JP2018023954A - 塗工装置 - Google Patents

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【課題】基材シートの一面への均等な塗工厚さでの塗工を、基材シートに欠陥を生じさせず、また塗工形態の如何に拘わらず安定して行わせる。【解決手段】長さ方向に搬送される帯状の基材シート1の裏面に対向配置された裏面塗工ダイ3を備え、この裏面塗工ダイ3のノズル口から吐き出される塗工液を基材シートの裏面に塗工する塗工装置において、裏面塗工ダイ3よりも搬送方向上流側で基材シートの裏面に全幅に亘って転接する調整ロール5と、基材シート1の幅方向両側の張力を検出する張力検出器70と、基材シート1の幅方向両側縁の位置変化を検出する位置検出器71とを備え、張力検出器70及び位置検出器71の検出値に基づいて調整ロール5の位置を調整し、基材シート1の側縁のたるみ及び幅方向両側の張力差を解消するように動作する制御部7を設ける。【選択図】図1

Description

本発明は、長さ方向に搬送される基材シートの片面又は両面に塗工液を塗工する塗工装置に関する。
基材シートの片面又は両面に塗工層が形成された塗工シートは、種々の産業分野において使用されている。例えば、二次電池においては、銅箔、アルミ箔等を基材シートとして用い、この基材シートの両面に、黒鉛、コバルト等の電極材料製の塗工層を形成してなる塗工シートが用いられている。
この種の塗工シートは、帯状をなす基材シートを長さ方向に連続搬送し、搬送経路の途中に設けた塗工装置により基材シートの一面に塗工液を塗工し、その後の乾燥工程を経て塗工液を固化、定着させる手順で製造され、適宜の長さに切断して使用される。塗工装置は、基材シートの搬送経路に対向配置された塗工ダイを備えている。塗工液は、塗工ダイのノズル口から吐出され、該ノズル口に近接対向する基材シートの一面に塗工される。
この塗工装置においては、塗工液の塗工厚さを均等化することが重要であり、この均等化は、塗工ダイのノズル口と基材シートの一面との対向間隔を一定に保つことで実現できる。そこで、搬送中の基材シートの他面に転接して従動回転するバックアップロールを設け、塗工ダイは、バックアップロールに支えられた基材シートに対して位置決めし、両者の対向間隔を一定に保つようにしている。
しかしながら、基材シートの表裏両面に塗工を行う両面塗工装置において、表面の塗工後に実施される裏面の塗工は、塗工済みの表面にバックアップロールを転接させることができないため、バックアップロールによる基材シートの支えなしに実施せざるを得ない。この場合、塗工ダイは、基材シートの搬送経路に対して位置決めされるが、搬送中の基材シートは、バタツキ、たるみ等により搬送経路に対して不可避の変位を伴っており、基材シートと塗工ダイとの対向間隔が変動し、均等な塗工厚さを実現することは難しい。
特許文献1に開示された両面塗工(塗布)装置は、裏面を塗工する塗工ダイの下流側にピンチローラを配し、該ピンチローラにより基材シートの幅方向両側の端縁部分を夫々把持することで基材シートの変位を抑えるように構成されており、この構成により、均等な塗工厚さでの両面塗工が可能となるとされている。
特開2016−7599号公報
しかしながら、特許文献1に開示された両面塗工装置においては、基材シートの両端縁部がピンチロールにより局所的に把持されるため、この把持位置で基材シートの切れ、しわ等の欠陥が生じるという問題がある。また基材シートは、ピンチロールによる把持位置間で幅方向に撓む虞れがあって、幅方向の塗工厚さの分布が不均等になるという問題もある。
更に、ピンチロールによる把持位置は、表裏両面での非塗工部分に限られるため、例えば、基材シートの全幅が塗工部分となる場合等、表面及び裏面に共通する非塗工部分が存在しない場合に対応することはできない。
なお以上の問題は、両面塗工に限らず、例えば、多数の通孔を有するメッシュ状の基材シートを用いた片面塗工の場合等、塗工面の反対側をバックアップロールにより支えることができない場合にも同様に発生する。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、基材シートの一面への均等な塗工厚さでの塗工を、基材シートに欠陥を生じさせず、また塗工形態の如何に拘わらず安定して実施することができる塗工装置を提供することを目的とする。
本開示の一実施形態に係る塗工装置は、長さ方向に搬送される帯状の基材シートの一面に対向配置された塗工ダイを備え、該塗工ダイのノズル口から吐き出される塗工液を前記基材シートの一面に塗工する塗工装置において、前記塗工ダイよりも搬送方向上流側で前記基材シートの一面に全幅に亘って転接し、前記搬送方向への位置調整が可能な調整ロールと、前記基材シートの幅方向両側の張力を検出する張力検出器と、前記基材シートの幅方向両側縁の搬送方向と直交する向きの位置変化を検出する位置検出器と、前記張力検出器による張力検出値及び前記位置検出器による位置検出値に基づいて前記調整ロールの位置を調整し、前記基材シートの側縁のたるみ及び前記基材シートの幅方向両側の張力差を解消すべく動作する制御部とを備える。
調整ロールは、塗工ダイの上流側で基材シートの一面に転接し、制御部の動作により位置調整され、基材シートのたるみ及び幅方向の張力差を解消する。基材シートは、たるみを有さず、また幅方向の張力バランスを保った状態で塗工ダイの配設位置に達し、該塗工ダイによる塗工を、ノズル口と塗工面との対向距離を一定に保って実施することができ、均等な塗工厚さを有する塗工層を形成することができる。調整ロールは、塗工前の基材シートの一面に全幅に亘って転接しており、基材シートに、切れ、しわ等の欠陥を生じさせず、また塗工層に影響を及ぼすこともない。
また前記制御部は、前記位置検出値を用いて前記基材シートの両側縁のたるみを、前記張力検出値を用いて前記基材シートの幅方向両側の張力差を夫々算出し、たるみが生じている場合、生じている側を上流方向に移動させ、たるみが生じていない場合、張力が大きい側を下流方向に移動させるように前記調整ロールの位置を調整する。
基材シートにたるみが生じている場合、調整ロールの位置は、たるみが生じている側を上流方向に移動させるように調整される。基材シートは、たるみが生じている側が上流側に引っ張られ、たるみ状態を解消することができる。一方、基材シートにたるみが生じていない場合、調整ロールの位置は、張力が大きい側を下流方向に移動させるように調整される。基材シートは、張力が大きい側が緩められ、幅方向の張力分布を均等化することができる。従って、塗工ダイの配設位置において、たるみ及び張力差に起因する基材シートの位置変動が抑制され、ノズル口との対向間隔を一定に保って塗工を実施することができる。
また前記塗工ダイのノズル口は、前記基材シートの搬送方向の前後に並ぶ前リップ及び後リップ間に形成されたスリット状の開口であり、前記後リップは、前記前リップよりも前記基材シートの一面に近接させてある。
基材シートの一面に近接対向する後リップは、ノズル口から吐出される塗工液が搬送方向の上流側に漏れ出すことを防止し、搬送方向下流側への塗工液の流れを良好にする作用をなすから、長さ方向に均等な厚さ分布を有する塗工層を形成することができる。
本開示の実施形態においては、基材シートに欠陥を生じさせず、また塗工形態の如何に拘わらず、基材シートの一面への均等な塗工厚さでの塗工を行わせることができる。
実施の形態に係る塗工装置の概略構成を示す斜視図である。 裏面塗工ダイの構成を略示する斜視図である。 裏面塗工ダイによる塗工状態の説明図である。 制御部による位置調整動作の手順を示すフローチャートである。 実施の形態に係る塗工装置により実施した検証試験の説明図である。 検証試験の結果を示す図表である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態に係る塗工装置の概略構成を示す斜視図である。図示の塗工装置は、長さ方向に連続搬送される帯状をなす基材シート1の両面に塗工処理を施す両面塗工装置であり、表面塗工ダイ2、裏面塗工ダイ3、バックアップロール4及び調整ロール5を備えている。
基材シート1は、例えば、銅箔、アルミ箔等の金属箔であり、塗工装置は、この基材シート1の両面に、黒鉛、コバルト等の電極材料を塗工し、二次電池用の塗工シートを製造すべく使用される。
バックアップロール4は、略水平をなす軸周りに回転自在に支持された大径円筒形のロールである。調整ロール5は、小径円筒形のロールであり、揺動台50に回転自在に支持され、バックアップロール4の斜め上方に配置されている。揺動台50は、モータ等を駆動源とする調整機構51の出力端に固定されており、該調整機構51の動作により水平面内で揺動する。調整ロール5は、基台50と共に揺動し、バックアップロール4と平行をなす基準位置から、長さ方向両側を水平面内で互いに逆向きに移動させる位置調整動作が可能である。
基材シート1は、保持ロール(図示せず)から引き出され、図1中に2点鎖線により示す如く、バックアップロール4の外周面の一部に巻き掛けられて方向を変え、更に、基準位置にある調整ロール5の上部外周面に巻き掛けられて略水平方向に向けられ、図中に一部を示す乾燥装置6に導入口60を経て導入されるようにセットされる。このようにセットされた基材シート1は、乾燥装置6の出側に配した送りローラ(図示せず)の回転により送り力を加えられ、バックアップロール4及び調整ロール5による案内下にて、図1中に白抜矢符により示す向きに連続的に搬送される。
表面塗工ダイ2は、バックアップロール4に巻き掛けられた基材シート1に、バックアップロール4への巻き掛け面と逆側の面(表面)から対向するように配置されている。また裏面塗工ダイ3は、調整ロール5の下流側で、該調整ロール5への巻き掛け面と同側の面(裏面)から対向するように配置されている。
図2は、裏面塗工ダイ3の構成を略示する斜視図である。本図に示す如く裏面塗工ダイ3は、一方向に長い直方体の本体部3aと、該本体部3aの一側面に全長に亘って連設されたノズル部31とを備えている。本体部3aの内部には、長手方向に延びる中空の液室30が形成されている。この液室30は、外部に設けられた塗工液の供給源(図示せず)に接続されている。ノズル部3bは、本体部3aから離れるに従ってテーパ状に縮幅する形状を有している。ノズル部3bの先端面には、長手方向に延びるスリット状のノズル口31が2つ並設されており、これらのノズル口31は、各別の連通路を介して本体部3aに設けた液室30に連通されている。
以上の如く構成された裏面塗工ダイ3は、給液源から液室30に送り込まれる塗工液をノズル口31から吐出する作用をなす。ノズル口31は、調整ロール5の下流側に送り出される基材シート1の裏面に下位置から近接対向させてあり、ノズル口31から吐出される塗工液は、調整ロール5の下流側に送り出される基材シート1の裏面に塗工される。
図3は、裏面塗工ダイ3による塗工状態の説明図である。図中の白抜矢符は、塗工対象となる基材シート1の搬送方向を示している。裏面塗工ダイ3のノズル口31は、搬送方向下流側の前リップ31aと、搬送方向上流側の後リップ31bとの間の隙間として形成されている。
ここで、後リップ31bは、前リップ31aよりも高くしてあり、両者間には、図中にδとして示す寸法差が設定してある。また裏面塗工ダイ3のノズル口31は、図3に示す如く、基材シート1の裏面に対して塗工液の吐出方向が垂直となるように対向させればよいが、搬送方向下流側又は上流側に向けてわずかに(2°〜3°程度)傾斜して対向させてもよい。
ノズル口31から吐出される塗工液は、該ノズル口31の上方に沿って搬送される基材シート1の下面(裏面)に塗布されて塗工層10が形成される。前述した如く、ノズル口31を形成する後リップ31bは、前リップ31aよりも高くしてあり、後リップ31bは、前リップ31aよりも基材シート1に近接して位置するから、ノズル口31から吐出される塗工液の上流側への漏れ出しを防止し、また下流側への塗工液の流れを良好にすることができる。なお前リップ31aと後リップ31bとの間の寸法差δは、塗工層10の厚さに応じて、例えば、塗工層10の厚さの1/2程度に設定される。
以上の如きノズル口31の構成及び配置により、連続塗工においては、長さ方向に均等な厚さ分布を有する塗工層10を形成することができ、更に、適宜の長さ毎に欠落部を設ける間欠塗工においては、欠落部の始端及び終端に発生する塗工層10の形状不良を抑制することができる。
塗工層10の厚さは、基材シート1の下面とノズル口31との対向間隔を変更することで調整し得る。この調整は、例えば、調整ロール5を上下方向に移動させることにより実現し得る。また、調整ロール5の上下方向の移動は、調整ロール5の長さ方向(基材シート1の幅方向)の両側で独立して実施可能とすることにより、基材シート1の幅方向における塗工層10の厚さ分布の調整にも利用することができる。
表面塗工ダイ2は、裏面塗工ダイ3と同様の構成を有している。表面塗工ダイ2のノズル口は、バックアップロール4に巻き掛けられた基材シート1の表面に対向させてあり、基材シート1の表面には、表面塗工ダイ2のノズル口から吐出される塗工液により塗工層10が同様に形成される。表面塗工ダイ2は、裏面塗工ダイ3と同様に2つのノズル口を有しており、基材シート1の表面には、表面塗工ダイ2の対向位置の下流側に、図1に示す如く、幅方向に並ぶ2条の塗工層10が形成される。
表面に塗工層10が形成された基材シート1は、裏面に全幅に亘って転接する調整ロール5を経て向きを変え、水平方向に搬送されて裏面塗工ダイ3の対向位置を通過し、基材シート1の裏面には、裏面塗工ダイ3の対向位置の下流側に、表面側の塗工層10と整合する2条の塗工層10が同様に形成される。なお、バックアップロール4の上流側には、基材シート1の幅方向の位置ずれを矯正する公知の位置ずれ矯正装置が設けられており、表裏の塗工層10の形成位置は、この調整機構の動作により整合させることができる。
このようにして表裏両面に塗工層10が形成された基材シート1は、導入口60を経て乾燥装置6に送り込まれる。塗工層10は、乾燥装置6内を通過する間に固化、定着せしめられ、基材シート1の両面に固化した塗工層10を備える塗工シートが製造される。
以上の如き塗工装置の動作において、表面塗工ダイ2による塗工は、バックアップロール4により基材シート1を裏面側から支えて実施されるため、表面塗工ダイ2のノズル口と基材シート1の表面との対向間隔を一定に保つことができ、長さ方向及び幅方向に均等な塗工厚さを実現することができる。
一方、裏面塗工ダイ3による塗工は、バックアップロール4による支えなしに実施されるが、裏面塗工ダイ3のノズル口31に対向する搬送中の基材シート1は、バタツキ、たるみ等により搬送経路に対して不可避の変位を伴っており、裏面塗工ダイ3のノズル口31と基材シート1の裏面との対向間隔が変動することとなる。
裏面塗工ダイ3の上流側に配した調整ロール5は、裏面塗工ダイ3との対向位置での基材シート1の変位を抑制し、裏面塗工ダイ3のノズル口31と基材シート1の裏面との対向間隔を可及的に一定に保つべく設けてある。調整ロール5は、前述の如く、調整機構51の動作により基台50と共に水平面内で揺動する。この揺動により調整ロール5は、長さ方向の一側が基材シート1の搬送方向上流側に移動するとき、他側が搬送方向下流側に移動するように位置調整される。
図1に示す如く、調整機構51には、制御部7の動作指令が与えられており、調整機構51は、制御部7からの動作指令に応じて動作する。制御部7は、CPU、ROM、RAMを備え、ROMに格納された制御プログラムに従うCPUの動作により調整ロール5の位置を調整する。
制御部7には、張力検出器70による張力検出値、及び位置検出器71による位置検出値が夫々与えられている。張力検出器70は、調整ロール5から乾燥装置6に送り込まれる基材シート1の幅方向両側の張力を検出する検出器であり、例えば、基台50に組み込まれたロードセルにより、調整ロール5の両側の支持部に加わる支持反力を検出する構成とすることができる。位置検出器71は、基材シート1の幅方向両側縁の上下方向位置を裏面塗工ダイ3の下流側で検出する検出器であり、例えば、基材シート1の両側縁に上方からレーザ光を照射し、両側縁の相対的な位置変化を検出するレーザ変位計を使用することができる。
図4は、制御部7による位置調整動作の手順を示すフローチャートである。制御部7は、塗工装置の運転開始と共に動作を開始し、張力検出器70による張力検出値及び位置検出器71による位置検出値を取込み(ステップS1)、張力検出値を用いて基材シート1の幅方向両側の張力差を算出し、位置検出値を用いて片たるみ量を算出する(ステップS2)。なお、片たるみ量は、基材シート1の側縁に生じているたるみ量であり、位置検出器71により検出される両側縁の位置間の偏差として、いずれの側に生じているかを含めて算出される。
次いで制御部7は、片たるみの有無を判定し(ステップS3)、片たるみ有りと判定された場合(ステップS3:YES)、調整ロール5の位置を、たるみが生じている側が基材シート1の搬送方向上流側に移動するように調整する(ステップS4)。ステップS3においては、例えば、ステップS2にて算出された片たるみ量が予め定めた閾値を超える場合に片たるみ有りと判定される。ステップS4の調整は、例えば、所定の移動量が得られるように実施してもよく、また片たるみ量に対応する移動量が得られるように実施してもよい。
以上の動作により、基材シート1に片たるみが生じている場合、調整ロール5の前述した位置調整がなされ、たるみが生じている側が上流側に引っ張られることとなり、片たるみ状態を解消することができる。この結果、裏面塗工ダイ3のノズル口31と対向する基材シート1の位置変動を抑制し、両者の対向間隔を一定に保つことができる。
なお、片たるみ量の算出に用いる位置検出器71は、裏面塗工ダイ3と乾燥装置6の導入口60との間の適宜の位置に配設すればよいが、基材シート1のたるみが大きくなる導入口60の近くに配設するのが望ましい。
一方、ステップS3において片たるみ無しと判定された場合(ステップS3:NO)、制御部7は、張力差の有無を判定し(ステップS5)、張力差有りと判定された場合(ステップS5:YES)、調整ロール5の位置を、張力が大きい側が基材シート1の搬送方向下流側に移動するように調整する(ステップS6)。ステップS5では、例えば、ステップS2で算出された張力差が有意差である否かの判定がなされる。ステップS6の調整は、例えば、所定の移動量が得られるように実施してもよく、また張力差に対応する移動量が得られるように実施してもよい。
以上の動作により、基材シート1の幅方向両側の張力に有意差が存在する場合、調整ロール5の前述した位置調整がなされ、張力が大きい側が緩められ、小さい側が逆に引っ張られて、基材シート1の張力を全幅に亘って均等化することができる。この結果、裏面塗工ダイ3の配設位置において、張力差に起因する基材シート1の位置変動を抑制し、裏面塗工ダイ3のノズル口31との対向間隔を一定に保つことができる。
制御部7は、ステップS4又はステップS6での位置調整の後、更には、ステップS5において張力差無しと判定された場合(ステップS5:NO)、運転終了か否かを判定し(ステップS7)、運転終了の判定がなされる(ステップS7:YES)までステップS1〜ステップS6の動作を継続する。
以上の如く、実施の形態に係る塗工装置においては、裏面塗工ダイ3の上流側に配した調整ロール5を備え、該調整ロール5を、基材シート1の両側縁に生じているたるみ、及び基材シート1の幅方向両側の張力差に応じて位置調整するから、バックアップロール4による支えのない位置での裏面塗工ダイ3による塗工を、ノズル口31と塗工面との対向距離を一定に保って実施することができ、長さ方向及び幅方向に均等な塗工厚さを有する塗工層10を形成することができる。
調整ロール5は、基材シート1の全幅に亘って転接しており、基材シート1は、切れ、しわ等の欠陥を生じることなく搬送され、裏面塗工ダイ3による塗工を安定して行わせることができる。また調整ロール5は、塗工前の基材シート1の裏面に転接するから、表裏両面の塗工層10に影響を及ぼす虞れはない。更に裏面塗工ダイ3は、前述した構成及び配置を有しており、ノズル口31からの塗工液の安定した送り出しが可能となるから、これによっても塗工厚さの均等化が実現される。
なお、調整ロール5の前述した位置調整の実施により、基材シート1は幅方向に位置ずれする虞れがあるが、この位置ずれは、バックアップロール4の上流側に前述した位置ずれ矯正装置を設けることで解消し得る。
図5は、実施の形態に係る塗工装置により実施した検証試験の説明図、図6は、検証試験の結果を示す図表である。この検証試験は、PET(ポリエチレンテレフタレート)製の基材シート1の両面に、図5に示す如く2条の塗工層10a、10bを形成し、これらの塗工層10a、10bの夫々を、図5中に○印により示す如く、幅方向の4箇所、及び長さ方向の9箇所(3箇所のみ図示)で基材シート1と共に切り出し、直径20mmの円形のサンプル片11を総計72個取得して、これらのサンプル片11の重量を測定することで塗工層10a、10bの均等性を検証する手順で行った。
図6には、72個のサンプル片11の重量が夫々のサンプル位置と共に示してある。図示の如く、サンプル片11の重量は、最大値110.1gと最小値107.6gとの間にあり、また、塗工層10a、10b間での差異もわずかであり、更に、図表中に網かけして示す6つのサンプル片11以外は、平均値108.9gに対して±1%の誤差範囲内に収まっている。以上の検証試験の結果から、塗工層10a、10bは、夫々の内部、及び相互間で良好な均等性を有していることが確かめられた。
以上の実施の形態は、基材シートの両面を塗工対象とする両面塗工装置への適用例について説明したが、実施の形態の構成は、例えば、多数の通孔を有するメッシュ状の基材シートを塗工対象とする片面塗工装置等、塗工面の反対側をバックアップロールにより支えることができない場合にも適用可能であり、同様の効果が得られる。
なお、今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 基材シート
2 表面塗工ダイ
3 裏面塗工ダイ
5 調整ロール
7 制御部
31 ノズル口
31a 前リップ
31b 後リップ
70 張力検出器
71 位置検出器

Claims (3)

  1. 長さ方向に搬送される帯状の基材シートの一面に対向配置された塗工ダイを備え、該塗工ダイのノズル口から吐き出される塗工液を前記基材シートの一面に塗工する塗工装置において、
    前記塗工ダイよりも搬送方向上流側で前記基材シートの一面に全幅に亘って転接し、前記搬送方向への位置調整が可能な調整ロールと、
    前記基材シートの幅方向両側の張力を検出する張力検出器と、
    前記基材シートの幅方向両側縁の搬送方向と直交する向きの位置変化を検出する位置検出器と、
    前記張力検出器による張力検出値及び前記位置検出器による位置検出値に基づいて前記調整ロールの位置を調整し、前記基材シートの側縁のたるみ及び前記基材シートの幅方向両側の張力差を解消すべく動作する制御部と
    を備えることを特徴とする塗工装置。
  2. 前記制御部は、
    前記位置検出値を用いて前記基材シートの両側縁のたるみを、前記張力検出値を用いて前記基材シートの幅方向両側の張力差を夫々算出し、
    たるみが生じている場合、生じている側を上流方向に移動させ、たるみが生じていない場合、張力が大きい側を下流方向に移動させるように前記調整ロールの位置を調整する請求項1に記載の塗工装置。
  3. 前記塗工ダイのノズル口は、前記基材シートの搬送方向の前後に並ぶ前リップ及び後リップ間に形成されたスリット状の開口であり、前記後リップは、前記前リップよりも前記基材シートの一面に近接させてある請求項1又は請求項2に記載の塗工装置。
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