JP2002346456A - 塗布装置、塗布方法および塗布工具 - Google Patents
塗布装置、塗布方法および塗布工具Info
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Abstract
磁性塗料の塗布厚のムラの発生を防ぐことができ、長期
間安定して均一な厚さの磁性塗料を塗布することができ
る塗布工具、塗布装置および塗布方法を提供する。 【解決手段】移動する被塗布体に磁性塗料を連続的に塗
布する塗布工具21であって、塗布工具31のリップ部
32は、超硬合金からなり、この超硬合金炭化タングス
テンを主成分とする硬質相と、ニッケルおよび炭化クロ
ムを主成分とする結合相とを有し、実質的に非磁性であ
る。
Description
チック、金属箔、紙、ガラス等に代表される被塗布体の
被塗布面に無機物質と有機物質とが混在する液状物質を
塗布する塗布装置、塗布方法およびこれらに用いる塗布
工具に関する。
磁気テープは、たとえば、磁性材料粉末を結合剤、微量
添加剤、溶剤等とともに混合した磁性塗料をベースフィ
ルム上に塗布することにより製造される。このような塗
布に用いられる塗布装置は、磁性塗料を塗布するための
塗布工具を備えている。塗布工具としては、たとえば、
先端部により磁性塗料の流出量を調整、制御しながら、
連続的に走行するベースフィルムの表面に磁性塗料を均
一な厚さで塗布させるものが知られている。上記のよう
な塗布工具を用いた磁性塗料の塗布は、ベースフィルム
に塗布工具の先端部を直接押し当てて磁性塗料を塗布す
ると同時にスムージングを接触方式と、ベースフィルム
に塗布工具の先端部を接近させベースフィルムの背面側
に配置した磁石の磁力により塗布工具の先端部から吐出
される磁性塗料をベースフィルムの表面に引き寄せるこ
とによって塗布する非接触方式とが知られている。接触
式は、比較的高い塗布品質を要求される場合、2層や多
層の磁性膜を同時に形成するのに適している。2層や多
層の磁性膜を同時に形成するには、塗布工具に複数の吐
出口を設ける。非接触式は、高い生産性を要求される場
合に適している。また、塗布する磁性塗料は、たとえ
ば、酸化鉄(Fe2 O3 )、二酸化クロム(CrO2 )
等の磁性材料粉末に、ポリウレタン樹脂、塩化ビニール
系樹脂、ポリエステル系樹脂等の結合剤、ミリスチン
酸、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸からなる潤滑
剤、クエン酸等からなる分散剤等を混練し、分散させた
ものが使用される。
な塗布工具は、適切な塗布を長期間安定して行うために
は、耐腐食性、耐摩耗性が高い材料で形成する必要があ
る。耐腐食性、耐摩耗性を高めた材料で形成された塗布
工具として、たとえば、特許第3029106号や特許
第3048145号に開示されたものが知られている。
これらの刊行物に開示された塗布工具は、塗布先端部の
形成材料として超硬合金を使用している。この超硬合金
は、炭化タングステン(WC)を硬質相とし強磁性材料
であるコバルト(Co)を結合相とするものである。炭
化タングステンは、硬度が高く、耐摩耗性が大きい。こ
のWC−Co系超硬合金は、硫酸、塩酸、有機酸等の各
種の酸に触れると、Coが溶出してしまうことが知られ
ている。したがって、WC−Co系超硬合金を磁性塗料
を塗布する塗布工具に用いた場合、磁性塗料に含まれる
塩化ビニール系樹脂、ミリスチン酸、ステアリン酸、オ
レイン酸、クエン酸によってCoが溶出する腐食が発生
する。Coの溶出した表面は梨子地状となり、表面の再
加工が必要となる。このため、WC−Co系超硬合金を
塗布工具に用いた場合、長期間安定した塗布を行うこと
が難しい。
塗布する塗布工具に用いた場合、WC−Co系超硬合金
が強磁性であり、かつ、抗磁力が非常に大きい。このた
め、WC−Co系超硬合金を加工した際に着磁すると、
磁性塗料の塗布に影響を与え塗布厚のムラの原因になる
可能性がある。このため、WC−Co系超硬合金の脱磁
を行う必要があるが、強磁性であり抗磁力が非常に大き
いため、磁性塗料の塗布に影響を与えない程度(たとえ
ば、1ガウス以下)まで脱磁することは困難である。
を塗布する塗布工具に用いた場合、超硬合金は切削加工
が難しいため、塗布工具の先端部をWC−Co系超硬合
金で形成し、これを金属材料で形成された保持部材に固
定して使用する必要がある。保持部材とWC−Co系超
硬合金との締結は、たとえば、鉄系材料から形成された
ボルトによって行うが、このボルトが螺合するネジ穴を
WC−Co系超硬合金に直接加工することは難しいの
で、鉄系材料をWC−Co系超硬合金にロー付けし、こ
の鉄系材料にネジ穴を形成し、保持部材とWC−Co系
超硬合金との締結を行う。このような構成の塗布工具を
用いて、上記した非接触方式の塗布を行うと、WC−C
o系超硬合金が強磁性であるため、磁石とWC−Co系
超硬合金との間に磁気回路が形成される。しかしなが
ら、磁気回路の磁界はWC−Co系超硬合金にロー付け
された鉄系材料やボルトによって乱されるため、磁性塗
料の塗布厚のムラを発生させる可能性があった。このよ
うに従来においては、磁性塗料を塗布するのに用いる塗
布工具の耐腐食性を向上させ、磁気回路の乱れによる磁
性塗料の塗布厚のムラの発生を防ぐことが求められてい
た。
のであって、本発明の目的は、塗布工具の耐腐食性を向
上させることができ、磁性塗料の塗布厚のムラの発生を
防ぐことができ、長期間安定して均一な厚さの磁性塗料
を塗布することができる塗布工具、塗布装置および塗布
方法を提供することにある。
動する被塗布体に磁性塗料を連続的に塗布する塗布工具
であって、前記塗布工具は、少なくとも前記被塗布体の
塗布面に接触または接近する先端部が超硬合金からな
り、前記超硬合金は、炭化タングステンを主成分とする
硬質相と、ニッケルおよび炭化クロムを主成分とする結
合相とを有し、実質的に非磁性である。
0〜20.0重量%であり、前記炭化クロムの含有量が
1.0〜7.0重量%である。
平均粒径が2.0μm以下である。
デン、炭化バナジウム、炭化チタン、炭化ジルコニウ
ム、炭化タンタルの少なくともいずれかを0.5〜2重
量%含有する。
の最大磁化強度が、0.1emu/g以下、あるいは、
抗磁力が1エルステッド以下であり、前記超硬合金の硬
さが、ロックウエル硬度のAスケールで84.0(HR
A)以上である。
が前記被塗布体の塗布面に接触した状態での前記磁性塗
料の塗布、および、前記先端部が前記被塗布体の塗布面
に近接した状態での磁力による前記磁性塗料の塗布のい
ずれにも使用される。
合金で形成された先端部と、前記先端部を保持する保持
部材と、前記先端部を前記保持部材に締結する締結部材
とを有し、前記保持部材および締結部材が非磁性材料で
形成されている。
磁性塗料を連続的に塗布する塗布工具を備える塗布装置
であって、前記塗布工具は、少なくとも前記被塗布面に
接触または対向する先端部が非磁性、耐腐食性および耐
摩耗性を有する超硬合金からなり、前記超硬合金は、炭
化タングステンを主成分とする硬質相と、ニッケルおよ
び炭化クロムを主成分とする結合相とを有する。
塗布工具を用いて磁性塗料を連続的に塗布する塗布方法
であって、少なくとも前記被塗布体の塗布面に接触また
は接近する先端部が超硬合金からなり、当該超硬合金が
炭化タングステンを主成分とする硬質相と、ニッケルお
よび炭化クロムを主成分とする結合相とを有し、実質的
に非磁性である塗布工具を用いることを特徴とする。
て図面を参照して説明する。図1は、本発明が適用され
る塗布装置の概略構成を示す図である。図1に示すよう
に、塗布装置1は、ベースフィルムBFを供給する供給
ロール11と、供給ロール11から繰り出されたベース
フィルムBFを巻き取る巻取ロール12と、走行するベ
ースフィルムBFに対向配置された塗布工具31と、ベ
ースフィルムBFの塗布工具31とは反対側に設けられ
た磁石51と、塗布工具31を移動させる移動機構61
と、塗布工具31に磁性塗料を供給する磁性塗料供給装
置62とを有している。
定の走行速度で繰り出し、巻取ロール12は繰り出され
たベースフィルムBFを巻き取るが、これら供給ロール
11および巻取ロール12は、ベースフィルムBFに所
定の張力が作用するように、図示しない駆動制御系によ
って駆動制御される。
チレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタ
レート(PEN)、ポリイミド、アラミド等の樹脂材料
で形成されている。
ィルムBFに対して移動位置決め可能となっており、後
述する接触式の塗布では、塗布工具31をベースフィル
ムBFの塗布面に所定の押圧力で接触させ、非接触式の
塗布では、塗布工具31をベースフィルムBFから所定
の位置に接近させる。
磁性塗料を供給する。この磁性塗料供給装置62から供
給される磁性塗料は、磁性材料粉末を結合剤、微量添加
剤、溶剤等とともに混合したものである。具体的には、
たとえば、酸化鉄(Fe2 O3 )、二酸化クロム(Cr
O2 )等の磁性材料粉末に、ポリウレタン樹脂、塩化ビ
ニール系樹脂、ポリエステル系樹脂等の結合剤、ミリス
チン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸からなる
潤滑剤、クエン酸等からなる分散剤等を混練し、分散さ
せたものである。
料を塗布する塗布面とは反対の背面側に、塗布工具31
に対向するように配置されている。この磁石51は、移
動可能になっており、後述する非接触式の塗布において
使用するベースフィルムBFの背面側に近接して配置さ
れる。したがって、後述する接触式の塗布においては、
ベースフィルムBFから離れた位置に移動される。
具の構造を示す断面図である。図2に示す塗布工具31
は、先端部に設けられたリップ部32と、リップ部32
を保持するダイ33とを有する。
ており、この吐出口35から磁性材料を吐出する。この
吐出口35は、ベースフィルムBFの幅方向に直線的に
延びている。また、吐出口35は通路36を通じてダイ
33の内部に形成された液溜部37と連通している。リ
ップ部32は、後述するように超硬合金で形成されてお
り、機械加工が難しい。このため、リップ部32の側面
に形成された凹部には、ロー付け部34がロー付けされ
ており、ロー付け部34にボルト38が螺合するネジ穴
が形成されている。ロー付け部34は、非磁性材料で形
成されている。ロー付け部34の形成材料として、たと
えば、SUS316のような非磁性ステンレスが挙げら
れる。
塗料供給装置62から磁性塗料が供給される。ダイ33
は、凹部33aを備えており、この凹部33aにリップ
部32が嵌合している。凹部33aに嵌合したリップ部
32は、ボルト38によってダイ33に締結されてい
る。
る。このダイ33の形成材料としては、たとえば、SU
S316のような非磁性ステンレスが挙げられる。ま
た、ボルト38も非磁性材料で形成されている。ボルト
38の形成材料として、たとえば、SUS316のよう
な非磁性ステンレスが挙げられる。
塗布方法を説明するための図である。たとえば、ベース
フィルムBFに塗布する磁性塗料に比較的高い塗布品質
が要求される場合には、接触方式によって塗布する。具
体的には、図3(a)に示すように、塗布工具31を走
行するベースフィルムBFの塗布面に押し付け、同時
に、塗布工具31から磁性塗料MLを吐出させることに
より、ベースフィルムBFの塗布面に磁性塗料MLを一
定の厚さで塗布する。なお、リップ部32の先端面の形
状により、磁性塗料MLのスムージングも行われる。
率的に磁性塗料を塗布することが要求される場合には、
非接触方式によって塗布する。具体的には、図3(b)
に示すように、走行するベースフィルムBFに対して塗
布工具31をリップ部32の先端面が接近する位置に位
置決めするとともに、ベースフィルムBFの背面側のリ
ップ部32に対向する位置に磁石51を配置する。この
状態で塗布工具31から磁性塗料MLを吐出させること
により、磁性塗料MLは磁石51の吸引力によってベー
スフィルムBFに引き寄せられる。これにより、ベース
フィルムBFの塗布面に磁性塗料MLを一定の厚さで塗
布する。
を構成する超硬合金の組成について説明する。リップ部
32を構成する超硬合金は、炭化タングステン(WC)
を主成分とする硬質相と、ニッケル(Ni)および炭化
クロム(Cr3 C2 )を主成分とする結合相とを有して
おり、実質的に非磁性である。具体的には、超硬合金の
最大磁化強度は、0.1emu/g以下、あるいは、抗
磁力が1エルステッド以下である。ニッケルの含有量
は、10.0〜20.0重量%であり、炭化クロムの含
有量は、1.0〜7.0重量%であることが好ましい。
硬さが、ロックウエル硬度のAスケールで84.0(H
RA)以上である。このような硬度を得るためには、炭
化タングステンの平均粒径が2.0μm以下であること
が好ましい。
C)、炭化バナジウム(VC)、炭化チタン(Ti
C)、炭化ジルコニウム(ZrC)、炭化タンタル(T
aC)の少なくともいずれかを0.5〜2重量%含有す
ることが好ましい。
組成を上記のようにしたことによる作用について説明す
る。まず、リップ部32を構成する超硬合金の結合相の
主成分をニッケルおよび炭化クロムとすることにより、
リップ部32を非磁性化することができる。
への影響を完全になくすためには、超硬合金の最大磁化
強度は、0.1emu/g以下、あるいは、抗磁力が1
エルステッド以下である必要がある。リップ部32の磁
気的特性をこのような範囲にするためには、ニッケルの
含有量は、10.0〜20.0重量%であり、炭化クロ
ムの含有量は、1.0〜7.0重量%とする必要があ
る。すなわち、ニッケルの含有量が10.0重量%より
も少ないと、超硬合金の最大磁化強度あるいは抗磁力を
上記のような範囲にできない。さらに、ニッケルの含有
量が10.0重量%よりも少ないと、結合相としての役
割が十分発揮されず、超硬合金の緻密化が行われないか
らである。
大きいと、超硬合金の硬度が低下しすぎ、塗布工具31
を接触方式に用いたときに、必要な耐摩耗性が得られな
くなるからである。
成分としたのは、磁性塗料に含まれる酸に対する耐腐食
性を強化、非磁性化の強化および硬度低下の防止のため
である。たとえば、ニッケルクロム系合金のインコネル
が非常に耐腐食性が高いことは知られており、結合相に
ニッケルと炭化クロムをもつ超硬合金も酸化性の環境下
において不動態皮膜を作り、強力な耐腐食性を発揮す
る。また、炭化クロムは、炭化タングステンの粒成長を
抑制する。すなわち、炭化タングステンは細粒化される
ほど硬度が高くなることが知られているが、焼結した際
に炭化タングステンが粒成長すると硬度が低下する。炭
化クロムはこれを防いで、硬度低下の防止に寄与する。
では、超硬合金の最大磁化強度または抗磁力が必要な値
に到達せず、また、硬度が低下を阻止する作用が得られ
なくなる。また、7.0重量%よりも大きいと、粗大な
炭化物(M7 C3 )の析出を招き、抗析力が低下する。
としたのは、2μmよりも大きいと超硬合金の硬度が十
分でなく実用性のある耐摩耗性が得られないからであ
る。また、必要な耐摩耗性が得られない場合には、炭化
タングステンの平均粒径をできるだけ小さくすることに
より、超硬合金の硬度を向上させることができる。
ム、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化タンタル(T
aC)の少なくともいずれかを含有させるのは、非磁性
化の強化のためである。たとえば、炭化クロムの含有量
が少ないために、必要な最大磁化強度または抗磁力が得
られない場合に、これらの炭化物を添加する。
は、たとえば、以下のようにして製造される。まず、上
述したような金属および金属化合物の粉末を用意し、パ
ラフィンとともに混練する。混練した材料をプレス成形
により、所望の形状に成形する。このとき、たとえば、
400℃程度まで加熱することにより、パラフィンが蒸
発する。
金を鉄板で形成された容器に密封し、容器内部を減圧し
て真空状態とする。この状態の容器に、1400℃程
度、200MPa(2040Kg/cm2 )程度で熱間
静水圧プレス処理する。この処理により、超硬合金の体
積は70%程度まで縮小し、緻密化され、これを容器か
ら取り出す。
実施例に係るリップ部32を構成する超硬合金および比
較合金の組成を示している。なお、表1に示す試料N
o.1〜試料No.3は、本実施例に係る超硬合金であ
り、試料No.4および試料No.5は、比較例に係る
超硬合金である。
化するとともに、ニッケルの含有量を比較的少なくし、
炭化タングステンの割合を大きくすることで硬度を高め
たものである。さらに、炭化モリブデンを含有させて非
磁性化の強化を図っている。試料No.2は、炭化クロ
ムおよびニッケルを試料No.1よりも増量しており、
さらなる高耐食化を図ったものである。試料No.3
は、ニッケルを試料No.1および試料No.2よりも
増量し、非磁性化および高耐食化を図ったものである。
のであり、かつ、炭化タングステンを非常に細粒化する
と共に、炭化クロム、炭化バナジウムを含有させること
で、粒成長を抑制し、高硬度化を図ったものである。試
料No.5は、コバルトを結合相にしたものであり、か
つ、炭化タングステンを非常に細粒化して高硬度化を図
ったものである。
いて、加工による着磁量の測定結果と、超硬合金の加工
後に加工機に付属の2000エルステッドの脱磁装置に
より脱磁したのちの残留磁気の測定結果と、試料No.
1〜試料No.5をリップ部に用いた塗布工具によって
ベースフィルムBFに接触式および非接触式で磁性塗料
を塗布したときの塗布膜の厚みむらの測定結果を示して
いる。なお、試料No.4および試料No.5を用いた
塗布工具は、ダイ、ロー付け部およびボルトも強磁性材
料で形成されている。
料No.1〜試料No.3については、非磁性でかつ着
磁量も1ガウス以下と小さいため、接触式および非接触
式のいずれの場合であっても塗布膜の厚みに問題が発生
しなかった。すなわち、本実施例に係る試料No.1〜
試料No.3は、実質的に非磁性化されており、また、
ダイ33、ロー付け部34およびボルト38を非磁性材
料としているため、塗布工具31の磁気特性の影響によ
る塗布膜の厚みむらは全く発生しない。
料No.5については、非接触式としては使用すること
ができず、接触式として使用した場合にも、試料No.
4は脱磁後の残留磁気が大きいため、若干の厚みむらが
発生した。
ップ部32に用いた塗布工具31を接触式および非接触
式のいずれにも用いて、5年間使用した場合のリップ部
32の摩耗および腐食を観察した結果である。また、比
較例としての試料No.4および試料No.5をリップ
部に用いた塗布工具は、上記したように、非接触式とし
て使用できないので、接触式としてのみ試料No.1〜
試料No.3と同様に使用した。
び試料No.5は、使用開始後6か月程度で腐食に伴う
摩耗が発生し、1年以内に問題が発生した。一方、本実
施例に係る試料のうち、最も硬度の低い試料No.3
は、2年目に摩耗による問題が発生したが、試料No.
4および試料No.5と比べると長期間安定した塗布が
可能になったことが分かる。
びNo.2については、4〜5年目に接触方式による塗
布によって発生したと考えられる摩耗が観察されたが、
5年間使い切ることができた。
方式および非接触方式のいずれにも使用することができ
る磁気特性、耐腐食性、耐摩耗性を備えた塗布工具が得
ることができる。また、本実施形態に係る塗布工具31
によれば、酸による腐食が発生しないため、接触方式の
塗布において数年間に渡る摩耗限界まで再研磨加工する
ことなく使用することができ、大幅な省コスト化を図る
ことが可能となる。さらに、本実施形態によれば、非接
触方式の塗布においては、塗布工具31のリップ部32
に腐食および摩耗のいずれも発生しないため、半永久的
に使用することができる。また、本実施形態によれば、
超硬合金の加工時の着磁がなく、脱磁も不要となり、か
つ、磁気むらによる塗布膜の厚さむらの発生も根本的に
解消できる。また、本実施形態によれば、塗布工具31
による安定的な塗布を長期間継続できることに加えて、
塗布工具31を交換することなく接触式および非接触式
の塗布のいずれも行うことが可能となり、交換に要する
工数削減等により生産効率を向上させることができる。
向上させることができ、磁性塗料の塗布厚のムラの発生
を防ぐことができ、長期間安定して均一な厚さの磁性塗
料を塗布することができる。
図である。
であって、(a)が接触方式による塗布、(b)が非接
触方式による塗布の場合を示している。
31…塗布工具、32…リップ部、33…ダイ、34…
ロー付け部、38…ボルト、61…移動機構、62…磁
性塗料供給装置。
Claims (16)
- 【請求項1】移動する被塗布体に磁性塗料を連続的に塗
布する塗布工具であって、 前記塗布工具は、少なくとも前記被塗布体の塗布面に接
触または接近する先端部が超硬合金からなり、 前記超硬合金は、炭化タングステンを主成分とする硬質
相と、ニッケルおよび炭化クロムを主成分とする結合相
とを有し、実質的に非磁性である塗布工具。 - 【請求項2】前記ニッケルの含有量が10.0〜20.
0重量%であり、前記炭化クロムの含有量が1.0〜
7.0重量%である請求項1に記載の塗布工具。 - 【請求項3】前記炭化タングステンの平均粒径が2.0
μm以下である請求項2に記載の塗布工具。 - 【請求項4】前記結合相に炭化モリブデン、炭化バナジ
ウム、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化タンタルの
少なくともいずれかを0.5〜2重量%含有する請求項
3に記載の塗布工具。 - 【請求項5】前記超硬合金の最大磁化強度が、0.1e
mu/g以下、あるいは、抗磁力が1エルステッド以下
であり、 前記超硬合金の硬さが、ロックウエル硬度のAスケール
で84.0(HRA)以上である請求項1に記載の塗布
工具。 - 【請求項6】前記先端部が前記被塗布体の塗布面に接触
した状態での前記磁性塗料の塗布、および、前記先端部
が前記被塗布体の塗布面に近接した状態での磁力による
前記磁性塗料の塗布のいずれにも使用される請求項1に
記載の塗布工具。 - 【請求項7】前記超硬合金で形成された先端部と、前記
先端部を保持する保持部材と、前記先端部を前記保持部
材に締結する締結部材とを有し、 前記保持部材および締結部材が非磁性材料で形成されて
いる請求項1に記載の塗布工具。 - 【請求項8】移動する被塗布体に磁性塗料を連続的に塗
布する塗布工具を備える塗布装置であって、 前記塗布工具は、少なくとも前記被塗布面に接触または
対向する先端部が非磁性、耐食性および耐摩耗性を有す
る超硬合金からなり、 前記超硬合金は、炭化タングステンを主成分とする硬質
相と、ニッケルおよび炭化クロムを主成分とする結合相
とを有する塗布装置。 - 【請求項9】前記ニッケルの含有量が10.0〜20.
0重量%であり、前記炭化クロムの含有量が1.0〜
7.0重量%である請求項8に記載の塗布装置。 - 【請求項10】前記炭化タングステンの平均粒径が2.
0μm以下である請求項9に記載の塗布装置。 - 【請求項11】前記結合相に炭化モリブデン、炭化バナ
ジウム、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化タンタル
の少なくともいずれかを0.5〜2重量%含有する請求
項10に記載の塗布装置。 - 【請求項12】前記超硬合金の最大磁化強度が、0.1
emu/g以下、あるいは、抗磁力が1エルステッド以
下であり、 前記超硬合金の硬さが、ロックウエル硬度のAスケール
で84.0(HRA)以上である請求項8に記載の塗布
装置。 - 【請求項13】前記塗布工具を前記被塗布体の塗布面に
対して接触および離隔させる移動手段と、 前記被塗布体の塗布面の背面側に配置される磁石とをさ
らに有し、 前記塗布工具が前記被塗布体の塗布面に接触した状態で
の前記磁性塗料の塗布、および、前記塗布工具が前記被
塗布体の塗布面に近接した状態での前記磁石の磁力によ
る前記磁性塗料の塗布のいずれも可能である請求項8に
記載の塗布装置。 - 【請求項14】前記超硬合金で形成された先端部と、前
記先端部を保持する保持部材と、前記先端部を前記保持
部材に締結する締結部材とを有し、 前記保持部材および締結部材が非磁性材料で形成されて
いる請求項8に記載の塗布装置。 - 【請求項15】移動する被塗布体に塗布工具を用いて磁
性塗料を連続的に塗布する塗布方法であって、 少なくとも前記被塗布体の塗布面に接触または接近する
先端部が超硬合金からなり、当該超硬合金が炭化タング
ステンを主成分とする硬質相と、ニッケルおよび炭化ク
ロムを主成分とする結合相とを有し、実質的に非磁性で
ある塗布工具を用いることを特徴とする塗布方法。 - 【請求項16】前記塗布工具を、前記先端部が前記被塗
布体の塗布面に接触した状態での前記磁性塗料の塗布、
および、前記先端部が前記被塗布体の塗布面に近接した
状態での磁力による前記磁性塗料の塗布のいずれにも使
用する請求項15に記載の塗布方法。
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JP2001159316A JP2002346456A (ja) | 2001-05-28 | 2001-05-28 | 塗布装置、塗布方法および塗布工具 |
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JP2001159316A JP2002346456A (ja) | 2001-05-28 | 2001-05-28 | 塗布装置、塗布方法および塗布工具 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008132539A (ja) * | 2006-10-31 | 2008-06-12 | Nippon Tungsten Co Ltd | 塗布工具用先端部材とそれを具備する塗布工具 |
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2001
- 2001-05-28 JP JP2001159316A patent/JP2002346456A/ja active Pending
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