JP4773416B2 - 焼結体の製造方法、該方法に用いる粉末混合物、該方法により製造された焼結体 - Google Patents

焼結体の製造方法、該方法に用いる粉末混合物、該方法により製造された焼結体 Download PDF

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本発明は、硬質成分を形成する1種以上の粉末と、コバルトを含んで結合相を形成する粉末とを混合する工程を含み、該コバルトの粉末は主として面心立方(fcc)構造を有する、焼結体の製造方法に関する。本発明は更に、1種以上の硬質成分と、有機バインダと、コバルトを含んで結合相を形成する粉末とを含んでなり、該コバルト粉末は主として面心立方(fcc)構造を有する、「直接加圧用」の造粒済粉末に関する。本発明は更に、上記の方法により製造された焼結体に関する。
一般に、丸形の工具、切削工具インサートなどの焼結体は、超硬合金またはチタンベースの炭窒化物合金でサーメットと通称される材料で製造されている。この材料は、タングステン、チタン、タンタル、ニオブ、クロムなどの炭化物または炭窒化物のような硬質成分を1種以上と、結合相とを含んでいる。削岩機、金属切削工具、耐摩耗部材などといった多様な用途で用いるために、材料の組成および粒径によって硬さと靭性との組み合わせを広範に変えることができる。この焼結体は、粉末冶金分野における一般的な技術である混練、造粒、加圧成形、焼結により製造される。
超硬合金およびサーメットを製造する際にコバルトを結合相として用いることは当分野では周知である。
コバルトは同素変態する元素であり、約417℃以下の温度では純コバルトの原子は稠密六方(hcp)構造に配列され、約417℃以上の温度では純コバルトの原子は面心立方(fcc)構造に配列されている。したがって、417℃より高温では、純コバルトは同素変態すなわちhcp構造からfcc構造への変態をする。
従来、ドリル、切削工具インサートなどのような焼結体の製造の際に用いられるコバルト粉末は、通常はhcp構造である。しかし、焼結体のコバルト結合相は焼結処理中に変態してfcc構造となっている。
焼結体の製造においては、混練あるいは混合の工程でコバルト粉末が容易に分散することが重要である。特に、細粒の材料を製造する場合や、結合相を少量にした材料の焼結体を製造する場合、あるいは強力に混練すると材料特性が劣化するような素材を用いる場合には、コバルト粉末の分散性が重要である。細粒の素材を用いた場合は成形圧力を高くする必要があるが、成形体に成形割れや異常摩耗が発生したり、成形工具が破損したりするため望ましくない。そのため成形圧力は低い方が望ましい。
コバルト粉末の品質をより望ましいものにするために種々の試みがなされている。粒径を0.5μmまで小さくしたコバルト粉末が工業生産されているし、粉末粒子の形態を細長い形態から球状に変えることも行なわれている。混練しなくともコバルト粒子が良く分散した粉末混合物を得られるように、硬質成分の粒子に被覆を施すために種々の技術が開発されている。
欧州出願公開公報EP0578720Aには、粒子が球状で凝集しない結合相粉末を用いて超硬合金製品を作製する方法が開示されている。この結合相粉末、望ましくはコバルト粉末を用いると気孔率の少ない焼結体が得られる。
国際出願公開公報WO98/03691には、粒径分布の狭い超硬合金を作製する方法が開示されている。粒径分布の狭い材料を得るために、混合前の炭化タングステンにコバルトを被覆する。また、混合方法の選定により、粒径および粒径分布が変化しないようにしている。
しかしながら、割れ、気孔率、コバルトの分散性などを更に向上させることが求められている。
そこで本発明は、分散性、成形割れ、気孔率のような性質を更に向上させる。
すなわち、本発明の目的の1つは、コバルトが良く分散した粉末と最適な成形圧力とを用いて、焼結体を製造する方法を提供することである。
本発明のもう1つの目的は、気孔率を低下させた焼結体を製造する方法を提供することである。
本発明のもう1つの目的は、割れの量を低下させた焼結体を製造する方法を提供することである。
本発明のもう1つの目的は、強く混練せずにコバルトを良く分散させた粉末混合物を提供することである。
本発明のもう1つの目的は、本発明の方法によって製造された焼結体を提供することである。
驚くべき知見として、fccを主構造とするコバルト粉末を焼結体の製造に用いることができ、また、hcpを主構造とするコバルトに代えてfccのコバルトを用いることで、焼結体の製造にとっても焼結体自体にとっても幾つかの利点が得られる。すなわち、fccのコバルトを用いることにより、焼結材料中の気孔が減少し、複雑形状の成形における割れ発生を容易に回避できるので、hcpのコバルト粉末から製造した場合に比べて、割れを低減し形状不良を低減した複雑形状の硬質金属成形焼結体が得られる。
更に、fccを主構造とするコバルトを用いることで、hcpを主構造とするコバルトを用いた場合に比べて、同じ特性を達成するのに必要な混練時間が短縮する。
本発明の方法は、硬質成分を形成する粉末と、コバルトを含んで結合相を形成する粉末と、必要な他の化合物とを混練により混合する工程を含む。混練済混合物を乾燥した後に加圧して成形体とし、次いで焼結する。
fccを主構造とするコバルトの量をX線回折により求め、PDF公的データベース(International Centre for Diffraction Data (ICDD)によるPowder Diffraction File)の構造情報により同定し、対象とする化合物すなわちこの場合はfccコバルト(PDF15−806)とhcpコバルト(5−727)を表示する。
加えて個々の金属相のミラー指数が個々の回折ピークから求まる。Cu-Kα線を用いた2θ/θ集光型X線回折法でバックグラウンドの引き算とKα2の分離を行なう方法において、個々の回折ピークで基準線に対して測定した最大ピーク高さを用いたピーク高さ比であるCo-fcc(200)/Co-hcp(101)比は3/2以上、望ましくは7/4以上、最も望ましくは2以上である。fccコバルトの最大値は100%であり、その場合のピーク高さ比は限りなく無限大に近い。本発明の方法で用いる上述のコバルト粉末を以降において「fccコバルト(fccのコバルト)」と呼ぶ。
本発明の方法に用いるコバルト粉末は、鉄の含有量が1.5wt%未満、望ましくは0.8wt%未満、最も望ましくは0.4wt%未満である。コバルト粉末は、Mgを望ましくは100ppm以上、より望ましくは150ppm以上、最も望ましくは200〜500ppm含有する。
コバルト粉末は、上記以外の元素を含み得るが、その量は不可避的不純物のレベルであり、望ましくは800ppm未満、より望ましくは700ppm未満、最も望ましくは600ppm未満である。
コバルト粉末の粒径は、フィッシャー粒径で、望ましくは0.2〜2.9μm、より望ましくは0.3〜2.0μm、最も望ましくは0.4〜1.5μmである。
コバルト粉末の平均粒径(d50)は、レーザ回折による測定値で、望ましくは約0.8〜約5.9μm、より望ましくは0.8〜4.0μm、最も望ましくは0.8〜3.0μmである。
硬質成分を形成する粉末とfccコバルトの粉末とを、有機液体(例えばエチルアルコール、アセトンなど)および有機バインダ(例えばパラフィン、ポリエチレングリコール、長鎖脂肪酸など)の存在下で混練することにより、次工程の造粒処理を促進する。混練は、ミル(回転ボールミル、振動ミル、磨砕ミルなど)を用いて行なうことが望ましい。
混練した混合物の造粒は、公知の方法、特に噴霧乾燥法(spray-drying)で行なうことが望ましい。粉末状の材料と有機液体および有機バインダとが混合した懸濁液が乾燥塔内で適当なノズルを通って液滴化し、この小さい液滴が窒素などの高温ガス流で瞬時に乾燥される。造粒処理が必要なのは、特に次工程で用いる成形機への自動供給のためである。
成形処理は、ダイとパンチを用いて行なうことが望ましく、最終製品の望みの寸法・形状に(収縮現象を考慮して)できるだけ近い寸法・形状を材料に付与する。成形処理中は、成形圧力が適正範囲内にあること、適用圧力に対して成形体内の各部位の圧力の偏差ができるだけ小さいことが重要である。このことは複雑形状の場合に特に重要である。本発明によれば、fccコバルトを含有する粉末は、従来は成形が困難であった形状への成形に特に適している。
成形体の焼結は、不活性雰囲気中または真空中で、適正な構造均質性を備えた緻密な焼結体を得るのに十分な温度および時間で行なう。焼結は高圧ガス中でも同様に行なうことができるし(高温等圧成形:HIP)、中程度のガス圧で行なうこともできる(一般に焼結HIPとして知られている)。これらの方法は当分野で周知である。
焼結体のコバルト含有量によって焼結体の性質は大きく影響を受ける。個々の用途にとって重要な性質によっても、コバルト含有量は異なる。本発明に用いるfccコバルトの量は2〜30wt%の範囲内であることが望ましい。
本発明の方法において、硬質成分は、タングステン、チタン、タンタル、ニオブ、クロム、その他の周期律表IVa族、Va族、VIa族の金属の硼化物、炭化物、窒化物、または炭窒化物のうちの1種以上であることが望ましい。硬質成分を形成する粉末の粒径は、合金の用途によって異なり、0.2〜30μmであることが望ましい。
ここまでは、結合相としてコバルトを用いて焼結体を製造する場合を説明した。しかし、本発明はこれに限定されること無く、硬質成分を含む他の複合材料の製造にも適用できること、コバルトの一部を他の結合相材料で置き換えた材料にも適用できることは明らかである。
また、粒成長阻止剤、立方晶炭化物など、焼結体の製造に一般的に用いられている他の化合物を本発明の方法に用いることもできる。
本発明の一実施形態においては、本発明の方法は超硬合金の焼結体の製造に関する。fccコバルトの添加量は、用途に応じて大きく異なる。例えば、焼結体が切削工具インサートであれば、fccコバルトの添加量は、望ましくは2〜20wt%、より望ましくは4〜17wt%、最も望ましくは5〜11wt%である。しかし、焼結体が例えば熱間圧延ロールであれば、fcc個コバルトの添加量は、15wt%超であり、望ましくは20wt%超である。削岩工具用としては、fccコバルト含有量は6〜30wt%の範囲内で種々異なり、例えばパーカッション削岩機用としては、fccコバルトの量は5〜10wt%が望ましく、鉱物工具(mineral tool)用としては6〜13wt%である。
耐摩耗部材用としては、用途に応じて広い範囲でfccコバルトを添加できるが、望ましくは2〜30wt%の範囲内である。
粒成長阻止剤として超硬合金に例えばCr、Vを任意に添加する。添加量は、通常は0.1〜3wt%、より望ましくは0.1〜10wt%である。Ta、Ti、Nbの立方晶炭化物も添加することができる。添加量は、通常は0.1〜10wt%であり、残部は炭化タングステンである。
本発明のもう1つの実施形態においては、本発明の方法はチタンをベースとする炭窒化物合金、いわゆるサーメットの製造に関する。サーメットは、炭窒化物の硬質成分が金属の結合相中に埋め込まれている。チタンに加えて、VIa族元素、通常はモリブデンとタングステンの両方、場合によっては更にクロムを添加することにより、結合相と硬質成分との濡れを促進すると共に固溶硬化により結合相を強化する。IVa族および/またはVa族の元素、すなわちZr、Hf、V、Nb、Taも、現在市販されている全ての合金に添加されている。これらの添加元素は通常は炭化物、窒化物および/または炭窒化物として添加される。硬質成分を形成する粉末の粒径は、通常は2μm未満である。サーメットの結合相はfccコバルトとニッケルの両方を含むことができるが、焼結前に別々の金属粉末として添加する。結合相の合計量は3〜30wt%が望ましく、相対比Co/(Co+Ni)×100は、望ましくは50〜100at%、より望ましくは75〜100at%、最も望ましくは95〜100at%である。本発明によりサーメットの焼結体を製造する際にfccコバルトを用いると、結合相としてコバルトのみを含むサーメットが特に利点がある。その組成では、本発明によるコバルトの性質が極めて重要である。他の元素として例えばアルミニウムも添加する場合があり、アルミニウムによって結合相が強化され、かつ/または、硬質成分と結合相との濡れが向上する、とされている。
本発明は更に、硬質成分を形成する粉末を1種以上と、結合相を形成する粉末とを含む粉末混合物にも関し、この粉末混合物は焼結体を得るための焼結前の加圧成形にそのまま用いることができる。粉末混合物を混練し、そして望ましくは前述の方法により造粒する。硬質成分を形成する粉末は、タングステン、チタン、タンタル、ニオブ、クロム、およびその他の周期律表IVa族、Va族、VIa族の金属の硼化物、炭化物、窒化物または炭窒化物の1種以上であることが望ましい。粉末混合物は、硬質成分を形成する粉末を70〜98wt%の量で含む。粉末混合物は更に、fccを主構造とするコバルトすなわち前記定義したfccコバルトを含む結合相を形成する粉末を含む。粉末混合物中のfccコバルトの量は、前述したようにX線回折によって求まり、2〜30wt%であることが望ましい。粉末混合物は更に、粒成長抑止剤、有機バインダなど、焼結体の製造に用いられる粉末混合物に通常用いられている他の化合物を含む。
一実施形態においては、本発明はfccコバルトを含む超硬合金粉末混合物に関する。fccコバルトの量は用途に応じて大きく異なる。例えば、切削工具インサートのような焼結体を製造するために用いられる粉末混合物の場合は、fccコバルト含有量は望ましくは2〜20wt%、より望ましくは4〜17wt%、最も望ましくは5〜11wt%である。しかし、熱間圧延ロールのような焼結体を製造するために用いられる粉末混合物の場合は、fccコバルト含有量は15wt%超であり、望ましくは20wt%超である。削岩工具に用いる粉末混合物の場合は、コバルト含有量は6〜30wt%の範囲内であり、例えばパーカッション削岩機用の場合はfccコバルトの量は望ましくは5〜10wt%、鉱物工具(mineral tool)の場合は6〜13wt%である。
耐摩耗部材用の粉末混合物の場合は、用途に応じて広い範囲でfccコバルトを添加できるが、望ましくは2〜30wt%の範囲内である。
粉末混合物は粒成長阻止剤として例えばCr、Vを任意に含有できる。含有量は、通常は0.1〜5wt%、最も望ましくは0.1〜3wt%である。Ta、Ti、Nbの立方晶炭化物も含有できる。含有量は、通常は0.1〜10wt%であり、残部は炭化タングステンである。
本発明のもう1つの実施形態においては、本発明はチタンをベースとする炭窒化物いわゆるサーメットを含む粉末混合物に関する。チタンに加えて、VIa族元素、通常はモリブデンとタングステンの両方、場合によっては更にクロムが存在する。IVa族および/またはVa族の元素、すなわちZr、Hf、V、Nb、Taも存在することが望ましい。これらの元素は、現在市販されている全ての合金に添加されているからである。これらの添加元素は通常は炭化物、窒化物および/または炭窒化物として存在する。サーメット粉末混合物中の結合相形成粉末は、fccコバルトとニッケルの両方を含むことが望ましい。サーメット粉末混合物中の結合相の合計量は3〜30wt%が望ましく、相対比Co/(Co+Ni)×100は、望ましくは50〜100at%、より望ましくは75〜100at%、最も望ましくは95〜100at%である。
本発明は更に、本発明の方法により製造された焼結体に関する。焼結体は、1種以上の硬質成分と、前述したX線回折により同定されるfcc構造を、成形および焼結する前の主構造とする結合相とを含む。焼結体のコバルト含有量は、用途に応じて広い範囲で変化するが、望ましくは2〜30wt%の範囲内である。
本発明の焼結体は、丸形の工具、切削工具インサート、耐摩耗部材、削岩工具などのような多様な用途に用いることができる。
以下に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。
〔実施例1〕
A:組成が6.0wt%Co、0.23wt%TaC、0.16%NbC、93.6%WCである超硬合金工具インサートを、本発明の超微粒fccコバルトであってCo-fcc(200)/Co-hcp(101)比が2.12、FSSS値が1.08μmであるコバルト素材を用いて製造した。コバルト素材を0.51のエタノール/水(90/10)混合物を用いてボールミルで25時間混練した。固形分の合計重量は1000gであった。得られた懸濁液を噴霧乾燥し、これにより造粒された粉末を一軸プレスで成形し、標準的な方法により焼結した。
B:上記Aと同じ組成の超硬合金工具インサートを上記Aと同じ製造方法により上記Aと同じ条件で製造した。ただし、上記本発明のfccコバルトの代わりに、市販の超微粒fccコバルトであってCo-fcc(200)/Co-hcp(101)比が0.08、FSSS値が0.7μmであるコバルト素材を用いた。
インサートA、Bの気孔率をISO標準4505(気孔率および遊離炭素の硬質金属組織測定法)により評価した。結果を下記の表1に示す。
Figure 0004773416
〔実施例2〕
A:組成が18%WC、12%NbC、30%TiC、26%TiN、14%Coであるサーメット粉末を、Co-fcc(200)/Co-hcp(101)比が2.24、FSSS値が1.45μmである本発明の特別微粒コバルトを用いて製造した。素材(1000g)を0.51のエタノール/水(90/10)混合物を用いてボールミルで25時間混練し、噴霧乾燥した。
B:上記Aと同じ組成のサーメット粉末を上記Aと同じ製造方法により上記Aと同じ条件で製造した。ただし、上記本発明のfccコバルトの代わりに、市販の特別微粒コバルトであってCo-fcc(200)/Co-hcp(101)比が0.14、FSSS値が1.4μmであるコバルト素材を用いた。
粉末A、Bを形状R245−12T3E−Lのインサートに成形し、標準的な方法により焼結した。結果を下記の表2に示す。
Figure 0004773416
〔実施例3〕
A:組成が6.0wt%Co、0.23wt%TaC、0.16%NbC、93.6%WCである超硬合金粉末を、コバルト素材としてCo-fcc(200)/Co-hcp(101)比が2.12、FSSS値が1.08μmである本発明の超微粒fccコバルトを用いて製造した。粉末材料の合計重量は28kgであった。この粉末材料をボールミルで15時間混練し、得られた懸濁液を噴霧乾燥した。
B:上記Aと同じ組成の超硬合金粉末を上記Aと同じ製造方法により上記Aと同じ条件で製造した。ただし、上記本発明のfccコバルトの代わりに、市販の超微粒コバルトであってCo-fcc(200)/Co-hcp(101)比が0.08、FSSS値が0.7μmであるコバルト素材を用いた。
粉末A、Bを形状ZDGT200504Rのインサートに成形し、標準的な方法により焼結した。粉末Bで製造したインサートには刃先下に水平の割れが発生したのに対して、粉末Aで製造したインサートには割れは観察されなかった。結果を下記の表3に示す。
Figure 0004773416
本発明によるCo-fcc(200)/Co-hcp(101)比が2.12である超微細コバルト粉末のX線回折パタン。粉末のフィッシャー粒径(FSSS)は1.08μmである。 市販のCo-fcc(200)/Co-hcp(101)比が0.08である超微細コバルト粉末のX線回折パタン。粉末のフィッシャー粒径(FSSS)は0.7μmである。 本発明によるCo-fcc(200)/Co-hcp(101)比が2.24である特別微細コバルト粉末のX線回折パタン。粉末のフィッシャー粒径(FSSS)は1.45μmである。 市販のCo-fcc(200)/Co-hcp(101)比が0.14である特別微細コバルト粉末のX線回折パタン。粉末のフィッシャー粒径(FSSS)は1.4μmである。

Claims (14)

  1. 下記の工程:
    硬質成分を形成する1種以上の粉末と、コバルト粉末を含んで成り結合相を形成する粉末とを、混練により混合する工程、
    上記混練済混合物を造粒する工程、
    上記造粒済混合物を加圧成形して成形体とする工程、および
    上記成形体を焼結する工程
    を含んで成る、焼結体の製造方法において、
    上記コバルト粉末が:
    Cu−Kα線を用いた2θ/θ集光型X線回折測定における基準線に対する最大ピーク高さで示したCo-fcc(200)/Co-hcp(101)のピーク高さ比が3/2以上であり、かつ
    粉末粒径がFSSS値で0.2〜2.9μmである
    ことを特徴とする方法。
  2. 請求項1において、上記ピーク高さ比が7/4以上であることを特徴とする方法。
  3. 請求項1において、上記ピーク高さ比が2以上であることを特徴とする方法。
  4. 請求項1から3までのいずれか1項において、添加するCo粉末の量が2〜30wt%であることを特徴とする方法。
  5. 請求項1から4までのいずれか1項において、上記硬質成分の少なくとも1種が炭化タングステンであることを特徴とする方法。
  6. 請求項1から5までのいずれか1項において、上記コバルト粉末がMgを100ppm以上含有することを特徴とする方法。
  7. 硬質成分とコバルトとを含み、焼結用の成形体を形成するための加圧成形用の粉末混合物において、
    上記粉末混合物中の上記コバルトの粉末が:
    Cu−Kα線を用いた2θ/θ集光型X線回折測定における基準線に対する最大ピーク高さで示したCo-fcc(200)/Co-hcp(101)のピーク高さ比が3/2以上であり、かつ
    粉末粒径がFSSS値で0.2〜2.9μmである
    ことを特徴とする粉末混合物。
  8. 請求項において、上記ピーク高さ比が7/4以上であることを特徴とする粉末混合物。
  9. 請求項において、上記ピーク高さ比が2以上であることを特徴とする粉末混合物。
  10. 請求項からまでのいずれか1項において、上記粉末混合物中のコバルトの量が2〜30wt%であることを特徴とする粉末混合物。
  11. 請求項から10までのいずれか1項において、上記硬質成分の少なくとも1種が炭化タングステンであることを特徴とする粉末混合物。
  12. 請求項1からまでのいずれか1項記載の方法により製造されたことを特徴とする焼結体。
  13. 請求項12において、コバルト含有量が2〜30wt%であることを特徴とする焼結体。
  14. 請求項7から11までのいずれか1項において、上記コバルト粉末がMgを100ppm以上含有することを特徴とする粉末混合物。
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