JP2010018830A - スパッタ装置 - Google Patents

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剛貴 鈴木
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幸喜 千葉
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Abstract

【課題】成膜室を大気に開放させることなく、遮蔽板を交換することができるスパッタ装置を提供する。
【解決手段】真空容器11に備えられた成膜室11Aの内部でターゲットのスパッタ物質を基板上に付着させるスパッタ装置1であって、ターゲットと基板の間にターゲットと対向して配置され、基板に付着させるスパッタ物質の厚み分布を制御する遮蔽板36と、真空容器11に備えられ、成膜室11Aに対してゲートバルブ11dを介して連通する遮蔽板切替室11Cと、成膜室11A内のターゲット及び基板間との間で、遮蔽板36を移動させる移動手段100,100a,100b,102a,102b,200,300,302,304,306,308,400とを有するスパッタ装置1。
【選択図】図7

Description

この発明は、スパッタ装置に関する。
スパッタリングターゲットと、成膜対象としての基板を保持するための基板ホルダとの間に、前記基板に形成する薄膜に所望の膜厚分布を与える遮蔽板を、真空容器の内部に固定して設けたスパッタ装置が知られている(特許文献1)。
特開2005−264250号公報
ところで、この種の遮蔽板は、例えば異なる膜厚分布の薄膜形成を望むときには、別の遮蔽板に取り換える必要がある。また、遮蔽板にスパッタ物質が堆積することによる性能の低下等を回避するときにも、その遮蔽板を定期的又は必要に応じて交換する必要がある。このような場合の交換方法としては、基板への成膜処理を一度終了させ、成膜室を大気に開放し、その大気開放状態で成膜室における保守用の扉を介して遮蔽板を交換する方法が考えられる。
しかしながら、この方法では、遮蔽板の交換の都度、成膜室を大気に開放せねばならない。成膜室が一旦大気に開放され、遮蔽板を交換した後に、再度成膜室を真空状態にして基板へ成膜する場合、成膜室の真空状態や温度等の成膜条件がそれまでの条件から変化するとともに、交換された遮蔽板により大気中の不純物が成膜室内に持ち込まれるおそれが高く、成膜品質が低下するという問題があった。
発明が解決しようとする課題は、成膜室を大気に開放させることなく、遮蔽板などの膜厚分布を制御する手段を交換することができるスパッタ装置を提供することである。
この発明は、真空容器(11)に備えられた成膜室(11A)の内部に配置されるターゲット(29a,29b)と基板(S)の間にターゲット(29a,29b)と対向して配置され、基板(S)に付着させるスパッタ物質の厚み分布を制御するための厚み分布制御板(36)と、成膜室(11A)に対してゲートバルブ(11d)を介して連通するロードロック室(11C)と、成膜室(11A)内のターゲット(29a,29b)及び基板(S)間との間で、厚み分布制御板(36)を移動させる移動手段(100,100a,100b,102a,102b,200,300,302,304,306,308,400)とを、有するスパッタ装置(1)によって上記課題を解決する。なお、上記解決手段では、発明の実施形態を示す図面に対応する符号を付して説明するが、この符号は発明の理解を容易にするためだけのものであって発明を限定する趣旨ではない。
上記発明によれば、移動手段によって厚み分布制御板を成膜室からロードロック室に移動させ、ゲートバルブを閉じ、その後ロードロック室を開放することができるので、成膜室を大気に開放させないで、厚み分布制御板を交換することが可能となる。その結果、厚み分布制御板の交換後も、成膜室の真空状態や温度等の成膜条件が変わらず、成膜品質が低下することがない。
以下、図面を参照しつつ、発明の実施形態について説明する。
図1〜図3に示すように、本実施形態のスパッタ装置1は、真空容器11を有する。真空容器11は、公知のスパッタ装置で通常用いられるようなステンレス製で、略直方体形状を備える中空体である。真空容器11の内部は、扉11b及びゲートバルブ11dによって、成膜室11A、基板切替室11B(第2のロードロック室)及び遮蔽板切替室11C(ロードロック室)に分けられている。扉11bは、真空容器11の上方に形成された扉収納室(不図示)の内部と、真空容器11の内部との間でスライドすることで開閉する。ゲートバルブ11dは、成膜室11Aと遮蔽板切替室11Cとの間に形成された扉収納室112の内部と、真空容器11の内部との間でスライドすることで開閉する。真空容器11には、基板切替室11Bと真空容器11の外部とを仕切る扉11cが設けられており、さらに遮蔽板切替室11Cと真空容器11の外部とを仕切る扉11eが設けられている。扉11c及び扉11eは、スライドまたは回動することで開閉する。
成膜室11A、基板切替室11B及び遮蔽板切替室11Cには、排気用の配管15a,15a’,15a”(排気手段)がそれぞれ接続され、これらの各配管15a,15a’,15a”には、真空容器11内を排気するための真空ポンプ15,15’,15”(排気手段)がそれぞれ接続されている。
真空容器11の内部には、基板ホルダ13が配置されている。基板ホルダ13の形状は例えば円筒状であり、その外周面に複数の基板S(図4参照)を保持する。基板ホルダ13は、円筒の筒方向の中心軸線Z(図2参照)が真空容器11の上下方向になるように真空容器11内に配設される。
基板ホルダ13は、真空容器11内の真空状態を維持した状態で、真空容器11の上部に設けられた、基板ホルダ13を回転させるためのモータ17を駆動させることによって、中心軸線Zを中心に回転する。
図4に示すように、基板ホルダ13の外周面には、多数の基板Sが、基板ホルダ13の中心軸線Zに沿った方向(上下方向)に所定間隔を保ちながら整列させた状態で保持される(図4の上下方向が、スパッタ装置1の上下方向(中心軸線Zの方向))。本実施形態では、基板の薄膜を形成させる面(以下「膜形成面」という)が、基板ホルダ13の中心軸線Zと垂直な方向を向くように、基板Sが基板保持具13aによって基板ホルダ13の外周面に保持されている。基板保持具13aには基板Sが収納される凹部13bが設けられている。凹部13bは上下方向に形成されている。本実施形態では、一列に2つの凹部13bを備えるが、この数は基板Sの大きさや、基板ホルダ13の大きさに等によって変更される。
基板Sは、チャック部(不図示)で挟持された状態で基板保持具13aの凹部13bに保持される。チャック部としてはネジや、板ばね等が用いられる。基板Sは、基板ホルダ13が回転することで、中心軸線Zを公転軸として公転する。
図1〜図3に戻り、基板ホルダ13は、成膜室11Aと基板切替室11Bの間を移動できるように構成されている。本実施形態では、真空容器11の底面にレール(不図示)が設置されており、基板ホルダ13は、このレールに導かれて移動する。基板ホルダ13は、成膜中は成膜室11Aの位置でロックされ、成膜前に基板Sを基板ホルダ13に取り付けるときや、成膜後に基板ホルダ13から基板Sを取り外すときに基板切替室11Bの位置で固定される。
真空容器11の内壁面には、仕切壁12,16が立設されている。仕切壁12,16は、真空容器11と同じステンレス製の部材である。仕切壁12,16は、真空容器11の内壁面から基板ホルダ13へ向けて、四方を囲んだ状態で設けられている。これにより、真空容器11の内壁面,仕切壁12,基板ホルダ13の外周面に囲繞されて、成膜プロセスゾーン20が形成される。また、真空容器11の内壁面,プラズマ発生手段80,仕切壁16,基板ホルダ13の外周面に囲繞されて、反応プロセスゾーン60が形成される。
成膜プロセスゾーン20は、スパッタを行って基板S上に薄膜を形成(スパッタ物質を付着)するための領域である。成膜プロセスゾーン20には、基板ホルダ13の外周面に対向するように、真空容器11の壁面にマグネトロンスパッタ電極21a,21bが配置されている。このマグネトロンスパッタ電極21a,21bは、不図示の絶縁部材を介して接地電位にある真空容器11に固定されている。マグネトロンスパッタ電極21a,21bは、トランス24を介して、交流電源23に接続され、交番電界が印加可能に構成されている。マグネトロンスパッタ電極21a,21bには、ターゲット29a,29bが保持される。ターゲット29a,29bの形状は平板状であり、ターゲット29a,29bの基板ホルダ13の外周面と対向する面が、基板ホルダ13の中心軸線Zと垂直な方向を向くように保持される。
成膜プロセスゾーン20には、マスフローコントローラ25,27が、配管を介して連結されている。マスフローコントローラ25は、不活性ガス(例えばアルゴンガス)を貯留するスパッタガスボンベ26に接続されている。マスフローコントローラ27は、反応性ガスを貯留する反応性ガスボンベ28に接続されている。不活性ガスや反応性ガスは、マスフローコントローラ25,27で流量を制御されて、配管を通して成膜プロセスゾーン20に導入される。反応性ガスとしては、例えば酸素ガス,窒素ガス,弗素ガス,オゾンガス等が考えられる。
反応プロセスゾーン60は、成膜プロセスゾーン20とは異なる領域に形成される。反応プロセスゾーン60は成膜プロセスゾーン20が形成された位置から、基板ホルダ13の回転軸を中心に円周上に約90度回転した位置に形成されるように、仕切壁16が真空容器11に設けられている。モータ17によって基板ホルダ13が回転させられると、基板ホルダ13の外周面に保持された基板Sが公転して、成膜プロセスゾーン20に面する位置と、反応プロセスゾーン60に面する位置との間を移動することになる。そして、このように、基板Sが公転することで、ターゲット29a,29bに対して相対的に移動することになる。
反応プロセスゾーン60は、プラズマを発生させて基板S上の薄膜に対してプラズマ処理を行うための領域である。
反応プロセスゾーン60に対応する真空容器11の壁面には、プラズマ発生手段80を設置するための開口11aが形成されている。反応プロセスゾーン60には、マスフローコントローラ65を介して不活性ガスボンベ66内の不活性ガスを導入するための配管や、マスフローコントローラ67を介して反応性ガスボンベ68内の反応性ガスを導入するための配管が接続されている。
仕切壁16の反応プロセスゾーン60に面する壁面には、熱分解窒化硼素(PBN)からなる保護層Pが被覆されている。さらに、真空容器11の内壁面の反応プロセスゾーン60に面する部分にも熱分解窒化硼素からなる保護層Pが被覆されている。熱分解窒化硼素は、化学的気相成長法(CVD)を利用した熱分解法によって仕切壁16や真空容器11の内壁面へ被覆される。
プラズマ発生手段80は、反応プロセスゾーン60に面して設けられており、例えば、ケース体、誘電体板83、固定枠、アンテナ85a,85b、固定具、配管15a及び真空ポンプ15を含んで構成することができる。
ケース体は、真空容器11の壁面に形成された開口11aを塞ぐ形状を備え、ボルト(不図示)で真空容器11の開口11aを塞ぐように固定されている。ケース体が真空容器11の壁面に固定されることで、プラズマ発生手段80は真空容器11に接続されている。誘電体板83は、板状の誘電体で形成されている。固定枠は、ケース体に誘電体板83を固定するために用いられるもので、ロの字形状を備えた枠体である。固定枠とケース体がボルト(不図示)で連結されることで、固定枠とケース体の間に誘電体板83が挟持され、これにより誘電体板83がケース体に固定される。誘電体板83がケース体に固定されることで、ケース体と誘電体板83によってアンテナ収容室80Aが形成されている。
ケース体に固定された誘電体板83は、開口11aを介して真空容器11の内部(反応プロセスゾーン60)に臨んで設けられている。このとき、アンテナ収容室80Aは、真空容器11の内部と分離している。すなわち、アンテナ収容室80Aと真空容器11の内部とは、誘電体板83で仕切られた状態で独立した空間を形成している。また、アンテナ収容室80Aと真空容器11の外部は、ケース体で仕切られた状態で独立の空間を形成している。本実施形態では、独立の空間として形成されたアンテナ収容室80Aの中に、アンテナ85a,85bが設置されている。
本実施形態では、アンテナ収容室80Aの内部を排気して真空状態にするために、アンテナ収容室80Aに排気用の配管15aが接続されている。配管15aには、真空ポンプ15が接続されている。配管15aは真空容器11の内部へも連通している。配管15aには、真空ポンプ15から真空容器11の内部に連通する位置にバルブV1、V2が設けられている。また、配管15aには、真空ポンプ15からアンテナ収容室80Aの内部に連通する位置にバルブV1、V3が設けられている。バルブV2,V3のいずれかを閉じることで、アンテナ収容室80Aの内部と真空容器11の内部との間での気体の移動は阻止される。真空容器11の内部の圧力や、アンテナ収容室80Aの内部の圧力は、真空計(不図示)で測定される。
本実施形態では、スパッタ装置1に制御装置(不図示)を備えている。この制御装置には、真空計の出力が入力される。制御装置は、入力された真空計の測定値に基づいて、真空ポンプ15による排気を制御して、真空容器11の内部やアンテナ収容室80Aの内部の真空度を調整する機能を備える。本実施形態では、制御装置がバルブV1,V2,V3の開閉を制御することで、真空容器11の内部とアンテナ収容室80Aの内部を同時に、又は独立して排気できる。
アンテナ85aとアンテナ85bは、高周波電源89から電力の供給を受けて、真空容器11の内部(反応プロセスゾーン60)に誘導電界を発生させ、プラズマを発生させるためのものである。本実施形態のアンテナ85a,85bは、銅で形成された円管状の本体部と、本体部の表面を被覆する銀で形成された被覆層を備えている。アンテナ85aのインピーダンスを低下するためには、電気抵抗の低い材料でアンテナ85a,85bを形成するのが好ましい。
アンテナ85a及びアンテナ85bは、平面上で渦を成した形状を備える。アンテナ85aとアンテナ85bとは、ケース体と誘電体板83との間に形成されたアンテナ収容室80Aの中に、渦を成す面が反応プロセスゾーン60を向いた状態で誘電体板83に隣接して設置される。アンテナ85aとアンテナ85bは、高周波電源89に対して並列に接続されている。アンテナ85a,85bは、マッチング回路を収容するマッチングボックス87を介して高周波電源89に接続されている。マッチングボックス87内には、可変コンデンサが設けられている。
渦状のアンテナ85a,85bは、導線部86a,86bを介してマッチングボックス87に接続されている。導線部86a,86bは、アンテナ85a,85bと同様の素材からなる。ケース体には、導線部86a,86bを挿通するための挿通孔が形成されている。アンテナ収容室80A内側のアンテナ85a,85bと、アンテナ収容室80A外側のマッチングボックス87,高周波電源89とは、挿通孔に挿通される導線部86aを介して接続される。
本実施形態では、真空容器11内のターゲット29a,29bと基板ホルダ13との間には、膜厚補正板35及び遮蔽板36が配置される。膜厚補正板35及び遮蔽板36は、マグネトロンスパッタ電極21a,21bに保持されるターゲット29a,29bから発生するスパッタ物質の一部を遮ることで、基板ホルダ13の方向へ向かうスパッタ物質の量を調整する。なお、スパッタ物質とは、ターゲット29a,29bに対するスパッタによって、ターゲット29a,29b,から発生する物質であり、ターゲット29a,29bを構成する原子または原子の集団等である。
本実施形態の膜厚補正板35は、スパッタを行うことにより基板Sに形成される薄膜の膜厚を均一にする役目を果たす。
図5及び図6に示すように、膜厚補正板35は、補正板35aと、補正板35bとで構成され、これら補正板35a及び補正板35bは、ターゲット29aとターゲット29bの中間位置から中心軸線Zに伸びる基準面Mに対して左右対称に配置されている。すなわち、補正板35a,35bは、図6に示すように、基板ホルダ13からマグネトロンスパッタ電極21a,21bの方向をのぞんだとき、補正板35a,35bによってターゲット29a,29bの一部が隠れるように配置されている。本実施形態では、補正板35a,35bの一端は、それぞれ仕切壁12に固定されている。
補正板35a,35bを設けることで、ターゲット29aから発生する基板ホルダ13の方向へ向かうスパッタ物質の量を規制して、基板Sに堆積するスパッタ物質の量が、基板S全面にわたって均一となるようにすることができる。ターゲット29a,29bから飛散するスパッタ物質は、補正板35a,35bの間に設けられた間隔を通過して基板Sに到達する。
基板ホルダ13を、中心軸線Zを中心に回転させると、基板ホルダ13の外周面に上下方向に連なって配列された基板Sが、マグネトロンスパッタ電極21a,21b側からみて左右方向に移動する。
上下方向に長いターゲット29a,29bに対してスパッタを行うと、膜厚補正板35、遮蔽板36がない場合には、基板ホルダ13へ向かうスパッタ物質の量は、基板ホルダ13の上下方向の中心付近(以下、単に「中心付近」という)で多くなる。したがって、中心付近に保持される基板Sに、より多くのスパッタ物質が堆積し、中心付近に保持される基板Sに形成される薄膜の膜厚と、上側,下側の方に保持される基板Sに形成される薄膜の膜厚との間で、ばらつきが生じてしまう。また、同じ1つの基板Sに形成する薄膜でも、膜形成面の上端付近に形成される膜の膜厚と、下端付近に形成される膜の膜厚との間でばらつきが生じてしまう。そこで、膜厚補正板35を配設して、基板ホルダ13へ向かうスパッタ物質のうち、中心付近を通過しようとするスパッタ物質の量を規制して、基板Sに堆積するスパッタ物質の量を、各基板Sの基板全面にわたって均一になるようにして、膜厚のばらつきを解消している。具体的には、中心付近をより長い時間遮蔽することで、その分、基板ホルダ13の中心付近へ向かうスパッタ物質の量を減らして、中心付近の膜厚を、膜厚補正板35を設けない時よりも相対的に薄くする。これにより、膜厚補正板35を設けない場合には膜厚が厚くなってしまう中心付近の膜厚を、膜厚補正板35を設けることで薄くして、結果として基板の上下方向でばらつきのない均一な厚さの薄膜を形成させることができる。
さらに、本実施形態のスパッタ装置1では、基板ホルダ13の外周面に保持された平面的な基板Sが中心軸線Zを中心に公転しているため、補正板35aと補正板35bのいずれか一方だけを設けたり、基準面Mに対して補正板35aと補正板35bを非対称に設置したりすると、基板Sが第1の成膜プロセスゾーン20に近づくときと、遠ざかるときとで、形成される薄膜の厚みに基板Sの左右方向で差が生じる。そこで、本実施形態では、補正板35aと補正板35bを基準面Mに対して常に左右対称になるように配置することで、膜厚補正板35によって遮蔽される部分を基準面Mに対して左右対称にして、基板Sの左右方向で均一な厚さの薄膜を形成させている。
遮蔽板36(厚み分布制御板)は、スパッタを行うことにより基板Sに形成される薄膜に所望の膜厚分布を与える。
遮蔽板36は、板状体であり、製造しようとする薄膜の膜厚分布に応じた形状を備えている。図5,図6に示した例では、遮蔽板36は、菱形が上下方向(基板ホルダ13の中心軸線Z方向)に連なった形状をしている。遮蔽板36を菱形が連なった形状とすることで、基板Sの膜形成面上端から膜形成面下端にかけて膜厚が線形に変化する薄膜を作成することができる。
遮蔽板36を菱形が連なった形状として、その菱形の各斜辺に対応する位置に基板Sを配置すれば、基板Sが左右方向に相対的に移動した場合に、ターゲット29a,29b側から見て基板Sが遮蔽板36により遮蔽される時間に、各基板Sの上端側と下端側とで差を生じさせることができる。基板Sが遮蔽板36により遮蔽される時間が短い方が、より多くのスパッタ物質がターゲット29a,29bから基板Sに到達し、より厚い膜厚の薄膜が形成されることになる。
ところで、上述のように、膜厚補正板35の作用により、基板Sには均一な膜厚の薄膜が形成されるようになっている。したがって、膜厚補正板35を設けて、さらに遮蔽板36を設ければ、上下方向の膜厚のばらつきに影響されることなく、ターゲット29a,29bから見て基板Sが遮蔽板36により遮蔽される時間、すなわち、遮蔽板36の左右方向の幅に直接対応した膜厚の薄膜を基板Sに形成させることができる。
本実施形態では、遮蔽板36の形状を菱形が連なった形状としているため、その菱形の斜辺に対応する位置に各基板Sを配置すれば、基板Sの上端側から下端側にかけて膜厚が線形的に変化する薄膜を作成することができるのである。本実施形態では、遮蔽板36の形状を菱形が連なった形状とすることで、基板Sの上端側から下端側にかけて膜厚が線形的に変化する薄膜を作成することができるが、基板Sの上端側から下端側にかけて膜厚が変化する薄膜を作成する場合の遮蔽板36の形状はこれに限られない。形成させる薄膜の膜厚の分布に合わせた遮蔽板を用いればよい。例えば、遮蔽板36の形状を丸形が上下方向に連なった形状とすることで、基板Sの上端側から下端側にかけて膜厚が放物線状に変化する薄膜を作成することができる。
本実施形態のスパッタ装置1によれば、膜厚補正板35を設けて各基板Sの位置によらずに各基板Sで膜厚が均一になるようにしたうえで、遮蔽板36の形状によって所望の膜厚分布を備える薄膜を形成するため、遮蔽板36の形状を変更することで、製造する薄膜の膜厚分布を容易に変更することができる。また、各基板Sの位置による膜厚の差を考慮することがなく、所望の膜厚分布をもつ薄膜を作成するための遮蔽板36の形状を簡易に設計することができる。
本実施形態では、遮蔽板36は、仕切壁12に固定される膜厚補正板35とは異なり、遮蔽板切替室11Cに取り付けられたモータ400(図7参照)を駆動させることによって、成膜室11Aと遮蔽板切替室11Cとの間を移動できるように構成されている。以下、この点を説明する。
図7〜図9に示すように、本実施形態の遮蔽板36には、移動機構(移動手段)が接続してある。この移動機構の一例を示すと次の通りとなる。ただし、この態様に限定されず、同様の動作を行うことができるものであれば他の態様であってもよい。
本実施形態では、遮蔽板36の下端近傍の背面には、第1進退部材としての第1リニアガイド100aが固定してある。第1リニアガイド100aは、ラック200の上下端近傍にそれぞれ回転自在に固定されたスプロケット202,204上を摺動自在に回装させたベルトチェーン206に固定されているとともに、ラック200の長手方向に沿って形成された第1リニアガイドレール102aに対して摺動可能に設置されている。なお、ベルトチェーン206の一部は、遮蔽板切替室11Cを構成する内壁に固定してある。
ラック200の下端近傍には、第2進退部材としての第2リニアガイド100bが固定されている。第2リニアガイド100bは、第2リニアガイドレール102bに対して摺動可能に設置されている。第2リニアガイドレール102bは、遮蔽板切替室11Cを構成する内壁に固定してある。
ラック200は、ピニオン300と噛み合っている。ピニオン300の回転中心付近には第1回転軸棒302の一端が接続してあり、この第1回転軸棒302の他端には第1傘歯車304が固定されている。この第1傘歯車304は第2傘歯車306と噛み合っており、第2傘歯車306の回転中心付近には、第2回転軸棒308の一端が接続してある。この第2回転軸棒308の他端には、この第2回転軸棒308を回転駆動させるモータ400が接続されている。
次に、本実施形態のスパッタ装置1を用いたスパッタ方法の一例として、酸化ケイ素(SiO)からなる薄膜を製造する場合を説明する。
(1)まず、成膜の準備を行う。
図1〜図6に示すように、ケイ素(Si)からなるターゲット29a,29bをマグネトロンスパッタ電極21a,21bに保持させるとともに、膜厚補正板35を取り付ける。
次に、扉11bを閉じて、真空ポンプ15を作動させて排気を行い、成膜室11Aを0.01〜10Pa程度の真空状態にする。このとき、バルブV1,V2,V3が開放され、アンテナ収容室80Aも同時に排気される。
そして、基板ホルダ13を基板切替室11Bの位置でロックしておいて、基板ホルダ13に基板Sを保持させる。続いて、扉11cを閉じた状態で、真空ポンプ15’を作動させて基板切替室11Bを排気して、0.01〜10Pa程度の真空状態にする。その後、扉11bを開いて、基板ホルダ13を成膜室11Aへ移動させる。基板ホルダ13を成膜室11Aへ移動させた後に、扉11bを再び閉じる。
これとともに、遮蔽板36を遮蔽板切替室11Cの位置でロックしておき、続いて、扉11eを閉じた状態で、真空ポンプ15”を作動させて遮蔽板切替室11Cを排気して、0.01〜10Pa程度の真空状態にする。その後、ゲートバルブ11dを開いて、遮蔽板36を成膜室11Aへ移動させる。成膜室11Aへ移動手順を説明すると次のようになる。
図7〜図9に示すように、まずモータ400を駆動させる。すると、第2回転軸棒308及び第2傘歯車306が回転し、これにより第1傘歯車304及び第1回転軸棒302を通じて、ピニオン300が回転する。ピニオン300が回転することで、そのピニオン300がラック200と噛み合い、当該ラック200が成膜室11A側へ移動する。これに連動して、ラック200に固定された第2リニアガイド100bは、遮蔽板切替室11Cを構成する内壁に固定された第2リニアガイドレール102bに対して成膜室11A側に移動する。このとき、ラック200にはスプロケット202,204が回転自在に固定してあり、これらスプロケット202,204上にはベルトチェーン206が摺動自在に回装されているので、ラック200が成膜室11A側へ移動すると、これに連動して、ベルトチェーン206が引き上げられる。これより、第1リニアガイド100aは、ラック200に形成された第1リニアガイドレール102aを摺動して成膜室11Aへ移動する。このように、第1リニアガイド100aが移動すると、これに連動して、遮蔽板36が成膜室11Aへ移動する。このとき、ゲートバルブ11dは開いているが、扉11eが閉じられているために成膜室11A内の真空状態は維持される。
(2)次に、酸化ケイ素の薄膜を形成する。
図1〜図6に戻り、真空容器11の内部,アンテナ収容室80Aの内部を上述の所定の圧力に減圧し、モータ17を作動させて、基板ホルダ13を回転させる。その後、真空容器11の内部,アンテナ収容室80Aの内部の圧力が安定した後に、成膜プロセスゾーン20の圧力を、0.1〜1.3Paに調整する。
次に、成膜プロセスゾーン20内に、スパッタ用の不活性ガスであるアルゴンガスと、反応性ガスである酸素ガスを、スパッタガスボンベ26、反応性ガスボンベ28からマスフローコントローラ25,27で流量を調整しながら導き、成膜プロセスゾーン20でスパッタを行うための雰囲気を調整する。このとき第1の成膜プロセスゾーン20に導入するアルゴンガスの流量は、約300sccmである。成膜プロセスゾーン20に導入する酸素ガスの流量を、後述のように所望の値に調整する。なお、流量の単位としてのsccmは、0℃,1atmにおける、1分間あたりの流量を表すもので、cm/minに等しい。
次に、交流電源23からトランス24を介して、マグネトロンスパッタ電極21a,21bに周波数1〜100KHzの交流電圧を印加し、ターゲット29a,29bに、交番電界が掛かるようにする。これにより、ある時点においてはターゲット29aがカソード(マイナス極)となり、その時ターゲット29bは必ずアノード(プラス極)となる。次の時点において交流の向きが変化すると、今度はターゲット29bがカソード(マイナス極)となり、ターゲット29aがアノード(プラス極)となる。このように一対のターゲット29a,29bが、交互にアノードとカソードとなることにより、プラズマが形成され、カソード上のターゲットに対してスパッタを行う。
スパッタを行っている最中には、アノード上には非導電性あるいは導電性の低い酸化ケイ素(SiO(x≦2))が付着する場合もあるが、このアノードが交番電界によりカソードに変換された時に、これら酸化ケイ素がスパッタされ、ターゲット表面は元の清浄な状態となる。そして、一対のターゲット29a,29bが、交互にアノードとカソードとなることを繰り返すことにより、常に安定なアノード電位状態が得られ、プラズマ電位(通常アノード電位とほぼ等しい)の変化が防止され、基板Sの膜形成面に安定してケイ素或いは不完全酸化ケイ素(SiOx1(x1<2))からなる薄膜が形成される。このように、成膜プロセスゾーン20においてスパッタを行うことにより、中間薄膜としての、ケイ素或いはケイ素不完全酸化物からなる中間薄膜を基板Sの膜形成面に形成する。ケイ素不完全酸化物は、不完全反応物であり、酸化ケイ素SiOの構成元素である酸素が欠乏した不完全な酸化ケイ素SiO(x<2)のことである。
本実施形態では、導入する酸素ガスの流量を所望の値に調整して、成膜プロセスゾーン20でスパッタを行う。スパッタを行っている最中は、基板ホルダ13を所定の回転速度で回転駆動させて基板Sを移動させながら、基板Sの膜形成面にケイ素或いはケイ素不完全酸化物からなる中間薄膜を形成させる。さらに、本実施形態では、マグネトロンスパッタ電極21a,21bと基板ホルダ13との間に膜厚補正板35及び遮蔽板36が設けられているため、遮蔽板36の形状に応じた膜厚分布の中間薄膜を形成させることができる。
成膜プロセスゾーン20で、基板の膜形成面にケイ素或いは不完全酸化ケイ素からなる中間薄膜を形成させることで、中間薄膜形成工程を行った後には、基板Sを、基板ホルダ13の回転にともなって、成膜プロセスゾーン20に面する位置から反応プロセスゾーン60に面する位置に搬送する。反応プロセスゾーン60には、反応性ガスボンベ68から反応性ガスとして酸素ガスを導入するとともに、不活性ガスボンベ66から不活性ガスとしてアルゴンガスを導入する。次に、アンテナ85a,85bに13.56MHzの高周波電圧を印加して、プラズマ発生手段80によって反応プロセスゾーン60にプラズマを発生させる。反応プロセスゾーン60の圧力は、0.07〜1.0Paに維持する。また、少なくとも反応プロセスゾーン60にプラズマを発生させている際中は、アンテナ収容室80Aの内部の圧力は、0.001Pa以下を保持する。
そして、基板ホルダ13が回転して、ケイ素或いは不完全酸化ケイ素からなる中間薄膜が形成された基板Sが反応プロセスゾーン60に面する位置に搬送されてくると、反応プロセスゾーン60では、第1中間薄膜を構成するケイ素或いは不完全酸化ケイ素をプラズマ処理によって酸化反応させる工程を行う。
すなわち、プラズマ発生手段80によって反応プロセスゾーン60に発生させた酸素ガスのプラズマでケイ素或いは不完全酸化ケイ素を酸化反応させて、所望の組成の不完全酸化ケイ素(SiOx2(x1<x2<2))或いは酸化ケイ素(SiOx2)に変換させる。
本実施形態では、反応プロセスゾーン60で、中間薄膜を構成するケイ素或いはケイ素不完全酸化物を酸化反応させて所望の組成の不完全酸化ケイ素(SiOx2(x1<x2<2))或いは酸化ケイ素に変換させることで、最終薄膜を形成する。これにより、膜組成変換工程を行う。この反応プロセスゾーン60における膜組成変換工程では、最終薄膜の膜厚が中間薄膜の膜厚よりも厚くなるように最終薄膜を形成する。すなわち、中間薄膜を構成するケイ素或いはケイ素不完全酸化物SiOx1(x1<2)を所望の組成の不完全酸化ケイ素(SiOx2(x1<x2<2))或いは酸化ケイ素(SiO )に変換することにより中間薄膜を膨張させ、最終薄膜の膜厚を中間薄膜の膜厚よりも厚くする。
例えば、中間薄膜形成工程で、成膜プロセスゾーン20に20sccmの酸素ガスを導入しながら中間薄膜を形成させれば、化学量論係数xが0.16のケイ素不完全酸化物から構成される中間薄膜が形成され、反応プロセスゾーン60における膜組成変換工程では、中間薄膜に対する最終薄膜の膜厚の増加率を1.4とすることができる。
本実施形態では、中間薄膜形成工程で、膜厚補正板35及び遮蔽板36を備えたスパッタ装置1を用いて中間薄膜を基板Sに形成させているため、膜組成変換工程を行う前に、既に基板Sの膜形成面には所定の膜厚分布を備える中間薄膜が形成している。この状態で膜組成変換工程を行うことで、中間薄膜における膜厚分布をさらに変化させることができる。
つまり、本実施形態によれば、スパッタを行うだけで生成された中間薄膜よりも、スパッタを行うだけで生成された中間薄膜をさらに反応ガスで反応させた最終薄膜の膜厚の傾斜を強くするこができる。
本実施形態では、以上説明した中間薄膜形成工程と、膜組成変換工程とを、基板Sを搭載した基板ホルダ13を回転させながら繰り返すことにより、成膜プロセスゾーン20におけるケイ素或いはケイ素不完全酸化物(SiOx1(x1<2))の基板上への形成と、反応プロセスゾーン60におけるケイ素不完全反応物(SiOx2(x1<x2<2))或いは酸化ケイ素(SiO)への変換が繰り返され、所望の膜厚で、基板Sの膜形成面上端側から下端側に向けての膜厚の傾斜を強くした不完全酸化ケイ素(SiOx2(x1<x2<2))或いは酸化ケイ素(SiO)の薄膜を形成することができる。
以上のように形成される薄膜の膜厚分布は、遮蔽板36の形状を変化させ、中間薄膜形成工程で成膜プロセスゾーンに導入する酸素ガスの流量を調整することで、所望の分布にすることができる。
(3)次に、薄膜を取り出す。
酸化ケイ素の薄膜を形成した後、薄膜の形成された基板Sを真空容器11から取り出す。まず、基板切替室11Bを成膜室11Aとほぼ同じ真空状態(0.01〜10Pa)に保つ。その後、扉11bを開ける。そして、基板ホルダ13を成膜室11Aから基板切替室11Bへ移動させる。続いて、扉11bを再び閉じて、基板切替室11Bを大気圧までリークするとともに、扉11cを開放する。そして、基板ホルダ13から基板Sを取り外して完了する。
(4)遮蔽板36の交換
膜厚分布を変更を望む場合など、遮蔽板36を交換する場合には、まず、遮蔽板切替室11Cを成膜室11Aとほぼ同じ真空状態(0.01〜10Pa)に保つ。その後、ゲートバルブ11dを開ける。そして、遮蔽板36を成膜室11Aから遮蔽板切替室11Cへ移動させる。遮蔽板36を成膜室11Aから遮蔽板切替室11Cへ移動させるには、上述した、遮蔽板36を遮蔽板切替室11Cから成膜室11Aへ移動させる手順の逆の手順をとればよい。
続いて、ゲートバルブ11dを再び閉じて、遮蔽板切替室11Cを大気圧までリークするとともに、扉11eを開放する。そして、使用済みの遮蔽板36を取り外して、新たな或いは別形状の遮蔽板36を再装着する。
本実施形態では、成膜の準備、薄膜の取り出し及び遮蔽板の交換で、成膜室11Aを大気状態に戻す必要がないため、常に成膜室11Aを真空状態に保つことができる。このことにより、成膜室11Aの内部の環境を安定させることができる。また、成膜室11Aを大気状態に戻す必要がないため、酸化ケイ素の成膜品質が低下することがない。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
本実施形態では、スパッタの一例であるマグネトロンスパッタを行うスパッタ装置1によりスパッタ装置が構成されているものとして説明したが、これに限定されず、マグネトロン放電を用いない2極スパッタ等、他の公知のスパッタを行うスパッタ装置で構成することもできる。
本実施形態では、ターゲット29a,29bを構成する材料として、ケイ素(Si)を用いる場合を例示したが、それ以外に、例えばニオブ(Nb)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、スズ(Sn)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、テルル(Te)、鉄(Fe)、マグネシウム(Mg)、ハフニウム(Hf)、ニッケル・クロム(Ni−Cr)、インジウム・スズ(In−Sn)などの各種金属を用いることができる。また、単一種類の金属に限られるものではなく、複数種類の金属をターゲットとして使用してもよい。また、これらの金属の化合物、例えば、Al、TiO、ZrO、Ta、HfO等を用いることもできる。
図1は本実施形態に係るスパッタ装置を平面から見た断面図である。 図2は図1のII−II−II線に沿った断面図である。 図3は図1のIII−III線に沿った断面図である。 図4は基板の配置例を示す説明図である。 図5は膜厚補正板及び遮蔽板の配置例を示す説明図である。 図6は膜厚補正板及び遮蔽板の配置例を示す説明図である。 図7は図3に相当する遮蔽板の移動機構を説明する説明図である。 図8は図7の移動機構の一部を説明する説明図である。 図9は図7及び図8の移動機構の動作を説明する説明図である。
符号の説明
1…スパッタ装置
11…真空容器
11A…成膜室
11B…基板切替室(第2のロードロック室)
11C…遮蔽板切替室(ロードロック室)
11b…扉(第2の開閉扉)
11d…ゲートバルブ
11e…扉(開閉扉)
13…基板ホルダ
S…基板
15,15’,15”…真空ポンプ(排気手段)
15a,15a’,15a”…配管(排気手段)
20…成膜プロセスゾーン
21a,21b…マグネトロンスパッタ電極
29a,29b…ターゲット
35…膜厚補正板
36…遮蔽板(厚み分布制御板)
100a…第1リニアガイド(移動手段)
102a…第1リニアガイドレール(移動手段)
200…ラック(移動手段)
202,204…スプロケット(移動手段)
206…ベルトチェーン(移動手段)
100b…第2リニアガイド(移動手段)
102b…第2リニアガイドレール(移動手段)
300…ピニオン(移動手段)
302…第1回転軸棒(移動手段)
304…第1傘歯車(移動手段)
306…第2傘歯車(移動手段)
308…第2回転軸棒(移動手段)
400…モータ(移動手段)
60…反応プロセスゾーン
80…プラズマ発生手段

Claims (4)

  1. 真空容器に備えられた成膜室の内部でターゲットのスパッタ物質を基板上に付着させるスパッタ装置であって、
    前記ターゲットと前記基板の間に前記ターゲットと対向して配置され、前記基板に付着させる前記スパッタ物質の厚み分布を制御するための厚み分布制御板と、
    前記真空容器に備えられ、前記成膜室に対してゲートバルブを介して連通するロードロック室と、前記成膜室内の前記ターゲット及び前記基板間との間で、前記厚み分布制御板を移動させる移動手段とを、有するスパッタ装置。
  2. 請求項1記載のスパッタ装置であって、
    前記成膜室と前記ロードロック室とを独立に排気可能な排気手段を有することを特徴とするスパッタ装置。
  3. 請求項1又は2記載のスパッタ装置であって、
    前記ロードロック室には、前記ロードロック室の内部と前記真空容器の外部とを仕切る開閉扉が設けられており、前記ゲートバルブを閉じた状態で前記開閉扉を開放することで、前記成膜室の真空状態を保持することを特徴とするスパッタ装置。
  4. 請求項1〜3の何れか一項記載のスパッタ装置であって、
    前記真空容器に備えられ、前記成膜室に対して第2の開閉扉を介して連通する、前記成膜室の内部に前記基板を搬入するための第2のロードロック室を有することを特徴とするスパッタ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016065292A (ja) * 2014-09-25 2016-04-28 株式会社アルバック スパッタリング装置および透明導電膜の形成方法

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