JPH042795A - 金属多孔体の連続製造方法 - Google Patents

金属多孔体の連続製造方法

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JPH042795A
JPH042795A JP10608290A JP10608290A JPH042795A JP H042795 A JPH042795 A JP H042795A JP 10608290 A JP10608290 A JP 10608290A JP 10608290 A JP10608290 A JP 10608290A JP H042795 A JPH042795 A JP H042795A
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porous body
plating
metal
porous
resin
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JP10608290A
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English (en)
Inventor
Masaaki Honda
正明 本多
Tetsuya Nishi
西 徹也
Masayuki Ishii
石井 正之
Masayuki Furukawa
古川 正行
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電池の電極、各種フィルター、触媒の担体等
に使用される、連続気孔を有する3次元網状構造のテー
プ状金属多孔体の連続製造方法に関する。
〔従来の技術及びその課題〕
連続気孔を有する3次元網状構造の金属多孔体を連続的
に製造する方法として、発泡樹脂等の多孔質樹脂支持体
にカーボンの被覆により導電性を付与し、この導電性を
付与した多孔質樹脂支持体に金属を電気メッキする方法
がある。
発泡樹脂のような多孔体へのメッキは、一般のプレート
、ワイヤーなどへのメッキと異なり、孔内へ均一に電着
させる必要があり、特に、軽量の3次元網状構造金属多
孔体を得ようとする場合には、合計のメッキ量を少なく
しなければならないため、均一電着性は重要な問題とな
る。
ところが、孔内への均一電着というのは困難である。そ
の理由は、表層部と内層部とでは電流密度のばらつきが
起るためで、多孔体骨格表面に施した導電処理層の比抵
抗が大きければ大きいほど、多孔体内層部での電圧効果
が大きくなり、そのため多孔体表層部での電流密度が大
となる。すなわち、多孔体表層部で電着金属イオンが多
く消費され、多孔体内層部では金属イオンの欠乏状態が
起る事になる。この現象は、導電処理層の影響のみなら
ず、一般に極間距離の相違からくる液抵抗の差、またカ
ソードと液との固液界面における分極現象により、特に
、多孔体内層部へ金属イオンがまわりにくくなる事など
で生じるものである。メッキ速度は電流密度と電流効率
の積に比例するが、多孔体へのメッキの場合、電流密度
を上げていくと、多孔体表層部の電流密度が過大となり
、分極が増加し過ぎて多孔体内層部の金属イオンの欠乏
状態が起る。そのため、多孔体内層部へ電着しない現象
から、最終的には限界電流密度を越え、水酸化ニッケル
の析出もしくは樹枝状、海綿状、粉末状の結晶析出をみ
る。また、多孔体骨格表面導電処理層の比抵抗が大きい
と、電極における電圧降下が過大となり摺電圧が極度に
上昇し電流密度を抑える必要を生じる。こうしたことか
ら、非導電性多孔体へのメッキは、一般のプレート、ワ
イヤーなどへのメッキで通常用いられている電流密度の
十分の−から百分の一程度の電流密度しか用いる事がで
きない。
こうした多孔体への均一メッキの困難さを解決するため
の方法としては、例えば特公昭57−39317号公報
に示された方法である。すなわち、骨格表面にカーボン
塗布により導電処理を施したテープ状の発泡樹脂を回転
しつつある表面部が導電性を持つ回転ドラム電極にメッ
キ浴中で密着させながら送り、骨格表面に金属層を0.
1〜数μの厚みに電着を行うことによって、いわば第1
段の電気メッキを施し、導電性を増した後、所望の量ま
で電気メッキを行う方法が提案されている。しかし、か
かる方法では、第1段の電気メッキ時に、電極表面にも
金属が多量に電着されるため、効率が悪いばかりでなく
、電極表面の平滑性が保てないため、電極と被メッキ物
の接触が不安定になり、メッキ時の放電により被メッキ
物骨格の一部消失等の問題もあった。
すなわち、こうした不均一メッキを是正して均一な骨格
の多孔体を得ることや、使用電流密度を上げて生産性を
上げるためには、多孔体骨格表面の導電処理層の比抵抗
を小さくする事と、その導電処理にあわせて適切なメッ
キ方法をみつける事が必要である。
本発明はかかる従来技術の問題点に鑑み、発泡樹脂への
導電処理法として比抵抗が小さい新たな方法を提供する
と同時に、この導電処理に適した電気メッキから熱処理
に至る一連の製造方法を提供せんとするもので、極めて
実用性に優れ、かつ経済的に有利な高品質の3次元網状
構造のテープ状の金属多孔体の製造方法を提供するもの
である。
前述のように、均一な3次元網状構造多孔体を製造する
ためには、樹脂骨格表面への低比抵抗の導電性付与技術
が不可欠である。低比抵抗の導電性付与技術として従来
から知られているものに無電解メッキ技術がある0例え
ば、発泡樹脂の表面処理を適切にした後、適切な状態で
無電解ニッケルメッキを行ったものは、比抵抗値も低く
、すぐれた導電処理方法である。しかしながら、無電解
メッキは、メッキ液が劣化しやすく、管理が難しい、ま
た多量の廃液が発生することも工業的には問題がある。
一方、無電解メッキでは、リン、スズ等の不純物元素が
被膜中にとり込まれるため、電池用電極等の用途には、
不向きであった。
また、金属を被覆する手段として、物理蒸着を利用した
ドライプロセスは、プロセス条件の管理が容易で、廃液
の心配もなく、また液からの不純物元素の混入もなく、
原料と同一純度の金属薄膜を得ることが期待できるが、
発泡樹脂のような複雑に入り組んだ骨格を持つ多孔体の
厚み方向の内部の骨格までくまなく蒸着することができ
ず実用化されるに至っていない。
薄膜形成技術の1つとして、最も知られているのは真空
蒸着法である。真空蒸着法は蒸着物質を電子ビーム加熱
、抵抗加熱等の方法で加熱、蒸発させ、これを基材上に
堆積させる技術である。しかしながら、この方法では、
高速で蒸着できるが、得られる膜は蒸着粒子が殆んどイ
オン化しておらず、蒸着粒子の運動エネルギーが小さい
ため、基材との密着性が不十分であるという欠点がある
蒸着物質と基材の密着力をあげるためには、運動エネル
ギーが小さいので、高い真空度(10−’−10−4T
orr )が必要となる。このような条件下で真空蒸着
する場合、蒸着粒子は他の蒸着粒子と初めて衝突する迄
の距離(平均自由行程)が長く、基材に直進して蒸着す
る事になるが、内部骨格へのまわりこみ現象がなく、蒸
着源に対して、影の部分には蒸着されない事になる。し
たがって、このような真空蒸着法で、基材との密着性を
維持して、発泡樹脂骨格へ、全面被覆する事は困難であ
る。
一方、スパッタリング法も考えられるが、スパッタリン
グ法は不活性ガスプラズマを発生させ、イオン化した不
活性ガスを蒸着物質の「ターゲット」に衝突させ、この
時に反動でたたき出した蒸着物質の運動エネルギーを利
用して基材に蒸着させる方法であり、真空蒸着法に比べ
て、各々のスパッタ粒子が基材到達時に持つエネルギー
が非常に大きいのが特徴である。スパッタリング粒子は
放電ガスをかきわけて基材に積もる。このガスの存在は
、スパッタリング原子の直進を妨げ、いわゆる“まわり
込み”現象をおこす、これは、影の部分での薄膜の堆積
を可能にする。しかしながら、スパッタリング法では、
蒸着速度が小さいという問題があり、生産性が低く実用
的ではない、蒸着速度が大きくならない理由は、放電ガ
スによる散乱があるからである。蒸着速度をあげるため
には、ターゲットに衝突するイオンの数を増やす必要が
ある。このためには、ある程度放電ガス圧が高くならな
ければならない、しかし、ガス圧が高いと折角スパッタ
リングされたターゲットの原子が基材に到達する前に散
乱され、蒸着速度は増加しない。
以上のように、本発明者らは、物理蒸着法の中でも、高
速成膜が可能な真空蒸着法とまわり込み性の良好なスパ
ッタリング法の利用について検討を行ったが、実用にな
る方法は見出せなかった。
〔゛発明の開示〕
発明者らは、従来法の問題点を解決すべく種々検討した
結果、極めて実用性に優れ、経済的にを利でかつ軽量で
高品位の3次元網状構造多孔体の製造法を見出し、発明
と成したものである。
より詳しくは、非電導体である3次元網状構造多孔体の
骨格表面に、アーク放電を利用したイオンプレーティン
グ法により、導電性を付与した後、該多孔体をメッキ液
中に連続的に通過させながら、メッキ液中で該多孔体の
片面Ω一部、もしくは、両面の一部を該多孔体と同一速
度で動くカソードに接触させた状態で電気メッキを行う
ことを特徴とするテープ状の金属多孔体の連続製造方法
を提供するものである。
〔課題を解決するための手段及びその作用〕上記の課題
を解決するために、まず非導電体である3次元網状構造
多孔体の骨格表面に導電性を付与する方法として、アー
ク放電を利用した蒸着法が適していることを見出した。
アーク放電を利用した蒸着法は、蒸着物質のイオン化率
が70%前後と高い値を持つ事から、イオンプレーティ
ング法の1種として位置づけられている。又、本発明に
使用するアーク放電を利用した蒸着法は、スネーパやサ
プレクによって、例えば、特公昭58−3033号公報
、あるいは特公昭52−14690号公報等に開示され
ている方法であり、蒸発物質の高いイオン化率とイオン
エネルギーによって密着度の高い膜が高成膜レートで得
られるという特徴を持つ。
通常のイオンプレーティング法では、真空中で蒸発させ
た金属にイオン化した^rガス等を吹きつけてイオン化
し、基材に負電圧をかける事により、加速して基材に蒸
着させている。イオンプレーティング法で得られる蒸発
金属1原子当りの運動エネルギーに対して、アーク蒸着
法で形成される蒸発金属の運動エネルギーは数十倍以上
あり、金属イオンは運動エネルギーだけで基材に密着し
得る。
また、発泡樹脂のような3次元網状骨格を持つものにつ
いて、シート断面中央部の骨格全面に導電性金属を被覆
するために、Arガスのような不活性ガス雰囲気中で蒸
着をする事が効果的である事を見出した。 Arガスと
蒸発粒子とが空間で衝突する事により、運動エネルギー
を失い、金属粒子の直進性を妨げ、蒸着面に対して影の
骨格部分への薄膜の堆積が可能となるからである。スパ
ッタリング法でも、ガス雰囲気によりまわり込みをおこ
す事はできるが、蒸着速度が稼げなかったが、アーク蒸
着を用いた本発明ではArガス圧力を10−’T。
rr〜10−4Torrの圧力にしても、それほど蒸着
速度に変化は見られない事がわかった。アーク蒸着にお
いて蒸着速度がArガスのような不活性ガスの供給によ
り殆んど低下しないのは、アーク放電の強さを上げれば
、蒸着量を上げることができ、蒸着量を低下させるよう
な過度のガスを導入する必要がないからであると考えら
れる。
以上のように、アーク放電を利用した本発明による蒸着
法を、発泡樹脂に適用する事により、低抵抗で、高品質
、高生産量の導電処理が可能となった。3次元網状構造
骨格を有する発泡樹脂の骨格全体に均一に蒸着する際に
はArガスのような不活性ガスを導入することが望まし
い。
ガス圧力は、高真空に排気した後、10−’Xl0−4
Torr、望ましくは5 Xl0−”〜10−4Tor
rが好適であるm 10−4Torr以下の高真空度で
は、発泡樹脂骨格全体への蒸着粒子のつきまわり性が悪
く、10−’T。
rr以上の真空度では溶融粒子が微粒子として析出し、
蒸着されにくくなる。また、蒸着速度は、アーク電流に
比例して大きくなるが、あまり速いと、大きな溶融粒子
がターゲットから飛び出し、基材に蒸着され、基材の損
傷や表面平滑性を失う事になる。このため、蒸着速度は
最大でも500人/秒が望ましく、基材の損傷度合、生
産性との兼ね合いで設定すればよい。
さらに、発泡樹脂は間に無数の微小空間が存在するので
、熱伝導率が悪く、蒸着中に蒸発源、あるいは溶融粒子
による熱拡散により樹脂の温度が高くなることが考えら
れる。
このため、蒸着する際には、シート状の発泡樹脂を連続
的にロールで巻き取りながら、順に所定の時間、蒸着を
行い、蒸着後は、次第に蒸発源から遠ざかるようなロー
ルツーロール方式にし、熱拡散を速くすることが望まし
い、アーク蒸着法では、蒸発源を任意の所にセットでき
る利点があるが、発泡樹脂シートを挟むように対向させ
ることも可能であり、又、このようにした方が、片方に
蒸発源をもたせるより樹脂の内部骨格全面に、より効率
よく金属被覆による導電処理が行なえ、生産性が高いこ
とはいうまでもない。
また、被覆処理は、1回で終了させるよりも、多数回に
わたって薄膜被覆を実施する方が粒子のもつ運動エネル
ギーや熱エネルギーにより生成する膜の内部応力が全体
で小さくなり、蒸着後の膜の安全性が良好で、しかも、
基材そのものへの蒸着1回毎のダメージが小さくなるこ
とから、基材の強度等の特性劣化は非常に少なくなる。
次に、このような高導電率の導電性を付与された発泡樹
脂骨格に電気メッキにより金属を電着させる方法を種々
検討した結果、電着量の均一性、メンテナンス性等から
、導電処理を施された発泡樹脂をメッキ液中を連続的に
通過させながら、メッキ液中で発泡樹脂の片面の一部、
または、両面の一部を発泡樹脂と同一速度で動くカソー
ドに接触させた状態でメッキを行うことが最も良い方法
であることを見出した。
すなわち、テープ状の金属多孔体の連続製造方法として
、まず、非電導体である、3次元網状構造多孔体の骨格
表面に、アーク放電を利用したイオンプレーティング法
で導電性を付与した後、この多孔体をメッキ液中を連続
的に通過させながら、メッキ液中で多孔体の片面の1部
、もしくは、両面の一部を、多孔体と同一速度で動くカ
ソードに接触させた状態で電気メッキをすることが、最
も良い方法であることを見出した。
第1図は、本発明によるメッキ方法を示す一実施態様で
ある。
第1図において、円筒状給電ロール1及び1′は図示さ
れたように、その一部をメッキ浴中に浸された状態で配
され、図示されていない外部駆動装置で、同−一定速度
で回転される。給電ロール1および1′の外周表面3及
び3′は例えば銅のような導電性材料からなり、その他
のロール表面部は非導電性材料からなるものとする。給
電ロール1及び1′の間隔は、その間で、必要とする巾
の製品がとり得る様にセットされる。
前述の方法で導電処理されたテープ状発泡樹脂2は中方
向両端部を給電ロール1.1′に密着させた状態で、給
電ロール1.1′の駆動によりメッキ液4中を連続的に
通過させながら、アノード5との間で電圧を印加され電
着が行われる。
本発明の方法で導電処理を施された発泡樹脂は導電率が
高いため、このような局部給電によるメッキでも、被メ
ッキ物が、メッキ浴中に入ってから短時間で巾方向、厚
み方向のすべての個所で電着が行われ、電気メッキ時の
場所毎の電流密度差も小さい。
したがってカーボン塗布のような低導電率の導電処理の
場合のように、全面給電で初段のメッキを行わなくても
、十分均一な電着が実現される。
給電ロールの導電部は使用によって電着され、表面粗度
が悪化し、被メッキ物との接触抵抗が増加したり、不安
定になるおそれがあるので、必要に応じて、メッキ槽外
で、メッキをとめることなく、平滑性を保つための作業
、たとえば電着物の削り取り等を行うことが有効である
0本方法でのメッキでは、製品部分は、メッキ液中で、
メッキ液以外には触れることがないので凹凸ができたり
、きすがついたりするおそれは極めて少ない。
給電ロールは第2図及び第3図に示したように、非導電
材料から成るロールとし、メッキ浴中で発泡樹脂の外周
から、テープおよび発泡樹脂と同一速度で動く導電性給
電ロール1から給電させることも可能である。この方法
を用いれば、給電テープ6のメッキ付着除去作業はより
容易になり、場合によっては使い捨てにすることもでき
る。
この方法によってもこれを第1段のメッキとし、第2段
以降の電気メッキとして、アノード配置を適切にしたメ
ッキを実施すれば、十分均一なメッキが可能である。こ
の方法の利点は製品中に応じて両端部以外には給電テー
プ6を配することができることである。
また、以上述べたいずれの方法においても、給電部への
電着量をへらして、給電部の維持を容易にするために、
給電部付近に遮蔽板を設けることが有効である。
また、電気メッキにおいて下地の蒸着金属層とそれに続
く電気メッキ層との間の密着性を確保すること、また、
過度の残留応力を生ぜしめないことは、高品位の金属多
孔体を得るために極めて重要である。さもないと、出来
上がった金属多孔体は骨格の欠落等の欠陥の多い物にな
ってしまう。
密着性を確保し、過度の残留応力を、生ぜしめないため
には、電気メッキにおける電流密度の値が重要な意味を
持つことを見出した。すなわち、この工程における電気
メッキでシートの投影面積当りの電流密度から5OA/
dag以上の場合、下地の蒸着金属層との電気メッキ層
の界面の密着が不十分となり、極端な場合は剥離が生じ
てしまう、また、うまく密着した場合にも、下地金属層
と電気メッキ層が密着した状態でブロック状に樹脂骨格
から剥離したり、場合によりては、樹脂骨格とも密着し
た状態で樹脂骨格の一部が欠落してしまうことがある。
この原因は必ずしも明らかではないが、一つには、電気
メッキの電流密度が高過ぎる場合、メッキ中に水素ガス
が多量に発生し、蒸着金属層との界面もしくは電気メッ
キ層内にとりかまれ、下地蒸着金属層との不整合を生じ
るためと考えられる。いずれにしてもこの現象は下地の
導電性付与処理がカーボン塗料の被覆の場合に比べて顕
著に起こり、下地導電処理を蒸着で行った場合、電気メ
ッキにおけるシート投影面積当りの電流密度が5OA/
da”以下で行うことは、不可欠な条件である。
以上述べた方法で電気メッキをされた後に、電着量を増
すために例えば第4図に示した様な一般に知られた槽外
給電による連続メッキにより、所定重量まで電着するこ
とも可能である。
なお、第4図において、符号2はテープ状の発泡樹脂、
10はメッキ液、11は上部陽極、12は下部陽極、1
3は陰極給電ロール、14は駆動ロールである。
以上の工程で所定量まで、電気メッキにより金属を析出
させた後、発泡樹脂は必要に応じて焼却除去され、金属
のみからなる三次元網状構造多孔体となる0例えば、気
中雰囲気で約600℃に5分以上加熱してやれば発泡樹
脂はほぼ完全に焼却除去される。
発泡樹脂の焼却除去に伴い、金属多孔体の骨格表面は酸
化されることがある。これは一般には還元性雰囲気中で
加熱することにより容易に還元できる。例えば、金属が
ニッケルの場合、露点0°C以下の水素もしくはアンモ
ニア分解ガス中で900°C以上、10分以上還元焼却
することにより酸化層もなく、強度、靭性の共に優れた
三次元網状構造のニッケル多孔体が得られる。この条件
を外れた場合、製造されたニッケル多孔体の強度および
靭性は不十分なものとなり、例えば電池電極に応用する
場合、空孔部に活性物質を充填して、円筒状に巻いた時
、亀裂が生じるという不具合が生じる。
〔実施例〕
(1)セル数(1インチに接する孔数を表す)30.5
0.60.70コ/インチ、厚み1.5閣、輻500閣
の連通気孔をもつウレタン発泡樹脂シートに第5図に示
す蒸着装置でニッケルを蒸着した。
第5図の蒸着装置は、帯状のウレタン発泡樹脂シート2
を送りロール21から繰出してダンサ−ローラ28経由
で巻取ロール22に巻取り、その途中に支持体の両面に
金属を同時蒸着するものである0図のように、真空チャ
ンバ23内に防着板24でロール収納部から区画した蒸
着室23aを設け、その蒸着室23a部に前面アーク放
電蒸着装置25及び背面アーク放電蒸着装置26を発泡
樹脂シート2を間にして対向設置しである。これらの蒸
着装置25.26は、円形、あるいは四角形の板状蒸着
源材料27を発泡樹脂シート2と並行になるように支持
し、その材料27を電極との間に生じるアークで溶かし
て蒸発させることができる。ここでは、500■×15
0■×15閣りの四角形の板状蒸着源を用い、また、蒸
着源と基材との距離は250mmと固定した。
なお、真空排気口は、蒸着室23aの側面壁に設けであ
るが、図には示していない、また、蒸着源はカソードで
あり、対してアーク放電をおこすためのアノードがある
が、アノードは図示していない。
蒸着プロセスとしては、発泡樹脂シート2を第5図の蒸
着装置にセット後の、ロータリーポンプで10− ”T
orrまで粗引きを行い、次に高真空ポンプにより10
− ”Torr台まで排気を行う、その後、不活性ガス
であるArガスを導入し、設定の圧力になるようにガス
流量調整を行う0次に2基の蒸着源のカソードとアノー
ドの間で150Aの電流を放電電圧20Vを印加するこ
とにより、アーク放電がはじまり、放電電流が集中した
蒸発源の微小wt域から金属の蒸発が開始され、発泡樹
脂シート2への蒸着も始まる。蒸着開始とあわせて、発
泡樹脂シート2の走行を行い、送り速度−40cm/w
inで膜厚0.2IImのNi蒸着を行った。シート全
体への蒸着が完了した後、真空解除し、発泡樹脂シート
2を取りだした。なお、導入アルゴンガス圧力は、第1
表の様に5X10−’、2X10−”、2×10弓、5
×104Torrとなる様に調整した。
電気メッキは、第1段メッキとして、第2図及び第3図
に示した槽中部分給電メッキ装置で直径500閤のロー
ルにそわせて走行させ30A/dlIl”の電流密度で
3分間ニッケルメッキを行った後、第4図に示す有効槽
長1mの3槽からなる槽外給電連続メッキ装置で各々5
^/da”の電流密度で各6分間ずつニッケルメッキを
行った0合計メッキ量は、投影面積当り300g/ r
rfを狙って行った。
なお、メッキ浴は通常のワット浴を用いph−4,o、
浴温50°Cとした。電気メッキ後、気中雰囲気600
℃で10分間熱処理し、ウレタン樹脂を焼却除去し、露
点−20℃のアンモニア分解ガス雰囲気中で950℃、
15分分間光処理し、ニッケルの三次元網状構造多孔体
をえた。各々の多孔体の骨格欠陥を調べるために、顕微
鏡観察した。その結果を第1表に示す。
第1表 示した槽中部分給電メッキ装置で直径500+m*のロ
ールにそわせて走行させ各々30.50.60^/dm
zの電流密度で各々3.1.8.1.5分間ニッケルメ
ッキを行い導電性を増した後、第4図に示す有効槽1m
の3槽からなる槽外給電連続メッキ装置で5A/dm”
の電流密度で各6分ずつニッケルメッキを行った。
メッキ浴条件は(1)と同一とした。電気メッキ後気中
雰囲気600°Cで10分間熱処理し、ウレタン樹脂を
焼却除去し、露点−20″Cのアンモニア分解ガス雰囲
気中で950℃、15分分間光処理し、ニッケルの三次
元網状構造多孔体をえた。各々の骨格欠陥を調べるため
に、顕微鏡観察を行った。その結果を表2に示す。
(2)セル数50/インチ、厚み1.5m、幅500閣
の連通気孔をもつウレタン発泡樹脂シートに第5図に示
す蒸着装置でニッケルをM@した。ニッケル蒸着膜は(
1)と同様なプロセスで得た。
電気メッキは、第1段メッキとして、第2図に第2表 〔発明の効果〕 以上のように、本発生によれば、高品位の3次元網状構
造の金属多孔体を、効果的に製造できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明における第1段の電気メッキ工程の一例
を示す概略図、第2図及び第3図は本発明における第1
段の電気メッキ工程の他側を示す概略図、第4図は本発
明における第2段の電気メッキ工程の一例を示す概略図
、第5図は本発明における蒸着装置の一例を示す概略図
である。 1.1′・・・・・・給電ロール、 2・・・・・・テープ状の多孔体、 3・・・・・・給電面、    4・・・・・・メッキ
液、5・・・・・・アノード、    6・・・・・・
給電テープ、10・・・・・・メッキ液、   11・
・・・・・上部陽極、12・・・・・・下部陽極、  
 13・・・・・・陰極給電ロール、14・・・・・・
駆動ロール、 21・・・・・・送りロール、22・・
・・・・巻き取りロール、 23・・・・・・真空チャンバ、23a・・・・・・蒸
着室、24・・・・・・防着板、 25・・・・・・全面アーク放電蒸着装置、26・・・
・・・背面アーク放電蒸着装置、27・・・・・・蒸着
源。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)非導電体である3次元網状構造多孔体の骨格表面
    に、アーク放電を利用したイオンプレーティング法によ
    り、導電性を付与した後、該多孔体をメッキ液中を連続
    的に通過させながら、メッキ液中で該多孔体の片面の一
    部、もしくは、両側の一部を該多孔体と同一速度で動く
    カソードに接触させた状態で電気メッキを行うことを特
    徴とするテープ状の金属多孔体の連続製造方法。
  2. (2)前記の導電性付与が高真空に排気した後に不活性
    ガスを10^−^1〜10^−^4Torr導入して行
    なわれることを特徴とする請求項(1)記載の金属多孔
    体の連続製造方法。
  3. (3)前記カソードをメッキ槽外へ導き、カソードに付
    着した金属を連続除去することを特徴とする請求項(1
    )記載の金属多孔体の連続製造方法。
  4. (4)前記メッキ工程において、カソード接触部付近に
    遮蔽板を設け、カソード接触部に隣接する多孔体の端部
    への電流集中を低減することを特徴とする請求項(1)
    記載の金属多孔体の連続製造方法。
  5. (5)前記の電気メッキ工程において、シート投影面積
    当りの電流密度が50A/dm^−^2以下で行うこと
    を特徴とする請求項(1)記載の金属多孔体の連続製造
    方法。
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