JP6546526B2 - キャリア付銅箔及びコアレス支持体用積層板、並びに配線層付コアレス支持体及びプリント配線板の製造方法 - Google Patents

キャリア付銅箔及びコアレス支持体用積層板、並びに配線層付コアレス支持体及びプリント配線板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、キャリア付銅箔及びコアレス支持体用積層板、並びに配線層付コアレス支持体及びプリント配線板の製造方法に関する。
近年、プリント配線板の実装密度を上げて小型化するために、プリント配線板の多層化が広く行われるようになってきている。このような多層プリント配線板は、携帯用電子機器の多くで、軽量化や小型化を目的として利用されている。そして、この多層プリント配線板には、層間絶縁層の更なる厚みの低減、及び配線板としてのより一層の軽量化が要求されている。
このような要求を満たす技術として、コアレスビルドアップ法を用いた多層プリント配線板の製造方法が採用されている。コアレスビルドアップ法とは、いわゆるコア基板を用いることなく、絶縁層と配線層とを交互に積層(ビルドアップ)して多層化する方法である。コアレスビルドアップ法においては、支持体と多層プリント配線板との剥離を容易に行えるように、キャリア付銅箔を使用することが提案されている。例えば、特許文献1(特開2005−101137号公報)には、キャリア付銅箔のキャリア面に絶縁樹脂層を貼り付けて支持体とし、キャリア付銅箔の極薄銅層側にフォトレジスト加工、パターン電解銅めっき、レジスト除去等の工程により第一の配線導体を形成した後、ビルドアップ配線層を形成し、キャリア付支持基板を剥離し、極薄銅層を除去することを含む、半導体素子搭載用パッケージ基板の製造方法が開示されている。
また、特許文献2(国際公開第2012/133638号)には、キャリア付銅箔を用いてコアレスビルドアップ法で多層プリント配線板を製造する方法が開示されている。この方法は、少なくとも銅箔層、剥離層、耐熱金属層及びキャリアの4層を備えたキャリア付銅箔を準備し、キャリア付銅箔のキャリア表面に絶縁層構成材を張り合わせて支持基板を形成し、支持基板の銅箔層表面にビルドアップ配線層を形成し、得られたビルドアップ配線層付支持基板を支持基板の剥離層で分離し、得られた多層積層板に必要な加工を施して多層プリントを得ることを含む。また、この文献では、耐熱金属層を構成する金属として、モリブデン、タンタル、タングステン、コバルト、ニッケル等が例示されている。
ところで、特許文献1に示されるような埋め込み回路の微細化のため、極薄銅層の厚さを1μm以下としたキャリア付銅箔が望まれる。そこで、極薄銅層の厚さ低減を実現するため、気相法により極薄銅層を形成することが提案されている。例えば、特許文献3(特許第4754402号公報)には、キャリア箔の表面に接合界面層を介して銅箔層を有するキャリア付銅箔が開示されており、当該接合界面層は物理蒸着法で形成した厚さ2nm〜30nmの炭素層を含み、銅箔層は物理蒸着法で形成したものであることが開示されている。また、特許文献4(特許第4726855号公報)には、キャリアシートの表面に接合界面層を介して銅箔層を有するキャリアシート付銅箔が開示されており、当該接合界面層は、物理蒸着法を用いて形成した金属層/炭素層の2層からなり、銅箔層は、接合界面層上に物理蒸着法で10nm〜300nm厚さの第1銅層を形成し、更に電解法で第2銅層を形成することにより得られたものであることが開示されている。また、この接合界面層を構成する金属層は、タンタル、ニオブ、ジルコニウム、ニッケル、クロム、チタン、鉄、ケイ素、モリブデン、バナジウム、タングステンのいずれかで構成された層でありうることが特許文献4には記載されている。
特開2005−101137号公報 国際公開第2012/133638号 特許第4754402号公報 特許第4726855号公報 特開2015−35551公報
しかしながら、気相法により形成された極薄銅層の表面に微細なフォトレジストのパターンを形成することは困難を伴う。すなわち、気相法により形成された極薄銅層を含むキャリア付銅箔は、フォトレジストとして用いるドライフィルムの現像性に劣るとの問題がある。これは、ドライフィルム現像時におけるキャリア付銅箔界面への薬剤の浸入、及びそれによる界面剥離が主たる原因である。そこで、現像液に対する耐剥離性に優れたキャリア付銅箔が望まれる。
ところで、チップ内蔵プリント配線板のパッケージング技術の一つであるFO−WLP(Fan−Out Wafer Level Packaging)においても、コアレスビルドアップ法の採用が検討されている。そのような工法の一つとして、コアレス支持体表面に配線層及び必要に応じてビルドアップ配線層を形成した後に、チップの実装を行い、その後に支持体を剥離する、RDL−First(Redistribution Layer−First)法と呼ばれる工法がある(例えば特許文献5(特開2015−35551公報)参照)。この工法によれば、チップの実装を行う前にコアレス支持体表面の配線層やその後に積層される各ビルドアップ配線層の画像検査又は電気検査を行うことができるため、各配線層の不良部分を避けて、良品部分にのみチップを実装できる。その結果、RDL−First法はチップの無駄使いを回避できる点で、チップの表面に配線層を逐次積層する工法であるChip−First法等と比較すると経済的に有利である。ここで、コアレス支持体表面の配線層を形成した直後に画像検査や電気検査を行うには、コアレス支持体表面にフォトレジスト加工、電気めっき、及びフォトレジスト剥離等を行った後、さらに必要に応じて配線間に存在する極薄銅層及び界面金属層のフラッシュエッチングを行う。しかしながら、この工法に従来の界面金属層を含むキャリア付銅箔を用いてコアレス支持体表面に配線層を形成した場合、ライン/スペース(L/S)が10μm/10μm以下といった微細回路においては、フォトレジスト形成時に界面金属層と剥離層との間が分離し極薄銅層が部分的に欠落してしまい、電気めっきの導通不良を生じる問題がある。また、配線層形成時の界面金属層のエッチングにおいて、界面金属層の不均一な膜厚分布に起因するオーバーエッチングや、界面金属層に対するエッチング選択性の低さに起因して、界面金属層を剥離層に到達させるまでにエッチングした場合に、本来エッチングされるべきでない電気めっき配線層の端面及び表面(すなわち銅めっきの表面)までもがエッチングにより溶解し、配線高さ及び幅が必要以上に低く細くなり、配線層が部分的に消失してしまうとの問題がある。
本発明者は、今般、ニッケル含有率が45〜98重量%のニッケル合金層と、炭素層とからなる2層構成の剥離層を採用することで、コアレスビルドアップ法における支持体(すなわちコアレス支持体)表面の微細配線層形成プロセスにおいて、現像液に対する耐剥離性、界面金属の膜厚分布均一性、及びエッチング選択性のいずれにおいても優れた特性を発揮するキャリア付銅箔を提供できるとの知見を得た。また、そのような優れた特性により、プリント配線板の製造プロセス(特にRDL−First法における画像検査や電気検査等)に適用するためのコアレス支持体表面の微細配線層を極めて有利に形成できるという知見を得た。
したがって、本発明の目的は、コアレスビルドアップ法における支持体表面の微細配線層形成プロセスにおいて、現像液に対する耐剥離性、界面金属の膜厚分布均一性、及びエッチング選択性のいずれにおいても優れた特性を発揮することが可能な、キャリア付銅箔を提供することにある。また、本発明のもう一つの目的は、プリント配線板の製造プロセス(特にRDL−First法における画像検査や電気検査等)に適用するためのコアレス支持体表面の微細配線層を極めて有利に形成することが可能な配線層付コアレス支持体の製造方法を提供することにある。
本発明の一態様によれば、キャリアと、
前記キャリア上に設けられ、ニッケル含有率が45〜98重量%であるニッケル合金で構成されるニッケル合金層と、
前記ニッケル合金層上に設けられ、主として炭素を含んでなる炭素層と、
前記炭素層上に設けられる極薄銅層と、
を備えた、キャリア付銅箔が提供される。
本発明の他の一態様によれば、上記キャリア付銅箔を備えた、コアレス支持体用積層板が提供される。
本発明の他の一態様によれば、上記キャリア付銅箔を支持体として用意する工程と、
前記極薄銅層の表面にフォトレジスト層を所定のパターンで形成する工程と、
前記極薄銅層の露出表面に電気銅めっき層を形成する工程と、
前記フォトレジスト層を剥離する工程と、
前記フォトレジスト層の剥離により露出した前記極薄銅層の不要部分をフラッシュエッチングにより除去する工程と、
前記フラッシュエッチングにより露出した前記ニッケル合金層の不要部分をエッチングにより除去して、配線層が形成されたコアレス支持体を得る工程と、
とを含む、配線層付コアレス支持体の製造方法が提供される。
本発明の他の一態様によれば、上記方法により配線層付コアレス支持体を製造する工程と、
前記配線層付コアレス支持体の前記配線層が形成された面にビルドアップ層を形成してビルドアップ層付積層体を作製する工程と、
前記ビルドアップ層付積層体から少なくとも前記キャリアを分離して前記ビルドアップ層を含む多層配線板を得る工程と、
前記多層配線板を加工してプリント配線板を得る工程と、
を含む、プリント配線板の製造方法が提供される。
本発明のキャリア付銅箔の一態様を示す模式断面図である。 本発明の配線層付コアレス支持体又はプリント配線板の製造方法を説明するための工程流れ図であり、前半の工程(工程(a)〜(d))を示す図である。 本発明の配線層付コアレス支持体又はプリント配線板の製造方法を説明するための工程流れ図であり、図2に続く工程(工程(e)〜(g))を示す図である。 本発明のプリント配線板の製造方法を説明するための工程流れ図であり、図3に続く工程(工程(h)〜(j))を示す図である。
キャリア付銅箔
本発明のキャリア付銅箔が図1に模式的に示される。図1に示されるように、本発明のキャリア付銅箔10は、キャリア12と、ニッケル合金層14と、炭素層16と、極薄銅層18とをこの順に備えたものである。ニッケル合金層14は、キャリア12上に設けられ、ニッケル含有率が45〜98重量%であるニッケル合金で構成される層である。炭素層16は、ニッケル合金層14上に設けられ、主として炭素を含んでなる層である。ニッケル合金層14と炭素層16が2層構成の剥離層を構成する。極薄銅層18は、炭素層16上に設けられる銅からなる層である。また、キャリア12の両面に上下対称となるように上述の各種層を順に備えてなる構成としてもよい。キャリア付銅箔10は、上述したニッケル合金層14及び炭素層16を剥離層として備えること以外は、公知の層構成を採用すればよく特に限定されない。このようにニッケル含有率が45〜98重量%のニッケル合金層と、炭素層とからなる2層構成の剥離層を採用することで、コアレス支持体表面のー配線層形成プロセス、現像液に対する耐剥離性、界面金属の膜厚分布均一性、及びエッチング選択性のいずれにおいても優れた特性を発揮するキャリア付銅箔を提供することができる。また、そのような優れた特性により、プリント配線板の製造プロセス(特にRDL−First法における画像検査や電気検査等)に適用するためのコアレス支持体表面の微細配線層を極めて有利に形成できることができる。
キャリア12の材質はガラス、樹脂、及び金属のいずれであってもよい。また、キャリア12の形態はシート、フィルム、板、及び箔のいずれであってもよい。また、キャリア12はこれらのシート、フィルム、板、及び箔等が積層されたものであってもよい。例えば、キャリア12はガラス板や金属板等といった剛性を有する支持体として機能し得るものであってもよいし、金属箔や樹脂フィルム等といった剛性を有しない形態であってもよい。キャリア12の金属の好ましい例としては、銅、チタン、ニッケル、ステンレススチール、アルミニウム等が挙げられる。樹脂の好ましい例としては、PET樹脂、PEN樹脂、アラミド樹脂、ポリイミド樹脂、ナイロン樹脂、液晶ポリマー、PEEK樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、PTFE樹脂、ETFE樹脂等が挙げられる。これらの中でもキャリア12は樹脂フィルム又はガラスで構成されるのが好ましく、ガラスで構成されるのが特に好ましく、例えばガラスシートである。ガラスをキャリア12として用いた場合、軽量で、熱膨脹係数が低く、絶縁性が高く、剛直で表面が平坦なため、極薄銅層18の表面を極度に平滑にできる等の利点がある。また、キャリアがガラスである場合、先に述べたコアレス支持体表面の配線層を形成した後、画像検査を行う際に銅めっきとの視認性コントラストに優れる点、電気検査における安定な絶縁体である点、電子素子搭載時に有利な表面平坦性(コプラナリティ)を有している点、プリント配線板製造工程におけるデスミアや各種めっき工程において耐薬品性を有している点、後述するビルドアップ層付積層体分離時に化学的分離法が採用できる点等の利点がある。キャリア12を構成するガラスの好ましい例としては、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス、ソーダライムガラス、アミノシリケートガラス、及びそれらの組合せが挙げられ、特に好ましくは無アルカリガラスである。無アルカリガラスは、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ホウ素、及び酸化カルシウムや酸化バリウム等のアルカリ土類金属酸化物を主成分とし、更にホウ酸を含有する、アルカリ金属を実質的に含有しないガラスのことである。この無アルカリガラスは、0℃から350℃までの広い温度帯域において熱膨脹係数が3〜5ppm/Kの範囲で低く安定しているため、電子素子として半導体チップを搭載した際、ガラスの反りを最小限にできるとの利点がある。キャリアの厚さは100〜2000μmが好ましく、より好ましくは500〜1800μm、更に好ましくは700〜1100μmである。このような範囲内の厚さであると、ハンドリングに支障を来たさない適切な強度を確保しながら多層プリント配線板の薄型化を実現することができる。
ニッケル合金層14は、ニッケル合金で構成される層であり、ニッケル合金はニッケル含有率が45〜98重量%であるのが好ましく、より好ましくは55〜90重量%、さらに好ましくは65〜85重量%である。好ましいニッケル合金は、Niと、Cr、W、Ta、Co、Cu、Ti、Zr、Si、C、Nd、Nb及びLaからなる群から選択される少なくとも1種との合金であり、より好ましくはNiと、Cr、W、Cu及びSiからなる群から選択される少なくとも1種の合金である。ニッケル合金層14を構成するニッケル合金は原料成分や成膜工程等に起因する不可避不純物を含んでいてもよい。また、成膜後には大気に暴露されるため、それに起因して混入する酸素の存在は許容される。ニッケル合金層14はスパッタリング等の気相法により形成された層であるのが好ましい。ニッケル合金層14は、ニッケル合金ターゲットを用いたマグネトロンスパッタリング法により形成された層であるのが膜厚分布の均一性を向上できる点で特に好ましい。ニッケル合金層14は厚さ50〜500nmであることが好ましく、より好ましく100〜300nmである。この厚さは、層断面を透過型電子顕微鏡のエネルギー分散型X線分光分析器(TEM−EDX)で分析することにより測定される値とする。
炭素層16は主として炭素を含んでなる層であり、好ましくは主として炭素又は炭化水素からなる層であり、より好ましくは硬質炭素膜であるアモルファスカーボンからなる。炭素層16はXPSにより測定される炭素濃度が60原子%以上であるのが好ましく、より好ましくは70原子%以上、さらに好ましくは80原子%以上、特に好ましくは85原子%以上である。炭素濃度の上限値は特に限定されず100原子%であってもよいが、98原子%以下が現実的である。炭素層16は不可避不純物(例えば雰囲気等の周囲環境に由来する酸素、炭素、水素等)を含みうる。また、炭素層16には極薄銅層18の成膜手法に起因して銅原子が混入しうる。炭素はキャリアとの相互拡散性及び反応性が小さく、300℃を超える温度でのプレス加工等を受けても、銅箔層と接合界面との間での高温加熱による金属結合の形成を防止して、キャリアの引き剥がし除去が容易な状態を維持することができる。この炭素層16もスパッタリング等の気相法により形成された層であるのがアモルファスカーボン中の過度な不純物を抑制する点、前述のニッケル合金層14成膜との連続生産性の点などから好ましい。炭素層の厚さは0.1〜10nmが好ましい。この厚さは、層断面を透過型電子顕微鏡のエネルギー分散型X線分光分析器(TEM−EDX)で分析することにより測定される値とする。
極薄銅層18は、いかなる方法で製造されたものでよく、例えば、無電解銅めっき法及び電解銅めっき法等の湿式成膜法、スパッタリング及び真空蒸着等の物理気相成膜法、化学気相成膜、又はそれらの組合せにより形成した銅箔であってよい。特に好ましい極薄銅層は、極薄化によるファインピッチ化に対応しやすい観点から、スパッタリング法や及び真空蒸着等の気相法により形成された銅層であり、最も好ましくはスパッタリング法により製造された銅層である。また、極薄銅層は、無粗化の銅層であるのが好ましいが、プリント配線板製造時の配線パターン形成に支障を来さないかぎり予備的粗化やソフトエッチング処理や洗浄処理、酸化還元処理により二次的な粗化が生じたものであってもよい。極薄銅層の厚さは特に限定されないが、上述したようなファインピッチ化に対応するためには、50〜2500nmが好ましく、より好ましくは75〜2000nm、さらに好ましくは90〜1500nm、特に好ましくは100〜1000nm、最も好ましくは100〜700nm又は150〜800nm又は200〜1000nmである。このような範囲内の厚さの極薄銅層はスパッタリング法により製造されるのが成膜厚さの面内均一性や、シート状やロール状での生産性の観点で好ましい。
極薄銅層18の炭素層16と反対側の表面(極薄銅層18の外側表面)が、JIS B 0601−2001に準拠して測定される、0.2〜50nmの算術平均粗さRaを有するのが好ましく、より好ましくは1.0〜40nm、さらに好ましくは3.0〜35nm、特に好ましくは4.0〜30nm、最も好ましくは5.0〜15nmである。このように算術平均粗さが小さいほど、キャリア付銅箔10を用いて製造されるプリント配線板において、ライン/スペース(L/S)が13μm以下/13μm以下(例えば12μm/12μm〜2μm/2μm)といった程度にまで高度に微細化された配線パターンの形成を形成するのに適したものとなる。
キャリア付銅箔の製造方法
本発明によるキャリア付銅箔10は、上述したキャリア12を用意し、キャリア12の片面又は両面に、ニッケル合金層14、炭素層16、及び極薄銅層18を形成することにより製造することができる。ニッケル合金層14、炭素層16及び極薄銅層18の各層の形成は、極薄化によるファインピッチ化に対応しやすい観点から、気相法により行われるのが好ましい。気相法の例としては、スパッタリング法、真空蒸着法、及びイオンプレーティング法が挙げられるが、0.05nm〜5000nmといった幅広い範囲で膜厚制御できる点、広い幅ないし面積にわたって膜厚均一性を確保できる点等から、最も好ましくはスパッタリング法である。特に、ニッケル合金層14、炭素層16及び極薄銅層18の全ての層をスパッタリング法により形成することで、製造効率が格段に高くなる。気相法による成膜は公知の気相成膜装置を用いて公知の条件に従って行えばよく特に限定されない。例えば、スパッタリング法を採用する場合、スパッタリング方式は、マグネトロンスパッタリング、2極スパッタリング法等、公知の種々の方法であってよいが、マグネトロンスパッタリングが、成膜速度が速く生産性が高い点で好ましい。また、スパッタリングはDC(直流)及びRF(高周波)のいずれの電源で行ってもよい。以下、ニッケル合金層14、炭素層16及び極薄銅層18の各層の気相法(好ましくはスパッタリング法)による成膜について説明する。
ニッケル合金層14の気相法による成膜は、ニッケル含有率が45〜98重量%であるニッケル合金ターゲットを用い、非酸化性雰囲気下でマグネトロンスパッタリングにより行われるのが膜厚分布均一性を向上できる点で好ましい。ニッケル合金ターゲットの純度は99.9%以上が好ましい。スパッタリングに用いるガスとしては、アルゴンガス等の不活性ガスを用いるのが好ましい。アルゴンガスの流量はスパッタリングチャンバーサイズ及び成膜条件に応じて適宜決定すればよく特に限定されない。また、異常放電やプラズマ照射不良などの稼働不良なく、連続的に成膜する観点から成膜時の圧力は0.1〜20Paの範囲で行うことが好ましい。この圧力範囲は、装置構造、容量、真空ポンプの排気容量、成膜電源の定格容量等に応じ、成膜電力、アルゴンガスの流量を調整することで設定すればよい。また、スパッタリング電力は成膜の膜厚均一性、生産性等を考慮してターゲットの単位面積あたり0.05〜10.0W/cmの範囲内で適宜設定すればよい。
炭素層16の気相法(好ましくはスパッタリング法)による成膜は、カーボンターゲットを用いてアルゴン等の不活性雰囲気下で行われるのが好ましい。カーボンターゲットはグラファイトで構成されるのが好ましいが、不可避不純物(例えば雰囲気等の周囲環境に由来する酸素や炭素)を含みうる。カーボンターゲットの純度は99.99%以上が好ましく、より好ましくは99.999%以上である。また、異常放電やプラズマ照射不良などの稼働不良なく、連続的に成膜する観点から成膜時の圧力は0.1〜2.0Paの範囲で行うことが好ましい。この圧力範囲は、装置構造、容量、真空ポンプの排気容量、成膜電源の定格容量等に応じ、成膜電力、アルゴンガスの流量を調整することで設定すればよい。また、スパッタリング電力は成膜の膜厚均一性、生産性等を考慮してターゲットの単位面積あたり0.05〜10.0W/cmの範囲内で適宜設定すればよい。
極薄銅層18の気相法(好ましくはスパッタリング法)による成膜は、銅ターゲットを用いてアルゴン等の不活性雰囲気下で行われるのが好ましい。銅ターゲットは金属銅で構成されるのが好ましいが、不可避不純物を含みうる。銅ターゲットの純度は99.9%以上が好ましく、より好ましくは99.99%、さらに好ましくは99.999%以上である。極薄銅層18の気相成膜時の温度は、50℃以下が好ましく。より好ましくは40℃以下、さらに好ましくは30℃以下、特に好ましくは25℃以下である。スパッタリング法による成膜は、カルーセルタイプのスパッタリング装置を用いるのが成膜温度の上昇の抑制の点で望ましい。また、ロール・トゥ・ロール方式のスパッタリング装置の場合、キャンロール(成膜時にサンプルを巻きつけるロール)の温度を所定温度に制御することも可能である。成膜時、Arプラズマの影響により基板温度が100℃以上となることもあるため、積極的な冷却機構が必要となる。また、異常放電やプラズマ照射不良などの稼働不良なく、連続的に成膜する観点から成膜時の圧力は0.1〜2.0Paの範囲で行うことが好ましい。この圧力範囲は、装置構造、容量、真空ポンプの排気容量、成膜電源の定格容量等に応じ、成膜電力、アルゴンガスの流量を調整することで設定すればよい。また、スパッタリング電力は成膜の膜厚均一性、生産性等を考慮してターゲットの単位面積あたり0.05〜10.0W/cmの範囲内で適宜設定すればよい。
コアレス支持体用積層板
本発明のキャリア付銅箔はコアレス支持体用積層板の形態で提供されてもよい。すなわち、本発明の好ましい態様によれば、上記キャリア付銅箔を備えた、コアレス支持体用積層板が提供される。コアレス支持体用積層板の形態としては以下の2つの形態が挙げられる。(i)コアレス支持体用積層板の第一の形態は、キャリア付銅箔そのものの形態である。すなわち、キャリア12の少なくとも片面に、ニッケル合金層14/炭素層16/極薄銅層18がこの順に積層されたキャリア付銅箔10そのものの形態であり、キャリアの両面にニッケル合金層14/炭素層16/極薄銅層18がこの順に積層された形態を含まれる。いずれにしても、キャリア12がガラス板や金属板の場合など、キャリア単体に剛性があり支持体として機能し得る場合、この形態が成立する。例えば、ガラスをキャリア12として用いた場合、軽量で、熱膨脹係数が低く、剛直で表面が平坦なため、極薄銅層18の表面を極度に平滑にできる等の利点がある。(ii)コアレス支持体用積層板の第二の形態は、キャリア12のニッケル合金層14と反対側(すなわちキャリア12の外側表面)に接着剤層を備えた形態である。キャリア12が金属箔、樹脂フィルム等の、剛性が無い材料で構成される場合にこの形態が考えられる。この場合、接着剤層の例としては、樹脂層、(ガラス等の)繊維強化性プリプレグ等が挙げられる。例えば、極薄銅層18/炭素層16/ニッケル合金層14/キャリア12/接着剤層(図示せず)/キャリア12/ニッケル合金層14/炭素層16/極薄銅層18の層構成を採用することも可能である。
配線層付コアレス支持体の製造方法
本発明のキャリア付銅箔を用いて配線層付コアレス支持体を製造することができる。以下、配線層付コアレス支持体の好ましい製造方法について説明する。この配線層付コアレス支持体の製造方法は、(1)キャリア付銅箔の準備工程と、(2)フォトレジスト層の形成工程と、(3)電気銅めっき層の形成工程と、(4)フォトレジスト層の剥離工程と、(5)フラッシュエッチング工程と、(6)ニッケル合金層のエッチング工程とを含む。これらの工程を含む配線層付コアレス支持体の製造方法が模式的に図2及び3に示される。
(1)キャリア付銅箔の準備工程
キャリア付銅箔10を支持体として用意する(図2(a)参照)。上述のとおり、キャリア付銅箔10はコアレス支持体用積層板の形態で用意されうる。すなわち、上述したように、キャリア付銅箔そのものの形態で提供されてもよいし、キャリア12のニッケル合金層14と反対側(すなわちキャリア12の外側表面)に接着剤層を備えた形態(例えば、極薄銅層18/炭素層16/ニッケル合金層14/キャリア12/接着剤層(図示せず)/キャリア12/ニッケル合金層14/炭素層16/極薄銅層18の層構成)で用意されてもよい。
(2)フォトレジスト層の形成工程
極薄銅層18の表面にフォトレジスト層20を所定のパターンで形成する(図2(b)参照)。フォトレジストは感光性フィルムであるのが好ましく、例えば感光性ドライフィルムである。フォトレジスト層20は、露光及び現像により所定の配線パターンを付与すればよい。ところで、前述したように、従来、気相法により形成された極薄銅層を含むキャリア付銅箔はドライフィルムの現像性に劣る、より具体的には現像液に対する耐剥離性に劣るとの問題があった。これに対し、本発明のキャリア付銅箔10を用いることで、現像液に対する耐剥離性に優れるとの利点がある。これは、現像時におけるキャリア付銅箔10界面への薬剤の浸入が有意に抑制され、それにより界面剥離が効果的に防止されることによるものである。この優れた現像液に対する耐剥離性は、ニッケル含有率が45〜98重量%のニッケル合金層14と、炭素層16とからなる2層構成の剥離層を採用したことによるものと考えられる。
(3)電気銅めっき層の形成工程
極薄銅層18の露出表面(すなわちフォトレジスト層20でマスキングされていない部分)に電気銅めっき層22を形成する(図2(c)参照)。電気銅めっきは公知の手法により行えばよく、特に限定されない。
(4)フォトレジスト層の剥離工程
次いで、フォトレジスト層20を剥離する。その結果、図2(d)に示されるように、電気銅めっき層22が配線パターン状に残り、配線パターンを形成しない部分の極薄銅層18が露出する。
(5)フラッシュエッチング工程
フォトレジスト層20の剥離により露出した極薄銅層18の不要部分をフラッシュエッチングにより除去する。このフラッシュエッチング液は、硫酸/過酸化水素混合液や、過硫酸ナトリウム及び過硫酸カリウムの少なくともいずれか1種を含む液を用いるのが、電気銅めっき層22の過度なエッチングを回避しながら、露出した極薄銅層18を確実にエッチングできる点で好ましい。このとき、炭素層16の概ね全部がエッチングにより併せて除去される。こうして、図3(e)に示されるように、電気銅めっき層22/極薄銅層18/炭素層16が配線パターン状に残り、配線パターンを形成しない部分のニッケル合金層14がフラッシュエッチング液により溶解されず残留し、表面に露出することとなる。
(6)ニッケル合金層のエッチング工程
フラッシュエッチングにより露出したニッケル合金層14の不要部分をエッチングにより除去して、配線層24が形成されたコアレス支持体、すなわち配線層付コアレス支持体26を得る(図3(f)参照)。ニッケル合金層14のエッチングは塩酸を主成分とし添加剤を含むエッチング液を用いて行われるのが、ニッケル合金層を望ましくエッチングできる一方で、電気銅めっき層22や極薄銅層18を含む配線層24を過度にエッチングしない点で好ましい。塩酸を主成分とするエッチング液の好ましい塩酸濃度は10〜50容量%である。また、このエッチング処理は30〜50℃で行われるのが好ましい。ところで、前述したように、従来の界面金属層を含むキャリア付銅箔を用いた場合、配線層形成時の界面金属層のエッチングにおいて、界面金属層の不均一な膜厚分布に起因するオーバーエッチングや、界面金属層に対するエッチング選択性の低さに起因して、界面金属層を剥離層に到達させるまでにエッチングした場合に、本来エッチングされるべきでない電気めっき配線層の端面及び表面(すなわち銅めっきの表面)までもがエッチングにより溶解し、配線高さ及び幅が必要以上に低く細くなり、配線層が部分的に消失してしまうとの問題があった。この点、本発明のキャリア付銅箔10にあっては、ニッケル含有率が45〜98重量%のニッケル合金層14と、炭素層16とからなる2層構成の剥離層を採用することで、界面金属の膜厚分布均一性及びエッチング選択性の両方において優れた特性を発揮することができる。すなわち、ニッケル合金層14のエッチング工程において、ニッケル合金層14を(電気銅めっき層22よりも優先的に)高い選択性でエッチングすることができ、しかもオーバーエッチングを回避しながらニッケル合金層14を均一にエッチングすることができる。こうして、本来エッチングされるべきでない電気めっき配線層の端面及び表面(すなわち銅めっきの表面)の望ましくないエッチングを極力回避することができる。その結果、配線高さ及び幅が必要以上に低く細くなったり、時には配線層が部分的に消失したりするといった、望ましくないエッチングに伴う不具合を効果的に防止することができる。
(7)画像検査、電気検査等(任意工程)
続いて、配線層付コアレス支持体26(具体的には配線層24)を画像検査又は電気検査する工程を行うのが好ましい。画像検査は、典型的には、光学式自動外観検査(AOI)装置を用いて光源から所定の光を照射して、配線パターンの二値化画像を取得し、この二値化画像と設計データ画像とのパターンマッチングを試み、両者間における一致/不一致を評価することにより行われる。一方、電気検査は、典型的には、複数のコンタクトプローブを配線の端部に接触させて仮のスキャナ回路を形成し、所定の電圧を印加し、配線内の導通及び配線間の絶縁を測定することにより行われる。コンタクトプローブの例としては、検査冶具にセットされたジグプローブ方式や、プロービングポイントを任意に移動させて測定するフライングプローブ方式等が挙げられる。また、スキャナ回路の検査方式の例としては、抵抗測定方式や静電容量測定方式等が挙げられる。
その後、必要に応じて、画像検査又は電気検査を経た配線層付コアレス支持体26上に、チップ等の電子素子28を搭載する工程を行うのが好ましい。ところで、前述したように、このように配線層24を形成した後にチップの実装を行うプロセスはRDL−First法と呼ばれる手法である。この工法によれば、チップの実装を行う前にコアレス支持体表面の配線層やその後に積層される各ビルドアップ配線層の画像検査又は電気検査を行うことができるため、各配線層の不良部分を避けて、良品部分にのみチップを実装できる。その結果、RDL−First法はチップの無駄使いを回避できる点で、チップの表面に配線層を逐次積層する工法であるChip−First法等と比較すると経済的に有利である。この点、本発明のキャリア付銅箔10にあっては、上述したとおり、ニッケル含有率が45〜98重量%のニッケル合金層14と、炭素層16とからなる2層構成の剥離層を採用することで、界面金属の膜厚分布均一性及びエッチング選択性の両方において優れた特性を発揮することができ、コアレス支持体表面の配線性及び配線間の絶縁性に優れる微細配線を形成することができる。その結果、画像検査における電気銅めっき層22の表面とキャリア12とのコントラストが十分に得ることができ、画像検査を高い精度で行なうことが可能となる。例えば、光学式自動外観検査(AOI)装置により取得される配線パターンの二値化画像がより正確かつ鮮明なものとなる。また、電気銅めっき層22から形成される配線内の導通性、及び独立した配線間の絶縁性に優れ、電気検査への適用が可能な配線層付コアレス支持体26を形成できる。こうして、プリント配線板の製造プロセス(特にRDL−First法)において、チップ実装前の配線層に対する画像検査又は電気検査を高精度に行うことができ、それにより製品歩留まりを向上することができる。また、任意工程として想定される、コアレス支持体26の配線層上に搭載される電子素子28の例としては、半導体素子、チップコンデンサ、抵抗体等が挙げられる。電子素子搭載の方式の例としては、フリップチップ実装方式、ダイボンディング方式等が挙げられる。フリップチップ実装方式は、電子素子28の実装パッドと、コアレス支持体26上の配線層24との接合を行う方式である。この実装パッド上には柱状電極(ピラー)やはんだバンプ等が形成されてもよく、実装前にコアレス支持体26の配線層24表面に封止樹脂膜であるNCF(Non−Conductive Film)等を貼り付けてもよい。接合は、はんだ等の低融点金属を用いて行われるのが好ましいが、異方導電性フィルム等を用いてもよい。ダイボンディング接着方式は、コアレス支持体26表面の配線層24に対して、電子素子28の実装パッド面と反対側の面を接着する方式である。この接着には、熱硬化樹脂と熱伝導性の無機フィラーを含む樹脂組成物である、ペーストやフィルムを用いるのが好ましい。
プリント配線板の製造方法
本発明の配線層付コアレス支持体を用いてプリント配線板を製造することができる。以下、プリント配線板の好ましい製造方法について説明する。このプリント配線板の製造方法は、(1)配線層付コアレス支持体の製造工程と、(2)ビルドアップ層付積層体を分離工程と、(3)ビルドアップ層付積層体の分離工程と、(4)多層配線板の加工工程とを含む。これらの工程を含むプリント配線板の製造方法が模式的に図2〜4(特に図4)に示される。
(1)配線層付コアレス支持体の製造工程
上述した本発明の方法により配線層付コアレス支持体26を製造する。すなわち、本発明のプリント配線板の製造方法は、上述した配線層付コアレス支持体の製造方法の一連の工程を含むものであり、ここでの繰り返しの説明は省略する。
(2)ビルドアップ層付積層体を分離工程
配線層付コアレス支持体26の配線層24が形成された面にビルドアップ層30を形成してビルドアップ層付積層体32を作製する(図4(h)参照)。なお、図4においてビルドアップ層30の詳細は示されていないが、一般的にプリント配線板において採用される公知のビルドアップ配線層の構成を採用すればよく特に限定されない。また、この後のビルドアップ層付積層体分離工程を容易にするために、ビルドアップ層30を形成するための前処理として、キャリア12の表面に離形剤を塗布してもよい。
(3)ビルドアップ層付積層体の分離工程
ビルドアップ層付積層体32から少なくともキャリア12を分離してビルドアップ層30を含む多層配線板34を得る。すなわち、少なくともキャリア12が剥離除去される。この分離工程においては、物理的な分離、化学的な分離等が採用されうる。物理的分離法は、手や治工具、機械等でキャリア12をビルドアップ層30から引き剥がすことにより分離して多層配線板34を得る手法である(図4(j)参照、すなわち図4(i)の段階はスキップされる)。ここで、コアレス支持体上に配線パターンが存在する部位は炭素層16で分離され、キャリア12とビルドアップ層30が接している部位は、キャリア12とビルドアップ層30の界面近傍で分離されることとなる。このため、分離後の多層配線板34にはニッケル合金層14が残留しないこととなり、後の工程でニッケル合金層14の除去工程を必要としない点で好ましい。また、化学的分離法を採用する場合、キャリア12を溶解するキャリアエッチング液を用いて多層配線板34を得る(図4(i)参照)。このキャリアエッチング液は、キャリア12を溶解可能で、かつ、ビルドアップ層30を構成する部材を溶解しない薬液でエッチングすることが好ましい。例えばキャリアがガラスである場合は、フッ酸や酸性フッ化アンモニウム等のガラスエッチング液等を用いてキャリアを溶解分離することが好ましい。化学的分離法は、キャリア12にビルドアップ層30が直接接している部位が広く強固に接着された場合において有効である。
(4)多層配線板の加工工程
多層配線板34を加工してプリント配線板36を得る(図4(j)参照)。このとき、多層配線板34にニッケル合金層14が残留している場合は、前処理としてニッケル合金層14をエッチングにより除去するのが好ましい。前述のとおり、ニッケル合金層14のエッチングは塩酸系エッチング液を用いて行われるのが好ましい。塩酸系エッチング液の好ましい塩酸濃度は10〜50容量%である。また、このエッチング処理は30〜50℃で行われるのが好ましい。ただし、この限りではなく、中圧水洗、高圧水洗等の圧力洗浄や、プラズマ処理等の気相法による洗浄により、ニッケル合金層14及び炭素層16を一度の処理で除去することも採用しうる。また、多層配線板34の加工プロセスは、一般的にプリント配線板において採用される公知の工法を用いることができ、特に限定されない。
本発明を以下の例によってさらに具体的に説明する。
例1
(1)キャリア付銅箔の作製
図1に示されるように、キャリア12としてのガラスシート上にニッケル合金層14、炭素層16、及び極薄銅層18をこの順に成膜してキャリア付銅箔10を作製した。具体的な手順は以下のとおりである。なお、以下の例において言及される算術平均粗さRaはJIS B 0601−2001に準拠して非接触表面形状測定機(Zygo株式会社製NewView5032)で測定された値である。
(1a)キャリアの準備
算術平均粗さRa0.5nmの表面を有する厚さ700μmのガラスシート(材質:無アルカリガラス、製品名:OA10、日本電気硝子社製)を用意した。
(1b)ニッケル合金層の形成
キャリア12の表面に、厚さ100nmのニッケル合金層14を以下の装置及び条件でスパッタリングにより形成した。
‐ 装置:枚葉式DCスパッタリング装置(キャノントッキ株式会社製、MLS464)
‐ ターゲット:直径8インチ(203.2mm)のNi−Cr合金ターゲット(Cr:20重量%、Ni:80重量%)
‐ キャリアガス:Ar(流量:100sccm)
‐ 到達真空度Pu:1×10−4Pa未満
‐ スパッタリング圧:0.45Pa
‐ スパッタリング電力:1000W(3.1W/cm
(1c)炭素層の形成
ニッケル合金層14の上に、アモルファスカーボンからなる厚さ2nmの炭素層16を以下の装置及び条件でスパッタリングにより形成した。
‐ 装置:枚葉式DCスパッタリング装置(キャノントッキ株式会社製、MLS464)
‐ ターゲット:直径8インチ(203.2mm)の炭素ターゲット(純度99.999%)
‐ キャリアガス:Ar(流量:100sccm)
‐ 到達真空度Pu:1×10−4Pa未満
‐ スパッタリング圧PAr:0.45Pa
‐ スパッタリング電力:100W(0.3W/cm
(1d)極薄銅層の形成
炭素層16の上に、膜厚0.3μmの極薄銅層18を以下の装置及び条件でスパッタリングにより形成した。得られた極薄銅層18の炭素層16と反対側の表面(すなわち外側表面)の算術平均粗さ(Ra)は4.5nmであった。
‐ 装置:枚葉式DCスパッタリング装置(キャノントッキ株式会社製、MLS464)
‐ ターゲット:直径8インチ(203.2mm)の銅ターゲット(純度99.98%)
‐ 到達真空度Pu:1×10−4Pa未満
‐ ガス:アルゴンガス(流量:100sccm)
‐ スパッタリング圧:0.45Pa
‐ スパッタリング電力:2000W(6.2W/cm
‐ 成膜時温度:40℃
(1e)組成分析
組成分析用のサンプルとして、上記で得られたキャリア付銅箔のニッケル合金層14及び炭素層16の製造条件と同様の製造条件により、ガラスシート上にニッケル合金層14のみを形成したサンプルと、ガラスシート上に炭素層16のみを形成したサンプルとを別個に作製した。各々のサンプルに対して組成分析を以下のとおり行うことで各層の組成を把握した。
<ニッケル合金層>
ニッケル合金層14に対してGD−MS(グロー放電質量分析法)により元素分析を行った。この測定は定電流モードにより800V−3mAの条件で行った。その結果、ニッケル合金層14の組成は表1に示されるとおり、Ni−Cr合金ターゲットと同じ組成であった。
<炭素層>
炭素層16に対して、XPSにより元素分析を行い、炭素濃度を測定した。その結果、炭素層16の炭素濃度は86原子%であった。
例2
Ni−Cr合金ターゲットの代わりに別の組成のNi−Cr合金ターゲットを用いてニッケル合金層14を以下のようにして形成した作製したこと以外は、例1と同様にして、キャリア付銅箔の作製及び評価を行った。結果は表1に示されるとおりであった。なお、極薄銅層18の炭素層16と反対側の表面の算術平均粗さRaは5.5nmであった。炭素層16の組成は例1と概ね同様であった。
(ニッケル合金層の形成)
キャリア12の表面に、厚さ100nmのニッケル合金層14を以下の装置及び条件でスパッタリングにより形成した。
‐ 装置:枚葉式DCスパッタリング装置(キャノントッキ株式会社製、MLS464)
‐ ターゲット:直径8インチ(203.2mm)のNi−Cr合金ターゲット(Cr:50重量%、Ni:50重量%)
‐ キャリアガス:Ar(流量:100sccm)
‐ 到達真空度Pu:1×10−4Pa未満
‐ スパッタリング圧:0.45Pa
‐ スパッタリング電力:1000W(3.1W/cm
例3
Ni−Cr合金ターゲットの代わりにNi−W合金ターゲットを用いて界面金属層としてニッケル合金層14を以下のようにして形成した作製したこと以外は、例1と同様にして、キャリア付銅箔の作製及び評価を行った。結果は表1に示されるとおりであった。なお、極薄銅層18の炭素層16と反対側の表面の算術平均粗さRaは4.2nmであった。炭素層16の組成は例1と概ね同様であった。
(ニッケル合金層の形成)
キャリア12の表面に、厚さ100nmのニッケル合金層14を以下の装置及び条件でスパッタリングにより形成した。
‐ 装置:枚葉式DCスパッタリング装置(キャノントッキ株式会社製、MLS464)
‐ ターゲット:直径8インチ(203.2mm)のNi−W合金ターゲット(W:3重量%、Ni:97重量%)
‐ キャリアガス:Ar(流量:100sccm)
‐ 到達真空度Pu:1×10−4Pa未満
‐ スパッタリング圧:0.45Pa
‐ スパッタリング電力:1000W(3.1W/cm
例4
Ni−Cr合金ターゲットの代わりにNi−W合金ターゲットを用いて界面金属層としてニッケル合金層14を以下のようにして形成した作製したこと以外は、例1と同様にして、キャリア付銅箔の作製及び評価を行った。結果は表1に示されるとおりであった。なお、極薄銅層18の炭素層16と反対側の表面の算術平均粗さRaは6.1nmであった。炭素層16の組成は例1と概ね同様であった。
(ニッケル合金層の形成)
キャリア12の表面に、厚さ100nmのニッケル合金層14を以下の装置及び条件でスパッタリングにより形成した。
‐ 装置:枚葉式DCスパッタリング装置(キャノントッキ株式会社製、MLS464)
‐ ターゲット:直径8インチ(203.2mm)のNi−W合金ターゲット(W:30重量%、Ni:70重量%)
‐ キャリアガス:Ar(流量:100sccm)
‐ 到達真空度Pu:1×10−4Pa未満
‐ スパッタリング圧:0.45Pa
‐ スパッタリング電力:1000W(3.1W/cm
例5
Ni−Cr合金ターゲットの代わりにNi−Cu合金ターゲットを用いて界面金属層としてニッケル合金層14を以下のようにして形成した作製したこと以外は、例1と同様にして、キャリア付銅箔の作製及び評価を行った。結果は表1に示されるとおりであった。なお、極薄銅層18の炭素層16と反対側の表面の算術平均粗さRaは5.1nmであった。炭素層16の組成は例1と概ね同様であった。
(ニッケル合金層の形成)
キャリア12の表面に、厚さ100nmのニッケル合金層14を以下の装置及び条件でスパッタリングにより形成した。
‐ 装置:枚葉式DCスパッタリング装置(キャノントッキ株式会社製、MLS464)
‐ ターゲット:直径8インチ(203.2mm)のNi−Cu合金ターゲット(Cu:10重量%、Ni:90重量%)
‐ キャリアガス:Ar(流量:100sccm)
‐ 到達真空度Pu:1×10−4Pa未満
‐ スパッタリング圧:0.45Pa
‐ スパッタリング電力:1000W(3.1W/cm
例6
Ni−Cr合金ターゲットの代わりにNi−Si合金ターゲットを用いて界面金属層としてニッケル合金層14を以下のようにして形成した作製したこと以外は、例1と同様にして、キャリア付銅箔の作製及び評価を行った。結果は表1に示されるとおりであった。なお、極薄銅層18の炭素層16と反対側の表面の算術平均粗さRaは4.2nmであった。炭素層16の組成は例1と概ね同様であった。
(ニッケル合金層の形成)
キャリア12の表面に、厚さ100nmのニッケル合金層14を以下の装置及び条件でスパッタリングにより形成した。
‐ 装置:枚葉式DCスパッタリング装置(キャノントッキ株式会社製、MLS464)
‐ ターゲット:直径8インチ(203.2mm)のNi−Si合金ターゲット(Si:5重量%、Ni:95重量%)
‐ キャリアガス:Ar(流量:100sccm)
‐ 到達真空度Pu:1×10−4Pa未満
‐ スパッタリング圧:0.45Pa
‐ スパッタリング電力:1000W(3.1W/cm
例7(比較)
Ni−Cr合金ターゲットの代わりにNiターゲットを用いて界面金属層としてニッケル合金層14の代わりにニッケル層を以下のようにして形成した作製したこと以外は、例1と同様にして、キャリア付銅箔の作製及び評価を行った。結果は表1に示されるとおりであった。なお、極薄銅層18の炭素層16と反対側の表面の算術平均粗さRaは4.6nmであった。炭素層16の組成は例1と概ね同様であった。
(ニッケル層の形成)
キャリア12の表面に、厚さ100nmのニッケル層を以下の装置及び条件でスパッタリングにより形成した。
‐ 装置:枚葉式DCスパッタリング装置(キャノントッキ株式会社製、MLS464)
‐ ターゲット:直径8インチ(203.2mm)、厚さ1mmのNiターゲット(Ni:100重量%)
‐ キャリアガス:Ar(流量:100sccm)
‐ 到達真空度Pu:1×10−4Pa未満
‐ スパッタリング圧:0.45Pa
‐ スパッタリング電力:1000W(3.1W/cm
例8(比較)
Ni−Cr合金ターゲットの代わりにTiターゲットを用いて界面金属層としてニッケル合金層14の代わりにチタン層を以下のようにして形成した作製したこと以外は、例1と同様にして、キャリア付銅箔の作製及び評価を行った。結果は表1に示されるとおりであった。なお、極薄銅層18の炭素層16と反対側の表面の算術平均粗さRaは3.6nmであった。炭素層16の組成は例1と概ね同様であった。
(チタン層の形成)
キャリア12の表面に、厚さ100nmのチタン層を以下の装置及び条件でスパッタリングにより形成した。
‐ 装置:枚葉式DCスパッタリング装置(キャノントッキ株式会社製、MLS464)
‐ ターゲット:直径8インチ(203.2mm)のTiターゲット(Ti:100重量%)
‐ キャリアガス:Ar(流量:100sccm)
‐ 到達真空度Pu:1×10−4Pa未満
‐ スパッタリング圧:0.45Pa
‐ スパッタリング電力:1000W(3.1W/cm
例9(比較)
Ni−Cr合金ターゲットの代わりにCrターゲットを用いて界面金属層としてニッケル合金層14の代わりにクロム層を以下のようにして形成した作製したこと以外は、例1と同様にして、キャリア付銅箔の作製及び評価を行った。結果は表1に示されるとおりであった。なお、極薄銅層18の炭素層16と反対側の表面の算術平均粗さRaは4.8nmであった。炭素層16の組成は例1と概ね同様であった。
(クロム層の形成)
キャリア12の表面に、厚さ100nmのクロム層を以下の装置及び条件でスパッタリングにより形成した。
‐ 装置:枚葉式DCスパッタリング装置(キャノントッキ株式会社製、MLS464)
‐ ターゲット:直径8インチ(203.2mm)のCrターゲット(Cr:100重量%)
‐ キャリアガス:Ar(流量:100sccm)
‐ 到達真空度Pu:1×10−4Pa未満
‐ スパッタリング圧:0.45Pa
‐ スパッタリング電力:1000W(3.1W/cm
例10(比較)
Ni−Cr合金ターゲットの代わりに別の組成のNi−Cr合金ターゲットを用いて界面金属層としてニッケル合金層14を以下のようにして形成した作製したこと以外は、例1と同様にして、キャリア付銅箔の作製及び評価を行った。結果は表1に示されるとおりであった。なお、極薄銅層18の炭素層16と反対側の表面の算術平均粗さRaは3.8nmであった。炭素層16の組成は例1と概ね同様であった。
(ニッケル合金層の形成)
キャリア12の表面に、厚さ100nmのニッケル合金層14を以下の装置及び条件でスパッタリングにより形成した。
‐ 装置:枚葉式DCスパッタリング装置(キャノントッキ株式会社製、MLS464)
‐ ターゲット:直径8インチ(203.2mm)、厚さ1mmのNi−Cr合金ターゲット(Cr:1重量%、Ni:99重量%)
‐ キャリアガス:Ar(流量:100sccm)
‐ 到達真空度Pu:1×10−4Pa未満
‐ スパッタリング圧:0.45Pa
‐ スパッタリング電力:1000W(3.1W/cm
例11(比較)
Ni−Cr合金ターゲットの代わりに別の組成のNi−Cr合金ターゲットを用いて界面金属層としてニッケル合金層14を以下のようにして形成した作製したこと以外は、例1と同様にして、キャリア付銅箔の作製及び評価を行った。結果は表1に示されるとおりであった。なお、極薄銅層18の炭素層16と反対側の表面の算術平均粗さRaは2.8nmであった。炭素層16の組成は例1と概ね同様であった。
(ニッケル合金層の形成)
キャリア12の表面に、厚さ100nmのニッケル合金層14を以下の装置及び条件でスパッタリングにより形成した。
‐ 装置:枚葉式DCスパッタリング装置(キャノントッキ株式会社製、MLS464)
‐ ターゲット:直径8インチ(203.2mm)のNi−Cr合金ターゲット(Cr:60重量%、Ni:40重量%)
‐ キャリアガス:Ar(流量:100sccm)
‐ 到達真空度Pu:1×10−4Pa未満
‐ スパッタリング圧:0.45Pa
‐ スパッタリング電力:1000W(3.1W/cm
各種評価
例1〜11のキャリア付銅箔について、以下に示されるとおり、各種評価を行った。評価結果は表1に示されるとおりであった。
<現像液に対する耐剥離性>
各キャリア付銅箔の極薄銅層の表面を0.1規定の希硫酸で処理して表面の酸化膜の除去を行い、その後、水洗及び乾燥を行った。その後、極薄銅層の表面に感光性ドライフィルムを貼り付け、ライン/スペース(L/S)=5μm/5μmのパターンを与えるように露光及び現像を行った。現像は、現像液として1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、25℃で1分間行った。現像後における極薄銅層とキャリアとの界面(特に炭素層と界面金属層と界面)への現像液の浸入による極薄銅層の剥離の有無ないし程度を評価した。得られた評価結果を以下の基準で格付けした。
評価A:極薄銅層の剥離が無かった。
評価B:極薄銅層の一部が剥離した。
評価C:極薄銅層の全体が剥離した。
<界面金属の膜厚分布均一性>
各キャリア付銅箔の界面金属層の膜厚分布均一性は、ガラスシート上に各例において作成される界面金属層の製造条件と同じ条件で界面金属層のみを形成したサンプルを用いて、以下のように評価した。界面金属層の直上からシート抵抗測定器により50mm間隔でシート抵抗の測定を行い、20点の抵抗分布(標準偏差/平均値の百分率)から膜厚の均一性の評価を行った。得られた評価結果を以下の基準で格付けした。
評価A:±3%未満
評価B:±3以上7%以下
評価C:±7%より大きい
<エッチング選択性>
各キャリア付銅箔の極薄銅層の表面に感光性ドライフィルムを貼り付け、露光及び現像を行い、ライン/スペース(L/S)=5μm/5μmのパターンのフォトレジスト層を形成した。図2に示されるように、極薄銅層18の露出表面(すなわちフォトレジスト層20でマスキングされていない部分)に電気銅めっき層22を形成した。次いで、フォトレジスト層20を30%有機アミン水溶液系の剥離液により剥離し、露出した極薄銅層18の不要部分を過酸化水素水−硫酸系のフラッシュエッチング液により除去した。そして、フラッシュエッチングにより露出した界面金属層(図3においてニッケル合金層14に相当する層)をエッチングにより除去した。このエッチングは、以下に示される液温40℃のエッチング液をシャワーでサンプルに掛けることにより行った。このエッチング処理は、配線間の残渣を確実に行うため、界面金属層のエッチングが150%のオーバーエッチングとなるように行った。
‐例1〜7、10及び11で用いたエッチング液:塩酸エッチング液に添加剤(界面活性剤)を加えた溶液(塩酸濃度:50%)
‐例8で用いたエッチング液:硫酸エッチング液に添加剤(界面活性剤)を加えた溶液(硫酸濃度:85%)
‐例9で用いたエッチング液:硝酸第二セリウムアンモニウムを含む過塩素酸エッチング液に添加剤(界面活性剤)を加えた溶液(硝酸第二セリウムアンモニウム濃度:15%)
極薄銅層18のフラッシュエッチング直後の状態で、電気銅めっき層22の配線パターンとしてライン/スペース(L/S)=5μm/5μmとなる配線パターン用い、各界面金属層をエッチングする前後のライン形状及び寸法変化を観察した。界面金属層のエッチングは界面金属層の厚さ換算で150%(50%オーバーエッチング)となるように界面金属層のエッチングを行った後、界面金属層のエッチング前の状態から電気銅めっき層22の配線ラインが減少した幅を測定し評価した。得られた評価結果を以下の基準で格付けした。
評価A:減少幅1μm未満
評価B:減少幅1μm以上2μm以下
評価C:減少幅2μmより大きい、又はライン消失
Figure 0006546526
10 キャリア付銅箔
12 キャリア
14 ニッケル合金層
16 炭素層
18 極薄銅層
20 フォトレジスト層
22 電気銅めっき層
24 配線層
26 配線層付コアレス支持体
28 電子素子
30 ビルドアップ層
32 ビルドアップ層付積層体
34 多層配線板
36 プリント配線板

Claims (16)

  1. キャリアと、
    前記キャリア上に設けられ、ニッケル含有率が45〜98重量%であるニッケル合金で構成されるニッケル合金層と、
    前記ニッケル合金層上に設けられ、主として炭素を含んでなる炭素層と、
    前記炭素層上に設けられる極薄銅層と、
    を備えた、キャリア付銅箔。
  2. 前記ニッケル合金が、Niと、Cr、W、Ta、Co、Cu、Ti、Zr、Si、C、Nd、Nb及びLaからなる群から選択される少なくとも1種との合金である、請求項1に記載のキャリア付銅箔。
  3. 前記炭素層が0.1〜10nmの厚さを有する、請求項1又は2に記載のキャリア付銅箔。
  4. 前記炭素層がアモルファスカーボンからなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  5. 前記極薄銅層が50〜1000nmの厚さを有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  6. 前記極薄銅層の前記炭素層と反対側の表面が、JIS B 0601−2001に準拠して測定される、0.2〜50nmの算術平均粗さRaを有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  7. 前記キャリアがガラスで構成される、請求項1〜6のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔を備えた、コアレス支持体用積層板。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のキャリア付銅箔を支持体として用意する工程と、
    前記極薄銅層の表面にフォトレジスト層を所定のパターンで形成する工程と、
    前記極薄銅層の露出表面に電気銅めっき層を形成する工程と、
    前記フォトレジスト層を剥離する工程と、
    前記フォトレジスト層の剥離により露出した前記極薄銅層の不要部分をフラッシュエッチングにより除去する工程と、
    前記フラッシュエッチングにより露出した前記ニッケル合金層の不要部分をエッチングにより除去して、配線層が形成されたコアレス支持体を得る工程と、
    とを含む、配線層付コアレス支持体の製造方法。
  10. 前記フォトレジスト層が感光性フィルムである、請求項9に記載の方法。
  11. 前記ニッケル合金層のエッチングが塩酸系エッチング液を用いて行われる、請求項9又は10に記載の方法。
  12. 前記配線層が形成されたコアレス支持体を画像検査する工程をさらに含む、請求項8〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記配線層が形成されたコアレス支持体を電気検査する工程をさらに含む、請求項8〜11のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記画像検査を経た前記配線層が形成されたコアレス支持体上に、電子素子を搭載する工程をさらに含む、請求項12に記載の方法。
  15. 前記電気検査を経た前記配線層が形成されたコアレス支持体上に、電子素子を搭載する工程をさらに含む、請求項13に記載の方法。
  16. 請求項9〜15のいずれか一項に記載の方法により前記配線層付コアレス支持体を製造する工程と、
    前記配線層付コアレス支持体の前記配線層が形成された面にビルドアップ層を形成してビルドアップ層付積層体を作製する工程と、
    前記ビルドアップ層付積層体から少なくとも前記キャリアを分離して前記ビルドアップ層を含む多層配線板を得る工程と、
    前記多層配線板を加工してプリント配線板を得る工程と、
    を含む、プリント配線板の製造方法。

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