JP2007307767A - キャリア箔付銅箔、キャリア箔付銅箔の製造方法、キャリア箔付表面処理銅箔及びそのキャリア箔付表面処理銅箔を用いた銅張積層板 - Google Patents

キャリア箔付銅箔、キャリア箔付銅箔の製造方法、キャリア箔付表面処理銅箔及びそのキャリア箔付表面処理銅箔を用いた銅張積層板 Download PDF

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Abstract

【課題】プレス加工が完了し、意図的にキャリア箔を引き剥がすまでの間に、キャリア箔が銅箔層に確実に密着した状態にあり、且つ、300℃を超えるプレス加工温度で使用可能なピーラブルタイプのキャリア箔付銅箔の提供を目的とする。
【解決手段】前記課題を解決するために、キャリア箔の表面に接合界面層を介して銅箔層を有するキャリア箔付銅箔であって、当該接合界面層は物理蒸着法で形成した単独の炭素層又は金属層と炭素層とからなる複合層であり、当該銅箔層は物理蒸着法で形成したことを特徴とするキャリア箔付銅箔を採用する。また、当該キャリア箔付銅箔の銅箔層の表面に物理蒸着法で形成した防錆処理、シランカップリング剤処理から選択された1種又は2種以上の表面処理を施したキャリア箔付表面処理銅箔を採用することも好ましい。
【選択図】図1

Description

本件発明は、キャリア箔付銅箔、当該キャリア箔付銅箔の製造方法、当該キャリア箔付銅箔に表面処理を施したキャリア箔付表面処理銅箔、当該キャリア箔付表面処理銅箔を用いた銅張積層板に関する。これらは全てプリント配線板の製造材料として好適なものである。
従来から、特許文献1を初め多くの文献に開示されているような電解銅箔、特許文献2に開示されているような圧延銅箔が銅張積層板の製造に用いられてきた。
ところが、近年の回路のファインピッチ化を背景に、薄い銅箔を用いる事が一般化してきた。即ち、近年の小型軽量化の図られた電子機器等に搭載するプリント配線板は、部品実装密度を向上させ狭小領域に配置されるため、ファインピッチ回路を形成することが求められてきた。この要求に応えるべく、当業者間では、より薄い銅箔を使用することが行われてきた。ところが、薄い銅箔を使用するほど銅箔のハンドリングが困難となり、シワ等の欠陥が発生しやすくなる。銅箔にシワが存在すると、プレス成型時に銅箔のシワ発生部でクラックが生じ、流動化したプリプレグの構成樹脂が染み出し、銅張積層板の表面を汚染したり、表面の平坦度を損ねることになる。これら銅張積層板の表面欠陥は、その後のプリント配線板製造工程において形成される配線回路のショートや断線等を起こす原因となる。そして、フレキシブルタイプの銅張積層板を製造する場合のロールラミネート、キャスティング法等のプレス加工とは異なる方法を用いた場合でも銅箔に存在したシワは、銅張積層板の状態になった以降も、その表面に凹凸として残留し、同様の問題を起こす。
以上の問題を解決するために、通常の電解銅箔に代えてキャリア箔付電解銅箔が用いられてきた。キャリア箔付電解銅箔は、一般にピーラブルタイプとエッチャブルタイプに大別することが可能である。違いを一言で言えば、ピーラブルタイプは銅張積層板とした後にキャリア箔を物理的に引き剥がして除去するものであり、エッチャブルタイプは銅張積層板とした後にキャリア箔をエッチングにて除去するものである。そして、近年では、エッチングプロセスが不要で製造コストの上昇を招かないピーラブルタイプのキャリア箔付電解銅箔に対する要求が顕著となってきた。特許文献3、特許文献4等にピーラブルタイプのキャリア箔付電解銅箔が開示されている。
このピーラブルタイプのキャリア箔付電解銅箔は、キャリア箔層と電解銅箔層との間に、剥離層を設けた層構成を備える。そして、プレス加工の熱履歴を受けた以降も、キャリア箔を20gf/cm〜100gf/cmの引き剥がし強さで剥離可能な特性が求められる。そして、この引き剥がし強さは、プレス加工の温度が高温になるほど、大きな値となる。ところが、300℃を超えるプレス加工温度が採用される液晶ポリマ基材、フッ素樹脂基材又はキャスティング法によるポリイミド樹脂層の形成でも300℃を超える温度での加熱を受ける。係る場合、キャリア箔層と電解銅箔層との間の剥離層が耐熱性に乏しいと、キャリア箔層と電解銅箔層との間、キャリア箔層/剥離層/電解銅箔層の3層の間での相互拡散が起き、キャリア箔の引き剥がし特性が悪くなると言う現象が生じる。
高温プレス加工した後も、キャリア箔の容易な引き剥がしが可能なキャリア箔付銅箔に関する技術として、特許文献3には金属酸化物が高温でも安定な化合物であり、一般的に固いが脆いという性質を利用し、金属酸化物層を単独で用いてキャリア層と銅箔層との接合界面に用いるという技術が開示されている。
そこで、特許文献4では、キャリア箔の表面に、剥離層と、拡散防止層と、電気銅めっき層とをこの順序に積層してなり、該電気銅めっきの表面が粗面化されていることを特徴とするキャリア付き極薄銅箔を開示している。ここで言う剥離層は、無機系の剥離層であり、クロム層またはクロム水和酸化物層であることが好ましい。そして、該剥離層の上に形成する拡散防止層は、キャリア付き極薄銅箔を樹脂基材に載せ、プレス積層するときに、該剥離層の拡散を防ぐ層であり、ニッケル、コバルト、鉄、クロム、モリブデン、タングステン、銅、アルミニウム及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素からなり、単一金属の層でもよく、2種以上の金属の合金層または1種以上の金属酸化物の層でもよいとしている。これはプレス加工したときのキャリア箔の引き剥がし強さの安定性と、レーザー穴明け加工性能とを両立させることを目的としている。
そして、特許文献5には、キャリア箔/有機系剤により構成した接合界面層/電解銅箔層の順序に積層したキャリア箔付極薄銅箔を開示している。この特許文献4に開示の接合界面は、有機剤で構成されているため、200℃以下のプレス加工では、特許文献3に開示のキャリア箔付電解銅箔以上のキャリア箔の引き剥がし強さの安定性を見せる。ところが、200℃を超える温度でのプレス加工が行われると、キャリア箔層と電解銅箔層との剥離が困難になる。
そこで、特許文献6に開示のように、接合界面層の形成にチオシアヌル酸を用いると、300℃を超えるプレス加工温度が負荷されてもキャリア箔の引き剥がしが容易になる。また、特許文献7に開示されているように、キャリア箔の片面上に、接合界面層を備え、その接合界面層上に電解銅箔層を設けたキャリア箔付電解銅箔において、当該接合界面層は金属酸化物層と有機剤層とから構成することを特徴とするキャリア箔付電解銅箔を採用することで、200℃を超えるプレス加工温度が負荷されてもキャリア箔の引き剥がしが容易になるとしている。ここで言う、接合界面層を構成する金属酸化物層は、1nm以上の厚さのニッケル、クロム、チタン、マグネシウム、鉄、コバルト、タングステンの各酸化物又はこれらの元素を含む合金酸化物である。
以上のようにして、プレス加工温度が高くとも、ピーラブルタイプのキャリア箔付電解銅箔のキャリア箔の引き剥がしが容易となる技術が提唱され、一定の成果を挙げてきた。
特開平10−18075号公報 特開平8−158027号公報 特表2005−502496号公報(EP1133220) WO2002/024444号公報 特開2000−309898号公報 特開2001−68804号公報 特開2003−181970号公報
しかしながら、キャリア箔付電解銅箔の場合、そのキャリア箔がプレス加工前に、あまりにも簡単に剥離することも非常に大きな問題となる。例えば、特許文献4には、キャリア箔を剥離する際の剥離強度は、クロム層の付着量に大きく影響されることが明示されている。即ち、プレス加工が行われ、銅張積層板の状態とされ、エッチング加工を行う直前まで、キャリア箔が表面を被覆しておくことが求められる。ところが、キャリア箔と銅箔層との界面にあるクロム層の量が顕著に増加すると、プレス加工前にキャリア箔が自然と剥離してしまい、エッチング加工する銅箔表面の汚染防止、異物混入防止、銅箔層の酸化防止の役割を果たさない。このような現象は、ピーラブルタイプのキャリア箔付電解銅箔の界面を亜鉛で構成しようとした場合にも、同様の現象が起こることが知られている。そして、当業者間で周知のように、大量生産を行う上でのクロム及び亜鉛の付着量制御は非常に困難で、製造における管理コスト及び生産性が著しく低くなる傾向にある。しかも、クロムは、環境汚染物質に関する欧州指令(WEEE/RoHS)等による規制物質であり、積極的使用が好ましくない。
また、上記特許文献3に開示のように、キャリア箔付電解銅箔の剥離層に金属酸化物層を単独で用いた場合には、接合状態は安定するが、300℃を超える温度で高温加熱された場合には、金属酸化物と金属銅との間で酸化還元反応が進行して金属結合部分が形成され、キャリア箔層と銅箔層との引き剥がし強度が大きくなる。しかも、当該引き剥がし強度は、安定性に欠けるものであり、キャリア箔層と銅箔層との引き剥がし強度の品質保証が困難となる。同じく、キャリア箔付電解銅箔の剥離層(接合界面層)に有機剤を用いる特許文献6及び特許文献7に開示の技術では、300℃を超える温度で高温プレス加工された後の、キャリア箔の引き剥がし強度の安定性に対する市場の信頼性を得ることが出来なかった。
これらのことから、現実の工業的生産の中で、プレス加工が完了し、意図的にキャリア箔を引き剥がすまでの間に、キャリア箔が銅箔層に確実に密着した状態にあり、且つ、キャリア箔を引き剥がそうとしたときに、容易に剥離可能なピーラブルタイプのキャリア箔付銅箔が望まれてきた。そして、特に、300℃を超えるプレス加工温度が負荷されても、キャリア箔層と銅箔層とが、工業的に採用可能な安定した引き剥がし強度を達成できることがキャリア箔付銅箔に求められてきた。
そこで、本件発明に係る発明者等は、鋭意研究の結果、ピーラブルタイプのキャリア箔付銅箔の接合界面層の形成にスパッタリング蒸着法を採用することで、加熱前の常態ではキャリア箔が引き剥がせず、180℃を越える高温が負荷された後にキャリア箔層と銅箔層との引き剥がしが可能で且つ当該引き剥がし強度が低いレベルで安定化し、容易にキャリア箔の剥離が可能となることに想到した。以下、本件発明について説明する。
本件発明に係るキャリア箔付銅箔: 本件発明に係るキャリア箔付銅箔は、キャリア箔の表面に接合界面層を介して銅箔層を有するキャリア箔付銅箔であって、当該接合界面層は物理蒸着法で形成した炭素層を含み、且つ、物理蒸着法で形成した銅箔層を備えることを特徴とするものである。
そして、この前記接合界面層を構成する炭素層は、厚さ2nm〜30nmのグラファイト構造を備えるものであることが好ましい。
また、本件発明に係るキャリア箔付銅箔の前記接合界面層は物理蒸着法で形成した金属層を含み、前記炭素層と当該金属層とからなるものとすることも好ましい。
そして、本件発明に係るキャリア箔付銅箔において、前記接合界面層を構成する金属層は、厚さ1nm〜50nmのチタンで構成されたものであることが好ましい。
更に、本件発明に係るキャリア箔付銅箔において、前記金属層と炭素層とからなる接合界面層のトータル厚さは2nm〜60nmの厚さであることが好ましい。
本件発明に係るキャリア箔付銅箔は、常態においては、キャリア箔と接合界面層と銅箔層とが固着した状態にあることが特徴である。
そして、本件発明に係るキャリア箔付銅箔において、180℃×30分間以上の加熱熱量を負荷した後のキャリア箔の引き剥がし強度が10gf/cm〜50gf/cmであることが特徴である。
本件発明に係るキャリア箔付銅箔において、前記キャリア箔は、その厚みが12μm〜210μmである事が好ましい。
本件発明に係るキャリア箔付表面処理銅箔: 本件発明に係るキャリア箔付表面処理銅箔は、上述のいずれかに記載のキャリア箔付銅箔の銅箔層の表面に物理蒸着法で形成した防錆処理、シランカップリング剤処理から選択された1種又は2種以上の表面処理を施したキャリア箔付表面処理銅箔とすることも好ましい。
本件発明に係るキャリア箔付銅箔の製造方法: 本件発明に係るキャリア箔付銅箔の製造方法は、以下の工程A及び工程Bを含むことを特徴とするものである。
工程A: キャリア箔の表面に、物理蒸着法を用いて接合界面層として単独の炭素層又は金属層と炭素層と複合層のいずれかを形成する接合界面層形成工程。
工程B: 前記接合界面層の上に物理蒸着法で銅箔層を構成する銅箔層形成工程。
本件発明に係るキャリア箔付銅箔の製造方法において、前記工程Aの物理蒸着法は、スパッタリング蒸着法を用いることが好ましい。
本件発明に係るキャリア箔付銅箔の製造方法において、前記工程Bの物理蒸着法は、電子ビーム蒸着法及び/又はスパッタリング蒸着法を用いる事が好ましい。
そして、前記工程Aで物理蒸着法を用いて形成する金属層は、チタン層を設けることが好ましい。
本件発明に係るキャリア箔付表面処理銅箔の製造方法: 本件発明に係るキャリア箔付銅箔の銅箔層の上に物理蒸着法を用いて防錆処理層を形成することが好ましい。
また、本件発明に係るキャリア箔付表面処理銅箔の防錆処理層の上にシランカップリング剤処理層を形成する工程を備えることが好ましい。
本件発明に係る銅張積層板:本件発明に係る銅張積層板は、上記キャリア箔付表面処理銅箔を用いることにより得られるものである。
本件発明に係るキャリア箔付銅箔は、キャリア箔層/接合界面層/銅箔層の層構成を備え、その接合界面層にスパッタリング蒸着法に代表される物理蒸着法を用いて形成した接合界面層を設けた点に特徴を有する。そして、この接合界面層を炭素の単独層、チタン層と炭素層との複合層で構成することにより、加熱前にはキャリア箔の引き剥がしが出来ないが加熱後に容易に引き剥がせるという特性が得られ、同時に、従来のピーラブルタイプのキャリア箔付銅箔に比べて接合界面層(剥離層)の耐熱安定性を向上させられる。特に、接合界面層をチタン層と炭素層との複合層で構成した場合には、300℃を超えるプレス加工温度等を採用しても、キャリア箔の引き剥がし作業が飛躍的に容易になる。
また、本件発明に係るキャリア箔付銅箔は、その銅箔表面に長期保存性を確保するための防錆処理層、基材樹脂との密着性を向上させるためのシランカップリング剤処理等を任意に施し、キャリア箔付表面処理銅箔とすることが可能である。そして、現実に市場に供給される製品の殆どは、このキャリア箔付表面処理銅箔となる。
更に、本件発明に係るキャリア箔付銅箔の製造方法は、キャリア箔の表面に効率よく均一な厚さのチタン層及び炭素層を形成可能な条件を開示しており、特に1mを超える幅をもつキャリア箔ロールから繰り出されたキャリア箔の表面に連続的にチタン層及び炭素層を順次形成する場合に最適な条件を開示している。
以下、本件発明に係るキャリア箔付銅箔、キャリア箔付表面処理銅箔、キャリア箔付銅箔の製造方法、及びそのキャリア箔付表面処理銅箔を用いた銅張積層板の形態に関して詳細に説明する。
本件発明に係るキャリア箔付銅箔の形態: 本件発明に係るキャリア箔付銅箔は、その接合界面層の構成により2種類のタイプに分類でき、これらを含むものである。以下、タイプIとタイプIIと称する。
タイプIは、キャリア箔の表面に接合界面層を介して銅箔層を有するキャリア箔付銅箔であって、当該接合界面層は物理蒸着法で形成した炭素層のみからなり、且つ、物理蒸着法で形成した銅箔層を備えるものである。このタイプIのキャリア箔付銅箔の基本的層構成を図1に示す。この図1から分かるように、本件発明に係るキャリア箔付銅箔1は、キャリア箔2と銅箔層3との間に接合界面層4を備える。このときの接合界面層は、炭素の単独層であり、加熱後にキャリア箔の引き剥がしが可能となる。ここで、キャリア箔の片面に接合界面層を形成しても、キャリア箔の両面に接合界面層を形成しても構わない。従って、本件発明に係るキャリア箔付銅箔とは、図2に示すようなキャリア箔の両面に銅箔層を備えるキャリア箔付銅箔1’をも含む。なお、ここで明記しておくが、図面は層構成を明瞭に理解するため用いているのであり、その各層の厚さが現実の各層の厚さを反映させたものではない。
タイプIIは、キャリア箔の表面に接合界面層を介して銅箔層を有するキャリア箔付銅箔であって、当該接合界面層は物理蒸着法で形成した金属層及び炭素層からなる複合層であり、且つ、物理蒸着法で形成した銅箔層を備えるものである。このタイプIIのキャリア箔付銅箔の基本的層構成を図3に示す。この図3から分かるように、本件発明に係るキャリア箔付銅箔1は、キャリア箔2と銅箔層3との間に接合界面層4を備える。そして、この接合界面層は、金属層4aと炭素層4bとの複合層であり、加熱後にキャリア箔の引き剥がしが可能となる。ここで、キャリア箔の片面に接合界面層を形成しても、キャリア箔の両面に接合界面層を形成しても構わない。そして、以下の説明に出てくる銅箔層は、接合界面層上に設けるのである。従って、本件発明に係るキャリア箔付銅箔とは、図4に示すようなキャリア箔の両面に銅箔層を備えるキャリア箔付銅箔1’をも含む。
上記タイプI及びタイプIIのキャリア箔付銅箔を構成するキャリア箔に関して説明する。このキャリア箔は、銅箔とあたかも平面的に貼り合わされたような形態で存在し、次のような特性を要求されているものである。本件発明に係るキャリア箔付銅箔の製造方法を考えると、電離した金属イオンが効率よくキャリア箔の表面に着地するため、キャリア箔が陰極に分極される事が好ましく、キャリア箔表面には少なくとも導電性があることが好ましい。そして、このキャリア箔付銅箔は、少なくとも銅張積層板の製造終了時までは銅箔層と接合した状態を維持し、それまでの過程ではハンドリングを容易にするなど、銅箔層をあらゆる意味で補強し、保護する役割を持つものである。したがって、キャリア箔は所定の強度を有している必要がある。これらのことを満足するものであれば、銅箔、ニッケル箔、ステンレス箔、アルミニウム箔等の使用が可能である。
しかし、リサイクル性及びコストを考えるに、銅箔をキャリア箔として使用する事が好ましい。このように銅箔をキャリア箔として使用する場合には、12μm〜210μm厚のものを用いることが好ましい。キャリア箔としての銅箔の厚さが12μm未満の場合には、当該キャリア箔に通電したときの抵抗が上昇し、顕著な加熱が起こるため好ましくない。一方上限値は、実用性及び製造コストの面から210μmが上限になる。また、このキャリア箔に用いる銅箔は圧延法で製造された圧延銅箔(銅合金箔をも含む)でも電解法で製造された電解銅箔のどちらでも構わない。
次に、キャリア箔の表面に設ける接合界面層に関して説明する。タイプIのキャリア箔付銅箔の場合には、その接合界面層は炭素層のみである。ピーラブルタイプのキャリア箔付銅箔の場合、加熱によってキャリア箔/接合界面層/銅箔層の界面部において相互拡散を起こすことを防止するという概念が利用されている。しかしながら、従来のキャリア箔付銅箔の接合界面層に炭素層を用いるという技術的思想はない。しかも、炭素層を用いることで、従来のキャリア箔付銅箔にはない現象として、加熱前(常態)ではキャリア箔が引き剥がせないが、180℃×30分間以上の加熱熱量が負荷された後にはキャリア箔が容易に引き剥がせるという特性が得られる。
タイプIのキャリア箔付銅箔の場合、接合界面層を構成する炭素層は、後述するスパッタリング蒸着等の物理蒸着法を用いて形成するものである。炭素は、種々の構造を取ることが知られており、その代表としてダイアモンド構造とグラファイト構造とがある。しかし、本件発明に係る金属層と炭素層とからなる接合界面層においては、炭素層の電気抵抗を考慮する必要がないため、いずれの構造を採用しても構わない。この炭素層は、厚さ2nm〜30nmであることが好ましい。炭素層の厚さが2nm未満の場合には、炭素層が薄く、加熱したときのキャリア箔/接合界面層/銅箔層の界面部における相互拡散防止効果が得られず、キャリア箔の引き剥がしが行えなくなる。一方、炭素層の厚さが30nmを超える場合には、常態でのキャリア箔の引き剥がしが可能となり、本件発明に係るキャリア箔付銅箔の基本的性能が損なわれる。
そして、タイプIIのキャリア箔付銅箔の場合には、その接合界面層は金属層と炭素層との複合層からなる。即ち、この金属層には、表面に不働態膜を形成しやすいものを選択使用してバリア効果を期待したものである。金属層のみであっても常温では適度な接着力と十分な剥離性を発揮できると考えられる。しかし、高温プレス加工される場合には、キャリア箔自体が、当該金属層の不導体膜の還元剤として機能し、キャリア箔/接合界面層/銅箔層の界面部において相互拡散を起こして金属結合を形成し、剥離性が損なわれる危険性が高くなる。そこで、キャリア箔との相互拡散性及び反応性の小さな炭素を好適な厚さで配した。その結果、加熱前(常態)ではキャリア箔が引き剥がせないが、180℃×30分間以上の加熱熱量が負荷された後にはキャリア箔が容易に引き剥がせるという特性が得られると同時に、300℃を超える温度でのプレス加工等を受けても、キャリア箔/接合界面層/銅箔層の層間での高温加熱による金属結合の形成を防止し、キャリア箔の引き剥がし除去が容易な状態を維持できる。
タイプIIのキャリア箔付銅箔の場合の金属層は、安定な不働態膜を形成する金属で構成すると考えると、タンタル、ニオブ、ジルコニウム、ニッケル、クロム等を用いることもできる。しかし、中でもチタンを用いることが高温プレス加工等されたときの相互拡散バリアとしての安定性が高く好ましい。チタンは、その不働態膜は、一般的にルチル型酸化物、アナターゼ型酸化物の複合酸化物で構成されており、非常に強硬な酸化物であるため、高温耐熱性を備えることが知られている。しかしながら、このようなチタン層(被膜)は、電解法で形成することが困難である。そこで、本件発明に係るチタン層は、後述するスパッタリング蒸着等の物理蒸着法を用いて形成したものである。そして、このチタン層は、厚さ1nm〜50nmとする事が好ましい。このチタン層の厚さが、1nm未満の場合には、チタン層の厚さの均一性が損なわれるため、チタン層が拡散バリアとして機能し得ない。一方、チタン層を厚くするほど、300℃を超える温度でのプレス加工等を受けても、銅箔層と接合界面層との間での剥離が容易となるが、チタン層の厚さを50nmを超えるものとしても、それ以上に剥離性が向上することはなく、資源の無駄遣いとなる。
そして、タイプIIのキャリア箔付銅箔の場合、前記金属層の上に炭素層を設ける。この炭素層は、上述のチタン層と同様に、後述するスパッタリング蒸着等の物理蒸着法を用いて形成したものである。炭素は、種々の構造を取ることが知られており、その代表としてダイアモンド構造とグラファイト構造とがある。しかし、本件発明に係る金属層と炭素層とからなる接合界面層においては、炭素層の電気抵抗を考慮する必要がないため、いずれの構造を採用しても構わない。この炭素層は、厚さ1nm〜10nmであることが好ましい。炭素層の厚さが1nm未満の場合には、炭素層が薄く、接合界面層を金属層のみで形成した場合のキャリア箔/接合界面層/銅箔層の界面部における相互拡散防止効果と変わらなくなる。一方、炭素層の厚さが10nmを超える場合には、炭素層の構成炭素と300℃を超えるプレス加工の加熱により銅箔層が含有している酸素とが反応してCOガスを形成する場合があり、膨れ(Blistering)現象が起きることがある。
以上のことから、タイプIIのキャリア箔付銅箔の接合界面層は、前記金属層と炭素層とのトータル厚さであり、2nm〜60nmの厚さであることが好ましい。当該接合界面層の厚さが2nm未満の場合には、300℃を超える温度でのプレス加工等を受けると、銅箔層と接合界面層との間での剥離が困難となる。一方、当該接合界面層の厚さの上限を60nmとしたのは、これ以上の厚さとしても、加熱後のキャリア箔の剥離性は向上しないからである。
そして、前記接合界面層の上に設ける銅箔層もスパッタリング蒸着等の物理蒸着法を用いて形成したものでなければならない。この銅箔層の厚さに関しては、特段の限定はないが、キャリア箔付銅箔のキャリア箔を設ける目的から言えば、12μm以下の厚さであり、安定した膜厚の信頼性を得るためには0.5μm以上の厚さであることが好ましい。
以上のように、本件発明に係るキャリア箔付銅箔の接合界面層及び銅箔層を、上述のように物理蒸着法で形成することで、常態におけるキャリア剥離が出来ない状態が得られる。前述のように、キャリア箔付銅箔は、少なくとも銅張積層板の製造終了時までは銅箔層と接合した状態を維持することが求められる。ところが、本件発明に係るキャリア箔付銅箔は、このように常態におけるキャリア剥離が出来ないので、この要求を確実に満足させる事が出来る。
そして、一般的に言えば、キャリア箔付銅箔は、高温処理により剥離性が悪化するのが常である。ところが、本件発明に係るキャリア箔付銅箔の場合、180℃×30分以上の加熱熱量が負荷されると、キャリア箔の剥離が容易に行えるものとなるという特徴を備えている。
本件発明に係るキャリア箔付銅箔に、180℃×30分以上の加熱熱量が負荷された後のキャリア剥離強度は、10gf/cm〜50gf/cmとなる。一般的に、絶縁層構成材料との張り合せ工程後のキャリア箔の引き剥がし強度の値は20gf/cm〜100gf/cmの範囲が良好な範囲と言われているが、プレス加工工程で受ける熱履歴は、そのときに用いる絶縁層構成材料の種類により異なる。例えば、フッ素樹脂や液晶ポリマーであれば加熱温度は300℃を大きく超えるが熱可塑性樹脂であるために短時間である。これに対し、キャスティング法を適用した場合のポリイミド樹脂は熱硬化性樹脂であるために溶融樹脂のコーティングは約400℃の高温短時間で実施し、その後200℃前後の比較的低温で硬化させるというプロセスを採用している。このように多岐に亘る熱処理条件に広く好適に用いうるためには300℃×30分間加熱後のキャリア剥離強度は10gf/cm〜50gf/cmであることが好ましいが、本件発明に係るキャリア箔付銅箔は、この要求品質をクリアしている。
本件発明に係るキャリア箔付表面処理銅箔の形態: 本件発明に係るキャリア箔付表面処理銅箔は、図5に模式断面図として層構成を示している。この図5では、図3に示すキャリア箔付銅箔の銅箔層の表面に防錆処理層5、シランカップリング剤処理層6を形成したキャリア箔付表面処理銅箔を例示している。ここで言うキャリア箔付表面処理銅箔は、本件発明に係るキャリア箔付銅箔の銅箔層の表面に防錆処理、シランカップリング剤処理を施す。ここで、常態でのキャリア箔の剥離を防止して、加熱後にのみキャリア箔の剥離可能な状態を作り出すためには、防錆処理に関しては物理蒸着処理を用いることが好ましい。そして、シランカップリング剤処理を行う場合のみ、溶液にシランカップリング剤を分散させたものを公知の手法で用いることが好ましい。化学結合力の大きな絶縁層構成材料に対しては化学結合力を重要視したシランカップリング剤処理を施したり、化学結合力の乏しい絶縁層構成材料に対しては防錆処理及びシランカップリング剤処理を施すことによってより高い密着性を持たせる処理とする等、適宜最適な層構成を設計することが好ましい。
本件発明に係るキャリア箔付銅箔の製造形態: 本件発明に係るキャリア箔付銅箔の製造方法は、以下の工程A及び工程Bを含むことを特徴とするものである。しかしながら、接合界面層の形成前に、キャリア箔の表面の清浄化を図ることが好ましい。このキャリア箔の清浄化として、脱脂、酸洗い、ソフトエッチング及びドライエッチングから選択された1種又は2種以上を用いることが好ましい。前述のように、キャリア箔として圧延銅箔を用いる場合には、特に清浄化が必要である。圧延銅箔は、2本の回転するロールの間を通しながら圧力を加えて金属銅を薄くしてゆく製法であり、前記ロールの間には冷却の目的も兼ねて圧延油を供給している。従って、できあがった圧延銅箔の表面には圧延油及びわずかな酸化皮膜が存在している。そして、電解銅箔の場合でも、電解に使用する銅電解液が硫酸酸性であることから、ごく僅かではあるが硫酸及び硫酸銅などが付着しており、表面は酸化しやすく、電解銅箔の表面には硫酸化合物及び酸化皮膜が存在している場合もある。
キャリア箔の清浄化を行わずに接合界面層を形成し、銅箔層を形成するとキャリア箔と接合界面層との接着強度のバラツキが大きくなる場合があり、厚さや表面粗さにも大きなバラツキが生じる場合がある。従って、キャリア箔表面に付着している物質の特徴に合わせてクリーニング手法を選択して施す事が好ましい。例えば、油分が存在している場合にはアルカリ脱脂や電解脱脂工程の後、酸洗い又はソフトエッチングを施す等である。また、真空チャンバー内で、アルゴンイオン等によるプレスパッタを行って清浄化を図ることも好ましい。
工程Aについて説明する。この工程Aは、キャリア箔の表面に、物理蒸着法を用いて接合界面層として単独の炭素層又は金属層と炭素層と複合層のいずれかを形成する接合界面層形成工程である。そして、ここで言う物理蒸着法は乾式の成膜手段を採用する。即ち、真空蒸着、スパッタリング蒸着、化学気相成長法等のいずれかを採用することが好ましい。しかしながら、本件発明で使用する金属層及び炭素層の形成には、スパッタリング蒸着法を用いるのが最適である。。
タイプIIのキャリア箔付銅箔は製造する場合には、アルゴンイオン又は窒素イオンをスパッタ種として用い、金属層形成用ターゲット材(例えば、チタンターゲット)に衝突させ、キャリア箔の表面に金属原子を着地させ金属層を形成する。従って、タイプIのキャリア箔付銅箔を製造する場合には、この工程が不要である。
そして、アルゴンイオン又は窒素イオンをスパッタ種として用い、炭素ターゲット材に衝突させ炭素層を形成する。タイプIのキャリア箔付銅箔を製造する場合には、この炭素層をキャリア箔の表面に直接形成する。これに対し、タイプIIのキャリア箔付銅箔を製造する場合には、この炭素層をキャリア箔の表面にある金属層の上に形成する。
ここで、上述のスパッタ種としては、アルゴンイオン又は窒素イオンを用いている。これらのアルゴンイオン又は窒素イオンは、アルゴンガス又は窒素ガスをプラズマ状態に電離して得られ、印可された加速電圧によりターゲットに衝突し、ターゲットの構成成分であるチタン原子、炭素原子をはじき出す役割をするものである。スパッタ種としてのアルゴンイオンは、窒素イオンに比べてスパッタレートが大きく高い生産性を得ることが出来る利点があるが、ターゲット材の表面の粗さが大きくなるためターゲット寿命が短いという欠点がある。スパッタ種としての窒素イオンは、アルゴンイオンに比べてスパッタレートが小さく、アルゴンイオンを用いた場合と比べ生産性が低下する傾向にあるが、ターゲット材の表面の粗れが小さく、ターゲット寿命が長いという利点がある。従って、スパッタ種としてアルゴンイオンを用いるか、窒素イオンを用いるかは、製造ラインの性質、求められる生産性を考慮して、適宜選択すればよい。
そして、ここで言うスパッタリング蒸着は、マグネトロンスパッタリング技術を採用する事が、成膜速度が速く工業的な連続生産法を採用する観点から好ましい。従って、ターゲットに一定の電圧を印可して、ターゲット表面に平行な磁界を発生させ、グロー放電によりスパッタ種イオンを発生させ、これをターゲット表面へ衝突させる。そして、ターゲット表面からたたき出された二次電子をローレンツ力で捕らえてサイクロトロン運動させることにより、スパッタ種ガスのイオン化を促進すると同時に、成膜対象であるキャリア箔の表面にターゲット原子の着地を促進させる。
このとき150mm×300mmサイズのターゲット材を用いるとすれば、ターゲット材には1KW〜5KWの電力(以下、単に「スパッタリング電力」と称する。)が負荷されるようにする事が好ましい。ここで、スパッタリング電力が5KWを超えると、ターゲット材からはじき出されたチタン原子及び炭素原子をキャリア箔表面に誘導することが困難となり、チャンバーの側壁等に付着するロス成分量が増大するため好ましくない。一方、スパッタリング電力が1KW未満の場合には、工業的に求められる生産性を満足せず、形成されるチタン層及び炭素層の厚さのバラツキも大きくなる。
工程Bについて説明する。この工程Bは、前記接合界面層の上に物理蒸着法で銅箔層を形成する銅箔層形成工程である。ここでは、物理蒸着法の中でも、電子ビーム蒸着法(EB蒸着法)を主体的に用いることが好ましい。この電子ビーム蒸着法は、真空中で10keV前後の加速電圧を備える電子ビームを収束させ、水冷可能な銅製ルツボ、炭素ルツボ中等の高融点材料からなるハース中に収納して陽極に分極した蒸着原料に照射し、原材料を加熱して気化させ、金属蒸気を生成して、蒸着を行う方法である。この電子線ビーム蒸着法は、電子ビームの走査、電子ビームの電流コントロール等が可能で、他の加熱法と比べ、大きな蒸発速度を得ることが可能で、且つ、長時間の蒸着状態を維持することが可能であるため、精度良く均一な蒸着膜の形成が可能となる。この電子ビーム蒸着を行う装置では、加熱原料から離して電子ビームの発生源として電子銃を配置することができ、ハースの収容部であるルツボを冷却することが可能であるため、Pt、Rh、Mo、Wなど高融点金属の高純度薄膜の形成に特に適している。
確かに、LSIの内層の層構成を形成する場合等の場合には、そこに段差部が存在する等の場合があり、その被蒸着表面の形状の追随した膜のカバーレッジ特性や、求められる成膜速度等の関係から、nmオーダーの被膜を形成する場合には、マグネトロンスパッタリング技術を用いることが好ましい。しかし、ここで言う銅箔層は、フラットな接合界面層の上に形成するものであり、上述のように0.5μm〜12μmの厚さの銅箔層を意図している。従って、成膜速度の速い電子ビーム蒸着法を用いることが好ましいのである。但し、厳密に言えば、1μm以下の厚さの銅箔層を形成する場合に、上述したマグネトロンスパッタリング技術を用いると、膜厚均一性をより向上させることが出来る。
そして、この電子ビーム蒸着法とスパッタリング蒸着法とを組み合わせて銅層を形成することも好ましい。即ち、接合界面層上にスパッタリング蒸着法で5nm〜50nm厚さの銅層を形成し、その後成膜速度の速い電子ビーム蒸着法を用いて銅層の成長を行わせる。このような手法を採用することで、接合界面層との接触面にスパッタリング蒸着で形成した銅層が存在することになり、常態ではキャリア箔を引き剥がせないが加熱後にキャリア箔の引き剥がしが容易に可能という特性がより安定化する。
以上のように、本件発明に係るキャリア箔付銅箔の接合界面層及び銅箔層の両層を、物理蒸着法で形成することにより、常態においてキャリア箔と接合界面層と銅箔層とが固着した状態にあり、180℃×30分間以上の加熱熱量を負荷した後のキャリア箔の引き剥がし強度が10gf/cm〜50gf/cmという製品となる。
本件発明に係るキャリア箔付表面処理銅箔の製造方法: 以上に述べてきたキャリア箔付銅箔は、その銅箔層及びキャリア箔の表面には何ら、長期保存性、基材樹脂との密着性向上等を考慮した防錆処理等を施していない。しかし、本件発明に係るキャリア箔付銅箔を市場に供給する際には、長期保存性等を考慮して、少なくとも銅箔層の上に防錆処理層を形成し、また防錆処理層は、必要に応じて基材樹脂との密着性を向上させるための機能を備える場合もある。そして、更に、必要に応じて基材樹脂との密着性を向上させるためキャリア箔付表面処理銅箔の防錆処理層の上にシランカップリング剤処理層を形成することも好ましい。
そして、ここで言う防錆処理層は、前記銅箔層の上に物理蒸着法で形成するものでなければならない。この防錆処理層を湿式のメッキ法で形成すると、常態においてキャリア箔と接合界面層と銅箔層とが固着した状態にあり、180℃×30分間以上の加熱熱量を負荷した後のキャリア箔の引き剥がし強度が10gf/cm〜50gf/cmという特性を備えたキャリア箔付表面処理銅箔とならない。このときの防錆処理層の形成には、物理蒸着法として、抵抗加熱法、電子ビーム蒸着法、レーザブレーション法、分子線エピタキシャル法、気相反応法(反応性蒸着法)、スパッタリング蒸着法(2極スパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法、対向ターゲットスパッタリング法、電子サイクロトロン共鳴スパッタリング法等)等あらゆる物理蒸着手法を採用することが出来る。
ここで言う防錆処理層には、亜鉛層、真鍮層、亜鉛−ニッケル合金層、亜鉛−ニッケル−コバルト層、クロム層等を用いることができ、これらの層は複数層を積層した状態として用いても構わない。
そして、シランカップリング剤処理は、湿式で行っても構わない。即ち、シランカップリング剤の吸着方法は、浸漬法、シャワーリング法、噴霧法等、特に方法は限定されない。工程設計に合わせて、最も均一にシランカップリング剤処理層を吸着形成できる方法を任意に採用すれば良い。
このシランカップリング剤としては、オレフィン官能性シラン、エポキシ官能性シラン、アクリル官能性シラン、アミノ官能性シラン及びメルカプト官能性シランのいずれかを選択的に用いることができる。ここに列挙したシランカップリング剤は、基材樹脂との接着面に使用しても、後のエッチング工程及びプリント配線板となった後の特性に悪影響を与えないことが重要となる。より具体的には、プリント配線板用にプリプレグのガラスクロスに用いられると同様のカップリング剤を中心にビニルトリメトキシシラン、ビニルフェニルトリメトキシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、4−グリシジルブチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−3−(4−(3−アミノプロポキシ)プトキシ)プロピル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、イミダゾールシラン、トリアジンシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を用いることが可能である。
そして、これらのシランカップリング剤は、溶媒としての水に0.3g/l〜15g/l溶解させて、室温レベルの温度で用いるものである。シランカップリング剤は、銅箔の防錆処理層上にあるOH基と縮合結合することにより、被膜を形成するものであり、いたずらに濃い濃度の溶液を用いても、その効果が著しく増大することはない。従って、本来は、工程の処理速度等に応じて決められるべきものである。但し、0.3g/lを下回る場合は、シランカップリング剤の吸着速度が遅く、一般的な商業ベースの採算に合わず、吸着も不均一なものとなる。また、15g/lを越える以上の濃度であっても、特に吸着速度が速くなることもなく、耐塩酸性等の性能品質を特に向上させるものでもなく、不経済となるからである。
そして、最後に行う乾燥は、単に水分を除去するだけでなく、吸着したシランカップリング剤と防錆処理層の表面にあるOH基との縮合反応を促進させ、縮合の結果生じる水分をも完全に蒸発させるものでなければならない。一方、この乾燥温度は、基材と接合する際に基材を構成する樹脂と結合するシランカップリング剤の官能基を破壊若しくは分解する温度を採用する事はできない。シランカップリング剤の基材樹脂との接着に関与する官能基が破壊若しくは分解すると、銅箔と基材との密着性が損なわれ、シランカップリング剤の吸着による効果を最大限に引き出すことができなくなるからである。加熱炉内を2秒間〜6秒間の範囲で通過し、十分な乾燥の可能な条件が好ましい。特に銅箔は金属材であり、熱伝導速度が速く、表層に吸着したシランカップリング剤も、乾燥時の雰囲気温度、熱源からの輻射熱による影響を極めて強く受けやすくなるからである。
本件発明に係る銅張積層板: 上述の本件発明に係るキャリア箔付表面処理銅箔を用いることにより、高品質の銅張積層板が提供できる。本件発明に係るキャリア箔付銅箔を使用して得られた銅張積層板は、銅張積層板にプレス加工される前段階で、キャリア箔が剥離することがないため、プレス加工時の終了まで確実に銅箔層の表面の汚染、異物混入を防止することが出来る。また、プレス加工前のレイアップ時のハンドリング及び張り合せ加工時の銅箔層のシワの発生を確実に防止できる。そして、180℃×30分間以上の加熱熱量が負荷されるプレス加工が終了し、エッチング直前のキャリア箔の引き剥がしに関しては、引き剥がし強度が10gf/cm〜50gf/cmでキャリア箔の引き剥がしが可能となる。この結果、極薄銅箔を表面に有し、シワや異物付着などの表面汚染及び欠陥の少ない、ファインピッチプリント配線板の製造に有用な銅張積層板の提供が可能となる。しかも、300℃以上の温度が負荷されるようなプレス加工を受けても、容易にキャリア箔の除去が出来るものである。
また、この銅張積層板に形成される銅層をエッチング加工することにより、プリント配線板が製造されてきた。
ここで言う銅張積層板の製造は、リジッドタイプの銅張積層板を製造する場合とフレキシブルタイプの銅張積層板を製造する場合とで異なる。リジッドタイプの銅張積層板を製造する場合には、銅箔と、Bステージに半硬化させた樹脂含浸基材(プリプレグ)と、その他スペーサーとなる鏡板との組み合わせを多段に積み重ねたブックを熱板で挟みこみ、高温雰囲気下で高圧をかけて樹脂含浸基材の樹脂を硬化させると同時に銅箔と圧着する方法を採用するのが一般的である。これを「プレス加工」、「プレス成形」と称する。一方、フレキシブルタイプの銅張積層板を製造する場合には、銅箔とポリイミド等の有機系高分子絶縁層構成材料等とを熱間プレス、ロールラミネートにより張り合わせるか、キャスティング法等によりポリアミック樹脂成分を銅箔に塗布して加熱してポリイミド樹脂層を形成する等の方法を採用するのが一般的である。
以下、本件発明に係るキャリア箔付銅箔又はキャリア箔付両面銅箔を製造した実施例を示し、得られた製品で、プレス加工温度を変化させ、いくつかの銅張積層板を製造し、そのときのキャリア箔層と銅箔層との引き剥がし強度を測定した結果を示すこととする。
本実施例においては、図1に示したキャリア箔付銅箔1を製造した結果について説明する。ここでは、キャリア箔2に35μm厚のグレード3に分類される電解銅箔を用い、平均粗さ(Ra)0.21μmの光沢面側へ5μm厚の銅箔層3を形成したのである。以下、各工程の順に従って、製造条件の説明を行う。
キャリア箔2は、最初に酸洗処理工程に入れた。酸洗処理工程では、酸洗処理槽の内部に濃度150g/l、液温30℃の希硫酸溶液を満たし、当該溶液中にキャリア箔2を30秒間浸漬して表面酸化被膜の除去を行い、水洗後風乾した。
工程A:風乾後巻き取られたキャリア箔への接合界面層の形成にはマグネトロン型スパッタリング装置を用い、ターゲットとして150mm×300mmサイズの炭素ターゲット材を用いた。そして、スパッタリング条件として、到達真空度Puは1×10−2Pa未満、スパッタリング圧Parは1Pa、スパッタリング電力6kWDC、処理速度5m/minの条件を採用することにより2nmの厚さの炭素層をキャリア箔である電解銅箔の光沢面側に形成した。
工程B: 上記にて接合界面層の形成が終了すると、その面に電子ビーム蒸着法を用いて銅箔層を形成した。本実施例における銅箔層は厚さ5μmとした。そして、電子ビーム蒸着法の成膜条件は、到達圧力が4×10−4Pa、キャリア箔温度が室温、処理速度5m/minであった。
防錆処理層の形成: 更に、上記銅箔層の表面に防錆処理層を形成した。このときの防錆処理層は、亜鉛層として形成したものである。スパッタリング装置として上記と同様のマグネトロン型スパッタリング装置を用い、ターゲットとして150mm×300mmサイズの亜鉛ターゲット材を用いた。スパッタリング条件として、到達真空度Puは1×10−2Pa未満、スパッタリング圧Parは1Pa、スパッタリング電力6kWDC、処理速度5m/minの条件を採用することにより50nmの厚さの亜鉛層を銅箔層の上に形成した。
シランカップリング剤処理層の形成: 上記防錆処理層の形成が完了すると、直ちにシランカップリング剤処理槽で、銅箔層の防錆処理層の上にのみシランカップリング剤の吸着を行った。このときの溶液組成は、イオン交換水を溶媒として、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを5g/lの濃度となるよう加えたものとした。そして、この溶液をシャワーリングにて表面に吹き付けることにより吸着処理した。
シランカップリング剤処理が終了すると、最終的に、乾燥処理炉内で電熱器により箔温度が140℃となるよう雰囲気温度を調整し、加熱された炉内を4秒かけて通過し、水分をとばし、シランカップリング剤の縮合反応を促進し、完成したキャリア箔付表面処理銅箔とした。
以上のようにして得られたキャリア箔付表面処理銅箔の接合界面層は、平均厚さ10nmの炭素層のみである。このキャリア箔付表面処理銅箔の加熱前の、キャリア箔付表面処理銅箔の銅箔層側にエポキシ系接着剤を用いて、150μm厚の硬化処理したFR−4基材に強固に張り合わせた。そして、キャリア箔を引き剥がすことで、キャリア箔と銅箔層との引き剥がし強度を10点測定した。その結果、この常態引き剥がし強度の測定を行おうとしたが、いずれもキャリア箔の引き剥がしは出来なかった。
そこで、このキャリア箔付表面処理銅箔を、180℃のオーブン中で30分間加熱処理した。そして、加熱処理した後キャリア箔付表面処理銅箔の銅箔層側に上述と同様にして、キャリア箔と銅箔層との引き剥がし強度を10点測定した。その結果、引き剥がし強度の測定結果は、平均15gf/cmであった。
また、このキャリア箔付表面処理銅箔を、330℃のオーブン中で30分間加熱処理した。そして、加熱処理した後キャリア箔付表面処理銅箔の銅箔層側に上述と同様にして、キャリア箔と銅箔層との引き剥がし強度を10点測定した。その結果、引き剥がし強度の測定結果は、平均8gf/cmであった。
本実施例においては、図3に示したキャリア箔付銅箔1を製造した結果について説明する。ここでは、キャリア箔2に35μm厚のグレード3に分類される電解銅箔を用い、平均粗さ(Ra)0.21μmの光沢面側へ5μm厚の銅箔層3を形成したのである。以下、各工程の順に従って、製造条件の説明を行う。
キャリア箔2は、最初に酸洗処理工程に入れた。酸洗処理工程では、酸洗処理槽の内部に濃度150g/l、液温30℃の希硫酸溶液を満たし、当該溶液中にキャリア箔2を30秒間浸漬して表面酸化被膜の除去を行い、水洗後風乾した。
工程A:風乾後巻き取られたキャリア箔への接合界面層の形成には、マグネトロン型スパッタリング装置を用い、ターゲットとして150mm×300mmサイズのチタンターゲット材を用いた。そして、スパッタリング条件として、到達真空度Puは1×10−2Pa未満、スパッタリング圧Parは1Pa、スパッタリング電力6kWDC、処理速度5m/minの条件を採用することにより10nmの厚さのチタン層をキャリア箔である電解銅箔の光沢面側に形成した。
続いてスパッタリング装置として上記と同様のマグネトロン型スパッタリング装置を用い、ターゲットとして150mm×300mmサイズの炭素ターゲット材を用いた。スパッタリング条件として、到達真空度Puは1×10−2Pa未満、スパッタリング圧Parは1Pa、スパッタリング電力6kWDC、処理速度5m/minの条件を採用することにより2nmの厚さの炭素層をチタン層の上に形成した。
工程B: 上記にて接合界面層の形成が終了すると、実施例1と同様にして電子ビーム蒸着法を用いて5μm厚さの銅箔層を形成した。
防錆処理層の形成: 更に、上記銅箔層の表面に実施例1と同様にして、50nmの厚さの亜鉛層を防錆処理層として形成した。
シランカップリング剤処理層の形成: 上記防錆処理層の形成が完了すると、実施例1と同様にしてシランカップリング剤処理層の形成を行った。
以上のようにして得られたキャリア箔付表面処理銅箔の接合界面層のチタン層の厚さは平均10nm、炭素層の厚さは平均1nmであった。このキャリア箔付表面処理銅箔の加熱前の、キャリア箔付表面処理銅箔の銅箔層側にエポキシ系接着剤を用いて、150μm厚の硬化処理したFR−4基材に強固に張り合わせた。そして、キャリア箔を引き剥がすことで、キャリア箔と銅箔層との引き剥がし強度を10点測定した。その結果、この常態引き剥がし強度の測定を行おうとしたが、いずれもキャリア箔の引き剥がしは出来なかった。
そこで、このキャリア箔付表面処理銅箔を、180℃のオーブン中で30分間加熱処理した。そして、加熱処理した後キャリア箔付表面処理銅箔の銅箔層側に上述と同様にして、キャリア箔と銅箔層との引き剥がし強度を10点測定した。その結果、引き剥がし強度の測定結果は、平均17gf/cmであった。
また、このキャリア箔付表面処理銅箔を、330℃のオーブン中で30分間加熱処理した。そして、加熱処理した後キャリア箔付表面処理銅箔の銅箔層側に上述と同様にして、キャリア箔と銅箔層との引き剥がし強度を10点測定した。その結果、引き剥がし強度の測定結果は、平均10gf/cmであった。
[比較例1]
この比較例1は、実施例1と対比するためのものであり、実施例1と同様の製造方法を採用し、工程Aで形成する接合界面層(炭素層)の厚さを1nmと50nmとの2種類の試料を製造し、これらの試料を用いて比較用のキャリア箔付銅箔を製造した。ここで、接合界面層(炭素層)の厚さが1nmの比較用キャリア箔付表面処理銅箔(比較用試料1−1)と接合界面層(炭素層)の厚さが50nmの比較用キャリア箔付表面処理銅箔(比較用試料1−2)とする。
以上のようにして得られた比較用キャリア箔付表面処理銅箔を用いて実施例1と同様にして、常態引き剥がし強度の測定を行ったが、比較用試料1−1はキャリア箔の引き剥がしは出来なかった。しかし、比較用試料1−2は、引き剥がし強度が平均2.3gf/cmと極めて軽い力で引き剥がせた。
そこで、この比較用試料1−1を、180℃のオーブン中で30分間加熱処理した。そして、実施例1と同様にして、加熱処理した後の比較用試料1−1のキャリア箔と銅箔層との引き剥がし強度を10点測定したが、加熱してもキャリア箔の引き剥がしが出来なかった。この現象は、330℃のオーブン中で30分間加熱処理した場合も同様である。
[比較例2]
この比較例においては、実施例2と同様の図3に示した層構成を持つキャリア箔付電解銅箔を製造した結果について説明する。ここでは、実施例と同様のキャリア箔を用い、平均粗さ(Ra)0.21μmの光沢面側へ5μ厚の電解銅箔層を形成した。以下、各工程の順に従って、製造条件の説明を行う。
キャリア箔は、実施例と同様に酸洗処理工程を施した。そして、実施例2と同様の工程Aを経て、10nmの厚さのチタン層と1nmの厚さの炭素層とを形成し、接合界面層とした。
工程B: 上記工程Aにて接合界面層の形成が終了すると、その接合界面層上に電解銅箔層を形成した。本比較例における電解銅箔層の形成は、硫酸濃度150g/l、銅濃度65g/l、液温45℃の硫酸銅溶液を用いた。当該溶液を満たした槽内で、接合界面層を形成した面に、平板のアノード電極を平行配置し、キャリア箔2自体をカソード分極し、電流密度15A/dmの平滑メッキ条件で60秒間電解し、電解銅箔層を形成しキャリア箔付電解銅箔とした。
防錆処理層の形成: そして、電解銅箔層の形成が終了すると、更に、防錆処理及びシランカップリング剤処理を施した。本実施例における防錆処理は、防錆元素として亜鉛を用い、電解銅箔層の表面だけでなくキャリア箔層の表面も同時に防錆処理した。従って、ここでは、アノード電極として溶解性アノードである亜鉛板を、粗化処理を施したキャリア箔付電解銅箔の両面側にそれぞれ配して用い、防錆処理槽内の亜鉛の濃度バランスを維持し、電解液に硫酸亜鉛浴を用い、硫酸濃度が70g/l、亜鉛濃度を20g/lに維持し、液温40℃、電流密度15A/dm2、電解時間15秒とした。防錆処理が終了すると、水洗を行った。
シランカップリング剤処理層の形成: 防錆処理が完了すると水洗後、直ちにシランカップリング剤処理槽で、電解銅箔層の粗化した面の防錆処理層の上にのみシランカップリング剤の吸着を行った。このときの溶液組成は、イオン交換水を溶媒として、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを5g/lの濃度となるよう加えたものとした。そして、この溶液をシャワーリングにて表面に吹き付けることにより吸着処理した。
シランカップリング剤処理が終了すると、最終的に、乾燥処理炉内で電熱器により箔温度が140℃となるよう雰囲気温度を調整し、加熱された炉内を4秒かけて通過し、水分をとばし、シランカップリング剤の縮合反応を促進し、完成したキャリア箔付表面処理電解銅箔とした。
以上のようにして得られたキャリア箔付表面処理電解銅箔の接合界面層のチタン層の厚さは平均10nm、炭素層の厚さは平均1nmであった。これは実施例と同様である。そして、実施例と同様にして、キャリア箔付表面処理電解銅箔の加熱前の、キャリア箔と電解銅箔層との引き剥がし強度を10点測定した。その結果、この常態引き剥がし強度の測定結果は、平均3.1gf/cmであった。
そして、このキャリア箔付表面処理銅箔を、180℃のオーブン中で30分間加熱処理した。そして、加熱処理した後キャリア箔付表面処理電解銅箔の電解銅箔層側に上述と同様にして、キャリア箔と電解銅箔層との引き剥がし強度を10点測定した。その結果、引き剥がし強度の測定結果は、平均18.6gf/cmであった。
また、このキャリア箔付表面処理電解銅箔を、330℃のオーブン中で30分間加熱処理した。そして、加熱処理した後キャリア箔付表面処理電解銅箔の電解銅箔層側に上述と同様にして、キャリア箔と電解銅箔層との引き剥がし強度を10点測定した。その結果、引き剥がし強度の測定結果は、平均0.2gf/cmであった。
<実施例と比較例との対比>
実施例1と比較例1との対比: 実施例1では、本件発明に係るキャリア箔付銅箔に求められる特性として、加熱前にはキャリア箔の引き剥がしが出来ないが加熱後に容易に引き剥がせるという特性が得られている。しかし、比較例1の結果から分かるように、接合界面層を構成する炭素層が薄すぎると、比較用試料1−1から分かるように常態でも加熱後でもキャリア箔の剥離は出来ず、ピーラブルタイプのキャリア箔付銅箔は得られない。また、接合界面層を構成する炭素層が厚すぎると、比較用試料1−2から分かるように常態でもキャリア箔の剥離が可能であり、しかも、その引き剥がし強度が極めて軽いため、ハンドリングしただけでキャリア箔が剥離したり、レイアップしてプレスするときのプレス圧によってズレが生じる等の不具合の発生の危険性が高まる。
実施例2と比較例2との対比: 比較例2のキャリア箔付電解銅箔のキャリア箔の引き剥がし特性は、常態引き剥がし強度が平均3.1gf/cm、180℃のオーブン中で30分間加熱後の引き剥がし強度が平均18.6gf/cm、330℃のオーブン中で30分間加熱後の引き剥がし強度が平均20.2gf/cmである。従って、この値を見る限りに於いては、比較例として例示したが、この出願時点に於いてみれば、従来に無い特性を持つ極めて良好なキャリア箔付電解銅箔と言える。
しかし、実施例2に係るキャリア箔付銅箔及びキャリア箔付表面処理銅箔は、実施例から分かるように、常態ではキャリア箔を引き剥がすことが出来ず、180℃のオーブン中で30分間加熱した後にキャリア箔が容易に引き剥がせるものとなる。従って、銅張積層板に加工する前、銅張積層板に加工するプレス加工途中、プレス加工が終了し、エッチング加工を行う前にキャリア箔が脱落することが無く、銅箔層の保護が万全のものとなり、より好ましいのである。
本件発明に係るキャリア箔付銅箔は、常態でのキャリア箔の引き剥がしが出来ず、プレス加工後にキャリア箔を容易に引き剥がせるものである。従って、キャリア箔の、銅張積層板に加工する前のハンドリング時の脱落、銅張積層板に加工するプレス加工途中での脱落(プレス圧によるズレ)、プレス加工が終了しエッチング加工を行う前の保管時における脱落を完全に防止することが可能であり、銅箔層の保護が万全のものとなる。そのため、ファインピッチ回路の形成が要求される銅張積層板の製造に用いることで、安定したエッチング加工を行うことが出来るため、高品質のプリント配線板の製造に適している。また、300℃以上の温度でのプレス加工を必要とするフッ素樹脂基材銅張積層板、液晶ポリマ銅張積層板、キャスティング法によるポリイミド銅張積層板等の製造を行った後にも、キャリア箔層と銅箔層との容易な引き剥がしが可能で、当該引き剥がし強度のバラツキを著しく減少させることが可能になった。その結果、フッ素樹脂基板、液晶ポリマ、ポリイミド基板等に対し、従来に適用できなかった極薄の銅箔層を、本件発明に係るキャリア箔付銅箔を用いて形成することで、製品品質を大幅に向上させることが可能であり、ファインピッチ配線の形成も容易となる。
キャリア箔付銅箔Iの断面模式図である。 キャリア箔付両面銅箔Iの断面模式図である。 キャリア箔付銅箔IIの断面模式図である。 キャリア箔付両面銅箔IIの断面模式図である。 キャリア箔付表面処理銅箔IIの断面模式図である。
符号の説明
1 キャリア箔付銅箔
1’ キャリア箔付両面銅箔
2 キャリア箔
3 銅箔層
4 接合界面層
4a 金属層
4b 炭素層
5 防錆処理層
6 シランカップリング剤処理層
10 キャリア箔付表面処理銅箔

Claims (16)

  1. キャリア箔の表面に接合界面層を介して銅箔層を有するキャリア箔付銅箔であって、
    当該接合界面層は物理蒸着法で形成した炭素層を含み、且つ、物理蒸着法で形成した銅箔層を備えることを特徴とするキャリア箔付銅箔。
  2. 前記接合界面層を構成する炭素層は、厚さ2nm〜30nmのグラファイト構造を備えるものである請求項1に記載のキャリア箔付銅箔。
  3. 前記接合界面層は物理蒸着法で形成した金属層を含み、前記炭素層と当該金属層とからなる請求項1に記載のキャリア箔付銅箔。
  4. 前記金属層は、厚さ1nm〜50nmのチタンで構成されたものである請求項3に記載のキャリア箔付銅箔。
  5. 前記接合界面層は、炭素層と金属層とのトータル厚さが2nm〜60nmである請求項3又は請求項4に記載のキャリア箔付銅箔。
  6. 常態においては、キャリア箔と接合界面層と銅箔層とが固着した状態にある請求項1〜請求項5のいずれかに記載のキャリア箔付銅箔。
  7. 180℃×30分間以上の加熱熱量を負荷した後のキャリア箔の引き剥がし強度が10gf/cm〜50gf/cmである請求項1〜請求項6のいずれかに記載のキャリア箔付銅箔。
  8. 前記キャリア箔は、その厚みが12μm〜210μmである請求項1〜請求項7のいずれかに記載のキャリア箔付銅箔。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれかに記載のキャリア箔付銅箔の銅箔層の表面に物理蒸着法で形成した防錆処理、シランカップリング剤処理から選択された1種又は2種以上の表面処理を施したキャリア箔付表面処理銅箔。
  10. 請求項1〜請求項8のいずれかに記載のキャリア箔付銅箔の製造方法であって、
    以下の工程A及び工程Bを含むことを特徴とするキャリア箔付銅箔の製造方法。
    工程A: キャリア箔の表面に、物理蒸着法を用いて接合界面層として単独の炭素層又は金属層と炭素層と複合層のいずれかを形成する接合界面層形成工程。
    工程B: 前記接合界面層の上に物理蒸着法で銅箔層を形成する銅箔層形成工程。
  11. 前記工程Aの物理蒸着法は、スパッタリング蒸着法を用いるものである請求項10に記載のキャリア箔付銅箔の製造方法。
  12. 前記工程Bの物理蒸着法は、電子ビーム蒸着法及び/又はスパッタリング蒸着法を用いるものである請求項10に記載のキャリア箔付銅箔の製造方法。
  13. 前記工程Aで物理蒸着法を用いて形成する金属層は、チタン層である請求項10〜請求項12のいずれかに記載のキャリア箔付銅箔の製造方法。
  14. 請求項9に記載のキャリア箔付表面処理銅箔の製造方法であって、前記キャリア箔付銅箔の銅箔層の上に物理蒸着法を用いて防錆処理層を形成することを特徴としたキャリア箔付表面処理銅箔の製造方法。
  15. 防錆処理層の上にシランカップリング剤処理層を形成する請求項14に記載のキャリア箔付表面処理銅箔の製造方法。
  16. 請求項9に記載のキャリア箔付表面処理銅箔を用いて得られる銅張積層板。
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