜて、製品の形状に見合った金型にこの粉末混合物を入れて、プレスする。その後、温度が1280℃から1500℃の範囲で真空中で焼結する。焼結は組成・用途に応じて、真空焼結、真空焼結後HIP処理、焼結とHIP処理を同一炉で行うSinterHIP炉等がある。その条件は組成、形状、用途に応じて最適の条件が選ばれる。この実施形態1は切削工具用超硬合金にも適用することができる。
(実施形態2)
平均粒度が1.5〜7.0μmのWC粉が使用され、Co粉末が4〜15質量%配合される。CrはCoに対する重量比で2〜18%配合する。Crの添加は、Cr粉末を使用するのが良い。そして、用途に応じて、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、バナジウム(V)の炭化物、炭窒化物、或いはタングステン(W)を含むこれら遷移金属の複炭化物、或いは複炭窒化物のいずれか1種以上を配合する。秤量、湿式混合、プレス、並びに焼結は、実施形態1と同様である。この組成は主として切削工具用超硬合金に用いられる。焼結後そのまま切削工具として使用できるものも多いがさらに研削して高精度の工具に仕上げることもある。
(実施形態3)
脱β層が形成された被覆超硬合金の母材を製造する場合は、実施形態2の配合粉に微量の窒化物或いは炭窒化物を加える。秤量、湿式混合、プレス、並びに焼結は、実施形態1と同様である。この添加した窒素の作用で真空焼結時に脱β層を発現させることが出来る。被覆超硬合金を製作するための被覆法としては既知のCVD法が適用され、その被覆条件は通常どおりである。
(実施例1)
冷間鍛造金型の実施例を以下に述べる。
表1は、発明品Aと従来品Bのそれぞれの配合組成割合を質量%表示したものである。ここでは、その平均粒度が3μmのWCを使用した。上記の配合比でアルコール中でアトライター混合を6時間行った。アルコールを蒸発させ粉末を乾燥させたのち、プレス圧が1 ton/cmでプレスを行い、焼結温度が1380℃で、圧力が1MPa(10bar)の条件にてSinterHIP炉で焼結を行い、抗折力(TRS)等の物理特性を測定した。その結果を表2に示す。
表2に示すように、発明品Aは、従来品Bと比較して、圧縮強度が約300MPa大きな値となり、ビッカース硬度が100Hv大きな値となった。
次に、上述した発明品A(本発明の高強度超硬合金)と従来品B(従来の超硬合金)とを用いて冷間鍛造金型を作製した。そして、閉塞鍛造によってクロスジョイントを製造して寿命試験を行なった。
図3は、クロスジョイントを示す平面図である。図中の一点鎖線で囲った箇所がその構造上、応力が集中し易くなっている箇所である。図4は、上記実施形態の高強度超硬合金からなるクロスジョイントの寿命試験後の状態を顕微鏡にて観察した画像であり、30万ショットにおいても異常がなかった。図5は、上記従来の超硬合金からなるクロスジョイントの寿命試験後の状態を顕微鏡にて観察した画像であり、15万ショットでカケが発生した。このことから、発明品Aからなる金型寿命は、従来品Bからなる金型寿命と比較して、2倍以上の長寿命であるといえる。
(実施例2)
切削工具の実施例を以下に述べる。
表3は、発明品Cと従来品Dのそれぞれの配合組成割合を質量%表示したものである。ここでは、その平均粒度が2μmのWCを使用した。上記の配合比でアルコール中でアトライター混合を6時間行った。アルコールを蒸発させ粉末を乾燥させたのち、プレス圧が1ton/cmでプレスを行い、焼結温度が1400℃、圧力が1MPa(10bar)にてSinterHIP炉で焼結を行い、抗折力(TRS)等の物理特性を測定した。その結果を表4に示す。
表4に示すように、発明品Cは、従来品Dと比較して、ビッカース硬度は同程度であるが、抗折力(TRS)が150MPa大きな値となった。発明品C、従来品Dの合金でそれぞれSNMA432のチップを製作し、下記の条件で旋盤による切削試験を行った。
切削条件としては、被削材がSCM3、切削速度v=100 mm/分、切り込み深さd=2mm、送り速度f=0.4mm/rev、切削時間が30分である。
その結果、発明品Cからなるチップの磨耗度合いは、従来品Dからなるチップの磨耗度合いと比較して、約2/3となり、耐摩耗性が優れていることが判った。
(実施例3)
脱β層が形成された母材を用いた被覆超硬合金の切削工具の実施例を以下に述べる。
表5は、発明品Eと従来品Fのそれぞれの配合組成割合を質量%表示したものである。ここでは、その平均粒度が4μmのWCを使用した。上記の配合比でアルコール中でアトライター混合を6時間行った。アルコールを蒸発させ粉末を乾燥させたのち、プレス圧が1ton/cmでプレスを行い、1400℃で真空焼結を行い、その厚みが10μmの脱β層を有する超硬合金を試作し、硬さを測定した後、この母材にTiCNをその厚みが7μmで被覆し切削試験によって刃先ダレを比較した。
切削条件としては、被覆超硬合金の形状がSNM432、被切削材がSNCM439、切削速度v=140mm/分、切り込み深さd=2mm、送り速度f=0.7mm/rev、切削時間が40分である。その結果を次の表6に示す。
表6に示すように、発明品Eは、従来品Fと比較して、ビッカース硬度は同程度であるが、刃先ダレが改善されていることが判る。
(実施例4)
上述した本発明の高強度超硬合金と従来の超硬合金とで、Co含有量と、ビッカース硬度,抗折力,圧縮強度,並びに破壊靭性との関係を比較測定した。その結果を次の表7に示す。ここでは、その平均粒度が3μmのWCを使用した。
表7は、発明品A(A1−A5)と従来品B(B0−B5)のそれぞれについて、ビッカース硬度,抗折力,圧縮強度,並びに破壊靭性を測定したものである。なお、上述の表2と表7とで測定値が若干異なっているが、これは、製造ロットが異なっていることに起因するばらつきである。
図6は、表7の測定値からCo含有量と圧縮強度との関係を示すグラフである。また、図7は、表7の測定値からCo含有量と破壊靭性との関係を示すグラフである。
図6に示すように、発明品Aは従来品Bと比較して、Co含有量が9〜25wt%の範囲内で、その圧縮強度が0.3〜0.4GPa程度大きい値となっている。また、図7に示すように、発明品Aは従来品Bと比較して、Co含有量が9〜25wt%の範囲内で、その破壊靭性が2から6MN・m1/2程度大きい値となっており、Co含有量が大きいほど破壊靭性の差が大きくなる傾向が見られる。
図8は、表7の測定値からCo含有量とビッカース硬度との関係を示すグラフである。また、図9は、表7の測定値からCo含有量と抗折力との関係を示すグラフである。
図8に示すように、発明品Aは従来品Bと比較して、Co含有量が9〜25wt%の範囲内で、そのビッカース硬度が80〜140Hv程度大きい値となっている。また、図9に示すように、発明品Aは従来品Bと比較して、Co含有量が9〜25wt%の範囲内で、その抗折力が0.2〜0.3GPa程度大きい値となっている。
表7に示す超硬合金のうち、Co含有量が25wt%のものについて、超硬合金の組織を光学式金属顕微鏡にて撮像した。図1は、発明品の高強度超硬合金の組織を光学式金属顕微鏡にて撮像した画像である。図2は、従来の超硬合金の組織を光学式金属顕微鏡にて撮像した画像である。光学式金属顕微鏡による撮像画像を比較したところ、両者の組織には大きな差異が見られなかった。

Claims (4)

  1. 炭化タングステン(WC),コバルト(Co)及びクロム(Cr)を含有し、WCの平均粒度が1.5〜20.0μm、ビッカース硬度が650〜1650Hvである超硬合金であって、Coが4〜30質量%含有し、CrがCo含有量の2〜18質量%含有し、残部がWC及び不可避不純物よりなることを特徴とする高強度超硬合金。
  2. 前記WCの一部をTiC、TaC、NbC、HfC、ZrC、VC等の遷移金属の炭化物又はこれら遷移金属の炭窒化物、若しくはWを含むこれら遷移金属の複炭化物又はWを含むこれら遷移金属の複炭窒化物のうちいずれか1種以上で置き換えたことを特徴とする請求項1記載の高強度超硬合金。
  3. その合金表面に脱β層が形成されており、脱β層の厚みが1〜30μmであることを特徴とする請求項2記載の高強度超硬合金。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の高強度超硬合金を母材とした被覆超硬合金。
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