JP2015530484A - 粒子フリーの回転ターゲット及びそれを製造する方法 - Google Patents

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Abstract

軸方向を画定する軸の周囲を回転するように構成された回転スパッタターゲットが説明される。回転スパッタターゲットは、少なくとも、ターゲットを形成する第1ターゲットセグメントと第2ターゲットセグメントとを含み、第1ターゲットセグメントと第2ターゲットセグメントの対向する側面のうちの少なくとも1つは、詳細には、10μm Rmax以上、より詳細には100μm Rmax以上の表面粗さに、粗面化される。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、回転スパッタターゲット及び回転スパッタカソードに関する本発明の実施形態は、詳細には、回転スパッタターゲット及び回転スパッタカソードに関し、ターゲットを形成するために2つ以上のセグメントが提供される。明確には、軸方向を画定する軸の周囲を回転するように構成された回転スパッタターゲット、回転スパッタカソード、及び、回転スパッタカソードを製造するための方法に関する。
多くの用途において、基板上に薄層を堆積することが望まれる。薄層を堆積するための既知の技術は、詳細には、蒸発、化学気相スパッタリング及びスパッタリング堆積である。例えば、スパッタリングは、セラミックの薄層のような薄層を堆積するために使用されうる。スパッタリングプロセス中に、イオンをターゲットの表面に衝突させることによって、コーティング材料が、その材料から成るスパッタリングターゲットからコーティングされるべき基板へと輸送される。スパッタリングプロセス中、処理区域内で発生したイオンが、ターゲット表面からターゲット材料の原子を除去するに十分なエネルギーでターゲット表面に衝突しうるように、ターゲットは電気的にバイアスされうる。スパッタされた原子は、アースされてアノードとして機能しうる基板上に堆積しうる。代替的には、スパッタされた原子は、反応性スパッタリングと称されるプロセスにおいて、プラズマ中のガス、例えば窒素又は酸素と反応して、基板上に堆積しうる。
直流(DC)スパッタリングと交流(AC)スパッタリングは、導電性ターゲットがイオンをターゲットに誘引するようバイアスされうる、スパッタリングの形態である。スパッタリングターゲットが非導電性である場合、中周波(MF)スパッタリング及び高周波(RF)スパッタリングが使用されうる。スパッタリングチャンバの側部は、チャンバ壁をスパッタリング中の堆積から保護し、また、ターゲット電力をスパッタリングチャンバ内で発生したプラズマに容量的に結合するためのアノードとして作用するよう、シールドで覆われうる。スパッタリングは現在、薄膜トランジスタ(TFT)をベースとするフラットパネルディスプレイ(FPD)の製造に適用されている。FPDは、典型的には、ガラスの長方形薄型シート上で製造される。ガラスパネル上に形成された電気回路は、後続してガラスパネル上に装着されるか、又はガラスパネル内に形成される、液晶ディスプレイ(LCD)、有機LED(OLED)又はプラズマディスプレイのような、光学回路を駆動するために使用される。更に他の種類のフラットパネルディスプレイは、有機発光ダイオード(OLED)をベースとする。例えば可撓性ポリマーシートのような、他の種類の基板が企図されている。同様の技術は、太陽電池の製造に使用されうる。
一般的な2種類のスパッタリングターゲット、平面スパッタリングターゲット及び回転スパッタリングターゲットアセンブリが存在する。平面スパッタリングターゲットアセンブリと回転スパッタリングターゲットアセンブリは両方とも、それらの利点を有する。カソードの形状寸法及び設計により、回転ターゲットは、典型的には、平面ターゲットよりも活用度が高く、動作時間が長い。回転スパッタリングターゲットアセンブリは、特に大面積基板処理で有用でありうる。ロボット回転ターゲットアセンブリの製造において、円筒型のターゲットチューブをバッキングチューブに結合することは困難である。これは特に、単一部品ターゲットを提供するのに十分に大きなサイズでは提供されえないターゲット材料にあてはまり、ターゲットセグメントは、スパッタリング用のターゲットを形成するために、互いに隣接して載置される必要がある。
回転スパッタリングカソードの多くは、典型的には、円筒型の回転チューブ、例えばバッキングチューブを含み、その外表面に適用されたターゲット材料の層を有する。かかる回転スパッタリングカソードの製造において、ターゲット材料は、例えば、バッキングチューブの外表面上への、噴射、粉末のキャスティング又は等方加圧によって、適用されうる。代替的には、ターゲットチューブとも称されうる中空円筒形のターゲット材料が、回転ターゲットを形成するために、バッキングチューブ上に配設され、かつ、例えばインジウムで、バッキングチューブに結合されうる。
堆積速度の増大を得るために、磁気的に強化されたカソードを使用することが提案されている。これは、マグネトロンスパッタリングとも称されうる。磁石の配列を含みうる磁気的手段が、スパッタリングカソードの内側、例えばバッキングチューブの内側に配設され、磁気的に強化されたスパッタリングのための磁界を提供しうる。カソードは、典型的には、それが磁気的手段に対して回動しうるように、その長手方向軸の周囲で回転可能である。
典型的なスパッタリングターゲットのターゲット材料は、スパッタリング中に、早急に、例えば1週間以内に、使い尽くされ、又は消費されうる。スパッタリング設置の操業コストの大部分は、ターゲットのコストである。そのため、改良版の及び/又はより費用対効果が高い回転ターゲットが、目下必要とされている。
インジウムすず酸化物(ITO)のターゲットは、大型サイズで作ることが困難である。ゆえに、ターゲットは通常、セグメント化された設計を備える、すなわち、いくつかのセグメントのターゲット材料が提供されてターゲットを形成する。しかし、近接するセグメントの接合部又は界面に、粒子が発生しうる。固定されていない粒子は、スキャッタリング及び/又は再堆積により、2つのターゲットセグメント間のこの接合部又は間隙内に蓄積しがちであることから、この領域内に、或いはこの領域に隣接して、粒子が発生しうる。粒子の発生は堆積プロセスの品質に有害でありうるという事実とは別に、ターゲットのクリーンスパッタリングのような対策はまた、ターゲット消費量の低減、或いは、少なくとも所望のターゲット消費量をもたらす。更に、これは、ターゲットを最大限まで完全には使用しないという傾向をもたらす。
以上を考慮するに、本発明の目的は、当該技術分野における問題の少なくとも一部を克服する、回転ターゲット及び/又は回転カソードを提供することである。
以上を踏まえ、独立請求項1による、軸方向を画定する軸の周囲を回転するように構成された回転スパッタターゲット、請求項10による回転スパッタカソード、及び、独立請求項13による回転スパッタカソードを製造する方法、が提供される。
一実施形態により、軸方向を画定する軸の周囲を回転するように構成された回転スパッタターゲットが提供される。回転スパッタターゲットは、少なくとも、ターゲットを形成する第1ターゲットセグメントと第2ターゲットセグメントとを含み、第1ターゲットセグメントの第1外半径は、第2ターゲットセグメントの第2外半径とは0.5mm以上、詳細には0.5mmから3mm、より詳細には1mmから1.5mm異なる。
別の実施形態により、回転スパッタカソードが提供される。カソードは、バッキングチューブと、軸方向を画定する軸の周囲を回転するように構成された回転スパッタターゲットとを含む。回転スパッタターゲットは、少なくとも、ターゲットを形成する第1ターゲットセグメントと第2ターゲットセグメントとを含み、第1ターゲットセグメントの第1外半径は、第2ターゲットセグメントの第2外半径とは0.5mm以上、詳細には0.5mmから3mm、より詳細には1mmから1.5mm異なる。
更なる実施形態により、回転スパッタカソードを製造する方法が提供される。方法は、第1ターゲットセグメントを第1軸位置でバッキングチューブに取り付けることと、第2ターゲットセグメントを、第2軸位置で、第1ターゲットセグメントに隣接してバッキングチューブに取り付けること、を含み、第1ターゲットセグメントと第2ターゲットセグメントによって形成されたターゲットの外表面に段差が提供され、段差は、少なくとも0.5mmの、詳細には0.5mmから3mmの、より詳細には1mmから1.5mmの、高さを有する。
一実施形態により、軸方向を画定する軸の周囲を回転するように構成された回転スパッタターゲットが提供される。回転スパッタターゲットは、少なくとも、ターゲットを形成する第1ターゲットセグメントと第2ターゲットセグメントとを含み、第1ターゲットセグメントの第1外半径は、第2ターゲットセグメントの第2外半径とは0.5mm以上、詳細には0.5mmから3mm、より詳細には1mmから1.5mm異なり、詳細には、第1外半径は、第2外半径の第2軸位置に隣接するターゲットの第1軸位置にある。ターゲット又はカソードに関するかかる実施形態はそれぞれ、本書で説明されている他の実施形態の特徴を使用して、また更なる実施形態を得るよう、修正されうる。
また更なる実施形態により、軸方向を画定する軸の周囲を回転するように構成された回転スパッタターゲット、及び/又は、対応する回転スパッタカソード、並びにそれらを製造する方法が、提供される。回転スパッタターゲットは、少なくとも、ターゲットを形成する第1ターゲットセグメントと第2ターゲットセグメントとを含み、第1ターゲットセグメントは、第1径方向外表面と、第1径方向内表面と、2つの対向する第1側面、詳細には2つの対向する第1輪型側面とを有し、第2ターゲットセグメントは、第2径方向外表面と、第2径方向内表面と、2つの対向する第2側面、詳細には2つの対向する第2輪型側面とを有し、第2ターゲットセグメントの第2側面のうちの一側面に隣接して提供される、第1ターゲットセグメントの第1側面のうちの少なくとも1つの側面は、10μm Rmax以上の、詳細には100μm Rmax以上の、表面粗さを有する。ターゲット又はカソードに関するかかる実施形態はそれぞれ、本書で説明されている他の実施形態の特徴を使用して、また更なる実施形態を得るよう、修正されうる。
また更なる実施形態により、軸方向を画定する軸の周囲を回転するように構成された回転スパッタターゲット、及び/又は、対応する回転スパッタカソード、並びにそれらを製造する方法が、提供される。回転スパッタターゲットは、少なくとも、ターゲットを形成する第1ターゲットセグメントと第2ターゲットセグメントとを含み、第1ターゲットセグメントと第2ターゲットセグメントの対向する側面は、詳細には10μm Rmax以上、より詳細には100μm Rmax以上の表面粗さに、粗面化される。ターゲット又はカソードに関するかかる実施形態はそれぞれ、本書で説明されている他の実施形態の特徴によってまた更なる実施形態を生み出すよう、修正されうる。
本発明の更なる態様、利点及び特徴は、従属請求項、明細書及び添付の図面から明白となる。
実施形態は、開示されている方法によって製造された装置も対象とし、説明されているそれぞれの方法ステップによってもたらされる装置部品を含む。さらに、本発明による実施形態は、説明されている装置が製造される、又はそれが動作する方法も対象とする。方法は、装置のあらゆる機能を提供するための方法ステップを含む。
本発明の上記の特徴を詳細に理解することができるように、実施形態を参照することによって、上記で簡潔に概説した本発明のより詳細な説明を得ることができる。添付の図面は本発明の実施形態に関し、以下において説明される。
本書で説明されている実施形態による、複数のターゲットセグメントを有する回転スパッタカソード及び回転スパッタターゲットを概略的に示す。 本書で説明されている実施形態による、複数のターゲットセグメントを有する別の回転スパッタカソード及び別の回転スパッタターゲットを概略的に示す。 本書で説明されている実施形態による、回転スパッタターゲットの一セグメントを概略的に示す。 本書で説明されている実施形態による、回転スパッタカソード及び回転スパッタターゲットが内部に提供された堆積装置を概略的に示しており、ターゲットは複数のターゲットセグメントを有する。 本書で説明されている実施形態による、回転スパッタカソード及び回転スパッタターゲットが内部に提供された更なる堆積装置を概略的に示しており、ターゲットは複数のターゲットセグメントを有する。 本書で説明されている実施形態による、回転スパッタカソードを製造する方法を図示するためのフロー図を示す。
これより本発明の種々の実施形態が詳細に参照されることになるが、その一又は複数の例が図に示されている。図面についての以下の説明の中で、同じ参照番号は同じ構成要素を表す。概して、個々の実施形態に関しての相違のみが説明される。各例は、本発明の説明として提供されているが、本発明を限定することを意図するものではない。更に、一実施形態の一部として図示又は説明された特徴を、他の実施形態で、又は他の実施形態と共に使用して、また更なる実施形態を得ることが可能である。本明細書は、かかる修正及び改変を含むことが意図されている。
更に、以下の説明では、回転ターゲットのターゲットセグメントが言及される。ターゲットセグメントは、タイル又はターゲットタイルとも称されうると、理解される。従って、一又は複数のターゲット、例えば4つから8つの、或いはそれを上回りさえするターゲットが、軸方向に互いに隣接して提供されて、ターゲットを形成しうる。従って、ターゲット並びにターゲットセグメントは、スパッタリングプロセス中に、軸、すなわち回転軸の周囲を回転するよう構成される。更にそれは、回転ターゲット並びに回転カソードと称される。従って、ターゲットは基板に堆積されるべきターゲット材料を含むことが、理解されよう。カソードは、典型的には、ターゲット並びにバッキングチューブ(もしあれば)を含み、更に、マグネトロンスパッタリングのために、ターゲット又はバッキングチューブ内に磁石アセンブリを含みうる。また更なる修正例により、カソードは、バッキングチューブ内の磁石アセンブリを冷却するための、及び/又は、バッキングチューブを冷却するための、冷却チャネルも含みうる。そのため、回転ターゲットはスパッタされるべき材料を含むことから、ターゲットは、典型的には堆積システム内でスパッタリングプロセスのために利用される、回転カソードの一部でありうる。
本発明の実施形態は概して、例えば円筒形のターゲットアセンブリでありうる回転ターゲットと、スパッタリングターゲット又はスパッタリングカソードを製造するための方法及び装置とを含む。従って、ターゲット又は対応するカソードはターゲットセグメントを備え、ターゲットセグメントは、セグメント間の界面又は開口における自由粒子を低減するために改良される。典型的には、以下の4つの措置のうちの少なくとも1つが提供される。:近接するターゲットセグメント間の径方向の段差、ターゲットセグメント側面、すなわち、セグメントの、別のセグメントの近接する側面に対面する側面の粗面化、ターゲットが接合された間隙の低減、及び、軸方向、すなわち回転軸の方向に沿ったターゲット長の増大。スパッタリングターゲットアセンブリ又は回転ターゲットは、カリフォルニア州Santa Claraの、Applied Materials, Inc.の子会社であるAKT(登録商標)から入手可能なPVDチャンバ、又は、ドイツのAlzenauにあるApplied Materials Gmbh & Co. KGから入手可能なPVDチャンバのような、PVDチャンバ内で使用されうる。しかし、スパッタリングターゲットアセンブリは、大面積基板、連続ウェブの形態の基板、大面積円形基板を処理するよう構成されたチャンバ、及び、他の製造業者によって生産されたチャンバを含む、他のPVDチャンバ内でも有用であることを、理解されたい。
図1は、回転カソード100を示す。下記では概して参照番号120により表されるいくつかのターゲットセグメント120aから120fは、結合層122によってバッキングチューブ130に結合される。見てわかるように、ターゲット又はカソードはそれぞれ、6つのターゲットセグメント120を含む。しかし、本書で説明されている他の実施形態と組み合わされうる、また更なる実施形態により、別の数のセグメントが提供されることも可能である。典型的には、ターゲットの数は、ターゲットセグメントの軸方向の長さ、及び、ターゲット全体の長さに依拠する。本書で説明されている他の実施形態と組み合わされうる典型的な実施形態により、カソード100の全てのターゲットセグメント120のうちの少なくとも1つの長さは、典型的には、300mm以上であり、典型的には、400mmから600mmである。従って、200mmの、通常使用される短尺のターゲットセグメントと比較して、ターゲットが接合された間隙の数が低減されうる。そのため、接合間隙の数が低減することにより、接合された間隙に発生する自由粒子の問題も、低減されうる。対応するターゲットセグメント長が、図2の参照番号238によって示されている。
回転ターゲットセグメントは、図1のターゲットセグメント120aについての参照番号134によって例示的に示されている、径方向の厚みを有する。見てわかるように、本書で説明されている実施形態により、ターゲット厚はターゲットセグメントごとに変わりうる。そのため、セグメント120aのターゲットセグメント厚は、ターゲット120bのターゲットセグメント厚と比べて異なる。セグメント120bのターゲットセグメント厚は、ターゲット120cのターゲットセグメント厚と比べて異なる。セグメント120cのターゲットセグメント厚は、ターゲット120dのターゲットセグメント厚と比べて異なり、同じように続く。ゆえに、隣接又は近接するターゲットセグメント間に、段差132により図示される、厚みの増大が提供される。換言すると、一セグメントの、近接するターゲットの隣接する軸端位置に対する軸端位置について考慮する場合、ターゲットセグメントの外径又は外半径は変わる。
従って、本書で説明されている他の実施形態と組み合わされうる種々の実施形態により、ターゲットセグメントの外半径又は厚みの変動は、軸位置の関数としての外表面位置の傾斜によって説明されうる。例えば、第1軸位置P(mm)は、外半径がR1(mm)という値を有する、第1ターゲットセグメントの軸位置によって提供されうる。P+0.5mmという軸位置において、外半径はR2=R1+1mmであるように変化する。そのため、2つの軸位置PとP+0.5との間の外半径を画定する関数の傾斜は、2である。典型的な実施形態により、傾斜は、少なくとも2以上であり、典型的には、少なくとも3以上であり、より一層典型的には、少なくとも5以上でありうる。
従って、図1と図2は、円筒形のターゲットを表しており、ターゲットセグメントの外半径は、各ターゲットセグメントの長さに沿って原則的に一定である。つまり、ターゲットセグメントは、その基表面が環帯をなしている一円筒を形成する。また、本書で説明されている他の実施形態と組み合わされうる代替的な実施形態により、ターゲットセグメントはまた、円錐形状の外表面を有し、或いは、軸方向に沿っての、外表面の直径又は半径の別の変動を有しうる。従って、例えば、一端部の直径がより大きく、セグメントの対向する軸端の第2直径の方が小さい、複数の類似したターゲットセグメントが存在することが、可能となるであろう。そのため、類似した配向を備えた近接するターゲットセグメントでは、近接するセグメントのより大きな直径が、それよりも小さい第1ターゲットセグメントの第2直径に隣接していることがあり、その場合には、段差も発生するであろう。
上述の図1と図2、及びそれらの修正例は、ターゲットの外表面の直径の変化、及び/又は、隣接するターゲットセグメント間の各接合間隙における各ターゲット厚の変化を表す。また、ターゲットの外表面の直径の変化、及び/又は、ターゲット厚の変化はそれぞれ、ターゲット又はカソード100に含まれる、一又は複数の接合間隙においてのみ提供されうることが、理解されよう。典型的な実施形態により、ターゲットの外表面の直径の変化、及び/又は、ターゲット厚の変化は、それぞれ、ターゲット又はカソード内に存在する接合間隙のうちの、少なくとも30%又は50%において、提供されうる。
ターゲットの外表面の直径の変化、及び/又は、ターゲット厚の変化の機能は、図1と図2の参照番号160によって表されている、スキャッタされた粒子に関して、理解されうる。プラズマ内でスキャッタされた粒子は、ターゲット表面に向けて方向付けられ、その衝突の際に、ターゲット材料を放出する。参照番号160で記された例示的粒子によって示される、複数の方向に方向付けられる粒子は、ターゲットセグメント間の接合間隙に衝突しない。従って、これらのスキャッタされた粒子は、接合間隙に蓄積しえず、かつ/又は、接合間隙に蓄積された自由粒子を放出しえないが、蓄積された粒子の接合間隙からの放出は、堆積に有害でありうる。そのため、ターゲットセグメント間の段差を踏まえると一角度方向が遮られている場合、粒子の蓄積、及び/又は、接合間隙内に或いは接合間隙において蓄積された粒子の放出を、約50%低減させることが可能であり、図1と図2の(左側及び右側からの)2方向の場合も、ほぼ同じ確率である。ターゲット長が2倍に増大することによってターゲットの接合間隙の数も50%低減すれば、解決されるべき問題も、75%低減しうる。
ターゲットセグメントの表面側壁を粗面化することによって、更なる改良が提供されうる。例示的なターゲットセグメントを図3に示す。ターゲットセグメントは、外表面224と側面222とを有する。環帯形状の基型を備えた円筒226の内部表面である、更なる表面を、図2に示す。垂直壁、すなわちターゲットセグメント接合領域の側面222は、2つのセグメント間の接合間隙に蓄積している粒子と機械的に連結するよう、粗面を有する。典型的な実施形態により、近接するセグメントの、2つの対向する輪型の又は環帯形状の側面のうちの一方又は両方は、10μm Rmax以上の、詳細には100μm Rmax以上の表面粗さを有する。従って、接合間隙に蓄積した粒子との機械的連結が発生し、接合間隙からの自由粒子の問題を、75%未満にまで、更に低減させる。例えば、また更なる修正例により、セグメント又はタイルの端部又は側面は、上述のように、ビードブラスト法によって粗面化されうる。有利には、また更なる実施形態により、タイル又はセグメントの対向する側部は、好ましくは結合に先立って、ビードブラストされるか、さもなければ粗面化される。その結果として、対向する側部に再堆積されたどのスパッタ材料も、タイル又はセグメント120の側部222により良好に接着して、剥離を低減又は遅延させる。ビードブラスト法は、タイルの表面を粗面化するために、例えばシリカ又は炭化ケイ素の粒子のような硬質粒子を、タイルに方向付けられた高圧ガス流内に混入することによって、実行されうる。
本書で説明されている他の実施形態と組み合わされうる、また更なる実施形態により、ターゲットセグメント間の接合間隙は、図1と図2の参照番号136によって記されている接合間隙が0.3mm以下に、典型的には0.1mmから0.3mmになるように、提供されうる。これは結果として、また更なる改善をもたらしうる。
そのため、接合間隙に又は接合間隙内に蓄積された自由粒子のスパッタリング中の放出を低減させるための、いくつかの態様、すなわち、本書で説明されているセグメントの接合間隙における半径の変化、セグメントの軸方向の長さ、セグメントの粗い側面、及び、接合間隙の寸法が、既に言及された。これらの措置は、相互に単独で使用されうることが、理解されよう。しかし有益には、これらの措置全てが使用される。更に、少なくとも、セグメント長の増大と組み合わされた接合間隙におけるターゲット厚の変化、少なくとも、セグメント長の増大と組み合わされたターゲットセグメント側面の粗面化、又は、少なくとも、セグメント長の増大及びターゲットセグメント側面の粗面化と組み合わされた接合間隙におけるターゲット厚の変化が、利用されうる。従って、実施形態は、接合間隙からの粒子放出を低減しうる。本書で説明されている実施形態によって低減される望ましくない粒子の放出は、以下のように発生しうる。セグメント化されたターゲットの設計により、固定されていない粒子は、ターゲットセグメント領域内、すなわちターゲットセグメントの接合部内に、蓄積するという傾向がある。固定されていない粒子は、再堆積又は材料のスキャッタリングによって発生する。固定されていない粒子の量、及び/又は、放出された固定されていない粒子の量を最小化するために、実施形態は、以下を提供する。:ターゲット接合領域へのスキャッタされた粒子の粒子入来を低減するための、この領域における段差、粒子を機械的に連結するための粗面を有する、ターゲット接合領域の垂直壁、0.1〜0.3mmに最小化されたターゲット接合間隙長、及び、ターゲット接合領域の数を低減させるための、約2倍の長さのターゲットセグメント長。
本書で説明されている他の実施形態と組み合わされうる種々の実施形態により、ターゲット材料は、セラミック、金属、ITO、IZO、IGZO、AZO、SnO、AlSnO、InGaSnO、チタン、アルミニウム、銅、モリブデン、及びそれらの組み合わせから成る群から、選択されうる。従って、ターゲット材料は、典型的には、基板上に堆積されるべき材料によってか、若しくは、反応性ガスと反応した後に次いで基板上に堆積されるべき、処理領域内で反応性ガスと反応するはずの材料によって、提供される。
図2は、回転カソード100を示す。下記では概して参照番号220により表される、いくつかのターゲットセグメント220aから120fは、バッキングチューブ130で提供される。従って、ターゲットは非結合ターゲットとして提供される。本書で説明されている典型的な実施形態により、図1に関して示されるように結合されるターゲットセグメントは、非結合ターゲットとしても提供されうる。従って、ターゲットセグメントは、バッキングチューブに収縮嵌めされるか、又は、バッキングチューブまで若干の距離を備えうる。典型的には、特に脆性材料に関しては、非結合ターゲットは製造がより困難であることから、結合ターゲットが使用される。しかし、本書で説明されている実施形態は、非結合ターゲットに関しても提供されうる。
図2を見てわかるように、ターゲット又はカソードはそれぞれ、6つのターゲットセグメント220を含む。しかし、他の実施形態と組み合わされうる、また更なる実施形態により、別の数のセグメントが提供されることも可能である。典型的には、ターゲットの数は、ターゲットセグメントの軸方向の長さ、及び、ターゲット全体の長さに依拠する。本書で説明されている他の実施形態と組み合わされうる典型的な実施形態により、カソード100の全てのターゲットセグメント120のうちの少なくとも1つの長さは典型的に300mm以上であり、典型的には、400mmから600mmである。従って、200mmの通常使用される短尺のターゲットセグメントに照らして、ターゲットが接合される間隙の数が低減されうる。そのため、接合間隙の数が低減することにより、接合された間隙に発生した自由粒子の問題も、低減されうる。これに対応するターゲットセグメントの長さが、参照番号238によって示されている。
本書で説明されている他の実施形態と組み合わされうる、また更なる実施形態により、図2に関して示され、説明されているターゲットとカソードは、図1に関して説明されているターゲットと実施形態に類似の修正例を有しうる。そのため以下では、図1に関して説明されているターゲットとカソードからの更なる修正例のみが説明される。
本書で説明されている他の実施形態と組み合わされうる、また更なる実施形態により、一方又は両方のターゲットの軸方向端部で提供されるターゲットセグメントは、図2に図示するように、ターゲット厚134が増大しうる。図2では、ターゲットの左端のターゲットセグメント、及び、ターゲットセグメントの右端のターゲットセグメントは、図1と比較すると、厚みが増大している。従って、本書で説明されている実施形態について、円筒形のターゲットの代わりに所謂ドッグボーンターゲットに相当するターゲット形状が提供される。ターゲットの軸方向端部におけるターゲットセグメントに関するターゲット厚の増大は、これらの領域におけるターゲット消費の増大が相殺されうるという利点を有する。そのため、全体的なターゲット使用が増大しうる。
通常、ターゲット厚は約9mmであり、ターゲットは、最小ターゲット厚を備える軸方向位置における残部ターゲット厚が約1mmになると交換される。従って、結合材料又はバッキングチューブがスパッタされても所望の堆積プロセスが不履行になりかねないという状況が、回避される。ターゲットの端部が厚くなっている初期ターゲット厚を使用することで、最小ターゲット厚に到達する軸方向位置の分量又は数が増大することから、又は、第1位置が危機的閾値厚さ、例えば1mmに到達する時点における平均ターゲット厚が低減することから、ターゲットのより長期の使用が可能になる。そのため、ターゲットの端部におけるターゲットセグメント厚の増大によって、全体的な使用が増大しうる。更に、ターゲットをクリーンスパッタする、すなわち、ダミー基板上で、又は、薄膜を製造するために基板のない方向に、スパッタリングを行うことによって、ターゲットを接合間隙内に蓄積された粒子から浄化する、必要性が低減する。従って、従来型のターゲットと比較して、本書で説明されている実施形態は、最大90%のターゲット使用を可能にする。
本書で説明されている他の実施形態と組み合わされうるいくつかの実施形態により、より厚いターゲットセグメント、及び/又は、ターゲット直径の増大は、最深浸食領域に、例えばターゲットの軸方向端部に、配置されうる。ゆえに、ターゲット寿命は、従来型のターゲットと比較すると、最大30%延長されうる。
本書で説明されている他の実施形態と組み合わされうる、また更なる実施形態により、バッキングチューブ130は、例えば、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム及びそれらの組み合わせといった、硬性材料から製造されうる。図1に示す結合材料122は、スパッタリングターゲットをバッキング板又はバッキングチューブに結合するに適切な材料である。適切な結合材料の例は、インジウム及びインジウム合金のようなインジウム系結合材料を含むが、それらだけに限定される訳ではない。加えて、ターゲットアセンブリの内部には、一又は複数のマグネトロン(図示せず)が提供されうる。マグネトロンは、ターゲットアセンブリのセンター内で回転しうる。加えて、冷却流体チューブのような冷却機構(こちらも図示せず)が、ターゲットアセンブリ100の内部に配置されうる。ターゲットアセンブリ100は、使用時に均一なターゲット浸食を促進するよう、ターゲット又はカソードの軸の周囲を回転可能である。
図4は、堆積装置400の第1の複数の実施形態を説明するために使用される。堆積装置は、少なくとも、排気されるよう構成されうる堆積チャンバ402を有する。例えば、堆積チャンバは、真空フランジ413を有する。ポンピングシステム(図示せず)は、チャンバ内に技術的真空を提供するために、チャンバ402に接続されうる。典型的には、真空は、スパッタリングプロセスのために所望に応じて提供されうる。典型的なプロセス圧力は、1×10−3と10×10−3mbarとの間でありうる。
基板支持体422が、チャンバ402内に提供されうる。基板支持体は、カソード100による基板上への層又は薄膜の堆積中に、基板410を支持する。図4に示す例では、4つのカソードが提供されている。カソードは、アノードに対して、及び/又はチャンバ壁402に対して、バイアスされる。更に、基板又は基板支持体402は、その上への層の堆積のためにバイアスされうる。
典型的な実施形態により、カソードは、一対のカソード、例えば回転可能MFツインカソードとして提供されうる。ITOのようなセラミックターゲットに関しては、カソードがDC電圧へとバイアスされる、スパッタリングプロセスが提供されうる。従って、典型的な実施形態により、シリコンターゲット、アルミニウムターゲットやモリブデンターゲットなどからのスパッタリングは、中周波スパッタリングであるMFスパッタリングによって実施される。本書の実施形態により、中周波は、5kHzから100kHzまで、例えば10kHzから50kHzまでの範囲内の周波数である。透明な導電酸化膜のためのターゲットからのスパッタリングは、典型的には、DCスパッタリングとして実施される。
種々の代替例により、チャンバ402内の基板支持体422は支持ペデスタルであることが可能であり、基板410は、ロボットアームのようなアクチュエータでペデスタル上に供給される。代替的には、基板支持体は、基板輸送システムの一部であることが可能であり、チャンバ402の中へ、及びチャンバ402から外へ、基板を輸送するためにローラが提供される。ローラシステムは、基板、又は、内部の基板を運ぶことになるキャリアを、ガイドしうる。
更に、また更なる代替例として、輸送システムの場合、基板はインラインプロセスにおいても堆積されうる。インラインプロセスで、基板は、堆積されつつ、チャンバ402を通って移動する。かかる事例では、チャンバ402の左側に示すようなバルブユニット408などを有するチャンバ開口部が、チャンバ402の右側にも提供されるであろう。更に、典型的には、チャンバ402の、チャンバ401に対向する側部に、別のチャンバが提供されるであろう。典型的な実施形態により、チャンバ401は、例えば堆積、エッチングや加熱などのための、例えばロボットを含むか、又は隣接する処理チャンバでありうる、ロードロックチャンバ、移送チャンバでありうる。
本書で説明されている他の実施形態と組み合わされうるいくつかの実施形態により、本書で説明されている実施形態は、ディスプレイPVD、すなわちディスプレイ市場向けの大面積基板上のスパッタ堆積に、利用されうる。幾つかの実施形態によると、大面積基板、又は、複数の基板を有するそれぞれのキャリアは、少なくとも0.67mのサイズを有しうる。典型的には、サイズは、約0.67m(0.73×0.92m−Gen4.5)から約8m、より典型的には約2mから約9m、又は、最大で12mでさえありうる。典型的には、本書で説明されている実施形態による構造、カソードアセンブリのような装置及び方法の提供の対象である基板又はキャリアは、本書で説明されている大面積基板である。例えば、大面積基板又はキャリアは、約0.67mの基板(0.73×0.92m)に相当するGEN4.5、約1.4mの基板(1.1m×1.3m)に相当するGEN5、約4.29mの基板(1.95m×2.2m)に相当するGEN7.5、約5.7mの基板(2.2m×2.5m)に相当するGEN8.5、又は、約8.7mの基板(2.85m×3.05m)に相当するGEN10でさえありうる。GEN11及びGEN12といった、より一層大きな世代、及び、相当する基板面積が、同様に実現されうる。
図5は、実施形態による堆積チャンバ500の概略図を示す。堆積チャンバ500は、PVDプロセス、又はCVDプロセスなどの堆積プロセスに適合する。基板輸送装置上に配置されている、一又は複数の基板が示されている。いくつかの実施形態により、基板支持体は、チャンバ内の基板の位置の調整を可能にするよう、可動でありうる。特に本書で説明されているような大面積基板に関しては、垂直な基板配向、又は、原則的に垂直な基板配向を有して、堆積が実施されうる。従って、輸送装置は、一又は複数のドライバ525、例えばモータによって駆動される、下部ローラ522を有しうる。ドライバ525は、ローラの回転のために、シャフト523によってローラ522に接続されうる。従って、例えばローラをベルトやギアシステムなどに接続することによって、1つのモータ525が2つ以上のローラを駆動することが可能になる。
ローラ524は、垂直な位置又は原則的に垂直な位置に基板を支持するために使用されうる。典型的には、基板は垂直であるか、又は、垂直位置から若干、例えば最大で5°.逸脱しうる。1m2から9m2の基板サイズを有する大面積基板は、典型的には大変薄く、例えば0.7mmか、又は0.5mmでさえあるように、1mm未満である。基板を支持し、かつ、基板を固定位置に供給するために、基板は基板処理中、キャリア内で供給される。そのため、基板は、キャリア内で支持されたまま、例えば複数のローラ及びドライバを含む輸送システムによって輸送されうる。例えば、内部に基板を有するキャリアは、ローラ522及びローラ524のシステムによって支持される。
堆積材料源、すなわち本書で説明されている実施形態によるカソード100は、コーティングされるべき基板の側部に対面して、チャンバ内に提供される。堆積材料源100は、基板上に堆積されるべき堆積材料565を供給する。図5に示すように、本書で説明されている実施形態により、カソード100は、ターゲットセグメントを有し、かつ、表面上に堆積材料を備えたターゲットでありうる。
いくつかの実施形態により、参照番号565によって示されている層堆積中の堆積材料は、堆積プロセス及びコーティングされた基板のその後の用途に従って選択されうる。例えば、材料源の堆積材料は、例えば透明な導電酸化物を形成するために、アルミニウム、モリブデン、チタンや銅などの金属、シリコン、IZO、IGZO、AZO、SnO、AlSnO、InGaSnO、及び他の材料からなる群から選択された材料でありうる。典型的には、かかる材料を含みうる酸化物、窒化物又は炭化物の層を、材料源から材料を供給することによって、又は反応性堆積、すなわち材料源からの材料が処理ガスからの酸素、窒化物又は炭素のような要素と反応することによって、堆積させることが可能である。
図6は、回転スパッタカソードを製造するための方法の実施形態を図示している。方法はステップ602で、第1ターゲットセグメントを第1軸位置でバッキングチューブに取り付けることを含む。ステップ604では、第2ターゲットセグメントが、第2軸位置で、第1ターゲットセグメントに隣接してバッキングチューブに取り付けられる。第1ターゲットセグメントの外表面と第2ターゲットセグメントの外表面における段差が提供され、段差は、少なくとも0.5mmの、詳細には0.5mmから3mmの、より詳細には1mmから1.5mmの、高さを有する。ステップ602とステップ604では、典型的なそれらの修正例により、第1ターゲットセグメントと第2ターゲットセグメントがバッキングチューブに結合されうる。更なる実施形態が得られるまた更なる修正例により、第1ターゲットセグメントと第2ターゲットセグメントの対向する側面が粗面化される。例えば、それらは、第1ターゲットセグメントと第2ターゲットセグメントの研磨後に粗面化されうる。典型的には、それらは、ビートブラスト法などによって、10μm Rmax以上、詳細には100μm Rmax以上の表面粗さに、粗面化されうる。
上記の記述は本発明の実施形態を対象としているが、本発明の基本的な範囲を逸脱することなくそれ以外の更なる実施形態を考案することが可能であり、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって定められる。

Claims (15)

  1. 軸方向を画定する軸の周囲を回転するように構成された回転スパッタターゲットであって、
    少なくとも、ターゲットを形成する第1ターゲットセグメントと第2ターゲットセグメントとを備え、
    前記第1ターゲットセグメントは、第1径方向外表面と、第1径方向内表面と、2つの対向する第1側面、詳細には2つの対向する第1輪型側面とを有し、
    前記第2ターゲットセグメントは、第2径方向外表面と、第2径方向内表面と、2つの対向する第2側面、詳細には2つの対向する第2輪型側面とを有し、
    前記第2ターゲットセグメントの前記2つの第2側面のうちの一遠位側面に隣接して提供される、前記第1ターゲットセグメントの前記2つの対向する第1側面のうちの少なくとも1つの側面は、10μm Rmax以上の、詳細には100μm Rmax以上の表面粗さを有する、ターゲット。
  2. 前記第1ターゲットセグメントの第1外半径は、前記第2ターゲットセグメントの第2外半径とは0.5mm以上、詳細には0.5mmから3mm、より詳細には1mmから1.5mm異なる、請求項1に記載のターゲット。
  3. 前記ターゲットは、軸方向に外側の第1のターゲットセグメントと、軸方向に外側の対向するターゲットセグメントとを有し、前記第1ターゲットセグメントと前記第2ターゲットセグメントのうちの少なくとも1つは、前記軸方向に外側の第1のターゲットと前記軸方向に外側の対向するターゲットとの間に、軸方向に提供される、請求項1又は2に記載のターゲット。
  4. 前記第1ターゲットセグメントと前記第2ターゲットセグメントとの間の接合間隙は、0.5mm以下、詳細には0.1mmから0.3mmである、請求項1から3のいずれか一項に記載のターゲット。
  5. 前記第1ターゲットセグメントと前記第2ターゲットセグメントのうちの少なくとも1つの長さは、300mm以上、詳細には400mm以上、より詳細には400mmから500mmである、請求項1から4のいずれか一項に記載のターゲット。
  6. 前記第1ターゲットセグメントの前記第1外半径は、前記ターゲットの第1軸位置において提供され、前記第2ターゲットセグメントの前記第2外半径は、前記ターゲットの第2軸位置において提供され、前記第1位置と前記第2位置は互いから約1mm離れている、請求項1から5のいずれか一項に記載のターゲット。
  7. 前記軸方向に外側の第1のターゲットセグメントと前記軸方向に外側の対向するターゲットセグメントは、前記軸方向に外側の第1のターゲットセグメントと前記軸方向に外側の対向するターゲットセグメントとの間の前記ターゲットセグメントの前記外半径よりも大きな外半径を有する、請求項2から6のいずれか一項に記載のターゲット。
  8. 前記ターゲットの材料は、セラミック、金属、ITO、IZO、IGZO、AZO、SnO、AlSnO、InGaSnO、チタン、アルミニウム、銅、モリブデン、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載のターゲット。
  9. 前記ターゲットの軸方向の長さは、1.5m以上、詳細には2m以上である、請求項1から8のいずれか一項に記載のターゲット。
  10. 回転スパッタカソードであって、
    バッキングチューブと、
    請求項1から9のいずれか一項に記載の回転スパッタターゲットとを備える、回転スパッタカソード。
  11. 前記ターゲットは前記バッキングチューブに結合される、請求項10に記載の回転スパッタカソード。
  12. 前記ターゲットは非結合ターゲットである、請求項10に記載の回転スパッタカソード。
  13. 回転スパッタカソードを製造する方法であって、
    第1ターゲットセグメントを第1軸位置でバッキングチューブに取り付けることと、
    第2ターゲットセグメントを、第2軸位置で、前記第1ターゲットセグメントに隣接して前記バッキングチューブに取り付けること、を含み、
    前記第1ターゲットセグメントは、第1径方向外表面と、第1径方向内表面と、2つの対向する第1側面、詳細には2つの対向する第1輪型側面とを有し、
    前記第2ターゲットセグメントは、第2径方向外表面と、第2径方向内表面と、2つの対向する第2側面、詳細には2つの対向する第2輪型側面とを有し、
    前記第2ターゲットセグメントの前記2つの第2側面のうちの一側面に隣接して提供される、前記第1ターゲットセグメントの前記2つの対向する第1側面のうちの少なくとも1つの側面は、10μm Rmax以上の、詳細には100μm Rmax以上の表面粗さを有する、方法。
  14. 前記第1ターゲットセグメントと前記第2ターゲットセグメントによって形成された前記ターゲットの前記外表面に、段差が提供され、前記段差は、少なくとも0.5mmの、詳細には0.5mmから3mmの、より詳細には1mmから1.5mmの、高さを有する、請求項13に記載の方法。
  15. 前記第1ターゲットセグメントと前記第2ターゲットセグメントの対向する側面が、前記第1ターゲットセグメントと前記第2ターゲットセグメントの研磨後に粗面化される、請求項13又は14に記載の方法。
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