JP2013185158A - 成膜方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】成膜チャンバ10中に設けられた基板ホルダ20に保持された成膜対象である基板に対して、膜形成材料を堆積させて基板上に膜形成材料からなる膜を形成し、さらに、基板ホルダ20の領域に対する濃度に勾配を有するイオンを基板ホルダ20の領域の全面に照射し、膜にイオンを照射して膜を緻密化する。
【選択図】図1
Description
物理蒸着法は、成膜方法の相違により、真空蒸着法、スパッタリング法、及びイオンプレーティング法に大別される。
成膜チャンバ内部で基板表面に膜形成材料を堆積して成膜する時に、気化させた気体の膜形成材料および基板上に堆積した膜にイオンを照射することにより、堆積した膜の緻密化等の改質を行うプロセスがイオンアシスト蒸着(IAD:Ion-Assisted Deposition)である。
例えば、ドーム状の基板ホルダに対して蒸気及びイオンを均一に基板ホルダ全面に照射する成膜装置が用いられている。
また、例えば、特許文献2には、イオンアシスト方式の成膜方法を用いた光学薄膜形成方法が開示されている。
また、例えば、特許文献3には、イオンアシスト方式の成膜方法が開示されている。
また、例えば、特許文献4には、イオンアシスト方式の成膜方法を用いた真空成膜装置が開示されている。
[成膜装置の構成]
図1は本発明の第1実施形態に係る成膜装置の模式構成図である。
成膜装置は、例えば、成膜チャンバ10を有する。
成膜チャンバ10は、排気管11を介して真空ポンプ12が接続されており、内部が所定の圧力に減圧可能となっている。
真空蒸着あるいはスパッタリングによる成膜時における成膜チャンバ10内の背圧は、例えば10−2〜10−5Pa程度である。
基板ホルダ20は、例えば、基板の成膜領域が後述する膜形成材料源側に臨むようにして、1枚あるいは複数枚の基板を保持し、ドーム状の形状の中心を回転軸として回転駆動可能に構成されている。
膜形成材料源としては、例えば、真空蒸着法による成膜を行う場合には、電子銃加熱型(EB)材料源、抵抗加熱型(RH)材料源、レーザ加熱型材料源、ホローカソード加熱型材料源などを用いることができる。
また、例えばスパッタリング法による成膜を行う場合には、電圧を印加した材料源(ターゲット)に荷電粒子を照射して気体の膜形成材料を得るスパッタリング型材料源などを用いることができる。
以降、上記の各種材料源を総称して膜形成材料源とする。
第1膜形成材料源30は、上記のように基板ホルダの全体または一部である所望する領域に拡散するように、上記の発散を考慮して基板ホルダから所定の距離を隔てて設置されている。
破線A30の間の領域は、基板ホルダ20の領域の全域を覆っていてもよく、一部であってもよい。
イオン源32からは、気化させた気体の膜形成材料および基板上に堆積した膜に照射して堆積した膜の緻密化を行うためのイオンが発せられる。
ここで、イオン源32から発せられたイオンは、基板ホルダ20の領域に対する濃度に勾配を有しており、かつ、基板ホルダ20の領域の全面に照射される。
イオン源32から発せられるイオンは、例えばHeやArなどの不活性ガスのイオンである。また、その他の反応性のイオンを用いることも可能である。
イオン源遮蔽隔壁33は、イオンの拡散制御及びイオン源の汚染防止などの機能を有する。
基板ホルダ20の領域は、全域において、上記の高濃度のイオンが照射される領域と低濃度のイオンが照射される領域のいずれかとなる。
例えば、破線A32と一点差線B32の間の領域では、外側の領域程イオンの濃度が低下する濃度プロファイルを有する。また、低濃度の均一なプロファイルでもよい。
第2膜形成材料源34としては、第1膜形成材料源30と同様に、電子銃加熱型(EB)材料源、抵抗加熱型(RH)材料源、レーザ加熱型材料源、ホローカソード加熱型材料源、あるいは、スパッタリング型材料源などを用いることができる。
また、例えば、第2膜形成材料源34の近傍に、必要に応じて第2遮蔽隔壁35が設けられている。
上記の第1遮蔽隔壁31及び第2遮蔽隔壁35は、例えば、各膜形成材料源から発生した気体が互いの材料源にたいして汚染干渉をしないようにする機能を有する。
破線A34の間の領域は、基板ホルダ20の領域の全域を覆っていてもよく、一部であってもよい。
本実施形態の成膜装置は、バッチ式に限らず、いわゆる、インライン方式で成膜対象物を蒸着チャンバ10内にパスバイあるいはステップバイステップなどの方式で連続的に搬送する装置にも適用可能である。
また、イオン源32から高濃度のイオンが照射される領域A32と、低濃度のイオンが照射される領域B32の区分を示す。
基板ホルダ20の領域は、全域において、上記の高濃度のイオンが照射される領域A32と低濃度のイオンが照射される領域B32のいずれかとなる。
膜形成材料は、目的とする膜の特性に応じて適宜選択可能である。例えば、膜形成材料が、シリコン、酸化シリコン、酸化タンタルなどの無機材料の場合、膜形成材料源として電子銃加熱型材料源あるいはスパッタリング型材料源を用いることができる。
また、不図示のプラズマ発生部から得たプラズマを用いて、成膜中あるいは成膜後にプラズマ処理を施し、膜を酸化させることも可能である。
例えば、膜形成材料が、フッ化炭素系化合物あるいはパーフロロアルキルシラザンなどのシリコーン樹脂などの有機材料の場合、膜形成材料源として抵抗加熱型材料源を用いることができる。
その他、真空蒸着法あるいはスパッタリング法などの物理蒸着法に適用可能な膜形成材料であれば、適用可能である。
また、成膜チャンバ10内に3個以上の膜形成材料源を有する構成であってもよい。
この場合、各膜形成材料源は、無機材料の膜を形成するための材料源と有機材料の膜を形成するための材料源のいずれであってもよい。
次に、本実施形態に係る成膜方法について説明する。
例えば、上述の本実施形態に係る成膜装置を用いて行う。
まず、例えば、成膜チャンバ10中に設けられた基板ホルダ20に、基板の成膜領域が膜形成材料源側に臨むようにして、1枚あるいは複数枚の基板を保持する。
次に、例えば、成膜チャンバ10を所定の圧力に真空引きし、次に、基板ホルダ20をドーム状の形状の中心を回転軸として回転駆動しながら、第1膜形成材料源30において、電子銃加熱あるいは抵抗加熱などのそれぞれの材料源に備えられた加熱手段またはスパッタリングなどによって気体の膜形成材料を生成、基板ホルダ20の保持された基板上に堆積させる。
これにより、基板上に膜形成材料からなる膜を形成する。
イオン源32から発せられるイオンは、例えばHeやArなどの不活性ガスのイオンである。また、その他の反応性のイオンを用いることも可能である。
上記のイオン源32から発せられたイオンにより、堆積した膜の緻密化を行われる。
また、例えば、第2膜形成材料源34として、フッ化炭素系化合物あるいはパーフロロアルキルシラザンなどのシリコーン樹脂などの有機材料の膜を形成するための材料源を用いることができる。
第1膜形成材料源30と第2膜形成材料源34が両者とも無機材料の膜を形成するための材料源であってもよく、また、両者とも有機材料の膜を形成するための材料源であってもよい。
また、3個以上の膜形成材料源からそれぞれ気化した膜形成材料を得て成膜してもよい。この場合、各膜形成材料源は、無機材料の膜を形成するための材料源と有機材料の膜を形成するための材料源のいずれであってもよい。
イオンアシスト源は、一概に全面に均一な電流密度を有している事が最善ではなく、場合によっては成膜された面へダメージやスパッタリングによる膜の現象が悪影響を及ぼす。
大型の装置においては、基板へ薄膜を形成する場合、膜形成材料の気体の不均一が発生し、あるいは、膜形成材料の気体が到達しない領域が発生する場合があるためである。
しかしながら、有機材料の汚染は誘電体材料の膜形成材料源へ悪影響を及ぼす。
特に、均一照射エリアの限られた既存のイオン源を用いて、大量生産を目的とした大型装置に最適化し、最大限の能力を発揮する成膜方法である。
上述のように基板ホルダの領域に対する濃度に勾配を有するイオンを基板ホルダの領域の全面に照射可能に構成されていれば、どのような構成でもよい。
成膜エリアと非成膜エリアで照射面積を比較すると、非成膜エリアの方が面積が大きい。このため、アシストイオンの照射を基板ホルダの領域の一部に限定することは、成膜工程の生産レートが限定されてしまうことになる。
よって、本実施形態のように、非対称のレイアウトであっても成膜面の全面へアシストイオンの照射を継続することでより、高効率な生産が可能となる。
また、基板ホルダ20の領域に対する濃度に勾配を有しているので、形成される膜の内部応力を低減することができる。
基板ホルダ20の領域は、全域において、上記の高濃度のイオンが照射される領域と低濃度のイオンが照射される領域のいずれかとなる。
基板がイオンの高濃度領域と低濃度領域を交互に通過するように基板を移動させることで、基板に高濃度のイオンと低濃度のイオンのいずれかを常時照射することができる。
例えば、イオン照射工程において、基板ホルダを回転駆動することで基板を移動させながら行うことで、基板が所定の周期でイオンの高濃度領域と低濃度領域を交互に通過するように基板を移動させることができる。
基板ホルダは一定速度で回転されており、この時に基板に対しては、周期性のある電流密度の揺らぎが与えられる。この揺らぎによりアシスト効果に強弱を与え、基板上のマイグレーション効果等に意図的な強弱をつけることが可能である。
例えば、基板ホルダを回転駆動することで基板を移動させながら行うことで、成膜速度を所定の周期で変化させて膜を形成することができる。
本実施形態の成膜方法によれば、基板ホルダに保持された複数枚の基板に対して均一なイオンアシストの効果を享受できる。
IADプロセスを適用する成膜装置及び方法であれば、応用可能であり、用途を限定するものではない。
[成膜装置の構成]
図3は、本実施形態に係る成膜装置の模式構成図であり、基板ホルダ20に対する、第1膜形成材料源30、第1遮蔽隔壁31、イオン源32、イオン源遮蔽隔壁33、第2膜形成材料源34、及び第2遮蔽隔壁35のレイアウトを示す。
また、イオン源32から高濃度のイオンが照射される領域A32と、低濃度のイオンが照射される領域B32の区分を示す。
基板ホルダ20の領域は、全域において、上記の高濃度のイオンが照射される領域A32と低濃度のイオンが照射される領域B32のいずれかとなる。
第1膜形成材料源30と第2膜形成材料源34から発せられる膜形成材料の特性及び所望の特性の膜を形成するために、高濃度のイオンが照射される領域A32と低濃度のイオンが照射される領域B32のレイアウトを適宜変更することが可能である。
図4は上記の実施形態に係る成膜方法により成膜する場合の成膜速度とイオン照射量の基板位置に対する変化を示す図である。
形成する膜が、成膜時にイオンを照射してイオンのアシスト効果を得ることが好ましい場合に好ましく適用できる。
図5は第2実施例に係る成膜速度とイオン照射量の基板位置に対する変化を示す図である。
形成する膜が、成膜時にイオンを照射することが好ましくない場合に、成膜速度が高い位置でのイオン照射を避けて成膜を行うことができる。
例えば、上記においては真空蒸着法及びスパッタリング法に適用した実施形態について説明したが、イオンプレーティング法にも適用可能である。
また、上記に実施形態では真空蒸着法により無機膜あるいは有機膜を形成しているが、無機膜及び有機膜を連続的に形成する成膜方法あるいはこれらを交互に積層させる成膜方法にも適用できる。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
11…排気管
12…真空ポンプ
20…基板ホルダ
30…第1膜形成材料源
31…第1遮蔽隔壁
32…イオン源
33…イオン源遮蔽隔壁
34…第2膜形成材料源
35…第2遮蔽隔壁
Claims (9)
- 成膜チャンバ中に設けられた基板ホルダに保持された成膜対象である基板に対して、膜形成材料を堆積させ、前記基板上に前記膜形成材料からなる膜を形成する成膜工程と、
前記基板ホルダの領域に対する濃度に勾配を有するイオンを前記基板ホルダの領域の全面に照射し、前記膜にイオンを照射して前記膜を緻密化するイオン照射工程と
を有する成膜方法。 - 前記イオン照射工程において、前記基板ホルダの領域の一部に高濃度のイオンを照射し、かつ、前記基板ホルダの領域の残部に低濃度のイオンを照射する
請求項1に記載の成膜方法。 - 前記イオン照射工程において、前記基板が前記イオンの高濃度領域と低濃度領域を交互に通過するように前記基板を移動させながら行う
請求項1または2に記載の成膜方法。 - 前記イオン照射工程において、前記基板が所定の周期で前記イオンの高濃度領域と低濃度領域を交互に通過するように前記基板を移動させながら行う
請求項3に記載の成膜方法。 - 前記イオン照射工程において、前記基板ホルダを回転駆動することで前記基板を移動させながら行う
請求項4に記載の成膜方法。 - 前記成膜工程において、成膜速度を前記所定の周期で変化させて前記膜を形成する
請求項4または5に記載の成膜方法。 - 前記成膜工程における前記成膜速度が最大となる位置において、前記イオン照射工程におけるイオン照射量が最大となるように、前記基板を移動させながら行う
請求項6に記載の成膜方法。 - 前記成膜工程における前記成膜速度が最大となる位置において、前記イオン照射工程におけるイオン照射量が最小となるように、前記基板を移動させながら行う
請求項6に記載の成膜方法。 - 前記基板ホルダに前記基板を複数枚保持して、前記成膜工程及び前記イオン照射工程を行う
請求項1〜8のいずれかに記載の成膜方法。
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