JP2008007837A - スパッタ成膜装置およびスパッタ成膜方法 - Google Patents

スパッタ成膜装置およびスパッタ成膜方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光学膜の成膜に好適なスパッタ成膜装置およびスパッタ成膜方法を提供する。
【解決手段】デュアルマグネトロンターゲットを構成する一対のターゲット11a、11bを備え、スパッタリングにより前記ターゲット材を基板15上に堆積させるスパッタ成膜装置において、一対のターゲット11a、11bの両側に、ターゲット11a、11bと基板15との間に位置するようにシールド13a、13bを配設するとともに、一対のターゲット11a、11bの中間に、ターゲット11a、11bと前記基板15との間に位置するように中間シールド14を配設し、シールド13a、13b、中間シールド14により、スパッタ粒子の基板15への最大入射角度を所望の角度に設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、デュアルマグネトロンスパッタリングと呼ばれる二つのスパッタリングターゲットを具備したカソードを使用したスパッタ成膜装置およびスパッタ成膜方法に関し、特に光学膜の成膜に好適なスパッタ成膜装置およびスパッタ成膜方法に関する。
光学多層膜は、一般には各種誘電体や金属材料(例えば、SiO2、TiO2、Ta25 、Al23 、Nb25 、Ag、ITO(酸化インジウム錫)など)の中から屈折率の異なる2種類以上の材料を使用し、それらを基板上に交互に所定の厚みに積層したもので、所望の光学特性を有している。光学多層膜を構成する各層の厚さは使用波長領域における波長程度の厚さであって、光学薄膜設計の理論に従って設計される。
スパッタリングによる光学膜は、一般にマグネトロンスパッタリングにより形成される。
マグネトロンスパッタリングは、磁気閉回路が背後に配置されたターゲットと呼ばれる電極に負の電圧を印加し、ターゲット表面付近でイオン化されたスパッタリングガス(一般にはArが使用される)のターゲットへの衝撃により、ターゲット材の原子を放出させて基板上に堆積させるものである。
マグネトロンスパッタリングに用いるターゲットの形状としては、円形や長方形などの平面状のものが一般的である。また、ターゲットを含むカソードの構造は、ターゲットの背後に、プラズマを増強するための電子トラップ用磁場を形成するマグネトロン磁気回路を備えており、この磁気回路の位置は、通常ターゲットに対して固定されている。
マグネトロンターゲットとしては、他に、ターゲットを円筒型にし、その中に磁気回路を円筒型ターゲットに対して固定しないように設け、円筒型ターゲットを連続的に磁気回路に対して相対的に回転させる構造のものある。この場合、エロージョン領域(ターゲット上でイオン衝撃が起きる領域)を円筒型ターゲットの表面上で連続的に移動させ、結果として、ターゲット全面にエロージョン領域を広げることができる。
平面状のターゲットから放出されるスパッタ粒子の角度分布は、放出粒子のターゲット面に垂直な法線に対する角度をθとすると、ほぼcosnθに比例した分布をすることが良く知られている。したがって、ターゲット面から放出されるスパッタ粒子は、ターゲット面の前面方向のすべての方角に飛散する。円筒型ターゲットの場合でも、スパッタ粒子の放出面はほぼ平面と近似できるので、放出分布は平面ターゲットとほぼ同じようになる。
また、スパッタ粒子の基板への入射角度と積層された膜の表面状態の研究は古くから行われており、基板に対するスパッタ粒子の入射角度(基板の法線に対する角度)が小さい方が膜表面の平滑性は優れており、この入射角度が大きくなると、膜の密度が低くなるとともに、表面の凹凸が大きくなり、その結果、膜の光散乱が多くなる(例えば、非特許文献1参照)。
マグネトロンターゲットを用いて反応性スパッタを行う場合や、反応ガスと反応しやすいターゲット材をスパッタして化合物膜を生成させる場合に共通する問題は、ターゲット上でおきる異常放電(アーキング)とアノードの消滅による放電不安定性である。異常放電はおもに、導電性ターゲットの表面上にスパッタリングガスイオンによって衝撃を受けない非導電性の非エロージョン領域が存在することに起因する。この異常放電により、ターゲットが破損したり、異常放電部位からの汚れが基板に向かって放出されるために、清浄であるべき積層された薄膜が劣化したりする。
これら問題を解決するために、ターゲットを2つ用意し、その間に50kHz程度の交流を印加して、常にアノードが存在し、ターゲット表面に電荷が蓄積しないようする、いわゆるデュアルターゲットによる交流スパッタリング法がよく用いられる(例えば、特許文献1参照。)。
John A. Thornton,J. Vac. Sci. Technol. 15(2) March/April 1978,171P. 特表平10−509773号公報
上述のように、基板に対するスパッタ粒子の入射角度が大きくなると、膜の密度が低くなるとともに、膜表面の凹凸が大きくなり、その結果、膜の光散乱が多くなる。そこで、透明性のよい良質な光学膜を得るためには、基板への大きな入射角度を有するスパッタ粒子の被着を防ぐことが必要になる。
従来、ターゲットが一つの場合には、例えば図7(a)に示すように、回転円筒ターゲット1に対して直線軌道2を移動する基板3への大きな入射角を有するスパッタ粒子を制限するために、ターゲット1の両側に略平板状のシールド4を配設する。そうして、スパッタ粒子の飛散する開口を狭くし、最大入射角度を所望の入射角度Aとして、入射角度Aを超えるスパッタ粒子の基板3への被着を防いでいる。
なお、図7(a)において、説明の便宜上、ターゲット1の直線軌道2に面する中央部から飛散するスパッタ粒子について議論しているが、実際には、ターゲット1の直線軌道2に面するエロージョン領域全体から飛散するスパッタ粒子について、最大入射角度が所望の入射角度Aになるようにシールド4を配設する。
デュアルターゲットの場合には、例えば図7(b)に示すように、一対のターゲット5、6が離間して配設され、基板3は一対のターゲット5、6の配列方向の直線軌道2上を移動する。この場合、スパッタ粒子源の幅が2倍以上に広くなるため、一対のターゲット5、6の両外側にシールド7、8を配設した状態では、ターゲット5からのスパッタ粒子の基板3への最大入射角度は、近接するシールド7側では所望の入射角度Aになるようにしても、他方のシールド8側では最大入射角度が所望の入射角度Aよりも大きな角度Bになる、という問題があった。ターゲット6についても同様である。
本発明は、上述した問題に鑑み、デュアルマグネトロンターゲットを使用し、基板へのスパッタ粒子の最大入射角度を所望の角度に設定することができるスパッタ成膜装置、および該スパッタ成膜装置を用いたスパッタ成膜方法を提供することを目的とする。
本発明は上記問題を解決すべくなされたもので、請求項1記載の発明は、デュアルマグネトロンターゲットを備え、スパッタリングによりターゲット材を基板上に堆積させるスパッタ成膜装置において、デュアルマグネトロンターゲットを構成する一対のターゲットの両側に、前記ターゲットと前記基板との間に位置するようにシールドを配設するとともに、前記一対のターゲットの中間に、前記ターゲットと前記基板との間に位置するように中間シールドを配設し、前記シールドにより、スパッタ粒子の前記基板への最大入射角度を所望の角度に設定したことを特徴とするスパッタ成膜装置である。
本発明は、鋭意実験的に検討した結果、到達したものである。すなわち、本発明者らは、デュアルマグネトロンターゲットを構成する一対のターゲットには、各種波形の電力が投入され、ターゲット間には電子やイオンの流れが生ずるが、このような一対のターゲットの中間に、ターゲットと前記基板との間に位置するように、絶縁された中間シールドを配設することにより、ターゲット間の電子流やイオン流に悪影響を与えることなく、基板へのスパッタ粒子の最大入射角度を所望の角度に設定できることを見出した。
ここで、「所望の入射角度」とは、要求される薄膜の品質や成膜レートを考慮して設定される角度を意味している。この角度を小さくして、スパッタ粒子の入射角度を基板に対して垂直に近くするほど、膜質は向上するが、あまり垂直に近づけて、基板に対して斜め方向のスパッタ粒子を取り除くと、スパッタ粒子の基板への付着効率が低下し、成膜レートが低下して、コストアップの要因となる。例えば、所望の角度を70度程度に設定することにより、透明性のよい光学膜を成膜することができる。
前記シールドが導電性材料からなる場合、電気的にグランド(アース)に接続されていると、シールドの表面に導電性の悪い膜が付着し、異常放電の原因となる。そこで、請求項2に記載のように、シールドを電気的にグランドから浮かせて略絶縁して配設すると、シールドの表面に導電性の悪い膜が付着しても異常放電を防ぐことができる。
また、前記シールドは、デュアルマグネトロンターゲットを構成する一対のターゲット間に発生する強いプラズマによる高温にさらされるので、請求項3に記載にように、高融点金属(例えばステンレス、Ti、モリブデンなど)で構成すると、変形を防ぐことができる。
また、シールドにはかなりのスパッタ粒子が付着し、それがスパッタ中にはがれてターゲットに接触すると、異常放電が起きる。そこで、請求項4に記載のように、表面にアルミの溶射処理を施した金属でシールドを構成すると、付着したスパッタ粒子がはがれにくくなり、異常放電を防ぐことができる。
さらにシールドは、請求項5に記載のように、絶縁性セラミックで構成してもよい。
本発明のスパッタ成膜装置は、デュアルマグネトロンターゲットを構成する一対のターゲットの中間に、前記ターゲットと基板との間に位置するように中間シールドを配設したため、スパッタ粒子の基板への最大入射角度を所望の角度に制御することができるので、膜質が向上し、透明性のよい膜を成膜することができる、という利点を有する。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1(a)、(b)はそれぞれ、本発明にかかるスパッタ成膜装置の一実施形態のスパッタ粒子の基板への入射角度を説明する平面説明図および正面説明図である。
図1において、一対の平面ターゲット11a、11bが離間して同一面上に並列に配設され、デュアルマグネトロンターゲットを構成している。各平面ターゲット11a、11bはそれぞれ、長方形をなし、マグネトロン電極12a、12b上に保持されている。スパッタ粒子が堆積する基板15は、一対の平面ターゲット11a、11bの配設面に平行な直線軌道16上を搬送される。
一対の平面ターゲット11a、11bの両外側には、平板状のシールド13a、13bが、一対の平面ターゲット11a、11bの配設面に直交し、かつそれらの配列方向(図1(a)において左右の方向)に直交するように、配設されている。また、一対の平面ターゲット11a、11bの中間には、平板状の中間シールド14が、同じく、平面ターゲット11a、11bの配設面に直交し、かつそれらの配列方向に直交するように、配設されている。
シールド13a、13bの軌道側端部位置(該端部と軌道16との間隔d1 )は、以下のように設定される。すなわち、スパッタ粒子の基板15への最大入射角度を所望の角度Aとして、平面ターゲット11aの中央部と近接するシールド13aの軌道16側の端部とを結ぶ直線αが軌道16に直交する直線となす角度が角度Aになるように、端部位置(間隔d1 )を設定する。また、平面ターゲット11bの中央部と近接するシールド13bの軌道16側の端部とを結ぶ直線αが軌道16に直交する直線となす角度についても、同様に角度Aになるように、端部位置(間隔d1 )を設定する。
また、中間シールド14の軌道側端部位置(該端部と軌道16との間隔d2 )は、平面ターゲット11a、11bの中央部と中間シールド14の軌道16側の端部とを結ぶ直線βが軌道16に直交する直線となす角度が角度Aになるように、設定する。
本実施形態が従来例と異なる特徴的なことは、一対の平面ターゲット11a、11bの中間に、平板状の中間シールド14が、平面ターゲット11a、11bの配設面に直交し、かつ一対の平面ターゲット11a、11bの配列方向に直交するように、配設されていることである。このように中間シールド14を配設することにより、最大入射角度を所望の角度Aに設定することができる。
中間シールド14が配設されていない場合には、例えば、平面ターゲット11aの中央部とシールド13bの軌道16側の端部とを結ぶ直線γが軌道16に直交する直線となす角度B(最大入射角度)は、所望の角度Aよりも大きくなる。
上述の説明において便宜上、平面ターゲット11a、11bの中央部から飛散するスパッタ粒子について、軌道16上を搬送される基板15への最大入射角度が所望の角度Aとなるようにしたが、実際には、平面ターゲット11a、11bのエロージョン領域全体から飛散するスパッタ粒子について、最大入射角度が所望の入射角度Aになるようにシールド13a、13b、中間シールド14を配設する。以下の実施例1から4の説明についても同様である。
なお、上記実施形態においては、平面ターゲット11a、11bを用い、基板15の搬送される軌道16は直線状であったが、ターゲットは回転円筒ターゲットでもよく、また、基板の搬送軌道は円周形状でもよい。さらに、シールド13a、13bおよび中間シールド14は、一対の平面ターゲット11a、11bの配設面に直交し、かつそれらの配列方向に直交するように、配設されていたが、このように配設されることに限定されず、シールド13a、13bおよび中間シールド14の軌道側端部が入射角度Aを超えるスパッタ粒子を遮るように、配設されていればよい。
(実施例1)
図1(a)、(b)において、平面ターゲット11a、11bの幅t1 を100mm、長さt2 を800mmとし、一対の平面ターゲット11a、11bのそれぞれの中心間の距離t3 を150mmとする。また、基板15の搬送軌道16と平面ターゲット11a、11bとの間隔d4 を100mmとする。
シールド13a、13b、中間シールド14は、SUS304からなる長方形の平板であって、ブラストにより表面が粗くなっており、付着膜が剥離しにくくなっている。また、シールド13a、13b、中間シールド14は、セラミック部材(図示されず)を介してグランドから絶縁するように配設されている。シールド13a、13bの間隔sは400mm、シールド13a、13bと軌道16との間隔d1 は23mm以下、中間シールド14と軌道16との間隔d2 は45mm以下とする。
本実施例によれば、スパッタ粒子の基板15への最大入射角度である角度Aが65度になる。なお、中間シールド14のカソード特性(ターゲットへの投入電力と電圧、電流との関係)への影響をスパッタリングガスとしてArを用いて測定したところ、中間シールド14の有無によりカソード特性は変化しないことが確認された。したがって、中間シールド14は一対の平面ターゲット11a、11b間に流れる電子流および発生するプラズマに対してなんら影響を与えないことが確認された。
なお、本実施例において、シールド13a、13b、中間シールド14は、付着膜が剥離しにくい、ブラストにより表面を粗くしたTi、アルミ溶射したSUS304、アルミナなどで構成してもよい。
(実施例2)
本実施例は、図2(a)、(b)に示すように、実施例1において、平面ターゲット11a、11bの代わりに回転円筒ターゲット21a、21bを用いた例である。回転円筒ターゲット21a、21bは、外径t1 が140mm、長さt2 が600mmであり、回転円筒ターゲット21a、21bの中心軸間距離t3 が190mmである。また、基板15の軌道16と回転円筒ターゲット21a、21bとの間隔d4 は100mmである。
シールド13a、13bの間隔sは450mm、シールド13a、13bの軌道側端部と軌道16との間隔d1 は33mm以下、中間シールド14の軌道側端部と軌道16との間隔d2 は49mm以下である。
本実施例によれば、スパッタ粒子の基板15への最大入射角度である角度Aが65度になる。
(実施例3)
本実施例は、図3に示すように、基板15の移動する軌道16が円周状をなす以外は、実施例1と同じである。すなわち、軌道16は直径1500mmである。また、平面ターゲット11a、11bの形状、配列は実施例1と同一であり、平面ターゲット11a、11bの配列面と軌道16の間隔d4 は100mmである。さらに、シールド13a、13b、中間シールド14の軌道16側端部と軌道16と間隔d1 、d2 はそれぞれ、9mm以下、40mm以下である。
本実施例によれば、スパッタ粒子の基板15への最大入射角度である角度Aが70度になる。
(実施例4)
本実施例は、図4に示すように、基板15の移動する軌道16が円周状をなす以外は、実施例2と同じである。すなわち、軌道16は直径1500mmである。また、回転円筒ターゲット21a、21bの形状、配列は実施例2と同一であり、回転円筒ターゲット21a、21bの配列面と軌道16の間隔d4 は100mmである。さらに、シールド13a、13b、中間シールド14の軌道16側端部と軌道16と間隔d1 、d2 はそれぞれ、10mm以下、42mm以下である。
本実施例によれば、スパッタ粒子の基板15への最大入射角度である角度Aが70度になる。
(実施例5)
図5は、本発明にかかるスパッタ成膜装置の一実施例の平面断面図である。
図5において、30は真空槽であるスパッタリングチャンバ、31はSiカソード室、32a、32bはデュアルマグネトロンターゲットを構成するSi回転円筒ターゲット、33はSi用中間シールド、34はNbカソード室、35a、35bはデュアルマグネトロンターゲットを構成するNb回転円筒ターゲット、36はNb用中間シールド、37はガラス基板、38は円筒回転基板搬送装置、39は反応室、40は高周波アンテナである。
本実施例では、ガラス基板37を円筒回転基板搬送装置38に搭載し、スパッタリングチャンバ30内を回転搬送して、ガラス基板37上に多層膜を形成する。
また、Siカソード室31内の一対のSi回転円筒ターゲット32a、32bの中間にSi用中間シールド33を設け、シールドの機能をするSiカソード室31の側壁31a、31bとあわせて、Siのスパッタ粒子の基板37への最大入射角度を65度に設定している。同様に、Nbカソード室34内の一対のNb回転円筒ターゲット35a、35bの中間にNb用中間シールド36を設け、シールドの機能をするNbカソード室34の側壁34a、34bとあわせて、Nbのスパッタ粒子の基板37への最大入射角を65度に設定している。
本実施例のスパッタ成膜装置により、以下の工程で多層膜を成膜する。すなわち、
1)まず、一対のSi回転円筒ターゲット32a、32bを備えたSiカソード室31のあるスパッタ領域で、ガラス基板37上にメタルモード(スパッタリングガスの割合が反応性ガスの割合より十分に多い状態)で超薄膜(通常、数原子層以下の厚さ)をスパッタ成膜する。
2)次いで、反応室39のある反応領域にガラス基板37を回転搬送し、高周波アンテナ40により反応室39内に酸素プラズマを発生させて、前記超薄膜を酸化反応させる。この工程を繰り返して、所定の厚さのSiO2膜を成膜する。
3)次いで、一対のNb回転円筒ターゲット35a、35bを備えたNbカソード室34のあるスパッタ領域で、ガラス基板37にメタルモードで超薄膜をスパッタ成膜する。
4)次いで、前記反応室40のある反応領域にガラス基板37を回転搬送し、前記超薄膜を酸化反応させる。この工程を繰り返して、所定の厚さのNb25 膜を成膜する。
5)上記1)〜4)の工程を繰り返して、SiO2 /Nb25 の多層膜を成膜する。
本実施例のスパッタ成膜装置を用いて、上記工程により、表1に示す成膜設計条件の光学多層膜フィルタを作製した。

Figure 2008007837
上記光学多層膜フィルタのスパッタ成膜条件は以下のとおりである。
すなわち、スパッタリングチャンバ30内のベース圧力は0.0005Pa、成膜中の圧力は0.2Paである。また、円筒回転基板搬送装置38の回転速度は120rpmである。Siカソード室31およびNbカソード室34のある2箇所のスパッタ領域において、スパッタリングガスはArであり、その供給量は150sccmである。また、Si回転円筒ターゲット32a、32bへの交流電力の供給量は10kw、Nb回転円筒ターゲット35a、35bへの交流電力の供給量は4kwである。また、反応室39のある反応領域において、反応ガスは酸素であり、その供給量は150sccmである。また、高周波アンテナ40から反応室39内への高周波電力の供給量は4kwである。
各層の膜厚制御は、Si回転円筒ターゲット32a、32bおよびNb回転円筒ターゲット35a、35bへの投入電力を一定にしておき、予め割り出しておいた成膜レートに基づき、成膜時間を制御することによりおこなった。
上述のようにして成膜した光学多層膜フィルタは、分光光度計を用いて分光透過率を測定した、結果図6のような高い透過率を示した。
比較のために、図5に示したスパッタ成膜装置からSi用中間シールド33とNb用中間シールド36を取り除いたスパッタ成膜装置を用いて、同一成膜設計条件、同一スパッタ成膜条件で、光学多層膜フィルタを成膜した。得られた光学多層膜フィルタは、透過率が低く、その原因が散乱によるものであることがわかった。その分光透過率特性を図6において点線で示す。
以上の結果より、Si用シールド33とNb用シールド36を設け、スパッタ粒子の最大入射角度を65度に設定した本実施例のスパッタ成膜装置を用いると、Si用シールド33とNb用シールド36を備えていないスパッタ成膜装置を用いた場合に比較して、散乱が少なくなり、特に短波長側での透過率が向上する。
なお、上記実施例では、スパッタ領域においてメタルモードで超薄膜を成膜し、次いで反応領域で前記超薄膜を化合物に変換させる、いわゆるメタモードスパッタ法という成膜方法を用いたが、反応領域を設けずに、スパッタ領域内に反応性ガスを導入して、基板上に所望のターゲット材の反応化合物を成膜する反応性スパッタ法を用いてもよい。
(a)、(b)はそれぞれ、本発明にかかるスパッタ成膜装置の一実施形態のスパッタ粒子の基板への入射角度を説明する平面説明図および正面説明図である。 (a)、(b)はそれぞれ、本発明にかかるスパッタ成膜装置の他の実施形態のスパッタ粒子の基板への入射角度を説明する平面説明図および正面説明図である。 本発明にかかるスパッタ成膜装置のさらなる他の実施形態のスパッタ粒子の基板への入射角度を説明する平面説明図および正面説明図である。 本発明にかかるスパッタ成膜装置のさらなる他の実施形態のスパッタ粒子の基板への入射角度を説明する平面説明図および正面説明図である。 本発明にかかるスパッタ成膜装置の一実施形態の平面断面図である。 図5に示したスパッタ成膜装置で成膜した光学多層膜フィルタの分光透過率特性を示す図である。 (a)、(b)はそれぞれ、従来のスパッタ成膜装置のスパッタ粒子の基板への入射角度を説明する平面説明図である。
符号の説明
11a、11b 平面ターゲット
12a、12b マグネトロン電極
13a、13b シールド
14 中間シールド
15、37 基板
16 軌道
21a、21b 回転円筒ターゲット
30 スパッタリングチャンバ
31 Siカソード室
32a、32b Si回転円筒ターゲット
33 Si用中間シールド
34 Nbカソード室
35a、35b Nb回転円筒ターゲット
36 Nb用中間シールド
38 円筒回転基板搬送装置
39 反応室
40 高周波アンテナ

Claims (7)

  1. デュアルマグネトロンターゲットを備え、スパッタリングによりターゲット材を基板上に堆積させるスパッタ成膜装置において、
    デュアルマグネトロンターゲットを構成する一対のターゲットの両側に、前記ターゲットと前記基板との間に位置するようにシールドを配設するとともに、
    前記一対のターゲットの中間に、前記ターゲットと前記基板との間に位置するように中間シールドを配設し、
    前記シールドおよび中間シールドにより、スパッタ粒子の前記基板への最大入射角度を所望の角度に設定したことを特徴とするスパッタ成膜装置。
  2. 前記シールドおよび中間シールドは、導電性であって、電気的にグランドから略絶縁されて配設されていることを特徴とする請求項1に記載のスパッタ成膜装置。
  3. 前記中間シールドは、高融点金属からなることを特徴とする請求項1ないし2のいずれか1に記載のスパッタ成膜装置。
  4. 前記シールドおよび中間シールドは、表面にアルミの溶射処理を施した金属からなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載のスパッタ成膜装置。
  5. 前記中間シールドは絶縁性セラミックからなることを特徴とする請求項1に記載のスパッタ成膜装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1に記載のスパッタ成膜装置であって、基板を保持する回転可能な基板搬送装置を真空槽内に備え、前記基板搬送装置の外周部とその外側の前記真空槽との間の環状空間に、デュアルマグネトロンターゲットを備えて、スパッタリングによりターゲット材からなる超薄膜を前記基板搬送装置に保持された基板上に成膜させる少なくとも一つのスパッタ領域と、反応性ガスにより前記超薄膜を所望の化合物超薄膜に変換する少なくとも一つの反応領域とを設け、前記基板搬送装置を回転させて、前記基板搬送装置に保持された基板を前記スパッタ領域から前記反応領域に搬送して処理し、この工程を繰り返して所望の化合物薄膜を基板上に成膜することを特徴とするスパッタ成膜装置。
  7. 請求項6記載のスパッタ成膜装置を用いて、基板を搭載した基板搬送装置を回転しながらスパッタ領域において、スパッタリングによりデュアルマグネトロンターゲットのターゲット材からなる超薄膜を前記基板上に成膜し、次いで、反応領域において、前記超薄膜を所望の化合物超薄膜に変換し、この工程を繰り返して所望の化合物薄膜を基板上に成膜することを特徴とするスパッタ成膜方法。
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