JP2016065292A - スパッタリング装置および透明導電膜の形成方法 - Google Patents

スパッタリング装置および透明導電膜の形成方法 Download PDF

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淳介 松崎
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明久 高橋
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Abstract

【課題】可撓性基体の面内方向において、比抵抗が低く、かつ、そのバラツキも小さな透明導電膜を形成できるスパッタリング装置を提供する。【解決手段】長手方向に移動する可撓性基体Sに透明導電膜を形成するスパッタリング装置であって、前記基体を側断面視する方向において、該基体の被成膜面をなす一面に対向して設けられたターゲット10は、該ターゲットあたり複数のエロージョン部a、bを形成させる磁気回路12を備え、かつ、該ターゲットの複数のエロージョン部が、該基板の進行方向に沿って列ぶように配されており、スパッタ時において前記エロージョン部から出射される粒子の進行軌跡が、前記ターゲット表面の法線となす角度をθ(θa1、θa2、θb1、θb2)[deg]と定義した場合、遮蔽板15が、前記ターゲットと前記基体との間に配置され、かつ、何れの前記エロージョン部に対しても、前記θが65以下を満たす。【選択図】図2

Description

本発明は、タッチパネル用途の透明導電膜の製造に用いられるスパッタリング装置および透明導電膜の形成方法に係る。より詳細には、比抵抗が低く、かつ、そのバラツキも小さな透明導電膜の作製に好適な、スパッタリング装置および透明導電膜の形成方法に関する。
タッチパネル用途のセンサー部に使用される透明導電膜には、酸化インジウムに酸化スズを少量添加したITOが好適に用いられている。また、タッチパネル基材へのITOの堆積方法としては、スパッタリング法が主に用いられている。
タッチパネル用途の透明基材としては、ガラスの他に、PETやPCなどの樹脂系材料も使用されている。
従来、高透過率かつ低抵抗な特性が求められる透明導電膜は、200℃以上の高温プロセスにより形成されていた。ゆえに、このような高温プロセスに耐えられる、耐熱性と耐久性を兼ね備えたガラス上に形成され、タッチパネルセンサー用途に使用されていた。
ITOは文献などでも公知のように、成膜温度や後処理の温度が高いほど、低抵抗な膜質が得られやすいためである(たとえば、特許文献1)。
これに対し、樹脂系材料は耐熱性の問題はあるが、軽量化や大面積化という点においてはガラスに比べて優位であり、PETなどは比較的安価な材料でもあるため、ガラス同様に年々需要は増加傾向にある。従来のタッチパネルは、タッチパネルセンサーとは別にカラーフィルターを製作した後、両者を貼り合わせる工程により作製されていた。ゆえに、耐熱性の問題は回避することができた。
しかしながら、最近は、タッチパネルデバイスの更なる軽量化、薄膜化を実現させるために、これまでタッチパネルセンサーと別に製作して貼り合わせられていたカラーフィルターの上に直接、透明導電膜を堆積させる、インセル(オンセル)タイプの構造も開発されている。
このような構造のタッチパネルにおいても、従来と同様に、パネル面内の均一な視認性が求められることから、高透過率かつ低抵抗な特性を備えるとともに、それらの面内バラツキが小さな透明導電膜の製造技術(製造装置、製造方法)の開発が、継続する課題として挙げられる。
これに加えて、上記の特殊なタイプ(カラーフィルターの上に直接、透明導電膜を堆積するタイプ)においては、カラーフィルターの温度制約のため、低温プロセスによる透明導電膜の製造技術(製造装置、製造方法)の開発が、さらなる課題となっている。
たとえば、特許文献2には、ターゲット面から見て低い角度で出射されたスパッタ粒子のみを利用(基板側から見ると、斜め入射してくるスパッタ粒子を利用)して、透明性の高い透明導電膜を形成する方法が開示されている。すなわち、この方法では、ターゲットからスパッタ粒子が最も出射しやすい角度範囲を作為的に捨てることにより、透明導電膜の形成が行われる。ゆえに、特許文献2に開示された製造方法は、ターゲットの利用効率という観点から極めてコストパフォーマンスが低く、量産性に欠けている。
また、特許文献2の図1に示す装置構成では、1つのターゲットの利用効率を上げるために、スパッタ粒子の出射点(領域)である2箇所のエロージョンを各々、利用する構成を採用しているが、上記の角度規制を採るため、成膜室内の空間がターゲットの両サイドに必須となる。ゆえに、特許文献1の成膜装置は、フットプリント(設置面積)が広がり、装置の小型化が難しい。
特許文献3には、酸化亜鉛薄膜の成膜において酸素欠損に着目し、スパッタ粒子の基材への入射角度を工夫した成膜方法が開示されている。この方法は、ターゲットと基板との間に遮蔽板を設け、その遮蔽板から見てターゲットから遠ざかる方向に、回転体に支持された基板を配置するものである。ゆえに、遮蔽板の開口部の一部には、基板と離れて位置する部位が必ず発生するため、ターゲット側から見て、この部位の裏面側(基板と対向する側)に、ターゲット粒子の回り込みが生じ易い状況が生まれる。この回り込んで遮蔽板に付着した粒子は、付着強度が小さく遮蔽板から離脱し易いので、堆積中の被膜に取り込まれ、被膜が持つべき所望の特性を阻害する要因となる虞があった。したがって、特許文献2に開示された製造方法も、長時間、大量に成膜が行われる場合には、不具合の発生を回避することが難しく、量産には不向きである。
特許第3298055号公報 特開2001−123268号公報 特許第3718866号公報
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、可撓性基体の面内方向において、比抵抗が低く、かつ、そのバラツキが小さな透明導電膜を作製できる、スパッタリング装置および透明導電膜の形成方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載のスパッタリング装置は、長手方向に移動する可撓性基体に透明導電膜を形成するスパッタリング装置であって、前記基体を側断面視する方向において、該基体の被成膜面をなす一面に対向して設けられたターゲットは、該ターゲットあたり複数のエロージョン部を形成させる磁気回路を備え、かつ、該ターゲットの複数のエロージョン部が、該基板の進行方向に沿って列ぶように配されており、スパッタ時において前記エロージョン部から出射される粒子の進行軌跡が、前記ターゲット表面の法線となす角度をθ[deg]と定義した場合、遮蔽板が、前記ターゲットと前記基体との間に配置され、かつ、何れの前記エロージョン部に対しても、前記θが65以下(θ≦65)を満たすことを特徴とする。
本発明の請求項2に記載のスパッタリング装置は、請求項1において、前記基体を側断面視する方向において、前記開口部の縁をなす前記遮蔽板の端部と、前記基体の一面との離間距離[mm]が、10以下であることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載のスパッタリング装置は、請求項1又は2において、前記遮蔽板が、冷却手段を備えていることを特徴とする。
本発明の請求項4に記載のスパッタリング装置は、請求項1乃至3のいずれか一項において、前記基体を側断面視する方向において、前記ターゲットを2つ以上備え、各ターゲットごとに有する複数のエロージョン部が、該基板の進行方向に沿って列ぶように、それぞれのターゲットが配されていることを特徴とする。
本発明の請求項5に記載のスパッタリング装置は、請求項4において、前記基体と前記ターゲットとの間で、かつ、隣接するターゲット間に位置するように、第二の遮蔽板が配されていることを特徴とする。
本発明の請求項6に記載の透明導電膜の形成方法は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のスパッタリング装置を用い、長手方向に移動する可撓性基体に透明導電膜を形成する方法であって、スパッタ時において前記エロージョン部から出射される粒子の進行軌跡が前記ターゲット表面の法線となす角度をθ[deg]と定義した場合、前記遮蔽板及び/又は前記第二の遮蔽板の配置を、前記ターゲットと前記基体との間において、何れの前記エロージョン部に対しても、前記θが65以下(θ≦65)を満たすように調整することを特徴とする。
本発明は、ターゲットと基体との間に遮蔽板を配置して、スパッタ時に前記ターゲットのエロージョン部から出射される粒子の進行軌跡が、前記ターゲット表面の法線となす角度θ[deg]を65以下(θ≦65)となるように、前記ターゲットと前記基体との間に遮蔽板を配置することにより、基板の面内方向において、比抵抗が低く、かつ、そのバラツキも小さな透明導電膜を形成できるスパッタリング装置の提供に寄与する。
上記角度θの条件を満たしつつ、基体を移動させる手段をなす、回転体に支持された状態にある前記基体の一面が、前記遮蔽板に設けられた開口部から、前記ターゲット表面の方向に突出するように配置することが好ましい。これにより、遮蔽板の(ターゲット表面から見て)裏面側、すなわち遮蔽板の基体と対向する面側へのスパッタ粒子の回り込みを抑制することが可能となる。ゆえに、遮蔽板から付着物が離脱し、堆積中の被膜に影響を及ぼす問題も解消することができる。
本発明に係るスパッタリング装置の一例を示す断面図。 図1の装置を構成する成膜手段SPの一例を示す断面図。 図1の装置を構成する成膜手段SPの他の一例を示す断面図。 エロージョン部から出射される粒子の進行軌跡と遮蔽板との関係を示す断面図。 基体から遮蔽板までの距離Dと付着効率との関係を示すグラフ。 開口部の縁をなす遮蔽板の端部と基体の一面と関係を示す断面図。 昇温脱離ガス分析(TDS)の評価結果を示すグラフ。 図1の装置を構成するSP2室の他の一例を示す断面図。 図1の装置を構成するSP2室の他の一例を示す断面図。 ターゲットからの最大入射角度θと比抵抗との関係を示すグラフ。 移動手段の回転軸を視点として、基体と遮蔽板とターゲットが重なる方向を見た平面図。
以下、本発明に係るスパッタリング装置および透明導電膜の形成方法の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るスパッタリング装置の一例を示す模式的な断面図である。
本発明のスパッタリング装置100は、長手方向に移動する可撓性基体Sに透明導電膜を形成するために、少なくとも、巻出室101、前処理室102、成膜室103、巻取室104、を備えている。ただし、これら4室に加えて、たとえば、成膜室103の後段に成膜後の基体Sを冷却または後加熱するための後処理室102など、他のチャンバがあってもよい。
なお、本発明における可撓性基体Sとしては、たとえば、テープ状やシート状をなす可撓性の被処理体からなる場合、テープ状やシート状をなす可撓性の支持体とその上に配置された可撓性の被処理体との組合せからなる場合(ただし、この場合における「可撓性の被処理体」は、「可撓性の支持体」に載置されていればよく、その形状や配置などについて特に制限はない)、等が挙げられる。
図1において、110は基体Sの巻出手段、112は基体Sの巻取手段、111(MR)は成膜室103の内部に配置された基体Sの移動手段であり、何れの手段もローラー状の回転体が好適に用いられる。巻出手段110と移動手段111(MR)の中に示した矢印は各手段の回転方向を、基体Sに沿って示した矢印は基体Sの移動方向を、それぞれ表している。
なお、巻出手段110、移動手段111(MR)、巻取手段112の間には、複数の小径のローラーが配されており、基体Sは各ローラーを介して移動することにより、可撓性基体Sに適度な張力が加わった状態を保ちながら、可撓性基体Sはその長手方向に運搬されるように構成されている。いわゆる、基体Sは、巻出手段/巻取手段における張力制御(テンションコントロール)が成された状態とされる。
また、P1〜P4は順に、巻出室101、前処理室102、成膜室103、巻取室104の各室内を、所望の減圧雰囲気(真空度)とするための排気手段である。
図1の装置における前処理室102には、加熱手段Hが、複数のローラーにより支持され張力制御された状態で移動する基体Sを、所望の温度にて熱処理するように配置されている。
また、図1の装置における成膜室103には、成膜手段SPが、移動手段111(MR)によって支持された基体Sと対向するように配置されている。
図1の装置を構成する移動手段111(MR)には、それ自体の温度を制御できる機構が備わっており、成膜手段SPにおける成膜条件に合わせて、該成膜手段の前方を通過する基体Sの温度を制御することが可能とされている。
なお、図1には記載していないが、成膜手段が設けられた空間(成膜室とも呼ぶ)内には、スパッタガスとして用いるアルゴンガスと酸素ガスの導入手段が設けられている。
以下では、下地層として機能する酸化シリコン膜が予め被成膜面に形成されたものを基体Sとして用い、成膜手段SPにおいて、該酸化シリコン膜上にITOからなる透明導電膜を形成するものとして詳細に説明する。しかしながら、図1に示すような成膜手段が1つである構成に加えて、他の成膜手段を複数台さらに備えてもよい。他の成膜手段は、たとえば、下地膜として機能する酸化シリコン膜や、酸化ニオブ膜を形成するために利用される。
図2は、図1の装置を構成する成膜手段SPの一例を示す断面図であり、符号α1(α)により示す空間は、ターゲットを含む成膜手段SPと、移動する可撓性基体Sとの相対的な位置関係を表している。
成膜手段SPは、ターゲット10を載置するバッキングプレート11と、その背面に設けられた磁気回路12と、シールド部材13から構成されている。
シールド部材13は、ターゲット10の外周を囲むように配されており、バッキングプレート11のターゲット10の支持部(露呈部)がスパッタされるのを防止する。
ターゲット10は、透明導電膜(ITO)の母材であり、図2において紙面の奥行きに長手方向、紙面の左右方向に短手方向をなす長方形の板状部材である。
ターゲット10の裏面(図2では下面)側には、電力を伝達するバッキングプレート11が配されている。このバッキングプレート11のさらに裏面(図2では下面)側には、ターゲット表面にプラズマをトラップするために機能する磁気回路12が配置されている。本発明における磁気回路12は、固定されており、放電時に揺動しないタイプである。
磁気回路12から発生した磁力により、ターゲット10の表面には、少なくとも2箇所のエロージョン部a、bが生じるように、スパッタリングが行われる。図2は、2つのエロージョン部a、bが、ターゲットの短手方向(紙面の左右方向)において、磁気回路12により定められた所望の位置となる構成例である。
磁気回路12の回路構成によっては、エロージョン部は3つ以上となる場合もあるが、後述するところの本発明に係る遮蔽部材の配置とその効果は、エロージョン部の数に限定されるものではない。
ターゲット10、バッキングプレート11、及び磁気回路12からなるカソードの表面(ターゲット10の表面)に対する法線方向が、ローラー状の移動手段111(以下、MR、成膜ローラーとも呼ぶ)により裏面が支持された可撓性基体Sの成膜面を略垂直に貫くように、移動手段111は配置される。
つまり、基体Sを側断面視する方向(図2)において、基体Sの被成膜面をなす一面に対向して設けられたターゲット10は、ターゲットあたり複数のエロージョン部(図2では、2箇所のエロージョン部a、bを指す)を形成させる磁気回路12を備えている。そして、ターゲット10の複数のエロージョン部a,bは、基板Sの進行方向に沿って列ぶように配されている。
ターゲット10と基体Sを載置する移動手段111(MR、成膜ローラー)との間には、周囲への余計な着膜を防ぐために、チムニー14と遮蔽板15が配されている。チムニー14は主に、成膜空間をつくる成膜室の内側壁への着膜を防ぐ目的から設けられる。これに対して、遮蔽板15は、基体Sに対する着膜を局所的に制限する目的から設けられており、遮蔽板15の開口部において、基体Sの被成膜面が、ターゲット10の表面側から臨める構成とした。
この構成により、遮蔽板15の開口部を通過する基体Sには、スパッタ膜の形成が可能とされている。つまり、基体Sに対する成膜可能な領域は、遮蔽板15の開口部によって規制される。すなわち、スパッタ時においてエロージョン部a,bから出射される粒子の進行軌跡は、ターゲット10表面の法線となす角度をθ[deg]と定義した場合、遮蔽板15に設けた開口部の縁との関係から、4つの角度(θa1 、θa2、θb1、θb2)が規定される。
本発明者らは、後述する実験により、何れのエロージョン部a,bに対しても、θ≦65を満たすことにより、比抵抗が低く、かつ、そのバラツキも小さな透明導電膜を形成できることを見出した。
以下では、本発明におけるエロージョン部a,bと上記の角度θについて補足説明する。
ターゲット10の表面と平行な方向をx軸方向として、x軸に垂直な方向をy軸とした場合、ターゲット10の背面に設ける磁気回路12の構造にもよるが、ターゲット10表面の最もプラズマ密度が高い点(エロージョン部a,bに相当する)は、ターゲット10表面における磁束密度のx軸成分が最大となる点とほぼ同等であるため、ターゲット表面の磁束密度のx成分が最も高い点から基体方向を見たときの最大入射角度θで、遮蔽板15の開口部の配置を規定している。
また、後述する、図4に示すようなターゲットと基体までの間に障害物がある場合においても、前述のとおり、ターゲット10表面上の磁束密度のx成分が最大の点から基体方向を見て、最も入射角度が大きい角度をθと規定する。
上記角度θの条件を満たしつつ、基体Sの長手方向における開口部を通して、スパッタ粒子が直進して到達する領域について、本発明者らは詳細に検討した。
図2において、基体S1(S)は、被成膜面が、遮蔽板15の裏面(図2では上面)と面一をなすように配された場合である。一方、基体S2(S)は、被成膜面が、ターゲット10の表面から見て、遮蔽板15の裏面(図2では上面)より奥行き方向(図2では上方、点線矢印の方向)に引っ込んで配された場合である。
前者より後者は、基体Sの長手方向における成膜領域が広がり(DL21<DL22)、1通過あたりの膜厚を稼ぐことができる反面、遮蔽板15の裏面と基体Sの被成膜面との離間距離が広がり、遮蔽板の(ターゲット表面から見て)裏面側、すなわち遮蔽板の基体と対向する面側にスパッタ粒子の回り込みが発生し易くなる。ゆえに、遮蔽板から付着物が離脱し、堆積中の被膜に影響を及ぼすことを勘案すると、後者より前者の構成とした方が好ましいことが分かった。
さらに、図2の構成に比べて、広い成膜空間が確保できるとともに、スパッタ粒子の回り込みも解消できる構成について検討した結果、本発明者らは図3の構成を見出した。
図3は、図1の装置を構成する成膜手段SPの他の一例を示す断面図であり、符号α2(α)により示す空間は、ターゲットを含む成膜手段SPと、移動する可撓性基体Sとの相対的な位置関係を表している。
図3の基体S3(S)は、基体を側断面視する方向において、回転体MR3に支持された状態にある基体S3(S)の一面(被成膜面)が、遮蔽板15に設けられた開口部から、ターゲット10表面の方向(点線矢印の方向)に突出して配されている場合である。図3の構成によれば、図2に示した基体S1(S)より、更に遮蔽板15の裏面と基体Sの被成膜面との離間距離を狭めることが可能となるので、遮蔽板15の裏側に対するスパッタ粒子の回り込み(15B)を更に低減できる。その結果、遮蔽板15からの付着物の離脱、堆積中の被膜への影響(S3B)を著しく抑制できることが明らかとなった。
上記角度θの条件を満たしつつ、図3の構成を実現するためには、たとえば、ターゲット10表面と遮蔽板15との距離を長く設定すればよい。図3の構成によれば、基体S3(S)の長手方向における成膜領域も拡大する(DL3)ことから、1通過あたりの膜厚を増加させることが可能となる利点もある。
図4は、ターゲット表面のエロージョン部a,bから出射される粒子の進行軌跡と遮蔽板との関係を示す断面図である。一方のエロージョン部aから出射される粒子の角度θa2が一定の角度を保ちつつ、ターゲット表面と遮蔽板との距離を変更した場合を、図4は表している。遮蔽板15b1が最もターゲット表面に接近した場合であり、その距離が離れる順番に、遮蔽板15b2、遮蔽板15b3、遮蔽板15b4と表記した。
その際に、他方のエロージョン部bから出射される粒子の角度θb2は、遮蔽板15の位置に大きく影響を受ける。
最もターゲット表面に接近した位置にある遮蔽板15b1の場合、他方のエロージョン部bから出射される粒子の角度はθb21(θb2)となり、スパッタ粒子は基体Sの方向には進行することができず、成膜には全く寄与しない。ゆえに、遮蔽板15b1の場合には、成膜速度が半減することから、実用的ではない。しかしながら、その距離が離れるように配置(遮蔽板15b2→遮蔽板15b3→遮蔽板15b4)することにより、他方のエロージョン部bから出射される粒子の角度θb21(θb2)は大きくなり、基体Sの方向には進行するスパッタ粒子の量が急増することが、図4から読み取れる。これより、遮蔽板15bは、できるだけターゲット表面から離した位置に設けた方がよいと考察した。
図5は、基体から遮蔽板までの距離Dと付着効率との関係を示すグラフである。図4の考察を、シミュレーションにより確認した結果が図5である。図5より、基体から遮蔽板までの距離Dが近づくほど、付着効率が増加することが明らかとなった。この結果から、遮蔽板は可能な限り、基体の近くに配置する方が好ましいことが確認された。
図1〜図5に基づき説明した各構成を踏まえ、ITOからなる透明導電膜を作製した結果、後述するように、遮蔽板を設けることによる角度制限の効果が確認された。すなわち、基体とターゲットとの間に遮蔽板を設けて、所望の角度範囲内を通過したスパッタ粒子のみを用いて成膜することにより、比抵抗が低く、かつ、そのバラツキも小さい透明導電膜が得られることが分かった。
ここで、図2、図3において、基体Sと、開口部の縁をなす遮蔽板15の端部付近との位置関係を図6に示す。
図6は、開口部の縁をなす遮蔽板15の端部と、移動手段MR11(111)に載置された基体Sの一面(被成膜面)との関係を示す断面図である。
図6に示すように、基体Sを側断面視する方向において、開口部の縁をなす遮蔽板15の端部と、基体Sの一面との離間距離[mm]を10以下に設定したとき、遮蔽板15の裏側に対するスパッタ粒子の回り込み(15B)の低減効果が高いことが分かった。この条件を満たすことにより、遮蔽板15からの付着物の離脱、堆積中の被膜への影響(S3B)を著しく抑制できる。
図6において、C1、C2(C)は遮蔽板15に設けた冷却手段である。
冷却手段C1(C)は遮蔽板15に内在させた構成例であり、たとえば板厚方向に分割された部位15a、15bの間に配設される。これにより、冷却手段C1(C)は着膜から完全に隔離されているので、遮蔽板15の冷却効果は長期に安定したものとなる。
冷却手段C2(C)は遮蔽板15の裏面(基体Sと対向する面)に配された構成例である。これにより、冷却手段C1(C)は遮蔽板15の影に位置するので、着膜からほぼ隔離され、遮蔽板15の冷却効果は安定したものとなる。
何れの冷却手段C1、C2(C)であっても、遮蔽板15が基体Sの近傍に位置することで、基体Sの温度上昇の抑制効果が期待できる。すなわち、遮蔽板15を冷却することで、遮蔽板15自体がスパッタ面から入熱を受けることにより温度が上昇することを抑制することができ、ひいては、遮蔽板15と対面する基体Sへの輻射熱の入熱が抑制できるので、基体Sの温度上昇を抑制することが可能となる。
このように、遮蔽板15を設けるのみでも基体Sへのスパッタ面からの入熱を抑制する(遮蔽する)効果があるが、さらに冷却手段を設けることで、より一層の基体Sへの入熱の抑制効果を期待することができる。
図6に示される冷却手段を備えた遮蔽板を用いる利点は、この遮蔽板を使用して成膜した透明導電膜の抵抗値においても、その効果が現れる。
従来、透明導電膜において、膜形成時の成膜空間に存在する水分の膜中への取り込みにより、透明導電膜の抵抗値が劣化する(増大する、ばらつく)という問題があった。特に、基体としてPET等の樹脂シート体を用いる場合には、成膜時のスパッタ面(ターゲット表面)からの入熱によって基体から放出される水分により、透明導電膜の抵抗値が劣化するという問題が顕著であった(たとえば、特許文献3)。
ここで、図7に示すのは、後述する(実験例1)で使用したものと同じ、可撓性基体から放出される水分の分圧を、昇温脱離ガス分析(TDS:Thermal Desorption Spectroscopy )により測定した結果を示すグラフである。使用するサンプルとしては、可撓性基体を30cm角の小片にカットし、測定用の真空槽内に設置して、これより放出されるガスの分析を行った。
その結果、120℃までサンプルを昇温させたとき、サンプルより放出されたガス種の7割以上が水であることが分かった。さらに、図7に示すように、TDS評価時のサンプル(基体)の温度と水分圧との関係を見ると、基体の温度が上がるにつれて、基体からの水放出が多くなることが確認できた。また、基体の温度が40℃を超えたあたりから、水分圧が徐々に上昇する傾向も確認された。これらの実験結果より、基体の温度を低く保つことが(図7の結果からは40℃以下)、基体からの水分放出の抑制に繋がることが明らかとなった。
すなわち、透明導電膜の低抵抗化を実現するために、基体を低温に保つことが有効である。この効果を実現するため、本発明では遮蔽板に冷却手段を設けた。これにより、たとえ遮蔽板がスパッタ面に直接対面する構成であっても、遮蔽板が受けた熱をそのまま基体に伝えることがなく、基体の温度上昇を抑制することが可能である。この結果、基体からの水分放出が抑制されるので、形成される透明導電膜の低抵抗化が期待できる。
さらに、基体自体への入熱が減ることにより、加熱により樹脂シート等の基体にシワが生じる問題も解消することができる。
図8は、図1の装置を構成する成膜手段SPの他の一例を示す断面図であり、符号α5(α)により示す空間は、ターゲットを含む成膜手段SPと、移動する可撓性基体Sとの相対的な位置関係を表している。
基体Sを側断面視する方向において、図12の構成例は、以下の3点が特に図2の構成例と異なっている。
(A1)ターゲットを含む成膜手段SPが、2セット(SPA、SPB)あり、1つの平面上に並列に配されている。
(A2)2セット(SPA、SPB)ある成膜手段SPの間に、第二の遮蔽板17が配されている。
(A3)遮蔽板15の開口部の縁が、基体Sの近傍に位置するように配されている。
上記(A1)〜(A3)により、図8の構成例では、2セット(SPA、SPB)のターゲット10を用いて成膜が可能となり、図2や図3の構成例と比較して広域に亘る成膜領域DL12を利用することができる。ゆえに、1通過あたりの膜厚を更に増加させることが可能となる利点がある。
遮蔽板15に加えて、2セット(SPA、SPB)ある成膜手段SPの間に配置された第二の遮蔽板17を配し、この配置条件(ターゲット表面に対する遮蔽板の高さや遮蔽板の幅)を調整することにより、角度θを制御可能とした。第二の遮蔽板17は基体12S(S)の近傍に配置する(二点鎖線の位置より実線で示す位置に第二の遮蔽板17を配置する)ほど、第二の遮蔽板17はコンパクト化が図れるとともに、スパッタ粒子の回り込みを防ぐ能力も高まる。さらに、第二の遮蔽板17に図6に示される冷却手段を備える場合には、成膜領域の間においても、基体への入熱抑制の効果が期待できる。
また、図8の構成例においては、2セット(SPA、SPB)のターゲット10の間に、中間板16を配置することが好ましい。これにより、2つの成膜手段(SPA、SPB)のうち一方の成膜手段SPのエロージョン部(たとえば、図8においてSPAのターゲット10のエロージョン部(黒丸で示す)から、他方の成膜手段SP(たとえば、図8においてSPB)の上方に位置する遮蔽板の開口部を抜けて、基体S12(S)に達するスパッタ粒子を遮蔽することが可能となる。つまり、2セット(SPA、SPB)のターゲット10の間に配置した中間板16は、本発明の角度θを規制するために機能する。
したがって、図8の構成例によれば、図2や図3の構成例と同様の作用・効果に加えて、1通過あたりの膜厚を大幅に増やすことができるとともに、成膜領域DL12内における低温成膜も維持することが可能な、量産性に優れたスパッタリング装置の提供が可能となる。
図9は、図1の装置を構成する成膜手段SPの他の一例を示す断面図であり、符号α4(α)により示す空間は、ターゲットを含む成膜手段SPと、移動する可撓性基体Sとの相対的な位置関係を表している。
基体Sを側断面視する方向において、図9の構成例は、以下の3点が特に図2の構成例と異なっている。
(B1)ターゲットを含む成膜手段SPが、2セット(SPA、SPB)あり、各ターゲット表面に対する法線が、移動手段MR10(111)に載置された基体Sの表面に略垂直に入射するように、列んで配されている。
(B2)2セット(SPA、SPB)ある成膜手段SPの間に、第二の遮蔽板17とともに、中間板16も配されている。
(B3)遮蔽板15(15A、15B)および第二の遮蔽板17は、チムニー14(14A、14B)とは別体をなしており、基体Sの近傍に、基体Sに沿うように配されている。
上記(B1)〜(B3)により、図9の構成例では、2セット(SPA、SPB)のターゲット10を用いて成膜が可能となり、図2や図3の構成例と比較して広域に亘る成膜領域DL9を利用することができる。ゆえに、1通過あたりの膜厚を更に増加させることが可能となる利点がある。
さらに、図9の構成例においては、それぞれのターゲット表面の法線方向が、移動手段MR10(111)の回転中心を向くように、2セット(SPA、SPB)のターゲット10を配置した。これにより、各ターゲットの表面と、移動手段MR10(111)に載置された基体S10(S)の被成膜面とが、各開口部(DL101、DL102)を通過する際に、略平行に対面する構成となる。その結果、前述した図8の構成に比べて、図9の構成は、飛散量の多い、入射角度の浅い(上記θで説明すると角度が小さい)スパッタ成分が多く基体に入射可能となるので、成膜速度および付着効率の更なる増加が図れる。
図9の構成例において、図8と同様、遮蔽板15、第二の遮蔽板17を設けることにより、図2や図3の構成例と同様に、上述した角度θの条件を満足させることができる。
さらに、図8と同様、2つの成膜手段SPの間に中間板16を配することにより、2つの成膜手段SPのうち一方の成膜手段SPのエロージョン部から、他方の成膜手段SPの遮蔽板の開口部を抜けて基体に達するスパッタ粒子を遮蔽することができる。
また、図9の構成例のように、遮蔽板15および第二の遮蔽板17を、移動手段MR10(および基体S10)の曲面に倣って(曲率に合せて)配することにより、遮蔽板15および第二の遮蔽板17に冷却手段を設けた場合の基体への入熱の抑制効果や、スパッタ粒子の遮蔽板裏側への回り込み低減効果を、さらに高めることができる。このような、移動手段の曲面に倣った遮蔽板の配置は、図8の構成へも展開可能である。
したがって、図9の構成例によれば、図2や図3の構成例と同様の作用・効果に加えて、1通過あたりの膜厚をさらに増加させることができるとともに、図8の構成例に比べても、さらなる付着効率の増加が可能となる。また、基体への入熱を抑制する効果と、スパッタ粒子の回り込み低減の効果も期待できるため、図8の構成例と同様な優れた量産性を備えるとともに、図8の構成例より比抵抗のバラツキの少ない透明導電膜を形成できるスパッタリング装置の提供が可能となる。
図11は、移動手段MR(111)の回転軸を視点として、基体Sと遮蔽板15とターゲット10が重なる方向を見た平面図である。図11に示した矢印Jの方向が、図2における紙面奥行き方向に相当する。
遮蔽板15には開口部15Eが設けられており、開口部15Eの長手方向DLを基体Sが通過する際に、ターゲット10から出射されたスパッタ粒子が着膜することにより、矢印Kの方向に移動する基体Sの被成膜面に透明導電膜が形成される。すなわち、開口部15Eにおいて、ターゲット10のエロージョン部(のストレート部分)a、bを縦断するようにターゲット10の上空を、基体Sは通過する。
その際に、基体Sの幅方向の側面は、遮蔽板15の開口部15Eの短手方向DW内に収まるように配されている。遮蔽板15が前述の冷却手段を備える構成とされていれば、基体Sはその幅方向の側面においても、遮蔽板15が備える冷却手段の作用を受けて、局所的な冷却効果により、低温成膜が保たれる。
したがって、図11に示すような遮蔽板15を有するスパッタリング装置においては、基体Sは、開口部15Eの領域でスパッタ粒子に晒されるが、その側面方向から遮蔽板15が備えた冷却手段により、常時温度制御された状態とすることが可能となる。
なお、遮蔽板15の開口部15Eは、図11に示すように、一体をなす遮蔽板15に作製されても良いし、矩形部材等の組み合わせにより構成されても良い。
(実験例)
以下では、ITOからなる透明導電膜を形成する際のスパッタ粒子の入射角度と、形成されたITOの比抵抗との関係を調べた実験結果について説明する。
予め酸化シリコンが形成された可撓性基体Sを用い、前記酸化シリコン上にITOからなる透明導電膜を形成した。その際、酸化シリコンの膜厚は5〜10nm、透明導電膜の膜厚は20〜25nmとした。基体Sとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂からなる部材を用いた。
移動手段MRの設定温度は、基体Sからの水の放出を低減するために、−10〜+40℃となるように制御した。
スパッタガスとしては、アルゴンと酸素を用いた。放電時に成膜室に導入したアルゴンガスの流量は700sccmであり、成膜室内の圧力は絶対圧力計による測定値で約0.3Paとした。酸素ガスについては、各条件によって最適化を図った。
透明導電膜を形成する際に、ITOターゲットに印加した投入電力(単位面積あたり)は2.0〜3.5[W/cm]とした。
基体上に成膜された直後のITO膜質はアモルファスだが、大気雰囲気中において熱処理(150℃、60分間)を施した後のITO膜のシート抵抗を評価した。
本実験例では、前述した遮蔽板の開口部を調整することにより、基体へのスパッタ粒子の最大入射角度θ[deg]を、43、65、71、74の4条件として形成したITO膜について評価した。
図10は、ターゲットからの最大入射角度θと比抵抗との関係を示すグラフである。前述した図2に示した基体S1(S)の配置構成、すなわち、ターゲット10と基体Sとの間に遮蔽板15を配するとともに、遮蔽板15に設けた開口部において、基体Sの被成膜面が、ターゲット10の表面側から臨める構成において、ターゲットからの最大入射角度θを変更して、ITOからなる透明導電膜を作製した。
ここで、「ターゲットからの最大入射角度θ」とは、スパッタ時においてエロージョン部a,bから出射される粒子の進行軌跡が、ターゲット10表面の法線となす角度をθ[deg]と定義した場合、遮蔽板15に設けた開口部の縁との関係から規定される、4つの角度(θa1 、θa2、θb1、θb2)のうち、最大値をとる角度を指す。
図10より、以下の点が明らかとなった。
(C1)最大入射角度θ[deg]が70を越えると、比抵抗が増大するとともに、そのバラツキも大きくなる。
(C2)最大入射角度θ[deg]を65以下(θ≦65)に設定することにより、70を超える(θ>70)場合より比抵抗の低い(300〜400[μΩ・cm])ITO膜が得られる。また、その比抵抗のバラツキも、極めて小さな範囲に収まることが分かった。
上記(C1)、(C2)の結果から、本発明に係るスパッタリング装置によれば、長手方向に移動する可撓性基体に対して、基体の長手方向における位置に依存することなく、比抵抗の低い透明導電膜を形成できることが確認された。
したがって、本発明によれば、可撓性基体に対して、比抵抗が低く、かつ、そのバラツキも小さな透明導電膜を安定して作製できる、スパッタリング装置の提供が可能となる。
本発明に係るスパッタリング装置および透明導電膜の形成方法は、タッチパネル用途の透明導電膜の製造に広く適用可能である。このようなスパッタリング装置および透明導電膜の形成方法は、タッチパネル以外にも、太陽電池や各種表示装置などに好適に用いられる。
a,b エロージョン部、S 可撓性基体、θ(θa1 、θa2、θb1、θb2) スパッタ粒子の進行軌跡がターゲット表面の法線となす角度、10 ターゲット、12 磁気回路、15 遮蔽板。

Claims (6)

  1. 長手方向に移動する可撓性基体に透明導電膜を形成するスパッタリング装置であって、
    前記基体を側断面視する方向において、該基体の被成膜面をなす一面に対向して設けられたターゲットは、該ターゲットあたり複数のエロージョン部を形成させる磁気回路を備え、かつ、該ターゲットの複数のエロージョン部が、該基板の進行方向に沿って列ぶように配されており、
    スパッタ時において前記エロージョン部から出射される粒子の進行軌跡が、前記ターゲット表面の法線となす角度をθ[deg]と定義した場合、遮蔽板が、前記ターゲットと前記基体との間に配置され、かつ、何れの前記エロージョン部に対しても、前記θが65以下を満たすことを特徴とするスパッタリング装置。
  2. 前記基体を側断面視する方向において、前記開口部の縁をなす前記遮蔽板の端部と、前記基体の一面との離間距離[mm]が、10以下であることを特徴とする請求項1に記載のスパッタリング装置。
  3. 前記遮蔽板が、冷却手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスパッタリング装置。
  4. 前記基体を側断面視する方向において、前記ターゲットを2つ以上備え、各ターゲットごとに有する複数のエロージョン部が、該基板の進行方向に沿って列ぶように、それぞれのターゲットが配されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のスパッタリング装置。
  5. 前記基体と前記ターゲットとの間で、かつ、隣接するターゲット間に位置するように、第二の遮蔽板が配されていることを特徴とする請求項4に記載のスパッタリング装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のスパッタリング装置を用い、長手方向に移動する可撓性基体に透明導電膜を形成する方法であって、
    スパッタ時において前記エロージョン部から出射される粒子の進行軌跡が、前記ターゲット表面の法線となす角度をθ[deg]と定義した場合、前記遮蔽板及び/又は前記第二の遮蔽板の配置を、前記ターゲットと前記基体との間において、何れの前記エロージョン部に対しても、前記θが65以下を満たすように調整することを特徴とする透明導電膜の形成方法。
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