JP2009024206A - プラズマcvd装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロールツーロール方式のプラズマCVD法において、電極ドラムの露出箇所に無効蒸着物が堆積することを好適に防止するとともに、耐熱性に優れ、かつ低コスト、さらには、電気的な特性の優れた遮蔽基材を有するプラズマCVD装置を提供することを課題とする。
【解決手段】上記課題を解決するため、本発明の請求項1記載の発明は、ロールツーロール方式のプラズマCVD装置において、前記ドラム電極と前記被蒸着基材とが当接する箇所を除く前記ドラム電極の露出箇所に、導電性のシートを形成することにより、該導電性のシートへと無効蒸着物を堆積させることを特徴とする、プラズマCVD装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、反応室内に所定のガスを導入するとともに、少なくとも2の電極間に交流電圧を印加することで、前記反応性ガスをプラズマ状態とし、前記電極上にガス中に含まれる物質を成膜するプラズマCVD装置に関する。
被蒸着基材上に薄膜を形成するための代表的な成膜法としては、エレクトロンビーム法、誘導加熱法や抵抗加熱法などの加熱法や、スパッタ法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法など、種々の成膜法が用いられ、蒸着したい物質の融点や蒸気圧などの各種性質に好適な方法を適宜用い薄膜を形成することが可能である。
しかしながら、上記何れの蒸着方法においても蒸着物が飛散するため、反応室内に無効蒸発物が堆積してしまうという問題がある。特に、蒸着装置の可動部分に蒸発物が堆積、固着してしまうと、装置の動作障害を生じる恐れがあり、このため、装置に付着する無効蒸発物を除去する必要があった。このような問題を解消すべく、無効蒸発物の飛散を防ぐ遮蔽板などを、反応容器内に適宜配置することが一般に行なわれている。(例えば、特許文献1、特許文献2)
特に、前記プラズマCVD法は、2つの電極間に電圧を印加して生じる電場中に、反応性ガスを導入することで、被蒸着基板上5に生成物が堆積する成膜法であり、低温での成膜が可能であるため、耐熱性に劣る被蒸着基材5への蒸着法として好適に用いられている。
そして、プラズマCVD法を用いて被蒸着基材5へと薄膜を成膜する方法の一例としては、ロールツーロール方式のプラズマCVD装置10が挙げられ、図3(a)に示すように、ドラム形状の電極1(ドラム電極1)に、連続して繰り出したフィルム5を巻き付けるとともに、回転させながら蒸着することにより、連続してフィルム5上に蒸着膜を成膜することが可能である(例えば、特許文献3)。
しかしながら、このようなロールツーロール方式のプラズマCVD装置10では、通常ドラム電極1に巻きつけるフィルム5の幅が、ドラム電極1の幅より小さいため、ドラム電極1の両端部分11が露出した状態であり、この露出部分11の電極が剥き出しのため、図3(b)に示すように、露出部分11の電極上に無効蒸着物20が堆積し固着してしまうという欠点があった。
さらには、一旦電極上に固着した堆積物20は、剥離することが困難であり、特に、酸化ケイ素化合物等の無機酸化物が堆積、固着した場合、電極へと強固に付着するために、これらを取り除くことは困難である。また、付着した酸化ケイ素化合物は絶縁性のため、酸化ケイ素化合物が堆積した電極1上に位置する基材5部分へと電圧がかからず、よって成膜ができないといった問題があった。
こうした酸化ケイ素化合物等の無機酸化物からなる無効蒸着物20を除去する方法としては、反応室内を大気状態に戻して、スクレーパーやサンダーなどを用いて電極に付着した無効蒸着物20を直接削り取る方法や、また、フッ化水素などのフッ化物を反応室内に導入するとともに電圧を印加してエッチングにより除去する方法などが挙げられる(例えば、特許文献4)。しかしながら、酸化ケイ素化合物を直接削り取る方法では、作業効率が悪いばかりでなく、電極を傷つけてしまう恐れがあり、他方、フッ化物を用いる方法では、フッ化物の取り扱いに慎重を要することや、食品用とのフィルムに成膜する場合、残留フッ化物の危険性が生じるといった問題がある。
また、電極ドラム1の両端部分の露出箇所に無効蒸着物が堆積してしまうと、さらに幅が広い被蒸着基材を用いた際に、被蒸着基材の両端部分が電極ドラムの無効蒸着物上に位置してしまうため、この部分に電圧がかからずに成膜ができないといった問題があった。さらには、ロールツーロール方式のプラズマCVD装置においては、連続して成膜を行なうため、電極に大量に付着した堆積物の塊が、巻取り部分に混入してしまい成膜不良を生じる原因となっていた。
特開昭61−213368号公報 特開平10−287967号公報 特許第3031551号公報 特許第1840209号公報
本発明者はこのような問題点に鑑み、ロールツーロール方式のプラズマCVD法において、電極ドラムの露出箇所に無効蒸着物が付着、堆積することを好適に防止することが可能なプラズマCVD装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明者は、電極ドラムの被蒸着基材に覆われた部分を除く露出箇所に、融点が1000℃以上で、かつ導電率が2.3IACS%以上である金属製の遮蔽基材を形成することで、毒性のあるガスや特殊な器具を使用することなく、電極に堆積する無効蒸着物を防止可能であることを見出した。
すなわち、電極ドラムの露出部分に強固な絶縁膜が形成されてしまうため、上述のような種々の問題が生じていたが、この現象を逆に利用して、金属箔からなる遮蔽基材を電極ドラムに形成することで、成膜中に前記遮蔽基材へと酸化ケイ素蒸着物を積極的に堆積させて強固な絶縁皮膜を形成することが可能である。特に、無効蒸着物は絶縁性の低い箇所から優先して蒸着するため、たとえ絶縁皮膜に剥離が生じた場合にも、剥離箇所に再び絶縁皮膜が蒸着されるため、絶縁皮膜の自己修復が可能である。さらには、遮蔽基材のベースが金属材料であるため、耐熱性や電気的特性に優れた遮蔽基材を用いることが可能である。
そして、本発明の請求項1記載の発明は、低圧の反応室内に所定のガスを導入するとともに、電極間に交流電圧を印加することで、前記反応性ガスをプラズマ状態とし、被蒸着基材へと蒸着膜を成膜するプラズマCVD装置であって、少なくとも1の前記電極は、回転するドラム状のドラム電極であって、該ドラム電極に巻き付けられるとともに回動搬送される前記被蒸着基材へと成膜するロールツーロール方式のプラズマCVD装置において、前記ドラム電極と前記被蒸着基材とが当接する箇所を除く前記ドラム電極の露出箇所に、導電性のシートからなる遮蔽基材を形成することにより、前記導電性のシートへと無効蒸着物を堆積させることを特徴とする、プラズマCVD装置である。
また、請求項2記載の発明は、前記導電性シートへと積極的に無効蒸着物を成膜することにより、前記遮蔽基材に絶縁皮膜を自己形成することを特徴とする、プラズマCVD装置である。
また、請求項3記載の発明は、前記導電性シートは、その融点が1000℃以上、かつ導電率が、2.3IACS%以上であることを特徴とする、プラズマCVD装置である。
また、請求項4記載の発明は、前記導電性シートは、金属箔であって、該金属箔は少なくとも銅を含むことを特徴とする、プラズマCVD装置である。
本発明の請求項1記載の発明は、低圧の反応室内に所定のガスを導入するとともに、電極間に交流電圧を印加することで、前記反応性ガスをプラズマ状態とし、被蒸着基材へと蒸着膜を成膜するプラズマCVD装置であって、少なくとも1の前記電極は、回転するドラム状のドラム電極であって、該ドラム電極に巻き付けられるとともに回動搬送される前記被蒸着基材へと成膜するロールツーロール方式のプラズマCVD装置において、前記ドラム電極と前記被蒸着基材とが当接する箇所を除く前記ドラム電極の露出箇所に、導電性のシートからなる遮蔽基材を形成することにより、前記導電性のシートへと無効蒸着物を堆積させることが可能であり、遮蔽基材へと無効蒸着物が強固に付着し、均一な絶縁皮膜を形成することが可能であるから、電極ドラムの露出箇所に無効蒸着物が直接付着することを好適に防止することが可能である。さらには、蒸着終了後も前記遮蔽基材を交換する簡単な方法により、容易に無効堆積物の除去が可能であり、遮蔽板などの大掛かりな装置機構が不要なため、大幅なコスト削減が可能である。また、異なる幅の被蒸着基材に成膜を行なう際にも、前記遮蔽基材の寸法を変える簡単な方法で適宜対応することが可能である。
また、請求項2記載の発明は、前記導電性シートへと積極的に無効蒸着物を成膜することにより、前記遮蔽基材に絶縁皮膜を自己形成することを特徴とするから、導電性シートへと一定の表面抵抗に達するまで無効蒸着物が堆積した絶縁皮膜形成後においては、遮蔽基材への無効蒸着物の堆積が抑制されるため、結果電極ドラムの露出箇所に無効蒸着物が直接付着することを好適に防止することが可能である。さらには、無効蒸着物が剥離した際にも、抵抗が低い箇所が優先して蒸着されるため、剥離箇所の自己修復が可能である。
また、請求項3記載の発明は、前記導電性シートは、その融点が1000℃以上、かつ導電率が、2.3IACS%以上であることを特徴とするから、耐電圧、耐熱性、寸法安定性、耐アーク性、耐コロナ性に優れ、かつ速やかに絶縁皮膜が形成される効果がある。
また、請求項4記載の発明は、前記導電性シートは、金属箔であって、該金属箔は少なくとも銅を含むことを特徴とするから、低コストかつ加工性に優れ、さらには、金属ベースであることから耐熱性に優れ、電気伝導性に優れる効果がある。
本発明のプラズマCVD装置10におけるロールツーローラ方式のプラズマCVD装置10の一例としては、図1(a)に示すように、フィルム状の被蒸着基材5が、回転する繰り出しローラ4より連続して繰り出され(図中矢印方向)、反転ローラ3を介して、回転する金属製の電極ドラム1へと巻き付けられるとともに、対向電極2とドラム電極1とが対向する箇所において所望の膜が成膜された後、再び、他方の反転ローラ3'を経て、回転する巻き取りローラ6に順次巻きつけられる構成である。
このプラズマCVD装置10が配設される反応室内は、あらかじめ真空ポンプにより10mTorr程の真空に減圧されており、同時に、反応室内へと図示しないガス導入口よりマスフローバルブ等を介して規定流量の原料ガス、および窒素、水素、二酸化炭素、一酸化炭素などの活性なキャリアガスおよび、ヘリウム、アルゴンなどの不活性なキャリアガスが供給されており、反応室内はこれらガスで平衡圧力となっている。そして、前記プラズマCVD装置10は、ガス流量、放電条件、被蒸着基材の送り出しスピード等により、成膜する薄膜の膜圧を簡単にコントロールすることが可能であり、また、前記繰り出しローラ4より繰り出される被蒸着基材5は、反転ローラ3を経て、電極ドラム1の回転に同期して巻き付くとともに、被蒸着基材5の表面温度と、電極ドラム1の表面温度は略等しく、成膜時に原料ガスが堆積する被蒸着基材5の表面温度、すなわち成膜温度を任意にコントロールすることが可能である。
そして、前記電極ドラム1と対向する下方位置には、対向電極2が配置されており、前記電極ドラム1と対向電極2との間に交流電源Gより高周波電圧が印加されると、電極間に存在する前記ガスが電離され電極間に放電9(プラズマ9)を生じ、電離されたガスはプラズマ中で活性なラジカル状態であるため、導電性の電極ドラム1の被蒸着基材5の表面へと積極的に付着するとともに、表面反応により被蒸着基材5に取り込まれ堆積することにより、被蒸着基材上5へと所望の膜を成膜することが可能である。
しかしながら、通常のロールツーロール方式のプラズマCVD装置では、図3(a)(b)に示すように、電極ドラム1と被蒸着基材5とが当接する箇所を除く電極ドラム1の両端部分11に露出箇所11が生じてしまい、この電極ドラムの露出箇所11へと蒸着物20(無効蒸着物20)が堆積、固着してしまうといった問題があった。
そして、電極ドラムの表面に無効蒸着物が付着してしまうと、取り除くことは困難であり、この部分の被蒸着基材に成膜することができないといった問題があった。
そして無効蒸着物20を除去する方法としては、反応室内を大気状態に戻して、スクレーパーやサンダーなどを用いて直接削り取る方法や、また、フッ化水素などのフッ化物を反応室内に導入するとともに電圧を印加してエッチングにより除去する方法などが挙げられるが、無効蒸着物を直接削り取る方法では、電極を傷つけてしまう恐れがあり、他方、フッ化物を用いる方法では、フッ化物の取り扱いに慎重を要することや、食品用とのフィルムに成膜する場合、残留フッ化物の危険性が生じるといった問題があった。
これに対して、本発明のプラズマCVD装置10は、図1(b)に示すように、電極ドラム1の前記露出箇所11に、導電性シート7を巻き付けてなる遮蔽基材7を形成する簡単な構成により、電極ドラム1の前記露出箇所に導電性シート7を形成し、該導電性シート7の表面に積極的に無効蒸着物20を蒸着させて、絶縁皮膜を自己生成させることが可能である。
よって、導電性シート7上に形成された絶縁皮膜により、導電性シート7への成膜が阻止される効果がある。さらには、蒸着終了後も前記遮蔽基材7のみを交換する簡単な方法により、ドラム電極1から容易に無効堆積物20の除去が可能であり、従来の遮蔽板などの大掛かりな装置機構が不要なため、大幅なコスト削減が可能である。また、異なる幅の被蒸着基材5に成膜を行なう際にも、前記遮蔽基材7の寸法を変える簡単な方法で適宜対応することが可能である。
前記導電性シート7は、その融点が1000℃以上、かつ導電率が、2.3IACS%以上であることが好ましく、銅の金属箔からなる導電シートを用いることが可能である。ここで、IACSとは、標準軟銅の導電率を100%とした時の、同温度、同体積の物質の比で表したものである。そして、前記金属箔の融点が1000℃未満の場合、プラズマCVD成膜中にアーク放電が生じた場合に溶融する可能性があり、また耐熱性を上げるために、金属箔の厚みを厚くする必要が生じるため好ましくない。
そして、前記導電性シート7としては、融点が1000℃以上である銅(融点1083℃)、金(融点1064℃)、鉄(融点1535℃)、ステンレス(融点1400℃〜1500℃)、タングステン(融点3410℃)等を含む金属箔を用いることが好ましく、また、金属箔以外の導電性シート7としては、グラファイト(融点3550℃)等を用いてもよい。また、前記導電率が2.3IACS%以上である金属としては、鉄(導電率8IACS%)、ステンレス(導電率2.5IACS%)、金(導電率74IACS%)、銅(導電率100IACS%)が挙げられる。
そして、前記導電性シート7の厚みとしては、前記被蒸着基材5と前記電極1との間に段差が生じない程度の厚みであることが望ましく、1mm以下さらに望ましくは0.5mm以下であることが望ましい。
次に、本発明のプラズマCVD装置10における遮蔽基材7について、さらに詳しく説明する。
本発明のプラズマCVD装置における無効蒸着物除去手段は、図2(a)に示すように、電極ドラム1に巻かれる被蒸着基材5は、電極ドラム1の回転に伴い、順次新たな被蒸着基材5が電極ドラム1へと供給され電極ドラム1の一定幅上に被蒸着基材5が当接しつつ回動する。そして、図2(b)に示すように、電極ドラム1と被蒸着基材5とが当接する箇所を除く電極ドラム1の両端部分に露出箇所が形成されている。
このため、前記電極ドラム1両端の露出箇所の幅に合わせて、導電シート7からなる遮蔽基材7を電極ドラム1に巻き付けて形成することにより、該導電性のシート7へと無効蒸着物20が積極的に堆積するとともに、前記導電性シート7に絶縁皮膜20を形成することが可能である。よって、電極ドラム1の露出箇所が絶縁皮膜で覆われるため、一定の絶縁皮膜の成膜後、導電性シート7へと無効蒸着物が堆積することがない。
そして、蒸着終了後も前記遮蔽基材を交換する簡単な方法により、容易に無効堆積物の除去が可能であり、遮蔽版などの大掛かりな装置機構が不要なため、大幅なコスト削減が可能である。また、異なる幅の被蒸着基材に成膜を行なう際にも、前記遮蔽基材の寸法を変える簡単な方法で対応することが可能である。
前記遮蔽基材7は、該遮蔽基材7の幅を長めに形成して、一部被蒸着基材5と重なる箇所8(重合箇所8)を形成することが望ましく、これにより、被蒸着基材5のわずかな位置変動が生じても電極ドラム1の表面に露出箇所が生じることを確実に防止することが可能である。
次に、本発明のロールツーロール方式のプラズマCVD装置による成膜実験を行なった結果を以下の実施例に示す。
(実施例)
前記ロールツーローラ方式のプラズマCVD装置10を用いて、被蒸着基材5が電極ドラム1の中央部分に接するように配置するとともに、電極ドラム1の露出部分である電極ドラム1の両端部分に、導電性シートからなる前記遮蔽基材7を巻きつけて固定した。
これにより、電極ドラム1の表面は、被蒸着基材5および電極ドラム両端に位置する遮蔽基材7とで完全に覆われることとなり、この状態で、ライン速度50m/min、成膜電力12kW、成膜長5000mの条件でのプラズマCVD装置による被蒸着基材への成膜実験を行った。
また、前記被蒸着基材5として、厚さ12μmのPETフィルム(P60東レ製)を用い、反応室内への導入ガスとして、酸素(5slm)、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO(1.2slm))、ヘリウム(2.0slm)を導入し、50mTorrの平衡圧力で、プラズマCVDによる成膜を行なった。
そして、前記遮蔽基材7として3種の異なる導電性シートからなる遮蔽基材7を用いて成膜を行なった各実施例と、前記遮蔽基材7を用いない場合の比較例とを以下に示す。
(実施例1)
前記遮蔽基材6として、厚さ20μmの銅箔(株式会社日鉱マテリアルズ製)を用いた。
(実施例2)
前記遮蔽基材6として、厚さ20μmのステンレス(SUS304箔:新日本製鉄株式会社製)を用いた。
(比較例1)
前記遮蔽基材6として、厚さ20μmのアルミ箔(東洋アルミニウム株式会社製)
(比較例2)
前記遮蔽基材6を用いることなく被蒸着基材5への成膜を行った。
これら実施例1、2および比較例1、2についての結果を以下表1に示す。特に、実施例1、2は、5000mの成膜後も、遮蔽基材6の変形は見られず、金属箔上に酸化ケイ素からなる絶縁皮膜が被覆して、電極ドラム1への無効蒸着物の付着を好適に防ぐことが可能であった。
Figure 2009024206
特に、前記遮蔽基材に用いる導電性シートは、融点が1000℃以上かつ導電率が2.3IACS%以上であることが好ましく、融点がこの範囲外の場合、電極間にアーク放電等が生じた際に、前記遮蔽基材が溶けてしまう恐れがある。また、導電率が2.3IACS%以下の場合、電流が流れにくく、無効蒸着物の自己形成が遅くなるといった問題がある。例えば、アルミニウムを用いた場合、アルミニウムの導電率は、50IACS%であるが、その融点は660℃であり、耐熱性に劣るため、融点が1000℃以上である銅、および1500度以上である鉄、SUS等を用いることが好ましい。
以上のように、本発明のプラズマCVD装置10は、低圧の反応室内に所定のガスを導入するとともに、電極間に交流電圧を印加することで、前記反応性ガスをプラズマ状態とし、被蒸着基材へ7と蒸着膜を成膜するプラズマCVD装置10であって、少なくとも1の前記電極1は、回転するドラム状のドラム電極1であって、該ドラム電極1に巻き付けられるとともに回動搬送される前記被蒸着基材5へと成膜するロールツーロール方式のプラズマCVD装置10において、前記ドラム電極1と前記被蒸着基材5とが当接する箇所を除く前記ドラム電極1の露出箇所に、導電性のシートからなる遮蔽基材7を形成することにより、前記導電性のシート7へと無効蒸着物を堆積させる簡単な構成により、電極ドラム1の露出箇所11に無効蒸着物が堆積することを好適に防止することが可能であり、電極ドラム1を傷つけてしまうことなく、かつ電極ドラム1への無効蒸着物の付着を確実に防止することが可能である。
また、前記ドラム電極1と前記被蒸着基材5とが当接する箇所を除く前記ドラム電極1の露出箇所に、導電性シート7を設け、該導電性シート7へと積極的に無効蒸着物を成膜することにより、前記遮蔽基材7に絶縁皮膜を形成することを特徴とするから、遮蔽基材7に高い絶縁性が要求されることなく、絶縁性シートを用いた際の局所的な欠損箇所からの放電等による遮蔽基材7の破損等の問題が生じることがない。
前記遮蔽基材に用いる前記導電性シートは、その融点が1000℃以上、かつ導電率が、2.3IACS%以上である銅を含む金属箔であることが望ましく、耐電圧、耐熱性、寸法安定性、耐アーク性、耐コロナ性に優れ、かつ速やかに絶縁皮膜が形成される効果がある。また、前記高融点を有する金属の一例としては、銅のみならず、金、鉄、ステンレス、タングステン等が挙げられ、コストと加工性等の実用性から、銅、鉄、ステンレスが望ましい。また、遮蔽基材の厚みとしては、電極ドラムと被蒸着基材との間に段差が生じることなない厚みであることが望ましく、1mm以下、さらに好ましくは0.5mm以下である。
本発明に係るロールツーロール方式のプラズマCVD装置の一例を示す図である。(a)プラズマCVD装置の正面視を示す説明図である。(b)プラズマCVD装置を示す説明図である。 本発明に係るロールツーロール方式のプラズマCVD装置の一例を示す図である。(a)プラズマCVD装置を示す説明図である。(b)プラズマCVD装置の電極ドラムを示す側面視説明図である。 (a)(b)従来のロールツーロール方式のプラズマCVD装置の一例を示す図である。
符号の説明
1 電極ドラム
2 対向電極
3 反転ローラ
4 繰り出しローラ
5 被蒸着基材
6 巻き取りローラ
7 遮蔽基材(金属箔)
8 重合箇所
9 放電箇所(プラズマ)
10 プラズマCVD装置
11 露出箇所
20 無効蒸着物

Claims (4)

  1. 低圧の反応室内に所定のガスを導入するとともに、電極間に交流電圧を印加することで、前記反応性ガスをプラズマ状態とし、被蒸着基材へと蒸着膜を成膜するプラズマCVD装置であって、少なくとも1の前記電極は、回転するドラム状のドラム電極であって、該ドラム電極に巻き付けられるとともに回動搬送される前記被蒸着基材へと成膜するロールツーロール方式のプラズマCVD装置において、
    前記ドラム電極と前記被蒸着基材とが当接する箇所を除く、前記ドラム電極の露出箇所に、導電性のシートからなる遮蔽基材を形成することにより、前記導電性のシートへと無効蒸着物を堆積させることを特徴とする、プラズマCVD装置。
  2. 前記導電性シートへと積極的に無効蒸着物を成膜することにより、前記遮蔽基材に絶縁皮膜を自己形成することを特徴とする、請求項1記載のプラズマCVD装置。
  3. 前記導電性シートは、その融点が1000℃以上、かつ導電率が、2.3IACS%以上であることを特徴とする、請求項1乃至2記載のプラズマCVD装置。
  4. 前記導電性シートは、金属箔であって、該金属箔は少なくとも銅を含むことを特徴とする、請求項1乃至3記載のプラズマCVD装置。
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JP2011084780A (ja) * 2009-10-15 2011-04-28 Kobe Steel Ltd プラズマcvd装置

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