JP2005054259A - プラスチックフィルム及びその製造方法及びそれを応用したフレキシブルプリント回路基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 密着性が非常に強固でエッチングによるファインパターン化が可能なフレキシブルプリント回路基板を安価に提供する。
【解決手段】酸素分圧が(1〜10)×10-6Paとなる酸素を含有する窒素ガスを用いて、プラスチックフィルムに高周波電力を印加しグロー放電させ、その酸素を含有する窒素ガスをイオン化し、そのイオン化された窒素を含むガスにより、上記プラスチックフィルム面上をプラズマ処理して粗化し、そのプラズマ処理後、酸素分圧が(1〜10)×10-6Paとなる酸素を含有するアルゴンガスを用いて、グロー放電させ、そのグロー放電下で、銅または銅を主成分とする合金からなる金属を溶融させてその金属をイオン化し、上記プラスチックフィルムに銅薄膜を蒸着するプラスチックフィルムの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラスチックフィルム及びその製造方法及びそれを応用したフレキシブルプリント回路基板に関するものである。
従来プラスチックフィルムの表面に金属粒子をPVD法により成膜するには、該フィルムに純度のよい、アルゴン等の不活性ガスを用いてスパッタリングまたは、イオンプレーティングを行っていたものである。しかしながら、これらの方法では、密着性のよい金属成膜を行うことができないものであった。
近時、プラスチックフィルムへのプラズマ処理が行われることにより、その表面に金属粒子を付着せしめるにおいて、密着性のより方法が提案されている。
その一例として、酸素ガスにより低温プラズマ処理を行ったプラスチックフィルムを大気に接触せしめることなく走行させる第1工程と酸素を0.01〜10%含有するアルゴン、キセノン、ヘリウム等の不活性ガスのプラズマ中を通過した金属粒子を上記プラスチックフィルム上に厚さ1μm以下に付着せしめる第2工程とその表面に高純度の不活性ガスのプラズマ中を通過した金属粒子を付着せしめる第3工程からなる製造方法がある。これにより、優れた密着性を有する金属コーティングフィルムを提供することができるとの記載がある(例えば、特許文献1参照)。
特開昭64−8264号公報
しかしながら、前記従来の構成では、フィルムと金属膜の界面に、酸素プラズマによる酸化膜を多く含むため、高温放置を繰り返すことにより、密着性の良い酸化銅Cu2Oから密着性の悪い酸化銅CuOに変わり、密着性が低下するという重大な課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、高温放置を繰り返しても、高い密着性を維持するプラスチックフィルム及びその製造方法及びそれを応用したフレキシブルプリント回路基板を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のプラスチックの製造方法は、プラスチックフィルムを真空中で脱水処理する工程と、
真空中に酸素分圧が(1〜10)×10-6Paとなる酸素を含有する窒素ガスを用いて、プラスチックフィルムに高周波電力を印加しグロー放電させ、そのグロー放電下でプラスチックフィルムに誘起される負の直流電圧とにより、前記酸素を含有する窒素ガスをイオン化し、そのイオン化された窒素を含むガスにより、前記プラスチックフィルム面上をプラズマ処理して粗化する工程と、
前記プラズマ処理後、酸素分圧が(1〜10)×10-6Paとなる酸素を含有するアルゴンガスを用いて、プラスチックフィルムに高周波電力を印加しグロー放電させ、そのグロー放電下で、銅または銅を主成分とする合金からなる金属を溶融させ、前記グロー放電中に存在する電離プラズマにより前記金属をイオン化し、且つプラスチックフィルムに誘起される負の直流電圧により前記イオン化された金属粒子を加速して、前記プラスチックフィルムに銅薄膜を蒸着する工程とからなることを特徴としたものである。
また、本発明のプラスチックフィルムは、プラスチックフィルムを真空中で脱水処理し、
真空中に酸素分圧が(1〜10)×10-6Paとなる酸素を含有する窒素ガスを用いて、プラスチックフィルムに高周波電力を印加しグロー放電させ、そのグロー放電下でプラスチックフィルムに誘起される負の直流電圧とにより、前記酸素を含有する窒素ガスをイオン化し、そのイオン化された窒素を含むガスにより、前記プラスチックフィルム面上をプラズマ処理して粗化し、
前記プラズマ処理後、酸素分圧が(1〜10)×10-6Paとなる酸素を含有するアルゴンガスを用いて、プラスチックフィルムに高周波電力を印加しグロー放電させ、そのグロー放電下で、銅または銅を主成分とする合金からなる金属を溶融させ、前記グロー放電中に存在する電離プラズマにより前記金属をイオン化し、且つプラスチックフィルムに誘起される負の直流電圧により前記イオン化された金属粒子を加速して、前記プラスチックフィルムに銅薄膜を蒸着して生成されることを特徴としたものである。
また、本発明のフレキシブル回路基板は、プラスチックフィルムを真空中で脱水処理し、
真空中に酸素分圧が(1〜10)×10-6Paとなる酸素を含有する窒素ガスを用いて、プラスチックフィルムに高周波電力を印加しグロー放電させ、そのグロー放電下でプラスチックフィルムに誘起される負の直流電圧とにより、前記酸素を含有する窒素ガスをイオン化し、そのイオン化された窒素を含むガスにより、前記プラスチックフィルム面上をプラズマ処理して粗化し、
前記プラズマ処理後、酸素分圧が(1〜10)×10-6Paとなる酸素を含有するアルゴンガスを用いて、プラスチックフィルムに高周波電力を印加しグロー放電させ、そのグロー放電下で、銅または銅を主成分とする合金からなる金属を溶融させ、前記グロー放電中に存在する電離プラズマにより前記金属をイオン化し、且つプラスチックフィルムに誘起される負の直流電圧により前記イオン化された金属粒子を加速して、前記プラスチックフィルムに銅薄膜を蒸着し、
前記銅薄膜が蒸着されたプラスチックフィルム上に金属導体層を形成して成ることを特徴としたものである。
本発明のプラスチックフィルム及びその製造方法及びそれを応用したフレキシブルプリント回路基板によれば、密着性が非常に強固でエッチングによるファインパターン化が可能なプラスチックフィルム及びフレキシブルプリント回路基板を提供できる。このため、本発明のフレキシブルプリント配線用基板はあらゆるエレクトロニクス分野に活用できる。たとえば一般的なフレキシブルプリント配線板からTAB、COF、PGA等のボンディングが必須の配線版にも適用が可能である。また、この分野の高密度配線板、高周波基板が可能なフレキシブルプリント回路基板を実現できる。
以下に、本発明のフレキシブルプリント回路基板及びその製造方法の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施例におけるフレキシブルプリント回路基板の製造装置の装置構成例を示す図である。
図1において、1は真空槽、2は巻出し部としての巻出しロール、3は巻取り部としての巻取りロール、4はフィルム加熱手段(IRヒータ)、5aと5bはフィルムを案内するための回転機構とフィルム冷却機能を具備した、円筒形で且つ、フィルムと接触する面に凹凸が形成された第1の電極と第2の電極、そして、第1の電極5a側面の一部分には少なくとも、導電部材で構成され、該一部分に、高周波電力を供給するために、6a、6bの高周波電源と7a、7bのマッチングボックスがあり、8aは蒸発源、8bは第3の電極、9a、9bはガス供給部であり、薄膜付与部はこれらにより構成される。10a、10bは遮蔽板、11a、11bはガイドロール、12a〜12cは真空ポンプ、13はプラスチックフィルム(ここで、本発明で使用されるプラスチックフィルムとしては、カプトン(東レ・デュポン(株))、ユーピレックス(宇部興産(株))、アピカル(鐘淵化学工業(株))などの商品名として市場で入手できるポリイミドフィルムを使用した。)である。真空槽1内において遮蔽板10aにより分離された部分の巻出しロール2の置かれた側は、フィルム室14と呼ばれる。また薄膜付与部の設けられた側は、成膜室15と呼ばれる。遮蔽板10bで分離され、プラズマ処理用の電極が配置された部分はプラズマ処理室16と呼ばれる。フィルム室14と成膜室15、プラズマ処理室16は、それぞれ真空ポンプ12a、12b、12cにより真空排気される。
次に図1の製造装置及び図2に示すフローチャートを用いて、本発明の製造工程を説明する。
ステップ1において、巻出しロール2から巻出されたプラスチックフィルム13は、真空ポンプ12aにより10-3Pa以下に排気される。
次に、ステップ2において、加熱・脱水処理を行う。即ち、プラスチックフィルム13の表面に付着した水分や、内部に吸着している水分は、プラスチックフィルム13が巻出しロール2から第2の電極5bに至る過程において、フィルム加熱手段4でプラスチックフィルム13表面を加熱することにより、ガス化させることができる。そしてガス化した水分は、真空ポンプ12aによって排気され、水の分圧が10-4Pa以下になるよう排気される。尚、水分圧は4重極質量分析器を用いて水分圧を測定した。これにより、ガス化した水分が拡散して真空槽の内部やガイドロールに再付着することを防止できる。
次に、ステップ3において、プラスチックフィルム13は、プラズマ処理される。即ち、加熱・脱水処理を終えたプラスチックフィルム13はプラズマ処理用の第2の電極5bを通過する。プラズマ処理室16にはガス供給部9bから、酸素ガスと窒素ガスを導入し、酸素分圧が(1〜10)×10-6Paとなるよう、ガスの流量制御を行う。そして、プラズマ処理室16内の真空度は10-3Paから10-1Paの範囲に保つ。高周波電源6bからマッチングボックス7bを介して第2の電極5bに、周波数13.56MHz、電力150Wから1kWを印加する。プラズマ処理室16には、第2の電極5bと第3の電極8b間でグロー放電が発生し、プラスチックフィルム13近傍に約200Vから約1000Vの負の誘起直流電圧が生じる。プラズマ処理室16において、該グロー放電下でイオン化された窒素ガスは、プラスチックフィルム13の表面をボンバードし、表面粗さRMSが2nmから5nmとなるようボンバード処理される。また、イオン化された窒素ガスは、プラスチックフィルム13を構成する原子をたたき、例えば炭素と水素の結合や、窒素と水素の結合を切るため、プラスチックフィルム13上に官能基が形成される。そして、酸素分圧が(1〜10)×10-6Paとなる酸素ガスも該グロー放電時、イオン化され、プラスチックフィルム13上のたたかれた原子と結合し、COやCO2などといったガスが生成される。その結果、プラスチックフィルム13の表面がクリーニングされる。
次に、ステップ4において、プラスチックフィルム上に成膜処理を行う。即ち、プラズマ処理室16を通過したプラスチックフィルム13は、ガイドロール11a、図示されていないエキスパンドロール、ニップロール、そして、遮蔽板10aを経て、成膜室15に入り、矢視の回転方向に回転する第1の電極5aの外周に入る。成膜室15では、ガス供給部9aより、酸素ガスとアルゴンガスを導入し、酸素分圧が(1〜10)×10-6Paとなるよう、ガスの流量制御を行う。そして、成膜室15内の真空度は10-3Paから10-1Paの範囲に保つ。高周波電源6aからマッチングボックス7aを介して第1の電極5aに、周波数13.56MHz、電力150Wから1kWを印加すると、第1の電極5aと蒸発源8a間でグロー放電が発生し、プラスチックフィルム13近傍に約200Vから約1000Vの負の誘起直流電圧が生じる。そして、該グロー放電下で、蒸発源8aを溶融する。その結果、グロー放電中に存在する電離プラズマにより、金属はイオン化され、励起種となり、高エネルギーの状態で成膜できる。本実施例では、銅または銅を含む主成分とする合金からなる金属、好ましくは銅の全重量比に占める割合が99.99%以上の合金を用いる。また、抵抗加熱方式又は、電子ビーム方式を用いて蒸発源8bを溶融させ、成膜室15内のプラスチックフィルム13に薄膜を形成する。
成膜終了後、プラスチックフィルム13は遮蔽板10aを経て、フィルム室14に入り、ガイドロール11bを経て、巻取りロール3にいたる。
本発明で製造したフレキシブルプリント回路基板フィルムに電気めっき銅を約20μm厚付けし、JIS C6481(90°ピール)に準じて90°引き剥がし試験を行った。合わせて、150℃で1日放置した後、3日放置した後、7日放置した後の引き剥がし試験も行った。また、本発明品と比較するために、比較例品1として、酸素分圧が10-5Paより多い酸素ガスを含有する窒素ガスでプラズマ処理し、銅成膜したポリイミドフィルムと、比較例品2として、酸素分圧が10-7Pa以下の酸素ガスを含有する窒素ガスで、プラズマ処理を行い、銅成膜したポリイミドフィルムの引き剥がし試験を行った。
即ち、酸素分圧をパラメータにして加熱時間と剥離強度を測定したものであり、その測定結果を表1、図3に示す。
Figure 2005054259
発明者は表1、図3に示した評価結果に対し、以下のメカニズムから生じると推定している。
比較例品1の、酸素分圧が10-5Paより多い酸素ガスを含有する窒素ガスでプラズマ処理した場合、ポリイミドフィルム表面層に酸素官能基が形成される。銅成膜時は、ポリイミドフィルム表面の酸素官能基と銅が反応して、強い結合を形成するため、高い剥離強度が得られる。また、ポリイミドフィルム表面は酸素ボンバードで表面粗化され、その結果、アンカー効果により、更に密着性が向上する。そして、ボンバード処理でダメージを受けている、ポリイミドフィルムの最表面層は酸素イオンと反応して、除去されるため、銅成膜時には、ボンバードによりダメージを受けていない、ポリイミドフィルム上に銅成膜される。そのため剥離は銅とポリイミドフィルムとの界面で発生し、剥離強度も高い。
しかし、150℃で加熱をした場合、銅とポリイミドフィルムの界面に酸素が多量に存在するため、熱による、界面の銅が急速に酸化されて、脆いCuOが形成される。そのため、剥離強度が急激に低下する。
比較例品2の、酸素分圧が10-7Pa以下の酸素ガスを含有する窒素ガスで、プラズマ処理を行った場合、ポリイミドフィルム表面層に窒素官能基が形成される。銅成膜時は、ポリイミドフィルム表面の窒素官能基と銅が反応して、強い結合が得られ、高い剥離強度が得られる。また、ポリイミドフィルム表面が窒素ボンバードで表面粗化され、その結果、アンカー効果により、更に密着性が向上する。しかし、ポリイミドフィルムの最表面はボンバード処理により、ダメージをうけ、その上に銅を成膜することで、ダメージをうけたポリイミドフィルム上に銅成膜される。
即ち、比較例品1の場合と異なり、ボンバード処理でダメージを受けているポリイミドフィルムの最表面層は、酸素イオンと反応して除去されることがないため、ダメージを受けたポリイミドフィルム上に銅成膜されることになる。
外部から力が加わると、ダメージをうけたポリイミドフィルム層は容易に破壊されるため、剥離強度は低い。このフィルムを150℃で加熱をした場合、初期段階では、加熱による酸化が進み、銅とポリイミドフィルムの界面で、剥離強度の高いCu2Oが増加し、剥離強度は上がるが、加熱時間の増加と共に、ダメージをうけたポリイミドフィルム層は熱による劣化が著しくなり、剥離強度は低下する。
これに対して、本発明による製造方法では、好適量の微量な酸素を含む窒素を導入することにより、ポリイミドフィルム表面層に窒素官能基が形成され、銅成膜時は、ポリイミドフィルム表面の窒素官能基と銅が反応して、強い結合が得られ、高い剥離強度が得られる。また、ポリイミドフィルム表面は窒素ボンバードで表面粗化され、その結果、アンカー効果により密着性が、更に向上する。そして、ボンバード処理でダメージを受けているポリイミドフィルムの最表面層が、酸素イオンと反応して除去されるため、銅成膜時には、ボンバードによりダメージを受けていないポリイミドフィルム上に銅成膜される。そのため剥離は銅とポリイミドフィルムとの界面で発生し、剥離強度も高い。150℃で加熱をした場合、初期段階では、ポリイミドフィルム内部の酸素による酸化が進み、銅とポリイミドフィルムの界面で、密着性の高いCu2Oが増加するため、密着強度は上がる。加熱時間の増加とともに、Cu2Oは密着性の低いCuOに変化し、剥離強度は低下するが、ボンバード処理によるダメージを受けた層がないため、剥離強度が低下する速度は遅い。
以上のように、本実施の形態1においては、プラズマ処理時、酸素分圧が(1〜10)×10-6Paとなる酸素を含有する窒素ガスを導入することで、密着性の高い、且つ、高温放置試験においても、高い剥離強度を維持することができる。
また、本実施の形態1のフィルム加熱手段による脱水処理する工程を、プラズマ処理で脱水することにより、熱によるフィルムのダメージも少なくなり、また、加熱した後の冷却工程が必要としないため、タクトを短くすることすることができる。
本発明にかかるプラスチックフィルム及びその製造方法及びそれを応用したフレキシブルプリント回路基板は、密着性が非常に強固でエッチングによるファインパターン化が可能なフレキシブルプリント回路基板を提供でき、携帯電話、PDA(パーソナル・デジタル・アシスタント)、ノートブック型パソコン、デジタル・スチル・カメラ、液晶ディスプレイ等の電子回路に有用である。
本発明の実施の形態1におけるプラスチックフィルムの製造装置を模式的に示す図 本発明の実施の形態1におけるプラスチックフィルムの製造工程のフローチャート 本発明の実施の形態1におけるプラスチックフィルムの剥離強度と高温放置時間の関係を示す図
符号の説明

1 真空槽
2 巻出しロール
3 巻取りロール
4 フィルム加熱手段
5a 第1の電極
5b 第2の電極
6a、6b 高周波電源
7a、7b マッチングボックス
8a 蒸発源
8b 第3の電極
9a、9b ガス供給部
10a、10b 遮蔽板
11a〜11b ガイドロール
12a〜12c 真空ポンプ
13 プラスチックフィルム
14 フィルム室
15 成膜室
16 プラズマ処理室

Claims (9)

  1. プラスチックフィルムを真空中で脱水処理する工程と、
    真空中に酸素分圧が(1〜10)×10-6Paとなる酸素を含有する窒素ガスを用いて、プラスチックフィルムに高周波電力を印加してグロー放電させ、そのグロー放電下でプラスチックフィルムに誘起される負の直流電圧とにより、前記酸素を含有する窒素ガスをイオン化し、そのイオン化された窒素を含むガスにより、前記プラスチックフィルム面上をプラズマ処理して粗化する工程と、
    前記プラズマ処理後、酸素分圧が(1〜10)×10-6Paとなる酸素を含有するアルゴンガスを用いて、プラスチックフィルムに高周波電力を印加しグロー放電させ、そのグロー放電下で、銅または銅を主成分とする合金からなる金属を溶融させ、前記グロー放電中に存在する電離プラズマにより前記金属をイオン化し、且つプラスチックフィルムに誘起される負の直流電圧により前記イオン化された金属粒子を加速して、前記プラスチックフィルムに銅薄膜を蒸着する工程とからなるプラスチックフィルムの製造方法。
  2. 前記銅薄膜を生成する成膜質の真空度は、10-3Paから10-1Paの範囲であることを特徴とする請求項1に記載のプラスチックフィルムの製造方法。
  3. 前記プラスチックフィルム面上を粗化するプラズマ処理において、粗化の範囲は2nm〜5nmであることを特徴とする請求項1に記載のプラスチックフィルムの製造方法。
  4. 前記プラスチックフィルムは、ポリイミドフィルムであることを特徴とする請求項1に記載のプラスチックフィルムの製造方法。
  5. 前記脱水処理する工程がプラズマ処理からなることを特徴とする請求項1に記載のプラスチックフィルムの製造方法。
  6. 前記銅または銅を主成分とする合金からなる金属は、銅の全重量比に占める割合が99.99%以上の合金であることを特徴とする請求項1に記載のプラスチックフィルムの製造方法。
  7. プラスチックフィルムを真空中で脱水処理し、
    真空中に酸素分圧が(1〜10)×10-6Paとなる酸素を含有する窒素ガスを用いて、プラスチックフィルムに高周波電力を印加しグロー放電させ、そのグロー放電下でプラスチックフィルムに誘起される負の直流電圧とにより、前記酸素を含有する窒素ガスをイオン化し、そのイオン化された窒素を含むガスにより、前記プラスチックフィルム面上をプラズマ処理して粗化し、
    前記プラズマ処理後、酸素分圧が(1〜10)×10-6Paとなる酸素を含有するアルゴンガスを用いて、プラスチックフィルムに高周波電力を印加しグロー放電させ、そのグロー放電下で、銅または銅を主成分とする合金からなる金属を溶融させ、前記グロー放電中に存在する電離プラズマにより前記金属をイオン化し、且つプラスチックフィルムに誘起される負の直流電圧により前記イオン化された金属粒子を加速して、前記プラスチックフィルムに銅薄膜を蒸着して生成されるプラスチックフィルム。
  8. プラスチックフィルムを真空中で脱水処理し、
    真空中に酸素分圧が(1〜10)×10-6Paとなる酸素を含有する窒素ガスを用いて、プラスチックフィルムに高周波電力を印加しグロー放電させ、そのグロー放電下でプラスチックフィルムに誘起される負の直流電圧とにより、前記酸素を含有する窒素ガスをイオン化し、そのイオン化された窒素を含むガスにより、前記プラスチックフィルム面上をプラズマ処理して粗化し、
    前記プラズマ処理後、酸素分圧が(1〜10)×10-6Paとなる酸素を含有するアルゴンガスを用いて、プラスチックフィルムに高周波電力を印加しグロー放電させ、そのグロー放電下で、銅または銅を主成分とする合金からなる金属を溶融させ、前記グロー放電中に存在する電離プラズマにより前記金属をイオン化し、且つプラスチックフィルムに誘起される負の直流電圧により前記イオン化された金属粒子を加速して、前記プラスチックフィルムに銅薄膜を蒸着し、
    前記銅薄膜が蒸着されたプラスチックフィルム上に金属導体層を形成して成るフレキシブル回路基板。
  9. 前記プラスチックフィルム面上を粗化するプラズマ処理において、粗化の範囲は2nm〜3nmであることを特徴とする請求項7に記載のフレキシブル回路基板。
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