JP2001077493A - フレキシブルプリント配線基板 - Google Patents

フレキシブルプリント配線基板

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JP2001077493A
JP2001077493A JP25047299A JP25047299A JP2001077493A JP 2001077493 A JP2001077493 A JP 2001077493A JP 25047299 A JP25047299 A JP 25047299A JP 25047299 A JP25047299 A JP 25047299A JP 2001077493 A JP2001077493 A JP 2001077493A
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Jiro Nakanishi
次郎 中西
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリイミドフィルムと該フィルム上の導体
層、およびこれらの界面が、無電解めっき工程で使用さ
れる薬品の作用や熱負荷に十分に耐え得るよう形成さ
れ、熱負荷後の密着耐久性はもとより、無電解めっき後
における導体層と基板との間の界面の密着性が、熱負荷
後においても優れたフレキシブルプリント配線基板を提
供する。 【解決手段】 ポリイミドフィルム上に導体層を形成し
てなるフレキシブルプリント配線基板において、前記ポ
リイミドフィルム上にタンタルカーバイド層、チタンカ
ーバイド層あるいはアモルファスカーボン層を介して金
属層を密着せしめたことを特徴とするものであり、また
前記タンタルカーバイド層が水素を含むタンタル含有水
素化アモルファスカーボン層であるか、あるいは前記チ
タンカーバイド層が水素を含むチタン含有水素化アモル
ファスカーボン層であるか、あるいはアモルファスカー
ボン層が水素を含む水素化アモルファスカーボン層であ
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として電子機器
に用いられ、かつ接着剤を用いない2層構造のフレキシ
ブルプリント配線基板に関するものであり、特に熱負荷
の密着耐久性や無電解めっき後の密着耐久性に優れ、信
頼性の高いフレキシブルプリント配線基板に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリイミドフィルムに接着剤
層を介して導体層としての銅箔を貼り合せた3層構造の
フレキシブルプリント配線基板が知られている。この3
層構造タイプの基板は、用いられる接着剤の耐熱性がポ
リイミドフィルムより劣るため、加工後の寸法精度が低
下するという問題があり、また用いられる銅箔の厚さが
通常10μm以上であるため、ピッチの狭い高密度配線
用のパターニングが難しいという欠点もあった。
【0003】一方、ポリイミドフィルム上に接着剤を用
いずに、めっき法や乾式のメタライジング法(例えば真
空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法
など)により導体層としての金属層を形成させた2層構
造タイプのフレキシブルプリント配線基板も知られてい
る。この2層構造タイプの基板は、高密度の配線化が可
能であるが、過酷な熱負荷試験(例えば温度85℃、湿
度85%、1000時間)を行ったり、錫、ニッケル、
はんだ、または金などの無電解めっき処理を行うと、ポ
リイミドフィルムと導体層との間の密着力が低下してし
まうという欠点があった。このように熱負荷後や無電解
めっき処理後の2層構造のプリント配線基板の界面の密
着性が低下する原因は明かではないが、導体層としての
銅箔の酸化や後に行う無電解めっき工程で用いられる還
元性の処理液により界面で発生する化学反応が原因では
ないかと考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、ポリ
イミドフィルムと該フィルム上の導体層、およびこれら
の界面が、無電解めっき工程で使用される薬品の作用や
熱負荷に十分に耐え得るよう形成され、熱負荷後の密着
耐久性はもとより、無電解めっき後における導体層と基
板との間の界面の密着性が、温度85℃、湿度85%程
度の高温高湿下における40日間程度の長時間に亘って
曝されても剥離することのない密着耐久性に優れたフレ
キシブルプリント配線基板を提供することを目的とする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するため
本発明に係るフレキシブル配線基板は、ポリイミドフィ
ルム上に導体層を形成してなるフレキシブルプリント配
線基板において、前記ポリイミドフィルム上にタンタル
カーバイド層、チタンカーバイド層あるいはアモルファ
スカーボン層を介して金属層を密着せしめたことを特徴
とするものであり、また前記タンタルカーバイド層が水
素を含むタンタル含有水素化アモルファスカーボン層で
あるか、あるいは前記アモルファスカーボン層が水素を
含む水素化アモルファスカーボン層であることを特徴と
する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明を添付図面に基づいて
説明する。図1は本発明のフレキシブルプリント配線基
板の一実施例の部分拡大断面図、図2は本発明で用いた
蒸着装置の一実施例の概略図である。まず本発明で使用
するポリイミドフィルム1のベースフィルムの具体例
は、「カプトン」(商品名:東レ・デュポン社製;米国
デュポン社製)、「ユーピレックス」(商品名:宇部興
産社製)、「アピカル」(商品名:鐘淵化学社製)など
である。
【0007】ポリイミドフィルム1の厚さは6〜80μ
mの範囲のものが好ましく、12〜60μmの範囲のも
のがより好ましい。その理由は、ポリイミドフィルムの
厚さが6μm未満であると、皺が発生したり折れ易くな
り、一方80μmを超えると、軽量、小型化の要求に反
することになり好ましくないからである。そして本発明
の目的をより十分に達成するためには、表面処理を施し
たポリイミドフィルムを用いることが好ましく、この表
面処理としては具体的にはコロナ放電、プラズマ、イオ
ンビーム処理などの乾式処理、溶剤、酸アルカリ、薬液
処理などが挙げられる。その中でコスト、後工程との連
続性や密着性などの観点から、グロー放電プラズマ処理
が好ましい。
【0008】つぎに本発明において前記ポリイミドフィ
ルム1上に施されて導体層としての金属層3としっかり
と密着するために設けられる、いわゆる「シード(se
ed)層」と呼ばれる密着層2について説明する。前記
ポリイミドフィルム1の上に形成される密着層2は、ポ
リイミドフィルム1と導体層としての銅などの金属層3
との間の密着性向上のために設けられ、その具体的例と
してはタンタルカーバイド(Ta−C)層あるいはタン
タル含有水素化アモルファスカーボン(Ta−C:H)
層、チタンカーバイド(Ti−C)層あるいはチタン含
有アモルファスカーボン(Ti−C:H)層あるいは水
素化アモルファスカーボン層が挙げられる。これらの物
質は、銅などの金属層3とポリイミドフィルム1の双方
に対して密着性の良好な材料であって、ポリイミド中の
酸素が銅などの金属層へ移行したり、逆に銅などの金属
原子がポリイミド中へ移行したりしないようなバリヤー
層として働き、また後工程で実施する無電解めっき工程
で使用される処理液に対する耐久性、すなわち耐薬品性
および耐熱性に優れたものとする。そして前記密着層2
の膜厚は10〜1000オングストロームの範囲とし、
50〜500オングストロームの範囲とすることがより
好適である。これらの範囲において、熱負荷後の密着耐
久性および前記無電解めっき後の密着耐久性を保持する
のである。すなわち前記密着層の膜厚が10オングスト
ローム未満であるとポリイミドフィルムとの密着力が不
足し、また耐薬品性や耐熱性も不十分となるため好まし
くない。一方膜厚が1000オングストロームを超える
と成膜されたポリイミドフィルム自体にカールが発生し
易いので加工安定性の面で、またエッチングの効率の面
でも好ましくない。
【0009】また該密着層2は、ポリイミドフィルム1
の片面または両面にスパッタリング法、イオンプレーテ
ィング法、イオンビームアシストディポジション(IB
AD)法あるいは化学気相合成法などによって成膜され
る。この場合、加工の安定性、プロセスの簡素化、カー
ルの発生の少ないこと、および膜の均一性の点でスパッ
タリング法がより好ましい。
【0010】つぎに前記密着層2の上には、導体層とし
ての金属層3が形成される。この金属層3はスパッタリ
ング法、イオンプレーティング法、電子ビーム法などに
より形成されるものであり、銅および/またはアルミニ
ウム、錫、マンガン、鉄、モリブデン、ニッケル、コバ
ルト、タングステン、クロム、バナジウム、チタン、タ
ンタルからなる群より選択された1種以上の合金からな
る乾式蒸着層と、該乾式蒸着層を形成した後に、電気め
っき法および/または無電解めっき法によって形成され
た銅めっき層とからなるものである。
【0011】前記乾式蒸着層の膜厚は100オングスト
ローム〜5μmの範囲が好ましく、1000〜5000
オングストロームの範囲がより好ましい。乾式蒸着層の
膜厚が100オングストローム未満では、後工程で行う
めっきの下地として十分な働きを果たせないので好まし
くなく、また5μmを超えると効果に差がないばかりか
反って製造コストが上昇してしまう。つぎに電気めっき
法および/または無電解めっき法によって形成される銅
めっき層の膜厚は、1〜40μmの範囲が好ましい。銅
めっき層の膜厚が1μm未満では、配線を形成した場合
の配線抵抗が大きくなるなどの問題が発生するため好ま
しくなく、一方40μmを超えると高密度配線において
のピッチ幅の精度が低下することや、小型化の面で不利
となり、また製造コストも上昇するので好ましくない。
【0012】このように形成された本発明によるフレキ
シブルプリント配線基板は、配線形成後の密着性に関す
る熱負荷試験はもとより、配線形成後の無電解めっきを
施した後の密着性に関する熱負荷試験においても優れた
耐久性能を有するものである。このような効果が発揮で
きる理由は必ずしも明確ではないが、つぎのように考え
られる。
【0013】すなわち第1に、ポリイミドフィルムの構
成成分はカーボンが主体となっているが、密着層の成分
がカーボンあるいはそのカーボンと親和性の強いTaま
たはTiを含む層であるために、ポリイミドフィルムと
密着層の結合力が強められること、第2は、密着層を形
成するタンタルカーバイド層あるいはタンタル含有水素
化アモルファスカーボン(Ta−C:H)層、チタンカ
ーバイド層あるいはチタン含有アモルファスカーボン
(Ti−C:H)層、または水素を含む水素化アモルフ
ァスカーボン層は耐熱性、耐薬品性に優れていること、
などが前記密着耐久性を保持する要素と考えられる。本
発明によるフレキシブルプリント配線基板は、各種の熱
負荷耐久試験に優れた性能を有するので高精度な配線回
路を形成することができる。
【0014】つぎに本発明によるフレキシブルプリント
配線基板の製造法の一例を図2に基づいて説明する。図
2はポリイミドフィルム11を備えた真空装置の概略図
であり、真空槽内にポリイミドフィルム11を予め温め
るヒータ12を備えた基板ホルダー13、複数(図示実
施例では3つ)のスパッタカソード14、15、16、
ガス導入孔17、ガスを排気する排気孔18を備える。
【0015】そして上記した蒸着装置を用いてポリイ
ミドフィルム上にタンタルカーバイド層あるいはタンタ
ル含有水素化アモルファスカーボン層、またはチタンカ
ーバイド層あるいはチタン含有水素化アモルファスカー
ボン層などの密着層を形成する方法を以下に示す。まず
水素を含有しないタンタルカーバイド層またはチタンカ
ーバイド層を形成する場合、図2の蒸着装置において、
基板ホルダー13に固定されたポリイミドフィルム11
をヒータ12にて温める。つぎに槽内を5×10−5
orr以下に排気した後、アルゴンガスのグロー放電に
よるスパッタリングにより、タンタルカーバイド製ある
いはチタンカーバイド製カソード14を用いてタンタル
あるいはチタンカーバイド層を10〜1000オングス
トロームの厚みになるように形成する。その際アルゴン
ガス圧、あるいは放電のパワーなどの成膜条件を調節す
ることによって、タンタルカーバイド層のタンタル濃度
あるいはチタンカーバイド層のチタン濃度とカーボン濃
度との割合:Ta100−xまたはTi
100−xを(40<x<60)に変化させることがで
きる。
【0016】つぎに水素を含有するタンタルもしくはチ
タン含有水素化カーボン層を形成する場合は、図2の蒸
着装置においてまず基板ホルダー13に固定されたポリ
イミドフィルム11をヒータ12にて温める。ついで槽
内を5×10−5Torr以下に排気した後、アルゴン
とアセチレン混合ガスのグロー放電による反応性スパッ
タリングにより、タンタル製あるいはチタン製カソード
15を用いてタンタル含有水素化アモルファスカーボン
層あるいはチタン含有水素化アモルファスカーボン層を
10〜1000オングストロームの厚みになるように形
成する。その際アルゴンとアセチレン混合ガス組成、全
圧、あるいは放電のパワーなどの成膜条件を調節するこ
とによって、タンタル含有水素化アモルファスカーボン
層のタンタル濃度またはチタン含有水素化アモルファス
カーボン層のチタン濃度とカーボン濃度との割合:Ta
100−xまたはTi100−xを(25<x
<60)に変化させることができる。上記のようにして
タンタルカーバイド層あるいはチタンカーバイド層、ま
たはタンタル含有水素化アモルファスカーボン層あるい
はチタン含有水素化アモルファスカーボン層を形成した
後に、無酸素銅製カソードを用いて銅層を100オング
ストロームから5μm形成する。
【0017】さらに上記した蒸着装置を用いてポリイ
ミドフィルム上にアモルファスカーボン層、または水素
を含む水素化アモルファスカーボン層を形成する方法を
以下に示す。図2の蒸着装置において、まず基板ホルダ
ー13に固定されたポリイミドフィルム11をヒータ1
2にて温める。つぎに槽内を5×10−5Torr以下
に排気した後、アルゴンと水素混合ガスのグロー放電に
よるマグネトロンスパッタリングにより、カーボン製カ
ソード14を用いてアモルファスカーボン層を10〜1
000オングストロームの厚みになるように形成する。
その際アルゴンと水素ガス組成、全圧、あるいは放電の
パワーなどの成膜条件を調節することによって、アモル
ファスカーボン層、または水素を含む水素化アモルファ
スカーボン層の水素とカーボンの割合、C100 −x
のxを原子比0から50まで変化させることができ
る。上記のようにアモルファスカーボン層、または水素
を含む水素化アモルファスカーボン層を形成した後に、
無酸素銅製カソードを用いて銅層を100オングストロ
ームから5μm形成する。さらに前記加工フィルムに図
示していないが、硫酸銅水溶液による電気めっき法にて
銅層のさらなる積層を行い、本発明のフレキシブルプリ
ント配線基板が得られる。
【0018】
【実施例】以下本発明の実施例を、比較例とともに説明
する。なお密着強度の測定は、90度ピール試験により
行った。また下記の実施例および比較例の第1および第
2の導体層の膜厚は、透過型電子顕微鏡の断面観察より
測定した。
【0019】[実施例1]厚さ50μmのポリイミドフ
ィルム「カプトンE」(商品名:東レ・デュポン社製)
を、予め1×10−5Torrに排気した後に、タンタ
ルカーバイド(Ta−C)製カソードを用いて、アルゴ
ンガス圧1×10−2Torrで、スパッタ電圧500
Vにより膜厚100オングストロームのタンタルカーバ
イド層を形成した。続いて銅を1500オングストロー
ムの厚みに、スパッタリング法で成膜した。このように
して乾式蒸着層を形成した後、硫酸銅浴を用いて電流密
度2A/dmの条件で電気めっきを行い、35μmの
銅めっき層を形成して本発明に係るフレキシブルプリン
ト配線基板を得た。なお形成されたタンタルカーバイド
層をEPMAおよびICP分析にて解析した結果、T
a:C=1:1であるTa−Cであることが分った。
【0020】[実施例2]タンタルカーバイド層の膜厚
を450オングストロームとした以外は実施例1と同様
にして、本発明に係るフレキシブルプリント配線基板を
得た。
【0021】[実施例3]タンタル製カソードを用い
て、アルゴン:アセチレンガスの体積比が99:1であ
る混合ガスを流し、全圧が1.5×10−2Torr
で、スパッタ電圧500Vによって膜厚100オングス
トロームのタンタルカーバイド層を形成し、かつ該タン
タルカーバイド層の組成をTa:C:H=30:62:
8とした以外は実施例1と同様にして、本発明に係るフ
レキシブルプリント配線基板を得た。タンタル含有水素
化アモルファスカーボン層中の組成は、エラスティッ
ク.リコイル.ディテクション(ERD;elasti
c recoil detection)法で水素量
を、ラザフオード.バックスキャッタリング(RBS;
Rutherford backscatterin
g)法でカーボンとタンタルの単位面積当たりの原子数
を調ベることによって決定した。
【0022】[実施例4]タンタルカーバイド製カソー
ドに替えてチタンカーバイド(Ti−C)製カソードを
用いてチタンカーバイド層を形成した以外は実施例1と
同様にして本発明に係るフレキシブルプリント配線基板
を得た。なお形成されたチタンカーバイド層をEPMA
およびICP分析にて解析した結果、Ti:C=1:1
であるTi−Cであることが分った。
【0023】[実施例5]チタンカーバイド層の膜厚を
450オングストロームとした以外は実施例4と同様に
して、本発明に係るフレキシブルプリント配線基板を得
た。
【0024】[実施例6]チタン製カソードを用いて、
アルゴン:アセチレンガスの体積比が82:18である
混合ガスを流し、全圧が1.5×10−2Torrで、
スパッタ電圧500Vによって膜厚100オングストロ
ームのチタンカーバイド層を形成し、このチタンカーバ
イド層の組成をTi:C:H=58:35:7とした以
外は実施例4と同様にして、本発明に係るフレキシブル
プリント配線基板を得た。チタン含有水素化アモルファ
スカーボン層中の組成は、ERD法で水素量を、RBS
法でカーボンとチタンの単位面積当たりの原子数を調ベ
ることによって決定した。
【0025】[実施例7]アルゴン:アセチレンガスの
体積比が67:33である混合ガスを用いてチタンカー
バイド層を形成し、かつこのチタンカーバイド層の組成
をTi:C:H=26:62:12としたこと以外は実
施例6と同様にして、本発明に係るフレキシブルプリン
ト配線基板を得た。
【0026】[実施例8]タンタルカーバイド製カソー
ドに替えてカーボン製カソードを用い、かつアモルファ
スカーボン層を形成する条件をアルゴン・水素ガス圧が
1×10−5Torr、アルゴン:水素の組成比を1:
1としてアモルファスカーボン層を形成した以外は実施
例1と同様にして本発明に係るフレキシブルプリント配
線基板を得られた水素化アモルファスカーボン層の水素
濃度をERD法で測定したところ、その組成はC85
15(原子比。以下同じ。)であった。
【0027】[実施例9]アモルファスカーボン層の膜
厚を450オングストロームとした以外は実施例8と同
様にして、本発明に係るフレキシブルプリント配線基板
を得た。 [実施例10]スパッタで流すガスが水素ガスを混合し
ないアルゴンガスとした以外は実施例8と同様にして、
本発明に係るフレキシブルプリント配線基板を得た。得
られたアモルファスカーボン層の水素濃度をERD法で
測定したところ、その組成はC 100−xにおい
て、x<5であった。
【0028】[比較例1]タンタルカーバイド層の替わ
りにクロム層をスパッタ電圧500Vで150オングス
トロームに成膜したこと以外は実施例1と同様にして、
本発明の範囲外のフレキシブルプリント配線基板を得
た。
【0029】[比較例2]タンタルカーバイド層の膜厚
を25オングストロームとした以外は実施例1と同様に
して、本発明の範囲外のフレキシブルプリント配線基板
を得た。
【0030】[評価]実施例1〜10、比較例1と2で
得られた各配線基板の銅層上にレジスト層のスクリーン
印刷を行った後、レジスト層のない部分のタンタルカー
バイド銅層、チタンカーバイド銅層またはアモルファス
カーボン銅層およびクロム銅層を塩化第二鉄によりエッ
チング処理を行ってフレキシブルプリント配線板を形成
した。得られたフレキシブルプリント配線板を85℃、
湿度85%の高温高湿槽に1000時間放置する熱負荷
試験と、得られたフレキシブルプリント配線板にティン
ポジットLT34の無電解錫めっき液(商品名:ティン
ポジットLT34、シプレイ・ファー・イースト社製)
にて70℃、5分間の無電解めっき処理して0.5μm
のめっき層を形成したものに対して前記と同様の熱負荷
試験をそれぞれ実施した。得られた熱負荷試験済みのフ
レキシブルプリント配線板の密着強度を下記する表1に
示した。
【0031】
【表1】
【0032】表1から分かる通り、本発明の範囲内にあ
る実施例1〜10に係るプリント配線板は比較例1、2
に係るプリント配線板と比べて、熱負荷後の密着耐久
性、および無電解めっき後での熱負荷後の密着耐久性に
優れ、したがって信頼性の高いフレキシブルプリント配
線板が得られた。
【0033】
【発明の効果】以上述べた通り、本発明に係るフレキシ
ブルプリント配線基板によれば、熱負荷後の密着耐久
性、無電解めっき後およびその後に行う熱負荷後の密着
耐久性にも優れ、信頼性が高く工業的にきわめて優れた
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフレキシブルプリント配線基板の一実
施例の部分拡大断面図である。
【図2】本発明で用いた蒸着装置の一実施例の概略図で
ある。
【符号の説明】
1、11 ポリイミドフィルム 2 密着層 3 金属層 12 ヒータ 13 基板ホルダー 14、15、16 スパッタカソード 17 ガス導入孔 18 排気孔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイミドフィルム上に導体層を形成し
    てなるフレキシブルプリント配線基板において、前記ポ
    リイミドフィルム上にタンタルカーバイド層、チタンカ
    ーバイド層あるいはアモルファスカーボン層を介して導
    体層としての金属層を密着せしめたことを特徴とするフ
    レキシブルプリント配線基板。
  2. 【請求項2】 前記タンタルカーバイド層が水素を含む
    タンタル含有水素化アモルファスカーボン層であること
    を特徴とする請求項1記載のフレキシブルプリント配線
    基板。
  3. 【請求項3】 前記チタンカーバイド層が水素を含むチ
    タン含有水素化アモルファスカーボン層であることを特
    徴とする請求項1記載のフレキシブルプリント配線基
    板。
  4. 【請求項4】 前記アモルファスカーボン層が水素を含
    む水素化アモルファスカーボン層であることを特徴とす
    る請求項1記載のフレキシブルプリント配線基板。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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