JP2008198954A - フレキシブル回路基板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】銅系金属層の密着性に優れ、微細エッチングが可能で、信頼性の高いフレキシブル回路基板を提供する。
【解決手段】樹脂フィルム1の表面に、シリコンに対して窒素が当量で0.3〜1.1含まれるスパッタ法による酸窒化シリコン層2を形成し、さらに銅系金属層3を形成したことにより、銅系金属層3の密着性が良好となる。さらに、上記酸窒化シリコン層2は絶縁物であることからエッチングの必要が無く、銅系金属層だけをエッチングすればよいため、サイドエッチングがあまり起こらずに微細エッチングが可能となる。しかも、高温下で仮に樹脂フィルム1側からの水分や酸素が浸透したとしても酸窒化シリコン層2によってブロックされ、銅系金属層3の酸化や密着力の低下が生じず、信頼性にも優れたフレキシブル回路基板6となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばポリイミドフィルム等の樹脂フィルムの表面に銅系金属層を形成したフレキシブル回路基板およびその製造方法に関するものである。
近年、電子機器の小型化、高性能化に伴い、素子や基板など構成部品のインターフェースとなる実装技術の高密度化が進み、対応するフレキシブルプリント回路基板(FPC)においても高精細化が要求されている。
このような回路基板の1つである、フレキシブルプリント回路基板の作成法として、耐熱性フィルムの上に銅膜を形成し、銅膜をパターンエッチングし、ICなどをボンディングしてフレキシブル回路板を作成する方法が行なわれている。
本回路用として使用されるフレキシブル回路基板については、銅箔とポリイミドフィルムとをラミネートする方式と、ポリイミドフィルムの上に密着力を付与するためのニッケル−クロム合金スパッタ膜と導電性を付与するための銅スパッタ膜を形成し、その上にメッキ法によって銅膜を形成するものが一般に採用されている。両者のうち後述のスパッタ法によるものは、銅を薄くできるなどの特徴があり将来性の点から今後有望である。
しかし、銅膜の厚さが薄くなるとともに、微細パターン化する際、密着力を付与するためのニッケル−クロム合金スパッタ膜がエッチングしにくいことから、サイドエッチングが進行してしまい、線幅35μm以下の微細パターンの形成ができないという問題がある。さらに、高温での保存試験において、ポリイミドフィルム側からの水分や酸素の浸透により、ニッケル−クロム合金が酸化して密着力が低下し、信頼性の点から問題がある。
これらの問題を解決するため、ニッケル−クロム合金に替えて他の金属、例えばニッケル−銅合金などが提案されている(下記の特許文献1)。ところが、特許文献1の方法では、微細パターンの点では改良されるものの、信頼性の点などが問題である。
この対策として、銅スパッタ膜と反対側のポリイミド面に酸化物を成膜する方法が提案されている(下記の特許文献1および2)。ところが、これらの方法では、成膜プロセスが多くなって装置が複雑となるため、コストアップにつながる。
この対策として、フィルムと銅スパッタの界面に、酸化シリコンや酸化ジルコニウムなどの酸化物が提案されている(下記の特許文献3)。ところが、この方法では、密着力が十分とはいえない。
そこで、シリコン、クロム、ニッケルなどの金属と窒素との化合物膜、銅との密着力を得るために銅側には窒素の少ない膜を使用し、密着力の向上と水分透過を防止することが提案されている(下記の特許文献4)。
また、窒化物の代わりに銅酸窒化物層を形成させるもの提案されている(下記の特許文献5)。
特許第3447070号公報 特開2005−219259号公報 特開平1−133729号公報 特開2005−347438号公報 特開2005−54259号公報
しかしながら、上記特許文献4の方法で形成したポリイミド側の窒素との化合物膜は、窒化反応が十分に促進されず、化学量論的な窒化物にはならないことから、膜厚をかなり厚くしなければ十分な密着性が得られないという問題がある。さらに、真空蒸着では窒素ガスを導入しても、化学反応を促進できないので、シリコンやタンタルなどでは、窒化物とはならず、金属状態に近い膜しか得られず、信頼性を向上させることはできない。さらに、密着力を改善するため、シリコンやニッケル、クロムなどの金属層がはいることにより、結果的に後プロセスのエッチングによるエッチングがしにくくなり、微細パターン化の際にサイドエッチングが進行してしまう問題が残る。一方、装置としても、ターゲット数が多くなるため、装置が大きくなるなどの問題がある。また、上記特許文献5の方法では、ポリイミドフィルムとの密着性の点で十分とはいえない。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、銅系金属層の密着性に優れ、微細エッチングが可能で、信頼性の高いフレキシブル回路基板およびその製造方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のフレキシブル回路基板は、樹脂フィルムの表面に、シリコンに対して窒素が当量で0.3〜1.1含まれるスパッタ法による酸窒化シリコン層が形成され、さらに銅系金属層が形成されたことを要旨とする。
また、上記目的を達成するため、本発明のフレキシブル回路基板の製造方法は、樹脂フィルムの表面に、シリコンに対して窒素が当量0.3〜1.1含まれる酸窒化シリコン層を形成する酸窒化シリコンスパッタ工程と、さらに銅系金属層を形成する銅系金属形成工程とを備えたことを要旨とする。
すなわち、本発明は、樹脂フィルムの表面に、シリコンに対して窒素が当量で0.3〜1.1含まれるスパッタ法による酸窒化シリコン層を形成し、さらに銅系金属層を形成した。このように、中間層として窒素が当量で0.3〜1.1含まれる酸窒化シリコン層を形成したことにより、銅系金属層の密着性が良好となる。さらに、上記酸窒化シリコン層は絶縁物であることからエッチングの必要が無く、銅系金属層だけをエッチングすればよいため、サイドエッチングがあまり起こらずに微細エッチングが可能となる。しかも、高温下で仮に樹脂フィルム側からの水分や酸素が浸透したとしても窒化シリコン層によってブロックされ、銅系金属層の酸化や密着力の低下が生じず、信頼性にも優れたフレキシブル回路基板となる。
本発明のフレキシブル回路基板の製造方法において、上記酸窒化シリコンスパッタ工程は、ターゲットに対面した領域で樹脂フィルムを送る電極ロールに対して高周波バイアス電圧を印加しながら行なう場合には、高周波バイアス電圧によって樹脂フィルム側の電極ロールが周囲に対して見かけ上マイナス電位側にシフトすることから、窒化シリコン中の窒素量が十分確保できるうえ窒化シリコン層の密着力も大幅に向上する。
つぎに、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、本発明のフレキシブル回路基板を示す断面図である。
このフレキシブル回路基板6は、樹脂フィルム1の表面に、シリコンに対して窒素が当量で0.3〜1.1含まれるスパッタ法による酸窒化シリコン層2が形成され、さらに銅系金属層3が形成されている。この例では、上記銅系金属層3は、スパッタ法によって形成された銅スパッタ膜4と、めっき法によって形成された銅めっき層5とから構成されている。
上記樹脂フィルム1としては、例えば、ポリイミドフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、液晶ポリマーフィルム等が耐熱性、機械的安定性、機械的強度、電気的特性等の点で優れており、好適に用いることができる。
上記樹脂フィルム1の表面に、中間層として反応性スパッタ法によってシリコンに対して窒素が当量で0.3〜1.1含まれる酸窒化シリコン層2を形成する。シリコンに対する窒素の量が当量で0.3未満では、高温下における信頼性の点で問題となり、反対に当量で1.1を超えるとかえって密着力が弱くなる。
上記酸窒化シリコン層2の厚みは、5〜20nm程度が好適である。5nm未満では高温下において樹脂フィルム1側からの水分の透過を十分に防ぐことができず、信頼性に問題が生じ、反対に20nmを超えると、膜にクラックが入ったり歪で膜が剥離するため、かえって密着力が弱くなる。特に、望ましいのは8〜15nmであり、銅系金属層3の密着力および信頼性に優れたものとなる。
上記銅系金属層3は、この例では、上記酸窒化シリコン層2上に形成された銅スパッタ膜4と、上記銅スパッタ膜4上に形成された銅めっき層5とから構成されている。上記銅スパッタ膜4および銅めっき層5すなわち銅系金属層3を構成する銅系金属としては、銅または銅合金を用いることができる。
上記銅スパッタ膜4は、50〜100nm程度の厚みに形成するのが好ましい。厚みが50nm未満では、次工程の銅メッキの際に「やけ」と称するメッキ層の変色が起こりやすく、銅メッキの条件設定の調整が困難となるうえ、場合によっては密着力を低下させるからである。反対に、100nmを超えると、スパッタ時間が長くなって生産速度が著しく低下するからである。
上記銅めっき層5の厚みは、電気伝導度やパターンの線幅などで適宜決定することができるが0.2μm〜15μm程度に設定される。0.2μm未満では、電気電導度の点で問題となり、反対に15μmを超えると微細パターンを形成しにくくなる場合があるからである。
図2および図3は、上記フレキシブル回路基板6を製造する装置を示す図である。図2は、上記酸窒化シリコン層2および銅スパッタ膜4を形成するスパッタリング装置、図3は上記銅めっき層5を形成するめっき装置をそれぞれ示す。
図2に示すスパッタリング装置は、前処理としてのプラズマ処理を行うプラズマ室10と、第1スパッタ工程が行なわれる第1スパッタ室11と、第1スパッタ工程が行なわれる第2スパッタ室12とを備えている。上記プラズマ室10、第1スパッタ室11ならびに第2スパッタ室12は、それぞれ図示しない真空ポンプに接続されて、それぞれ独立して圧力調整できるようになっている。
上記プラズマ室10には、ロール状に巻回された樹脂フィルム1を供給する供給ロール13と、第1スパッタ室11および第2スパッタ室12においてそれぞれ酸窒化シリコン層2および銅スパッタ膜4が形成されたシード層付きフィルム1aを巻き取る巻取ロール14が設けられている。また、上記プラズマ室10には、供給ロール13から供給された樹脂フィルム1に対して前処理としてプラズマ処理を行うプラズマ処理装置15が設けられている。
上記プラズマ処理装置15には、プラズマ処理用ガスとしてアルゴンガスに10〜60容量%の酸素もしくは窒素またはこれらの混合ガスを添加したガスを導入する。そして、電極に直流電圧もしくは交流電圧あるいは高周波電圧を印加することによりプラズマを発生させ、このプラズマ雰囲気中に樹脂フィルム1を通過させてプラズマ処理を実施する。このプラズマ処理により、樹脂フィルム1表面に官能基が生成され、酸窒化シリコン層2の密着力を高める働きをするものである。プラズマ処理用ガスとしてアルゴンガス単独を用いてもよいが、酸素や窒素を混合することにより効果が増す。
上記プラズマ室10においてプラズマ処理された樹脂フィルム1は、第1スパッタ室11に供給され、反応性スパッタによる酸窒化シリコンの成膜を行う。第1スパッタ室11には、シリコンターゲット18と、上記シリコンターゲット18と対面する領域においてプラズマ処理された樹脂フィルム1を送る第1ロール16とが設けられている。
上記シリコンターゲット18には、直流電源21によりマイナス電位の電圧が印加される。一方、上記第1ロール16には、高周波電源20により高周波バイアス電圧が印加される。そして、反応性スパッタガスとして、アルゴンと酸素と窒素の混合ガスを導入する。アルゴンガスと酸素窒素混合ガスの比率は、90:10から60:40が好ましい範囲であり、上記酸素窒素混合ガスの酸素ガスと窒素ガスの比率は、10:90から20:10が好ましい範囲である。窒素ガスが少なすぎると、膜中の窒素が少なくなりすぎて、密着力や信頼性が得られない。反対に窒素ガスが多すぎると、膜の析出速度が遅くなり、また化学量論より窒素が多くなる。
また、上記酸窒化シリコンスパッタ工程は、フィルムの冷却のためのキャンロールと呼ばれている走行用のロールとして機能する第1ロール16に対して高周波バイアス電圧を印加しながら行なう。これにより、反応を促進するためのエネルギーを与えて化学反応を促進させる。上記高周波バイアス電圧は0.05〜0.3W/cmの電力が好ましい範囲である。0.05W/cm未満では密着力が得られず、0.3W/cmを超えると、ポリイミドフィルムが劣化し、信頼性に問題が生じる。この高周波バイアス電圧の印加がないと、形成される酸窒化シリコン層2に含まれる窒素成分がかなり少なくなり、密着力や信頼性が得られない。
このようにして、樹脂フィルム1の表面に、シリコンに対して窒素が当量0.5〜1.33含まれる酸窒化シリコン層2を形成する酸窒化シリコンスパッタ工程を行なう。
上記酸窒化シリコンスパッタ工程で酸窒化シリコン層2が形成された樹脂フィルム1は、第2スパッタ室12に供給され、銅スパッタ工程が行なわれる。
上記第2スパッタ室12には、銅ターゲット19と、上記銅ターゲット19と対面する領域において樹脂フィルム1を送る第2ロール17とが設けられている。
上記銅ターゲット19には、直流電源21によりマイナス電位の電圧が印加される。
そして、スパッタガスとしてアルゴンガスを用い、銅スパッタ工程を行なって銅スパッタ膜4を形成する。
なお、プラズマ室10、第1スパッタ室11、第2スパッタ室12のガス圧はほぼ同じにしてもよいが、第2スパッタ室12を最も高くするのが好ましい。第2スパッタ室12のガス圧が低くなると、第1スパッタ室11やプラズマ室10から窒素ガスが流れ込み、銅の窒化物が生成して場合によっては導電性がなくなってしまうからである。
銅スパッタ膜4を形成したシード層付きフィルム1aは再びプラズマ室10に送られて巻取ロール14で巻き取られる。
つぎに、酸窒化シリコン層2および銅スパッタ膜4を形成したシード層付きフィルム1aは連続銅めっき装置で銅めっき工程を行い、銅めっき層5を形成する。
図3に示す連続銅めっき装置は、めっき槽25と水洗槽26と乾燥槽27を備え、供給ロール28で供給されたシード層付きフィルム1aに硫酸銅浴等で銅めっき層5を形成して本発明のフレキシブル回路基板6を形成し、巻取ロール29で巻取る。図において符号30は直流電源、31は陽極、32は陰極ロールである。
この例では、上記銅スパッタ工程と銅めっき工程とが、銅系金属層を形成する本発明の銅系金属形成工程である。
以上のように、本実施形態では、樹脂フィルム1の表面に、シリコンに対して窒素が当量で0.5〜1.33含まれるスパッタ法による酸窒化シリコン層2を形成し、さらに銅系金属層3を形成した。このように、中間層として窒素が当量で0.5〜1.33含まれる酸窒化シリコン層2を形成したことにより、銅系金属層3の密着性が良好となる。さらに、上記酸窒化シリコン層2は絶縁物であることからエッチングの必要が無く、銅系金属層だけをエッチングすればよいため、サイドエッチングがあまり起こらずに微細エッチングが可能となる。しかも、高温下で仮に樹脂フィルム1側からの水分や酸素が浸透したとしても酸窒化シリコン層によってブロックされ、銅系金属層3の酸化や密着力の低下が生じず、信頼性にも優れたフレキシブル回路基板6となる。
また、上記酸窒化シリコンスパッタ工程は、シリコンターゲット18に対面した領域で樹脂フィルム1を送る第1ロール16に対して高周波バイアス電圧を印加しながら行なうため、高周波バイアス電圧によって樹脂フィルム1側の第1ロール16が周囲に対して見かけ上マイナス電位側にシフトすることから、酸窒化シリコン中の窒素量が十分確保できるうえ酸窒化シリコン層2の密着力も大幅に向上する。
図4は、本発明の第2の実施形態を説明する図である。
このスパッタ装置は、第2スパッタ室12の第2ロール17に高周波電源22により高周波バイアス電圧が印加され、銅スパッタ工程を、銅ターゲット19に対面した領域で樹脂フィルム1を送る第2ロール17に対して高周波バイアス電圧を印加しながら行なう。高周波バイアス電圧の電力は0.05W/cm以上が好ましい範囲であり、これ以下だと十分な密着力の向上効果が得られない。それ以外は第1の実施形態と同様であり同様の部分には同じ符号を付している。このようにすることにより、銅スパッタ膜4の密着力がさらに向上する。それ以外は上記第1の実施形態と同様の作用効果を奏する。
図5は、本発明の第3の実施形態を説明する図である。
このスパッタ装置は、第1スパッタ室11と第2スパッタ室12の間に共通ロール23が設けられ、この共通ロール23に高周波電源22により高周波バイアス電圧が印加されている。そして、酸窒化シリコンスパッタ工程および銅スパッタ工程を、共通ロール23を利用して行い、いずれも高周波バイアス電圧を印加しながら行なうようになっている。それ以外は第1および第2の実施形態と同様であり同様の部分には同じ符号を付している。このようにすることにより、銅スパッタ膜4の密着力がさらに向上する。それ以外は上記第1および第2の実施形態と同様の作用効果を奏する。
図6は、本発明の第4の実施形態を説明する図である。
このスパッタ装置は、第2スパッタ室12のかわりに真空蒸着を行なう蒸着室37が設けられたものである。上記蒸着室37には、蒸着する銅線34を供給する銅供給部33と、供給された銅線34を溶解するるつぼ35と、るつぼ35を加熱するヒータ36とを備え、銅スパッタ膜4の代わりに銅蒸着膜を形成するようになっている。それ以外は第1〜第3実施形態と同様であり同様の部分には同じ符号を付している。この例でも、上記第1〜第3の実施形態と同様の作用効果を奏する。
図7は、本発明の第5の実施形態を示す図である。
このフレキシブル回路基板は、銅系金属層として、イオンプレーティングや真空蒸着法により銅膜3aを作成し、銅めっきを省略したものである。銅膜3aの厚さが1μm以下の場合に有効である。
以下、実施例について説明する。
図2に示す成膜装置を用いて導電性付与フィルムを作成した。ポリイミドフィルムには、厚さ25μm、幅25cmのカネカ製ポリイミドフィルムNPIを使用した。フィルムの搬送速度は、1m/分とした。プラズマ処理室ガスにはアルゴンに10%の酸素と20%の窒素の混合ガスを添加し、プラズマ処理室内のガス圧が0.5Paになるようガス流量を調節し、交流電圧380Vを印加し、プラズマを発生させ、プラズマ雰囲気中にフィルムを通過させた。
次の反応性スパッタ室では、アルゴン70%、酸素10%、窒素20%の混合ガスの条件で、0.4Paとなるよう流量を調整し、直流電圧440V、幅26cm、直径20cmの第1ロール16に13.56MHzの高周波を245Wに印加した。生成した膜の厚さは12nmで、組成はSiON0.7であった。
次に、銅スパッタは、幅26cm、直径40cm第2ロール17を使用し、アルゴンガス圧0.6Pa、直流電圧400Vの条件で成膜した。次に、図3に示す銅メッキ装置で、銅の厚さが10μmになるようメッキを行い、本発明のフレキシブル回路基板を作成した。
〔評価法〕
3mm幅に銅メッキ膜が残るようにエッチングし、JIS C 5016に定めるように垂直方向での引っ張り試験を行い、密着力を測定した。また、信頼性は、3mm幅にエッチングしたサンプルを180℃中に1日間放置し、同様に密着力を測定した。
実施例1で、酸窒化シリコンスパッタ工程の窒素ガス濃度、直流電圧、高周波電力を変えて、膜組成、膜厚を替えた以外は同様の条件で成膜した。
比較例
比較例として、酸窒化シリコン成膜室の窒素ガス濃度、直流電圧、高周波電力を変えて、組成はSiN0.3の酸窒化シリコン膜を形成したものを作成した。
実施例1、実施例2および比較例における酸窒化シリコン作成条件と評価結果を下記の表1に示す。
Figure 2008198954
図4に示す装置を使用し、実施例1の条件で、銅スパッタ用キャンロールに高周波電力を印加した以外は同様の条件で成膜した。
実施例3における銅スパッタ時の高周波バイアス条件と評価結果を下記の表2に示す。
Figure 2008198954
〔評価の結果〕
規格では、初期値で0.5N/mm以上となっており、高温保存後については規定がないが、一般には0.4N/mm以上あればよいとされている。評価の結果からも各実施例では、初期の密着力、高温保存後ともに良好な結果が得られた。これに対し、比較例のものは初期密着力、高温保存後ともに低い値を示した。
本発明の一実施形態のフレキシブル回路基板を示す断面図である。 スパッタリング装置を示す構成図である。 めっき装置を示す構成図である。 スパッタリング装置の第2例を示す構成図である。 スパッタリング装置の第3例を示す構成図である。 スパッタリング装置の第4例を示す構成図である。 本発明の他の実施形態のフレキシブル回路基板を示す断面図である。
符号の説明
1:樹脂フィルム
1a:シード層付きフィルム
2:酸窒化シリコン層
3:銅系金属層
3a:銅膜
4:銅スパッタ膜
5:銅めっき層
6:フレキシブル回路基板
10:プラズマ室
11:第1スパッタ室
12:第2スパッタ室
13:供給ロール
14:巻取ロール
15:プラズマ処理装置
16:第1ロール
17:第2ロール
18:シリコンターゲット
19:銅ターゲット
20:高周波電源
21:直流電源
22:高周波電源
23:共通ロール
25:めっき槽
26:水洗槽
27:乾燥槽
28:供給ロール
29:巻取ロール
30:直流電源
31:陽極
32:陰極ロール
33:銅供給部
34:銅線
35:るつぼ
36:ヒータ
37:蒸着室

Claims (3)

  1. 樹脂フィルムの表面に、シリコンに対して窒素が当量で0.3〜1.1含まれるスパッタ法による酸窒化シリコン層が形成され、さらに銅系金属層が形成されたことを特徴とするフレキシブル回路基板。
  2. 樹脂フィルムの表面に、シリコンに対して窒素が当量0.3〜1.1含まれる酸窒化シリコン層を形成する酸窒化シリコンスパッタ工程と、さらに銅系金属層を形成する銅系金属形成工程とを備えたことを特徴とするフレキシブル回路基板の製造方法。
  3. 上記酸窒化シリコンスパッタ工程は、ターゲットに対面した領域で樹脂フィルムを送る電極ロールに対して高周波バイアス電圧を印加しながら行なう請求項2記載のフレキシブル回路基板の製造方法。
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