JP5009845B2 - 成膜装置 - Google Patents

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Description

本発明は、CVD法により真空中で長尺の基板の表面に膜を形成する成膜装置に関し、特に、長尺な基板を搬送しつつ連続的に膜を形成する場合、この基板の長手方向と直交する幅方向における膜厚の均一性が高い膜を形成することができる成膜装置に関する。
真空雰囲気のチャンバ内で、プラズマCVDによって、長尺な基板(ウェブ状の基板)に連続的に成膜を行う成膜装置として、例えば、接地(アース)したドラムと、このドラムに対面して配置された高周波電源に接続された電極とを用いる装置が知られている。
この成膜装置では、ドラムの所定領域に基板を巻き掛けてドラムを回転することにより、基板を所定の成膜位置に位置して長手方向に搬送しつつ、ドラムと電極との間に高周波電圧を印加して電界を形成し、かつ、ドラムと電極との間に、成膜のための原料ガス、さらにはアルゴンガスなどを導入して、基板の表面にプラズマCVDによる成膜を行う。このような成膜装置が従来から提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1には、反応室と、反応室の内部に反応ガスを導入するガス導入口と、反応室の内部に設けられ、互いの間でプラズマ放電を発生させるアノード電極及びカソード電極と、アノード電極とカソード電極との間でフレキシブル基板を搬送する搬送機構とを備え、フレキシブル基板にプラズマCVD処理を施すプラズマCVD装置が開示されている。
反応室には、内部のガスを排出するガス排出部が、4個設けられており(特許文献1の図1参照)、各ガス排出部には、例えば、メカニカル・ブースター・ポンプやロータリーポンプ等の真空ポンプが設けられている。
また、アノード電極は湾曲した第1放電面を有する一方、カソード電極は第1放電面に沿って湾曲した第2放電面を有する。カソード電極には、アノード電極の直径方向に移動させる電極間距離調節機構が設けられており、さらには、アノード電極とカソード電極との距離に基づいて、第2放電面の曲率を微小調整する曲率調整機構が設けられている。
特開2006−152416号公報
特許文献1のプラズマCVD装置においては、反応室に、内部のガスを排出するガス排出部が4個設けられているものの、これらは、アノード電極の第1放電面とカソード電極の第2放電面との間の対して対称の位置に設けられておらず、偏在している。このため、特許文献1においては、成膜時に、アノード電極の第1放電面とカソード電極の第2放電面との間にフレキシブル基板を配置して、反応ガスが供給する場合、この反応ガスが種々の方向に排気され、例えば、フレキシブル基板の幅方向からも排気される。この場合、フレキシブル基板の中央から両端に反応ガスが流れて、反応ガスが積算されることにより、フレキシブル基板の両端の膜厚が厚くなり、フレキシブル基板の幅方向における膜厚分布が悪化する。このように、特許文献1のプラズマCVD装置においては、反応ガスの排気方向を考慮していないため、膜厚分布が良好な膜が得られないという問題点がある。
本発明の目的は、前記従来技術に基づく問題点を解消し、長尺な基板を搬送しつつ連続的に膜を形成する場合、この基板の長手方向と直交する幅方向における膜厚の均一性が高い膜を形成することができる成膜装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明態様は、所定の搬送経路で、長尺の基板を搬送する第1の搬送手段と、チャンバと、前記チャンバ内を所定の真空度にする真空排気部と、前記チャンバ内に設けられ、前記基板の搬送方向と直交する方向に回転軸を有し、かつ前記基板の搬送方向と直交する方向における前記基板の長さよりも長く、前記第1の搬送手段により搬送された基板が、表面の所定の領域に巻き掛けられる回転可能な円筒状のドラムと、所定の搬送経路で、前記ドラムに巻き掛けられた基板を搬送する第2の搬送手段と、前記ドラムの表面に対向して所定の距離離間して配置された成膜電極、前記成膜電極に高周波電圧を印加する高周波電源部、および前記膜を形成するための原料ガスを前記ドラムと前記成膜電極との隙間に供給する原料ガス供給部を備える成膜部とを有し、前記成膜電極は、シャワー電極であり、前記ドラムと前記成膜電極との隙間は、前記ドラムの前記回転方向における第1のコンダクタンスの方が前記ドラムの前記回転軸方向における第2のコンダクタンスよりも大きく、膜形成時に前記原料ガスが供給された場合、前記ドラムの回転方向の方が前記ドラムの前記回転軸方向よりも、前記原料ガスが流れ易く、前記ドラムと前記成膜電極との隙間のうち、前記ドラムの回転軸方向におけるそれぞれの端部には、各端部を覆う第1のカバー部材が設けられており、前記第1のカバー部材は、前記ドラムの表面において前記基板が巻き掛けられていない領域に対向し、かつ前記成膜電極の前記ドラムの回転軸方向における端部から一体的に設けられた第1の部材と、前記第1の部材に接続され、前記ドラムの回転軸方向における端部を覆う第2の部材とからなることを特徴とする成膜装置を提供するものである。
本発明の成膜装置によれば、成膜時に原料ガスが供給されてプラズマが生成されるドラムと成膜電極との隙間を、原料ガスが供給された場合、ドラムの回転方向の方がドラムの回転軸方向よりも原料ガスを流れ易くい構成とすることにより、成膜時に、ドラムの回転方向、すなわち、基板の長手方向に原料ガスが優先的に流れ、ドラムの回転軸方向に原料ガスが流れることが抑制される。このため、プラズマにより原料ガスから生成される反応堆積物が、ドラムの回転方向、すなわち、基板の幅方向において均一に堆積され、特に基板の幅方向において膜厚分布が小さく膜厚均一性が優れた膜を形成することができる。
このことから、本発明の成膜装置により形成された膜を有する機能性フィルムにおいては、膜が、特に基板の幅方向における膜厚均一性が優れ膜厚が均一なため、機能性フィルムが、例えば、ガスバリアフィルムであれば、ガスバリア性能が良いものとなる。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の成膜装置を詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る成膜装置を示す模式図である。図2は、図1に示す成膜装置の成膜室における成膜電極の構成を示す模式的側面図である。
図3(a)は、図1に示す成膜装置の成膜室におけるドラム、成膜電極および覆板の配置位置を示す模式的斜視図であり、(b)は、図1に示す成膜装置の成膜室におけるドラム、成膜電極および覆板の配置位置を示す模式的側断面図である。
図1に示す本発明の第1の実施形態に係る成膜装置10は、ロール・ツー・ロール(Roll to Roll)の成膜装置であり、基板Zの表面Zf、または基板Zの表面Zfに有機層が形成されていれば、その表面に、所定の機能を有する膜を形成するものであり、例えば、光学フィルム、またはガスバリアフィルム等の機能性フィルムの製造に利用されるものである。
成膜装置10は、長尺の基板Z(ウェブ状の基板Z)に連続で成膜を行う装置であって、基本的に、長尺な基板Zを供給する供給室12と、長尺な基板Zに膜を形成する成膜室(チャンバ)14と、膜が形成された長尺な基板Zを巻き取る巻取り室16と、真空排気部32と、制御部36とを有する。この制御部36により、成膜装置10における各要素の動作が制御される。
また、成膜装置10においては、供給室12と成膜室14とを区画する壁15a、および成膜室14と巻取り室16とを区画する壁15bには、基板Zが通過するスリット状の開口15cが形成されている。
成膜装置10においては、供給室12、成膜室14および巻取り室16には、真空排気部32が配管34を介して接続されている。この真空排気部32により、供給室12、成膜室14および巻取り室16の内部が所定の真空度にされる。
真空排気部32は、供給室12、成膜室14および巻取り室16を排気して所定の真空度に保つものであり、ドライポンプおよびターボ分子ポンプなどの真空ポンプを有するものである。また、供給室12、成膜室14および巻取り室16には、それぞれ内部の圧力を測定する圧力センサ(図示せず)が設けられている。
なお、真空排気部32による供給室12、成膜室14および巻取り室16の到達真空度には、特に限定はなく、実施する成膜方法等に応じて、十分な真空度を保てればよい。この真空排気部32は、制御部36により制御される。
供給室12は、長尺な基板Zを供給する部位であり、基板ロール20、およびガイドローラ21が設けられている。
基板ロール20は、長尺な基板Zを連続的に送り出すものであり、例えば、反時計回りに基板Zが巻回されている。
基板ロール20は、例えば、駆動源としてモータ(図示せず)が接続されている。このモータによって基板ロール20が基板Zを巻き戻す方向rに回転されて、本実施形態では、時計回りに回転されて、基板Zが連続的に送り出される。
ガイドローラ21は、基板Zを所定の搬送経路で成膜室14に案内するものである。このガイドローラ21は、公知のガイドローラにより構成される。
本実施形態の成膜装置10においては、ガイドローラ21は、駆動ローラまたは従動ローラでもよい。また、ガイドローラ21は、基板Zの搬送時における張力を調整するテンションローラとして作用するローラであってもよい。
本発明の成膜装置において、基板Zは、特に限定されるものではなく、気相成膜法による膜の形成が可能な各種の基板が全て利用可能である。基板Zとしては、例えば、PETフィルム等の各種の樹脂フィルム、またはアルミニウムシートなどの各種の金属シート等を用いることができる。
巻取り室16は、後述するように、成膜室14で、表面Zfに膜が形成された基板Zを巻き取る部位であり、巻取りロール30、およびガイドローラ31が設けられている。
巻取りロール30は、成膜された基板Zをロール状に、例えば、時計回りに巻き取るものである。
この巻取りロール30は、例えば、駆動源としてモータ(図示せず)が接続されている。このモータにより巻取りロール30が回転されて、成膜済の基板Zが巻き取られる。
巻取りロール30においては、モータによって基板Zを巻き取る方向Rに回転されて、本実施形態では、時計回りに回転されて、成膜済の基板Zを連続的に、例えば、時計回りに巻き取る。
ガイドローラ31は、先のガイドローラ21と同様、成膜室14から搬送された基板Zを、所定の搬送経路で巻取りロール30に案内するものである。このガイドローラ31は、公知のガイドローラにより構成される。なお、供給室12のガイドローラ21と同様に、ガイドローラ31も、駆動ローラまたは従動ローラでもよい。また、ガイドローラ31は、テンションローラとして作用するローラであってもよい。
成膜室14は、真空チャンバとして機能するものであり、基板Zを搬送しつつ連続的に、基板Zの表面Zfに、気相成膜法のうち、例えば、プラズマCVDによって、膜を形成する部位である。
成膜室14は、例えば、ステンレスなど、各種の真空チャンバで利用されている材料を用いて構成されている。
成膜室14には、2つのガイドローラ24、28と、ドラム26と、成膜部40とが設けられている。
ガイドローラ24と、ガイドローラ28とが、所定の間隔を設けて対向して、平行に配置されており、また、ガイドローラ24、およびガイドローラ28は、基板Zの搬送方向Dに対して、その長手方向を直交させて配置されている。
ガイドローラ24は、供給室12に設けられたガイドローラ21から搬送された基板Zをドラム26に搬送するものである。このガイドローラ24は、例えば、基板Zの搬送方向Dと直交する方向(以下、軸方向という)に回転軸を有し回転可能であり、かつガイドローラ24は、軸方向の長さが、基板Zの長手方向と直交する幅方向Wにおける長さ(以下、基板Zの幅という)よりも長い。
なお、基板ロール20、ガイドローラ21、ガイドローラ24により、本発明の第1の搬送手段が構成される。
ガイドローラ28は、ドラム26に巻き掛けられた基板Zを巻取り室16に設けられたガイドローラ31に搬送するものである。このガイドローラ28は、例えば、軸方向に回転軸を有し回転可能であり、かつガイドローラ28は、軸方向の長さが基板Zの幅よりも長い。
なお、ガイドローラ28、ガイドローラ31、巻取りロール30により、本発明の第2の搬送手段が構成される。
また、ガイドローラ24、ガイドローラ28は、上記構成以外は、供給室12に設けられたガイドローラ21と同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
ドラム26は、ガイドローラ24と、ガイドローラ28との間の空間Hの下方に設けられている。ドラム26は、その長手方向を、ガイドローラ24およびガイドローラ28の長手方向に対して平行にして配置されている。さらには、ドラム26は接地されている。
このドラム26は、例えば、円筒状を呈し、回転軸L(図3(a)参照)を有している。ドラム26は、回転軸Lと直交する面が端面26aであり、回転軸Lが延びる軸方向A(回転軸方向)において対向している(図3(a)参照)。このドラム26は、回転軸Lに対して回転方向ωに回転可能なものであり、かつドラム26は、軸方向Aにおける長さが基板Zの幅よりも長い。ドラム26は、その表面27(周面)に基板Zが巻き掛けられて、回転することにより、基板Zを所定の成膜位置に保持しつつ、搬送方向Dに基板Zを搬送するものである。
なお、ドラム26の回転方向ωの進行方向側、すなわち、基板Zが搬送される側が、下流Dd側であり、この下流Ddの反対側が上流Duである。
なお、ドラム26には、温度を調節するために、例えば、ドラム26の中心にヒータ(図示せず)およびドラム26の温度を測定する温度センサ(図示せず)を設けてもよい。この場合、ヒータおよび温度センサは、制御部36に接続され、制御部36により、ドラム26の温度が調節され、ドラム26の温度は所定の温度に保持される。
図1に示すように、成膜部40は、ドラム26の下方に設けられており、基板Zがドラム26に巻き掛けられた状態で、ドラム26が回転して、基板Zが搬送方向Dに搬送されつつ、基板Zの表面Zfに膜を形成するものである。
成膜部40は、例えば、容量結合型プラズマCVD法(CCP−CVD法)により膜を形成するものである。この成膜部40は、成膜電極42、高周波電源44および原料ガス供給部46を有する。制御部36により、成膜部40の高周波電源44、および原料ガス供給部46が制御される。
成膜部40においては、成膜室14の下方に、ドラム26の表面27と所定の距離離間し、隙間Sを設けて成膜電極42が設けられている。この成膜電極42には、隙間Sの軸方向A(基板Zの幅方向W)(図3(a)および(b)参照)における端部γ(図3(a)および(b)参照)を覆うようにして、覆板(第1のカバー部材)50が設けられている。
成膜電極42は、図2(a)に示すように、成膜電極板60と、この成膜電極板60を保持する保持部62とを有する。
成膜電極板60は、例えば、平面視長方形の部材を、例えば、ドラム26の表面27と同じ曲率で、曲面状に湾曲させて形成されたものである。
成膜電極板60は、その長手方向をドラム26の回転軸Lと平行にし、かつ表面60aをドラム26の表面27に向けて、ドラム26の表面27を囲むように回転方向ωに沿うようにして配置されている。
本実施形態においては、例えば、成膜電極板60は、ドラム26の表面27の同心円に一致するように配置されている。成膜電極板60は、いずれの領域においても、その表面60aに垂直で、かつドラム26の回転中心Oを通る線上における成膜電極板60の表面60aとドラム60の表面60aとの距離が所定の設定距離である。
また、成膜電極板60は、ドラム26の表面27を囲むように湾曲させた構成としたが、本発明は、これ限定されるものではなく、例えば、平面視長方形の部材を屈曲させた構成としてもよく、更には平面視長方形の平板状の電極板を、複数、ドラム26の表面27を囲むように回転方向ωに沿うようにして配置してもよい。この場合、各電極板は導通が保たれており、かつ各電極板において、各表面に垂直で、かつドラム26の回転中心Oを通る線上における各電極板の表面とドラム26の表面27との距離が、所定の設定距離となるように配置される。
図1に示すように、成膜電極42(成膜電極板60)には、高周波電源44が接続されており、この高周波電源44により、成膜電極42の成膜電極板60に高周波電圧が印加される。この高周波電源44は、印加する高周波電力(RF電力)を変えることができる。また、成膜電極42と高周波電源44とは、必要に応じて、インピーダンス整合をとるためのマッチングボックスを介して接続してもよい。
成膜電極42は、一般的にシャワー電極と呼ばれるものであり、成膜電極板60の表面60aには、複数の貫通孔(図示せず)が等間隔で形成されている。この成膜電極42により、隙間Sに原料ガスGが均一に供給される。
保持部62は、成膜電極板60を保持するものであり、内部が空洞(図示せず)になっており、原料ガス供給部46に配管47を介して接続されている。この保持部62の空洞は、成膜電極板60の表面60aに形成された複数の貫通孔と連通している。
後述するように、原料ガス供給部46から供給された原料ガスGは、配管47、保持部62の空洞、および成膜電極板60の複数の貫通孔を経て、成膜電極板60の表面60aから放出され、隙間Sに原料ガスGが均一に供給される。
保持部62には、成膜電極板60の温度を調節するために、例えば、ヒータ(図示せず)および成膜電極板60の温度を測定する温度センサ(図示せず)を設けてもよい。この場合、ヒータおよび温度センサは、制御部36に接続され、制御部36により、成膜電極板60の温度が調節され、成膜電極板60の温度は所定の温度に保持される。
このように、ドラム26および成膜電極板60に、それぞれヒータ(図示せず)および成膜電極板60温度測定する温度センサ(図示せず)を設けることにより、ドラム26と成膜電極板60との温度を同じにできる。
原料ガス供給部46は、例えば、配管47を介して、保持部62の空洞に接続されている。この原料ガス供給部46は、成膜電極42の成膜電極板60の表面60aに形成された複数の貫通孔を通して隙間Sに、膜を形成する原料ガスGを供給する。ドラム26の表面27と成膜電極42との隙間Sがプラズマの発生空間になり、成膜空間となる。
本実施形態においては、原料ガスGは、例えば、SiO膜を形成する場合、TEOSガス、および活性種ガスとして酸素ガスが用いられる。また、窒化珪素膜を形成する場合、SiHガス、NHガス、およびNガス(希釈ガス)が用いられる。本実施形態においては、活性種ガスおよび希釈ガスが含まれていても、単に原料ガスという。
原料ガス供給部46は、CVD装置で用いられている各種のガス導入手段が利用可能である。
また、原料ガス供給部46においては、原料ガスGのみならず、アルゴンガスまたは窒素ガスなどの不活性ガス、および酸素ガス等の活性種ガス等、CVD法で用いられている各種のガスを、原料ガスと共に、隙間Sに供給してもよい。このように、複数種のガスを導入する場合には、各ガスを同じ配管で混合して、成膜電極42の複数の貫通孔を通して隙間Sに供給しても、各ガスを異なる配管から成膜電極42の複数の貫通孔を通して隙間Sに供給してもよい。
さらに、原料ガスまたはその他、不活性ガスおよび活性種ガスの種類または導入量も、形成する膜の種類、または目的とする成膜レート等に応じて、適宜、選択/設定すればよい。
なお、高周波電源44は、プラズマCVDによる成膜に利用される公知の高周波電源を用いることができる。また、高周波電源44は、最大出力等にも、特に限定はなく、形成する膜または成膜レート等に応じて、適宜、選択/設定すればよい。
成膜電極42は、平面視長方形の部材を曲面状に湾曲させた構成に限定されるものではなく、例えば、ドラム26の軸方向に分割した複数の電極を配列した構成等、CVD法による成膜が可能なものであれば、各種の電極の構成が利用可能である。
なお、成膜電極42は、成膜電極板60の表面60aに貫通孔を形成する構成としたが、成膜空間である隙間Sに均一に原料ガスGを供給することができれば、これに限定されるものではない。例えば、成膜電極板60の屈曲部にスリット状の開口部を形成し、このスリット状の開口部から原料ガスGを放出させるようにしてもよい。
成膜電極42において、図2に示すように、成膜電極板60の端部60b、60cのうち、ドラム26の回転方向ωにおける上流Du側の端部60bとドラム26の回転中心Oとを結ぶ線を第1の線Lとする。ドラム26の回転方向ωにおける下流Dd側の端部60cとドラム26の回転中心Oとを結ぶ線を第2の線Lとする。この第1の線Lと第2の線Lとのなす角度をθとする。この角度θの範囲で基板Zの表面Zfに成膜されるため、角度θの範囲が成膜ゾーン29となる。
なお、図3(a)および(b)においては、成膜電極42のうち、成膜電極板60のみを示し、それ以外に構成については図示を省略している。
図3(a)および(b)に示すように、覆板50は、ドラム26と成膜電極板60とにより構成される隙間Sのうち、ドラム26の軸方向A(ドラム26の長手方向)における両側の端部γを覆うものである。この覆板50は、図3(a)および(b)に示すように、成膜電極60の軸方向Aにおける各端部60dに、それぞれ設けられている。
覆板50は、湾曲した成膜電極板60と同じ曲率で湾曲している平板状の部材からなり、隙間Sの端部γを覆い、かつドラム26の端面26aの一部に重なるものである。この覆板50のドラム26の端面26aに対向する面50aと、ドラム26の端面26aとは所定の距離sをあけて配置されている。この距離sは、隙間Sの距離dよりも短い。また、覆板50は、例えば、アルミナなどのセラミックス等の絶縁物により構成されている。本実施形態において、回転方向ωにおける隙間Sの端部α、βは、成膜室14内と連通し開放されている。
本実施形態において、隙間Sの端部γを覆板50により塞ぎ、かつ覆板50のドラム26の端面26aとの距離sが隙間Sの距離dよりも短くし、一方、隙間Sの端部α、βを開放することにより、開放されて抵抗となるものがないドラム26の回転方向ω(基板Zの搬送方向D)における隙間Sの端部α、βに比して、ドラム26の軸方向A(長手方向)に流体が流れる際に抵抗が大きくなる。このため、ドラム26の軸方向Aは、基板Zの長手方向に比して流体が流れにくくなる。このように、隙間Sにおいては、ドラム26の回転方向ωの方がドラム26の軸方向A(長手方向)よりも流体が流れ易い。
すなわち、流体の流れ易さを示す指標であるコンダクタンスにおいても、ドラム26の回転方向ωにおける第1のコンダクタンスの方が、ドラム26の長手方向(基板Zの幅方向W)における第2のコンダクタンスよりも大きい。なお、コンダクタンスは、大きい程流れ易いことを示す。
本実施形態においては、成膜時に、成膜室14内を所定の真空度にした状態で、隙間Sに原料ガス供給部46から原料ガスGを供給した場合、図4に示すように、隙間Sでは、隙間Sと成膜室14内の差圧により、ドラム26の回転方向ωに反応ガスGがドラム26の表面27に沿って優先的に流れ、ドラム26の軸方向Aに原料ガスGが流れることが抑制される。このため、隙間Sの端部α、βから原料ガスGが優先的に所定の真空度の成膜室14内に排気され、ドラム26の軸方向A(基板Zの幅方向W)に原料ガスGに流れることが制限される。これにより、基板Zの幅方向Wにおいて原料ガスGの流れを乱すことが抑制され、隙間Sでは基板Zの幅方向Wにおいて均一に原料ガスGが排気される。
また、本実施形態においては、隙間Sの端部γを塞ぎ、ドラム26の端面26aとの距離sを隙間Sの距離dよりも短くなるように覆板50を、単に配置するだけの構成であるため、低コストで、隙間Sの原料ガスGを、基板Zの幅方向Wにおいて均一に排気させ、幅方向Wにおいて原料ガスGを均一に供給することができる。
なお、本実施形態においては、成膜電極板60の軸方向Aにおける端部60dに覆板50を設ける構成としたが、本発明において、覆板の構成は、これに限定されるものではなく、例えば、図5に示す覆部材52のように、第1の部材54と第2の部材56とを有するものとしてもよい。この覆部材52は、断面L字状の構成であり、ドラム26の表面27の一部と端面26aの一部とを囲むように配置されている。
覆部材52を設ける場合、成膜電極板60を軸方向Aにおける長さを基板Zの幅と略同じにし、基板Zがドラム26に巻き掛けられている領域27aに対向して配置する。
覆部材52において、第1の部材54は、成膜電極板60と同じ曲率で湾曲している平板状の部材であり、ドラム26において基板Zが巻き掛けられない領域27bに対向して配置されているとともに、成膜電極板60の端部60dに接続されている。第1の部材54は、成膜電極板60と一体的に構成されている。第1の部材54においては、その面54aとドラム26の表面27との距離が、成膜電極板60の表面60aとドラム26の表面27との距離dと同じである。
覆部材52において、第2の部材56は、第1の部材54に接続されるとともに、ドラム26の回転軸方向Aの端面26aから離間して配置されるものである。この第2の部材56は、本実施形態の覆板50と同様の構成であり、成膜電極板60と同じ曲率で、幅方向が湾曲している平板部材からなるものである。
第2の部材56において、ドラム26の端面26aと、これに対向する面56aとの距離は、本実施形態の覆板50と同様にsであり、隙間Sの距離dよりも短い。さらには、覆部材52においても、第1の部材54および第2の部材56は、例えば、アルミナなどのセラミックス等の絶縁物により構成されている。
本実施形態の変形例においても、本実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、更に、ドラム26において基板Zが巻き掛けられない領域27bに、成膜電極板60が達していないため、反応生成物が堆積することが抑制される。
次に、本実施形態の成膜装置10の動作について説明する。
成膜装置10は、供給室12から成膜室14を経て巻取り室16に至る所定の経路で、供給室12から巻取り室16まで長尺な基板Zを通して搬送しつつ、成膜室14において、基板Zに膜を形成するものである。
成膜装置10においては、長尺な基板Zが、例えば、反時計回り巻回された基板ロール20からガイドローラ21を経て、成膜室14に搬送される。成膜室14においては、ガイドローラ24、ドラム26、ガイドローラ28を経て、巻取り室16に搬送される。巻取り室16においては、ガイドローラ31を経て、巻取りロール30に、長尺な基板Zが巻き取られる。長尺な基板Zを、この搬送経路で通した後、供給室12、成膜室14および巻取り室16の内部を真空排気部32により、所定の真空度に保ち、成膜部40において、成膜電源42に、高周波電源44から高周波電圧を印加するとともに、原料ガス供給部46から配管47および保持部62を介して、成膜電極板60の表面60aに形成された複数の貫通孔から隙間Sに膜を形成するための原料ガスGを均一に供給する。
成膜電源42の周囲に電磁波を放射させると、隙間S(成膜空間)で、成膜電極42の近傍に局在化したプラズマが生成され、原料ガスが励起・解離され、膜となる反応生成物が生成される。この反応生成物が堆積し、成膜電極42の範囲内、すなわち、ドラム26の回転中心Oを中心とする角度θの範囲で示される成膜ゾーン29において、基板Zの表面Zfに所定の膜厚の膜が形成される。
このとき、ドラム26と成膜電極42(成膜電極板60)との隙間Sにおいては、隙間Sと成膜室14内の差圧により、図4に示すように、ドラム26の回転方向ωに反応ガスGがドラム26の表面27に沿って優先的に排気され、ドラム26の軸方向Aに原料ガスGが流れることが制限される。これにより、隙間Sの原料ガスGが、基板Zの幅方向Wにおいて均一に排気され、幅方向Wにおいて原料ガスGが均一に供給される。このため、基板Zの幅方向Wにおいて、原料ガスGによる反応生成物が均一に供給されて、反応生成物が基板Zの幅方向Wにおいて均一に基板Zの表面Zfに堆積される。これにより、幅方向Wにおいて膜厚分布が小さく均一な膜が、所定の膜厚で形成される。
そして、順次、長尺な基板Zが反時計回り巻回された基板ロール20をモータにより時計回りに回転させて、長尺な基板Zを連続的に送り出し、ドラム26で基板Zをプラズマが生成される位置に保持しつつ、ドラム26を所定の速度で回転させて、成膜部40により長尺な基板Zの表面Zfに連続的に、特に基板Zの幅方向Wにおいて膜厚分布が小さく均一な膜を所定の膜厚で形成する。そして、表面Zfに所定の膜が形成された基板Zが、ガイドローラ28、およびガイドローラ31を経て、巻取りロール30に、成膜された長尺な基板Z(機能性フィルム)が巻き取られる。
このようにして、本実施形態の成膜装置10の成膜方法においては、長尺な基板Zの表面Zfに連続して、特に基板Zの幅方向Wにおいて膜厚分布が小さく膜厚均一性が優れ、かつ所定の膜厚を有する膜が形成された基板Z、すなわち、膜の性質または種類に応じて機能性フィルムを製造することができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図6(a)は、本発明の第2の実施形態に係る成膜装置のドラム、成膜電極板および端部材の配置位置を示す模式的斜視図であり、(b)は、本発明の第2の実施形態に係る成膜装置のドラム、成膜電極板および端部材の配置位置を示す模式的側断面図である。
なお、本実施形態においては、図1〜図4に示す第1の実施形態の成膜装置、および図5に示す第1の実施形態の変形例と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
また、図6(a)および(b)においては、ドラム、成膜電極板および端部材だけを図示し、他の構成についての図示は省略している。図6(a)および(b)において、図示していない他の構成は、第1の実施形態の成膜装置と同様の構成である。
本実施形態においては、第1の実施形態の成膜装置10(図1参照)に比して、成膜電極板60の長手方向に長さが短い点、および覆板50に代えて端部材(第2のカバー部材)58が設けられている点が異なるだけであり、それ以外の構成は、第1の実施形態の成膜装置10と同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
本実施形態においては、成膜電極板60の軸方向A(長手方向)の長さは、例えば、ドラム26において基板Zが巻き掛けられる領域27aと略同じ長さであり、この領域27aに対向して配置されている。この成膜電極板60とドラム26との間で隙間Sが構成され、この隙間Sが成膜空間となるとともに、隙間Sにおいて、成膜電極板60の端部60d近傍が、ドラム26の軸方向A(長手方向)における端部γとなる。
端部材58は、ドラム26において基板Zが巻き掛けられない領域27bに対向し、隙間Sの端部γを塞ぐように、かつ成膜電極板60の端部60dに一体的に設けられている。この端部材58がドラム26と対向する面58aと、領域27bにおけるドラム26の表面27との距離はsである。この距離sは、ドラム26と成膜電極42との距離dよりも短い。すなわち、端部材58は、端部材58の面58aとドラム26の表面27との隙間が、ドラム26と成膜電極42との隙間Sよりも狭い間隔で配置されている。
端部材58は、例えば、アルミナなどのセラミックス等の絶縁物により構成されている。
本実施形態においては、隙間S(成膜空間)では、隙間Sの端部γが、この隙間Sよりも狭い隙間に連通している。このため、隙間Sの端部γから外部に流体が流れる場合、端部材58による隙間が狭く抵抗となる。これにより、成膜室14内に対して開放されている隙間Sの端部α、βに比して、ドラム26の軸方向Aにおける隙間Sの端部γからは流体が流れにくい。すなわち、隙間Sでは、ドラム26の回転方向ωの方がドラム26の軸方向Aよりも原料ガスGが流れ易い。本実施形態においても、隙間S(成膜空間)では、ドラム26の回転方向ωにおける第1のコンダクタンスが、ドラム26の長手方向(基板Zの幅方向W)における第2のコンダクタンスよりも大きくなる。
これにより、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、成膜時に、原料ガスGが供給された隙間Sと成膜室14内との差圧により、ドラム26の回転方向ωに反応ガスGがドラム26の表面27に沿って優先的に流れ、隙間Sの軸方向Aに原料ガスGが流れることが抑制され、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらには、本実施形態においては、端部材58が、ドラム26において基板Zが巻き掛けられない領域27bに対向して設けられており、成膜電極板60が、この領域27bに達していないため、ドラム26において基板Zが巻き掛けられない領域27bに、反応生成物が堆積することが抑制される。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図7は、本発明の第3の実施形態に係る成膜装置の成膜室を示す模式的側断面図である。
なお、図7は、構成を簡略化して図示しており、ドラム、成膜電極および高周波電源だけを図示し、他の構成についての図示は省略している。図7において、図示していない他の構成については、第1の実施形態の成膜装置と同様の構成である。
また、本実施形態においては、図1〜図4に示す第1の実施形態の成膜装置、および図5に示す第1の実施形態の変形例と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
本実施形態においては、第1の実施形態の成膜装置10(図1参照)に比して、覆板50が設けられていない点が異なるとともに、成膜室14の大きさが異なり、それ以外の構成は、第1の実施形態の成膜装置10と同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
本実施形態においては、成膜電極板60の軸方向Aにおける長さは、ドラム26と同じであり、ドラム26の端面26aと成膜電極板60の端部60dとは面一である。成膜電極板60とドラム26との間で隙間Sが構成され、この隙間Sにより成膜空間が構成される。また、隙間Sの距離はdである。
本実施形態の成膜室14においては、ドラム26の端面26aと対向する内壁面14aとドラム26の端面26aとの距離がgである。ドラム26の端面26aと内壁面14aとの距離gは、成膜電極42(成膜電極板60)とドラム26との隙間Sの距離dよりも短い。すなわち、ドラム26の端面26aと内壁面14aとの隙間は、成膜電極42(成膜電極板60)とドラム26との隙間Sよりも狭い。なお、隙間Sの端部α、βは、成膜室14内に対して開放されている。
本実施形態においては、ドラム26の端面26aと内壁面14aとの距離gを、成膜電極42(成膜電極板60)とドラム26との隙間Sの距離dよりも短くすることにより、隙間Sの端部γから流体が流れる場合、ドラム26の端面26aと内壁面14aとの距離gが小さく抵抗となる。このため、成膜室14内に対して開放されている隙間Sの端部α、βに比して、ドラム26の軸方向Aにおける隙間Sの端部γからは流体が流れにくい。すなわち、隙間Sでは、ドラム26の回転方向ωの方が、ドラム26の軸方向Aよりも原料ガスGが流れ易い。本実施形態においても、隙間S(成膜空間)においては、ドラム26の回転方向ωにおける第1のコンダクタンスは、ドラム26の軸方向Aにおける隙間Sの端部γからの成膜室14内へのコンダクタンスよりも大きくなる。
このように、本実施形態においても、ドラム26の軸方向Aよりもドラム26の回転方向ω(周面方向)の方が流体は流れ易くすることができる。このため、第1の実施形態と同様に、成膜時に、原料ガスGが供給された隙間Sと成膜室14内との差圧により、ドラム26の回転方向ωに反応ガスGがドラム26の表面27に沿って優先的に流れ、隙間Sの軸方向Aに原料ガスGが流れることが抑制され、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態においては、部材を設けることなく、隙間Sにおける流体の流れ易さの方向を制御することができ、コストを低減することができる。
本発明においては、上述のいずれの実施形態においても、成膜する膜は、特に限定されるものではなく、CVD法によって成膜可能なものであれば、製造する機能性フィルムに応じて要求される機能を有するものが適宜形成することができる。また、膜の厚さにも、特に限定はなく、機能性フィルムに応じて要求される性能に応じて、必要な膜さを適宜決定すればよい。
さらに、成膜する膜は、単層に限定はされず、複数層であってもよい。膜を複数層形成する場合には、各層は、同じものであっても、互いに異なるものであってもよい。
本発明においては、上述のいずれの実施形態においても、例えば、機能性フィルムとして、ガスバリアフィルム(水蒸気バリアフィルム)を製造する際には、膜として、窒化ケイ素膜、酸化アルミニウム膜、酸化ケイ素膜等の無機膜を成膜する。
また、機能性フィルムとして、有機ELディスプレイおよび液晶ディスプレイのような表示装置などの各種のデバイスまたは装置の保護フィルムを製造する際には、膜として、酸化ケイ素膜等の無機膜を成膜する。
さらに、機能性フィルムとして、光反射防止フィルム、光反射フィルム、各種のフィルタ等の光学フィルムを製造する際には、膜として、目的とする光学特性を有する膜、または目的とする光学特性を発現する材料からなる膜を成膜する。
このようにして、本発明においては、上述のいずれの実施形態の成膜装置により得られた機能性フィルムは、特に基板の幅方向における膜厚均一性が優れた膜厚が均一な膜を有するため、機能性フィルムが、例えば、ガスバリアフィルムであれば、ガスバリア性能が良いものとなる。
以上、本発明の成膜装置について詳細に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのは、もちろんである。
本発明の第1の実施形態に係る成膜装置を示す模式図である。 図1に示す成膜装置の成膜室における成膜電極の構成を示す模式的側面図である。 (a)は、図1に示す成膜装置の成膜室におけるドラム、成膜電極および覆板の配置位置を示す模式的斜視図であり、(b)は、図1に示す成膜装置の成膜室におけるドラム、成膜電極および覆板の配置位置を示す模式的側断面図である。 図1に示す成膜装置の成膜室におけるドラム、成膜電極および覆板の配置位置を示す模式的平面図である。 図1に示す第1の実施形態の成膜装置の変形例を示すものであって、成膜室におけるドラム、成膜電極および覆板の配置位置を示す模式的側面図である。 (a)は、本発明の第2の実施形態に係る成膜装置のドラム、成膜電極板および端部材の配置位置を示す模式的斜視図であり、(b)は、本発明の第2の実施形態に係る成膜装置のドラム、成膜電極板および端部材の配置位置を示す模式的側断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る成膜装置の成膜室を示す模式的側断面図である。
符号の説明
10 成膜装置
12 供給室
14 成膜室
16 巻取り室
20 基板ロール
21,24,28,31 ガイドローラ
27 表面
29 成膜ゾーン
30 巻取りロール
32 真空排気部
36 制御部
40 成膜部
42 成膜電極
44 高周波電源
46 原料ガス供給部
50 覆板
52 覆部材
54 第1の部材
56 第2の部材
58 端部材
60 成膜電極板
D 搬送方向
Z 基板
ω 回転方向

Claims (1)

  1. 所定の搬送経路で、長尺の基板を搬送する第1の搬送手段と、
    チャンバと、
    前記チャンバ内を所定の真空度にする真空排気部と、
    前記チャンバ内に設けられ、前記基板の搬送方向と直交する方向に回転軸を有し、かつ前記基板の搬送方向と直交する方向における前記基板の長さよりも長く、前記第1の搬送手段により搬送された基板が、表面の所定の領域に巻き掛けられる回転可能な円筒状のドラムと、
    所定の搬送経路で、前記ドラムに巻き掛けられた基板を搬送する第2の搬送手段と、
    前記ドラムの表面に対向して所定の距離離間して配置された成膜電極、前記成膜電極に高周波電圧を印加する高周波電源部、および前記膜を形成するための原料ガスを前記ドラムと前記成膜電極との隙間に供給する原料ガス供給部を備える成膜部とを有し
    前記成膜電極は、シャワー電極であり、
    前記ドラムと前記成膜電極との隙間は、前記ドラムの前記回転方向における第1のコンダクタンスの方が前記ドラムの前記回転軸方向における第2のコンダクタンスよりも大きく、膜形成時に前記原料ガスが供給された場合、前記ドラムの回転方向の方が前記ドラムの前記回転軸方向よりも、前記原料ガスが流れ易く、
    前記ドラムと前記成膜電極との隙間のうち、前記ドラムの回転軸方向におけるそれぞれの端部には、各端部を覆う第1のカバー部材が設けられており、
    前記第1のカバー部材は、前記ドラムの表面において前記基板が巻き掛けられていない領域に対向し、かつ前記成膜電極の前記ドラムの回転軸方向における端部から一体的に設けられた第1の部材と、前記第1の部材に接続され、前記ドラムの回転軸方向における端部を覆う第2の部材とからなることを特徴とする成膜装置。
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