JP2013185158A - 成膜方法 - Google Patents

成膜方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013185158A
JP2013185158A JP2012048470A JP2012048470A JP2013185158A JP 2013185158 A JP2013185158 A JP 2013185158A JP 2012048470 A JP2012048470 A JP 2012048470A JP 2012048470 A JP2012048470 A JP 2012048470A JP 2013185158 A JP2013185158 A JP 2013185158A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film forming
film
substrate
ions
region
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012048470A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi To
健 唐
Hin Han
賓 範
Toshihiko Miura
俊彦 三浦
Masaru Watanabe
優 渡邉
Zhifei Huang
志飛 黄
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Optorun Co Ltd
Original Assignee
Optorun Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Optorun Co Ltd filed Critical Optorun Co Ltd
Priority to JP2012048470A priority Critical patent/JP2013185158A/ja
Priority to CN201210353668.5A priority patent/CN102899632B/zh
Priority to CN 201220484092 priority patent/CN202865319U/zh
Publication of JP2013185158A publication Critical patent/JP2013185158A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

【課題】イオンアシスト方式の成膜方法において、形成した膜に対するイオンアシストによる緻密化の効果を高めることが困難である。
【解決手段】成膜チャンバ10中に設けられた基板ホルダ20に保持された成膜対象である基板に対して、膜形成材料を堆積させて基板上に膜形成材料からなる膜を形成し、さらに、基板ホルダ20の領域に対する濃度に勾配を有するイオンを基板ホルダ20の領域の全面に照射し、膜にイオンを照射して膜を緻密化する。
【選択図】図1

Description

本発明は成膜方法に関し、特に、イオンアシスト方式で成膜を行う成膜方法に関するものである。
物理蒸着法は、無機膜及び有機膜を形成する方法として広く用いられている。
物理蒸着法は、成膜方法の相違により、真空蒸着法、スパッタリング法、及びイオンプレーティング法に大別される。
上記の真空蒸着法あるいはスパッタリング法などの物理蒸着法においては、イオンアシスト方式の成膜方法が知られている。
成膜チャンバ内部で基板表面に膜形成材料を堆積して成膜する時に、気化させた気体の膜形成材料および基板上に堆積した膜にイオンを照射することにより、堆積した膜の緻密化等の改質を行うプロセスがイオンアシスト蒸着(IAD:Ion-Assisted Deposition)である。
例えば、ドーム状の基板ホルダに対して蒸気及びイオンを均一に基板ホルダ全面に照射する成膜装置が用いられている。
例えば、特許文献1には、イオンアシスト方式の成膜方法を用いた光学物品の製造方法が開示されている。
また、例えば、特許文献2には、イオンアシスト方式の成膜方法を用いた光学薄膜形成方法が開示されている。
また、例えば、特許文献3には、イオンアシスト方式の成膜方法が開示されている。
また、例えば、特許文献4には、イオンアシスト方式の成膜方法を用いた真空成膜装置が開示されている。
特開平10−123301号公報 特開2007−248828号公報 特開2010−106339号公報 特開2003−82462号公報
解決しようとする課題は、イオンアシスト方式の成膜方法において、形成した膜に対するイオンアシストによる緻密化の効果を高めることが難しいことである。
本発明の成膜方法は、成膜チャンバ中に設けられた基板ホルダに保持された成膜対象である基板に対して、膜形成材料を堆積させ、前記基板上に前記膜形成材料からなる膜を形成する成膜工程と、前記基板ホルダの領域に対する濃度に勾配を有するイオンを前記基板ホルダの領域の全面に照射し、前記膜にイオンを照射して前記膜を緻密化するイオン照射工程とを有する。
上記の本発明の成膜方法は、成膜チャンバ中に設けられた基板ホルダに保持された成膜対象である基板に対して、膜形成材料を堆積させて、基板上に膜形成材料からなる膜を形成し、さらに、基板ホルダの領域に対する濃度に勾配を有するイオンを基板ホルダの領域の全面に照射し、膜にイオンを照射して膜を緻密化する。
上記の本発明の成膜方法は、好適には、前記イオン照射工程において、前記基板ホルダの領域の一部に高濃度のイオンを照射し、かつ、前記基板ホルダの領域の残部に低濃度のイオンを照射する。
上記の本発明の成膜方法は、好適には、前記イオン照射工程において、前記基板が前記イオンの高濃度領域と低濃度領域を交互に通過するように前記基板を移動させながら行う。
上記の本発明の成膜方法は、好適には、前記イオン照射工程において、前記基板が所定の周期で前記イオンの高濃度領域と低濃度領域を交互に通過するように前記基板を移動させながら行う。
上記の本発明の成膜方法は、好適には、前記イオン照射工程において、前記基板ホルダを回転駆動することで前記基板を移動させながら行う。
上記の本発明の成膜方法は、好適には、前記成膜工程において、成膜速度を前記所定の周期で変化させて前記膜を形成する。
上記の本発明の成膜方法は、好適には、前記成膜工程における前記成膜速度が最大となる位置において、前記イオン照射工程におけるイオン照射量が最大となるように、前記基板を移動させながら行う。
上記の本発明の成膜方法は、好適には、前記成膜工程における前記成膜速度が最大となる位置において、前記イオン照射工程におけるイオン照射量が最小となるように、前記基板を移動させながら行う。
上記の本発明の成膜方法は、好適には、前記基板ホルダに前記基板を複数枚保持して、前記成膜工程及び前記イオン照射工程を行う。
本発明の成膜方法によれば、基板ホルダの領域に対する濃度に勾配を有するイオンを基板ホルダの領域の全面に照射し、膜にイオンを照射して膜を緻密化することにより、イオンアシスト方式の成膜方法において、形成した膜に対するイオンアシストによる緻密化の効果を高めることができる。
図1は本発明の第1実施形態に係る成膜装置の模式構成図である。 図2は本発明の第1実施形態に係る成膜装置の模式構成図である。 図3は本発明の第2実施形態に係る成膜装置の模式構成図である。 図4は本発明の第1実施例に係る成膜速度とイオン照射量の基板位置に対する変化を示す図である。 図5は本発明の第2実施例に係る成膜速度とイオン照射量の基板位置に対する変化を示す図である。
以下に、本発明の成膜方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
[成膜装置の構成]
図1は本発明の第1実施形態に係る成膜装置の模式構成図である。
成膜装置は、例えば、成膜チャンバ10を有する。
成膜チャンバ10は、排気管11を介して真空ポンプ12が接続されており、内部が所定の圧力に減圧可能となっている。
真空蒸着あるいはスパッタリングによる成膜時における成膜チャンバ10内の背圧は、例えば10−2〜10−5Pa程度である。
成膜チャンバ10に内部に、例えば、成膜対象である基板を保持するドーム状の基板ホルダ20が設けられている。
基板ホルダ20は、例えば、基板の成膜領域が後述する膜形成材料源側に臨むようにして、1枚あるいは複数枚の基板を保持し、ドーム状の形状の中心を回転軸として回転駆動可能に構成されている。
成膜チャンバ10に内部に、例えば、第1膜形成材料源30が設けられている。
膜形成材料源としては、例えば、真空蒸着法による成膜を行う場合には、電子銃加熱型(EB)材料源、抵抗加熱型(RH)材料源、レーザ加熱型材料源、ホローカソード加熱型材料源などを用いることができる。
また、例えばスパッタリング法による成膜を行う場合には、電圧を印加した材料源(ターゲット)に荷電粒子を照射して気体の膜形成材料を得るスパッタリング型材料源などを用いることができる。
以降、上記の各種材料源を総称して膜形成材料源とする。
また、例えば、第1膜形成材料源30の近傍に、必要に応じて第1遮蔽隔壁31が設けられている。
第1膜形成材料源30から発生した気体の膜形成材料は、COSθの分布法則による発散を示しながら基板ホルダ20の全体または一部に拡散し、基板ホルダ20に保持された基板上に堆積して膜形成材料からなる膜が形成される。
第1膜形成材料源30は、上記のように基板ホルダの全体または一部である所望する領域に拡散するように、上記の発散を考慮して基板ホルダから所定の距離を隔てて設置されている。
例えば、第1膜形成材料源30からは、一対の破線A30の間の領域において気体の膜形成材料が拡散し、基板ホルダ20に保持された基板上に堆積して膜形成材料からなる膜が形成される。
破線A30の間の領域は、基板ホルダ20の領域の全域を覆っていてもよく、一部であってもよい。
成膜チャンバ10に内部に、例えば、イオン源32が設けられている。
イオン源32からは、気化させた気体の膜形成材料および基板上に堆積した膜に照射して堆積した膜の緻密化を行うためのイオンが発せられる。
ここで、イオン源32から発せられたイオンは、基板ホルダ20の領域に対する濃度に勾配を有しており、かつ、基板ホルダ20の領域の全面に照射される。
イオン源32から発せられるイオンは、例えばHeやArなどの不活性ガスのイオンである。また、その他の反応性のイオンを用いることも可能である。
また、例えば、イオン源32の近傍に、必要に応じてイオン源遮蔽隔壁33が設けられている。
イオン源遮蔽隔壁33は、イオンの拡散制御及びイオン源の汚染防止などの機能を有する。
例えば、イオン源32からは、破線C32を中心として、一対の破線A32の間の領域において高濃度のイオンが照射され、一対の破線A32の間の領域の外部である一対の一点差線B32の間の領域において低濃度のイオンが照射される。
基板ホルダ20の領域は、全域において、上記の高濃度のイオンが照射される領域と低濃度のイオンが照射される領域のいずれかとなる。
例えば、破線A32と一点差線B32の間の領域では、外側の領域程イオンの濃度が低下する濃度プロファイルを有する。また、低濃度の均一なプロファイルでもよい。
本実施形態の成膜装置においては、さらに第2膜形成材料源34が設けられている。
第2膜形成材料源34としては、第1膜形成材料源30と同様に、電子銃加熱型(EB)材料源、抵抗加熱型(RH)材料源、レーザ加熱型材料源、ホローカソード加熱型材料源、あるいは、スパッタリング型材料源などを用いることができる。
また、例えば、第2膜形成材料源34の近傍に、必要に応じて第2遮蔽隔壁35が設けられている。
上記の第1遮蔽隔壁31及び第2遮蔽隔壁35は、例えば、各膜形成材料源から発生した気体が互いの材料源にたいして汚染干渉をしないようにする機能を有する。
例えば、第2膜形成材料源34からは、一対の破線A34の間の領域において気体の膜形成材料が拡散し、基板ホルダ20に保持された基板上に堆積して膜形成材料からなる膜が形成される。
破線A34の間の領域は、基板ホルダ20の領域の全域を覆っていてもよく、一部であってもよい。
本実施形態においては、1個の基板ホルダに保持された1枚あるいは複数枚の基板に対して成膜する、いわゆるバッチ式の成膜装置について説明している。
本実施形態の成膜装置は、バッチ式に限らず、いわゆる、インライン方式で成膜対象物を蒸着チャンバ10内にパスバイあるいはステップバイステップなどの方式で連続的に搬送する装置にも適用可能である。
図2は、本実施形態に係る成膜装置の模式構成図であり、基板ホルダ20に対する、第1膜形成材料源30、第1遮蔽隔壁31、イオン源32、イオン源遮蔽隔壁33、第2膜形成材料源34、及び第2遮蔽隔壁35のレイアウトを示す。
また、イオン源32から高濃度のイオンが照射される領域A32と、低濃度のイオンが照射される領域B32の区分を示す。
基板ホルダ20の領域は、全域において、上記の高濃度のイオンが照射される領域A32と低濃度のイオンが照射される領域B32のいずれかとなる。
高濃度のイオンが照射される領域A32と低濃度のイオンが照射される領域B32の境界は、イオン源遮蔽隔壁33の配置及び構成などによって調整可能であり、図1及び図2においてはドーム状の基板ホルダ20の回転軸近傍に上記境界が位置するように配置されているが、必要に応じて適宜変更することが可能である。
[膜形成材料]
膜形成材料は、目的とする膜の特性に応じて適宜選択可能である。例えば、膜形成材料が、シリコン、酸化シリコン、酸化タンタルなどの無機材料の場合、膜形成材料源として電子銃加熱型材料源あるいはスパッタリング型材料源を用いることができる。
また、不図示のプラズマ発生部から得たプラズマを用いて、成膜中あるいは成膜後にプラズマ処理を施し、膜を酸化させることも可能である。
例えば、膜形成材料が、フッ化炭素系化合物あるいはパーフロロアルキルシラザンなどのシリコーン樹脂などの有機材料の場合、膜形成材料源として抵抗加熱型材料源を用いることができる。
その他、真空蒸着法あるいはスパッタリング法などの物理蒸着法に適用可能な膜形成材料であれば、適用可能である。
第1膜形成材料源30と第2膜形成材料源34が両者とも無機材料の膜を形成するための材料源であってもよく、また、両者とも有機材料の膜を形成するための材料源であってもよい。
また、成膜チャンバ10内に3個以上の膜形成材料源を有する構成であってもよい。
この場合、各膜形成材料源は、無機材料の膜を形成するための材料源と有機材料の膜を形成するための材料源のいずれであってもよい。
本発明の成膜装置によれば、基板ホルダの領域に対する濃度に勾配を有するイオンを基板ホルダの領域の全面に照射し、膜にイオンを照射して膜を緻密化することにより、イオンアシスト方式の成膜方法において、形成した膜に対するイオンアシストによる緻密化の効果を高めることができる。
[成膜方法]
次に、本実施形態に係る成膜方法について説明する。
例えば、上述の本実施形態に係る成膜装置を用いて行う。
まず、例えば、成膜チャンバ10中に設けられた基板ホルダ20に、基板の成膜領域が膜形成材料源側に臨むようにして、1枚あるいは複数枚の基板を保持する。
次に、例えば、成膜チャンバ10を所定の圧力に真空引きし、次に、基板ホルダ20をドーム状の形状の中心を回転軸として回転駆動しながら、第1膜形成材料源30において、電子銃加熱あるいは抵抗加熱などのそれぞれの材料源に備えられた加熱手段またはスパッタリングなどによって気体の膜形成材料を生成、基板ホルダ20の保持された基板上に堆積させる。
これにより、基板上に膜形成材料からなる膜を形成する。
次に、例えば、イオン源32からイオンを発生させ、気化させた気体の膜形成材料および基板上に堆積した膜に照射して堆積した膜の緻密化を行うように照射する。
イオン源32から発せられるイオンは、例えばHeやArなどの不活性ガスのイオンである。また、その他の反応性のイオンを用いることも可能である。
ここで、イオン源32から発せられたイオンは、基板ホルダ20の領域に対する濃度に勾配を有しており、かつ、基板ホルダ20の領域の全面に照射される。
上記のイオン源32から発せられたイオンにより、堆積した膜の緻密化を行われる。
本実施形態の成膜方法においては、さらに第2膜形成材料源34において、電子銃加熱あるいは抵抗加熱などのそれぞれの材料源に備えられた加熱手段またはスパッタリングなどによって気体の膜形成材料を生成、基板ホルダ20の保持された基板上に堆積させてもよい。
例えば、第1膜形成材料源30として、シリコン、酸化シリコン、酸化タンタルなどの無機材料の膜を形成するための材料源を用いることができる。
また、例えば、第2膜形成材料源34として、フッ化炭素系化合物あるいはパーフロロアルキルシラザンなどのシリコーン樹脂などの有機材料の膜を形成するための材料源を用いることができる。
第1膜形成材料源30と第2膜形成材料源34が両者とも無機材料の膜を形成するための材料源であってもよく、また、両者とも有機材料の膜を形成するための材料源であってもよい。
また、3個以上の膜形成材料源からそれぞれ気化した膜形成材料を得て成膜してもよい。この場合、各膜形成材料源は、無機材料の膜を形成するための材料源と有機材料の膜を形成するための材料源のいずれであってもよい。
例えば、特定の膜形成材料に対してアシストイオンによる効果を得ようとする場合、基板ホルダ上に想定される上記特定の膜形成材料の気体の到着領域において、アシストイオンの電流密度分布が高濃度となり、上記特定の膜形成材料の気体が到達しない領域にはアシストイオンの電流密度分布が低濃度となるように照射が行われるよう非対称のレイアウトでイオンを入射させることが有効である。
上記の成膜方法にように、膜形成材料源が二個以上存在する場合でも、非対称のレイアウトでアシストイオンを入射させることは可能である。
有機材料と誘電体材料を膜形成材料として用いる場合、イオンアシストは誘電体物質に対して使用する場合が多く、イオン源への有機材料による汚染は効率的な防着シールドを形成することができる。
従来のイオンアシスト方式の成膜方法では、膜形成材料源から気化された気体の膜形成材料のすべての基板上に成膜され、イオンソースによる一定なイオンビーム電流密度でイオン照射を行うので、一定な電流密度のイオンビームから照射するイオンアシスト効果に対して、形成された薄膜の内部応力、蒸着された分子の配列、膜表面の物性などの膜質の改善が十分ではなかった。
イオンアシスト源は、一概に全面に均一な電流密度を有している事が最善ではなく、場合によっては成膜された面へダメージやスパッタリングによる膜の現象が悪影響を及ぼす。
特に、近年、大量生産を行うために装置は大型化の傾向にあるが、従来の全面照射によるIAD成膜の手法ではドーム状の基板ホルダ全体で均一な製品を製造することができない。
大型の装置においては、基板へ薄膜を形成する場合、膜形成材料の気体の不均一が発生し、あるいは、膜形成材料の気体が到達しない領域が発生する場合があるためである。
タブレット型タッチスクリーンデバイス等に多用されている防汚膜の生産において、誘電体材料と有機材料の成膜をバッチ内で処理を完了する必要がある。
しかしながら、有機材料の汚染は誘電体材料の膜形成材料源へ悪影響を及ぼす。
本実施形態の成膜方法によれば、基板ホルダの領域に対する濃度に勾配を有するイオンを基板ホルダの領域の全面に照射し、膜にイオンを照射して膜を緻密化することにより、イオンアシスト方式の成膜方法において、形成した膜に対するイオンアシストによる緻密化の効果を高めることができる。
特に、均一照射エリアの限られた既存のイオン源を用いて、大量生産を目的とした大型装置に最適化し、最大限の能力を発揮する成膜方法である。
本実施形態において用いられるイオン源としては、基板ホルダ全面に、イオン電流密度の傾斜を持った分布特性を有したイオン源を用いる。
上述のように基板ホルダの領域に対する濃度に勾配を有するイオンを基板ホルダの領域の全面に照射可能に構成されていれば、どのような構成でもよい。
一般的に、アシスト用のイオン源のからのイオン電流密度は、基板距離が離れるほど小さくなる。
成膜エリアと非成膜エリアで照射面積を比較すると、非成膜エリアの方が面積が大きい。このため、アシストイオンの照射を基板ホルダの領域の一部に限定することは、成膜工程の生産レートが限定されてしまうことになる。
よって、本実施形態のように、非対称のレイアウトであっても成膜面の全面へアシストイオンの照射を継続することでより、高効率な生産が可能となる。
また、基板ホルダ20の領域の全面に照射されるので、基板上には成膜中常時イオンが照射されており、成膜速度の向上を図ることができる。
また、基板ホルダ20の領域に対する濃度に勾配を有しているので、形成される膜の内部応力を低減することができる。
例えば、本実施形態の成膜方法は、イオン照射工程において、基板ホルダの領域の一部に高濃度のイオンを照射し、かつ、基板ホルダの領域の残部に低濃度のイオンを照射することが好ましい。
例えば、イオン源32からは、一対の破線A32の間の領域において高濃度のイオンが照射され、一対の破線A32の間の領域の外部である一対の一点差線B32の間の領域において低濃度のイオンが照射される。
基板ホルダ20の領域は、全域において、上記の高濃度のイオンが照射される領域と低濃度のイオンが照射される領域のいずれかとなる。
また、例えば、本実施形態の成膜方法は、イオン照射工程において、基板がイオンの高濃度領域と低濃度領域を交互に通過するように基板を移動させながら行うことが好ましい。
基板がイオンの高濃度領域と低濃度領域を交互に通過するように基板を移動させることで、基板に高濃度のイオンと低濃度のイオンのいずれかを常時照射することができる。
また、例えば、本実施形態の成膜方法は、イオン照射工程において、基板が所定の周期でイオンの高濃度領域と低濃度領域を交互に通過するように基板を移動させながら行うこことが好ましい。
例えば、イオン照射工程において、基板ホルダを回転駆動することで基板を移動させながら行うことで、基板が所定の周期でイオンの高濃度領域と低濃度領域を交互に通過するように基板を移動させることができる。
本実施形態においては、アシストイオンは、結果的にドーム状の基板ホルダに対して不均一ながら全面に照射される。
基板ホルダは一定速度で回転されており、この時に基板に対しては、周期性のある電流密度の揺らぎが与えられる。この揺らぎによりアシスト効果に強弱を与え、基板上のマイグレーション効果等に意図的な強弱をつけることが可能である。
また、例えば、本実施形態の成膜方法は、成膜工程において、成膜速度を所定の周期で変化させて膜を形成することが好ましい。
例えば、基板ホルダを回転駆動することで基板を移動させながら行うことで、成膜速度を所定の周期で変化させて膜を形成することができる。
また、例えば、本実施形態の成膜方法は、成膜工程における成膜速度が最大となる位置において、イオン照射工程におけるイオン照射量が最大となるように、基板を移動させながら行うことが好ましい。
また、例えば、本実施形態の成膜方法は、成膜工程における成膜速度が最大となる位置において、イオン照射工程におけるイオン照射量が最小となるように、基板を移動させながら行うことが好ましい。
また、例えば、本実施形態の成膜方法は、基板ホルダに基板を複数枚保持して、成膜工程及びイオン照射工程を行うことが好ましい。
本実施形態の成膜方法によれば、基板ホルダに保持された複数枚の基板に対して均一なイオンアシストの効果を享受できる。
本実施形態に係る成膜方法は、成膜チャンバ中において回転する基板ホルダや冶具を有する一般的なバッチ処理型成膜装置に適用可能である。また、基板が直進搬送されるようなインライン型の成膜装置等に適用可能である。
IADプロセスを適用する成膜装置及び方法であれば、応用可能であり、用途を限定するものではない。
アシスト用のイオン源からのイオン電流密度の傾斜バランスは、膜形成材料の濃度分布に対して一様となる訳ではなく、膜形成材料の性質によってイオン電流密度の強弱バランスを適宜変更することができる。
<第2実施形態>
[成膜装置の構成]
図3は、本実施形態に係る成膜装置の模式構成図であり、基板ホルダ20に対する、第1膜形成材料源30、第1遮蔽隔壁31、イオン源32、イオン源遮蔽隔壁33、第2膜形成材料源34、及び第2遮蔽隔壁35のレイアウトを示す。
また、イオン源32から高濃度のイオンが照射される領域A32と、低濃度のイオンが照射される領域B32の区分を示す。
基板ホルダ20の領域は、全域において、上記の高濃度のイオンが照射される領域A32と低濃度のイオンが照射される領域B32のいずれかとなる。
高濃度のイオンが照射される領域A32が、第1膜形成材料源30と第2膜形成材料源34から等距離となるようなレイアウトである。
第1膜形成材料源30と第2膜形成材料源34から発せられる膜形成材料の特性及び所望の特性の膜を形成するために、高濃度のイオンが照射される領域A32と低濃度のイオンが照射される領域B32のレイアウトを適宜変更することが可能である。
<第1実施例>
図4は上記の実施形態に係る成膜方法により成膜する場合の成膜速度とイオン照射量の基板位置に対する変化を示す図である。
図4中、実線a,b,cは、それぞれ基板ホルダの回転速度が、低速、中速、高速の場合において基板に照射されるイオン電流密度の相対値(ID)を示す。また、破線d,e,fは、それぞれ基板ホルダの回転速度が、低速、中速、高速の場合において基板に堆積される膜の成膜速度の相対値(DS)を示す。図中の横軸は回転移動する基板の位置を示す。
イオン照射工程において、基板が所定の周期でイオンの高濃度領域と低濃度領域を交互に通過するように基板を移動し、かつ、成膜工程において、成膜速度を上記の所定の周期で変化させて膜を形成する。
本実施例の成膜方法は、成膜工程における成膜速度が最大となる位置において、イオン照射工程におけるイオン照射量が最大となるように、基板を移動させながら行う。
形成する膜が、成膜時にイオンを照射してイオンのアシスト効果を得ることが好ましい場合に好ましく適用できる。
<第2実施例>
図5は第2実施例に係る成膜速度とイオン照射量の基板位置に対する変化を示す図である。
図5中、実線a,b,cは、それぞれ基板ホルダの回転速度が、低速、中速、高速の場合において基板に照射されるイオン電流密度の相対値(ID)を示す。また、破線d,e,fは、それぞれ基板ホルダの回転速度が、低速、中速、高速の場合において基板に堆積される膜の成膜速度の相対値(DS)を示す。図中の横軸は回転移動する基板の位置を示す。
イオン照射工程において、基板が所定の周期でイオンの高濃度領域と低濃度領域を交互に通過するように基板を移動し、かつ、成膜工程において、成膜速度を上記の所定の周期で変化させて膜を形成する。
本実施例の成膜方法は、成膜工程における成膜速度が最大となる位置において、イオン照射工程におけるイオン照射量が最小となるように、基板を移動させながら行う。
形成する膜が、成膜時にイオンを照射することが好ましくない場合に、成膜速度が高い位置でのイオン照射を避けて成膜を行うことができる。
本発明は上記の説明に限定されない。
例えば、上記においては真空蒸着法及びスパッタリング法に適用した実施形態について説明したが、イオンプレーティング法にも適用可能である。
また、上記に実施形態では真空蒸着法により無機膜あるいは有機膜を形成しているが、無機膜及び有機膜を連続的に形成する成膜方法あるいはこれらを交互に積層させる成膜方法にも適用できる。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
10…成膜チャンバ
11…排気管
12…真空ポンプ
20…基板ホルダ
30…第1膜形成材料源
31…第1遮蔽隔壁
32…イオン源
33…イオン源遮蔽隔壁
34…第2膜形成材料源
35…第2遮蔽隔壁

Claims (9)

  1. 成膜チャンバ中に設けられた基板ホルダに保持された成膜対象である基板に対して、膜形成材料を堆積させ、前記基板上に前記膜形成材料からなる膜を形成する成膜工程と、
    前記基板ホルダの領域に対する濃度に勾配を有するイオンを前記基板ホルダの領域の全面に照射し、前記膜にイオンを照射して前記膜を緻密化するイオン照射工程と
    を有する成膜方法。
  2. 前記イオン照射工程において、前記基板ホルダの領域の一部に高濃度のイオンを照射し、かつ、前記基板ホルダの領域の残部に低濃度のイオンを照射する
    請求項1に記載の成膜方法。
  3. 前記イオン照射工程において、前記基板が前記イオンの高濃度領域と低濃度領域を交互に通過するように前記基板を移動させながら行う
    請求項1または2に記載の成膜方法。
  4. 前記イオン照射工程において、前記基板が所定の周期で前記イオンの高濃度領域と低濃度領域を交互に通過するように前記基板を移動させながら行う
    請求項3に記載の成膜方法。
  5. 前記イオン照射工程において、前記基板ホルダを回転駆動することで前記基板を移動させながら行う
    請求項4に記載の成膜方法。
  6. 前記成膜工程において、成膜速度を前記所定の周期で変化させて前記膜を形成する
    請求項4または5に記載の成膜方法。
  7. 前記成膜工程における前記成膜速度が最大となる位置において、前記イオン照射工程におけるイオン照射量が最大となるように、前記基板を移動させながら行う
    請求項6に記載の成膜方法。
  8. 前記成膜工程における前記成膜速度が最大となる位置において、前記イオン照射工程におけるイオン照射量が最小となるように、前記基板を移動させながら行う
    請求項6に記載の成膜方法。
  9. 前記基板ホルダに前記基板を複数枚保持して、前記成膜工程及び前記イオン照射工程を行う
    請求項1〜8のいずれかに記載の成膜方法。
JP2012048470A 2012-03-05 2012-03-05 成膜方法 Pending JP2013185158A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012048470A JP2013185158A (ja) 2012-03-05 2012-03-05 成膜方法
CN201210353668.5A CN102899632B (zh) 2012-03-05 2012-09-21 镀膜方法及其镀膜装置
CN 201220484092 CN202865319U (zh) 2012-03-05 2012-09-21 镀膜装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012048470A JP2013185158A (ja) 2012-03-05 2012-03-05 成膜方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013185158A true JP2013185158A (ja) 2013-09-19

Family

ID=47572114

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012048470A Pending JP2013185158A (ja) 2012-03-05 2012-03-05 成膜方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2013185158A (ja)
CN (2) CN102899632B (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104962865A (zh) * 2015-07-07 2015-10-07 京浜光学制品(常熟)有限公司 一种离子源辅助ito膜热蒸镀工艺
CN114959593B (zh) * 2022-05-30 2023-09-19 咸阳旭光晶圆材料科技有限公司 一种激光晶体镀膜装置及其镀膜方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04235274A (ja) * 1991-01-11 1992-08-24 Sanyo Electric Co Ltd 高機能薄膜の形成方法
US20020111001A1 (en) * 2001-02-09 2002-08-15 Micron Technology, Inc. Formation of metal oxide gate dielectric

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10186130A (ja) * 1996-12-25 1998-07-14 Toppan Printing Co Ltd 光干渉フィルターの製造方法
JP4873455B2 (ja) * 2006-03-16 2012-02-08 株式会社シンクロン 光学薄膜形成方法および装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04235274A (ja) * 1991-01-11 1992-08-24 Sanyo Electric Co Ltd 高機能薄膜の形成方法
US20020111001A1 (en) * 2001-02-09 2002-08-15 Micron Technology, Inc. Formation of metal oxide gate dielectric

Also Published As

Publication number Publication date
CN102899632A (zh) 2013-01-30
CN202865319U (zh) 2013-04-10
CN102899632B (zh) 2015-05-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6963551B2 (ja) 真空処理装置及び基板を処理するための方法
TWI557252B (zh) 用於濺射沉積裝置之陰極組件與在濺射沉積裝置中沉積薄膜於基板上之方法
TW201402851A (zh) 利用一預穩定電漿之製程的濺鍍方法
KR101780466B1 (ko) 스퍼터 증착을 위한 소형의 회전가능한 스퍼터 디바이스들
KR20120139919A (ko) 내지문과 반사방지를 위한 코팅방법 및 코팅장치
US20020144903A1 (en) Focused magnetron sputtering system
JP7039234B2 (ja) 成膜装置
JP7461427B2 (ja) 成膜装置及び電子デバイスの製造方法
JP2009003348A (ja) 減光フィルタの成膜方法、減光フィルタの製造装置及びこれを用いた減光フィルタ並びに撮像光量絞り装置
EP2607516B1 (en) Method for forming a gas blocking layer
US20210164092A1 (en) Device and method for producing layers with improved uniformity in coating systems with horizontally rotating substrate guiding
JP2013185158A (ja) 成膜方法
JP2016501314A (ja) 蒸着源移動型蒸着装置
TWI695080B (zh) 多層沉積處理裝置
TWI674327B (zh) 用於沉積材料於基板上的沉積裝置、組件及方法
TWI632246B (zh) 用於反應性再濺射介電材料的pvd腔室中之腔室糊貼方法
JP2010095735A (ja) 成膜装置、成膜方法およびガスバリアフィルム
JP2010049137A (ja) 減光フィルタとこの減光フィルタの成膜方法及び成膜装置
JP4999602B2 (ja) 成膜装置
KR102171588B1 (ko) 스퍼터링 장치 및 방법
JP2013139619A (ja) 硬質コーティング層とその形成方法
JP2009007651A (ja) 減光フィルタの成膜方法、減光フィルタの製造装置及びこれを用いた減光フィルタ並びに撮像光量絞り装置
JP2009001889A (ja) 減光フィルタの成膜方法及びこれを用いた減光フィルタ並びに撮像光量絞り装置
JP2014162931A (ja) 成膜方法及び成膜装置
JP2011208185A (ja) スパッタリング装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150630

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150630

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150811

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160105

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160802