JP4902561B2 - 搬送装置、搬送方法および成膜装置 - Google Patents
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そこで、搬送時において、プラスチックフィルムなどの基板にキズが付くことを防止するために、段付ローラが用いられている。これ以外にも種々の搬送手段が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1のフィルム搬送ロールは、搬送ロールとプラスチックフィルムの間にエアー等の流体を流すことにより直接プラスチックフィルムとロールが触れることがない構成である。この構成により、特許文献1においては、プラスチックフィルムに対するロール擦れや異物噛み込み等によるプラスチックフィルムに対するキズを防ぐことができる。
真空中の搬送時に基板の幅方向において、搬送速度差が生じた場合、基板にしわ等が生じると、真空中では空気がないことによりローラの基板の保持力が高く、このしわ等が、解消することなく、そのままの状態で基板が、次々に搬送されてしまうという問題点がある。
しわ等がついた状態で搬送された基板は、しわがついた状態のままで成膜、巻き取り等がされることになり、最終製品としては不良品となってしまう。
上述の特許文献1のフィルム搬送ロールを用いても、これは、エアー等の流体を流すものであるため、真空環境下では、チャンバ内の埃などを舞い上げてしまう虞があり、この埃が基板の表面に付着した場合、最終的な製品として不良品になってしまう。このように、埃などの付着による成膜への悪影響が懸念される。さらには、上述の特許文献1のフィルム搬送ロールは、エアー等の流体を流すものであるため、真空チャンバ内の真空度を保持することも困難である。このようなことから、真空中の基板の搬送に、特許文献1のフィルム搬送ロールを用いることは難しい。
さらに、本発明においては、前記補助ローラは、幅出し機能を備えることが好ましい。
さらにまた、本発明においては、前記補助ローラは、垂直方向に移動することにより、前記基板に対して接離することが好ましい。
さらに、本発明においては、前記基板の中央部の一時的な支持は、前記基板を所定の時間搬送した後に外すことが好ましい。
更には、基板の中央部を非接触状態で搬送することができるため、基板の表面にキズがつきやすい層が形成されているものに成膜する場合には、キズに起因する成膜欠陥の発生を抑制できるため、特に好適である。
図1は、本発明の実施形態に係る搬送装置を有する成膜装置を示す模式図である。
本実施形態においては、本発明の搬送装置を成膜装置10の供給室12からの基板Zの送り出しに用いた例について説明する。
成膜装置10は、長尺の基板Z(ウェブ状の基板Z)に連続で成膜を行う装置であって、基本的に、長尺な基板Zを供給する供給室12と、長尺な基板Zに膜を形成する成膜室(チャンバ)14と、膜が形成された長尺な基板Zを巻き取る巻取り室16と、真空排気部32と、制御部36とを有する。この制御部36により、成膜装置10における各要素の動作が制御される。
また、成膜装置10においては、供給室12と成膜室14とを区画する壁15a、および成膜室14と巻取り室16とを区画する壁15bには、基板Zが通過するスリット状の開口15cが形成されている。
真空排気部32は、供給室12、成膜室14および巻取り室16を排気して所定の真空度に保つものであり、ドライポンプおよびターボ分子ポンプなどの真空ポンプを有するものである。また、供給室12、成膜室14および巻取り室16には、それぞれ内部の圧力を測定する圧力センサ(図示せず)が設けられている。
なお、真空排気部32による供給室12、成膜室14および巻取り室16の到達真空度には、特に限定はなく、実施する成膜方法等に応じて、十分な真空度を保てればよい。この真空排気部32は、制御部36により制御される。
基板ロール20は、長尺な基板Zを連続的に送り出すものであり、例えば、反時計回りに基板Zが巻回されている。
基板ロール20は、例えば、駆動源としてモータ(図示せず)が接続されている。このモータによって基板ロール20が基板Zを巻き戻す方向rに回転されて、本実施形態では、時計回りに回転されて、基板Zが連続的に送り出される。
なお、本実施形態の成膜装置10においては、搬送装置50は、基板Zの搬送時における張力を調整するテンションローラとして作用するものであってもよい。
この巻取りロール30は、例えば、駆動源としてモータ(図示せず)が接続されている。このモータにより巻取りロール30が回転されて、成膜済の基板Zが巻き取られる。
巻取りロール30においては、モータによって基板Zを巻き取る方向Rに回転されて、本実施形態では、時計回りに回転されて、成膜済の基板Zを連続的に、例えば、時計回りに巻き取る。
成膜室14は、例えば、ステンレス、アルミニウムまたはアルミニウム合金など、各種の真空チャンバで利用されている材料を用いて構成されている。
ガイドローラ24と、ガイドローラ28とが、所定の間隔を設けて対向して、平行に配置されており、また、ガイドローラ24、およびガイドローラ28は、基板Zの搬送方向Dに対して、その長手方向を直交させて配置されている。
また、ガイドローラ24、ガイドローラ28は、駆動ローラまたは従動ローラでもよい。さらには、ガイドローラ24、ガイドローラ28は、基板Zの搬送時における張力を調整するテンションローラとして作用するローラであってもよい。
このドラム26は、例えば、円筒状を呈し、軸方向に回転軸を有し、回転可能なものである。かつドラム26は、軸方向における長さが基板Zの幅よりも長い。ドラム26においては、基板Zの幅方向における中心と、ドラム26の軸方向の中心とを合わせて、基板Zを、その表面(周面)に巻き掛けた場合、その両側の端部は、基板Zが掛からない領域となる。
ドラム26は、その表面(周面)に基板Zが巻き掛けられて、回転することにより、基板Zを所定の成膜位置に保持しつつ、搬送方向Dに基板Zを搬送するものである。
成膜部40は、気相成膜法のうち、例えば、プラズマCVDを用いて膜を形成するものであり、成膜電極42、高周波電源44、原料ガス供給部46および仕切部48を有する。制御部36により、成膜部40の高周波電源44、および原料ガス供給部46が制御される。
また、成膜電極42は、高周波電源44が接続されており、この高周波電源44により、成膜電極42に高周波電圧が印加される。
本実施形態においては、原料ガスは、例えば、SiO2膜を形成する場合、TEOSガス、および活性種ガスとして酸素ガスが用いられる。
また、原料ガス供給部46においては、原料ガスのみならず、アルゴンガスまたは窒素ガスなどの不活性ガス、および酸素ガス等の活性種ガス等、プラズマCVDで用いられている各種のガスを、原料ガスと共に、隙間Sに供給してもよい。このように、複数種のガスを導入する場合には、各ガスを同じ配管で混合して、成膜電極42の複数の穴を通して隙間Sに供給しても、各ガスを異なる配管から成膜電極42の複数の穴を通して隙間Sに供給してもよい。
さらに、原料ガスまたはその他、不活性ガスおよび活性種ガスの種類または導入量も、形成する膜の種類、または目的とする成膜レート等に応じて、適宜、選択/設定すればよい。
この仕切部48は、例えば、一対の仕切板48aにより構成されており、一対の仕切板48aで、成膜電極42を挟むようにして配置されている。
各仕切板48aは、それぞれドラム26の長さ方向に伸びた板状部材であり、ドラム26側の端部が、成膜電極42とは反対側に折曲している。この仕切部48により、隙間S、すなわち、プラズマ発生空間が、成膜室14内において区画されている。
また、成膜電極42と高周波電源44とは、必要に応じて、インピーダンス整合をとるためのマッチングボックスを介して接続してもよい。
なお、高周波電源44は、プラズマCVDによる成膜に利用される公知の高周波電源を用いることができる。また、高周波電源44は、最大出力等にも、特に限定はなく、形成する膜または成膜レート、除去する反応生成物(堆積物)等に応じて、適宜、選択/設定すればよい。
図2(a)は、図1に示す成膜装置の搬送装置を示す模式的正面図であり、(b)は、図1に示す成膜装置の搬送装置を示す模式的側面図である。
本実施形態においては、基板Zの表面Zfがローラ部62の表面62a側に配置されて搬送される。
段付ローラ60において、回転軸部64は、その回転軸Aが基板Zの搬送方向Dの直交する方向に配置されている。この回転軸部64の両端に、円柱状のローラ部62が設けられている。このローラ部62の表面62aに、基板Zの端部Zeが巻き掛けられる。
また、段付ローラ60は、モータなどの駆動手段(図示せず)により回転されるものである。この駆動手段は、制御部36に接続されており、制御部36により段付ローラ60の回転が制御されて、駆動手段による基板Zの搬送速度などが調節される。
この補助ローラ66は、直径が一定の円筒ローラであり、その回転軸(図示せず)を回転軸部64の回転軸Aと平行にして配置されており、各ローラ部62と回転軸部64とにより構成される凹部αで、かつ回転軸部64の上方に設けられている。
この補助ローラ66は、基板Zの幅方向Wにおける中央部Zcを支持することができるものであれば、その長さは限定されるものではない。
補助ローラ66は、自身を垂直方向Vに移動させるための移動機構(図示せず)が設けられており、この移動機構は、制御部36に接続されている。
制御部36により移動機構を介して補助ローラ66の垂直方向Vにおける位置が制御される。このように、移動機構により、補助ローラ66は、基板Zの表面Zfに対して接離可能となり、補助ローラ66を上方向に移動させて、周面66aを基板Zの表面Zfに接触させることができる。これにより、搬送装置50は、段付ローラ60とともに補助ローラ66を用いて、基板Zを搬送することができる。
本実施形態においては、基板Zを成膜室14に搬送するとき、ローラ部62の表面62aと補助ローラ66の表面66aとが同一平面上に配置されるように補助ローラ66を垂直方向Vに移動させる。そして、基板ロール20から送り出された基板Zがロール部62の表面62aに巻き掛けられ、これにより、基板Zの両側の端部Zeをローラ部62で支持するとともに、基板Zの中央部Zcも補助ローラ66で支持されて搬送される。
このように、基板Zを幅方向Wの全域に亘って支持した状態で、基板Zを搬送することができる。補助ローラ66は、搬送開始直後、一時的に基板Zの中央部Zcを保持するものであり、通常の搬送時には基板Zから離間している。例えば、制御部36により、基板ロール20からの基板Zの送り出し量、または送出し時間に基づいて、補助ローラ66を基板Zから離間させる構成にしてもよい。
また、本実施形態の成膜装置10においては、搬送装置50により搬送された基板Zにしわ、たるみを検出する検出部(図示せず)を供給室12内に設けてもよい。この場合、検出部を制御部36に接続し、制御部36においては、検出部による搬送された基板Zの検出結果、しわ、たるみがない場合には、補助ローラ66を基板Zから外して、段付ローラ60だけで基板Zを搬送するようにしてもよい。
一方、基板Zに、しわ、たるみがある場合には、補助ローラ66を基板Zに接触させた状態とする。
この場合、基板Zの搬送時に、段付ローラ60と、補助ローラ66とで基板Zを搬送し、本実施形態の搬送装置50の如く、基板ロール20からの基板Zの送り出し量、基板ロール20からの基板Zの送出し時間、基板Zの搬送速度、段付ローラ60による搬送時間に基づいて、段付ローラ60を上方に上昇させて補助ローラ66を基板Zの表面Zfから離間させる。これにより、段付ローラ60により基板Zを、しわ、たるみ等がない状態で搬送することができる。
このように、補助ローラ66に、幅出し機能を有するものを用いることにより、基板Zに幅方向Wの張力を与えることができ、しわ、たるみの発生をより一層抑制することができる。
成膜装置10においては、供給室12から成膜室14を経て巻取り室16に至る所定の経路で長尺な基板Zを通した後、供給室12、成膜室14および巻取り室16の内部を真空排気部32により、所定の真空度に保ち、この状態で、供給室12から巻取り室16まで長尺な基板Zを通して搬送しつつ、成膜室14において、基板Zに膜を形成するものである。
次に、長尺な基板Zが、例えば、反時計回り巻回された基板ロール20から搬送装置50を経て、成膜室14に搬送させる。成膜室14においては、ガイドローラ24、ドラム26、ガイドローラ28を経て、巻取り室16に搬送される。巻取り室16においては、ガイドローラ31を経て、巻取りロール30に、長尺な基板Zが巻き取られる。
このとき、基板Zの中央部Zcは、補助ローラ66により支持されているため、基板Zにしわ、たるみ等が発生することも抑制される。
なお、基板Zの搬送開始時に、補助ローラを用いて搬送して、擦れたり、キズがついた場合、またはしわ等の不具合が生じている場合には、例えば、その部分を切断する。
成膜電極42の周囲に電磁波を放射させると、隙間Sで、成膜電極42の近傍に局在化したプラズマが生成され、原料ガスが励起・解離される。これにより、基板Zの表面Zfに、所定の膜が形成される。
このため、製品となる部分に、搬送によるキズなどがつくことが防止される。このことから、基板Zの表面Zfに成膜する場合、キズに起因する成膜欠陥の発生が抑制されるため、品質が良いバリアフィルムなどを製造することができるとともに、歩留まりもよくなり、生産効率を高くすることができる。
更には、基板Zの中央部Zcを非接触状態で搬送することができるため、基板Zの表面Zfにキズがつきやすい層が形成されているもの、または基板Zの表面Zfに膜の形成前に接触すると不具合が生じる膜が形成されているものに成膜する場合には、キズなどに起因する成膜欠陥の発生を抑制できるため、特に好ましい。
図3(a)、(b)に示す搬送装置52は、本実施形態の搬送装置50に比して、補助ローラ66の配置位置が異なるだけであり、それ以外の構成は、本実施形態の搬送装置50と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
この搬送装置52においても、基板Zの搬送開始時に、段付ローラ60と補助ローラ66とで基板Zを搬送し、本実施形態の搬送装置50の如く、基板ロール20からの基板Zの送り出し量、基板ロール20からの基板Zの送出し時間、基板Zの搬送速度、段付ローラ60による搬送時間に基づいて、補助ローラ66を下方に下降させて補助ローラ66を基板Zの表面Zfから離間させる。これにより、段付ローラ60のローラ部62で基板Zの端部Zeを支持して、本実施形態の搬送装置50と同様に、長尺な基板Zを、しわ、たるみ等がない状態で搬送することができる。この搬送装置52も、本実施形態の搬送装置50と同様の効果を得ることができる。
また、搬送装置52の搬送方法は、本実施形態の搬送装置50の搬送方法と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
この構成の場合、搬送装置52においては、基板Zの搬送開始時に、段付ローラ60と補助ローラ66とで基板Zを搬送し、本実施形態の搬送装置50の如く、基板ロール20からの基板Zの送り出し量、基板ロール20からの基板Zの送出し時間、基板Zの搬送速度、段付ローラ60による搬送時間に基づいて、段付ローラ60を上方に上昇させて補助ローラ66を基板Zの表面Zfから離間させる。これにより、段付ローラ60のローラ部62で基板Zの端部Zeを支持して、本実施形態の搬送装置50と同様に、しわ、たるみ等がない状態で搬送することができる。
図4(a)、(b)に示す搬送装置54は、本実施形態の搬送装置50に比して、補助ローラ66に変えて摺動支持部材70が設けられていることが異なるだけであり、それ以外の構成は、本実施形態の搬送装置50と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
この摺動支持部材70は、基板Zの搬送開始時に、基板Zの中央部Zcを、その摺動面70aで摺動しつつ支持するものである。この摺動支持部材70には回動手段(図示せず)が設けられており、この回動手段は、制御部36により制御される。このため、摺動支持部材70も制御部36により、回動されて基板Zに対して接離可能となる。
摺動支持部材70の摺動面70aには、摩擦係数が低く、かつ搬送する基板Zに接しても擦れたり、キズをつけない材質のものが適宜選択されて用いられる。
また、搬送装置54の搬送方法は、本実施形態の搬送装置50の搬送方法と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
この構成の場合、搬送装置54においては、基板Zの搬送時に、段付ローラ60と、摺動支持部材70とで基板Zを搬送し、本実施形態の搬送装置50の如く、基板ロール20からの基板Zの送り出し量、基板ロール20からの基板Zの送出し時間、基板Zの搬送速度、段付ローラ60による搬送時間に基づいて、段付ローラ60を上方に上昇させて補助ローラ66を基板Zの表面Zfから離間させる。これにより、段付ローラ60のローラ部62で基板Zの端部Zeが支持された状態で、段付ローラ60により、長尺な基板Zを、しわ、たるみ等がない状態で搬送することができる。
図5(a)に示す搬送装置56は、本実施形態の搬送装置50に比して、補助ローラ66に代えて、第1の補助ローラ72と第2の補助ローラ74とが、段付ローラ60を挟んで設けられている点が異なるだけであり、それ以外の構成は、本実施形態の搬送装置50と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
段付ローラ60と第1の補助ローラ72との水平方向における距離は、例えば、段付ローラ60のローラ部62の直径の2倍以内であり、段付ローラ60と第2の補助ローラ74との水平方向における距離も、例えば、段付ローラ60のローラ部62の直径の2倍以内である。
制御部36により移動機構を介して第1の補助ローラ72および第2の補助ローラ74は、それぞれ垂直方向Vにおける位置が制御される。この移動機構により、第1の補助ローラ72および第2の補助ローラ74は、基板Zの表面Zfに対して接離可能となり、第1の補助ローラ72および第2の補助ローラ74を上方向に移動させて、周面72a、72bを基板Zの表面Zfに接触させることができる。これにより、搬送装置56においては、段付ローラ60とともに第1の補助ローラ72および第2の補助ローラ74を用いて、基板Zを搬送することができる。
そして、基板Zの搬送開始後に、本実施形態の搬送装置50の如く、基板ロール20からの基板Zの送り出し量、基板ロール20からの基板Zの送出し時間、基板Zの搬送速度、段付ローラ60による搬送時間に基づいて、制御部36により第1の補助ローラ72および第2の補助ローラ74を、それぞれ下方に下げて、基板Zの表面Zfから離間させる。これにより、段付ローラ60のローラ部62で基板Zの端部Ze(図2(a)参照)が支持された状態で、段付ローラ60により、長尺な基板Zを、しわ、たるみ等がない状態で搬送することができる。
この搬送装置56においても、本実施形態の搬送装置50と同様の効果を得ることができる。
このように、第1の補助ローラ72と第2の補助ローラ74に、幅出し機能を有するものを用いることにより、基板Zに幅方向Wの張力を与えることができ、しわ、たるみの発生をより一層抑制することができる。
図5(b)に示す搬送装置58は、本実施形態の搬送装置50に比して、補助ローラ66に代えて、第1の補助ローラ76と第2の補助ローラ78とが段付ローラ80を挟んで設けられている点、および段付ローラ80が垂直方向Vに移動可能である点が異なるだけであり、それ以外の構成は、本実施形態の搬送装置50と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
そして、基板Zの搬送開始後に、本実施形態の搬送装置50の如く、基板ロール20からの基板Zの送り出し量、基板ロール20からの基板Zの送出し時間、基板Zの搬送速度、段付ローラ60による搬送時間に基づいて、制御部36により段付ローラ80を、上方に上げて、第1の補助ローラ76および第2の補助ローラ78の各周面72a、72bを基板Zの表面Zfから離間させる。このようにして、段付ローラ60のローラ部62で基板Zの端部Ze(図2(a)参照)が支持された状態で、段付ローラ60により、長尺な基板Zを、しわ、たるみ等がない状態で搬送することができる。
この搬送装置58においても、本実施形態の搬送装置50と同様の効果を得ることができる。
このように、第1の補助ローラ76と第2の補助ローラ78に、幅出し機能を有するものを用いることにより、基板Zに幅方向Wの張力を与えることができ、しわ、たるみの発生をより一層抑制することができる。
12 供給室
14 成膜室
16 巻取り室
20 基板ロール
24,28,31 ガイドローラ
30 巻取りロール
32 真空排気部
36 制御部
40 成膜部
42 成膜電極
44 高周波電源
46 原料ガス供給部
50,52,54,56,58 搬送装置
60,80 段付ローラ
62 ローラ部
64 回転軸部
66 補助ローラ
70 摺動支持部材
72,76 第1の補助ローラ
74,78 第2の補助ローラ
D 搬送方向
Z 基板
Claims (10)
- 長尺の基板を真空中で搬送する搬送装置であって、
前記基板の搬送方向と直交する幅方向に回転軸を有する回転軸部と、前記回転軸部の両端に設けられ、前記基板が巻き掛けられるローラ部とを備える回転可能な段付きローラと、
前記ローラ部に巻き掛けられた前記基板のうち、少なくとも前記回転軸部の上方を搬送される部分に接離可能であり、前記基板に接して前記基板を支持して前記基板の搬送を補助する搬送補助手段と、
前記段付きローラの回転を制御するとともに、前記搬送補助手段の前記基板への接離を制御する制御部とを有し、
前記基板を前記段付きローラのローラ部に巻き掛けて搬送する際、少なくとも前記回転軸部の上方を搬送される部分を一時的に、前記搬送補助手段で支持して搬送した後、前記搬送補助手段による支持を外して、前記基板を搬送することを特徴とする搬送装置。 - 前記搬送補助手段は、前記段付ローラの前記各ローラ部と前記回転軸部により構成される凹部、または前記段付きローラの前記基板の搬送方向の上流側もしくは下流側に、少なくとも1つ設けられた補助ローラであり、
前記補助ローラは、前記基板に対して接離可能であり、前記補助ローラの前記基板への接離は、前記制御部により制御される請求項1に記載の搬送装置。 - 前記搬送補助手段は、前記段付ローラの前記各ローラ部と前記回転軸部より構成される凹部、または前記段付きローラの前記基板の搬送方向の上流側もしくは下流側に、少なくとも1つ設けられた補助摺動部材であり、
前記補助摺動部材は、前記基板に対して接離可能であり、前記補助摺動部材の前記基板への接離は、前記制御部により制御される請求項1に記載の搬送装置。 - 前記補助ローラは、幅出し機能を備える請求項2に記載の搬送装置。
- 前記補助ローラは、垂直方向に移動することにより、前記基板に対して接離する請求項2または4に記載の搬送装置。
- 前記補助ローラは、前記段付ローラのローラ部に巻き掛けられた基板が、前記段付ローラのローラ部から離間する位置まで上昇可能である請求項2、4または5に記載の搬送装置。
- 長尺の基板を真空中で、前記基板の搬送方向と直交する幅方向の両側の端部を支持して搬送する搬送方法であって、
前記基板の前記両側の端部を支持して搬送する際、前記基板の前記幅方向の中央部を一時的に支持して搬送した後、前記中央部の支持を外して、前記基板の前記両側の端部を支持して搬送することを特徴とする搬送方法。 - 前記基板の中央部の一時的な支持は、前記基板の搬送速度が、所定の速度に達した時に外す請求項7に記載の搬送方法。
- 前記基板の中央部の一時的な支持は、前記基板を所定の時間搬送した後に外す請求項7に記載の搬送方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の搬送装置を有することを特徴する成膜装置。
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