JP4902561B2 - 搬送装置、搬送方法および成膜装置 - Google Patents

搬送装置、搬送方法および成膜装置 Download PDF

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本発明は、真空中で長尺な基板を搬送する搬送装置、搬送方法および成膜装置に関し、特に、長尺な基板を、しわ等を発生させることなく真空中を搬送することができる搬送装置、搬送方法および成膜装置に関する。
長尺なプラスチックフィルム製の基板を搬送する場合、基板の表面が擦れたりするなどして傷がついてしまうことがある。このように搬送時に基板の表面に傷がつくことは、最終的に得られる製品の品質を低下させることになり好ましくない。
そこで、搬送時において、プラスチックフィルムなどの基板にキズが付くことを防止するために、段付ローラが用いられている。これ以外にも種々の搬送手段が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1のフィルム搬送ロールは、搬送ロールとプラスチックフィルムの間にエアー等の流体を流すことにより直接プラスチックフィルムとロールが触れることがない構成である。この構成により、特許文献1においては、プラスチックフィルムに対するロール擦れや異物噛み込み等によるプラスチックフィルムに対するキズを防ぐことができる。
特開2000−86032号公報
例えば、長尺なプラスチックフィルム製の基板の表面に、薄膜を形成する場合、真空中を長尺なプラスチックフィルム製の基板を、ローラを用いて搬送することがある。
真空中の搬送時に基板の幅方向において、搬送速度差が生じた場合、基板にしわ等が生じると、真空中では空気がないことによりローラの基板の保持力が高く、このしわ等が、解消することなく、そのままの状態で基板が、次々に搬送されてしまうという問題点がある。
しわ等がついた状態で搬送された基板は、しわがついた状態のままで成膜、巻き取り等がされることになり、最終製品としては不良品となってしまう。
基板の表面に傷をつけたくない場合に、段付きローラを用いて基板の幅方向の両端を支持して搬送することがある。この場合においては、基板の幅方向の中央部がたわみやすくなり、しわ等が発生しやくなる。特に、真空中では、上述のように、しわ等が解消することが起こりにくい。
上述の特許文献1のフィルム搬送ロールを用いても、これは、エアー等の流体を流すものであるため、真空環境下では、チャンバ内の埃などを舞い上げてしまう虞があり、この埃が基板の表面に付着した場合、最終的な製品として不良品になってしまう。このように、埃などの付着による成膜への悪影響が懸念される。さらには、上述の特許文献1のフィルム搬送ロールは、エアー等の流体を流すものであるため、真空チャンバ内の真空度を保持することも困難である。このようなことから、真空中の基板の搬送に、特許文献1のフィルム搬送ロールを用いることは難しい。
本発明の目的は、前記従来技術に基づく問題点を解消し、長尺な基板を、しわ等を発生させることなく、真空中で搬送することができる搬送装置、搬送方法および成膜装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、長尺の基板を真空中で搬送する搬送装置であって、前記基板の搬送方向と直交する幅方向に回転軸を有する回転軸部と、前記回転軸部の両端に設けられ、前記基板が巻き掛けられるローラ部とを備える回転可能な段付きローラと、前記ローラ部に巻き掛けられた前記基板のうち、少なくとも前記回転軸部の上方を搬送される部分に接離可能であり、前記基板に接して前記基板を支持して前記基板の搬送を補助する搬送補助手段と、前記段付きローラの回転を制御するとともに、前記搬送補助手段の前記基板への接離を制御する制御部とを有し、前記基板を前記段付きローラのローラ部に巻き掛けて搬送する際、少なくとも前記回転軸部の上方を搬送される部分を一時的に、前記搬送補助手段で支持して搬送した後、前記搬送補助手段による支持を外して、前記基板を搬送することを特徴とする搬送装置を提供するものである。
本発明の成膜装置において、前記搬送補助手段は、前記段付ローラの前記各ローラ部と前記回転軸部により構成される凹部、または前記段付きローラの前記基板の搬送方向の上流側もしくは下流側に、少なくとも1つ設けられた補助ローラであり、前記補助ローラは、前記基板に対して接離可能であり、前記補助ローラの前記基板への接離は、前記制御部により制御されることが好ましい。
また、本発明においては、前記搬送補助手段は、前記段付ローラの前記各ローラ部と前記回転軸部より構成される凹部、または前記段付きローラの前記基板の搬送方向の上流側もしくは下流側に、少なくとも1つ設けられた補助摺動部材であり、前記補助摺動部材は、前記基板に対して接離可能であり、前記補助摺動部材の前記基板への接離は、前記制御部により制御されることが好ましい。
さらに、本発明においては、前記補助ローラは、幅出し機能を備えることが好ましい。
さらにまた、本発明においては、前記補助ローラは、垂直方向に移動することにより、前記基板に対して接離することが好ましい。
また、本発明においては、前記補助ローラは、前記段付ローラのローラ部に巻き掛けられた基板が、前記段付ローラのローラ部から離間する位置まで上昇可能であることが好ましい。
本発明の第2の態様は、長尺の基板を真空中で、前記基板の搬送方向と直交する幅方向の両側の端部を支持して搬送する搬送方法であって、前記基板の前記両側の端部を支持して搬送する際、前記基板の前記幅方向の中央部を一時的に支持して搬送した後、前記中央部の支持を外して、前記基板の前記両側の端部を支持して搬送することを特徴とする搬送方法を提供するものである。
また、本発明においては、前記基板の中央部の一時的な支持は、前記基板の搬送速度が、所定の速度に達した時に外すことが好ましい。
さらに、本発明においては、前記基板の中央部の一時的な支持は、前記基板を所定の時間搬送した後に外すことが好ましい。
本発明の第3の態様は、本発明の第1の態様の搬送装置を有する成膜装置を提供するものである。
本発明の搬送装置によれば、段付きローラによる基板の搬送を補助する搬送補助手段を、制御部により基板に対して接離可能に設け、基板を段付きローラのローラ部に巻き掛けて搬送する際、少なくとも回転軸部の上方を搬送される部分を一時的に、搬送補助手段で支持して搬送した後、搬送補助手段による支持を外して基板を搬送することにより、真空中をしわ、たるみ等がない状態で基板を搬送することができ、しかも最終的な製品として使用されることが多い基板の中央部を非接触状態で搬送することができる。このため、製品となる部分に、搬送によるキズなどがつくことが防止される。このことから、基板の表面にキズがつきやすい層が形成されている場合には、本発明の搬送装置による搬送が、特に好適である。
また、本発明の搬送方法によれば、基板の両側の端部を支持して搬送する際、基板の幅方向の中央部を一時的に支持して搬送した後、中央部の支持を外して、基板の前記両側の端部を支持して搬送することにより、真空中をしわ、たるみ等がない状態で基板を搬送することができ、しかも最終的な製品として使用されることが多い基板の中央部を非接触状態で搬送することができる。このため、製品となる部分に、搬送によるキズなどがつくことが防止される。このことから、基板の表面にキズがつきやすい層が形成されている場合には、本発明の搬送方法は、特に好適である。
さらに、本発明の成膜装置によれば、最終的な製品として使用されることが多い基板の中央部を非接触状態で搬送することができる。このため、製品となる部分に、搬送によるキズなどがつくことが防止される。このことから、基板の表面に成膜する場合、キズに起因する成膜欠陥の発生が抑制されるため、品質が良いものを製造することができるとともに、歩留まりもよくなり、生産効率を高くすることができる。
更には、基板の中央部を非接触状態で搬送することができるため、基板の表面にキズがつきやすい層が形成されているものに成膜する場合には、キズに起因する成膜欠陥の発生を抑制できるため、特に好適である。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の搬送装置、搬送方法および成膜装置を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る搬送装置を有する成膜装置を示す模式図である。
本実施形態においては、本発明の搬送装置を成膜装置10の供給室12からの基板Zの送り出しに用いた例について説明する。
図1に示す成膜装置10は、磁気記録媒体の製造、光学膜の製造、またはガスバリアフィルムの製造等に利用されるものである。
成膜装置10は、長尺の基板Z(ウェブ状の基板Z)に連続で成膜を行う装置であって、基本的に、長尺な基板Zを供給する供給室12と、長尺な基板Zに膜を形成する成膜室(チャンバ)14と、膜が形成された長尺な基板Zを巻き取る巻取り室16と、真空排気部32と、制御部36とを有する。この制御部36により、成膜装置10における各要素の動作が制御される。
また、成膜装置10においては、供給室12と成膜室14とを区画する壁15a、および成膜室14と巻取り室16とを区画する壁15bには、基板Zが通過するスリット状の開口15cが形成されている。
成膜装置10においては、供給室12、成膜室14および巻取り室16には、真空排気部32が配管34を介して接続されている。この真空排気部32により、供給室12、成膜室14および巻取り室16の内部が所定の真空度にされる。
真空排気部32は、供給室12、成膜室14および巻取り室16を排気して所定の真空度に保つものであり、ドライポンプおよびターボ分子ポンプなどの真空ポンプを有するものである。また、供給室12、成膜室14および巻取り室16には、それぞれ内部の圧力を測定する圧力センサ(図示せず)が設けられている。
なお、真空排気部32による供給室12、成膜室14および巻取り室16の到達真空度には、特に限定はなく、実施する成膜方法等に応じて、十分な真空度を保てればよい。この真空排気部32は、制御部36により制御される。
供給室12は、長尺な基板Zを供給する部位であり、基板ロール20、および搬送装置50が設けられている。
基板ロール20は、長尺な基板Zを連続的に送り出すものであり、例えば、反時計回りに基板Zが巻回されている。
基板ロール20は、例えば、駆動源としてモータ(図示せず)が接続されている。このモータによって基板ロール20が基板Zを巻き戻す方向rに回転されて、本実施形態では、時計回りに回転されて、基板Zが連続的に送り出される。
搬送装置50は、基板Zを所定の搬送経路で成膜室14に案内するものである。この搬送装置50については、後に詳細に説明する。
なお、本実施形態の成膜装置10においては、搬送装置50は、基板Zの搬送時における張力を調整するテンションローラとして作用するものであってもよい。
本発明の成膜装置において、基板Zは、特に限定されるものではなく、気相成膜法による膜の形成が可能な各種の基板が全て利用可能である。基板Zとしては、例えば、PETフィルム等の各種の樹脂フィルム、またはアルミニウムシートなどの各種の金属シート等を用いることができる。更には、樹脂フィルムの表面に、有機層が形成されているものであってもよい。
巻取り室16は、後述するように、成膜室14で、表面Zfに膜が形成された基板Zを巻き取る部位であり、巻取りロール30、およびガイドローラ31が設けられている。
巻取りロール30は、成膜された基板Zをロール状に、例えば、時計回りに巻き取るものである。
この巻取りロール30は、例えば、駆動源としてモータ(図示せず)が接続されている。このモータにより巻取りロール30が回転されて、成膜済の基板Zが巻き取られる。
巻取りロール30においては、モータによって基板Zを巻き取る方向Rに回転されて、本実施形態では、時計回りに回転されて、成膜済の基板Zを連続的に、例えば、時計回りに巻き取る。
ガイドローラ31は、成膜室14から搬送された基板Zを、所定の搬送経路で巻取りロール30に案内するものである。このガイドローラ31は、公知のガイドローラにより構成される。なお、ガイドローラ31は、駆動ローラまたは従動ローラでもよく、また、ガイドローラ31は、テンションローラとして作用するローラであってもよい。
成膜室14は、真空チャンバとして機能するものであり、基板Zを搬送しつつ連続的に、基板Zの表面Zfに、気相成膜法のうち、例えば、プラズマCVDによって、膜を形成する部位である。
成膜室14は、例えば、ステンレス、アルミニウムまたはアルミニウム合金など、各種の真空チャンバで利用されている材料を用いて構成されている。
成膜室14には、2つのガイドローラ24、28と、ドラム26と、成膜部40とが設けられている。
ガイドローラ24と、ガイドローラ28とが、所定の間隔を設けて対向して、平行に配置されており、また、ガイドローラ24、およびガイドローラ28は、基板Zの搬送方向Dに対して、その長手方向を直交させて配置されている。
ガイドローラ24は、供給室12に設けられた搬送装置50から搬送された基板Zをドラム26に搬送するものである。このガイドローラ24は、例えば、基板Zの搬送方向Dと直交する方向に回転軸を有し回転可能であり、かつガイドローラ24は、軸方向の長さが基板Zの長さ(以下、基板Zの幅という)よりも長い。
ガイドローラ28は、ドラム26に巻き掛けられた基板Zを巻取り室16に設けられたガイドローラ31に搬送するものである。このガイドローラ28は、例えば、軸方向に回転軸を有し回転可能であり、かつガイドローラ28は、軸方向の長さが基板Zの幅よりも長い。
また、ガイドローラ24、ガイドローラ28は、駆動ローラまたは従動ローラでもよい。さらには、ガイドローラ24、ガイドローラ28は、基板Zの搬送時における張力を調整するテンションローラとして作用するローラであってもよい。
ドラム26は、ガイドローラ24と、ガイドローラ28との間の空間Hの下方に設けられている。ドラム26は、その長手方向を、ガイドローラ24およびガイドローラ28の長手方向に対して平行にして配置されている。さらには、ドラム26は接地されている。
このドラム26は、例えば、円筒状を呈し、軸方向に回転軸を有し、回転可能なものである。かつドラム26は、軸方向における長さが基板Zの幅よりも長い。ドラム26においては、基板Zの幅方向における中心と、ドラム26の軸方向の中心とを合わせて、基板Zを、その表面(周面)に巻き掛けた場合、その両側の端部は、基板Zが掛からない領域となる。
ドラム26は、その表面(周面)に基板Zが巻き掛けられて、回転することにより、基板Zを所定の成膜位置に保持しつつ、搬送方向Dに基板Zを搬送するものである。
図1に示すように、成膜部40は、ドラム26の下方に設けられており、基板Zがドラム26に巻き掛けられた状態で、ドラム26が回転して、基板Zが搬送方向Dに搬送されつつ、基板Zの表面Zfに膜を形成するものである。
成膜部40は、気相成膜法のうち、例えば、プラズマCVDを用いて膜を形成するものであり、成膜電極42、高周波電源44、原料ガス供給部46および仕切部48を有する。制御部36により、成膜部40の高周波電源44、および原料ガス供給部46が制御される。
成膜部40においては、成膜室14の下方に、ドラム26において基板Zが巻き掛けられる領域に対向して、所定の隙間Sを設けて成膜電極42が設けられている。成膜電極42は、例えば、平面視長方形の平板状に形成されており、広い面に複数の穴(図示せず)が等間隔で形成されている。成膜電極42は、この広い面をドラム26に向けて配置されている。この成膜電極42は、一般的にシャワー電極と呼ばれるものである。
また、成膜電極42は、高周波電源44が接続されており、この高周波電源44により、成膜電極42に高周波電圧が印加される。
原料ガス供給部46は、例えば、配管47を介して、成膜電極42の複数の穴を通して隙間Sに、膜を形成する原料ガスを供給するものである。ドラム26と成膜電極42との隙間Sがプラズマの発生空間になる。
本実施形態においては、原料ガスは、例えば、SiO膜を形成する場合、TEOSガス、および活性種ガスとして酸素ガスが用いられる。
原料ガス供給部46は、プラズマCVD装置で用いられている各種のガス導入手段が利用可能である。
また、原料ガス供給部46においては、原料ガスのみならず、アルゴンガスまたは窒素ガスなどの不活性ガス、および酸素ガス等の活性種ガス等、プラズマCVDで用いられている各種のガスを、原料ガスと共に、隙間Sに供給してもよい。このように、複数種のガスを導入する場合には、各ガスを同じ配管で混合して、成膜電極42の複数の穴を通して隙間Sに供給しても、各ガスを異なる配管から成膜電極42の複数の穴を通して隙間Sに供給してもよい。
さらに、原料ガスまたはその他、不活性ガスおよび活性種ガスの種類または導入量も、形成する膜の種類、または目的とする成膜レート等に応じて、適宜、選択/設定すればよい。
仕切部48(区画部)は、成膜電極42を成膜室14内において区画するものである。
この仕切部48は、例えば、一対の仕切板48aにより構成されており、一対の仕切板48aで、成膜電極42を挟むようにして配置されている。
各仕切板48aは、それぞれドラム26の長さ方向に伸びた板状部材であり、ドラム26側の端部が、成膜電極42とは反対側に折曲している。この仕切部48により、隙間S、すなわち、プラズマ発生空間が、成膜室14内において区画されている。
成膜電極42は、平板状に限定されるものではなく、例えば、ドラム26の軸方向に分割した複数の電極を配列した構成等、プラズマCVDによる成膜が可能なものであれば、各種の電極の構成が利用可能である。なお、基板Zに対する電界およびプラズマなどの均一性等の点で、成膜電極42は、本実施形態のような平面視長方形の平板状のシャワー電極であることが好ましい。
また、成膜電極42と高周波電源44とは、必要に応じて、インピーダンス整合をとるためのマッチングボックスを介して接続してもよい。
また、ドラム26には、温度を調節する温度調節部(図示せず)を設けてもよい。この温度調節部は、例えば、ドラム26の中心に設けられるヒータである。
なお、高周波電源44は、プラズマCVDによる成膜に利用される公知の高周波電源を用いることができる。また、高周波電源44は、最大出力等にも、特に限定はなく、形成する膜または成膜レート、除去する反応生成物(堆積物)等に応じて、適宜、選択/設定すればよい。
次に、本実施形態の搬送装置50について説明する。
図2(a)は、図1に示す成膜装置の搬送装置を示す模式的正面図であり、(b)は、図1に示す成膜装置の搬送装置を示す模式的側面図である。
図2(a)に示すように、搬送装置50は、段付ローラ60と、補助ローラ66(搬送補助手段)とを有する。段付ローラ60は、基板Zの幅方向Wにおける端部Zeの両側を支持して搬送するものであり、ローラ部62および回転軸部64を備える。
本実施形態においては、基板Zの表面Zfがローラ部62の表面62a側に配置されて搬送される。
段付ローラ60において、回転軸部64は、その回転軸Aが基板Zの搬送方向Dの直交する方向に配置されている。この回転軸部64の両端に、円柱状のローラ部62が設けられている。このローラ部62の表面62aに、基板Zの端部Zeが巻き掛けられる。
また、段付ローラ60は、モータなどの駆動手段(図示せず)により回転されるものである。この駆動手段は、制御部36に接続されており、制御部36により段付ローラ60の回転が制御されて、駆動手段による基板Zの搬送速度などが調節される。
補助ローラ66は、段付ローラ60による基板Zの搬送開始時に、一時的に基板Zの搬送を補助するものであり、基板Zの表面Zfに対して接離可能に設けられている。
この補助ローラ66は、直径が一定の円筒ローラであり、その回転軸(図示せず)を回転軸部64の回転軸Aと平行にして配置されており、各ローラ部62と回転軸部64とにより構成される凹部αで、かつ回転軸部64の上方に設けられている。
この補助ローラ66は、基板Zの幅方向Wにおける中央部Zcを支持することができるものであれば、その長さは限定されるものではない。
補助ローラ66は、自身を垂直方向Vに移動させるための移動機構(図示せず)が設けられており、この移動機構は、制御部36に接続されている。
制御部36により移動機構を介して補助ローラ66の垂直方向Vにおける位置が制御される。このように、移動機構により、補助ローラ66は、基板Zの表面Zfに対して接離可能となり、補助ローラ66を上方向に移動させて、周面66aを基板Zの表面Zfに接触させることができる。これにより、搬送装置50は、段付ローラ60とともに補助ローラ66を用いて、基板Zを搬送することができる。
本実施形態の搬送装置50は、供給室12内に設けられており、真空環境下で使用されるものである。
本実施形態においては、基板Zを成膜室14に搬送するとき、ローラ部62の表面62aと補助ローラ66の表面66aとが同一平面上に配置されるように補助ローラ66を垂直方向Vに移動させる。そして、基板ロール20から送り出された基板Zがロール部62の表面62aに巻き掛けられ、これにより、基板Zの両側の端部Zeをローラ部62で支持するとともに、基板Zの中央部Zcも補助ローラ66で支持されて搬送される。
このように、基板Zを幅方向Wの全域に亘って支持した状態で、基板Zを搬送することができる。補助ローラ66は、搬送開始直後、一時的に基板Zの中央部Zcを保持するものであり、通常の搬送時には基板Zから離間している。例えば、制御部36により、基板ロール20からの基板Zの送り出し量、または送出し時間に基づいて、補助ローラ66を基板Zから離間させる構成にしてもよい。
なお、搬送装置50においては、段付ローラ60を回転させる駆動手段による段付ローラ60の回転数を測定するセンサ(図示せず)を設け、このセンサを制御部36に接続し、制御部36において、センサからの段付ローラ60の回転数に基づいて基板Zの搬送速度を算出する構成としてもよい。この場合、基板Zの搬送開始時から順次、所定の搬送速度となるように、制御部36で段付ローラ60の回転数を制御部36で制御する。このような構成で、所定の搬送速度に達した時に、補助ローラ66を下方に下げて、基板Zの中央部Zcの一時的な支持を外して、段付ローラ60だけで、基板Zの両側の端部Zeをローラ部62で支持して基板Zを搬送するようにしてもよい。
また、搬送装置50においては、段付ローラ60を回転させた時間を制御部36で測定しておき、この時間を基板Zを搬送した時間とし、基板Zの搬送開始時から所定の時間搬送した後に、補助ローラ66を下方に下げて、基板Zの中央部Zcの一時的な支持を外して、段付ローラ60だけで基板Zを搬送するようにしてもよい。
また、本実施形態の成膜装置10においては、搬送装置50により搬送された基板Zにしわ、たるみを検出する検出部(図示せず)を供給室12内に設けてもよい。この場合、検出部を制御部36に接続し、制御部36においては、検出部による搬送された基板Zの検出結果、しわ、たるみがない場合には、補助ローラ66を基板Zから外して、段付ローラ60だけで基板Zを搬送するようにしてもよい。
一方、基板Zに、しわ、たるみがある場合には、補助ローラ66を基板Zに接触させた状態とする。
なお、本実施形態において、搬送装置50は、補助ローラ66を垂直方向Vに移動させる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、図2(b)に示すように、補助ローラ66を基板Zの表面Zfに接した状態で、その位置を固定し、段付ローラ60を垂直方向に移動可能な構成としてもよい。
この場合、基板Zの搬送時に、段付ローラ60と、補助ローラ66とで基板Zを搬送し、本実施形態の搬送装置50の如く、基板ロール20からの基板Zの送り出し量、基板ロール20からの基板Zの送出し時間、基板Zの搬送速度、段付ローラ60による搬送時間に基づいて、段付ローラ60を上方に上昇させて補助ローラ66を基板Zの表面Zfから離間させる。これにより、段付ローラ60により基板Zを、しわ、たるみ等がない状態で搬送することができる。
また、本実施形態においては、補助ローラ66は、直径が一定の円筒ローラに限定されるものではない。補助ローラ66は、例えば、基板Zの幅方向Wに張力を与え、基板Zの搬送時における幅を一定幅にする機能を有する、すなわち、幅出し機能を備えるものであってもよい。この幅出し機能を備える補助ローラ66の形態としては、例えば、逆クラウン形状のローラまたは鼓形状のローラと呼ばれるコンケーブローラ(凹面ローラ)である。幅出し機能を備えるものとしては、これ以外にも、端部だけが基板Zに接触するローラを、その回転軸(図示せず)を回転軸部64の回転軸Aに対して傾けて(ニップローラが末広がりになるように)配置し、基板Zの端部Zeでニップさせる構成でもよい。
このように、補助ローラ66に、幅出し機能を有するものを用いることにより、基板Zに幅方向Wの張力を与えることができ、しわ、たるみの発生をより一層抑制することができる。
次に、本実施形態の成膜装置10の動作について説明する。
成膜装置10においては、供給室12から成膜室14を経て巻取り室16に至る所定の経路で長尺な基板Zを通した後、供給室12、成膜室14および巻取り室16の内部を真空排気部32により、所定の真空度に保ち、この状態で、供給室12から巻取り室16まで長尺な基板Zを通して搬送しつつ、成膜室14において、基板Zに膜を形成するものである。
成膜装置10においては、成膜室14および巻取り室16の内部を真空排気部32により、所定の真空度にする。
次に、長尺な基板Zが、例えば、反時計回り巻回された基板ロール20から搬送装置50を経て、成膜室14に搬送させる。成膜室14においては、ガイドローラ24、ドラム26、ガイドローラ28を経て、巻取り室16に搬送される。巻取り室16においては、ガイドローラ31を経て、巻取りロール30に、長尺な基板Zが巻き取られる。
搬送装置50においては、基板Zの両端の端部Zeをそれぞれロール部62で支持するとともに、基板Zの中央部Zcを補助ローラ66で支持した状態で、基板Zを搬送する。
このとき、基板Zの中央部Zcは、補助ローラ66により支持されているため、基板Zにしわ、たるみ等が発生することも抑制される。
本実施形態においては、真空中で基板Zが搬送されるため、ローラ部62による基板Zの保持力が高く、しわ、たるみ等がない状態で基板Zが搬送されると、その状態が維持される。このことから、補助ローラ66を外しても、しわ、たるみ等がない状態で搬送される。このようにして、成膜室14に、基板Zに、しわ、たるみ等がない状態で、基板Zを搬送できる。
なお、基板Zの搬送開始時に、補助ローラを用いて搬送して、擦れたり、キズがついた場合、またはしわ等の不具合が生じている場合には、例えば、その部分を切断する。
このように、基板Zを、しわ、たるみ等がない状態で、搬送できることを確認した後、次に、成膜部40において、成膜電極42に、高周波電源44から高周波電圧を印加するとともに、原料ガス供給部46から配管47を介して隙間Sに、膜を形成するための原料ガスを供給する。
成膜電極42の周囲に電磁波を放射させると、隙間Sで、成膜電極42の近傍に局在化したプラズマが生成され、原料ガスが励起・解離される。これにより、基板Zの表面Zfに、所定の膜が形成される。
順次、長尺な基板Zが反時計回り巻回された基板ロール20をモータにより時計回りに回転させて、長尺な基板Zを連続的に送り出し、搬送装置50およびガイドローラ24によりドラム26で基板Zをプラズマが生成される位置に保持しつつ、ドラム26を所定の速度で回転させて、成膜部40により長尺な基板Zの表面Zfに連続的に膜を形成する。そして、ガイドローラ28、およびガイドローラ31を経て、巻取りロール30に、成膜された長尺な基板Zが巻き取られる。このようにして、搬送によるキズ、しわ、たるみなどがない基板Zの表面Zfに所定の膜を形成することができる。
本実施形態においては、搬送開始直後は補助ローラ66を用いているが、しわ、たるみ等がない状態となった後には、真空中を、段付ローラ60で基板Zの両側の端部Zeを支持して基板Zを搬送するため、基板Zの中央部Zcは、非接触状態で搬送される。このように、最終的な製品として使用されることが多い基板Zの中央部Zcを非接触状態で搬送できる。
このため、製品となる部分に、搬送によるキズなどがつくことが防止される。このことから、基板Zの表面Zfに成膜する場合、キズに起因する成膜欠陥の発生が抑制されるため、品質が良いバリアフィルムなどを製造することができるとともに、歩留まりもよくなり、生産効率を高くすることができる。
更には、基板Zの中央部Zcを非接触状態で搬送することができるため、基板Zの表面Zfにキズがつきやすい層が形成されているもの、または基板Zの表面Zfに膜の形成前に接触すると不具合が生じる膜が形成されているものに成膜する場合には、キズなどに起因する成膜欠陥の発生を抑制できるため、特に好ましい。
なお、本発明においては、搬送装置50の構成は、本実施形態のものに、特に限定されるものではない。例えば、図3(a)、(b)に示す搬送装置52の構成でもよい。
図3(a)、(b)に示す搬送装置52は、本実施形態の搬送装置50に比して、補助ローラ66の配置位置が異なるだけであり、それ以外の構成は、本実施形態の搬送装置50と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
図3(a)、(b)に示す搬送装置52は、補助ローラ66が、段付ローラ60の凹部αではなく、段付ローラ60の搬送方向Dの下流側Ddに設けられている。この段付ローラ60と補助ローラ66との垂直方向Vと直交する水平方向における距離は、例えば、段付ローラ60のローラ部62の直径の2倍以内である。
この搬送装置52においても、基板Zの搬送開始時に、段付ローラ60と補助ローラ66とで基板Zを搬送し、本実施形態の搬送装置50の如く、基板ロール20からの基板Zの送り出し量、基板ロール20からの基板Zの送出し時間、基板Zの搬送速度、段付ローラ60による搬送時間に基づいて、補助ローラ66を下方に下降させて補助ローラ66を基板Zの表面Zfから離間させる。これにより、段付ローラ60のローラ部62で基板Zの端部Zeを支持して、本実施形態の搬送装置50と同様に、長尺な基板Zを、しわ、たるみ等がない状態で搬送することができる。この搬送装置52も、本実施形態の搬送装置50と同様の効果を得ることができる。
また、搬送装置52の搬送方法は、本実施形態の搬送装置50の搬送方法と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
なお、搬送装置52は、補助ローラ66を垂直方向Vに移動させる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、図3(b)に示すように、補助ローラ66を基板Zの表面Zfに接した状態で、その位置を固定し、段付ローラ60を垂直方向Vに移動可能な構成としてもよい。
この構成の場合、搬送装置52においては、基板Zの搬送開始時に、段付ローラ60と補助ローラ66とで基板Zを搬送し、本実施形態の搬送装置50の如く、基板ロール20からの基板Zの送り出し量、基板ロール20からの基板Zの送出し時間、基板Zの搬送速度、段付ローラ60による搬送時間に基づいて、段付ローラ60を上方に上昇させて補助ローラ66を基板Zの表面Zfから離間させる。これにより、段付ローラ60のローラ部62で基板Zの端部Zeを支持して、本実施形態の搬送装置50と同様に、しわ、たるみ等がない状態で搬送することができる。
さらに、本発明においては、例えば、図4(a)、(b)に示す搬送装置54の構成でもよい。
図4(a)、(b)に示す搬送装置54は、本実施形態の搬送装置50に比して、補助ローラ66に変えて摺動支持部材70が設けられていることが異なるだけであり、それ以外の構成は、本実施形態の搬送装置50と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
図4(a)、(b)に示す搬送装置54においては、摺動支持部材70が段付ローラ60の凹部αに設けられている。
この摺動支持部材70は、基板Zの搬送開始時に、基板Zの中央部Zcを、その摺動面70aで摺動しつつ支持するものである。この摺動支持部材70には回動手段(図示せず)が設けられており、この回動手段は、制御部36により制御される。このため、摺動支持部材70も制御部36により、回動されて基板Zに対して接離可能となる。
摺動支持部材70の摺動面70aには、摩擦係数が低く、かつ搬送する基板Zに接しても擦れたり、キズをつけない材質のものが適宜選択されて用いられる。
この搬送装置54においても、基板Zの搬送開始時に、段付ローラ60と摺動支持部材70とで基板Zを搬送し、本実施形態の搬送装置50の如く、基板ロール20からの基板Zの送り出し量、基板ロール20からの基板Zの送出し時間、基板Zの搬送速度、段付ローラ60による搬送時間に基づいて、摺動支持部材70を回動させて摺動支持部材70の摺動面70aを基板Zの表面Zfから離間させる。これにより、段付ローラ60のローラ部62で基板Zの端部Zeを支持して、本実施形態の搬送装置50と同様に、長尺な基板Zを、しわ、たるみ等がない状態で搬送することができる。この搬送装置54も、本実施形態の搬送装置50と同様の効果を得ることができる。
また、搬送装置54の搬送方法は、本実施形態の搬送装置50の搬送方法と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
なお、搬送装置54においては、摺動支持部材70を回動させる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、図5(b)に示すように、摺動支持部材70の摺動面70aが基板Zの表面Zfに接した状態で、摺動支持部材70を固定し、段付ローラ60を垂直方向に移動可能な構成としてもよい。
この構成の場合、搬送装置54においては、基板Zの搬送時に、段付ローラ60と、摺動支持部材70とで基板Zを搬送し、本実施形態の搬送装置50の如く、基板ロール20からの基板Zの送り出し量、基板ロール20からの基板Zの送出し時間、基板Zの搬送速度、段付ローラ60による搬送時間に基づいて、段付ローラ60を上方に上昇させて補助ローラ66を基板Zの表面Zfから離間させる。これにより、段付ローラ60のローラ部62で基板Zの端部Zeが支持された状態で、段付ローラ60により、長尺な基板Zを、しわ、たるみ等がない状態で搬送することができる。
また、本発明においては、例えば、図5(a)に示す搬送装置56の構成でもよい。
図5(a)に示す搬送装置56は、本実施形態の搬送装置50に比して、補助ローラ66に代えて、第1の補助ローラ72と第2の補助ローラ74とが、段付ローラ60を挟んで設けられている点が異なるだけであり、それ以外の構成は、本実施形態の搬送装置50と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
図5(a)に示す搬送装置56においては、第1の補助ローラ72が段付ローラ60の凹部αではなく、段付ローラ60に対して基板Zの搬送方向Dの上流側Duに設けられており、第2の補助ローラ74が段付ローラ60の凹部αではなく、段付ローラ60に対して基板Zの搬送方向Dの下流側Ddに設けられている。
段付ローラ60と第1の補助ローラ72との水平方向における距離は、例えば、段付ローラ60のローラ部62の直径の2倍以内であり、段付ローラ60と第2の補助ローラ74との水平方向における距離も、例えば、段付ローラ60のローラ部62の直径の2倍以内である。
第1の補助ローラ72および第2の補助ローラ74は、それぞれ、直径が一定の円筒ローラであり、段付ローラ60の回転軸部64と軸方向を一致させて配置されている。これらの第1の補助ローラ72および第2の補助ローラ74には、それぞれ移動機構(図示せず)が設けられている。この移動機構は、制御部36に接続されている。
制御部36により移動機構を介して第1の補助ローラ72および第2の補助ローラ74は、それぞれ垂直方向Vにおける位置が制御される。この移動機構により、第1の補助ローラ72および第2の補助ローラ74は、基板Zの表面Zfに対して接離可能となり、第1の補助ローラ72および第2の補助ローラ74を上方向に移動させて、周面72a、72bを基板Zの表面Zfに接触させることができる。これにより、搬送装置56においては、段付ローラ60とともに第1の補助ローラ72および第2の補助ローラ74を用いて、基板Zを搬送することができる。
図5(a)に示す搬送装置56の搬送方法においては、まず、基板Zを段付ローラ60とともに第1の補助ローラ72および第2の補助ローラ74を用いて搬送する。
そして、基板Zの搬送開始後に、本実施形態の搬送装置50の如く、基板ロール20からの基板Zの送り出し量、基板ロール20からの基板Zの送出し時間、基板Zの搬送速度、段付ローラ60による搬送時間に基づいて、制御部36により第1の補助ローラ72および第2の補助ローラ74を、それぞれ下方に下げて、基板Zの表面Zfから離間させる。これにより、段付ローラ60のローラ部62で基板Zの端部Ze(図2(a)参照)が支持された状態で、段付ローラ60により、長尺な基板Zを、しわ、たるみ等がない状態で搬送することができる。
この搬送装置56においても、本実施形態の搬送装置50と同様の効果を得ることができる。
第1の補助ローラ72と第2の補助ローラ74は、直径が一定の円筒ローラに限定されるものではない。第1の補助ローラ72と第2の補助ローラ74は、例えば、基板Zの幅方向Wに張力を与え、基板Zの搬送時における幅を一定幅にする機能を有するもの、すなわち、幅出し機能を備えるものであってもよい。この幅出し機能を備えるローラの形態としては、例えば、逆クラウン形状のローラまたは鼓形状のローラと呼ばれるコンケーブローラ(凹面ローラ)である。幅出し機能を備えるものとしては、これ以外にも、端部だけが基板Zに接触するローラを、その回転軸(図示せず)を回転軸部64の回転軸A(図2(a)参照)に対して傾けて配置し、基板Zの端部Zeでニップさせる構成でもよい。
このように、第1の補助ローラ72と第2の補助ローラ74に、幅出し機能を有するものを用いることにより、基板Zに幅方向Wの張力を与えることができ、しわ、たるみの発生をより一層抑制することができる。
また、本発明においては、例えば、図5(b)に示す搬送装置58の構成でもよい。
図5(b)に示す搬送装置58は、本実施形態の搬送装置50に比して、補助ローラ66に代えて、第1の補助ローラ76と第2の補助ローラ78とが段付ローラ80を挟んで設けられている点、および段付ローラ80が垂直方向Vに移動可能である点が異なるだけであり、それ以外の構成は、本実施形態の搬送装置50と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
図5(b)に示す搬送装置58において、段付ローラ80の構成は、本実施形態の搬送装置50の段付ローラ60の構成と同じであるため、構成についての説明は省略する。この段付ローラ80には、移動機構(図示せず)が設けられており、この移動機構は、制御部36に接続されている。制御部36により移動機構を介して段付ローラ80は、垂直方向Vにおける位置が制御される。移動機構により、基板Zの表面Zfに対して接離可能となり、段付ローラ80を上方向に移動させて、ローラ部62の表面62aを基板Zの表面Zfに接触させて、基板Zの両側の端部Ze(図2(a)参照)を支持して搬送することができる。
また、図5(b)に示す搬送装置58においては、第1の補助ローラ76が段付ローラ60の凹部αではなく、段付ローラ80に対して基板Zの搬送方向Dの上流側Duに設けられており、第2の補助ローラ78が段付ローラ80の凹部αではなく、段付ローラ80に対して基板Zの搬送方向Dの下流側Ddに設けられている。段付ローラ80と第1の補助ローラ76との水平方向における距離は、例えば、段付ローラ80のローラ部62の直径の2倍以内であり、段付ローラ60と第2の補助ローラ78との水平方向における距離も、例えば、段付ローラ80のローラ部62の直径の2倍以内である。
第1の補助ローラ76および第2の補助ローラ78は、それぞれ、直径が一定の円筒ローラであり、段付ローラ80の回転軸部64と軸方向を一致させて配置されている。第1の補助ローラ76および第2の補助ローラ78の配置位置は固定されている。これにより、搬送装置58においては、段付ローラ80とともに第1の補助ローラ76および第2の補助ローラ78を用いて、基板Zを搬送することができる。
図5(b)に示す搬送装置58の搬送方法においては、まず、基板Zを段付ローラ80とともに第1の補助ローラ76および第2の補助ローラ78を用いて搬送する。
そして、基板Zの搬送開始後に、本実施形態の搬送装置50の如く、基板ロール20からの基板Zの送り出し量、基板ロール20からの基板Zの送出し時間、基板Zの搬送速度、段付ローラ60による搬送時間に基づいて、制御部36により段付ローラ80を、上方に上げて、第1の補助ローラ76および第2の補助ローラ78の各周面72a、72bを基板Zの表面Zfから離間させる。このようにして、段付ローラ60のローラ部62で基板Zの端部Ze(図2(a)参照)が支持された状態で、段付ローラ60により、長尺な基板Zを、しわ、たるみ等がない状態で搬送することができる。
この搬送装置58においても、本実施形態の搬送装置50と同様の効果を得ることができる。
第1の補助ローラ76と第2の補助ローラ78は、直径が一定の円筒ローラに限定されるものではない。第1の補助ローラ76と第2の補助ローラ78は、例えば、基板Zの幅方向Wに張力を与え、基板Zの搬送時における幅を一定幅にする機能を有するもの、すなわち、幅出し機能を備えるものであってもよい。この幅出し機能を備えるローラの形態としては、例えば、逆クラウン形状のローラまたは鼓形状のローラと呼ばれるコンケーブローラ(凹面ローラ)である。幅出し機能を備えるものとしては、これ以外にも、端部だけが基板Zに接触するローラを、その回転軸(図示せず)を回転軸部64の回転軸A(図2(a)参照)に対して傾けて配置し、基板Zの端部Zeでニップさせる構成でもよい。
このように、第1の補助ローラ76と第2の補助ローラ78に、幅出し機能を有するものを用いることにより、基板Zに幅方向Wの張力を与えることができ、しわ、たるみの発生をより一層抑制することができる。
なお、本実施形態においては、成膜装置10に搬送装置50を用いる例で説明したが、本発明の搬送装置は、真空中で長尺な基板Zの搬送に用いるものであれば、その適用対象は、特に限定されるものではない。
本実施形態の成膜装置10においては、プラズマCVDを例にして、説明したが、プラズマCVDに限定されるものではない。本発明の成膜部は、気相成膜法を用いるものであれば、各種の物理的気相成長法(PVD:Physical Vapor Deposition)、化学的気相成長法(CVD:Chemical Vapor Deposition)、スパッタリング法またはイオンプレーティング法などを用いることもできる。
以上、本発明の搬送装置、搬送方法および成膜装置について詳細に説明したが、本発明は、上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのは、もちろんである。
本発明の実施形態に係る搬送装置を有する成膜装置を示す模式図である。 (a)は、図1に示す成膜装置の搬送装置を示す模式的正面図であり、(b)は、図1に示す成膜装置の搬送装置を示す模式的側面図である。 (a)は、本発明の実施形態に係る搬送装置の他の例を示す模式的斜視図であり、(b)は、図3(a)に示す搬送装置の模式的側面図である。 (a)は、本発明の実施形態に係る搬送装置の他の例を示す模式的斜視図であり、(b)は、図4(a)に示す搬送装置の模式的側面図である。 (a)は、本発明の実施形態に係る搬送装置の他の例を示す模式的側面であり、(b)は、本発明の実施形態に係る搬送装置の他の例を示す模式的側面である。
符号の説明
10 成膜装置
12 供給室
14 成膜室
16 巻取り室
20 基板ロール
24,28,31 ガイドローラ
30 巻取りロール
32 真空排気部
36 制御部
40 成膜部
42 成膜電極
44 高周波電源
46 原料ガス供給部
50,52,54,56,58 搬送装置
60,80 段付ローラ
62 ローラ部
64 回転軸部
66 補助ローラ
70 摺動支持部材
72,76 第1の補助ローラ
74,78 第2の補助ローラ
D 搬送方向
Z 基板

Claims (10)

  1. 長尺の基板を真空中で搬送する搬送装置であって、
    前記基板の搬送方向と直交する幅方向に回転軸を有する回転軸部と、前記回転軸部の両端に設けられ、前記基板が巻き掛けられるローラ部とを備える回転可能な段付きローラと、
    前記ローラ部に巻き掛けられた前記基板のうち、少なくとも前記回転軸部の上方を搬送される部分に接離可能であり、前記基板に接して前記基板を支持して前記基板の搬送を補助する搬送補助手段と、
    前記段付きローラの回転を制御するとともに、前記搬送補助手段の前記基板への接離を制御する制御部とを有し、
    前記基板を前記段付きローラのローラ部に巻き掛けて搬送する際、少なくとも前記回転軸部の上方を搬送される部分を一時的に、前記搬送補助手段で支持して搬送した後、前記搬送補助手段による支持を外して、前記基板を搬送することを特徴とする搬送装置。
  2. 前記搬送補助手段は、前記段付ローラの前記各ローラ部と前記回転軸部により構成される凹部、または前記段付きローラの前記基板の搬送方向の上流側もしくは下流側に、少なくとも1つ設けられた補助ローラであり、
    前記補助ローラは、前記基板に対して接離可能であり、前記補助ローラの前記基板への接離は、前記制御部により制御される請求項1に記載の搬送装置。
  3. 前記搬送補助手段は、前記段付ローラの前記各ローラ部と前記回転軸部より構成される凹部、または前記段付きローラの前記基板の搬送方向の上流側もしくは下流側に、少なくとも1つ設けられた補助摺動部材であり、
    前記補助摺動部材は、前記基板に対して接離可能であり、前記補助摺動部材の前記基板への接離は、前記制御部により制御される請求項1に記載の搬送装置。
  4. 前記補助ローラは、幅出し機能を備える請求項2に記載の搬送装置。
  5. 前記補助ローラは、垂直方向に移動することにより、前記基板に対して接離する請求項2または4に記載の搬送装置。
  6. 前記補助ローラは、前記段付ローラのローラ部に巻き掛けられた基板が、前記段付ローラのローラ部から離間する位置まで上昇可能である請求項2、4または5に記載の搬送装置。
  7. 長尺の基板を真空中で、前記基板の搬送方向と直交する幅方向の両側の端部を支持して搬送する搬送方法であって、
    前記基板の前記両側の端部を支持して搬送する際、前記基板の前記幅方向の中央部を一時的に支持して搬送した後、前記中央部の支持を外して、前記基板の前記両側の端部を支持して搬送することを特徴とする搬送方法。
  8. 前記基板の中央部の一時的な支持は、前記基板の搬送速度が、所定の速度に達した時に外す請求項7に記載の搬送方法。
  9. 前記基板の中央部の一時的な支持は、前記基板を所定の時間搬送した後に外す請求項7に記載の搬送方法。
  10. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の搬送装置を有することを特徴する成膜装置。
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