JP5185909B2 - プラズマcvd装置 - Google Patents
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Description
具体的には、本発明は、基材で覆われていない成膜ロールの端部に対して不要な皮膜の形成を防止したうえで、基材に対して均一な膜厚及び膜質で皮膜を形成できるようにしたものであって、これらに加えてさらに次の(1)〜(4)の課題を解決できるようにしたプラズマCVD装置を提供することを目的とする。
(1)遮蔽部材の交換を容易にして、メンテナンス時の作業性を良好にする。特に、基材を通紙した状態において遮蔽部材を容易に交換できるようにする。
(2)遮蔽部材を取り外す際に、遮蔽部材に堆積した皮膜が脱落してダストが発生することを防止する。
(3)遮蔽部材と基材とを非接触状態として、基材の傷や変形を防止する。
(4)遮蔽部材の上にも基材から連続したプラズマを形成し、膜厚の分布、膜質の分布を均一に保つ。
即ち、本発明のプラズマCVD装置は、真空チャンバと、当該真空チャンバ内に配備されると共に電源の両極が接続され且つ各々に成膜対象であるシート状の基材が巻き掛けられる真空チャンバから絶縁された成膜ロールと、前記基材が巻き掛けられていない成膜ロールの端部を、成膜ロール近傍に発生したプラズマから遮蔽する遮蔽部材と、を備えたプラズマCVD装置であって、前記遮蔽部材は、前記成膜ロールとは別の部材からなると共に、前記成膜ロールの端部表面の周方向に沿うような湾曲形状とされていて、前記遮蔽部材と当該遮蔽部材が取り付けられる成膜ロールとは、一定のクリアランスを有するように配備されると共に、互いが同電位に保持されていて、前記クリアランスは、前記シート状の基材が差し込み可能であると共に前記プラズマが成膜ロールの端部側まで進入することを防止可能な距離に設定されていることを特徴とするものである。
成膜ロールの端部を遮蔽部材で遮蔽しても導電体の遮蔽部材が剥き出しになっているとアーク放電が発生してプラズマから遮蔽部材に瞬間的に大電流が流れる場合がある。アーク放電が発生すると、交流電源の故障に繋がったり、または電源を保護する保護回路が作動してCVD処理が中断してCVD皮膜の品質を安定することが困難になるといった問題がある。しかし、上述のように遮蔽部材の表面に絶縁体材料で形成された絶縁コートを配備すれば、遮蔽部材にアーク放電が発生することを防止でき、交流電源の故障を防止するまたはCVD皮膜の品質を安定化することも可能となる。
コンデンサによりアーク放電のような直流の電流は遮断されるため、このようなコンデンサを交流電源と遮蔽部材との間に電気的に接続しても上述の絶縁コートを設けた場合のようにアーク放電が発生することを防止できる。
前記遮蔽部材は、非磁性の金属から形成されているのが好ましい。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るプラズマCVD装置1の全体構成を示している。
図1及び図2に示すように、本実施形態のプラズマCVD装置1は、図示しない真空チャンバ3と、この真空チャンバ3内に配備されると共に交流電源4の両極が接続され且つ各々に成膜対象であるシート状の基材Wが巻き掛けられる一対の成膜ロール2L、2Rと、基材Wが巻き掛けられていない成膜ロール2L、2Rの端部9を、成膜ロール2L、2Rの近傍で、且つ一対の成膜ロール2L、2R間に発生したプラズマ11から遮蔽する遮蔽部材5とを有している。
真空チャンバ3は、ステンレス板等を溶接するなどして中空に形成された筺体であり、その内部には一対の成膜ロール2L、2R、真空チャンバ3内に原料ガスを供給するガス供給手段6及び真空チャンバ3内から原料ガスを排気するガス排気手段7が配備されている。真空チャンバ3には、ガス供給手段6やガス排気手段7を用いて原料ガスが充填されている。なお、本実施形態の装置はSiOxバリア膜をCVD皮膜として形成するプラズマCVD装置1であり、真空チャンバ3にはHMDSO(ヘキサメチルジシロキサン)とO2、He、Ar、N2、NH3またはこれらの混合物とを含む混合ガスが原料ガスとして充填されている。なお、本実施形態の装置では、原料ガスにHMDSOを含むものを例示しているが、原料ガスにはHMDSO以外の有機シリコン系成膜ガス、例えばHMDS(N)(ヘキサメチルジシラザン)、TEOS(テトラエトキシシラン)、TMS(トリメチルシラン、テトラメチルシラン)、モノシランなどを用いることもできる。
CVD皮膜を形成する基材Wとしては、プラスチックのフィルムやシート、紙など、ロール状に巻き取り可能な絶縁性の材料が考えられる。プラスチックフィルム、シートとしては、PET、PEN、PES、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリイミド等が適当であり、基材Wの厚みとしては真空中での搬送が可能な5μm 〜0.5mmが好ましい。
交流電源4は、高周波の交流電圧、または、両極の極性が反転可能なパルス状の電圧(パルス状直流電圧)が発生可能とされている。この交流電源4の両極は、いずれも真空チャンバ3から絶縁されたフローティング電位とされている。成膜を行う基材Wは、前述の如く絶縁性の材料であるため、直流の電圧の印加では電流を流すことが出来ないが、フィルム(基材W)の厚みに応じた適切な周波数(およそ1kHz〜、好ましくは10kHz〜)であれば基材Wを通して導通可能である。なお、周波数の上限は特にないが、数10MHz以上になると定在波を形成するので好ましくはない。
遮蔽部材5は、成膜ロール2L、2Rの両側の端部9における基材Wが巻き掛けられていない部分に設けられて成膜ロール2L、2R間に発生したプラズマ11から成膜ロール2L、2Rの端部9表面を遮蔽するものである。遮蔽部材5は、アルミニウムやステンレスなどの非磁性の金属により湾曲した板状に形成されており、一対の成膜ロール2L、2Rのそれぞれに配備されている。遮蔽部材5は、それぞれの成膜ロール2L、2Rの外周面を覆うように配備されており、外周面における対向したロールに面する側をおおむね半周に亘って覆うように配備されている。
まず、成膜ロール2L、2Rの両端にロール表面から10μm〜1mmのクリアランス10をあけて遮蔽部材5を取り付ける。このとき、遮蔽部材5とこの遮蔽部材5が取り付けられる成膜ロール2L、2Rとを交流電源4の同じ電極に電気的に接続する。
次に、ガス排気手段7を作動させ、CVD皮膜形成作業の前に真空チャンバ3を減圧した上で、ガス供給手段6により真空チャンバ3内に連続的に原料ガス(本実施形態の場合であればHMDSOガスなどの有機シリコン系成膜ガス、酸素ガス、アルゴンなどのガス)を供給し、真空チャンバ3内の圧力を所定の圧力に調整・維持する。
上述のようにCVD処理を行えば、遮蔽部材5で基材Wが巻き掛けられていない、言い替えれば露出状態とされた端部9を被覆しつつ、基材Wに幅方向に安定したCVD皮膜を形成することが可能となる。また、このようなCVD皮膜を取り除くのに必要な手間を低減することが可能となる。
[第2実施形態]
なお、第1実施形態として述べたプラズマCVD装置1に代えて、遮蔽部材5の構成を様々に変更したプラズマCVD装置1を考えることができる。それらを第2実施形態及び第3実施形態として、以下に述べる。なお、説明を省略した部分は、第1実施形態のプラズマCVD装置1と略同様な構成を有している。
[第3実施形態]
なお、第2実施形態として述べたプラズマCVD装置1に代えて、図4(b)の第3実施形態に示されるように、遮蔽部材5に絶縁コート15を設けるのに代えて、遮蔽部材5と交流電源4との間にコンデンサ16を電気的に接続して設けることもできる。
[第4実施形態]
一方、上述のような構成の遮蔽部材5は、成膜ロール2L、2Rに対する設置が容易であるとはいえ、遮蔽部材5と成膜ロール2L、2Rとの距離が少しでも変化するとプラズマ11が弱くなったりアーク放電が起きやすくなる。それゆえ、遮蔽部材5は成膜ロール2L、2Rに対して絶えず一定距離となるように配置されるのが好ましい。例えば、図5に示す第4実施形態では、遮蔽部材5は成膜ロール2の両端に設けられた軸受部17を介して成膜ロール2L、2Rに着脱自在に取り付けられている。
また、軸受部17のアウター部は図示しない支持部材で回転しない(動かない)ように固定されており、このアウター部に取り付けられた遮蔽部材5も位置固定されている。一方、軸受部17のインナー部はアウター部に対して回転自在となっており、このインナー部に取り付けられた成膜ロール2L、2Rもアウター部に対して回転自在となる。つまり、軸受部17は成膜ロール2L、2Rの回転に連動して遮蔽部材5が回転することを防止する非連動手段としても機能している。
2L左側の成膜ロール
2R右側の成膜ロール
3 真空チャンバ
4 交流電源
5 遮蔽部材
6 ガス供給手段
7 ガス排気手段
8 磁場発生手段
9 端部
10 クリアランス
11 プラズマ
12 補助ロール
13 巻出ロール
14 巻取ロール
15 絶縁コート
16 コンデンサ
17 軸受部
W 基材
Claims (6)
- 真空チャンバと、当該真空チャンバ内に配備されると共に電源の両極が接続され且つ各々に成膜対象であるシート状の基材が巻き掛けられる真空チャンバから絶縁された成膜ロールと、前記基材が巻き掛けられていない成膜ロールの端部を、成膜ロール近傍に発生したプラズマから遮蔽する遮蔽部材と、を備えたプラズマCVD装置であって、
前記遮蔽部材は、前記成膜ロールとは別の部材からなると共に、前記成膜ロールの端部表面の周方向に沿うような湾曲形状とされていて、
前記遮蔽部材と当該遮蔽部材が取り付けられる成膜ロールとは、一定のクリアランスを有するように配備されると共に、互いが同電位に保持されていて、
前記クリアランスは、前記シート状の基材が差し込み可能であると共に前記プラズマが成膜ロールの端部側まで進入することを防止可能な距離に設定されていることを特徴とするプラズマCVD装置。 - 前記成膜ロールは、交流電源の両極が接続された一対の成膜ロールであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマCVD装置。
- 前記遮蔽部材と当該遮蔽部材が取り付けられる隣接する側の前記成膜ロールとは、前記交流電源の同じ電極に接続されて同電位に保持されていることを特徴とする請求項2に記載のプラズマCVD装置。
- 前記成膜ロールに面する側とは反対側の遮蔽部材の表面に、絶縁体材料で形成された絶縁コートが設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマCVD装置。
- 前記遮蔽部材と交流電源との間に、コンデンサが接続されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプラズマCVD装置。
- 前記遮蔽部材は、非磁性の金属から形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のプラズマCVD装置。
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