JP4494873B2 - プリント配線板、プリント配線板の製造方法およびその製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、ポリイミドフィルムなどのプラスチック基板の表面に、銅または銅合金層を形成したメタライズドフィルムであって、TAB(Tape Automated Bonding)やFPC(Flexible Print Circuit)、BGA(Ball Grid Array)などに使用されるプリント配線板、プリント配線板の製造方法およびその製造装置に関する。
電子機器の小型化、高性能化に伴い、素子や基板など構成部品のインターフェースとなる実装技術の高密度化は急速に進み、対応するプリント配線板においても高精細化、多層化が要求されている。
プリント配線板の配線導体の形成技術には、従来より、銅張積層板の不要銅箔領域をエッチング除去して配線パターンを形成するサブトラクティブ法と、絶縁基材の表面に選択的に銅めっき層を形成するアディティブ法(セミアディティブ法)とが知られており、特に、アディティブ法は導体厚の調整が容易であり、微細配線の形成に有利とされている。この銅めっき層の形成には、無電解めっき、または、スパッタ膜などのシード層からの電解めっきが検討されているが、いずれの方法も導体と基板間の密着性確保が課題となっている。
スパッタによるシード層の形成方法は、ポリイミドフィルムなどのプラスチック基板の表面に、クロム蒸着層などの中間層を形成し、その上に銅シード層を形成する。銅を直接ポリイミド基板に成膜すると、基板との界面で脆弱な銅酸化物が生成され、密着性を著しく劣化させるため、一般的には、クロムなどの中間層を形成することにより、銅シード層とポリイミド基板との間の密着性を確保している(下記特許文献1参照)。
特開2003−318532号公報
しかしながら、プラスチック基板の表面に、クロム中間層および銅シード層を順にスパッタ成膜した従来のプリント配線板では、初期の密着性は確保されるが、その後の経年劣化を評価する熱負荷試験後の密着性劣化が著しく、初期の密着性を十分に維持できないという問題がある。
熱負荷による密着性劣化の原因は、プラスチック基板とスパッタ膜界面において脆弱な酸化物が形成されるためであると考えられる。この酸化は、ポリイミド基板の含水の染み出しや、基板裏面から透過する水や酸素に対して、クロムが界面でのバリア効果を確保できていないことが原因であると考えられる。
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、中間層による界面のバリア効果を改善し、熱負荷での密着性劣化を抑制することができるプリント配線板、プリント配線板の製造方法およびその製造装置を提供することを課題とする。
以上の課題を解決するに当たり、本発明は、プラスチック基板と銅系金属薄膜との界面に、中間層として、金属と窒素との化合物薄膜を形成したことを特徴とする。
金属と窒素の化合物薄膜でなる中間層をプラスチック基板と銅系金属薄膜の界面に介在させたプリント配線板は、界面に窒化金属系の中間生成物を有している。例えば、CrN(窒化クロム)のようなセラミック中間生成膜は、高融点で、生成自由エネルギーが大きいため、粒成長が阻害されることで金属クロムと比較して微細な膜形状になり易い。したがって、このような膜形状の微細化により、界面のバリア効果が改善され、熱負荷での密着性劣化が抑制される。
中間層の構成金属には、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、チタン(Ti)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)の金属元素、けい素(Si)やゲルマニウム(Ge)の半金属元素が含まれ、これらのうち1種以上を含む金属または合金が適用可能である。
中間層の形成には、これらの金属または合金のターゲットと、アルゴンと窒素を含む混合ガスとの反応性スパッタが利用でき、これにより、プラスチック基板上に金属と窒素との化合物の蒸着層を成膜することができる。なお、中間層の成膜はスパッタ法に限らず、真空蒸着法やイオンプレーティング法などの他の蒸着法も採用可能である。
プラスチック基板としては、ポリイミドフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルムまたは液晶ポリマーフィルムが、機械的安定性、機械的強度、電気的特性等の点で好適である。
また、銅系金属薄膜には銅または銅合金が含まれ、蒸着層であるかめっき層であるかは問われない。好適には、中間層の上に形成された蒸着層とその上に形成された電解めっき層とで構成される。
中間層に添加される窒素によって、銅系金属薄膜の膜質劣化や、中間層と銅系金属薄膜の界面剥離が懸念される場合には、銅系金属薄膜への窒素の影響を少なくするために、銅系金属薄膜に面している側の方がプラスチック基板に面している側よりも窒素組成量が少なくなるように中間層を構成する。
このような構成の中間層を形成する方法としては、中間層を構成する金属と窒素との化合物蒸着層の成膜初期に限って窒素を導入する方法を採用したり、中間層形成用の金属ターゲットを複数段に分けて設置し、その前段側にのみ窒素を導入する方法が採用できる。なお、導入する窒素は、アンモニアガスなどの窒素を含むガスとしてもよい。
以上述べたように、本発明によれば、プラスチック基板と銅系金属薄膜との界面に、中間層として金属と窒素との化合物薄膜を形成したので、界面のバリア効果を改善でき、熱負荷での密着性劣化を抑制することができる。
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では数値を代表とする種々の限定が付されているが、それらはあくまでも一例であり、これらに限られない。
[第1の実施の形態](参考例)
図1は、本発明の第1の実施の形態によるプリント配線板10Aの層構造を模式的に示す断面図である。プリント配線板10Aは、絶縁性のプラスチック基板1の表面に、中間層2Aを介して、銅シード層3が形成された構成を有している。


プラスチック基板1としては、ポリイミドフィルム、例えば「カプトン200H」(商品名)が用いられる。プラスチック基板1の表面(成膜面)には、中間層2との密着性を高めるための前処理が施されている。この前処理の具体例としては、ブラスト処理などの機械的処理、プラズマ処理などの物理化学的処理、薬液処理などの化学的処理などがあるが、真空下で蒸着層の形成と連続して行えるプラズマ処理が好ましい。
中間層2Aは、クロムと窒素との化合物薄膜層で構成されている。中間層2Aの形成には、後述するようにスパッタ法が用いられるが、これ以外にも、真空蒸着法やイオンプレーティング法などの他の蒸着法も適用可能である。中間層2Aの膜厚は200Å(オングストローム)であるが、プラスチック基板1と銅シード層3の界面における所定の密着性、耐薬品性、耐熱性等が得られる厚さであればよい。
銅シード層3は、後に、ポリイミドフィルム1上に銅めっき層4を電解めっきにて形成するためのシード層(給電層)として機能するもので、中間層2Aの上にスパッタ法にて成膜される。なお、スパッタ法以外にも、真空蒸着法やイオンプレーティング法などの他の蒸着法も適用可能である。銅シード層3の膜厚は2000Åであるが、シード層としての導電性を確保できる厚さであればよい。
なお、本発明の「銅系金属薄膜」は銅シード層3の単層または銅シード層3と銅めっき層4との積層体で構成される。
図2は、以上のように構成されるプリント配線板10の製造装置の構成の一例を示す概略図である。
図示する製造装置20は、所定の真空度に維持されている真空チャンバ21の内部に、ロール状のプラスチック基板1を連続的に繰り出す巻出し部22と、この巻出し部22から繰り出されたプラスチック基板1を巻き取る巻取り部23とを備えている。巻出し部22から繰り出されたプラスチック基板1は、所定位置に配置された複数本のガイドローラ24を介して前処理室25およびスパッタ室26に案内される。スパッタ室26では、メインローラ27の周面に巻き付けられた状態で、プラスチック基板1の表面に上述した中間層2Aおよび銅シード層3が順に形成される。
前処理室25には、カソード電極28を含むプラズマソースが配置されている。プロセスガスには、アルゴン、酸素、窒素などが使用できる。プラズマソースには、カウフマン型、冷陰極型に代表されるイオンガンを使用してもよい。前処理室25は仕切り壁29で区画されている。
スパッタ室26は、メインローラ27の周囲を囲むように第1スパッタ室26A、第2スパッタ室26B、第3スパッタ室26C、第4スパッタ室26Dおよび第5スパッタ室26Eが順に形成され、内部に第1ターゲット26a、第2ターゲット26b、第3ターゲット26c、第4ターゲット26dおよび第5ターゲット26eがそれぞれ配置されている。本実施の形態において、第1ターゲットは中間層形成用のクロムターゲットで構成され、第2〜第5ターゲット26b〜26eは銅シード層形成用の銅ターゲットで構成されている。
なお、第1ターゲット29aは、上述した中間層2Aの構成金属の種類に応じて選定されるもので、この例ではクロムのターゲットが用いられる。なお、中間層2Aの構成金属に、ニッケル、モリブデン、タングステン、チタン、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、けい素、ゲルマニウムのうち1種以上を含む金属または合金が適用される場合には、その金属または合金のターゲットが用いられることになる。
各スパッタ室26A〜26Eには、スパッタ用のアルゴン(Ar)の導入配管30a〜30eがそれぞれ設けられており、およそ0.67Paに調圧されている。ここで、スパッタ室26Aに設けられる導入配管30aは、アルゴンと窒素(流量比5%)との混合ガスの導入配管とされている。
以上のような構成のプリント配線板の製造装置20では、巻出し部22から繰り出されたプラスチック基板1は、まず、前処理室25においてプラズマ処理による成膜面の表面処理が行われる。そして、スパッタ室26において中間層2Aおよび銅シード層3の連続成膜が行われて、巻取り部23に巻き取られる。
スパッタ室26においては、第1スパッタ室26Aで窒素導入による反応性スパッタによって所定厚のクロムと窒素の化合物薄膜が形成される。そして、次の第2〜第5スパッタ室26B〜26Eで所定厚の金属銅の連続成膜が行われる。
以上のようにして製造されたプリント配線板10Aは、図1に示したように、プラスチック基板1の表面に、CrN化合物薄膜スパッタ中間層(200Å)2Aを介して、銅スパッタ層(2000Å)3が形成されることになる。その後、製造したプリント配線板10Aを硫酸銅の電解めっき液に浸漬し、銅スパッタ層3をシード層とする電解めっき処理を施すことにより、銅シード層3の上に20μm厚の銅めっき層4を析出させる。形成された銅めっき層4は、プリント配線板10Aの配線層(導体層)を構成する。
なお、配線層4は、例えば、あらかじめ銅シード層3の上にめっきレジストパターンを形成し、めっきレジストパターンの形成されていない領域上に選択的に電解めっきにて銅めっき層を形成することによって作製することができる(アディティブ法)。銅めっき層4の膜厚は、電解めっきの処理条件によって高精度に制御でき、かつ、微細配線パターンの形成にも対応可能である。配線層4の作製後は、めっきレジストで覆われた銅シード層3の除去工程が行われた後、使用に供される。
ここで、得られたプリント配線板10Aのサンプルのピール試験(180度反転、導体幅3mm)を行い、熱負荷試験(150℃、大気)での密着性の変化を図3に示す。
図において、縦軸はピール強度(g/cm)、横軸は150℃熱処理時間(hr)である。また、白丸は中間層の生成物質がクロムと窒素の化合物薄膜である場合の評価(本発明)を示し、黒丸は中間層の生成物質がクロム単体薄膜(従来例)の評価を示している。
図3から明らかなように、初期値はいずれの条件も高いピール強度が得られているが、中間層に窒素を添加したものは、熱負荷試験後の劣化が少なく、長期にわたって高い密着性を示すことがわかる。
中間層への窒素添加による耐熱劣化改善効果の原因を考察するために、スパッタエッチングを併用したオージェ電子分光にて、サンプルの界面組成分析を行った。図4および図5にその結果を示す。
図4Aは窒素添加なしのサンプルの熱負荷試験前の界面組成分析結果を示し、図4Bは窒素添加なしのサンプルの熱負荷試験(150℃、167時間)後の界面組成分析結果を示している。また、図5Aは窒素5%添加の熱負荷試験前の界面組成分析結果を示し、図5Bは窒素5%添加の熱負荷試験(150℃、167時間)後の界面組成分析結果を示している。
図4および図5に示されるように、サンプル表面からのエッチングでは、Cu、Cr、およびポリイミド基板からのC(炭素)が検出されている。窒素添加なしの熱負荷試験後のサンプルは、ポリイミド基板とCu、Cr界面にO(酸素)が検出されている。
したがって、窒素添加なしサンプルの熱負荷による密着性劣化の原因は、ポリイミド基板とスパッタ膜界面において脆弱な酸化物が形成されるためであると考えられる。この酸化は、ポリイミド基板の含水の染み出しや、基板裏面から透過する水や酸素に対して、クロムが界面でのバリア効果を確保できていないことが原因であると考えられる。
一方、窒素添加したサンプルでは、Cr内にN(窒素)が検出されており、界面にCrNの中間生成物が形成されていると認められる。また、熱負荷試験後においても、界面のO(酸素)の検出レベルが、窒素添加なしのサンプルに比べて低い。
一般に、CrNのようなセラミック中間生成膜は、高融点で、生成自由エネルギーが大きいため、粒成長が阻害されることで金属クロムと比較して微細な膜形状になり易い。このような膜形状の微細化により、界面のバリア効果が改善され、熱負荷での密着性劣化が抑制されると考えられる。
[第2の実施の形態]
図6は、本発明の第2の実施の形態によるプリント配線板10Bの層構造を模式的に示す断面図である。本実施の形態のプリント配線板10Bは、絶縁性のプラスチック基板1の表面に、中間層2Bを介して、銅シード層3(および銅めっき層4)が形成された構成を有している。
同一チャンバ内のプロセスにおいては、中間層スパッタへの窒素の導入は、多かれ少なかれ、窒素が銅スパッタ雰囲気にまで拡散する。銅と窒素とはほとんど反応しないため、その影響は比較的少ないが、それでも条件によっては、銅薄膜の抵抗を上昇させるなどの膜質劣化や、本来、金属結合や拡散などで確保されていた中間層と銅シード層との界面状態を変化させて、界面での剥離を引き起こすおそれがある。
そのため、中間層2Bは、上述の第1の実施の形態と同様に、クロムと窒素との化合物薄膜層で構成されているが、特に、銅シード層3に面している側の方が、プラスチック基板1に面している側よりも、窒素組成量が少ない構成となっている。
以上のような構成のプリント配線板10Bは、例えば図7に概略的に示す製造装置20B1を用いて製造される。なお、図7において上述の第1の実施の形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
図7に示した製造装置21B1においては、クロムでなる第1ターゲット26aを収容した第1スパッタ室26Aの内部に、アルゴン導入配管30aとは別に窒素導入用の局所ノズル31が配置されている。この構成によれば、第2〜第5スパッタ室26B〜26Eにおいて成膜されるCu膜への窒素の影響を少なくするために、第1スパッタ室26Aにおけるクロムスパッタ膜の成膜時のごく初期にのみ、局所ノズル31から窒素ガスを導入するようにしている。
このように、プリント配線板10Bの製造工程において、中間層2Bを構成するクロムスパッタ膜の成膜初期に限って窒素ガスの導入を行うことにより、銅シード層3に面している側の方が、プラスチック基板1に面している側よりも、窒素組成量が少ない構成の中間層2Bを形成することができる。これにより、窒素を原因とする銅シード層3の膜質劣化や、中間層2Bと銅シード層3との間の界面剥離が発生するおそれを回避できる。
一方、上記構成のプリント配線板10Bは、図8に示す構成の製造装置20B2によっても製造することができる。なお、図8において上述の第1の実施の形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
図8に示す製造装置20B2では、第1〜第5スパッタ室26A〜26Dに収容される各々のターゲット26a〜26eにおいて、第1,第2ターゲット26a,26bは中間層形成用のクロムターゲットで構成され、第3〜第5ターゲット26c〜26eは銅シード層形成用の銅ターゲットで構成されている。また、各スパッタ室26A〜26Eに接続されているアルゴン導入配管30a〜30eのうち、第1スパッタ室26Aに接続されている導入配管30aからアルゴンと窒素との混合ガスが導入されるようになっている。
以上のように構成される製造装置20B2においては、中間層形成用スパッタ室(第1および第2スパッタ室26A,26B)がプラスチック基板1の繰り出し方向に沿って複数段に分割され、その前段の第1スパッタ室26Aに対してのみ窒素ガスを導入するようにしている。これにより、銅シード層3に面している側の方が、プラスチック基板1に面している側よりも、窒素組成量が少ない構成の中間層2Bを形成することが可能となり、上述の第2の実施の形態と同様な効果を得ることができる。
上述の第1の実施の形態で説明した製造装置20Aを用いてプリント配線板10Aを作成し、中間層構成金属として、クロム、ニッケル、モリブデン、タングステン、チタン、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、けい素およびゲルマニウムの各金属を使用したときの密着性を評価した。
評価対象である各サンプルの製造条件は同一とし、上述の第1の実施の形態と同一の製造条件で、ポリイミドフィルム上に中間層形成金属(200Å)をスパッタ成膜し、更にその上に銅シード層(2000Å)をスパッタ成膜した。中間層形成時に導入される窒素の流量比は5%とした。
密着性評価は、熱負荷試験(150℃、167時間)前後におけるピール試験(180度反転、導体幅3mm)にて行った。実験の結果得られた各サンプルのピール強度(g/cm)を表1に示す。なお、比較のため、窒素添加なしの従来の中間層構造を有するサンプルのピール強度をも同表に示す。
Figure 0004494873
表1から明らかなように、使用する金属の種類により初期の密着性は異なるが、いずれの金属においても、窒素導入(本発明)により、窒素導入なし(従来例)の場合と比較して、熱負荷後の密着性の劣化が改善されている。
従って本発明によれば、プラスチック基板と銅系金属薄膜との界面に形成される中間層を、金属と窒素との化合物薄膜で構成することにより、熱負荷での界面の密着性劣化を抑制できるので、プリント配線板の耐久性および信頼性の向上を図ることができる。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
例えば、プラスチック基板1に対する中間層2A,2Bおよび銅シード層3の連続成膜は、プラスチック基板1の表面全域に対して行う場合は勿論、プラスチック基板1の表面に予めレジストパターンを形成しておき、そのレジストパターンの非形成領域に対して行うようにしてもよい。
本発明の第1の実施の形態によるプリント配線板10Aの断面模式図である。 本発明の第1の実施の形態によるプリント配線板の製造装置20Aの概略構成図である。 中間層構成金属が窒素添加ありの場合と窒素添加なしの場合とについて、熱負荷試験時間と界面密着性との関係を示す図である。 中間層構成金属に窒素を添加していないサンプルの表面組成分析を示す図であり、Aは熱負荷試験前、Bは熱負荷試験後を示している。 中間層構成金属に窒素を添加したサンプルの表面組成分析を示す図であり、Aは熱負荷試験前、Bは熱負荷試験後を示している。 本発明の第2の実施の形態によるプリント配線板10Bの断面模式図である。 本発明の第2の実施の形態によるプリント配線板の製造装置20B1の概略構成図である。 本発明の第2の実施の形態によるプリント配線板の製造装置の他の構成例を示す概略構成図である。
符号の説明
1 プラスチック基板
2A,2B 中間層
3 銅シード層
4 銅めっき層
10A,10B プリント配線板
20A、20B1,20B2 プリント配線板の製造装置
21 真空チャンバ
22 巻出し部
23 巻取り部
25 前処理室
26 スパッタ室
26a〜26e ターゲット
30a アルゴンと窒素の混合ガス導入配管
31 窒素の導入用局所ノズル

Claims (13)

  1. プラスチック基板の表面に銅系金属薄膜が形成されたプリント配線板において、
    前記プラスチック基板と前記銅系金属薄膜との界面に、中間層として、前記プラスチック基板に面している側よりも前記銅系金属薄膜に面している側の方が窒素含有量が少ない、金属と窒素との化合物薄膜が形成されていることを特徴とするプリント配線板。
  2. 前記中間層は、クロム、ニッケル、モリブデン、タングステン、チタン、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、けい素、ゲルマニウムのうち1種以上を含む金属または合金と窒素との化合物薄膜でなる請求項1に記載のプリント配線板。
  3. 前記銅系金属薄膜は、前記中間層の上に形成された銅系金属の蒸着層と、この蒸着層の上に形成された銅系金属の電解めっき層とでなる請求項1に記載のプリント配線板。
  4. 前記プラスチック基板は、ポリイミドフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルムまたは液晶ポリマーフィルムでなる請求項1に記載のプリント配線板。
  5. プラスチック基板の表面に銅系金属薄膜が形成されたプリント配線板の製造方法において、
    前記プラスチック基板の表面に、中間層として、金属と窒素との化合物の蒸着層を形成する工程と、形成した前記中間層の上に、銅系金属の蒸着層を形成する工程とを有し、
    前記中間層を形成する工程は、前記蒸着層を、前記プラスチック基板に面している側よりも前記銅系金属薄膜に面している側の方が窒素含有量が少なくなるように形成することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  6. 前記中間層の形成は、クロム、ニッケル、モリブデン、タングステン、チタン、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、けい素、ゲルマニウムのうち1種以上を含む金属または合金のターゲットと、アルゴンと窒素を含む混合ガスとの反応性スパッタで行う請求項に記載のプリント配線板の製造方法。
  7. 前記窒素の導入を前記中間層の成膜初期に限って行う請求項に記載のプリント配線板の製造方法。
  8. 前記中間層形成用の金属ターゲットを複数段に分けて設置し、その前段側にのみ前記窒素を導入する請求項に記載のプリント配線板の製造方法。
  9. 前記銅系金属の蒸着層の上に、銅系金属のめっき層を形成する工程を有する請求項に記載のプリント配線板の製造方法。
  10. プラスチック基板の表面に中間層を介して銅系金属薄膜が形成されたプリント配線板の製造装置において、
    真空チャンバと、
    前記真空チャンバ内に、プラスチックフィルムを連続的に繰り出す巻出し部と、
    前記巻出し部から繰り出されたプラスチックフィルムを巻き取る巻取り部と、
    前記巻出し部と前記巻取り部との間に配置された前記中間層形成用スパッタ室および前記銅系金属薄膜形成用スパッタ室とを備え、
    前記中間層形成用スパッタ室、アルゴンガスと窒素ガスの導入管を有しており、前記プラスチック基板と前記銅系金属薄膜との界面に、中間層として、前記プラスチック基板に面している側よりも前記銅系金属薄膜に面している側の方が窒素含有量が少ない、金属と窒素との化合物薄膜を形成することを特徴とするプリント配線板の製造装置。
  11. 前記中間層形成用スパッタ室には、クロム、ニッケル、モリブデン、タングステン、チタン、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、けい素、ゲルマニウムのうち1種以上を含む金属または合金のターゲットが設けられている請求項10に記載のプリント配線板の製造装置。
  12. 前記中間層形成用スパッタ室には、アルゴンガスの導入管と窒素ガスの導入管とが別々に構成されており、前記中間層の成膜初期に限って前記窒素ガスが導入される請求項10に記載のプリント配線板の製造装置。
  13. 前記中間層形成用スパッタ室は、前記プラスチック基板の繰り出し方向に沿って複数段に分割され、その前段に対してのみ前記窒素ガスの導入管が設けられていることを特徴とする請求項10に記載のプリント配線板の製造装置。
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